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合弁会社と持分法

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合 弁 会 社 と 持 分 法

1  は   じ め 層に

  周 知 の よ うに,持 分 法(equity  method)は,元 来,原 価 法(cost  method), 時 価 法(market  value method)な ど と並 ん で,投 資 株 式 に 適 用 さ れ る 一 つ の 評 価 方 法 で あ っ た も の が,1959年8月 公 表 の 会 計 調 査 公 報 第51号 に お い て,初 め て1行 連 結(one-line  consolidation)と い う発 想 に 基 づ く持 分 法 の 会 計 思 考 が,連 結 会 計 基 準 に 導 入 さ れ た の で あ る。 し か し,そ こで は,ま だ 非 連 結 子 会 社 株 式 の 評 価 方 法 と し て,持 分 法 が 好 ま し い も の ど さ れ て い た た す ぎ な か っ た  ラ が,1966年12月 公 表 の会 計 原 則 審 議 会 意 見書 第10号 で は,国 内 に あ る非 連 結 子        ラ 会 社 につ い て は,原 価 法 が 廃 され て,持 分 法 が 原 則 とされ るに至 った 。 とこ ろ が,当 時,世 界 の資 本 市 場 に おけ る株 式 支 配 の 一 般 化 の 中 に あ って,特 に過 半 数所 有 に 至 らな い が,被 投 資 会 社 の経 営 や 財 務 政 策 に 重要 な影 響 力 を もつ投 資 会 社 が,各 種 の企 業 形 態 を と っ て拡 大 ・発 展 し,そ の 実 態 泰 ます ます 複 雑化 し て い た 。   そ こで,1970年 代 に 入 って,か か る現 実 に 鑑 み て,ま ず 英 国で,1971年1月, 基 準 会 計 実 務 書 第1号 に お い て,そ の 問題 の重 要 性 が 認 識 され て,か か る持 分       の 法 の適 用 範 囲の 拡 大 が 図 られ た 。 続 い て,米 国 で も,同 年3月,意 見 書 第18号

1)  AICPA,`℃onsolidated  Financial  Statements,"Accounting  Re∫earch  Bu〃etinハ1b. 51,Aug.1959,  para.19.

2)  AICPA,``Omnibus  Opinion-1966,'㌧Ac`ounting  Principles.Board  Opinion  No.10, Dec.1966,  para.3.

3)ICAEW,"Accounting'for  the  Results  of Associated  Companies,"Statementげ .Standard∠4cooπ πがπ8'」Prα ㏄fc9  1▽b.1,  Jan.1971,

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      合弁会社 と持分法  45 に お い て,持 分 法 の適 用 範 囲 は 一 段 と拡 大 され,在 外 会社 を含 む 非 連 結 子 会 社 の み な らず,合 弁 会 社,20%か ら50%ま で所 有 の 関連 会 社 に 対 す る投 資 に も,       4) 持 分 法 を 適 用 せ ね ば な らな くな っ た 。 そ の 後,カ ナ ダ で は,1972年10月,調i査       5) 委 員 会 に よ る 勧 告 書3050に お い て,持 分 法 の 適 用 が 要 求 さ れ,オ ー ス トラ リ ア ・       6) で も,1973年9月,第2次 試 案 が 公 表 さ れ た 。 さ らに,1976年6月,'国 際 会 計       7) 基 準 第3.号 で も,連 結 会 計 上,持 分 法 の適 用 が 採 用 され,.わ が国で も,当 分 の 間,そ の適 用 は 強 制 され な い もの の,非 連 結 子 会 社 と関 連 会 社 に 持 分 法 を適 用       8) す る こ とが 要 求 され てい る。   した が っ て,各 国 に お い て,持 分 法 適用 上 の問 題 点 と し て,例 え ば,'(1)株式 評 価 基 準 と して の持 分 法 の妥 当 性,(2>重 要 な影 響 力 と支 配 と の相 違,㈲ そ の 推 定 基 準 と しての20%持 株 率 の 妥 当 性,㈲ 持 分 法 に連 結 基 準 を準 用 す る こ との 妥       9) 当性 な ど,種 々議 論 され て い る。しか し,本 稿 で は,専 ら持 分 法 の適 用 対 象 と し

4)  AICPA,"The  Equity  Method  of Accounting  for  Investments  in Common  Stock,"   Accounting  Principles  Board  Opinionハ わ.18,  March  1971,  para.1.

5)  CICA,``Long-term  Intercorporate  Investments、"CICA  Recommendation  Section   3050,0ct.1972.  CICA  Handbook,1976,  para.3050.07.

6)  J.B.  Ryan,  C.  T.  Heazlewood&B.  H.  Andrew,  Australian  Company  Financial   Reporting:1975,  Accounting  Research  Study  ハわ.7,1977,  P.20。

7)  IASC,`℃onsolidated  Financial  Statements,"International  Accounting  Standard   3,  1976,para.40. 8)  「連 結 財 務 諸 表 の 用 語,様 式 及 び 作 成 方 法 に 関 す る 規 則 」  (昭 和51年10月30日,大   蔵 省 令 第28号)お よ び 同 「取 扱 要 領 」  (昭 和52年3月11日,大 蔵 省 通 達 「蔵 証 第325   号 」) 9)  こ の 点 に つ い て は,既 に 拙 稿 で も 取 り 上 げ て 種 々 紹 介 し て き た が,ま だ 論 及 し て い   な い も の と し て は,次 の よ う な も の が あ る 。

  Gertrude  Mulcahy&G.  D.  Trites,"Long-term  Intercorporate  Investments,"   Canadian  Chartered  Accountant,  June  1971,  p.420-23.

  Ronald  Ma,"Equity  Accounting  and  Investment  Value,"Accounting  and  Busine∬   Research,  Spring  1972,  p.151-55.

  Ronald  M.  Copeland,  Robert  H.  Strawser&John  G.  Binns,"Accounting  for   Investments  in Common  Stock,"Financial  Executive,  Feb.1972,  p,36-46.

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て の 合 弁 会社 につ い て考 察 す る ことに した い 。 例 えば,英 国 で は,実 際 上,合

      10)

弁 事 業(joint  venture)な い し コ ン ソ ー シ ィ ア ム(consortium)で あ る 場 合,       11)                                       12) 米 国 で は 合弁 会社 で あ る場 合,そ し て,カ ナ ダで も合 弁 会 社 で あ る場 合 に は, 持 分 法 の 適用 が要 求 され て い る。 これ に 対 して,オ ース トラ リアで は,20%持 株 基 準 に対 す る反 証 例 とし て,合 弁 契 約 に よ る方 針 決定 上 の参 加権 が示 され て       13)                                                   14) い るにす ぎな い。 わ が 国 で も,特 に 合 弁 会 社 に つ い て は規 定 して い な い し,国       15) 際 会 計基 準 で も同様 で あ る。   した が って,(1)議 決 権 株 式 の所 有 比 率 に 関 係 な く,合 弁 会社 の投 資 株 式 に持 分 法 を適 用 す る考 え方 と(2)普通 の 株 式 投 資 と同 じ く,持 株 比 率 で 判 定 した 上 で,重 要 な影 響 力 の存 在 が 反 証 され る場 合 に 限 って,持 分 法 を適 用 す る とい う 考 え方 とが あ る よ うで あ る。   そ こで,こ の よ うな 観 点 か ら,ま ず 米 国 に お い て 合弁 会 社 の財 務 報 告 に 関 す る問題 が,ど の よ うな 形 で 議 論 され,そ の解 決策 と して どの よ うな 方 法 が 会 計 実 務 上 と られ たか につ い て 考 察 す る。 そ して,ARB第51号 公 表 の1959年 以 降,APB意 見 書 第18号 公表 の1971年 に至 る まで に,一 体 どの よ うな 経 済 的 な 状 況 変 化 が み られ,そ こで,会 計理 論 上,ど の よ うな思 考 的 発 展 が み られ るか に つ い て も明 らか に した い 。

  Users,"Financial  Analy∫is  Journal,  July-Aug.1972,  p.47-55.

    Henry  E. McCandless,"Applying  the  Effective  Control  Criterion,"(;A  Magazine,   Oct.  1975,  p.37-43.

    D.W,  Taylor&J.  F.  Rice,"Accounting  for  Intercorporate  Shareholdings,"   Au∫tralian  Accountant,  Dec.1978,  p.675-82.

    Jay  O. Cherrington,  Financial  Statement  EffectsげAlternative  Method∫ げValuing   le∬than  Fifty  Percent  Owned  Long  Term  Security  Inve∫tments,  Univ.  of  Minne・   sota,1972.

10)Robert 、Willott,  Current  Accounting  Law  and  Practice,1978,  p.393. 11)  Thomas  E. Lynch,``Reporting  Requirements  for Equity  Securities,"Management   Accounting,  Dec.1972,  p.23.

12)  CICA,  Financial  Reporting  in  Canada,10th  ed.,1973,  p,8. 13)  J.B.  Ryan  et  al.,01》. cit., p.21.

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合弁会社 と持 分法   47

皿  合弁事 業の財務報告

  ハ ン セ ン(Robert  E. Hansen)に よれ ば,約20年 前 まで は,合 弁 事業 の財 務 報 告 は,そ の 出 資 会 社 以 外 の者 に と って は殆 ん ど関 心 が な か った 。 そ れ は,(1) 出 資 会 社 に 比べ て 合弁 事 業 の規 模 が重 要 で なか った こ と,(2)公 開 会社 の所 有 す る合 弁 事 業 の 数 が 少 な か った こ とに よ り,出 資 会 社 以 外 に は 一般 的 な重 要 性 が       16) な か っ た か らで あ る 。   と こ ろ が,1959年 に は50%所 有 の 合 弁 事 業 は 僅 か28社 し か な か っ た も の が, 1960年 に は60社,1963年 に は107社,そ し て1966年 に は4倍 の114社 と僅 か な:間         に 激 増 し て い っ た 。 し か し,こ の よ う な 合 弁 事 業 の 成 長 ・発 展 は,1959年 のA RB第51号 の 公 表 以 降 で あ っ て,1966年 のAPB第10号 の 公 表 時 に は ま だ 認 識 さ れ て い な か っ た 。 し た が っ て,当 時 に お い て は,他 の 会 社 の 財 政 状 態 と経 営 成 績 を 財 務 諸 表 に 含 め るべ き か ど う か は,専 ら 他 社 の 支 配 的 財 務 持 分(con・ trolling financial interest),す な わ ち 議 決 権 株 式 の 過 半 数 所 有 に よ っ て 決 定 さ       う れ て い た 。   (1)  財 務報 告 に 関 す る基 準 の欠 如   そ こで,こ の よ うな合 弁 事 業 の経 済 的 重 要 性 を 分 析 ・評価 し よ う と して も, 合 弁 事 業 の 財務 諸表 は全 く公 開 され て いな い の で,当 時 の分 析 資料 と して は, 合 弁 事 業 の 出資 会 社 が株 主 宛 の年 次 報 告 書 やSEC提 出用 の報 告 書 に合 弁 事 業       19) に 関 す る財 務情 報 を提 供 して い る程 度 の もの にす ぎな か った 。 した が って,出

16)  Robert  E. Hansen,  An  Historical  1)⑳ θJo卿 θπ虐げ ∠4cωππガ"g/br  Jo,π∫V診 刀砲rθ∫,   Indiana  Univ.,1968,  p.131.

17)  AICPA,  Accounting  Trends  and  Techniques,1967,  p.85&1964,  n.72. 18)  AICPA,`℃onsolidated  Financial  Statements,"ARB  No.51,  Accounting  Research   and  Terminology  Bulletins,1961,  p.42.

19)当 時,重 要 な 合 弁 事 業 に 関 す る 情 報 は,SECに 提 出 さ れ る 年 次 報 告 書(様 式10-K)   や 届 出 書(様 式S-1)か ら 入 手 す る こ とが で き た 。 ま た,各50%所 有 会 社 に 関 し   て,様 式10-Kの 年 次 報 告 書 に は 別 表 と し て,そ の 個 別 財 務 諸 表 を 含 め る こ と が 要   求 さ れ て い た 。 し か し,こ れ も,当 該 企 業 が 全 部 で,総 額 の 上 で 「重 要 な 子 会 社 」

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48 資 会 社 の財 務 諸 表 に 合 弁 事 業 に 関 す る報 告 を 行 うか ど うか は,出 資 会 社 の年 次 監 査 を実 施 す る公 認 会 計 士 の み な らず,合 弁 事業 カミ出資 会 社 に 及 ぼ す 影 響 を 評 価 し よ うとす る一 般 の 株 主,財 務 分 析者 お よびそ の他 の外 部 利 用 者 に も問 題 を もた らした 。 また,公 認 会 計士 の 専 門的 判 断 の相 違 に よ っ て,一 方 の 出 資 会 社 で は 合 弁 事 業 を 重 要 で あ る と判 断 して財 務 諸 表 に 含 め な が ら,他 方 の 出 資 会 社       20) で は,そ の同 じ合 弁 事 業 を重 要 で な い も の と して除 外 され て い た 。   50%所 有 の 合弁 事 業 を もつ大 会 社 が,そ の合 弁 事 業 の財 務 報 告 を い か に 軽 視 して い た か は,そ の株 主宛 の年 次 報 告 書 が 次 の よ うな 状 況 で あ った こ とか ら も 明 らか で あ ろ う。       第1表 合弁事業に関す る投資会社 の年次報告書 におけ る開示の方法 開 示 の 方 法 1966年 1963年 貸借対照表での開示 財務 諸表 の注記での開示 株主へ の社長挨拶文での開示 年次報告書 のその他での開示 年次報告書での開示 がない もの 60% 3 25 3 9 30% 15 49 0 6 100% 100%

  資 料':AICPA,  Accot`nting Trends&Techniques,1967,  p.85&1964,  p.72.

  第1表 は,1966年 の 年 次 報 告 書 に お け る 合 弁 事 業 を も っ て い る 出 資 会 社114 社 と1963年 の107社 よ り調 査 さ れ た も の で あ る。 し た が っ て,貸 借 対 照 表 で の 開 示 とい うの は,そ こ に お い て 出 資 会 社 が 合 弁 事 業 に 対 す る 投 融 資 額 を 貸 借 対 照 表 上 に 計 上 し て い た こ と を 意 味 す る。 さ ら に,1966年 に は,10社 が 損 益 計 算 書 上 に 合 弁 事 業 か らの 利 益 や 配 当 を 区 分 表 示 し て お り,53社 が 財 務 諸 表 の 注 記 か 株 主 へ の 社 長 挨 拶 文 で 貸 借 対 照 表 上 の 投 資 勘 定 に 関 す る 情 報 を 開 示 し て い た と さ れ て い る 。

  ("significant  subsidiary")を 構 成 し て い な け れ ば,省 略 さ れ る こ と が で き た 。(United   States  Securities  and  Exchange  Commission,  Regulation  S-X,  Form  and(フ 伽 ∫θη∫ げ   Financial  Statement∫,1958,  Rule  1一 一〇2&4-05(b),  p。7。)

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      合弁会社 と持分法   49   しか し,1966年 の 出 資会 社 の年 次 報 告 書 を 実 際 に 当 って み る と,ま ず 貸 借 対 照 表 に つ い て は,32社 の うち26社 まで が,合 弁 事 業 に対 す る投 資 と非 連 結 子 会 社 や そ の 他 の投 資 とを 一 括 して 報 告 して い た の で,合 弁 事 業 に対 す る投 資 額 は 全 く明 らか に され てい な か った 。 他 の6社 に つ い て は,僅 か に1つ の合 弁 事 業 しか も っ てい な か った が,い ず れ も,合 弁 会 社 投 資,関 連 会 社 投 資,関 連 会 社 投 融 資 お よび そ の 他 の 投 資 と区分 表 示 され て いた 。   つ ぎに,損 益計 算書 につ い てみ る と,こ れ ら32社 の うち14社 だ け が,損 益計 算書 上 で 合弁 事 業 を区 分 表 示 して い て,他 の6社 は 非連 結子 会 社 か らの利 益 と 一 括 表 示 して お り,他 の5社 で は,そ の 他 の利 益 と して表 示 し て いた 。 また, 他 の2社 で は,合 弁 事 業 お よび非 連 結 子会 社 か らの配 当 と し て報 告 して お り, 他 の1社 で は 総 収 益 と して表 示 さ れ て いた 。と ころ が,こ れ ら32社 の どれ に も, 50%所 有 会 社 が 幾 つ 含 ま れ て い る のか,別 の 出資 会 社 が ど うい う名前 で あ るの か,合 弁 事 業 の 目的 が 何 であ るの か 等 に つ い て は,全 く説 明 され て いな か った 。 また,合 弁 事業 に対 す る投 資 の評 価 基 準 も まち まち で,多 くの場 合,出 資 会 社 が どの よ うな評 価 基 準 に よ っ てい るの か さえ も明 らか に され て い なか った。         第2表  投 資会社の年次 報告書 における合弁事業投資の評価基準     評 価 基 準 原         価 原価 ない しそれ以下 原価か ら引当金を控除 した額 原価 に累積利益 に占め る持 分を加算 した額 純 資 産 額 そ の他ない し開示のない もの 1966年 1963年 28% 8 7 13 19 25 35% 7 13 7 9 29 100% 100%

資 料:AICPA,  Accounting  Trends&Techniques,1967,  p.85&1964,  p.72. 当 時,連 結 財 務 諸 表 上,国 内 に あ る 非 連 結 子 会 社 に つ い て は,原 価 法 よ り も

21)  これ は,一 方 の 出資 会 社 の 年 次報 告 書 か ら決定 され て い るの で,両 方 の 出資 会 社 が   開示 してい な けれ ば,こ の 中 に は含 まれ て い ない 。 した が っ て,実 際 上 は少 くと も こ   の数 値 以 上 で あ る と推 定 され よ う。

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  50           持 分 法 が望 ま しい と推 奨 され て い た 。 した が って,第2表 に お い て も,1963年 か ら1966年 の 間に,合 弁 事 業 投 資 の 評 価 基 準 が,原 価 法 か ら持 分 法 な い し は純 資産 法 へ 推移 して い る こ とは理 解 で き るで あ ろ う。 しか し,評 価 基 準 の適 用 に お け る首 尾 一 貫 性 は著 し く欠 け てい た し,共 同 出 資 会社 は 合弁 事 業投 資 に 同一 基 準 を適 用 し なけ れ ば な らない とい う規 則 もな か った の で,同 一 の 合弁 事 業 に 対 す る投 資 を,一 方 で は原:価法 に よ り,他 方 で は 持 分 法 に よ る とい う奇 妙 な事 態 が 生 じた。 つ ま り,投 資 勘 定 に対 す る評 価 基 準 を 決定 す る要 因 が悠 意 的 な も        う の で あ った とい え よ う。   要 す るに,合 弁 事業 の活 動 を評 価 した り報 告 した りす る方 法 が,一 般 的 に相 互 に 首 尾 一:貫せず,ま た,合 弁 事 業 を一 般 の投 資 や 非 連 結 子 会 社 と区 別 して 把         撮 し よ うとす る意 識 さえ もな か った よ うで あ る。 既 に 述 べ た よ うに,AICPA, SECと もに,合 弁 事 業 に 対 して特 別 な 注 意 は 払 わ な か った が, AAAも ま た,こ の 問 題 に 関 して 何 も公 表 しな か った 。 単 に,会 計 専 門 誌 上 に,合 弁 事 業         会 社 に 関 す る論 文 が 僅 か4薦 み られ るだ け で あ る。 そ の うち の1篇 に,実 例62             コ         件 の合 弁 事 業 会 社 と投 資 会 社 との 間 に存 在 す る営 業 上 の関 係に つ いて,詳 細 に         実 証 的 研 究 を 行 った もの が あ った。   (豆)  法 的 形 態 に よ る会 計 の 相 違   す で に みた よ うに,合 弁 事 業 会 社 は,過 去10数 年 の 間 に激 増 して,今 日で は 化 学,鉄 鋼,石 油,鉱 業 等 の各 産 業 分 野 に お い て,事 業 拡 張化 の重 要 な手 段 とな

22)  ARB  No.51,0P.  of診., para.19,  p.46-7.

23)  Donald  Lee  Mini,  Accounting  and  Reporting  for  Investments  in  Unconsolidated   'Subsidiaries  and  Associates,  Univ.  of  Illinois,1962,や.130,こ こ で は,原 価 法 に   代 え て,時 価 法 に よ る 評 価 さ え も 示 唆 さ れ て い る 。

24)  Robert  E.  Hansen,  OP.σ 菰, P.140.

25)  Thomas  Edward  Lynch,  Accounting  and  Reportingfor  Long-Term  Unconsolidated   Intercorporate  Investment∫in  Dome∫tic  Companie∫,  Univ.げSouthern  California,   1971,p.71.

26)  Carl  C.  Nielsen,``Reporting  Joint-Venture  Corporations,"Accounting  Review,   Oct.1965,  p.796-7.

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      合弁会社 と持分法  51

      27)

って い る。 特 に,石 油 化 学工 業 で は,全 体 が 主 要 石 油 会 社(major  oil company) と化 学 会 社 との 合弁 事 業 の産 物 であ る とい え るほ どで あ る。 これ らの あ る もの は,法 人 格 の あ る合 弁 会 社 とし て設 立 され,他 の もの は 組 合 企 業 と して設 立 さ       28)れ て い る。   合 弁 事 業 に どの よ うな 法 的 形 態(組 合企 業 か 株 式 会社 か)を 選 択 す るか は, 主 と して,税 金,法 律,そ の 他 営 業 以 外 の 考慮 に よ って決 定 され てい る。 しか し,営 業 上 の 観 点 か らみ れ ば,こ れ ら2つ の 形 態 は,実 質 的 に は 同 じで あ っ て,本 来 の 組 合 精 神 に基 づ い て,資 本,管 理 者,専 門的 技 術 者 な どの 積 極 的 な 拠 出 に よ って設 立 され,運 営 され て い る。 そ れ に も拘 らず,法 的 形 態 の相 違 に よ って,本 質 的 に は 同一 で あ る事 業 につ い て,異 な った 会 計 処 理 が 要 求 さ れ て   ヨの い た。 す な わ ち,一 般 に 認 め られ た 会 計 原 則 に よれ ば,3者 の 平 等 な 出資 に よ る合 弁 事 業 が 法 人 格 の あ る会 社 と して 設 立 され た場 合 に は,そ の 事業 の営 業 成 :果は投 資 会 社 の 財 務 諸 表 よ り除 外 され て,受 取 配 当 金 だ けが そ の利 益 とし て会 計 処 理 され る。 と こ ろが,こ の 同 一 の 合弁 事業 が,組 合 企 業 の形 態 を採 用 して い る場 合 に は,投 資 会 社 は そ の 事 業 の 損益 の うち,そ の持 分 相 当額 を そ の 期 の 損 益 と して 含 め る こ とが で きた の で あ る。   そ こで,合 弁 会 社 の会 計 と して は,実 質 的 な 「営 業 上 の関 係 」と形 式 的 な 「法 的形 態 」 との どち らに重 点 を お く方 が,ヨ リ情 報 価 値 の あ る有意 味 な財 務 諸 表 を提 供 す る こ とに な るで あ ろ うか 。 も し基 本 的 な 思 考が 営 業 上 の 関 係 にあ る の 27)  フ ォ ー チ ュ ン500社 の うち102社 ま で も が,1968年 の 年 次 報 告 書 で1社 以 上 の50%所   有 の 国 内 合 弁 会 社 を も っ て い る 旨 報 告 し て い る の で,在 外 合 弁 会 社 を 含 め れ ば,実 際   に は 遙 か に こ の 数 値 を 上 回 っ て い る と 推 定 され よ う。

28)例 え ば,American  CyanamidとTexacoはJefferson  Chemical  Company(株 式   会 社)を,Commonwealth  Oil&Refining  CompanyとHercules  Chemical  Company   はHercor  Chemical  Corporation(株 式 会 社)を,  Koppers  CompanyとSinclair   Oil(現 在 はAtlantic  Richfieldの 一 部)はSinclair-Koppers  Company(組 合 企 業)   を,Ethyl  CorporationとDow  ChemicalはEthyl-Dow  Chemical  Company(1969   年 に 解 散 した 株 式 会 社)を,そ し てAmerican  CanとSkelly  OilはChemplex  Com・   pany(組 合 企 業)を 設 立 し て い る 。(Thomas  E. Lynch,  OP, cit., p.65-6.)

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52 で あ れ ば,合 弁 事 業 の会 計 は,株 式 会 社 か組 合企 業 か の法 的形 態 に関 係 な く, 合弁 事業 につ い て は等 し く適 用 され な け れ ば な らな い こ とに な ろ う。 ま た,も し主 た る要 因 が む しろ合 弁 事 業 の法 的 形 態 に こそ あ るの で あ れ ば,投 資会 社 が 法 人 格 の あ る 合弁 事 業 か ら未 配 分 利 益 の持 分 相 当 額 を 利 益 と して会 計 処 理 す る た め に は,そ こに は支 配 の存 在 が 必 要 で あ る とい うこ とに な るで あ ろ う。   ARB第51号 で は,連 結 方 針 の決 定 に 当 って は,そ の状 況 に お い て最 も有 意         味 な 財 務 報告 を行 う 目的 を 達 成 す る こ とに よ らな け れ ば な らな い。 した が っ て,ニ ール セ ン(Carl  C. Nielsen)の 実 証 的 研 究 に よれ ば,合 弁 会 社 は,共 同 支 配(joint control)に 特 徴 が あ り,こ れ らの投 資 は 投 資 会 社 の 総 資 産 額 の 重 要 な 部 分 を構 成 し,投 資 会社 と被 投 資会 社 との運 命 は,密 接 な 関 連 性 を も って い £も こ の こ とは,配 当 金 が受 取 られ た 時 な い し投 資 が 清 算 され た 時 に しか 利 益 を 認 識 しな い とい う会 計 基 準 で は,こ の よ うな状 況 に あ る投 資 会 社 の 経 営 成 績 と財 政 状 態 を 適 正 に 表 示 す る もの で は な い こ とを意 味 す るで あ ろ う。   こ の よ うな 状 況 の中 で,ア ー サ ー ・ア ソ ダ ー ス ン会 計 士 事 務 所(Arthur  An-dersen&Co.)は,会 社 間 投 資 に 関 して,あ る立 場 を表 明 した 唯 一 の 会 計 士 事 務所 で あ った 。 つ ま り,財 務 諸 表 の 目的 は,有 効 な支 配(effective control) が存 在 して い るか ど うかに 拘 らず,財 政 状 態 と経 営 成績 を表 示 す る こと で あ る か ら,支 配 が会 計 基 準 決 定 上 の主 要 な要 因 で あ るべ きで は な い と報 告 し た。 こ の よ うな論 拠 か ら,相 対 的 な所 有 比 率 や 他 の 会 社 が 大衆 に所 有 され て い るか 法 人 格 の あ る合 弁 事 業 で あ るか に 拘 らず,他 社 の 株 式 投 資 に は持 分 法 を適 用 す る       ヨ ラ こ とを 推 奨 した の で あ る。        皿:合 弁会社の経営実態        ラ 営 業 形 態 と して の 合弁 事 業 は,古 代 に 遡 る こ とが で き るが,法 律 概念 と して

30)  ARB  No,51,0P.`1t.,  para.1,  p.41. 31)  Carl  C.  Nielsen,  OP.`覚 りp.796-7.

32)  Arthur  Andersen&Co.,``Long-Term  Intercorporate  Investments,"Accounting   and  Re]》orだng  Proうlems  oプthe  Accounting  Pノ'qがession,1969,  p.201-2. 33)  Robert  E.  Hansen,  OP・cit・, PP・1(ト25・

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      合弁会社 と持分法  53       34) の 合 弁 事 業 が 認 め られ た の は,19世 紀初 頭 の米 国 の裁 判 所 に お い て で あ った 。 最 初 は組 合企 業 の1種 で あ る と し て いた が,組 合 企 業 に 関 して 判 例 が 集積 さ れ       35) て,統 一組 合企 業 法(Uniform  Partnership Act)が 制定 さ れ,次 第 に組 合企 業 が組 織 づ け られ た 実 体 を もつ に 至 り,こ の 概 念 で 合 弁 事 業 の よ うな簡 易 な形 態 の共 同企 業 を 律 す る こ とが実 際 的 で な くな って きた 。そ こで,判 例 は,合 弁 事 業 を既 成 の組 合 企 業 の法 的 規 制 よ り解 放 し,契 約 の 一般 原則 を適 用 す べ く, これ に 独 自の 法 的 概 念 と して の 地 位 を与 え よ う と した。 判 例 で は,こ の 概 念 を 用 い る こ とが 多 か った の で,そ の要 素 につ い ては か な り一 致 を み て きて は い る       36) が,ま だ そ の正 確 で総 括 的 な定 義 は 確 立 され て い な い よ うで あ る。   (1)  合弁 事 業 の意 義 ・目的   そ れ で は,ま ず 法 律 上 の合 弁 事 業 に つ い て 考 察 して み る こ とに し よ う。 米 国 に お け る契 約 法 の大 家 ウ ィ リス トン(S.Williston)は,判 例 を集 大成 して,合 弁 事 業 は2人 以 上 の 者 が 契 約 に 基 づ き,特 定 の計 画 ・事業 を遂 行 す るた め,そ の 金 銭,財 産,知 識,技 術,経 験,時 間,そ の他 の資 本 を 結 合 す る団 体 で,通 常, 利 益 や 損 失 の 分 配 に つ い て合 意 が あ り,各 自が そ の事 業 の上 に 若 干 の 支配 力 を       37) 有 す る も の で あ る と定 義 し て い る 。 し た が っ て,判 例 で は,合 弁 事 業 が 成 立 す る た め の 要 素 と し て,(1)契 約 に よ る 成 立,(2)単 一 の 取 引,(3)共 同 出 資,(4)利 害 の 共 通 性,(5)相 互 の 支 配 権(mutual  control),(6)営 利 目 的 性,(7)利 益 参 加 権,       ヨ   等 が必 要 で あ る と され て い る。

    Jaeger,"Joint  Ventures:Origin,  Nature  and  Development,"American  Univ.加 τひ   Review,9,1960,  p.2.

    Nichols,``Joint  Ventures,"Varginia  Law  Review,36,1950,  p.425.

34)  Rudolf  P. Berle,``Developments  in  the  Pattern  of  Corporate  Joint  Enterprise,"   Busine∬Lawyer,  Jan.1959,  p.310.

35)Uniform  Partnership  Actは,1913年 統 一 州 法 委 員 会 議 で 採 用 さ れ,43法 域 に よ っ   て 採 択 さ れ て い る 。(U.L.  A., Title  7,  Partnership,  Pocket  Part  for  Use  during   1964に よ る 。)

36)抜 山 映 子 稿 「ジ ョ イ ン ト ・ ヴ ェ ン チ ャ ー の 法 的 性 格 」 ジ ュ リ ス ト  第369号(1967   年5月1日)112-3頁 参 照 。

37)Samuel  Williston,  A  Treatise  on  the LawげContracts,3rd  ed.,1963,  p.554. 38)  乃'4.  "Comment,  Joint  Venture  or  Partnership,"Fordham  Law  Review,18,

(11)

54

  つ ぎ は,合 弁 事 業 の 企 業 形 態 に つ い て,若 干,考 察 し て み る こ と に し よ う 。 ガ ー ス テ ン バ ー グ(C .W.  Gerstenberg)に よ れ ば,米 国 や 英 国 で 用 い ら れ て い る 通 常 の 組 織 形 態 は,(1)株 式 会 社(corporation),(2)個 人 企 業(individual  propri・ etorship),(3)・ 合 名 会 社(general  partnership),(4)合 資 会 社(limited  partner-ship),(5)合 弁 事 業(joint  venture),(6)連 帯 株 式 会 社(joint  st㏄k  company),(7)

マ サ チ ュ ー セ ッ ツ ・ ト ラ ス ト な い し ト ラ ス ト(Massachusetts  trust or business       39)

trust)で あ る と 述 べ て い る 。 そ し て,八 田 ル,ド(G。  Harold)や ボ ン ネ ヴ ィ ル ・ デ ュ ー イ(J.H.  Bonneville&Z.  E. Dewey)は,上 記 の 外 に 有 限 会 社(limited       40) partnership  ass㏄iation)を 加 え て い る 。   そ れ で は,経 営 上 の 合 弁 会 社 と は ど の よ うに 解 さ れ て い る の で あ ろ うか 。 テ イ ラ ー ・グ ラ ナ ー(W.B.  Taylor&F.  M. Graner)に よ れ ば,合 弁 事 業 は, 単 一 の 取 引 な い し 事 業 に 限 定 され る の で,存 立 期 間 に お い て,合 名 会 社 な い し 組 合 企 業 と は 異 る が,組 合 企 業 と 向 じ く,構 成 員 が そ の 技 術 ・資 産 を あ る 共 通 の 事 業 に 結 合 す る こ と を 同 意 す る契 約 に 基 づ い て 成 立 す る 。 同 意 の 条 件 は,特

  1949,pp.118,な お,こ の 点 に 関 す る 実 証 的 研 究 と し て は,"Joint  Venture  Cor・   porations=Drafting  the Corporate  Papers,"Harvard  Law  Review,78,(Dec.1964),   p.393-425.が あ る の で 参 照 さ れ た い 。

39)C.W.  Gerstenberg,  Financial  Organization  and  ManagementげBusiness,1955,   p.2.

40)  G.Harold,  Corporation  Finance,1956,  PP.1-9.  J. H. Bonneville&Z.  E. Dewey,   Organizing  and  Financing  Business,1949,  p.24.

    ま た,テ イ ラ ー ・グ ラ ナ ー(W.B。  Taylor&F.  M. Graner)は,(1)個 人 企 業,(2)   組 合 企 業 な い し 合 名 会 社,(3)株 式 会 社 が 基 本 的 形 態 で,合 弁 事 業 は 組 合 企 業 な い し 合   名 会 社 と株 式 会 社 と の 中 間 的 発 展 段 階 の 企 業 形 態 と し て,合 資 会 社 関 係 の と ζ ろ で 組   合 企 業 な い し 合 名 会 社 に 含 め て 論 じ て い る 。(W.B.  Taylor&F.  M. Graner,  Finan・   cial  Policies  of Business  Enterprise,1956,  p.10.)そ し て,ブ レイ ザ ー(C.  L.   Prather)も,同 じ も の を 三 つ の 最 も 通 常 的 な 法 定 経 営 組 織 形 態 と し て 挙 げ,組 合 企   業 の 中 に 合 名 会 社,合 資 会 社,鉱 山 組 合(mining  partnership),有 限 会 社,合 弁 事 業   な い し シ ン ジ ケ ー トを 含 め て い る 。(C.L.  Prather,  Financing  Business  Firms,1961,   PP.28-33.)

    な お,こ れ ら は,合 弁 事 業 を 特 定 の 企 業 形 態 の 一 つ と し て 挙 げ て い る 経 営 学 老 を 列   挙 し た も の で あ る か ら,必 ず し も 全 て の 経 営 学 者 が 挙 げ て い る わ け で は な い の で 留 意   さ れ た い9

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      合弁 会社と持分法    55 定 的 で あ る が,他 の 構 成 員 を 拘 束 すべ き1構 成 員 の権 限 も許 与 され な け れ ば な らな い。 したが っ て,構 成 員 は 事 業 が 終 了す る まで 引 退す る こ とは で き な い。 そ して,管 理 的 職 能 を遂 行 す る構 成 員 は,通 常,特 別 の 金額 が支 払 われ る が, そ の 他 の老 は,そ の個 人 的 危 険,努 力 な い し資 本 の 拠 出 額 に 基づ い て利 益 が分 配 され る。 また,責 任 は 無限 であ り,存 立 期 間 も短 い の で,合 弁 事業 は主 と し       るユう て 投 機 的 企 業(speculative undertaking)に 用 い られ る。 した が っ て,合 弁 事 業 の 長 所 は,(1)設 立 が 容 易 で あ り,(酬 固太企 業 以 上 の資 本 調 達 能 力 が 得 られ,③ 共 同 目的 に よ り資 産 ・技 術等 が結 合 され,㈲ 取 引 費用 の負 担 が 小 さ くな り,㈲ 存 立 期 間 が 短 く,⑥ 経 営 者 が 専 門 的 職 能化 で き,(7)政 府 統 制 や 移 動 の 自 由が 与       るわ え られ て い るこ とな どが あ ろ う。   以 上 の よ うな考 察 か ら,本 稿 に お い て用 い られ る合 弁 事業 とは,具 体 的 に は ・次 の よ うな もの と定 義 す る こ とが で き るで あ ろ う。(1)合弁 事 業 は,同 等 の 持 分 を所 有 した り,あ るい は所 有 しな か った りす る限 られ た 数 の出 資 者 に よ り共 同 所 有 され,そ の 出 資 者 の1人 が過 半 数 の持 分 を所 有 す る こ と もあ る。(2)合弁 事 業 は,特 定 の 目的 のた め に 種 々 の 合弁 事業 協 定 や 契 約 に よ っ て設 立 され るが, 共 同 出資 者 はそ れ に 基 づ く構 成 員 や 合 弁 事業 の権 利 ・義 務 の全 てを 引受 け,(a) 共 同 資源 を利 用 し,(b)新 規 な い し特 定 の 原材 料 資 源 を 開発 し,(c)事 業 上 共 通 に 必要 な設 備 を提 供 し,(d)共同 基 準(joint basis)で 特 定 の専 門 家 や 設 備 を 利用 し,       ゆ (e)合弁 事 業 の 管理 や全 般 的 な経 営 に も参 加 す る こ とに 同 意 す る もの で あ る。   そ れ で は,ど の よ うな理 由か ら合 弁 事 業 の 形 態 が と られ るの で あ ろ うか。 リ

ンチ(Thomas  E。 Lynch)に よれ ば,具 体 的 には 次 の よ うな 場 合 に 合弁 事 業 が 行 われ44);50(1)その事 業 に と もな う危 険 が,1社 で負 うに は余 りに も過 大 で あ る場 合,㈲ そ の事 業 の 資 本 需 要 が1社 で 出資 す る に は 余 りに も過 大 で あ る場

41)W.B.  Taylor&F.  M.  Graner,  op.ご 琵・, P・12. 42)C.W.  Gerstenberg,  OP.`∫'・, PP・39-42.

43)  Thomas  E. Lynch,``Joint-Venture  Entities,"unpublished  Research  Memora"ぬ 餌   preparedプor  the!11ごPL4,1967,  p.1.

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  56 合,㈲ そ の事 業 が 共 通 に 必 要 な 原 材 料 の 資 源 を 開 発 で き る場 合,(4)合 弁 契 約 で 2社 な い しそ れ 以上 の者 を 結 合 させ て,個 々で 行 うよ りも共 同 で 行 う方 が ヨ リ 利 益 の あ る方 法 で,独 得 の長 所(unique  strengths)を 利 用 し合 え る よ うな場 合 で あ る。   (皿)  合 弁 事 業 契 約 の形 態   一 般 に合 弁 事 業 契 約 の形 態 と して は,(1)個 々の 会 社 の 共 同所 有,(2)組 合 企 業 と して の合 弁 事 業(例 えば,合 資会 社 な い しは合 名 会 社),㈲ 各参 加 者 がそ の事 業 で使 用 す る資 産 に 対 して 個 々の 未 分 配 持 分 の所 有 者 で あ る とす る合 弁 事 業 契 約,等 が 用 い られ る。㈲ の場 合 に は,資 産 は そ の事 業 体 の 一 部 で は な く,単 にそ こ で使 用 され て い るに す ぎな い 。 した が って,そ の 事業 体 は,合 弁 事 業 契 約 の 下 で運 営 され て い る事 業 活 動 の み か ら構成 され て い るにす ぎな い。 この よ うな 合 弁 事 業 契 約 の 形 態 は,そ の 事 業 計 画 の性 質 や 特定 の法 律,税 金,そ の他 営 業 以 外 の考 慮 に よ って のみ 決 定 され て い る。 した が って,こ の 形態 に よ って,事 業 体 と 出資 者 との 間 に お け る営 業 上 の 関 係 は,全 く影 響 され る もので はな い。   例 え ば,Sinclair  OilとKoppers  CompanyはSinclair-Koppers  Company

を 設 立 し,組 合 企業 の 形 態 を選 択 した が,そ の理 由 と して,Koppersの コン ト       ゆ ロー ラ ーは 次 の よ うに 述 べ て い る。(1)1965年 の設 立 当時,こ の事 業 は 新 規 の危 険 率 の 高 い 営業 とは 異 って,既 に 立派 に存 立 して い た の で,ま ず 設 立 が 容 易 で あ った こ と,(2)組 合企 業 の売 上や 利 益 また 資 産 や 負 債 の 半 分 が 報 告 で き る'とい う理 由 で,出 資 者 の両 方 に と って魅 力 的 で あ った こ と。 つ ま り,当 社 の 全 株 所 有 の プ ラス チ ッ ク部 門 を振 替 え て組 合 企 業 の核 心 に した もの で あ るか ら,財 務 報 告 上,こ れ が年 次 比較 に及 ぼす 影 響 を最 小 限 に と どめ る こ とに 関 心 を も って い た こ と,㈲ 会 社 相 互 間 の配 当振 替 えに 対 す る課 税 を 回 避 す るた め とい う理 由 で あ った 。   そ れ で は,合 弁 事 業 契 約 の 内容 につ いて 簡 単 に 考 察 して み る こ とに し よ う。 合 弁 事 業 契 約 は,現 在 か な り高 度 に 展 開 され て い て,あ らゆ る状 況 や遭 遇す る 45)   Z西∫4.,p.76,

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合 弁 会社 と持 分 法    57 こ とが予 想 で きる よ うな問 題 に つ い て は,予 め 特 に予 定 した 条 件 を定 め た 条 項 や 規 定 を備 え てい る よ うで あ る。 一 般 に は,次 の よ うな合 弁 事 業 の経 営 に 関 す       46) る基 本 的 事 項 が 含 まれ て い る。(1)取締 役 の選 任,(2)合 弁 事 業 の経 営 ・管理,(3) 構 成 員 の資 本 拠 出,(4)構 成 員 持 分 の処 分 に と も な う優 先 買 取 権 の 付 与,㈲ 純 損 益 の 構 成 員 へ の 分 配,⑥ 利益 ・資 本 等 の支 払 な い し分 配,(7)事 業 上 の諸 権 利 の 分 配,⑧ 合 弁 事業 の解 散 な い し清 算,(9)合 弁 事 業 契 約 の 改訂 な い し修 正,⑩ 協 定 ・契 約 等 に 関 す る解 釈,ω 調 停 に よ る争 議 の 解 決,等 で あ る。 以上 の こ とか ら も明 らか な よ うに,合 弁 事 業 会 社 は,共 同所 有者 が合 弁 事 業 の権 利 ・義 務 の 全 て を 引受 け る種 々の 事 業 運 営 上 の協 定や 契 約 に よ って,そ の営 業 活 動 が 制 約 され る一 定 の 計 画 に 共 同 で参 加す る1つ の形 態 で あ る。 しか も,そ れ は恒 久 的 に 組 織 され,取 締 役 会 や 役員 等 を も含 む そ れ 自身 の 経 営 者 を も備 え て い る会 社 で あ る とい う こ とが で き るで あ ろ う。       第3表 株 式 の 共 同 所 有 形 態

1.  2社 の 共 同 所 有 の ケ ー ス:Reserve  Mining  Company(原 価 分 担 会 社)

2.

3.

(1)Armco  Steel(原 価 法) (2)Republic  Steel(原 価 法)

3社 の 共 同 所 有 の ケ ー ス:Pima  Mining  Company'、 (1)Cyprus  Mines

(2)Union  Oil

(3)Utah  Construction&Mining  Company 4社 の 共 同 所 有 の ケ ー ス:Aramco(利 益 指 向 会 社)

(1)  Standard  Oil  of  New  Jersey (2)  Standard  Oil  of  California (3)  Texaco (4)Mobil  Oil % % 0 0 FD 5 50% 25% 25% % % % % 0 0 0 0 Q9 3 3 1

Thomas  E.  Lynch,1lccounting  and  Reportingプor  L伽g-Termびnconsolidated Intercorporate  Investments  in Z)oη 躍 ∫tic Companies,1971,  PP.78一 一9.

46)  Arthur  Andersen&Co.,``Joint  Venture,"Subject  File Rider,  File No.  JO  1050,   Item  No.13,  Jan.1965,  PP.5-6.わ が 国 に お け る 文 献 と し て は,次 の よ う な も の   が あ る の で 参 照 さ れ た い 。

    小 林 規 威 著 『日本 の 合 弁 会 社 』 東 洋 経 済 新 報 社   昭 和42年   122-140頁 。     松 枝 迫 夫 著 『合 弁 会 社 の 法 律 実 務 』 ダ イ ヤ モ ン ド社   昭 和44年53-154頁 。     藤 野 信 雄 稿 「財 務 戦 略 と 内 部 統 制 」 会 計 ジ ャ ・一 ナ ル   10巻10号(昭 和53年9月)43   -45頁,

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  合 弁 会 社 の 株 式 は,そ の 全 部 な い し 殆 ん ど全 部 が2社 な い し そ れ 以 上 の 共 同 所 有 者 に よ っ て 支 配 さ れ て い る 。 例 え ば,Armco  SteelとRepublic  Steelの 共 同 所 有 で あ るReserve  Miningは,2社 の 共 同 所 有 の ケ ー ス で あ り, Pima Mining  Companyは,  Cyprus  Minesが50%所 有,  Union  OilとUtah  Con-struction&Mining  Companyが そ れ ぞ れ25%所 有 と い う3社 の 共 同 所 有 の ケ

ー ス で あ る。 さ らに,Standard  Oil of New  Jersey, Standard  Oil of California,

Texacoが そ れ ぞ れ30%所 有 し, Mobilが10%所 有 し て い るAramcoの よ うな       るの 4社 の共 同所 有 の ケ ー ス もあ る。 一 般 に は,合 弁 会 社 の 出資 者 間 に は,支 配 的 な財 務持 分 が 存 在 して い な い の が 特 徴 で あ るか ら,同 等 の 出資 に よ るか ど うか に よ って,所 有 者 持 分 の会 計 方 法 を 変 え るべ きで は な い。3社 な い しそ れ 以 上 の構 成 員 か らな る組 合 企 業 の合 弁 事 業 が,構 成 員2人 の 場 合 と異 った会 計 処 理 を要 求 さ れ て い な い よ うに,同 じ状 況 に あ る合 弁 会 社 の 場 合 に も,異 った解 釈 が要 求 され るべ き で は な い。 した が って,50%所 有 で あ って も,50%以 下所 有 の 合 弁 会 社 で あ って も,所 有 比 率 に 関 係 な く,等 し く合 弁 会 社 と して取 扱 わ な け れ ば な らな い で あ ろ う。   (皿)  原 価 分 担 会 社 と利 益 指 向 会 社   合 弁 事 業 は,そ の 財 務 目的 の相 違 に よ って,利 益 抜 きで そ の 出資 者 へ 原 価 と 経 費 を振 替 え る原 価 分 担 会 社(cost-sharing  company)と 他 社 へ 利 益 込 み で 製 品 を販 売 し,そ の純 利 益 に 占め る持 分 相 当 額 を 出 資 者 に 利 益 と して認 識 させ る         利 益 指 向 会 社(profit-oriented  company)と に 分 類 す る こ と が で き る。 原 価 分 担 会 社 の 営 業 目 的 は,共 同 所 有 者 に 原 価 で 製 品 な い し 原 材 料 を 提 供 す る こ と

47)  し か し,American  Smelting&Refining  Companyが51.5%,  Cerro  Corporation   が22.25%,Phelps  Dodgeが16%,  Newmont  Mining  Corporationが10.25%を 所 有   し て い るSouthern  Peru  Copper  Corporationの よ う な4社 の 共 同 所 有 で あ り な が ら,   そ の 中 の1社 が 過 半 数 所 有 を し て い る と い う 例 外 的 な ケ ー ス も あ る こ と に 留 意 し な け   れ ぽ な ら な い 。

48)  Peter  Kocan,``Reporting  the  Operations  of  Jointly  Owned  Companies,"Journal   げAccountancy,  Feb.1962,  PP.57-8.

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      合弁会社 と持分法    59 で,単 独 に で き る以 上 に効 率 的 に両 者 の必 要 性 を(全 部 な い し部 分 的 に)満 た す 大 き さの 規模 で,同 様 な持 分 を 有 す る他 の投 資 会 社 と共 同 で,そ の投 資 会 社       ゆ の 全 般 的 事業 活 動 の 一部 分 と し て の役 割 を 果 す こ とで あ る。 そ して,原 価 分 担 会 社 は,共 同所 有 者 が構 成 員 と合 弁 事 業 の 権 利 ・義 務 の全 て を 引 受 け る種 々 の 営 業 上 の協 定 や 契 約 の下 に運 営 され,こ れ らの 取 りきめ で は,所 有 者 持 分 か 契 約 上 の所 有 比 率 に応 じて,原 価 分 担 会 社 に そ の所 有者 か ら原 材 料 や 用 役 を 購 入 さ せ,そ の製 品 や 用 役 を も彼 らに 販 売 す る よ うに 定 め られ て いる 。 した が っ て,原 価 分 担 会 社 の 財 務 的 機 能 は,利 益抜 きで そ の所 有 者 に 原 価 と経 費 を 振 替          え る こ とで あ る 。   合 弁 契 約 に よ っ て 共 同 出 資 者 に 原 価 で 製 品 の 全 部 を 販 売 す る 合 弁 会 社 で あ る Reserve  Mining  Co.に つ い て 考 察 し て み よ う。 そ の 出 資 会 社 で あ るArmco

Steelは,1969年 の 年 次 報 告 書 で,連 結 貸 借 対 照 表 上 に 「投 資:原 価$36,903,        つ 000」 と 記 載 し,財 務 諸 表 の 注 記 で 次 の よ う に 述 べ て い る 。 す な わ ち,Reserve Mining  Co.のArmcoと 他 の50%株 主 は,最 初 の 担 保 付 社 債 の 未 償 還 額 が 全 部 返 済 され る ま で,Reserveの 製 品 を 全 て 引 き 取 り,各 出 資 者 はReserveの 営 業 費 と利 息 の50%を 支 払 う義 務 を 負 っ て い る 。 も しReserveが 必 要 な 支 払 を 怠 った 時 に は,そ れ を 限 度 と し て,各 株 主 は,(1)上 記 の 社 債 に 関 す る一 定 の 減 債 基 金 の 要 件 と 最 終 満 期,お よ び(2)将 来 の 設 備 取 替 え に 関 し てReserveが 必 要 とす る 金 額 の 半 分 を 支 払 う義 務 を も 負 っ て い る 。 そ し て,Reserveの 他 の50% 所 有 者 で あ るRepublic  Steel Corporationの1969年 の 年 次 報 告 書 に お い て も,

財 務 諸 表 の 注 記 にReserve  Mining  Companyに 対 す る 投 資 に つ い て,概 ね 同 趣 旨 の 公 開 が 行 わ れ て い る。

  会 計 実 務 と し て は,原 価 分 担 会 社 の 会 計 は,ま ず 投 資 勘 定 に 対 し て 合 弁 事 業 に 対 す る 最 初 の 投 資 額 を 借 記 し,そ の 後 の 融 資 額 を 加 算 し て,そ の 後 の 資 本 分

49)  Peter  Kocan,  OP.  c動., p.55.

50)  Thomas  E.  Lynch,  Accounting  and  1∼¢ρoπfπ 勘 … ・・, p.81.

51)  ``Note  10,  Commitments  and  Contingencies"in  Notes  to  Financia1  Statements,   ♂4n"μ ζzZ RφOr∫q〆 り∠4rmco  Steel,1969,          ・

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  60       らの 配 を 減 算 す る方 式 を と って い る。 つ ま り,投 資会 社 は,毎 年,合 弁 会 社 に 対 す る持 分 と融 資 に 等 しい 投 資額 を 有効 に維 持 す るた めに,製 造 原 価 に 等 しい 総 額 で 合 弁 事 業 の 製 品 を 全 て購 入す るの で あ る。 した が っ て,こ の よ うな 原 価 分 担 会 社 に と って は,原 価 と持 分 とは 同義 的 で あ っ て,実 務 上 は 適 正 に 会 計 処 理 さ れ て い る ので,特 に 会 計 上 の問 題 は生 じない ので あ る。   これ に 対 して,利 益 指 向会 社 の営 業 目的 は,投 資 会 社 の 営 業 の 統 合 的 部 分 と な るか,そ れ に 関 連 性 の あ る活 動 を 営 む こ とで あ る。 そ して,利 益 指 向 会 社 は,投 資 会社 と財 務 ・用 役 を大 量 に 売 買 す る こ と も しな い こ と もあ るの で,各 投 資 会社 は,そ の利 益 指 向会 社 の営 業 に 対 して 異 な る利 害 関 係 を も って い る こ とが あ る。 つ ま り,投 資 会 社 の一 方 が 原 材 料 の 供 給 者 で あ り,他 の 投 資会 社 が そ の原 材 料 か ら新 製 品 を 製 造 し,こ れ を 販 売 す る専 門 的 知 識 を担 当す る こ とが あ る。 この よ うな 例 が,Skelly  OilとAmerican  Canと に よ って設 立 され た 石 油 化 学 合 弁 事 業 のChemplex  Companyで あ ろ う。   また,利 益 指 向 会 社 は,異 な る種 類 の顧 客や 市場 に役 立 った り,特 定 の 製 品 や 加 工 品 に 専 業 化 した りす る こ とに よ って,特 に販 売面 に お い て 関連 性 の な い 会 社 と大 量 の 取 引 を 行 った りもす る。 この よ うな 例 が;サ ウジ ・ア ラ ビア で探 鉱,生 産,製 糖,パ イ プ ライ ン輸 送,販 売 等 を 行 って い るAramcoで あ ろ う。 こ の よ うな会 社 の 財 務 的 機 能 は,所 有 持 分 に 応 じて 利益 を稼 得 し,投 資 会 社 に        きう 配 当 を支 払 うこ とで あ る。       IV  合 弁 会 社 の 財 務 報 告   一 般 に 合 弁 会 社 投 資 の 会 計 処 理 法 と し て,実 務 上,(1)完 全 連 結(full  consoli・ dation),・(2)比 例 連 結(proportionate  consolidation),(3)原 価 法(cost  meth(》d),

(4)持分 法(equity 、method)の4つ の 方 法 が 用 い らμ て い る 。

  (1)  完 全 連 結(全 部 連 結)

  完 全 連 結 な い し 全 部 連 結 と は,通 常 の 子 会 社 を 連 結 す る よ うに,資 産 ・負

52)  Thomas  E.  Lynch,  Accounting  and  Reporting・ … ・, F.82. 53)   1うf4., p.83.

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      合弁会社 と持分法   61 債,収 益 ・費 用 を 全 部 結 合 し,所 有 して い な い50%部 分 を 少 数 株 主 持 分 と して 表 示 す る方 法 で あ る。 通常,子 会 社 を連 結 す る場 合 に は,有 効 な 支 配 と議 決権 株 式 の過 半 数所 有 とい う要 件 が 満 た され な け れ ぽ な らな い 。 そ れ に もか か わ ら ず,両 方 の 投 資会 社 が50%の 少 数 株 主 持 分 を 表 示 して,そ の 財 務 諸表 を全 部 連 結 す るの で,そ の合 弁 会 社 の資 産 ・負債,収 益 ・費 用 の 全 部 が 各投 資会 社 の連 結 財 務 諸表 に含 まれ て しま い,マ ク ロ的 な 分 析 上 か らみ れ ば,資 産 ・負 債 が 倍 増         され る こ とに な る。 ま た,連 結 財 務 諸 表 の 利 用 者 に と って も,実 際 に は50%の 持 分 比率 に基 づ く利 用 しか 許 され て い な くて も,100%の 資 産 ・負 債 を使 用 し て い る よ うに誤 解 され 易 い。 さ らに,各 投 資 会 社 の 連 結 財務 諸 表 上 に おけ る少 数 株 主持 分 は,50%所 有 会 社 に 対 す る少 数 株 主 持 分 で も多数 株 主 持 分 で も ない         持 分 で あ るか ら,そ の実 態 を表 わ さず,却 って 誤解 を もた らす もの とな ろ う。 した が っ て,AICPA,  SECと もに,こ の よ うな過 半 数 所 有 で な い 合 弁 会 社 を          子 会 社 と して連 結 す る こ とは 認 め て い な い 。   そ こで,こ の よ うな 二 重 計 上 の 弊 害 を 避 け るた め に,投 資 会 社 の 一 方 だけ が,合 弁 会社 を連 結 し,他 方 は,そ の合 弁 会 社 の 株 式 を 単 に 投 資 と して会 計 処         理 す る方 法 が考 え られ た 。 しか し,こ の 方 法 は,投 資 会社 の財 務 諸表 上 の報 告 が,互 に首 尾 一:貫して い ない とい う欠 点 が あ る。 また,投 資会 社 の規 模 で あ る とか,運 営 者 が どち らで あ る とか,そ の 他 の 連 結 の た め に考 慮 され る諸 要 因 に よる判 断基 準 が 恣 意 的 とな るた め,合 弁 会 社 の 活動 を投 資会 社 の株 主 へ 報 告 す         る上 で 悠 意 性 が 介 入 し,客 観 的 公 正 性 が 守 られ な く な る き ら い が あ る 。   し か し,投 資 会 社 が 議 決 権 株 式 の 過 半 数 所 有 に よ る 法 律 上 の 支 配 を も た ず, 営 業 上 の 契 約 や 紳 士 協 定 等 に よ っ て,有 効 な 営 業 上 の 支 配 を も つ と い う特 殊 な ケ ー ス も あ る 。 こ の よ うな 例 が,A.  E. Staley Manufacturing  Companyの 場

54)  Robert  E・Hansen,  op.  cit., p・140・

    Thomas  E.  Lynch,  Accounting  and  Reporting一 ・・…, p.84. 55)  Thomas  E.  Lynch,  OP.  cf診., p.84.

56)  SEC,  Regulation  S-X,  Rule  4-02(a),  P.7.  ARB  No・51,0p.ご'ちP・41. 57)  Robert  E.  Hansen,ψ ・`f謬りP・141.

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62 合 で,こ こで は,こ の よ うな 支 配 が存 在す るた め,50%所 有 の会 社 を 全 部 連 結     59) し て い る。   こ の場 合 の売 上 高 に 対 す る影 響 は,僅 か2%弱 で あ るか ら,か か る連 結 の重 要 性 は なか った け れ ど も,SECは,こ の よ うなStaleyの 会 計 処 理 に 反 対 もせ ず,黙 認 して い る。1968年 の 年 次 報 告 書 に お い て,こ の よ うな開 示 を 行 な った         第4表  合弁会社投 資の会計処理 法に関す る各種の実例 1全 部 連 結

1.片 方 の ケ ー ス=A.E.  Staley  Manufacturing  Company E部 分 連 結 1.両 方 の ケ ー ス: ω 認 諜 灘 押     の一 部)}… チ ・ク・エ ・合 欄 (2)American  Can Skelly Oil}・   ・一 ・  ・組 合… (3)Sinclair  Oil KoppersCompany}・     一 ・組 合・ 業・ 2.片 方 の ケ ー ス:

…Hercor  Chemical  Corpora・ ㎞{Hercules  lncorporated(,WM&) Commonwealth  Oil&Refining ….ShellandCommonwealth Chemicalslncorporated{器 器 儲 騒 会 社 3.部 分連 結 と持 分 法 との 混 合形 態;     B/S→ 持 分 法    P/L→ 部 分 連 結 皿 原   価   法 1.両 方の ケ ース:     謙1凝 器 ㎞}・thyl-Do・ ・一1    2.片 方 の ケ ー ス:     ・一 ・  ・cal{American  CyanamidTexaco()(原価 法'

59)A.E.  Staley Manufacturing  Companyの コン トロ ー ラーは,4月27日 付 の私 の書   簡 で は,50%所 有 の子 会 社 を 全 て連 結 した とい う印 象 を 与 え たか もしれ な いが,こ れ   は真 実 では な い 。 この よ うな50%所 有 の 子 会 社 だけ が 連 結 され て い るの で あ る。 当社   の連 結 は,貸 借 対照 表 と損 益 計 算書 とに 少 数 株主 持 分 を 表 示す る完 全 基 準 に よる もの   で あ る,と 説 明 して い る。

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      合弁会社と持分法  63       so) 会 社 は,フ ォ ー チ ュ ン500社 の うち 当 社 だ け で あ っ た 。   (皿)  比 例 連 結(部 分 連 結)   こ の 方 法 は,各 投 資 会 社 が 少 数 株 主 持 分 を(カ ッ コな い し 脚 注 に よ る表 示 を 除 い て)報 告 せ ず に,資 産 ・負 債,収 益 ・費 用 の50%部 分 だ け を 連 結 財 務 諸 表 に 含 め て 表 示 す る方 法 で あ る 。1968年 の フ ォ ー チ ュ ン500社 の う ち,こ の 方 法

を 採 用 し て い る 会 社 は,僅 か2社 に す ぎ な か っ た 。Rexall  Drug(現 在, Dart Industriesの 一 部)とEl  Paso  Natural  Gas(フ ォ ー チ ュ ン500社 の 中 に は な

い)は,プ ラ ス チ ッ ク 加 工 会 社 の 共 同 出 資 者 で,両 社 と も 自 社 の 連 結 財 務 諸 表       61)

に 各 項 目 の50%を 含 め て い た 。 ま た,Commonwealth  Oil&Refining  Company とHercules  Incorporatedは,  Hercor  Chemical  Corporationの 共 同 出 資 者 で あ り,CommonwealthとRoyal  Dutch/Shellの 関 連 会 社 は,  Shell  and  Com monwealth  Chemicals  Incorporatedの 共 同 出 資 者 で も あ っ た 。 し た が っ て, Commonwealthは,連 結 財 務 諸 表 に 両 方 の 合 弁 会 社 の50%を 含 め て い る の に 対 し て,Herculesは,  Hercor  Chemicalに 対 す る 投 資 を 原 価 法 で 処 理 し て い

お   た 。 この よ うな ケ ー スは,前 述 の よ うに,投 資 会社 の財 務 報 告 が 互 に 首 尾 一 貫 して い な い と批 判 され る。   と ころ が,組 合 企 業 で あ る合 弁 事 業 の 場 合 に は,3社 の組 合 企 業 を 設 立 した 6社 は,全 て,そ の資 産 ・負 債,収 益 ・費用 の50%を そ の財 務 諸 表 に 含 め て い た 。 そ の 中 のAmaxの コ ン トロー ラーに よれ ば,50%の 組 合 企 業 と株 式 会 社 に対 す る50%投 資 と を区 別 して,50%の 組 合企 業 を全 て連 結 す る のは,当 社 の       63) 方 針 で あ る と さ え 述 べ て い る 。 ス キ ン ナ ー(R.M.  Skinner)も,主 と し て 利 益 稼 得 を 目 的 とす る 利 益 指 向 会 社(profit-oriented  venture)で な く,共 同 使 用 を 目 的 と し て 設 備 を 提 供 して い る よ うな 会 社 や 原 価 分 担 型(cost-sharing  type) の 会 社 で あ る場 合 に は,各 行 連 結 に よ る 比 例 的 持 分 を 連 結 す る こ と は,合 理 的

60)  Thomas  E.  Lynch,  OP.  c払,  p.85. 61)   Ibid.,  p.86.

62)   1b'4.,  p.86-7. 63)   1み'ユ,p.  87.

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  64        わ で 適 切 で もあ ろ うと述 べ て い る。そ して,こ の部 分 連 結 に つ い て,組 合 企 業 の 投 資 勘 定 に そ の 純 資 産 を 代 置 させ る点 で は連 結 と同 じで あ るが,資 産 ・負 債 の 全 てが 少 数 株 主 持 分 に よ って相 殺 消去 され ず に持 分 相 当部 分 だ け が 表 示 され る         点 で,連 結 とは 異 な る と説 明 して い る。   また,持 分 法 へ の過 渡 的処 理 法 として,部 分 連 結 と持 分 法 との 混 合 形態 もあ る。 つ ま り,投 資勘 定 は持 分 法 に よ る金 額 で,貸 借 対 照 表 上,1行 で表 示 され るが,損 益計 算書 で は,収 益 ・費 用 に つ い て 投 資 会 社 の 持 分相 当 部分 が,単 に        ラ 純 利 益 と して1行 で表 示 され る ので は な く,各 行順 に 追 加 され る方 法 で あ る。   この 部 分連 結 は,(1)持 分 法 で も議 論 され る増 加 概 念,一(2)連結 思考 の部 分 連 結 へ の 適用,㈹ 被 投 資 会 社 勘 定 の 分 割 可 能 性 な どを 容 認す る こ とを前 提 と し てい 67) る。   (皿)原    価    法   1968年 の フ ォーチ ュ ソ500社 に お いて,国 内50%所 有会 社 を も って い る102社 の うち45社 が,こ れ を 原 価 法 で処 理 して い る。 ま た,ATTの1968年 版 で も, 46社 が 持 分 法 で,42社 が 原価 法 を採 用 し て いた が,50%未 満 所 有 の 合 弁 会 社 に 持 分 法 を 適 用 して い る会社 は極 く僅 か で あ った 。   原 価 法 は,元 来,投 資 会 社 と 被 投 賓 会 社 との 関 係 の 法 的 側 面 を強 調 す るた め,そ れ ぞ れ別 個 の 会 計主 体 とみ て,両 社 の間 に お け る実 際 の 取 引 だ け を記 帳 す る方 法 で あ る 。 した が っ て,一 般 に 広 く知 られ て い て,実 務 が 比較 的 容 易 で    ラ あ る。 また,投 資会 社 は,子 会 社 と異 な って,関 連 会社 の配 当政 策や 営 業 活 動 に 対 す る支配 を 行使 し て いな い し,方 針 に つ い て の 利害 関 係 も,各 投 資 会 社 が 必 ず し も同様 で は な いか ら,保 守 主 義 の観 点 か ら も配 当受 領 時 に のみ 利 益 を認        の 識 す るの が適 当 で あ る と考 え られ る。

64)  R.M.  Skinner,んcounting  Pr'nciple∫:ACanadian  Viewpoint,1972,  p.183. 65)66)  Ibid。, p.181.

67)   Jay  O.  Cherrington,  o}》・ ご髭 ・, P・224, 68)  乃id.,  p,220.

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       合弁会社 と持分法  65   した が って,合 弁契 約 の条 項 に,利 益 や 資 本 の 分 配 に 関 す る規定 が含 まれ て い る場 合 に は,こ れ が 妥 当 しな くな る。 原 価 法 の 最 大 の 欠 点 は,投 資 に 関す る 状 況(例 え ば,合 弁会 社,合 弁 事 業 運 営 上 の 支 配,投 資 金額 の重 要 性 な ど)が 無 視 され,そ の結 果,企 業 の資 産 や 営 業 活 動 の重 要 な 相互 関 係 が認 識 され な い        の こ とで あ る。 そ こで,原 価 法 に よ る合 弁 会社 が 重要 で あ る場 合,そ の純 資 産 と 利 益 に 占 め る持 分 に 関 す る情 報 が 財 務 諸 表 の 脚 注 で 公 開 され る が,こ の実 例 が Dow  Chemi(組 の1968年 度 の連 結 財 務 諸 表 に み られ る。 しか し,こ の よ うな 情 報 が必 要 であ るな らば,持 分 法 の 適 用 に よ って財 務諸 表 自体 に 含 め る方 が ヨ リ 適 切 で は なか ろ うか 。       第5表  50%所 有会社を原価で評価す る理 由 1 2 3 4 5 6. 7. 8. 9. 10. 11. 関 連 会 社 の 営業 や 配 当 を 支配 で きな い。 関 連 会 社 が 開 発段 階 で あ る。 純 資 産 に 占 め る持 分 が 投 資原 価 に 等 しい。 関 連 会社 が連 結 会 社 に比 し重 要 性 に乏 し い。 従 来 か ら一一般 に 認 め られ た 会 計 原 則 に従 って い るので, 変 更 す る理 由 が な い。 産 業 の条 件 が 原 価 法 を要 求 す る。 配 当 が利 益 に ほ ぼ等 しい。 原 価 分担 会 社 で あ るか ら,原 価 と持 分 とが 等 しい。 持 分 の原 価 超 過 額 を表 示 して い る。 理 由 な し 次 年度 よ り持 分 法 を採 用 す る予 定 であ る      ・   合         計 2 1 ρb 3 6 1 4 5 8 2 7 ︻ 45   資 料:当 該 会 社 の 年 次 報告 書 と コ ン トロー ラ ーの 書 簡 よ り作 成(Thomas  E. Lynchl,         OP.ご髭,, PP-92.)   と こ ろ で,原 価 法 に よ る こ と が 適 当 で あ る よ うな 状 況 も あ り う る 。 第5表 は,50%所 有 の 合 弁 会 社 の 投 資 を 原 価 法 で 処 理 し て い る会 社 が,掲 げ て い る 理 由 の 一 覧 表 で あ る 。 そ の 項 目3の 純 資 産 持 分 が 投 資 原 価 に 等 し い,項 目4の 投 資 が 重 要 で な い,あ る い は 項 目8の 原 価 分 担 会 社 で あ る な ど の 場 合 に は,原 価 70)   1み∼鳳,p.90.

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66 法 の 採用 が適 当 で あ ろ う。 また,合 弁 会 社 の 配 当 分配 は,合 弁 契 約 に よ って規 定 で き るの で,項 目7の 配 当が 利 益 に 等 しい 場 合 に も妥 当 す る が,項 目1の 関 連 会 社 の 営 業 や配 当 を支 配 で き ない とい うの は,正 し くな い とい え る。 また, 項 目2の 開 発 段階 に あ る,と か 項 目6の 不 安 定 な 産 業 で あ る とい うのが 何 を意 味 す るか は,悠 意 的 な判 断 に委 ね られ るの で,会 社 間 の比較 可 能 性 が軽 減 され る。 項 目9の 原価 と持 分 との差 額 を 脚 注 で 公 開 す る場 合 は,む しろ,持 分 法 に よ る方 が 望 ま しい こ とに な る。   (IV)持    分    法   持 分 法 は,投 資 会社 と被 投 資 会 社 と の関 係 の経 済 的 側 面 を 強 調 し,経 済的 支 配 の 存 在 す る限度 で,実 現 概 念 の下 で も正 当 化 され る。 つ ま り,実 現概 念 の要 素 と して,(1)実 際 の取 引 と㈲資 産 価 値 の変 動 が 考 え られ るが,支 配 の存 在 に よ         って 実 際 の 取 引 を 現実 化 で き る可 能 性 が あ るか らで あ る。 しか し,投 資 会社 は 被 投 資 会 社 に 対 して は,子 会 社 と同 じよ うに,有 効 な 支 配 力 を も って い な い の で,被 投 資 会 社 の 損 益 を 発生 基 準 で認 識 す る の は,適 当で は な い と よ く主 張 さ れ る。 そ して,営 業 や 財 務政 策 に対 す る重 要 な影 響 力 ない し支 配 力 の 判 定 基 準 が 難 し く,持 分 法 の 適 用 い か ん に よっ て,比 較 可 能 性 を減 少 させ る こ とに もな   る。 また,持 分 法 に 固 有 な 複雑 性 に よ って,財 務 諸 表 の作 成 者 のみ な らず,そ       ゆ の 利 用 者 に も困 難 な 問 題 を もた ら して い る。 さ らに,株 式 市 価 で 立 証 され る よ うな基 礎 的 な経 済 状 況 に お け る短 期 的 な変 動 を表 わす もの で は な く,株 式 の 時 価 近 似 値 と して は,一 般 に 保 守 的 で あ る。 し たが っ て,持 分 法 に よ る結 果 は,         原 価 法 とは 大 き く異 な らな い が,時 価 法 に よ る場 合 とは大 き く異 な って い る。   しか し,一 般 に 認 め られ た会 計 原 則 の大 き な変 更 を と もな わ ず に,被 投 資 会 社 の経 済 的 業 績 の 変 動 を 報 告 す る こ とに よ って,投 資 会 社 の財 務 報 告 を 改 善 で        の き る点 は,最 大 の長 所 とい え るで あ ろ う。

71)  Ronald  M.  Copeland  et al., op.  cit., P.38. 72)  Jay  O.  Cherrington,  OP.  cit., P.222. 73)   1ゐf4,, P.223.

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                         合弁 会社と持分法  67 第6表  過半数以下所有の合弁会社を持分法で処理 している会社 1 2. 3. 4. 投資会社名 と被投資会社名 Cyprus  Mines 50%以 下 所 有 の 合 弁 会 社 Mount  Goldsworthy(33.3%) Hawaiian  Cement  Corp.(45.4%) Kaiser  Steel Corp、 Hammersley  Holdings(36%)       (合 弁 会 社) Standard  Oil of Calif. 50%以 下 所 有 の 合 弁 会 社: Aramco(30%)

Utah  Construction&Mining  Co. 50%以 下 所 有 の 合 弁 会 社: Pima  Mining(25%) Mount  Goldsworthy(33.3%) の 関 資 社 と 投 会 産 社 資 質 会 投 総 連

73 β 30 2 $

       (単位1,000ド ル)

)(難

・)(簾鱗)

    $  27,062     $  19,690 643,471 43,560 6,145,875   480,81〔}莞 280,601 78,807 25,672 453,786 26,723 9,360 252,367 13,551     勢 原 価 で 評 価 さ れ て い る 関 連 会 社 に 対 す る 投 融 資 を 含 む 。

資 料=1969年 の 年 次 報 告 書 よ り作 成(Thomas  E. Lynch,(や.  o∫'., PP.95-98。)

  第7表 は,過 半 数 以下 所 有 の 合弁 会 社 の投 資 を持 分 法 で 処 理 し て い る14社 に 関 し て, 持 分 法 適 用 上 の判 定 基 準 と し て考 え てい る もの を 要 約 した も ので あ るが,い ず れ の 会社 に おい て も,こ の 持 分 法 に よ る処 理 法 は,各 社 の 監査 人, SECお よび 証 券取 引所 に公 式 な い し暗 黙 に認 め られ てい る。 した が って,こ れ らの実 第7表  持 分法適用上の判定基準 1 2 3 4 5 6 7 8 9 判 定 基 準 合弁会社 経営参加 投資の重要性 営業の統合 ない し関連性 信頼できる財務資料の有用性 実現に関す る合理的な確実性 持分法の法的承認 関連会社の営業上 の支配 関連会社への技術援助契約 3 9 9 5 2 1 1 1 2 1 資 料:14社 の1968年 と1969年 の 年 次 報 告 書 お よ び       コ ン トロ ー ラ ー の 説 明 に よ り 作 成(Thomas       E.Lynch,  OP. of'., PP.99.)

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 68 例 か ら,(1)共 同 出資 者 が 合 弁 事 業 の 権 利 ・義 務 の全 て を 引受 け る とい う契 約 の 下 で営 業 を営 んで い る合 弁 会 社 で,(2)所 有 持分 に応 じた 取 締 役 の選 任 に よ り, 会 社 経 営 に対 す る有 効 な発 言 権 が あ って,㈲ 投 資 の重 要 性 が あ る場 合 に は,持 分 法 に よ り営 業 成 績 と財 政 状 態 を ヨ リ適切 に表 示 す る と考 え られ てい る こ とが わか る で あ ろ う。 V  む  す   び   す でに み た よ うに,一 般 に 合弁 会社 に対 す る 関心 が あ ま りなか った た め,合 弁 会 社 に 関 す る適 切 な 財 務 報 告基 準 が存 在 し て い なか った 。 そ こで,こ れ に 子 会 社 投 資 に 関 す る 基 準 を 準 用 して,完 全 連 結(全 部 連 結)や 比 例連 結(部 分 連 結)を 適 用 した り,ま た 持 分 法 を も採 用 した ので あ ろ う。 と こ ろが,従 来 か ら組 合 企 業 で あ る合 弁 事 業 に 対 して は,比 例連 結 や 持 分 法 の よ うな 発 生 基 準 に よ る利 益 の認 識 が 認 め られ て い た の で,株 式 会 社 た る合 弁 会 社 に も同 じ取 扱 い が 要 求 され るの は 当 然 の 論理 で あ ろ う。   そ こで,ニ ー ル セ ンや リンチ な どに よ っ て実 証 的 な研 究 が 行 な わ れ,合 弁 会 社 は 共 同 支 配 に 特 徴 が あ り,こ れ らの投 資 は投 資 会 社 の 総 資 産 額 の重要 な 部 分              コ  コ        コ       コ      ロ       ロ     ロ  コ  コ を 構 成 し てお り,投 資 会 社 と被 投 資会 社 と の運 命 は 密 接 な 関 連 性 を も って い る          こ と が 明 らか に さ れ た 。 ま た,コ ー プ ラ ン ド ・ス トラ ウ ザ ー ・ ビ ン ズ(Ronald

M.Copeland,  Robert  H. Strawser&John  G・Binns)や チ ェ リ ン トン(Jay O.Cherrington)の 実 証 的 研 究 に よ っ て も,1965年 か ら1969年 ま で の5年 間 で 平 均 し て,原 価 法 よ り も持 分 法 に よ る 投 資 収 益 の 方 が152%大 き くな る こ と,ま た,投 資 会 社 の92%は 原 価 法 よ りも 持 分 法 に よ る 方 が 利 益 を 大 き く報 告 で き る         こと も明 らか に され た 。 さ らに,原 価 法 と持 分 法 の下 に おけ る投 資 勘 定 の 簿 価 の相 違 は,上 記 の5年 間 で 次 第 に減 少 して い くが,そ れ は1株 当 りの 配 当 の 増

76)  Carl  C.  Nielsen,  op.  cit., pp.795-804.  Thomas  E.  Lynch,(1}Re∫earchル 露o解o.   randum・ ・・…  and(2)∠4c60μ,2だng  and  Rey》o「∫ゴπ90'●'"

77)  Ronald  M.  Copeland  et al., op. cit・・P・40-42・     Jay  O,  Cherrington,曜).  cit., p.223-4.

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      合弁 会社 と持分法  69 加 に よ る もの で は な く,1株 当 りの利 益 の 減 少 に よ って,一 般 的 に生 じて い る       78) もの で あ る こ とも 明 らか に され た 。   そ こで,持 分 法 に よ る利 益 は,原 価 法 に よる よ り も多 くな るた め,利 益 の 減 少 傾 向 に対 処 し て,最 高 の経 営 責 任 を も って い る支 配 会 社 の 経 営 者 の 立 場 か ら す れ ば,子 会 社 と実 質 的 に は異 な らな い経 営 責 任 を もた せ られ て い る以 上,自 らの努 力 に よ る成 果 を反 映 して,株 主 の最 大 の 関 心 事 で あ る1株 当 りの利 益 を 増 や した い とい う要 請 か ら,持 分 法 の適 用 が 主 張 され る。   これ に対 して,合 弁 会 社 に 対 す る統 一 的 な 財 務 報 告 基 準 が 存 在 しな い よ り も,持 分 法 で統 一 を 図 った 方 が 比較 可能 性 を 向 上 させ る こ とが で きる。 同 時 に,ま た 経 営 者 の会 計 方 法 に よ る利 益 操 作 を も排 除す る こ とが で き る。 か か る 社 会 的 要 請 か らも,こ れ が 容認 され るの で あ ろ う。   した が って,連 結会 計 思考 を 徹 底 した 持 分 法 こそ が,両 者 の 要 請 の一 致 点 と も考 え られ るの で は な か ろ うか 。 換 言 す れ ば,合 弁 会 社 に お け る経 営参 加 に よ る共 同支 配 に着 目し,支 配 概 念 の拡 張 に よ って経 済 的 連結 実 体 と考 え て,連 結 技 術 上 の 関 係か ら,実 質 上 の 連 結 で あ る持 分 法 を適 用 した も の と考 え られ る。 した が っ て,そ こに は 法 律 上 の 支 配(議 決権 株 式 の過 半 数 所 有 な い し支 配 的 財 務 持 分)か ら実 質 上 の 支 配(合 弁 契 約等 に よ る支 配)へ と拡 張 され て い く過 程 を み る こ とが で き るの で あ る。

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