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データセンタ向け光デバイスの実装技術

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(1)

データセンタ向け光デバイスの実装技術

白尾

瑞基

a)

村尾

覚志

望月

敬太

中村

誠希

野上

正道

Packaging Technology of Optical Devices for Datacenter Applications

Mizuki SHIRAO

†a)

, Tadashi MURAO

, Keita MOCHIZUKI

, Seiki NAKAMURA

,

and Masamichi NOGAMI

あらまし データセンタを活用したサービスの急速な普及により情報通信量が増大しており,光ファイバを用 いたイーサネット伝送の適用範囲が拡大している.装置あたりの通信容量拡大のみならずデータセンタの大規模 化・複数のデータセンタ連携が進んでおり,特に経済性の求められる銅線から光ファイバへの置き換えとともに, データセンタ内外を繋ぐ長距離・大容量伝送の要求も強い.これを支えるのは光デバイス実装技術であり,今後 もその重要性は高まるものと予想される.本論文では光デバイスへの要求に応えるべく我々が取り組む実装技術 として,多波長集積化技術,高速信号接続技術,低コスト化技術を紹介する. キーワード 集積TOSA,集積 ROSA,ハイブリッド集積,FPC,CAN

1.

ま え が き

クラウドコンピューティングに代表されるデータセ

ンタを活用したサービスの普及に伴い,データセン

タを出入りする情報量が急速に増加している.特に,

サーバの仮想化技術の進展により,サーバ間が頻繁に

通信する事から,データセンタ内部の通信量増加が著

しい

[1]

.このような背景によりデータセンタ内外には

大容量通信を実現するイーサネット伝送用光デバイス

の要求が強まっている.

イ ー サ ネット の 大 容 量 化 の 要 件 と し て ,光 デ バ

イスの高速化と波長多重化が挙げられる.

10GbE

以 前 の イ ー サ ネット 伝 送 用 光 デ バ イ ス の 伝 送 容 量

拡大は,変調速度の向上により実現された.一方,

40GbE/100GbE

では,変調速度の向上に加えて,規

格で定められた

4

波長の光それぞれに信号を乗せ,束

ねることで伝送容量を拡大する

WDM

Wavelength-Division Multiplexing

)方式が採用された

[2]

.初期

100GbE

トランシーバである

CFP

トランシーバ

は,

4

個の

25Gb/s TOSA

Transmitter Optical

Sub-†三菱電機株式会社情報技術総合研究所,鎌倉市

Information Technology R&D Center, Mitsubishi Electric Corporation, 5–1–1 Ofuna, Kamakura-shi, 247–8501 Japan a) E-mail: [email protected]

assembly

/ROSA

Receiver Optical Subassembly

と,光合波器(

MUX

/

分波器(

DEMUX

)を用いて

いた

[3]

.小型化は進み,現在は

CFP

体積比

7%

小型化

QSFP28

の需要が高まっている

[4]

.ここに

TOSA/ROSA

4

個搭載する事は困難であり,

4

の機能を単一パッケージに集約した

100Gb/s

集積

TOSA/ROSA

の開発が報告されている

[5]

[13]

複数の波長を単一パッケージに実装するため,全て

の機能を単一チップに集約したモノリシック集積が報

告されているが,量産性の観点から現段階では課題が

残る

[6]

.個別部材を組み合わせるハイブリッド集積

では,高い実装精度が必要なシングルモードファイバ

に対して,複数の波長の光を束ねて結合させるかが技

術課題であり,

MEMS

を用いて実装精度緩和する手

[10]

,多数のレンズを用いて調芯精度を緩和する手

[8]

,合波器との

Butt-joint

構造を用いた方式

[11]

などが報告されているが,データセンタの求める大量

生産性,経済性といった観点から,より簡易に高精度

な部品実装を実現する技術が求められている.

伝送容量拡大のため,波長数の拡大と並行して変調

速度の拡大,

PAM4

4-level Pulse Amplitude

Mod-ulation

)に代表される多値変調技術を駆使した伝送

容量拡大も進められている

[14]

.より高速で複雑な電

気信号を取り扱うため,光デバイス及びデバイスの

(2)

価な電気インタフェースが求められている.

一方,

OTT

Over-the-top

)事業者を中心とする最

先端の巨大データセンタでは光通信の導入が進んでい

るが,一般のデータセンタでは依然として安価な銅線

が用いられている.光通信の特徴である大容量・長距

離接続といった需要は高いが,より経済性に優れた光

デバイスが求められている

[15]

以上のデータセンタにおける光デバイス実装技術

の課題を受け,高密度・高精度レンズ実装技術,小

型な

FPC

を用いた高速電気

I/F

を開発,光デバイ

スの小型化・高速化を実現した.同技術を用い,小

型な

100Gb/s EML

Electro-Absorption Modulator

Laser

TOSA [7], [9], [16]

した.更に,高速

EML

用いた

53.2Gb/s NRZ

Non-return-to-zero

)方式の

検討を行うとともに,安価なフレキシブル基板(

FPC

を用いた高速信号接続技術の開発を行った

[17], [18]

一般のデータセンタへの光通信適用に向けては,経

済性に優れる

DML

Direct Modulated Laser

)搭

TO

Transistor-outline

-CAN

パッケージ開発し,

25Gb/s

動作を実現したので報告する

[19], [20]

2.

多波長集積化技術

多波長集積を可能とする高密度・高精度レンズ実装

技術について述べる.

100Gb/s

集積

TOSA

には,光

源である半導体レーザが

4

素子搭載され,各々の出力

光を多重化してシングルモードファイバに結合させる

光合波器が搭載される.実現方法としては,

2

種類に分

類される.一つ目は全ての機能を光素子・光合波器の

機能素子を単一半導体チップに集積化したモノリシッ

ク集積である

[6]

.二つ目は,製造時の不良が集積する

素子数に対し指数的に増加するモノリシック集積の課

題を避け,個別部材を組み合わせて集積

TOSA

を実

現するハイブリッド集積である

[7]

[9], [11]

[13]

.こ

こでは我々のハイブリッド集積の取り組みを紹介する.

2. 1

高出力レーザを用いたレンズ調芯技術

1

100Gb/s

集積

EML TOSA

の実装図を示す.

ハイブリッド集積

TOSA

実現の課題は,複数配置さ

れた光源からの出力光をいかにして合波し,光ファイ

バへと結合するかである.合波器としては,導波路型

PLC

Planar Lightwave Circuit

)が有力である.

しかし,光源である

EML

からの出力光を

PLC

に入

図 1 空間光学系を用いた 100Gb/s 集積 EML TOSA

Fig. 1 100Gb/s Integrated EML TOSA by free-space optics.

図 2 空間光学系を用いた光合波器構成

Fig. 2 Optical multiplexer with free-space optics.

力する際,モード不一致や集光位置ずれによる光学的

な結合損失が生じることから,導波路への結合が無

く,より低損失な空間光学系を用いる事とした.図

2

に合波器構成を示す.

EML

から出射された光は第

1

レンズでコリメート光に変換され光合波器に入射さ

れる.光合波器は全反射ミラーとバンドパスフィルタ

BPF

)で構成され,ジグザグの反射をしながら

4

長を合波させる.合波された光は第

2

レンズで集光さ

れ,光ファイバへと結合される.通常,

EML TOSA

は光源,集光レンズ,光ファイバの順に実装される.従

来の

1

波長の光デバイスでは,

EML

実装位置や集光

レンズの実装位置が設計値からずれると,光ファイバ

側の集光位置が変動するが,これは光ファイバ実装位

置を変えることで補正される

[21]

.光ファイバのモー

ド径は

5

6

μm

と大きいため,求められる実装精度は

比較的緩い.一方,多波長集積

TOSA

においては各

EML

の実装位置,第

1

レンズ実装位置がばらつくと,

波長ごとに異なる点に集光されてしまう.集光位置の

バラつきが大きい場合,光ファイバ実装時に全ての波

長で十分な結合効率を得られないため,

4

個ある第

1

レンズには集光位置を一点に集めるアクティブ調芯が

必要である.ここで,

EML

のモード径は

1

2

μm

光ファイバよりも小さく,第

1

レンズと

EML

の相対

的な位置ずれは光ファイバとの光学倍率の差により増

幅され,大きな集光位置のずれを生じさせる.そのた

め,多波長集積

TOSA

におけるレンズの許容位置ず

(3)

図 3 高出力レーザ照射によるレンズ位置調整の原理 Fig. 3 Schematic diagram of precise lens position

control by high power laser irradiation.

図 4 高出力レーザによる XY 軸上レンズ位置移動シミュ

レーション結果

Fig. 4 Mechanism of laser position control simulated by 3D FEM (Quick Welder software).

れは

±0.3μm

と厳しい

[7]

この課題に対し,複数のレンズを使ってトレランス

を緩和する手法

[8]

,カンチレバーを用いた高精度実

[10]

といった報告がされている.我々は,実装後に

調整する手法を選択し,波長

1064nm

の高出力レーザ

を用いたハンマリング技術を開発した.図

3

に調芯原

理を示す.門柱型のステンレス製レンズホルダに対し

高出力レーザをパルス照射すると,金属の溶融・凝縮

が発生し,その結果,ホルダを圧縮する応力が生じ,

形状が変化する.このレーザ照射によるホルダの微小

変化を利用し,第

1

レンズの微調整を行う手法を提案

した.ホルダは門柱部分と,それを支えるレンズベー

スから構成され,照射場所を変える事で,光軸に直交

する

XY

軸の

2

次元平面上でのレンズ位置の微調整が

可能である.図

4

は高出力レーザ照射によるレンズ位

置変形を示したシミュレーション結果である.レンズ

ホルダ上面の中心にレーザを照射するとホルダ上面が

凹形状となり,レンズが

−Y

方向にシフトする.照射

位置を左右に動かすと

±X

方向へのレンズ移動が可能

となる.

+Y

方向についてはレンズベースへのレーザ

照射で実現される.図

5

には

X

軸方向へのレンズシ

図 5 高出力レーザによるレンズ位置シフト量評価結果

Fig. 5 Estimated lens position shifting.

図 6 小型レンズホルダを用いた高出力レーザ照射による

レンズ位置調整

Fig. 6 Mechanism of lens position control using miniaturized lens holder.

フトを実際に検証した結果を示す.レンズの移動量は,

CCD

カメラでレンズ透過後の光の集光点位置を確認

したのちにレーザを照射し,レーザ照射後の集光点移

動量を測定する事で算出した.レーザ出力パワーを調

整しつつ

3

回の照射を行うことで,レンズ最適位置に

対して

±0.3um

の精度での実装を実現した.

2. 2

小型化の検討

高出力レーザ照射により高精度なレンズ実装を実

現したが,門柱型のレンズホルダでは第

1

レンズの

ピッチが

1.5mm

程度であり,これにより実現される

TOSA

幅は

8.8mm

と大きく,小型トランシーバであ

QSFP28

への搭載は困難である.そこで我々は更

なる小型化に向け,高出力レーザを照射するレンズホ

ルダの小型化,接着剤を用いたレンズ実装技術の

2

式を検討した

[16]

.図

6

の高出力レーザを用いた方式

では,ホルダ形状を工夫し,門柱型同様の

XY

平面で

の調芯を試みた.前述の門柱型レンズホルダと同様に,

高出力レーザを照射することで照射個所の溶融・凝縮

が生じ,ホルダが変形する.レンズを移動させたい軸

に合わせてレーザ照射個所を変える事で,応力のかか

り方が制御可能である.図

7

のシミュレーション結果

によると,レーザ照射により

±X

±Y

方向にレンズ

が移動していることがわかる.

1.5J

レーザ照射を行っ

た場合,

±X

方向に

5.1um

−Y

方向に

6.9um

+Y

(4)

図 7 小型レンズホルダを用いた XY 軸上レンズ位置移動 シミュレーション結果

Fig. 7 Mechanism of laser position control using miniaturized lens holder.

図 8 接着剤を用いたレンズ実装技術

Fig. 8 Lens assembling technique using adhesive.

図 9 接着時のレンズ位置変動

Fig. 9 Estimated lens position shifting during harden process.

方向に

0.7um

のレンズ位置移動が可能である.従来

の門柱型に比べ,振り子状の挙動を示すため移動量は

大きい傾向だが,レーザ照射パワーの調整により門柱

型同等の制御が可能である.

もう一つの手法として接着剤を用いた実装の検討を

実施した.図

8

の接着材によるレンズ実装では,レン

ズに接着剤を塗布し,硬化収縮による変動量をあらか

じめオフセットすることで最終的にレンズが最適位置

となるよう実装する.接着時のレンズ位置変動を図

9

に示す.

4

個のレンズを実装し,接着完了後のレンズ

位置ばらつきは

±0.07um

以下と高精度な実装を可能

とした.

1

2

方式を用いて作製した

TOSA

の結合損失

図 10 小型 4 波集積 EML TOSA の 25.78Gb/s NRZ 光波形

Fig. 10 Optical eye diagrams of miniaturized EML TOSA at 25.78 Gb/s NRZ signal.

図 11 小型 4 波集積 TOSA のスペクトル特性

Fig. 11 Spectrum characteristics of miniaturized EML TOSA.

見積もりを示す.いずれの方式でも全ての

DFB

レー

ザは一定(

60mA

)で駆動し,素子出力とファイバ出

力の差分で光学系の結合損失を見積もった.レーザ照

射とレンズ接着いずれでも損失のレーン間依存性は

1.1dB

以下と低く,また全レーンで

2.5dB

以下と低損

失であった.以上の結果から,二つの方式で十分な精

度でのレンズ実装を実現した.図

10

11

には小型レ

ンズホルダを用いたレーザ照射により試作した

TOSA

特性を示す.イーサネットマスクに対し全波長で良好

なマスクマージン(

MM

)を示し,消光比(

ER

)は

100GBASE-ER4

規格の

8dB

を満足する

9dB

以上の

値を得た

[2]

.図

11

のスペクトル特性からは全波長が

規格内にある確認した.小型化検討により

EML

のピッ

チは従来の門柱型の

1.5mm

に対し,レーザ溶接及び

レンズ接着技術いずれでも

1.0mm

まで低減すること

が可能である.試作した小型

4

波集積

EML TOSA

は,図

12

に示すとおり

QSFP28

への搭載が可能な

6.5mm

幅に低減された.

(5)

図 12 試作した 4 波集積 EML TOSA 外観 (a) 小型化 前 (b) 小型化後

Fig. 12 Photograph of (a) conventional and (b) miniaturized integrated EML TOSA.

3.

光デバイス高速化の検討

光デバイスの変調速度拡大は,波長多重化と合わせて

重要である.

IEEE

標準化では

53.2Gb/s NRZ

方式の

採用が検討されたほか,

1

波あたり

100Gb/s

を実現す

るための方式として

53.2GBaud PAM4

方式が採用さ

れた

[14]

.我々は光デバイスの高速化に向け

53.2Gb/s

NRZ

方式の検証を行うとともに,安価な

FPC

を用い

た高速信号接続技術の開発を行った

[17], [22]

3. 1 53.2Gb/s NRZ

伝送実験

53.2Gb/s

動作に適用可能なデバイスとして

EML

が有力である.そこで図

13

に示すバタフライ型の送

/

受信器を用意し,図

14

に示す実験系で伝送特性

評価を実施した.伝送試験は,

400GbE-LR8

10km

で規定される

−50.8ps/nm

から

+9.4ps/nm

の分散

カバーする値として,

−80ps/nm

0ps/nm

B2B

),

−47ps/nm

+15ps/nm

4

点で実施した.送信機に

36GHz

3dB

帯域を有する

1310nm

帯高速

EML

及びドライバ

IC

を搭載し,受信機には

30GHz

の帯

域を有する導波路型

PD

及び

TIA

Transimpedance

Amplifier

)を搭載している.送信機の光波形は図

15

示すとおり

53.2Gb/s

で良好なアイ開口を得た.

NRZ

変調は,

PAM4

変調では

S/N

比の制限により必要と

なるエラー訂正(

FEC

)技術無しで

10

−12

以下のエ

ラーフリー動作が得られることから,

FEC

演算に伴

う遅延や消費電力増加無しで構成が可能である

[23]

そのため,特に遅延要求の厳しい用途に適した方式

である.図

16

には,伝送前の受信感度を基準とした,

分散ペナルティのシミュレーション結果と実験結果を

示す.シミュレーションでは,分散の影響の受けやす

さを示すチャープパラメータとして,実測より求めた

α = 0.8

を使用した.分散ペナルティが

2.0dB

以下と

なる伝送可能距離を求めると,最大

25km

の伝送が可

能と見込まれる.

図 13 53.2GBaud NRZ伝送実験に使用した送信/受信器

Fig. 13 Transmitter and receiver for 53.2 GBaud NRZ transmission test.

図 14 実 験 系

Fig. 14 Measurement setup.

図 15 伝送前後の 53.2GBaud NRZ 送信光波形

Fig. 15 Optical eye diagrams of before and after transmission with 53.2 GBaud NRZ signal.

図 16 53.2GBaud NRZ信号の分散ペナルティ

Fig. 16 Chromatic dispersion penalty of 53.2 GBaud NRZ signal.

3. 2 FPC

による高速信号接続技術

上記検討では同軸コネクタをもつバタフライパッ

ケージを使用したが,より安価な

FPC

をインタフ

ェースとする

BOX

TOSA

の要求が強い(図

17

).

高速信号のインタフェースに

FPC

を使用した場合,

TOSA/ROSA

PCB

Printed Circuit Board

)と

FPC

がはんだ付けで接続され,高周波信号の反射点

となりやすい.高速化を目指す上で,部品接続点の反

射低減は重要であることから,低反射接続構造の検

(6)

図 17 FPCインタフェース BOX 型 43Gb/s EML TOSA Fig. 17 BOX type 43 Gb/s EML TOSA with FPC.

図 18 3層 FPC 構造 (a) 斜視図 (b) A-A’ 断面図 Fig. 18 (a) Angled and (b) Cross-sectional view of

impedance matched PCB/FPC connection by three-layer FPC.

討を行った.図

18

に我々が提案する

3

層構造

FPC

の構造を示す.通常は信号線路

/GND

Ground

)層

2

導体層で構成される

FPC

3

導体層とし,信号

配線を内層配線とする.

FPC/PCB

接続部ではイン

ピーダンス整合したコプレーナ線路を構成するため

PCB

のグランド層をコの字型にくり抜くとともに,

FPC

内層配線を幅広とすることで,隣接するグラン

ドパッドとの距離を狭める.インピーダンスが

50Ω

なるよう信号線幅を最適化することで,図

19

に示す

とおりシミュレーション

/

実験結果共に

50GHz

以下

−10dB

以下の極めて低反射な接続を実現した.同

技術を用いて,従来,同軸コネクタを搭載するバタフ

ライ型パッケージで実現されていた

43Gb/s

光送信

/

受信器を,

FPC

をインタフェースとする

BOX

型化

し(図

17

),

TOSA/ROSA

を試作した.

TOSA

光波

形を図

20

に示す.

MM

を比較するとバタフライ型の

21%

に対し,

BOX

型でも

19%

と同等の良好な特性が

得られた.

FPC

をインタフェースとする

ROSA

にお

いて,

ITU-T

で規定されている

2km

伝送規格である

ITU-T VSR2000-3R2 [24]

を満足する受信感度を得

ており(図

21

),低反射

FPC

接続構造を用いること

で同軸コネクタを搭載するバタフライ型と同等の品質

が得られると期待される.

今後は,光デバイスに対しては多値変調への対応も

求められる.本接続構造は極めて低反射であり,ノイ

図 19 PCB/FPC接続部の反射特性

Fig. 19 Reflection characteristics of PCB/FPC connection.

図 20 43Gb/s NRZ光波形 (a) BOX 型 (b) バタフラ イ型

Fig. 20 Optical eye diagrams of (a) box and (b) butterfly type TOSA with 43Gb/s NRZ signal.

図 21 43Gb/s ROSAの BER 評価結果 Fig. 21 BER performance of 43 Gb/s ROSA.

ズ増加要因であるインピーダンス不整合による多重反

射が生じにくい.そのため多値変調対応を実現する上

でも不可欠な技術と考えられる.

4. 25.78Gb/s DML

搭載

TO-CAN

検討

データセンタの情報通信量増大に伴い銅線から光

ファイバへの移行が進みつつあるが,光デバイスへの

経済性の要求は極めて強い.根本的な低コスト化に向

けては,図

17

BOX

型パッケージに対してパッケー

ジコストが

1/10

以下である

TO-CAN

(図

22

)が有力

と考えられる

[19]

TO-CAN

FTTH

等の低速用途

(∼

10Gb/s

)で大きな実績があるが,

25.78Gb/s

動作

(7)

図 22 25.78Gb/s DML搭載 TO-CAN の外観 Fig. 22 25.78 Gb/s DML in TO-CAN package.

図 23 25.78Gb/s DML搭載 TO-CAN の高周波接続 構造

Fig. 23 Transmission line of 25.78 Gb/s DML in TO-CAN package.

化に向けては高周波特性が課題である

[25], [26]

.図

23

TO-CAN

の高周波接続構造を示す.従来の低消費

電力

DML

ドライバと設計を統一し,伝送線路は

50Ω

差動配線で構成される.伝送線路は低負荷動作のため

整合抵抗は用いず,オン抵抗約

10Ω

DML

で終端

される.差動

50Ω

線路を

10Ω

DML

で終端する事

になるため,原理的に

3.5dB

の反射損失(

R.L.

)が生

じる.これに加えて

FPC

とステム,

FPC

PCB

いった各接続部にインピーダンス不整合が生じた場合,

大きな反射が生じる

DML

終端部との間で多重反射に

よる通過特性劣化が生じやすい構成である.

24

にはパルスパターンジェネレータ(

PPG

)駆

動を想定した構成のシミュレーションモデルを示す.

モデルは

3

次元モデルから抽出した

S

パラメータと,

25.78Gb/s DML

の特性を表現する素子モデルから構

成される.

3

次元モデルでは

PPG

駆動を想定して差

100Ω

から差動

50Ω

へのインピーダンス変換器を搭

載する.なお,実際のトランシーバでは差動

50Ω

力のドライバ

IC

が用いられるため,インピーダンス

変換機は不要となる.素子モデルでは

RC

時定数及び

レート方程式でフィッティングを行い,等価回路を作

成した.素子単体光波形の実験結果とシミュレーショ

ン結果を重ね書きした結果,両者がよく一致すること

を確認している(図

24

).

これらモデルを回路シミュレータ上で組み合わせ

25.78Gb/s DML

搭載

TO-CAN

の特性シミュレー

ションを実施した.今回は,特に反射が生じやすい

FPC/

ステム接続部に関して,インピーダンス不整合

図 24 PPG駆動を想定したシミュレーションモデル

Fig. 24 Simulation model of PPG driven TO-CAN packaged 25.78 Gb/s DML.

図 25 ステム及び FPC の詳細構造

Fig. 25 Schematic diagrams of stem and FPC.

を回避する構成の検討を行った.

FPC

とステムの接

続部では,リードによるインダクタンスに加え,信号

端子とグランド端子が離れているため良好なリターン

パスが得られない懸念がある.これを検証するため,

通常カバーレイで覆われるグランド層を露出させた

25

FPC

を用い,ステムと

FPC

グランド層が

直接接触した

(a) Gap = 0mm

と,隙間をあけた

(b)

0.1mm

(c) 0.2mm

3

通りについて小信号応答を求

めた.基準として素子単体の回路モデルの特性である

CoC

Chip-On-Carrier

)についても検討した.結果

を図

26

に示す.

(b)

では

(a) CoC

とほぼ同等の帯域

が得られ,特性劣化はほぼないのに対し,

(c)

(d)

は低域からのロールオフと,

12.5GHz

付近のピークが

生じた.図

27

25.78Gb/s

光波形シミュレーション

では

(b)

では

(a) CoC

同等の波形品質が得られたが,

(8)

図 26 通過特性シミュレーション結果 Fig. 26 Simulation result of Small signal response.

図 27 25.78Gb/s NRZ光波形シミュレーション結果

Fig. 27 Simulation result of optical eye diagrams at 25.78 Gb/s NRZ signal.

(c)

(d)

では低域ロールオフとピーキングの影響で

オーバシュート,ダブルトレース,

0/1

マークの揺らぎ

といった波形品質の劣化が生じた.図

26

では

10Gb/s

動作においては考慮する必要が無かった帯域での大き

な通過特性劣化が観測されており,

25.78Gb/s

動作を

実現する上で,わずかなリターンパスの不連続やリー

ドによるインダクタンス成分増加に配慮する必要があ

る.以上の結果より,

FPC/

ステム接続部の反射影響

が軽微な

(a)

の構成を採用し,実際に試作を行った.

光波形評価では,

PPG

より

25.78Gb/s

PRBS31

NRZ

信号を入力し,光波形評価を行った.結果を

28

に示す.比較のためチップ単体評価結果である

CoC

も示した.

TO-CAN

に実装すると

CoC

に対して

若干のノイズ増加が生じる点,

1/0

レベルの揺らぎ増加

といった若干の劣化傾向が観測され,図

27

で示した劣

化傾向とよく一致する結果であった.

100GBASE-LR4

マスクに対し,

CoC

では

37%

以上,

TO-CAN

実装時

26%

以上の大きなマージンが得られ,良好な結果で

あった.また,

TO-CAN

実装による特性劣化は

MM

11%

程度と小さく,実装による特性劣化が十分低減

されている事を確認した.図

29

には

B-to-B

Back-to-Back

)の

BER

ステム温度依存性を示す.

−5

C

80

C

の範囲における感度変動は

0.5dB

以下であり,

図 28 25.78Gb/s光波形評価結果

Fig. 28 Evaluated optical eye diagrams with 25.78 Gb/s NRZ signal.

図 29 B-to-B BER評価結果 Fig. 29 Back-to-back BER performance.

温度変動に伴う受信感度の変化は小さく,広い温度範

囲で安定した特性が得られた.以上の結果から,

FPC

グランド層とステムを接触させる

Gap = 0mm

の構造

適用により,

25.78Gb/s DML

を搭載した

TO-CAN

において温度範囲で良好な特性を得る事に成功した.

本デバイスはその経済性と優れた性能によりイーサ

ネットトランシーバである

SFP28

用光源として有望

である.

5.

む す び

光デバイスの大容量化に向けた我々の取り組みを

述べた.データセンタを中心に用途が拡大する光デ

バイスの要求に応えるため,ハイブリッド集積による

100Gb/s EML TOSA

を例に多波長集積化技術である

高精度レンズ調芯技術を開発した.また,高速信号接

続技術として

53.2Gb/s NRZ

伝送実験とともに,安価

で高性能な

FPC

インタフェースについて述べた.更

なる低コスト化のアプローチとして

25.78Gb/s DML

搭載

TO-CAN

を開発した.

(9)

Armistead, R. Bannon, S. Boving, G. Desai, B. Felderman, P. Germano, A. Kanagala, J. Provost, J. Simmons, E. Tanda, J. Wanderer, U. Holzle, S. Stuart, and A. Vahdat, “Jupiter rising: A decade of clos topologies and centralized con-trol in Google’s datacenter network,” Proc. ACM SIGCOMM, pp.183–197, 2015.

[2] Standard, IEEE 802.3ba, 2010 [Online] Available: http://www.ieee802.org/3/ba/index.html

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[4] QSFP+ 28 Gb/s 4X Pluggable Transceiver Solution (QSFP28), ftp://ftp.seagate.com/sff

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[14] IEEE P802.3bs, “200 Gb/s and 400 Gb/s Ethernet Task Force,” http://www.ieee802.org/3/bs/index. html,参照 Oct. 13, 2016. [15] 山井美和,“デーセンターの現状と光デバイスへの期待,” 2016信学ソ大(エレクトロニクス),CI-2-1, Sept. 2016. [16] 望月敬太,村尾覚志,加茂芳幸,安井伸之,三國雅知,上山 幸嗣,吉本崇広,越前谷大介,下野真也,三田千夏,小寺 秀和,野上正道,“100GbE 用集積 TOSA の小型化のた めの高精度レンズ実装,” 2016信学ソ大(エレクトロニク ス),C-4-14, Sept. 2016.

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[18] 白尾瑞基,小島啓介,板本裕光,大畠伸夫,野上正道, “1.3µm 帯高速 EML モジュールを用いた 53.2 Gb/s NRZ伝送特性,” 2015信学ソ大(エレクトロニクス), C-4-15, Sept. 2015. [19] 白尾瑞基,中村誠希,島田征明,野上正道,“TO-CAN パッケージ型 25.78 Gb/s 直接変調光送信モジュールの開 発,” 2016信学ソ大(エレクトロニクス),C-4-9, Sept. 2016.

[20] M. Shirao, S. Nakamura, M. Shimada, and M. Nogami, “The Analysis of Cost Effective TO-CAN Packaged 25.78 Gb/s Directly Modulated Laser,” 25th International Semiconductor Laser Conference (ISLC2016), no.WE22, Sept. 2016.

[21] T. Uesugi, N. Okada, T. Saito, T. Yamatoya, Y. Morita, and A. Sugitatsu, “25 Gbps EML TOSA employing novel impedance-matched FPC design,” 35th European Conference on Optical Communica-tion, no.P2.10, Sept. 2009.

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トロニクス),C-4-16, Sept. 2013.

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(10)

no.OWD2, March 2011. (平成 28 年 11 月 7 日受付,29 年 4 月 14 日再受付, 8月 9 日公開)

白尾 瑞基 (正員)

2007東工大・工・電気電子工卒.2009 同大大学院修士課程了.2011 同大大学院 博士課程了(工博).高速半導体レーザの研 究に従事.同年三菱電機(株)入社.以来, 高速イーサネット光デバイスの研究・開発, 標準化に従事.主席研究員.IEEE 会員.

村尾 覚志 (正員)

2006北大・工・電子工卒.2008 同大大 学院修士課程了.2010 同大大学院博士後 期課程了.同年三菱電機(株)入社,2016 同主席研究員,現在に至る.フォトニック バンドギャップファイバ,光エレクトロニ クス,高速イーサネット光デバイスなどに 関する研究に従事.博士(情報科学).2008∼2011 日本学術振 興会特別研究員.2015 本会学術奨励賞受賞.IEEE 会員.

望月 敬太 (正員)

2006京大・工・電気電子工卒.2008 同大 大学院修士課程了.ナノフォトニクスデバ イスの研究に従事.同年三菱電機(株)入 社.以来,高速イーサネット用光デバイス 及び長距離光通信用送信デバイスの研究・ 開発に従事.研究員.

中村 誠希 (正員)

2010熊本電波高専・専攻科・電子情報シ ス工卒.2012 九大大学院総理工修士課程 了.同年三菱電機(株)入社.以来,大容 量光伝送システム,高速イーサネット光デ バイスの研究・開発に従事. イーサネット光デバイスの研究・開発に従 事.グループマネージャー.

図 1 空間光学系を用いた 100Gb/s 集積 EML TOSA Fig. 1 100Gb/s Integrated EML TOSA by free-space
Fig. 4 Mechanism of laser position control simulated by 3D FEM (Quick Welder software).
図 15 伝送前後の 53.2GBaud NRZ 送信光波形 Fig. 15 Optical eye diagrams of before and after
Fig. 20 Optical eye diagrams of (a) box and (b) butterfly type TOSA with 43Gb/s NRZ signal.
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参照

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