電気光学計測による準ミリ波
FMCW
レーダ電界の可視化
山口
航輝
†久武信太郎
††a)内田
裕久
†††東條
誠
††††及川
陽一
††††宮地
邦男
††††永妻
忠夫
†Visualization of Electric-Field Radiation from Quasi-Millimeter-Wave FMCW
Radar Based on Electrooptic Measurement
Koki YAMAGUCHI
†, Shintaro HISATAKE
††a), Hirohisa UCHIDA
†††,
Makoto TOJYO
††††, Yoichi OIKAWA
††††, Kunio MIYAJI
††††,
and Tadao NAGATSUMA
†あらまし 車載ミリ波レーダは自動車の安心・安全運転を支援しており,近年,自動運転実現への社会的ニー ズの高まりにより,更なる高性能化を目指した研究開発が盛んである.ミリ波レーダは,実車搭載時における 電波放射特性の確保が課題であり,放射電界の空間分布計測は,周囲の車両部品の影響を実際の環境下で評価 できる点で有効である.我々は,現在広く普及している周波数変調連続波(Frequency Modulated Continuous Wave: FMCW)方式レーダを対象とした,非同期電気光学(Electrooptic: EO)計測システムの開発を進めて いる.本論文では,フィードバック制御に基づく準ミリ波 FMCW レーダ電界の可視化技術について紹介する. 検出信号のドリフトを抑制することで測定の長期安定化が実現される.本技術に基づき標準ゲインホーンアンテ ナから放射される中心周波数 24 GHz,周波数偏移幅 160 MHz,変調周波数 400 Hz の FMCW 信号の電界分布 イメージングを行った結果,電磁界シミュレーションによる結果と良く一致し,本計測技術の有効性が示された. キーワード EO 計測,非同期計測,FMCW 信号,車載ミリ波レーダ,電界計測
1.
ま え が き
車載ミリ波レーダは自動車の走行支援システムにお
いて周囲の車両や障害物を検知する役割を果たしてい
る.天候等に左右されず周囲の把握が可能という特長
から,ミリ波レーダは自動運転技術の実現に欠かせな
いデバイスともされており
[1]
,高性能化に向けた研
究開発が盛んである.ところが車載ミリ波レーダは実
車搭載時,その検知性能などがレーダ単体時における
†大阪大学大学院基礎工学研究科,豊中市Graduate School of Engineering Science, Osaka University, 1–3 Machikaneyama-cho, Toyonaka-shi, 560–8531 Japan
††岐阜大学工学部,岐阜市
Faculty of Engineering, Gifu University, 1–1 Yanagito, Gifu-shi, 501–1193 Japan
†††アークレイ株式会社,京都市
ARKRAY, Inc., Yousuien-nai, 59 Gansuin-cho, Kamigyo-ku, Kyoto-shi, 602–0008 Japan
††††シンクランド株式会社,横浜市
Think-Lands Co., Ltd., 5–1 Ono-machi, Tsurumi-ku, Yokohama-shi, 230–0064 Japan a) E-mail: [email protected]
ものから劣化することがしばしば問題となる
[2]
.こ
れはレーダ装置の周囲に位置する金属ボディ,エンブ
レム,バンパ等によって放射電波が反射,回折,散乱
し,放射パターンなどの電波放射特性が変化すること
に起因する.一般に,車両部品の形状や材質,レーダ
装置の搭載位置が良好な特性を得るうえで重要な設計
パラメータとされる
[3]
∼
[6]
.設計開発段階において,
電磁界シミュレーションの活用は非常に有効であるが,
確度の高い解析を行うには実際の構造に忠実なモデル
の生成が鍵となる.しかし,車両部品の複雑な形状や
材質,周囲の環境などを全てモデルに含めることは困
難である
[7]
.一方,実計測によるアプローチは,レー
ダ装置が置かれる実際の環境下における評価が可能で
あり,ミリ波レーダの高性能化・高信頼化に大きく寄
与するものと考えられる.
我々はこれまで,電気光学結晶からなる
EO
(
Elec-trooptic
)センサをプローブとして空間走査し,放射
電界の振幅と位相分布を可視化する,
EO
計測技術の
開発に取り組んできた
[8]
.
EO
センサは誘電体のみで
構成され,電界に対して低侵襲であり
[9], [10]
,更に,
被測定対象との電気的結合が問題とならないため,例
えば車のボディ近傍の電界分布も正確に測定できると
考えられる.また,電界の振幅分布に加え位相分布も
測定することによりアンテナの励振分布の診断
[11]
が
できるほか,遠方界放射パターンの算出
[12]
が可能に
なるというメリットがある.位相の測定には一般に比
較用の参照信号が必要とされ,通常,ベクトルネット
ワークアナライザを用いて参照信号を被測定アンテ
ナに入力し,参照信号と受信信号との位相差を計測す
る
[13]
.しかし,ミリ波レーダは自身が内部に発振器
を有するため,外部から参照信号を入力できない.一
方,我々の計測システムでは,空間走査する測定用プ
ローブとは別に,波源近傍に固定したプローブで参照
信号を取得し,両受信信号の位相差を測定する.測定
系と被測定系の間で直接的な信号同期を行わないこと
から,我々は本手法を非同期測定と呼んでいる.図
1
は非同期測定手法による,レーダ放射電界評価の概念
図を表したものである.図のように,本手法は車両や
レーダ自体に改造を加える必要がないため,車載レー
ダ評価に好適といえる.
計測対象とするのは,現在広く普及している方式の
一つである,三角波型に周波数変調を施した連続波を
用いる
FMCW
(
Frequency Modulated Continuous
Wave
)レーダである.この
FMCW
信号のように,数
百
MHz
にわたる偏移幅をもつ信号の非同期測定には
計測システムの帯域をその分広くとることが必要とな
るが,それにより信号対雑音比(
SNR
)が劣化する点
が問題となる.そのため我々の計測システムでは,測
定系の帯域を拡張せずに
FMCW
信号を検出する手法
を用いる.
本論文では,フィードバック制御機構の導入により
図 1 非同期計測手法による車載レーダ放射電界測定の概 念図Fig. 1 Asynchronous measurement of the electric-field radiation from the millimeter-wave radar equipped inside a vehicle.
実現された,
FMCW
信号の振幅と位相を高安定かつ
高精度に計測する技術
[14]
について紹介する.まず
2.
では,我々が開発を進めてきた非同期
EO
計測システ
ムの基本原理を説明する.次に
3.
では,
LO
(
Local
Oscillator
)周波数の変調による
FMCW
信号の検出
手法と,測定の長期安定化を目的とした,フィードバッ
ク制御によるドリフト抑制技術について説明する.
4.
では,実際に
24 GHz
帯
FMCW
レーダ信号の放射電
界分布の計測を行った結果を示す.
5.
で本論文をまと
め,今後の展望について述べる.
2.
非同期
EO
計測システムの構成
非同期
EO
計測システムの構成を図
2
に示す.本シ
ステムは大きく二つに分けられる.前段の電界検出部
は主に
LO
光源,
EO
センサ,光検出器で構成され,ミ
リ波電界を
MHz
帯の
IF
(
Intermediate Frequency
)
電気信号として検出する.後段の信号処理部では,測
定用,参照用の二つの
IF
信号出力をアナログ電気回路
で信号処理した後,ロックインアンプで振幅と位相を
測定する.それぞれについて,詳細を以下で説明する.
2. 1
電界検出部
電界検出の原理は,
EO
センサによる非偏光変調技
術
[15]
に基づくヘテロダイン検出である.図
3
にそ
の原理図を示す.
LO
信号として
2
周波成分をもつ光
信号を用い,光ファイバを通じて
EO
センサに入力す
る.測定する
RF
(
Radio Frequency
)周波数を
f
RFとすると,光周波数差
f
LOは
f
LO= f
RF+ f
IF,あ
図 2 非同期 EO 計測システムの構成図 Fig. 2 Construction of the asynchronous EO図 3 電界検出部の原理
Fig. 3 Schematic of the electric-field detection.
図 4 信号処理部の原理
Fig. 4 Schematic of the signal processing.
るいは
f
LO= f
RF−f
IF(ただし,
f
LO, f
RFf
IF)
になるよう設定する.これにより,フォトダイオード
の出力には,
RF
電界の振幅と位相情報をもつ周波数
f
IFの電気信号が得られる.すなわち,本手法により
ミリ波帯の電界を
MHz
帯以下の電気信号にダウンコ
ンバートでき,
IF
段に汎用の計測器を用いることが可
能となる.また本システムでは,
LO
光源として
CW
レーザ,光変調器,シンセサイザからなる光コム発生
器を用いている.光コムの周波数間隔はシンセサイザ
で発生する信号の周波数に等しいため,周波数安定性
が極めて良好な
LO
光の生成が可能になる.
2. 2
信号処理部
信号処理部の構成を図
4
に示す.二つの
EO
セン
サで検出される
IF
信号(
IF1
と
IF2
)は
RF
信号由
来である共通の周波数及び位相揺らぎをもつが,これ
はアナログ回路による信号処理で除去することができ
る.まず
IF1
をミキサにより,周波数安定な外部信号
f
sとミキシングする.次に,生じた和と差の周波数
成分のうち一方をフィルタリングし,
IF2
とミキシン
グを行う.その結果
IF
信号は,周波数
f
sにロックさ
れ,外部信号を参照信号とする
2
位相ロックイン検出
により振幅と位相が測定できる.ここでの位相は二つ
の
IF
信号出力の位相差に相当し,信号処理の過程で
コモンモード雑音成分が相殺されるため高安定な測定
が可能となる.
本計測システムの帯域は回路中のフィルタによって
制限されている.フィルタの帯域を広げることで広帯
域化が可能であるが,その反面,検出される雑音が増
加し
SNR
の低下を招く.現状,実用面を考慮してフィ
ルタの帯域は約
1 MHz
としている.
3. FMCW
信号の検出手法
3. 1 LO
周波数変調による
FMCW
信号検出
ミリ波レーダから放射される
FMCW
信号を計測対
象とする場合,
2.2
で述べた
IF
段の帯域を考慮する必
要がある.
FMCW
信号の周波数偏移幅は比較的狭帯
域な
24 GHz
帯レーダでも
200 MHz
程度である
[16]
.
IF
帯域を拡大せずに計測を行うため,あらかじめ既知
である
FMCW
信号の周波数情報に基づき
LO
周波数
を偏移させ(周波数変調)
,
IF
周波数を帯域内に収める
手法を,我々は以前提案した
[17]
.その手法について説
明する.測定する
FMCW
信号が,中心周波数
f
RF 0,
周波数偏移幅
W
,変調周波数
F
であり,それを帯域
内の中間周波数
f
IF 0にダウンコンバートすることと
する.このとき電界検出部では,
LO
信号として光コ
ムの
±m
次成分を用いたとき,シンセサイザで中心周
波数
(f
RF 0+ f
IF 0)/2m
あるいは
(f
RF 0− f
IF 0)/2m
,
周波数偏移幅
W/2m
,変調周波数
F
の三角波型
FM
信号を発生する.変調信号の位相を調整することで,
IF
信号の周波数は
f
IF 0で一定となり信号を帯域内に
収めることが可能になる.
3. 2
フィードバック制御による
IF
周波数安定化
電界分布のイメージングを行うには,測定時間すな
わち,
EO
センサを空間走査するのに要する時間内は
検出信号が
IF
帯域内に存在することが必要である.と
ころが実際には,
LO
及び
RF
の三角波変調信号の周
波数(
F
LOと
F
RF)は同期されていないため,その
大小に応じて,
IF
周波数は図
5
に示すようにドリフ
トし,帯域から外れることにより信号が計測できなく
なってしまう.周波数偏移幅
W
の三角波型
FMCW
信号を考えた場合,両三角波の位相が揃っている状態
を基準にすると,時間
t
秒後におけるドリフト量
Δf
は下式で表される,
Δf = 2W |F
LO− F
RF|t
(1)
W
は数百
MHz
オーダーであることから,
F
LOと
F
RF図 5 変調周波数の差異による IF 周波数ドリフト Fig. 5 Drift of IF frequency due to the difference of
modulation frequencies between LO and RF.
図 6 フィードバック制御系のブロック図 Fig. 6 Block diagram of the feedback control system.
の微小な誤差が
IF
周波数の時間ドリフトとして観測
される.そこで,ドリフトを抑制するために
F
LOを
操作量とするフィードバック制御系を構築した.図
6
にブロック図を示す.
EO
センサで検出した
IF
信号を
一部分岐し,高速フーリエ変換(
FFT
)を行うことで
IF
周波数を解析する.このとき,
FM
のアップスイー
プ及びダウンスイープ由来の二つの周波数成分(それ
ぞれ
f
Uと
f
Dとする)が存在するが,いずれかを
IF
周波数
f
IFとし,一定時間間隔でディジタルサンプリ
ングを行う.目標値を
f
IF 0とした
PID
制御により,
変調信号発生用のファンクションジェネレータの周波
数
F
LOを操作する.その出力はシンセサイザの外部
変調信号入力に送られる.本研究ではディジタル
PID
制御を用い,また実装のし易さから速度型を採用した.
操作量の演算式は下式で表される
[18]
.
F
LOn= F
LOn−1+ ΔF
LOn(2)
図 7 PIDパラメータのチューニング Fig. 7 Tuning of the PID parameters.
ΔF
LOn= K
p(e
n− e
n−1) + K
ie
n(3)
+ K
d(e
n− 2e
n−1+ e
n−2)
ただし,制御偏差
e = f
IF− f
IF 0で,
K
p,
K
i,
K
dは
PID
パラメータ(定数値)である.
3. 3
検 証 実 験
シンセサイザで発生した中心周波数
f
RF 0= 24 GHz
,
周波数偏移幅
W = 160 MHz
,変調周波数
F = 400 Hz
の
FMCW
信号を
EO
センサで検出し,
PID
制御を
行うことで
IF
周波数を安定化する実験を行った.本
検証実験では,
IF
周波数検出に
FFT
方式のシグナル
アナライザを用い,そのデータ収集時間に合わせて
IF
周波数のサンプリング周期を
38 ms
とした.制御部で
は,目標値
f
IF 0= 3.6 MHz
とし,比例制御と積分制
御を用いた(
PI
制御)
.パラメータ
K
p,
K
iを調整し,
測定開始から一定時間経過後に制御を実行した結果を
図
7
に示す.比例制御のみを用いた場合(
K
i= 0
)の
とき,
IF
周波数は一定値に収束するものの,最小で数
十
kHz
程度の残留偏差が生じた.しかし積分制御の
導入により
IF
周波数は目標値に収束し,制御が正し
く機能していることを確認できた.
4. FMCW
信号の非同期電界計測
前章で述べたフィードバック制御に基づく
FMCW
図 8 アンテナ放射電界測定の配置図 Fig. 8 Configuration for the measurement of
electric-field radiation from the antenna.
信号検出手法を用い,測定用と参照用
EO
センサの
二つの
IF
出力を信号処理部に入力し,アンテナ放射
電界の振幅と位相を計測した.アンテナと
EO
セン
サの配置を図
8
に示す.参照信号供給のため,
RF
信号を方向性結合器を用いて分岐した.測定用セン
サは,
K
バンド帯標準ゲインホーンアンテナ(
Corry
Micronics Inc.
製,
CMILB-42-20A
,利得
20 dBi
)の
開口面から約
15 mm
離れた位置に配置した.中心周波
数
f
RF 0= 24 GHz
,周波数偏移幅
W = 160 MHz
,変
調周波数
F = 200 Hz
の
FMCW
信号をシンセサイザ
で発生し,方向性結合器への入力パワーを約
250 mW
とした.また,
LO
光として光コムの
±1
次成分を使
用し,ロックインアンプの時定数は
100 ms
に設定し
た.まず,測定用センサを固定し振幅と位相を測定し
た結果を図
9
に示す.なお,測定開始から一定時間経
過後に
PI
制御を実行した.制御なしの状態では,
IF
周波数のドリフトとともに振幅と位相が大きく変化し
ていることがわかる.これは,信号がフィルタの帯域
を外れることで検出振幅が減少し,更にフィルタの遅
延特性の影響で位相が回転することによると考えられ
る.制御開始後は,約
1
秒の整定時間を経て,振幅と
位相がともに安定化していることが確認できる.
IF
周
波数は目標値
f
IF 0= 3.6 MHz
から偏差約
20 kHz
以
内,すなわち約
0.6%
の範囲で制御されており,フィ
ルタの帯域を狭帯域化することで,更なる高
SNR
化
が期待される.続いて,測定の長期安定性について評
価を行った結果を図
10
に示す.約
40
分間,固定点で
図 9 PI制御による FMCW 信号の振幅位相測定の安定化 Fig. 9 Stabilization of measured amplitude and phaseof FMCW signal by using PI control.
図 10 FMCW信号の振幅位相測定の長期安定性 Fig. 10 Long-term stability of the amplitude and
phase measurement of FMCW signal.
FMCW
信号の振幅と位相を測定したもので,振幅,
位相ともに一定の値を示した.電界分布のイメージン
グに要する時間を考慮してもこれは十分な安定性とい
える.
最後に,ホーンアンテナから放射される
FMCW
信号
の空間電界分布を計測した.イメージング結果を図
11
に示す.測定した
FMCW
信号は,
24 GHz
帯レーダの
周波数仕様に相当し,中心周波数
f
RF 0= 24 GHz
,周
波数偏移幅
W = 160 MHz
,変調周波数
F = 400 Hz
である.アンテナの近傍界領域において,
XY
,
XZ
,
図 11 標準ゲインホーンアンテナから放射される 24 GHz 帯 FMCW 信号電界分布計測結果(W = 160 MHz, F = 400 Hz)
Fig. 11 Measurement results of 24-GHz FMCW sig-nal emitted from the standard gain horn an-tenna (W = 160 MHz,F = 400 Hz).
表 1 電磁界シミュレーションにおける計算リソース及び 解析環境
Table 1 Calculation resources and analysis environment.
計算リソース CPU
Intel Core i7-3960X @3.30 GHz,コア数 6 メモリ DDR3 PC3-10600 8 GB× 4 解析方法 有限積分法 解析環境 メッシュ数 3,530,142 解析時間 10分 20 秒
YZ
の
3
面のイメージングを行い,
1
面あたり約
30
分
の時間を要した.比較用に,電磁界解析ソフト(
CST
Microwave Studio
)を用い,周波数
24 GHz
において,
アンテナ放射電界のシミュレーションを行った.その
際の計算リソース及び解析環境を表
1
に示す.図
12
は,図
11
と同じ領域における電界分布の解析結果で
あり,
FMCW
信号の測定結果は
CW
信号の解析結果
と良く一致していることが確認できる.これは,今回
測定した
FMCW
信号の周波数偏移幅
W = 160 MHz
は中心周波数
f
RF 0= 24 GHz
に対して十分小さいの
で,その変化分が平均化されて可視化されたためであ
図 12 電磁界シミュレーション結果(24 GHz) Fig. 12 Electromagnetic simulation resultsat 24 GHz.
ると考える.この結果は高い計測精度を表すものであ
り,同時に本非同期
EO
計測技術の有効性が示された.
5.
む す び
本論文では,フィードバック制御に基づく
FMCW
信号の非同期
EO
計測技術について紹介した.検出
信号のドリフトを抑制することにより測定の長期安定
化が実現され,高精度な電界分布イメージングが可能
となる.実験では
FMCW
信号の発生源として周波
数確度の高いシンセサイザを用いたが,実際のレーダ
への適用を考慮すると,
IF
周波数の安定化にはより
高い制御性能が要求されると考えられる.今後は,制
御部に微分動作を加えるなどして,より外乱に強い制
御系を構築していく.また現在,ミリ波レーダの高分
解能化を狙いとして最大
4 GHz
の帯域が利用可能な
79 GHz
帯レーダが開発され,実用化間近という状況
である.このような背景を踏まえ,我々の計測システ
ムも
79 GHz
帯へと拡張を行っていく予定である.
謝辞 この開発は国立研究開発法人科学技術振興機
構の研究成果展開事業(先端計測分析技術・機器開発
プログラム)による成果である.
文
献
[1] J. Dickmann, J. Klappstein, M. Hahn, N. Appenrodt, H.-L. Bloecher, K. Werber, and A. Sailer, “Automo-tive radar the key technology for autonomous driv-ing: From detection and ranging to environmental
understanding,” 2016 IEEE Radar Conf., Philadel-phia, PA, USA, May 2016.
[2] K. Suzuki, C. Yamano, and Y. Miyake “Bias angle error self-correction for automotive applications us-ing phased array radars installed behind bumpers,” 2017 IEEE MTT-S Int’l Conf. on Microwaves for In-telligent Mobility (ICMIM), Nagoya, Japan, March 2017.
[3] H.-L. Bloecher, M. Andres, C. Fischer, A. Sailer, M. Goppelt, and J. Dickmann, “Impact of system parameter selection on radar sensor performance in automotive applications,” Adv. Radio Sci., vol.10, pp.33–37, Sept. 2012.
[4] F. Pfeiffer and E.M. Biebl, “Inductive compensation of high-permittivity coatings on automobile long-range radar radomes,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.57, no.11, pp.2627–2632, Nov. 2009. [5] D. Inoue, K. Takahashi, H. Yano, N. Murofushi,
S. Matsushima, and T. Iijima, “Development of 24 GHz-band high resolution multi-mode radar,” Fu-rukawa Electric Technical Review, no.44, pp.9–13, Sept. 2013.
[6] 松沢晋一郎 “自動車搭載ミリ波レーダの超大規模電磁界シ ミュレーション,”東京工業大学 TSUBAME 共同利用成 果報告書(平成 24 年度),2012.
[7] K. Yamaguchi, H. Nakajima, H.H. Nguyen Pham, S. Hisatake, H. Uchida, M. Tojyo, Y. Oikawa, K. Miyaji, and T. Nagatsuma, “Electric-field visualiza-tion technique for evaluating radiavisualiza-tion from auto motive millimeter-wave radar,” 2017 IEEE MTT-S Int’l Conf. on Microwaves for Intelligent Mobility (ICMIM), Nagoya, Japan, March 2017.
[8] S. Hisatake, H. Nakajima, H.H. Nguyen Pham, H. Uchida, M. Tojyo, Y. Oikawa, K. Miyaji, and T. Nagatsuma, “Mapping of electromagnetic waves gen-erated by free-running self-oscillating devices,” Sci. Rep., vol.7, 9203, Aug. 2017.
[9] M. Hirose, T. Ishizone, and K. Komiyama, “An-tenna pattern measurements using photonic sensor for planar near-field measurement at X band,” IE-ICE Trans. Commun., vol.E87-B, no.3, pp.727–734, March 2004.
[10] D.J. Lee and J.F. Whitaker, “An optical-fiber-scale electro-optic probe for minimally invasive high-frequency field sensing,” Opt. Express, vol.16, no.26, pp.21587–21597, Dec. 2008.
[11] J.J. Lee, E.M. Ferren, D.P. Woolen, and K.M. Lee, “Near-field probe used as a diagnostic tool to locate defective elements in an array antenna,” IEEE Trans. Antennas Propag., vol.36, pp.884–889, June 1988. [12] R.C. Johnson, H.A. Ecker, and J.S. Hollis,
“Deter-mination of far-field antenna patterns from near-field measurements,” Proc. IEEE, vol.61, no.12, pp.1668– 1694, Dec. 1973.
[13] B. Schluper and P. Pelland, “Advances in
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[14] S. Hisatake, K. Yamaguchi, H. Uchida, M. Tojyo, Y. Oikawa, K. Miyaji, and T. Nagatsuma, “Visu-alization of frequency-modulated electric field based on photonic frequency tracking in asynchronous elec-trooptic measurement system,” Appl. Phys. Express, vol.11, 046601, March 2018.
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