• 検索結果がありません。

高校生活における対人葛藤の解決過程に関する基礎的研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "高校生活における対人葛藤の解決過程に関する基礎的研究"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 高校生活における対人葛藤の解決過程に関する基礎的研究. Author(s). 藤森, 立男. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 41(2): 185-193. Issue Date. 1991-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5149. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第41巻 第2号 lof Hokka ido Un iver Jouma i i ty ofEducat ionI C l t s ) Vo on(Sec ‐41 ‐2 , No. 平成3年3月 N[ arch ,1991. 高校生活における対人葛藤の. 解決過程に関する基礎的研究. 藤. 森. L 目. 立. 男. 的. 学校や職場など, さまざまな人々 が接触 する社会的相互作用場面 において は 意見の行き違いや , 利害の深刻な対立な どがしばしば生起 し, 古今東西を問わず, 繰り返 し大きな社会的問題となっ て いる. しかしながら, 東( 19 79 )や池内( 197 1 )が指摘するように, これまでの対人葛藤( i l t n r erpe sona )研究 は葛藤 の形成や拡大過程に多大な努力と関心が払われているも のの 葛藤が解決され t conni c , ていく過程に関しては実証的研究が極めて少ない の が特徴となっ ている . こう した中で, 藤森 ( 1 ) は, 「対人葛藤は, 個人の欲求や期待が 他者によっ て阻止されている 98 9 と個人が認知すること によっ て生じる」と定義し, 大学生が寮生活 の中で対人葛藤を経験したとき , 彼らはそれを どのよう に処理し, 調整している のか, その解決過程 に関する面接調査を実施してい る. その主要な結果は, 次のように要約される. 1. 収集された葛藤解決ストラテジー ( f l i tresolution strategies) に つ い て, ALSCAL モ デ con c ル に よる多次元尺度解析 (mu l id imens ionalscal ing) を 実 施 し た 結 果, コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 促 進 t. 性と葛藤解決の方向性に関する2次元が抽出された. コミュ ニケーショ ンの促進性 の次元とは, 葛 藤についての情報交換を積極的に促進したり, 逆に情報交換を抑制 することを意味している 他方 , . 葛藤解決の方向性 の次元とは, 個別的な解決を追求するのか, それとも協調的な解決を図ろうとす るのかを意味している. 2. こ れ ら 2次元によっ て構成される4つの葛藤解決ス トラテジー型 (図1参照) の使用は 葛藤 ,. 解決 への協力的意図の帰属, 葛藤責任のメタ帰属, 葛藤の相手な どによっ て規定されていた なお , . これらの葛藤解決ストラテジー型は以下 のような特徴を持っ ている . ( 1 ) 抑制・個別型とは, 対人葛藤に関する自分の要求や意向を全く表 明しない あるいは間接的に , しか表明せず, あくまで個人的な解決 を図るうとするス トラテジーのこと である . 2 ( ) 抑制・協調型とは, 対人葛藤に関する自分の要求や意向を直接的 に表明することを差し控 え , 相手の利益となるような解決 を図ろう とするス トラテジーのことである . ( 3 ) 促進・個別型とは, 対人葛藤に関する自分の要求や意向を直接的に表明する あるいは相手の ,. 否定的評価を述べることにより, 個人的な利益を追求しようとするストラテジーのことである .. ( 4 ) 促進・協調型とは, 対人葛藤に関する自分の要求や意向を直接 的に表明するが 相手に対する , 否定的評価を述べるよう なことはせず, 相互の利益となるような解決策を模索するストラテジーの こ と で あ る.. 3‐ 対人葛藤の結果 (葛藤解決の有無, 葛藤の期間, 結果への満足度, 相手への好意度) は 葛藤 , 解決ストラテジー型 によっ て規定されていた. すなわち 抑制・個別型および抑制・協調型 はいず , れも対人葛藤の結果 に不満を残す, 不適切なストラ テ ジーであっ た とりわけ 抑制・個別型スト . ,. 185.

(3) . 藤 森 立 男. 個別的解決. 促進・個別型. 抑制・個別型. コ ミ ュ ニ ケーシ ョ ンの 促進. コ ミ ュ ニケー シ ョ ンの抑制. 協調的解決 図- 葛藤解決ストラテジーの構造と4つの類型 ラテ ジーは対人葛藤の解決に相対 的に無力である ことが明かにされた. )葛藤解決ス トラテ ジーに関する代表的な次元を抽出し, その客観的な分 1 さて, 藤森の研究 は,( )分類された4つの葛藤解決ストラテ ジー型は対人葛藤についての帰属 やメタ帰 2 類を試みている,( 属によっ て規定され, その使用が葛藤の結果 のありようを規定しているという, 解決過程に関する 因果的枠組みを提示している という点で, 今後の対人葛藤研究の発展にとっ て極めて示唆に富む研 究である と言える. しかし, その研究で得 られた知見の一般性という観点から は, より広範な被験 者層を調 査対象とするデータの蓄積が望まれる ところである. そこで本研究で は, 以上の議論を踏ま え, 高校生を新たな調査対象 として, 次の2点を検 討した. ( ) 高校生活において対人葛藤 が生起したとき, そこで使用される葛藤解決ストラテ ジーは対人葛 1 藤についての認知によっ て どのよう に規定されているか. ( 2 ) 葛藤解決ス トラテ ジーの使用 はどのような結 末や成り行きをもたらしている か.. 2. 方. 法. 2. 1 被 験 者 被験者 は福 島県内に ある 県立 高校3校 の1 年生332名 であっ たが, 下 記の対人葛 藤 に関する チェックリストに 「対人葛藤の経験 がある」 と回答し, 記入漏れのない51名 (男性46名, 女性5 名) を分析対象 とした. 2. 2 調査方法 本調査は無記名による集合調査法を用いた. また, 調査の実施 は各高校の先生に依頼し, クラス 単位でおこなっ た.. 186.

(4) . 高校生活における対人葛藤の解決過程に関する基礎的研究 2 .. 3. 調査時期. 本調査は, 1 988年2~3月に実施された‐ 2. 4 調査内容 本調査は, 「学校生活における対人関係 に関する研究」の一部を構成するものであり 各質問項目 , は小冊子にとじられて, 各被験者 に配布された. 調査内容は大別 して, 次の3種類の質問から構成 さ れ て い た.. ( ) 対人葛藤の有無 1. まず初めに,対人葛藤の項目が記載されているチ ェックリス トに記入を求め, 進学, 授業, 勉強 (宿題) や成績 欠席・遅刻・早退, 服装や髪, クラ ブ活動, 恋愛……な ど20項 目の内容に関して,.これまでの高校生活 において, 対人的なことで不愉快 に思っ たり, 意見の不一 致を経験 したことがあるか″ を質問した.. 2 ( ) 対人葛藤の内容. 対人葛藤の経験がある″ と回答 した場合, その中で, 最も重要と思われる. 内容について, さらに, 次の質問を続けた. その対人葛藤は・いっ″ .‐どこ で″ 誰 と″ いかなる問 題で″ 生じ, その時 あなたと相手 はどのよう に反応したのか″ について具体的に記述することを 求めた. ( 3 ) 対人葛藤についての評定尺度. 被験者は対人葛藤の一連 の出来事を どのよう に認知しているか について, 以下のような評定尺度に回答を求めた. ① 葛藤解決への協力的意図の帰属 相手 はその問題を解決するために,どの程度協力的でしたか″ . ② 葛藤責任の帰属 そのような問題が起こっ たのは, 相手の方に責任があると思いますか″ (相手 ″ への責任帰属) . そのような問題が起こっ たのは, 自分の方に責任があ ると思いますか (自己への 責任帰属).. ③ 葛藤責任のメタ帰属 相手 はそのような問題が起こっ たのは彼自身の方 に責任があると考えて ・ いる, とあなたは思いますか″(相手責任のメタ帰属) . 相手 はそのような問題が起こっ たのはあな たの方に責任があると考えている, とあなた は思いますか″ (自己責任のメタ 帰属) . ④ 葛藤の頻度の帰属 これまで, そのような問題 は, 二人の間で何回ぐらい起こりましたか″ . ⑤ 葛藤の固定性の帰属 今後も, その相手と一緒にいるとしたら, 同じような問題をどの程度経 験すると思いますか″ ‐ ⑥ 問題の重要性 その問題はあなたにとっ て, どの程度重要な問題でしたか″ . ⑦ 葛藤解決の有無 その問題 は解決しましたか″ . ⑧ 葛藤解決の期間 その問題を解決するまでに, どの程度の期 間を必要としましたか″ (この質問 は葛藤の解決者にのみなされた) . ⑨ 結果への満足度 あなたはそ の問題の結末または成り行きに, どの程度満足 していますか″ . ⑲ 相手への好意度 あなたはその一連 の出来事によっ て, 相手に どのような感情を持つようにな り ま し た か″ .. これら評定尺度 は, ⑦の葛藤解決の有無を除き, いずれも5件法尺度 であり 葛藤解決の有無 は , 2件法尺度 であっ た. 2.. 5. 葛藤解決ス トラテジーの分類. 対人葛藤研究において最も重要な問題の一つ は, 対人葛藤の解決ス トラテジーをどのような次元 (基準) によっ て分類するかということ である. Si l l 1980 ) は従来の対人葛藤研究を概観し, 当 r e s( 事者間の情報交換を促進するか否かに関係する次元と, 個人的解決を図ろう とする のか 相互の解 , 187.

(5) . 藤 森 立 男. i l l r e sの研究は先験的に葛藤解決 決を図ろうとするのかに関係する次元を提案 している. しかし, S ストラテ ジー に関する分類枠組みを決定している演輝的ア プローチであり, 分類の包括性 や代表性 1 9 )の 98 士皿,1 ) 98 5 l e sanz が不明確であるとの指摘 がなされている (Ru . 先述した藤森 ( ,& Ko ,Bi 研究 はこの問題点を克服するために実施されたものであり, 葛藤解決ストラテ ジーの客観的な次元 i l l r e sが作業仮説的に提案してい の抽出を試みたものである. その結果、 藤森が抽出した2次元はS る2次元と共通する ものであり, 加えて, これら2次元よっ て構成される4つの葛藤解決ス トラテ ジー は Wi t teman(1988)が 見 出 し て い る 4つの型の葛藤解決コ ミュニケーショ ン(統合的, 個別的, 間接的, 回避的) と類似するものであっ た. このことは, 藤森が抽出した次元 が対人葛藤に関する 先行研究とも一致するような一般性を有するものであるこ とを示している. したがっ て, 本研究で ) が提案している葛藤解決コ ミュニケーショ ンの機能に関する分析枠組みを使用した. 1989 は藤森 ( 本調査によっ て得られた葛藤解 決ス トラテ ジーは総反応数が57であり, 平均反応数 は1‐12で あっ た. そこで, これら葛藤解決ストラテ ジーに関する反応を客観的に分類するために, コミュ ニ ケーショ ンの促進性と葛藤解決の方向性の2次 元によっ て構成される 4つの葛藤解決ス トラテー ジ 型 (抑制・個別型, 抑制・協調型, 促進・個別 型, 促進・協調 型) の特性を基準として, 2名の判 定者 (社会心理学専攻の大学院生) が記述された葛藤解決ストラテ ジーを独立に分類した. その結 判定が一致 果を見ると, 判定者間の一致率は87 ‐9%であり, 比較的高い 一致率が得られた. また, しなかっ たストラテ ジーについては, 相互の話し合い により最終的な分類を決定 した.. 3. 結. 果. 3. ー 対人葛藤の相手と葛藤解決ス トラテジーの使用 ここでは, 対人葛藤の相手, 葛藤解決ストラテ ジー の使用状況, そして対人葛藤の相 手によっ て 被験者の葛藤解決ストラテジーが どのように異なる かについて検討するために, 葛藤解決ストラテ l i s s by log‐linear ana y ジー (4水準)×対人葛藤の相 手 (4水準) の2要因対数-線型モ デル分析( この表から明らか なよ 81 ) l ) を実施した (弓野, 19 mode . 表1は, その結果を示したものである. うに, 葛藤解決ストラテ ジー要因および対人葛藤の相手 要因についての主効果 と交互作用が有意と なっ ていた. まず, 葛藤解決ストラテ ジー要因の主効果について見る と, 抑制・個別型ストラテ ジー 36‐2%) は他の解決ス トラテジーに比べて有意に使用頻度 7%)と促進・個別型ストラテジー ( ( 51‐ が高く, これら個別的な解決を試みるストラテ ジーの使用が多いことを示していた‐ しかしこれと は対照的に, 促進・協調型ス トラテ ジーの使用頻度は有意に低く, 相 互のコミュ ニケーショ ンを促 進し, 協調的な解決策 を模索するストラテ ジーの使用 は1 ‐7%にとどまっ ていた. 次に, 対人葛藤の 相手についての主効果を見ると, 先輩との葛藤 は48‐3% と全体の約半数を占め最も多く, 次いで, 22‐4%) が僅差で続き, 後輩との葛藤 は3‐4%で有意に少ない結果 となっ 25 同級生 ( ‐9%) と先生 ( ていた. また, 対人葛藤の相 手要因 (先生, 先輩, 同輩, 後輩) と葛藤解決ストラテ ジー要因との 交互作用 が有意となっ ており, 葛藤の相手 が先生のときは促進・個別型ストラテ ジーの使用率が有 意に低い傾向に ある こと が見 出さ れた. この こと は, 学校組織 において より大 きな社会 的勢力 ialpowe )を有する先生に対して, 葛藤に関する自分の要求や意向を直接的に表明し, 個別的 ( soc r な解決を図ろう とする働きかけが相対的に少ないことを意味している.. 188.

(6) . 高校生活における対人葛藤の解決過程に関する基礎的研究. 表1 葛藤解決ストラテジーと相手に関する対数-線型モデル分析の結果. \\ 決 \\. 解. ス トラテ ジー. 抑制・個別型 抑制・協調型 促進・個別型 促進・協調型. 霜藤里 先生. 5. -0‐589 ) ( 4. 先輩. 同輩. 15. 10. (1‐534 ). (1.418 ). 1. 1. (1‐265 ). ( -0‐740 ). ( -QI94 ). 3. 12. 4. ( -1‐683+). (1.135 ). ( ‐0.356 ). 0. 0. 1. 後輩. 0. 合計 30. ( -1‐279 ) (2‐141 *) 0. 6. ( ‐Q045 ) ( -0‐889 2. ). 21. (0‐683-) (2.708**) 0. I. (0‐544 ) (‐0‐818 ) (‐0.434 ) (0‐797 ) (-2317 *). 合計. 13. 28. 15. (1‐461 ). (1‐277 ). (0‐330 ). 2. 58. ( -2101*). 注) 表中の上段の数値は各ストラテジーを使用したときの葛藤の相手を示す人数であり 下段のカッコ内の数値は主効果と交互作用についての , 標準効果の値である(**P<. 0 1 0 5 1 ) 0 , *P<. ,十P<‐ 。. 3‐. 2. 葛藤解決ス トラテジーの規定要因. 次に, 葛藤解決ス トラテジーの使用と対人葛藤の認知との関連 性を解明するため に 使用頻度が , 極めて少ない促進・協調型ストラ テジー( 1‐7%)を除き, 各ス トラテジー ごと に判別分析をおこなっ た. 分析にはマハラノ ビス汎距離が最小となる変数選択基準にもとづいた変数減 少法を用いた そ . の結果 は, 表2に示されている. まず, 抑制・個別型ス トラテジー の2群判別では1変数が基準を 満たして選択された. その標準化判別係数を見ると, 他者責任の帰属が正の有意な係数となっ てお り, 葛藤を引き起こした責任が相手にあると帰 属するほ ど, 抑制・個別型ス トラテジーが使用され ていた. また, 抑制・協調型ストラ テジーの2群判別では2変数が基準を満たして選択され 各標 , 準化判別係数を見ると, 他者責任の帰属, 他者責任のメ タ帰属が負の有意な係数 を示していた こ . のことは, 葛藤の責任が相手自身にはないと帰属しており, 相手もまたその責任がな いと考えてい るとメタ帰属するほ ど, このストラテジーが使用されることを意味 している これに対して 促進・ ‐ , 個別型ス トラテジーの2群判別 では基準を満たして選択 される 変数がなく このストラテジー を規 , 定している要 因は確認されなかっ た. 3‐ 3 葛藤解決ス トラテジーの使用とその結果 さらに, 葛藤解決ストラテジーの使用がどのような結末や成り行きをも たらしているかについて 検討するために, 葛藤解決ス トラテジー (4水準)×解決 の有無 (2水準) の2要因対数-線型モデ ル分析を試みた. その結果 (表3) は, 葛藤解決ストラ テジー要因と解決 の有無要因との交互作用 が有意となっ ていた. この交互作用 は抑制・個別型ス トラテジーと解決 の有無との間に認められ , 抑制・個別型ストラテジーを使用 した場合, 対人葛藤の解決が少 なく 未解決 のままとなることが , 有意に多い傾向 にあることを示していた .. 最後に, 葛藤解決までの期間, 結果への満足度, 相手への好意度を外的基準 被験者のストラテ ,. ジー型を説明変数として, 林の数量化1類による分析をおこなっ た(表4) これは 葛藤解決まで , .. の期間, 結果への満足度, 相手への好意度に及ぼす葛藤解決ストラトジー型の影響力の程度を検討 189.

(7) . 藤 森 立 男. 表2 葛藤解決ストラテジーの使用に関する判別分析の結果(標準化判別係数) 外的枇÷. \ 数 \ 説明 一. 抑制・個別型. 抑制・協調型. 72‐5%. 90.2%. 正判別率. 促進・個別型. 0 5 0 1 *P<. **Pく. 注) 促進・協調型は反応数が少なかったので分析しなかった‐. 表3 葛藤解決ストラテジーの使用と解決の有無に関する対数-線型モデル分析の結果 解決の. 解. \\ \ 決. 薯 無. ス トラテ ジー. 抑制・個別型 抑制・協調型. 未解決. 解決 8. 22. ( ‐1‐774+). (1‐774+) 2. 4. (0.782 ) 促進・個別型 促進・協調型. 7. 14. ( ‐1‐172 ). (1‐172 ) 0. 1. (0‐868 ). 合計. ( -0-782 ). ( -0‐868 ). 20. 38. (0‐028 ). ‐0‐028 ) (. 合計 30. (4‐018**) 6. ( -0.815. ). 21. (2.910**) I. ( -2646**) 58. 注) 表中の上段の数値は各ストラテジーを使用したときの解決の有無を示す頻度であり,下段のカッコ内の数値は 1 0 )。 1 0 主効果と交互作用についての標準効果の値である(**P<. ,十P<.. するためであっ た. まず, 葛藤解決までに要 した期間を葛藤解決者について見ると, 抑制・個別型 ストラテ ジーを使用した場合にのみ, 対人葛藤 が長期化する傾向にある ことが認 め ら れ た. ま た, 抑制・個別型ストラテ ジーの使用 は葛藤の結 末に対する満足度 が低い傾向にあり, 相手に対する好 意度も有意に低 いことが見出さ れた.. 4. 考. 察. 本研究の第1の目的は, コミュニケーショ ンの促進性と葛藤 解決の方向性の2次元によっ て構成 190.

(8) . . 高校生活における対人葛藤の解決過程に関する基礎的研究 表4 葛藤解決ストラテジーの使用が結果に及ぼす効果に関する数量化1類の分析結果 葛藤解決の期間. 結果への満足度. 相手への好意度. リー 延; レンジ 偏相関係数 髪 デ ー レンジ 偏相関係数 髪デリー レンジ 偏相関係数 抑制‐個別型 抑制‐協調型 促進‐個別型. 使 用 非使用 使 用 非使用 使 用 非使用. ‐ 4 1 0 5 . 0 6 2 1 ‐ 0 1 7 1 ‐ 4 1 - 0 6 . 0 2 0 7 ‐ 『 0β4 6. 1 0 7 2 ‐. 0 3 2 6十 ・. 0 8 1 2 ・. 0 1 5 3 ‐. 7 0 0 3 .. 0 0 1 6 ‐. R R. 0 8 4 8** . 0 2 3 8 ‐. 0 4 9 2 ‐ ‐ 0 3 4 5 . ‐ 0 0 8 7 ‐ 0 6 5 3 ‐ … 0 0 1 7 ‐ 0β2 5. 8 7 0 3 .. 0 2 5 7一 ÷ .. 0 7 4 0 -. 0 1 6 0 ‐. 0 0 2 4 ‐. 0 0 1 4 ・. 0 4 7 4** . 0 2 2 5 ‐. 0 8 5 0 . ‐ 0 9 5 5 . - 0 0 0 9 . 0β6 5 0 0 8 5 ‐ - ○ 1 2 1 -. 1 4 4 4 ‐. 0 4 8 6** .. 0 0 7 4 .. 0 2 0 0 ‐. 0 2 0 6 ‐. 0 0 8 4 ‐. 0 6 2 2** . 0 3 8 7 ‐. **P〈. 0 1 十P<. 1 0 注) 促進・協調型は反応数が少なかったので分析しなかった.. される4つの葛藤解決ストラ テ ジー型の使用を規定 している要因を検討することであっ た そこで, . 対人葛藤の帰属を説明変数, 葛藤解決ストラテジー型の選択を外的基準とし, 判別分析を試みた . その結果 (表2) 抑制・個別型ス び抑制・協調型 トラテジーおよ トラテジーの使用に他者責任 ス の , 帰属が大きな影響を及ぼしていることが示された. すなわち, 抑制・個別型ス トラテジーは葛藤を 引き起こした責任が相手にあると帰属するほど使用されていたが, これとは対照的に, 抑制・協調 型ストラテジーはそ の責任が相手にはないと帰属するほど使用されていた. さらに, 抑制・協調型 ス トラテジーは他者責任のメタ帰属 によっ ても規定されており, 相手 は責任がないと思っ ていると メタ帰属するほど使用されていることが明らかにされた‐ しかし, 促進・個別型ス トラテジーの使 用に関して はいずれの変数も有意に達せず, このストラテジーの使用を特に規定している要因は見 出されなかっ た. 本研究の第2の目的は, これら葛藤解決ストラテジー型の使用がどのような結末や成 り行きを導 いているかについて検討することであっ た. 表3および表4から明らかなように, 抑制・個別型ス トラテジーの使用 は葛藤が未解決となる傾向が強く, 解決した場合でも, 解決までの期間が長期化 する傾向にあることを示していた. また, 抑制・個別型ストラ テ ジーの使用 は結果への不満がくす ぶり続け, 相手に対 して敵意を抱く結果となっ ていた. この理由として は, 抑制・個別型ス トラテ ジーが, 葛藤についての率直なコミュニケーショ ンを通じて, 相互理解を深める機会を導びかない ため, 当面する問題を適切 に解決できなかっ たり, あるいは一応の解決をみたとしても それが根 , 本的な解決にはなりえていないた めと推察される‐ 次に, 本研究の結果と先行研究 (藤森, 1989 ) を比較すると, 葛藤解決ストラ テジー型の使用が 葛藤の結末や成り行き に及ぼす効果に関して は, 抑制・個別型ス トラテジーで同様の結果が得られ ていた. また, 葛藤解決ス トラテジー型の使用を規定している要因に関して は 抑制・協調型スト , ラテジーで他者責 任のメタ帰属の効果が同様 に確認された しかし, その他の結果に関しては先行 . 研究と異なる結果が見られた. とりわけ, 葛藤解決ストラテジー型 の使用頻度と葛藤解決ス トラテ ジー型の使用を規定する要因に大きな違いが認められた そこで 本研究と藤森 ( 1989 ) の研究 で , . 得られた解決ス トラテジーの使用頻度 について対数-線型モデル分析を実施 した。 表5はこの結果 であり, これを見ると, 葛藤解決ストラテジー要 因の主効果と交互作用が有意となっ ていた 葛藤 ‐ 解決ストラテジー要因の主効果 は抑制・個別型ストラテ ジーと促進・個別型ストラ テジーの使用が 191.

(9) . 藤 森 立 男. 表5 研究別葛藤解決ストラテジーに関する対数-線型モデル分析の結果. 選も遼 本 研 究. 抑制・個別型 30. (1‐722十 ). 9 ) 1 9 8 藤森(. 48. ( ‐722十 ). 合計. 78. (6‐115* *). 促進・個別型. 抑制・協調型. 21. 6. ( ‐仏324. (2.855**). ). ( 一2855**). ). (2‐453 *). 21. 20. (o‐324. 42. 26. ( -0‐878. r. ). 促進・協調型. 合計. 58 ( ‐3.529) 102 13 (1‐898十 ) (3‐529) l. ( -1‐898十 ). 14. 160. ( -3.296**). 注) 表中の上段の数値は各研究において見出された解決ストラテジーの使用頻度であり,下段のカッコ内の数値は主効果と交互作用についての ) 1 0 0 5 0 1 標準効果の値である(**P<. 。 ,十P<‐ , *P<.. 多く, 逆に, 促進・協調型ス トラテ ジーの使用が少ないことを意味している. また, 交互作用につ ) に比べ, 抑制・個別型ストラテ ジーと促進・個別型ストラテ ジー 1989 いて見ると, 本研究 は藤森 ( の使用 が多く, 促進・協調型ストラテジーの使用 は少ないことを示していた. すなわち, 本研究の 結果は, 個別的な解決を追求するス トラテ ジーの使用が有意に多 く, 対人葛藤を協調 的に解決して いこうとするス トラテ ジーの使用 は相対的に少ない ことを明らかにして いる. また, 本研究の結果 ) では見出されていな い他者責任の帰属 が抑制・個別型ストラテ ジーと抑制・協調 1989 は, 藤森 ( 型ストラテ ジーの使用を規定しており, 葛藤についてのコ ミュニケーショ ンを抑制するこれ らスト ラテジーと他者責任の帰属が密接な関係にある ことを明らかに している. そこで, これら両研究に見られる結果の相違についてその原因を考察すると, 少なくとも2つの 要因が挙 げられる. 一 つ は発達的要因であり, もう一つの要因はサ ンプルの偏りである. 前者につ 1989 ) では大学生であり, 社会性の発達 いて言え ば, 本研究の調査対象者 は高校生である が藤森 ( レベルの相違 が対人葛藤についての認知 (帰属) や葛藤解決ストラテ ジー型の使用に影響を及ぼし ている可能性 が考えられる. また後者について言え ば, 本研究での全調 査対象者に占める回答者(葛 藤経験者) の比率の低さが影響しているの かも知れない. すなわち, 全調査対象者332名のうち, 15 高校生活の中で対人葛藤の経験 があり, 記入に不備のなかっ た者 は51名 ( ‐4%) に過 ぎず, こう 翠晋を及ぼしている可能性も否定できないのである. 今後 は, これら したサンプルの偏りが結果に影. の問題点を組織的に 険討するよう計画し, 対人葛藤の解決過程に関する研究をさ らに推進する必要 があると考えられる.. 5. 要. 約. 本研究は, 対人葛藤場面において使用される葛藤解決ストラテジーが対人葛藤に対する認知 (帰. 属) によって どのように規定され, さらに, 葛藤解決ストラテ ジーの使用はどのような結果 をもた らしているかについて検 討することを目的 とした.. 調査対象には高校生を取りあげ, 高校生活の中で経験する対人葛藤について質問紙調査を実施し. た. 調査内容 は, 対人葛藤に関する チェックリスト, 葛藤解決に使用 したストラテ ジー の自由記述, 192.

(10) . 高校生活における対人葛藤の解決過程に関する基礎的研究. 対人葛藤とその結果 についての認知に関する質問項目な ど, 3つの領域から構成さ れていた 主要 . な分析結果は, 次のように要約さ れる‐ ( 1 ) 抑制・個別型ス トラテジーは対人葛藤の責任が相手にあると帰属するほ ど使用されていた 対 . 照 的に, 抑制・協調型ストラテジー はその責任が相手にはないと帰属するほど使用されていた ま . た, 抑制・協調型ス トラテジーは他者責任のメタ帰属によっ ても規定されており 相手 はそ の責任 , がないと思っ ているとメタ帰属するほ ど使用さ れていることが確認 さ れ た . 2 ( ) 抑制・個別型ス トラテジーの使用 は対人葛藤が未解決となる傾向にあり 解決した場合でも , , 解決までの期間が長期化する傾向を示して いた. これに加えて 抑制・個別型ストラテジーの使用 , は結果への満足度が低く, 相手に対して否定的な感情を抱く結果となっ ていた 以上の結果は 従 . ,. 来の対人葛藤研究との関連で考察された.. 引用文献 東 清和, 1 97 9 , 人間関係の葛藤 -- もつれの心理 --. ぎょうせい. 池内 -, 1 97 1 5 , コンフリクトの社会心理学, 年報社会心理学, 第12号, 8-3 . 藤森立男, 19 89 , 日常生活にみるストレスとしての対人葛藤の解決過程に関する研究, 社会 心理学研究, 第4巻第2. 号, 108一116 ‐ Ru B l G e ionschema sanz l t i :targe t l s rateg s , ‐ . e ,Bi s ,G. ,& Ko土田,M. ,Anatomyofpersuas ,1985 ‐Jouma ,goa ,ands l i iaIPsycho l ty andSoc ofPer 5 sona ogy ‐ . ,VOL48 , No ,1127-1140 Si l l ionsandCommun i bu t i ar s t i l r i Cat i i t oni nroo 1 1 1 1 nat l econf c s 1 1 1 1 ‐ nun cat onハαonographs ,A.L ,1980 ,At . Co . ,vo 47 . ,180-200 VV i t teman IProbl lv i i i sona i i emso ng :Probl emConcePtual zat onandco 1 1 lnun 1 ,日. cat onuse ,1988 ,lnterPer 1 1 nu - .Con 公 4 i i 55 ncaton onograPhs . . ,VOI ,336‐359. 弓野憲一,19 8 1 , 対数 - 線型モデルによる質的データの解析とそのための BASIC プログラム, 静岡大学教育学部研 究報告 (自然科学篇) 9一2 1 5 , 32 , 18 ‐ (本 学 講 師. 函 館分 校). 193.

(11)

参照

関連したドキュメント

1.基本理念

Recently,increasingofagedpersonswholeadasolitarylife,unexpectedaccidentsintheir

いかなる使用の文脈においても「知る」が同じ意味論的値を持つことを認め、(2)によって

担い手に農地を集積するための土地利用調整に関する話し合いや農家の意

 複雑性・多様性を有する健康問題の解決を図り、保健師の使命を全うするに は、地域の人々や関係者・関係機関との

このため、都は2021年度に「都政とICTをつなぎ、課題解決を 図る人材」として新たに ICT職

※ 硬化時 間につ いては 使用材 料によ って異 なるの で使用 材料の 特性を 十分熟 知する こと

しかし , 特性関数 を使った証明には複素解析や Fourier 解析の知識が多少必要となってくるため , ここではより初等的な道 具のみで証明を実行できる Stein の方法