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数学的リテラシーについての高等学校の数学科教師の考え方

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(1)Title. 数学的リテラシーについての高等学校の数学科教師の考え方. Author(s). 長崎, 榮三; 久保, 良宏. Citation. 日本数学教育学会誌, 94(1): 2-10. Issue Date. 2012-01. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/9955. Rights. Hokkaido University of Education.

(2)    . 数学的リテラシーについての高等学校の数学科教師の考え方. 長崎柴三・久保良宏. UpperSecondaly &ぬ mlt n …ache i om ーLi鍛racy ] 胎’opini onon Mathemat. NAG鮎 皿 E加, 鵬 靴o s碗o. 2012. 日本数学教育学会誌 第94巻 第1号.

(3)      . 止論. 説」 l. 数学的リテラシーについての高等学校の数学科教師の考え方* 長. 要. 崎. 栄. 三 ”, 久. 保. 良. * 宏 ”. 約. 本研究は, 成人に身に付けて 欲しい数学的リ テラシーのあり方 を考察するために, その一環と して,. 高等学校数学科教師の数学的リテラシーに対する考え方などについて, 調査研究から明らかにするもの である, 調査は郵送による質問紙法で行われ, その回答を分析した結果, 次のことが明らかにな っ た. 成人に持っ て 欲しい数学のイメージでは, 数学 の有用性や楽しさについては肯定的であるが, 数学は言 語であるな どの数学の本性に関 わる事柄の肯定率はやや低く, 数学の力と しては, 論理的・多面的・帰 納的に考える力は肯定的である一方で, コミ ュ ニケーショ ンに関わる力や批判的・反省的に考える力 の 肯定率は低かった. また, 成人が身に付けて欲 しい算数・数学の内容は数学1 ぐらいまでとする意見や, 内容と方法の両方の習得を重視するという意見が約半数だっ た, 数学的リ テラシーは最近 にな っ て論 じ られるようになってきた今日的な課題であり, 今後, 理論と実践 の両面から検討していくこと が求めら れ て い る.. キーワー ド:数学的リ テラ シー, 高等学校教師, 調査研究. 1. 研究の背景と目的 2 0世紀後半からの, 科学や情報技術の急激な発. においては, 内容だけではなく方法 (力) が活き ること, そして, そのようなものと して, 例えば, 批判的思考 (久保, 201 1 ) などが注目された.. 展の中で, 21世紀に入ると地球の持続性が世界的. な規模の課題となり, また教育においても経済協 力開発機構 (OECD) の「生徒の学習到達度調査」. 数学的リ テラシーは,社会と密接に関わ るので,. 多くの生徒が学校を終える段階, すなわち, 高等. (PI SA)のリテラシーが話題 となり(阿部,2011 ) , 我が国においても, 学校から社会に出た成人にも. 学校の数学教育の目標が数学的リ テラシーと大き く関わる, アメリカでは, すでに1940年代に後期. 科学技術リ テラシー を持つこ とが求められるよう. 中等教育の就学率が上昇し, すべての高等学校生. になっ て きて いる (科学技術 の 智 プロ ジェ ク ト. 徒の ため の数学教育 の目標 と して数学 的リ テラ. . ,2008). そこで, 筆者らは, 大学・研究所・学校等 の 数. シーが考えられていた, そして, 1989年に発表さ れた『すべてのアメリカ人のための科学』(日米理. 学教育関係者約3 0名で研究会を組織し, 平成2 0年. 数教育比較研究会訳, 2 0 0 ) は, 科学技術のりテ 5. 度から3年間にわたり, 科学技術リテラシーの一 つである数学的リテラシーに焦点 を当てて討議を. フソーとして世界的に有名なものとな っ た. 我が. 国でも戦後の高等学校の数学教育の目標として,. してきた (長崎, 2011 ) .. 数学的リテラ シーが明示 的に述べ られた こと が. こ の 研 究 会 で は, 数学 的リ テ ラ シー に つ い て ,. あっ た, 昭和30年代に数学的な教養が, 昭和50年. 数学の本質, 内容, 方法 (力) などの構成要素を. 代には数学的リ テラシーがあっ たが, 前者は基 礎. 考えて, その外延や関係を議論してきたが, 必ず しも合意には至らなかっ た. しかしながら, 社会. となる教養であっ たが, 後者は非理工系 の一 部の 生 徒 の た め の も の で あ っ た,. 高等学校の数学教育は学校を卒業して社会に出. .平成2 3年8月1 5日受付, 平成2 4年1月28日決定. ”静岡大学大学院 ” .北海道教育大学. 2.

(4)  . 数学的リテラシーについての高等学校の数学科教師の考え方. る成人と直接のつながりを持っ ており, 数学的リ. 教育につ いての問題点 (8項目) ) 数 学的リ テ ,2. テラシーの保持・発展に大きな影響を与えると思. ラシーのための高等学校の数学教育についての考. われる, 他方, 高等学校の教師は成人の一 人とし て,自らの 数学的リ テラシーの保持・発展に関わっ. え (1項目) , ④. 数学的リテ ラシー を保 持・発展させ るための. て い る.. 方策. そこで, 本研究においては, 高等学校の数学科 教師の数学的リテラシーについての考え方や教育. 1 )高等学校の数学教師の自己学習の方法( 1 1項 目) ) 高等学校教師になる前に大学で 学んでお ,2. の状況, そして, 自己学習の状況な どについて明 らかにすることを 目的とする,. きたかった数学・数学教育など (1項目) ①から④までで11の大項目, 63の小項目からな る, これらのうち, ほと んどは選択肢 の選択か数. 2. 研究の方法 本研究は, 郵送法による質問紙調査によっ て行. 字等の記入である, なお, 調査内容は, 平成22年度の日本数学教育. う, 質問紙調査の調査名は, 「数学教育に関する 高等学校教師調査」 である, ( 1 ) 調査の対象. 学会数学教育論文発表会における課題別分科会. 調査の対象は, 全 国の国・公・私立の中等教育. 「数学的リテラシー」 の参加者から得ら れた ご意 見等も参考にしている.. ( 3 ) 分析の方法. 学校を含むすべての高等学校から無作為に抽出し た4 0 0校の数学科教師である ( 『全国学校総覧2 0 1 1. 本研究では, まず, 調査対象者・所属学校につ いての背景質問①の結果につ いて概観した後 数 , 学的リテラシー の3つの視点, すなわち, 成人 に. 年版』(原書房) を用いての系統抽出法) , 各高等 学校に調査用紙を1部送り, 数学を担当している. 身に付けて欲しい数学的リテラシー, 数学的 リテ ラシーのための高等学校における教育, 数学的り. 教師1名に回答を求める, 2 ( ) 調査の内容 調査の内容は, 調査対象者・所属学校の背景,. 毎に分析する. なお, 選択肢の回答では, 各選択肢へ の回答者. 及 び, 数学的リテラシー についての3つの観点, すなわち, 成人に身に付けて欲しい数学的リテラ. 数の全回答者数に対する割合 (%) を算出 (小数 点第1位を四捨五入)して示す(無回答の有無によ. シー, 数学的リ テラシーのための高等学校におけ る教育, 数学的リ テラシーを保持・発展させるた. り合計が100%にならないことがある) . また, 肯. めの方策, からなる, それぞれの大項目を挙げる と次の通りである.. 定率 (選択肢の1と2の割合の合計) を使うことも あ る.. ① 調査対象者・所属学校の背景 )調査対象者の背景(6項目) 1 )調査対象学 ,2. 3. 研究の結果 調査は平成23年2月に郵送法によっ て行われ,. 校の背景 (6項目) ② 成人に身に付けて欲しい数学的リテラシー. 8 4名から回収された (回収率約4 1 6%) ,. 1 ) 成人に持っ て欲しい数学のイメー ジ ( 10項 目) ) 成人に持って欲しい数学の力 ( 17項目) ,2 ,. 回答者の年齢別の割合は, 20歳代が10%, 30歳 代が33%, 40歳代が33%, 50歳代が23%, 60歳代. )成人が身に付けて欲しい算数・数学の内容の程 3 1項目) 度( )成人にとっての内容の習得と方法 ,4. が2%であり, 30歳代から50歳代で8割を 占め て. 1項目) の習得( )大学で非理工系に進む生徒が ,5 身に付けて欲しい数学の内容の程度 ( 1項目). 男女別の割合は, 男性が86%, 女性が13%であ り, 男性が9割近くを占めている,. ⑨ 数学的リテラシーのための高等学校における. 高等学校における数学教育の経験年数別の割合. い る.. 教育. は,5年未満が8%,5∼10年未満が16%,10∼15 年未満が15%, 15∼20年未満が14%, 20∼25年未. 1 ) 数学的リ テラシーのため の高等学校の数学. 8.

(5)    . 日本数学教育学会誌 第94巻. 第1号 ( 2 012年). ) 数学は絶対的な真理か 24 45 29 5 な. 強, さらに20年以上が5割近くを占めている. 大学等の出身学部別の割合は, 理学系が6 7%,. ) 数学は科学技術の発展 67 32 7. っている. ら. ) 数学は発展している 6. 21 53 26. に 貢 献 して い る. 教育系が20%, 工学系が11%であり, 理工系の出. 1←. 満が16%, 25∼30年未満が16%, 30∼35年未満が 90 6 ,35∼40年未満が4%であり,10年以上が7割. I. O I. ) 数学は人間が社会でつ 15 4 8 5 36 4 く ている も の で ある っ. 身者が約8割である.. 9 ) 数学は楽しい. 回答者が所属する高等学校については, 設置形 態 では公立が74%, 私立が23%, 国立が1%であ. ) 数学は大切である 1 0. り, ,校種では高等学校が96%, 中等教育学校が3. 43 48. 8. I. 58 3 9. 3. I. 10項目における肯定率 (1 ,2の合計) の平均は. %であり, 1校は併設校である. また, 課程では 全日制が95%, 定時制が3%, 通信制が1%, 全. 82% で, す べ て が60% 以 上 で あ る.. 肯定率が80%以上の項目は,.「7 ) 数学は科学技 ’ ) 数学は大 術の発展に貢献している」( 99%) ,「10. ・通信制併置が1%であり, 学科等では普通 日制‐ 科が59%, 専門学科等が21%, 総合学科が8%,. 切である」( 97%) 1 ) 数学は役に立つ」(94%) ,「 ,. 普通科・専門学科等が8%, 普通科・総合学科が1. 「 9 ) 数学は楽しい」( 9 1%) 2 ) 数学は美しい」 ,「. % で あ る.. ( 88%) であり, 70%未満の項目は, ) .「5 ‐ 数学は 絶対的な真理からなっ ている」 ( 69%) ) 数学 , 「3. ( 1 ) 成人に身に付けて欲しい数学的リテラシー. は言語である」( 6 5%) ) 数学は人間が社会で 8 ,「. 成人に身に付けて 欲しい数学的リ テラシーにつ いて, 次の5点から質問した, ① 成人に持っ て欲しい数学のイメ ージ. つく っ ているものである」 ( 60%) である. 数学の有用性や楽 しさについては肯定率が90%. ②. 成人に持っ て欲しい数学の力. ③. 成人が身に付けて欲しい算数・数学の内容. を超えているが, 数学は言語であるなどの数学 の 本性に関わるイメージについてはやや低くな っ て. の程度 ④. 成人にとっての内容の習得と方法の習得. ,. なお, 10項目に続いて設けられた 「その他」 ,に 回答者が挙げたものは,「数学の歴史, 数学を作 っ. ⑤ 大学で非理工系に進む生徒が身に付けて欲. た人」「数学は誰でもできるようになる分野(問題 が解けるという意味で)」「数学は生きる力になる」. しい数学 の内容の程度 ,, 以 下 で は,そ れ ぞ れ の 点 に つ い て ま と め る.. ,. ①. ” . . ‐−. い る,. 「数学は武器である」「数学は文化の つ」.「数学 は物事を楽にする (簡単にする)」「数学は論理で. 成人に持 っ て欲しい数学のイメージ 「学校から社会に出た一般の成人に, どのよう. な数学のイメージを持っ て欲しい と思 いますか,」. ある」「数学は頭の潤滑油である 」 などである. .. と の質問で10項目を設定し, 4肢選択 ( 1:ほんと. ② 成人に持って欲しい数学の力. うにそうだ, 2:だいたい そうだ, 3:あまりそう ではない,4:ま っ たくそうではない) で回答を求 めた. 各項目 ,の選択肢 ごと の反応率は, 表1の通. 「学校から社会に出た一般の成人に, 数学教育 に関連したどのような力を持っ て欲しいと思いま すか.」 との質問で17項目を設定し, 4肢選択 (選. り で あ る.. 択肢は①と同様) で回答を求めた. 各項目の選択. ● ’ ’●. 表1. ‘. ● ,. 肢 ごと の反応率は, 表2の通りである.. ● .. 成人に持っ て欲しい数学のイメー ジ 11. 2. 3. 46 48. ) 数学は美 しい 2. 39 49 10. 5. 2. 23 4 3 2 32 4 ) 数学は言語である 4) 数学は社会での職業生. 活に必要である. 24 55 20 I. 4. 1▲. 1 ) 数学は役に立つ. 表2 成人に持って欲しい数学の力 (反応率:%). 4. 1←. 質 問 項 目. (反応率:%). 質 問 項 目 ),論理的に考える力 1. ) 帰納的に考える力 2 3 ) 類比的に考える力. 34 53 12. 4. 84 16. 3 O. 33 58. 9. I. 2. I I.

(6)  . 数学的リテラシーについての高等学校の数学科教師の考え方. 4 ) 演縄的に考える力. 32. 52 15. 2. 16 43 38 35 52 12. 3. 66 29. I. 1←. 4. 1←. 40 44 16 48 4 3 8 27 46 25. 1. 22 53 24. 1. 25 48 26 37 4 3 18 9 40 45. I 2. 15 ) コ ミ ュ ニ ケ ー ショ ン す 21 41 35 る力. 4. 2. 5. 1 ) 協調して考え合う力 6 1 ) 自己評価する力 7. 20 46 32 3 22 5 4 21 3 7の項目における肯定率の平均は78%であり, , ,1. 択肢の選択率は, 表3の通りである.. 表3 成人が身に付けて欲しい算数・数学の内容 の程度 ,. (選 択 率:%). 質問項 目 選択 1 ) 小学校ぐらいまでの算数 ) 中学校1年ぐらいまでの数学 (簡単 2 11. ) 批判的に考える力 5 6 ) 発展的に考える力 ) 多面的に考える力 7 ) 抽象的に考える力 8 9 ) 仮説を立てる力 1 ) 記号的に考える力 0 1 1 ) 近似的に考える力 1 2 ) 関数的に考える力 ) 創造的に考える力 1 3 1 4 ) 反省的に考える力,. ,. な正負 の数の計算, 文字の扱い, 図. 2. 形の基本的な知識など). ) 中学校2・3年ぐらいまでの数学 (連 3 立方程 式・2次方程式, 1次・2次関 数, 図形の論証な ど). ) 数学工ぐらいまでの数学 (必修の数 4 学). 23. 53. 5 ) 数学工よりも多くの科目の数学 G竪 21 択の数学. この中の9の項目は80%以上であるが, 6 0%以下. 選択率の最も高いも のは, 「4 ) 数学1 ぐらいま. の項目も2つある. 肯定率が90%以上の項目は, 「1 ) 論理的に考え. での数学」 ( 53%) で, 次いで 「3 ) 中学校2・3年. る力」( 1 0 0%) ) 多面的に考える力」( 9 7 5%) ,「 ,. くの科目の数学」 ( 21%) である.. ぐらいまでの数学」( 2 3%) 5 ) 数学工よりも多 ,「. 「 2 ) 帰納的に考える力」( 1%) 9 9 ) 仮説を立て ,「. 約半数の教師は数学工ぐらいまでの数学として. る力」 ( 91%) であり, 70%未満の項目は, 「 16 ) 協調 して考え合う力」( ) コミュニケ− 66%) ,「15 . ) 批判的に考える力」 62 ,%) ソョ ンする力」 ( , 「5 ( 49%)である. 59%) ) 反省的に考える力」( ,「14. いるが, 中学 校2 ,3年 ぐらいまでの数学と, 数学 工よりも多くの科目の数学が, それぞれ2割以上. 論理的に考える力, 多面的に考える力, 帰納的 に考える力, 仮説を立てる力はいずれも肯定率が 高 い が, 協 調 して 考 え る 力, コミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン. する力, 批判的に考える力, 反省的に考える力は 低 い.. なお, 17項目に続いて設けられた 「その他」 に. であり, 意見は分かれている,.. ④ 成人にとっての内容の習得と方法の習得 「数学の学習指導は, 主と して, 数学の内容の習 得 と, 数学の方法の習 得を目指して行われている ‘学校から社会に出た一般 と言われます, の成人に とっ ては, どちらを習得していること が大切 だと 思いますか,」 との質問で, 内容の習得, 方法の習 得, 内容と方法の両方の習得の3肢選択で回答を. 回答者が挙げたものは, 「数学を用いようとする 力」「知識(公式や定理など)を活用する力 (応用. 求めた. 各選択肢の選択率は, 表4の通りである.. 力であり, 独創力であり, 論理力である)」「定量 的に認識する力」「日常の中にある数学を見る力」 「本質を見抜く力」「見えないものが見える力, 考 える力」「論理を整理して考える力」「基本の力」. 表4 成人にとっての数学の内容の習得と方法の. な どである,. ⑨ 成人が身に付けて欲しい算数・数学の内容の 程 度,. 「学校から社会に出た一般の成人が,.どの程度 までの算数・数学の内容を身に付けて欲しいと思. いますか,」との質問で,小学校算数から高等学校 数学までの内容の5肢選択で回答を求めた. 各選. 習得. (選 択 率:%). 質 問 項 目. 1 ) 内容の習得 2 ) 方法の習得 3 ) 内容と方法の両方の習得. 選択 15. 37 46. 「内容と方法の両方の習得」 とする回答が約半 数であり, これに 「方法の習得」 とする回答を加 える, と8割を越えるが, 全体としては意見が分か れ て い る,. また,選択した理由を自由記述で尋ねた ところ,.

(7)    . 日本数学教育学会誌. 第1号 ( 2 012年). 第94巻. 選択の理由は,「内容の習得」 との回答では, C I:内容の性格や特徴に関する もの, C2:方法の. 135名 ( 73%) から回答があり, それらを分類 して まとめると, 表5の通りである.. 欠点に関するもの, C3:教科書の記述 に関する もの, C4:方法 も重要だとするものに分類 でき. 項目. 表5 内容の習得と方法の習得の選択の理由. る, 「方法の習得」 との回答では, MI:方法の特 徴に関するもの, M2:方法の必要性に関するも. 選択の 理由. 内 容 の習 得. CI:内容の性格や特徴に関する もの 数学 の本質, 数学の基礎, 内容 の 理 解・習得が先である, 考えられた過程 が重要, 社会の現象の理解を深める, どの仕事にも必要 C2:方法の欠点に関する もの 方法は教授法・評価法とも不確か C3:教科書の記述に関する もの 教科書の内容が必要最小限 C4:方法も重要だとする もの 考える力, 論理的に考える力, 数学的 な考え方, 計算. の, M3:方法の卓越性に関するもの, M4:重要 な方法に関するものに分類できる, ま た, 「両方 の習得」との回答では, BI:両方の釣合いに関す る も の, B 2:両方の重要性に関するも の, B 3: 相互の関連性に関するもの, B4:一 体性 に関す る も の, B 5:重要な方法に関するもの, B6:象 徴的な特徴に関するものに分類できる.. ⑤ 大学で非理工系に進む生徒が身に付けて欲し い数学の内容の程度. MI:方法の特徴に関する もの 応用 ができる, 他の場面に応用 がき きやすい, 実際的である, 社会で役立 つ, 複数の視点で物事を捉えよう と. 「大学で非理系のコースに進む生徒が, どの程. 度までの数学の内容を身に付けて欲しいと考えま すか.」との質問で, 中学校数学から高等学校数学 までの内容の4肢選択で回答を求めた, 各選択肢. する. 方 法 の習 得. M2:方法の必要性に関するもの 考え方が必要, 考えるときに必要, 公 式を使えば解けるこ とは知 っ ておい. の選 択率は, 表6の通りである,. て も らいたい. M3:方法の卓越性に関するもの 方法が習得できていれば内容は必要 なときに学 び直せる, 内容はさほ ど 重要ではない, 内容は忘れる, 普段か ら数学に関わらないが人が多い M4:重要な方法に関するもの 学習の方法, 思考力, 問題を解決する 能力, 論理的に考える力, 数学的な考 え方, 応用する力, 計算力. 表6 非理工系の生徒が身に付けて欲しい数学の 内容 の 程度. 質 問 項 目. 選択. ) 中学校1年ぐらいまでの数学 (簡単 1 な正負 の数の計算, 文字の扱い, 図. O. 2 ) 中学校2・3年 ぐらいまでの数学 (連 立方程式・2次方程式, 1次・2次関 数, 図形の論証な ど). 8. 形の基本的な知識など). B I:両方の釣合いに関するもの バ ラ ンス が大 切. 内 容 の習 得 と 方 法 の習 得. B2:両方の重要性に関するもの 両方そろって有意味・効果的, 両方で 活用できる, 両方とも大切, 両方とも 必要, 両方とも役立つ B3:相互の関連性に関するもの 相互に必要, 相互に関連している B4: 一 体性に関するもの 分離できない・区別が付かない, 内容 と方 法は表裏 一 体, 内容は方法の一 例, 内容を習得の上で方法の習得につ ながる, 内容を知らないと発展性が望 めない, 内容は実務・方法は考え方 B5:重要な方法に関するもの 思考力, 問題を解決する能力, 論理的 に考える力 B6:象徴的な特徴に関するもの 数学 のイメー ジ, 数学の教師 と して の理想, 後生の人に伝える 必要があ. (選 択 率:%). 3 ) 数学工ぐらいまでの数学 (必修の数 48 学) 4 ) 数学1よりも多くの科目の数学 (選 択の数学). 43. 選択率が40%以上の項目は, 「3 ) 数学1 ぐらい. までの数学」( 4 8%) 4 ) 数学工よりも多くの科 ,「 目の数学」( 4 3%)であり, それぞれ約半数である が, 全体と して見ると, 数学1を境に意見は分か れ て い る,. 2 ( ) 数学的リテラシーのための高等学校の数学教. 育 数学的リ テラシーのための高等学校の 数学教育 に つ い て, 次 の 2 つ の 視 点 か ら 質 問 した.. る. ①. 6. 数学的リテラシー のため の高等学校の数学.

(8)    . 数学的リテラシーについての高等学校 の数学科教師の考え方. 教育についての問題点 ②. の学習機会の少なさ」 な どである.. ② 数学的リテラシーのための高等学校の数学教 育について. 数学的リテラシーのための高等学校の数学 教育についての考え. 「将来の一般の成人のための高等学校 における. 以 下 で は,そ れ ぞ れに つ い て ま と める,. ① 数学的リテラシーのための高等学校の数学教. 数学教育について, 何かお考えがありま したらお 書きください,」 との質問で, 自由記述で回答を求. 育についての問題点 「高等学校において, 将来の一般の成人のため. め た 73名 ( 40%)の回答を分類 してまとめると,. の数学教育を行う上で, どのような問題があると. 表8の通りである, なお, 括弧内には回答者 の原 文の 一 部を入れてある,. 思いますか,」 と の質問で8項目を設定し,4肢選. 択(選択肢は( )①と同様)で回答を求めた. 各項 1 表8 数学的リテラシーのための高等学校の数学. 目の反応率は, 表7の通りである.. 教育についての考え. 表7 数学的リテラシーのための高等学校の数学. 自由記述の分類. (反応率:%). 教育についての問題点. 1 . 制度的要因. 1 1 , 義務教育 「義務教育で, しっかり基礎学力. 1 2 3 4 質 問 項目 1 ) 授業準備のための時間 22 36 36 4 が足りない 2 ) コ ン ピュ ー タ な ど の 設. 備が足りない. 9. をつけることが大切です」 12 . 大学入試 「受験用 の 数学 テクニ ッ ク を教え るだけになりがちなのでバ ラ ンス を取るこ と の難しさがあります」. 26 49 15. 全て取り入れる」. 1ュ. 3 ) 生徒の学力や関心が多 41 42 15 様である. 1 3 , 大学入試・科目 「入試科目の中に5教科を 1 4 , ゆとり教育「ゆとり教育は良くありません」 1 5 , 学習指導要領 「高等学校の学習指導要領の. 4 ) 社会で使われる数学の 28 47 22 3 実情の情報が少ない. 中身がころころか わるのが気になります」. 1 6 . 教科書 「教科書の構成がバラバラすぎると. 5 ) 教科書の内容が社会と 14 43 36 5 離 れて い る. 思います」 社会への対応 17 「数学に関する業績の評価を , 高 め てい く 気 運 を 数学 に関 わっ て い な い 人々に持っ てもらう」 生涯学習 18 「「もう一度数学がやりたい, 数学 . が必要だ」 と 思 っ た時 にできるよう な環境. ) 大学の入学試験の圧力 31 29 33 5 6 が大きい ) 数学の面白さを伝えら 16 43 36 4 7 れない. (一般向けの数学教養講座) が身近にでき. 8 ) 指導の仕方が分からな 2 14 60 23 し). ればと思います」 生涯学習・教師 「数学をもっ と 深く学 ぼう 19 . と しても, 現場から離れずまた離れて学べ る環境がない」. 8項目における肯定率の平均は55%である, 肯. 3 ) 生徒の学力や関心 定率が5 0%以上の項目は, 「 4 ) 社会で使われる数学 が多様である」( 8 3%) ,「. 2 . 数学・人間的要因 21 , 数学の特性 「す ぐに役立つか どう か ばかり. ) 大学の入学 75%) の実情の情報が少ない」( , 「6. に目が向きすぎである」. 6 0%) ) 数学の面白さ 7 試験の圧力が大きい」( ,「 を伝えられない」( ) 授業準備のための 5 9%) 1 ,「. 22 . 人の特性 「基礎を学んで, それ を どの様に 使っ て役 立 てるかはそ の人しだ いなのでは ないでしょうか」 23 . 教師 「数学教員 が どれだけの力 を持 っ てい るかも重要 だと感じる」. 8%) 5 ) 教科書の内容が社 時間が足りない」( 5 ,「 会と離れている」( 57%) , である, 一方, 50%未 16%) 満の項目は,「8 )指導の仕方が分からない」( ,. 2 4 , 生徒 「本当に勉強したくて入学してくる者. 35%) 「 2 )コン ピュ ータな どの設備が足りない」(. 2 5 . 校務分掌 「とにかく多忙である」. で あ る.. 3 . 心構え 31 , 視野 「もっ と大きな (広い) 視点, 視野で人 間の発達において, 何が大切かを考えてい きたい」. が少ない気がする」. なお,「その他」として自由記述に挙げられたも. のは,「教育課程」「雑務の多さ」「学習塾の進路指 導」「数学を軽視する社会の風潮」「成人してから. 7.

(9)    . 日本数学教育学会誌. 第94巻. 第1号 ( 201 2年). 領, 教科書, 社会への対応, 生涯学習な ど) , 数学・ 人間的要因 (数学の特性, 人の特性, 教師, 生徒, 校務分掌) , 心構え (視野) , カリキュ ラム (文系. 4 , カリ キュラム. 41 . 文系生徒用 「文系 が理系のカリキュラ の 一 部を履修 しているのは変だと思 っ ている」. 4 2 . 就職生徒用 「高等学校から職に就く生徒の. 生徒用, 就職生徒用) , 目標 (必要性, 「できる」 という実感, 考える習慣, 社会で学ぶ基礎, 数学 的な考え方, 計算力) , 内容 (試行錯誤可能, 社会. ために必要なカ リキュ ラム必要な気がしま す」. 5 , 目標 51 . 必要性 「数学の必要性を小・中・高を通 し て, 教育すべきであると思う」 「 52 , できる」という実感「「できる」という感覚. 活用, 数学史, 統計, パズ ル, 文系に微積分, 問 題集) ェCT, 課題学習, 考えさせる, 教科 , 方法 ( 書内容の理解, 問題を解かせる, 具体的な経験,. が な い の で, そ こ で 「も う い い や」 に な っ て. いるだけだと思います」. 3 5 , 考える習慣 「数学を通して自分の頭で考え. 実験) .分類できる. , 評価(数学力の障害)の8つに. る習慣を身に付 けさせたい」 54 . 社 会 で学 ぶ 基 礎 「社 会 人 に なっ て 必 要 に なっ た時に, 再び「学び」ができる レベ ルま では, 数学教育は必要である」. ( 3 ) 数学的リテラシーを保持・発展させるための. 方策 成人にな っ て数学的リテラシーを保持・発展さ. 5 5 . 数学的な考え方 「数学的な見方・考え方を,. せ る 方 策 に つ い て, 次 の2つ に つ い て 質 問 した.. 身につけることができるように」. 5 6 . 計算力 「計算力をつける努力をしなければ. ① 高等学校の数学教師の自己学習の方法 ② 高等学校教師になる前に大学で学んでおき. いけないと思っ ております」. 6 . 内容. たかっ た数学や数学教育な ど. 6 1 , 試行錯誤可能 「生徒が試行錯誤できる教材. 以 下 で は, そ れ ぞ れ に つ い て ま と め る.. 開発が必要だと思います」. 2 6 . 社会活用 「社会でどのような場面に活かさ. ① 高等学校の数学教師の自己学習の方法 一人の成人として高等学校の数学教師が, 数学. れ て い る か」. 6 3 . 数学史 「数学が学問としてどのように発展 したのか」 統計 64 「「統計」 の重要性をしっ かり教えられ ,. 的リ テラシーの保持・発展のために どのよう に自 己学習を しているかに関 して,「あなたは, 高等学 校の数学の教員になっ てから, 自分自身 の能力や. る か」. 65 . パズ ル 「数独な どのパ ズ ルでも論理的に思 考する道具 になるかもしれない」. 資質を高めるため に どのような方法 で取り組んで. 6 6 . 文系に微積分 「文系の生徒にも数mの微分. いますか.」 と の質問で11項目を設定し, 4肢選択 ( 1:よくする, 2:とき どきする, 3:ほとんどし. 積分まで」. 6 7 . 問題集 「独創問題集」 7 , 方法. ない,4:ま っ たく しない) で回答を求めた. 各項 目の反応率は, 表9の通りである.. 71 i earn ngの 充 実」 「電 子 黒 板 を 活用 . 工CT 「e‐l. した授業」. 2 7 . 課題学習 「課題学習を充実させる」. 73 . 考えさせる 「自 分の考えを発表したり, 他 人の思考過程にふれたりする」. 表9 教師の自己学習の方法 (反応率%). 4 7 , 教科書内容 の理解 「地道に教科書内容を. 質 問項 目 1 2 3 1 ) 一人 で書籍・雑誌な どを 45 4 5 10 読む. しっ かりと理解 させる」 75 問題を解かせる 「いかに多くの問題を解か . せるか」. 4 O. 6 7 . 具体的な経験 「具体的な経験 (積み木, ブ. 2) ネ ッ トに アク セス して 一. 7 7 . 実験 梱り量など)「作業から学び取る時間を. 3 )一人で通信教育を受ける 9 26 63 4 )学校現場を離れて, 長期 3 10 27 60 間 大学等で勉強する. 多くとりたい」. 7. 16 3 4 42. 1←. 人 でe−learningを す る. ロ ック描写) を充実させる」. , ,. 8 , 評価 81 . 数学力 の障害 「生徒 の数学力 の障害 と向か い合う」. ) 他の教員の公開授業や◆ 29 49 1 5 5 7 研究発表会に参加する 6 )学会や研究会に参加する 14 38 28 21 ) 教育委員会や教育セン 7. 回答は, 高等学校の数学教育に関して, 多岐に. ター な どの講座 に出席. わたっ ているが, それらはおおむね 制度的 要因 ,. する. (義務教育, 大学入試, ゆとり教育, 学習指導要. 8. 9. 40 31 20.

(10)  . 数学的リテラシーについての高等学校の数学科教師の考え方. 8 ) 大学などで行われる公 7 27 36 29 開講座に参加する 9 ) 科学博物館や科学館の 10 23 35 32 展示物を見に行く 1 0 ) 他の教員 と本を読んだ 15 32 27 26 りして共同で研修する 11 ) 他の教員 や 一般 の人な どとネッ トを利用 して 研修する. 3. 6 . 学ぶ こと. 61 62 , これから学べる , 数学は十分 64 63 実践を通して学ぶ . 大学時代 との違い ,. 大学で学んでおきたかっ たことは, お おむね,. 「諸科学」「数学と数学教育の橋渡し」「数学教育」 「大学入試への対応」「教育学・心理学」 などであ. 17 36 43. り, この中には大学で科目として は設 定 されてい ないものも含まれている.. 11項目における肯定率の 平均は41%である, 肯 ) 一人で書籍・雑誌な 定率が50%以上の項目は,「1. 4. 考察. どを読む」( ) 他の教員の公開授業や研 5 9 0%) ,「 6 ) 学会や研究会 究発表会に参加する」( 8%) 7 ,「. 本研究から, 我が国の高等学校の数学教師は, 数学的リテラシー と して成人が持って 欲 しい数学. に参加する」( 52%)の3項目だけである. 一方で, 1 ) インターネッ トにかかわる項目 (項目2 , 通 ,1. のイメー ジでは, 数学の有用性や楽しさ について. ) 信教育や大学での研修にかか わる項目(項目3 ,4. は肯定的であるが, 数学は言語であるな どの数学. は30%未満である, 自己学習の方法と しては, 一 人での読書や研究会な どへの参加がほと んどであ. の本性に関わる事柄の肯定率はやや低く, 数学の. る,. 定 的 で あ る 一 方 で, コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 関 わ る. ② 高等学校教師になる前に大学で学んでおきた かった数学・数学教育など. 力や批判的・反省的に考える力の肯定率は低いこ. 力では, 論理的・多面的・帰納 的に考える力は肯. 大学で学んでおきたかっ た数学・数学教育など. とが明らかになっ た. また, 成人が身に付 けて欲 しい算数・数学の内容は数学1 ぐらいま でとする. に関して,「現在の時点から考えて,高等学校の教 員になる前に大学で学んでおきたかった数学や数. 意見や, 内容と方法の両方の習得を重視するとい う意見が約半数を占めた. さらに成人の数学的リ. 学教育について, ご意見がありま したら自由にお. テラシー 育成のための数学 教育 の問題 点 と して. 書きください.」との質問で,自由記述で回答を求. は, 生徒 の学力や関 心の多様性, 社会で使われる. 数学の情報の少なさ, 大学入試の圧力な どが挙げ. 41%)の回答を分類 してまとめると, めた. 76名( 表10の通りである,. られた. そして, 数学的リテラシーのための高等 学校の数学教育について は, 多岐にわたる意見が. 表10 学んでおきたかったこと (自由記述). 示された, そして, 今回の調査結果か らは, 数学的リテラ. 自由記述の分類 1 . 学問としての諸科学 2 11 .1 , , 純粋数学 1 4 確率・統計 13 . , 16 15 . , 情報科学 18 科学史 17 , ,. シーに関する次のような論点も浮かび上が っ てき 応用数学 数学史 自然科学 数理諸科学. て い る,. 数学的リテラシー としての数学の内容 の 程度と して, 数学1程度までが多数を占めた, しかし,. 2 , 数学と数学教育の橋渡し. 7年度高等学校教育課程 実際には, 例えば, 平成1 実施状況調査 (国立教育政策研究所) を見ると,. 3 . 数学教育. 果た して どのくらいの割合の生徒が数 学1までを. 21 . 数学概観 23 . 数学と社会. 22 , 高大接続 24 . 数学の雑知識. 31 , 授業 , 目標 33 , 数学教育 32 3 6 教具 教材 3 5 34 , 指導方法 , . 37 . 子 ども の 実 態. 習 得 している と判 断 してよいのであろう か. ま SAは, 中学校の2 た, 世間で話題になっ ているP工 年程度までの数学と 言われている.. 38 , 評価 法. 4 . 大学入試への対応 41 , 大学入試対応. そ して, 数学 の力 と して, コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン. 5 . 教育学・心理学 51 , 心理学 . 教育史 53 , 教育科学 52 教師論 6 5 比較教育 5 5 54 , 教育工学 . .. に関わる力や反省的に考える力はあまり重要視さ れていなかっ た, しかし, これらは, 現在の教育. 9.

(11)    . 第94巻. 日本数学教育学会誌. 第1号 ( 20 12年). 行われたものである.. 一 般 にお いて こ れま で以上 に強調 さ れて いる こ と. である (例えば, ライチ エ ンら, 2006;日本学術. 最後になりましたが, 本調査にご回答を頂きま. 会議,2010 ) . さらに, そこでは, 数学の内容より も方法 (力) に重点が置かれている よう である,. した先生方, 調査の計画・実施に ご協力 を いただ いた方々に心よりお礼申 し上 げます.. また, 大学入試を圧力と感じている教師は6割 だけであっ た. 数学的リテラシ÷ とは, 人間の生. 参考文献. 涯を通 じて算数・数学教育を考えるこ と であり,. 阿部好貴( 2 0 1 1 )「数学的リテラシーに関する研究. しか も 算数・数学教育は人間を「ふるい落とす」. 動向」 『数学教育にお けるリ テラシー につい. ) をしているという指摘が 機能 (ハウス ン, 1987. て の シス テ ミ ッ ク ・ ア プロ ー チ に よ る 総 合 的. あ る の だ が.. 研究』 静岡大学科研報告書. pp.82−90.. なお,大学時代に学んでおきたかっ たことには,. )『算数・数学 ハウスン他 (島田茂他監訳)( 1 9 8 7. 数学史や数学の応用に加え, 「数学と数学教育の. 科 のカ リ キ ュ ラ ム 開 発』 共 立 出 版. p.52.. ) 『総合報告書』 科学技術の智 プロジェク ト ( 2008. 橋渡し」 と いう意見があっ た. そこでは, 数学を. 全体的に術徹して概観したり, 高校数学と大学数. 科 学 技 術 の 智 プロ ジ ェ ク ト.. 学のつながりを考えたり, そして, 数学を社会や 文化の中で考えることが含まれていた. さらに,. ht ience‐for‐a l l tp:″www.sc jp/ .. 久保良宏( 1 )「教育における批判的思考とリテ 2 0 1. 教師の自己学習の機会が少なかっ た. これらは数. ラシー」『数学教育におけるリテラ シーにつ. 学教師にと っ ての教員養成・現 職教育の両面での. い て の シス テミ ッ ク ・ ア プロ ー チ に よ る 総 合. 制度上の今後の大きな課題であろう. 本研究にと って は, 今後は, この調査の各項目 間の関連を調べることが課題であり, そ して, 本. 的研究』 静岡大学科研報告書. pp.157‐166. 長崎栄三編 ( 2011 )『数学教育におけるリ テラシー. 調査の結果な どを含めて, この数年間の筆者たち. 総合的研究《人間 の 生涯を視野にお いた算. の数学的リテラシーに関する研究をまとめなおし. 数・数学教育》』 静岡大学科研報告書.. たい, そして, 数学的リテラシーが, 数学教育学 の理論 と実 践から一層検討 し続けられることが望. ht l l t t/10297/5762 e.ne p:″hd ,hand. に つ い て の シス テ ミ ッ ク ・ ア プロ ー チ に よ る. )『すべてのアメ 日米理数教育比較研究会訳 ( 2005 科学, 数学, 技術, に おけるリテラシー目標に関するプロ ジェク ト. リカ人のための科学. ま れる,. なお, 本調査の調査用紙の作成においては, 太. 田伸也(東京学芸大学) , ,重松敬一(奈良教育大学) 清水美憲(筑波大学大学院) 長尾篤志( 文部科学 , 省) 西村圭一 ( 東京学芸大学 ) , , 沿元新一郎 (静. 2 0 6 1の報告書』 日米理数教育比較研究会 (三 菱総合研究所内) . ht tp:″ www,pro ject2061.org/. 岡大学) , 山口武志(鹿児島大学) をはじめ研究メ. i ions/sfaa/sfaa japanese,htm cat publ. 日本学術会議( 2 0 1 0 )「回答 大学教育の分野別質. ンバーの方々に ご示唆を頂いた. また, 調査の集. 計では,松島充(静岡大学大学院生) ,浅木美帆(北 海道教育大学大学院生) の方々にお手伝いを頂い た (敬称略) . 本研究は,科学研究費補助金(基盤( B ) 2 3 2 2 ) 0 0 0 6. 保証 の在り方について」 ht info/kohyo/ tp:″www.sc i.go. jp/ ja/ divi ion‐8.htm s. ライ チ エ ン, サ ル ガニ ク 編 著 (立田慶 格 監訳) ) 『キ ー ・ コ ン ピ テ ン シー 国 際 標 準 の (2006. 「数学教育におけるリテラシーについてのシステ ミ ッ ク・ア プローチによる総合的研究」 (研究代. 学力をめ ざして』 明石書店,. 表;長崎栄三,平成20年度∼22年度) の一 環と して. 10. (.

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