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小学生の学習方略と原因帰属及び学習意欲との関連

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Academic year: 2021

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(1)Title. 小学生の学習方略と原因帰属及び学習意欲との関連. Author(s). 吉田, 典史; 戸田, 弘二. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 54(2): 15-31. Issue Date. 2004-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/322. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第54巻 第2号. JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.54.No.2. 平成16年2 月 February,2004. 小学生の学習方略と原因帰属及び学習意欲との関連1. 吉田 典史・戸田 弘二 北海道教育大学札幌・岩見沢校大学院学校教育専修 北海道教育大学岩見沢校心理学研究室. LearnlngStrategies,CausalAttributionandMotivationforLearning inElementarySchooIStudents NorifumiYOSHIDAandKqjiTODA Master’scourseofSchooIEducation,Sapporo−IwamizawaCampus. HokkaidoUniversityofEducation DepartmentofPsychology,IwamizawaCampus HokkaidoUniversityofEducation,IwamizawaO68−8642. 要 旨. 本研究では,小学生の成功・失敗事態における原因帰属が自己効力感や内発的・外発的価値などの学習意 欲に及ばす影響について検討するために,学習方略を媒介としたモデルを想定し,これを共分散構造分析に より分析することを主な目的とした.850名の小学校4,5,6年生と担任教諭24名を対象に質問紙調査を 行った.その結果,①小学生が授業中に使用する学習方略としては「メタ認知的方略」,「認知方略」,「リソー. ス方略」,「注意集中方略」の4因子が抽出され,これにもとづいて小学生用学習方略尺度を構成した.②共 分散構造分析により,成功の努力帰属は最も学習方略の使用を促し,間接的に自己効力感と内発的価値を高 めていること,成功の能力帰属は直接自己効力感と外発的価値を高めていること,失敗の能力帰属は学習方 略の使用を抑制し,また直接自己効力感と内発的価値を低めていること,失敗の努力帰属は学習方略ともい ずれの学習意欲とも関連していないこと,などがわかった.以上の結果にもとづいて,失敗の努力帰属を学 習意欲につなげるための教師の指導方法について考察を行った.. Keyword:小学生,学習方略,原園帰属,自己効力感,内発的価値,外発的価値. l本論文は吉田が修士論文の第1研究として提出したものを指導教官である戸田が再解析し文章に修正を加えたものである.. 15.

(3) 吉田 典史・戸田 弘二. 問 題. 達がもっ学習への意欲のあり方は様々であるし, 様々であって良いだろう.しかし,様々であるか. 2002年度から,「生きる力」をキーワードとする. らこそ,それぞれの子どもの学習に対するやる気. 新しい学習指導要領がスタートした.隔週で休日. や自信を高めるため(あるいは,低めないため). だった土曜日が完全に休日となる「学校週五日制」. の教師の指導や助言に,繊細な配慮が必要となっ. の実施に伴い,学習内容が3割はど削減された.. てくるのである.子どもの学習に対するやる気や. 必然的に「学力低下論争」が勃発している.この. 自信が高まる,または逆に低下するプロセスを解. 論争には,大きく分けて2つの論点があるように. 明することば,日常の教育実践に大きな貢献をも. 思われる.1つは,「学力は既に低下している」と. たらすはずである.. いう現実について論じているもの,もう1つは, 「学習意欲の低下」について論じているものであ. さて,教室にいるのは,「成功してはめられ,意. 欲に満ち満ちている子」ばかりではない.「成功 しても意欲を持続できない子」や「失敗しても意. る.. ここで取り上げたいのは,「学習意欲の低下」で. 欲が低下しない子」もいる.「失敗しても学習への. ある.「学習自体がおもしろい」と感じている児. 意欲が低下しない子」は,高い「自己効力感(self−. 童・生徒の割合が減少してきていること,また,. efncacy)」を持っていることが予想される.Ban−. 家庭で全く学習しない児童・生徒の割合が増えて. dura(1977)は「自己効力感理論」において,確. いることが数多く報告されている.例えば,ベ. 固たる自己効力感の形成が,意欲の低下を防ぐこ. ネッセコーポレーション(2001)による「学習基. とを示唆し,「教育者は,子どもの勉強の不安を低. 本調査」によれば,小学生は成績や学力にアンビ. 減するよりも,自己効力感を促進することに努力. バレントな考えを持っていて,「将来普通に生活. すべきである」と述べている(Bandura,1995).. するのに困らないくらいの学力があればいい」と. また,Weiner(1979)の帰属押論によれば,失敗. 回答した児童が62.7%いる一方で,「できるだけ. を内的・安定・統制不能な能力に帰属すると,努. いい高校や大学に入れるよう,成績を上げたい」. 力することの効果が期待できず学習意欲が低下し,. と回答した児童も67.0%いたことを報告している.. 内的・不安定・統制可能な努力不足に帰属すると,. また,同調査による「家での学習」についての調. 努力することの効果が期待でき,意欲が維持でき. 査では,平日に家庭学習を2時間以上する児童が. たり高まったりするという.. 減少していることも報告されている.中学生に目. このWeiner(1979)の押論は,わが国において. を向けると,OECD(経済協力開発機構,2000). も学業達成場面において多く検討されている.こ. による学習到達度調査(PISA)によれば,日本の. こでは,学習への意欲の中でも,自己効力感につ. 15歳児は国語の分野(読解力)の成績では2位グ. いて取り上げた研究をみていくことにする.樋. ループに位置するものの,数学と科学の分野の成. 口・鎌原・大塚(1983)は小学校4・5・6年生. 績は参加国中1,2位を争うレベルにある.しか. を対象に原因帰属と統制感(自己効力感とほぼ同. し,生徒が国語や数学,理科について「宿題や自. 義)との関係を検討し,失敗の努力帰属と統制感. 分の勉強をする時間」の指標値は,参加国の中で. の問には有意な関連が見られなかったことを報告. 最低であり,家庭で勉強する時間は短いというこ. している.彼らは,その理由として,努力帰属が. とが報告されている.以上の報告により浮き彫り. 努力すればできるという期待とは一義的につなが. にされるのは,学習に対して手段的(外発的)な. らないからではないかと考察している.また,穂. 価値は見出しているものの,学習が「おもしろい」. 坂(1989)の小学校4年生を対象にした算数の学. であるとか,「楽しい」といった内発的な学習意欲. 習場面についての研究でも,失敗の努力帰属が算. を忘れた子ども達の姿ではないだろうか.子ども. 数という教科への自信につながるという結果は得. 16.

(4) 小学生の学習方略と原田帰属及び学習意欲との関連. られなかった.さらに,小学校6年生の児童を対. 項目)」など,学習に対する態度を測定するような. 象にして,絶望感と原因帰属との関係を検討した. 項目が多く含まれている.具体的な行動方略と異. 桜井(1989)は,失敗の努力帰属が絶望感と正の. なり,学習態度は習慣化しているために変えるこ. 相関関係にあることを報告している.以上の結果. とば難しいだろう.このため,失敗場面を努力不. から,単純に失敗を努力帰属するだけでは自己効. 足に帰属しても学習態度の変化にはつながらず,. 力感にはつながらないどころか,絶望感を高めて. 学習方略の使用と関連が見られなかったものと考. しまう可能性すらあることがわかる.すなわち,. えられる.学習方略は,子ども達にとって「努力. 失敗の努力帰属と自己効力感との問には,両者を. の仕方」とも言える.「努力の不足」を「学習方. つなぐ媒介要因が存在しているのである.その要. 略の不足」ととらえるとしたら,学習のつまづき. 因こそが,教師の子どもに対する支援のポイント. や失敗を乗り越えるためには,不足した学習方略. になるものと思われる.. を補うことが1つの手段となるはずである.しか. ところで,伊藤(1996)は,中学校1年生を対. しながら,学習方略が実際の・子どもの学習活動に. 象に原因帰属と自己効力感との関係について検討. 適合したものでなければ,学習上のつまずきや失. し,失敗をただ単に努力へ帰属させるだけでは自. 敗を,やる気や自信へと転換していくことば難し. 己効力感は高まらず,むしろ学習方略を使用する. くなるだろう.. レベルを高めることのほうが,自己効力感を高め. これらの研究の成果や問題点をふまえ,本研究. るためには重要であることを報告している.更に,. では,小学生が授業中に使用する学習方略の構造. 佐藤・新井(1998)は,小学校4・5・6年生,. を明らかにし,小学生にふさわしい学習方略尺度. 中学校1・2年生を対象に,テストの点数の悪さ. を作成することを第1の目的とする.従来の学習. を努力不足に帰属する子どもは,学習方略を多用. 方略に関する研究には,中学生を対象にして作成. することを報告している.これらの研究から,失. された尺度を用いているものが多く,小学生にと. 敗の努力帰属は学習方略を多く使用させ,それに. っては高度な学習方略が含まれている場合がある. より自己効力感が高まるという因果モデルを仮定. こと,教室での授業場面だけでなく家庭学習で用. することができよう.. いられる方略や逆に教科に特有の方略が混在して. 一方,小学校4・5・6年生を対象にして,学. いること等の問題点が挙げられる.そこで本研究. 習方略と原因帰属との関連について検討した塩. では,小学生が教室での授業中に,リアルタイム. 見・芦塚・中田(1999)でほ,失敗の努力帰属は. に使用しうる項目のみを選び出すように配慮した.. 学習方略の使用とは関連していないと報告してい. 本研究では,集合形式の質問紙調査を行うため. る.これらの研究は,失敗の努力帰属が学習方略. に,小学校4∼6年生を対象とした.この時期は. の使用につながるかどうかという点で異なる結果. 小学校中学年から高学年への移行の時期であり,. となっている.二つの研究結果の違いは,使用し. 学習する内容もより広汎で高度なものとなる.ま. た学習方略尺度の項目内容にあるように思われる.. た学習内容の変化にともない,学習方略自体も変. 佐藤・新井(1998)の項目は,いずれも学習時に. 化するであろう.更に,従来の研究では一貫して. おける具体的な行動方略から構成されているのに. 女子の方が学習方略の使用が多いことが報告され. 対して,塩見ら(1999)の尺度項目には学習時に. ている(例えば,佐藤・新井,1998,伊藤,1996. おける行動方略以外に,「少しいやだなと思って. など).以上のことから,学習方略の学年差や性. も,今,勉強しておくと,後でよいことがあると. 差についても検討することとする.. 思います」や「親から注意されなくても,決まっ. 次いで,原因帰属から学習意欲へと至るプロセ. た時間になると勉強します」,「家では,テレビな. スにおける学習方略の役割について検討すること. どを見ているので,あまり集中できません G空転. を第2の目的とする.特に「つまずき(失敗)」 17.

(5) 吉田 典史・戸田 弘二. の場面を,自己効力感へとっなげるための学習方. と等を配慮したためである,. 略の有効性について検討することは,教師の児童 に対する指導援助に有効な示唆をもたらすはずで. 方 法. ある.. 本研究では学習意欲に関わる要因として,自己. 調査対象 札幌市の小学校に通う小学4・5・6. 効力感以外に内発的価値と外発的価値も取り上げ. 年生の児童850名(4年生278名[男子140名,女. ることとした.国立教育政策研究所の学習意欲研. 子138名],5年生265名[男子140名,女子125名],. 究会(2002)が行った「学習意欲に関する研究」. 6年生307名[男子160名,女子145名,不明2名].. によると,小学生が学習に対して「とてもやる気. また,各学級の担任教師計24名に児童の学業達成. になる」または「やる気になる」のは,「授業がよ くわかるとき」(95.2%)が最も多く,次いで「先. (学習内容の理解度,学習活動への意欲)につい ての評価をお原飢1した.. 生にほめられたとき」「授業がおもしろいとき」(と もに94.6%)であった.同調査は,はめたり励ま. 調査内容(1)学習方略に関する項目:先行研究(伊. したりすることの効果は,両親によるものも効果. 藤,1996;速水,1993;佐藤・新井,1998;Pintrich. 的であることも述べている.勉強がよくわかり,. &De Groot,1990;Zinmmerman&Martinez−. おもしろいという内発的価値だけでなく,先生や. Pones,1990)で用いられた尺度項目の中から,第. 実見にほめられるといった外発的価値も同様に学習 意欲を高める要因になっていることがわかる. また,最近の学習意欲研究では,「外発」と「内. 1著者(現職小学校教諭)が,(D小学校4∼6年 生が使用しうる学習方略であること,(診教室での. 授業場面で用いることのできる学習方略であるこ. 発」を対立的にとらえるのではなく,「外発」か. と,(卦教科に特有な方略ではないこと,の3点を. ら「内発」への移行として連続的にとらえること. 基準として項目の選定を行った.次いで,別の現. が多い(例えば,市川2001,速水1998,桜井1997,. 職小学校教諭に選定した項目が上記の基準を満た. 鹿毛1995,など).学習への価値づけが内面化さ. しているかどうかを評価してもらった.また,小. れていく過程の入り口として,小学校の段階では,. 学校4∼6年生の児童に「授業中,話を聞く時に. 先生や親から「はめられたい」といった外発的な. どんなことに気をつけていますか」「授業中,話を. 価値づけによる学習への取り組みも効果的である. するときにどんなことに気をつけていますか」と. と考えられる.. いう内容の面接調査を行い,新たな項目を作成し. 最後に,学習方略や自己効力感などが実際の学. た.以上,計24項目から構成されている(Tablel. 習行動につながっているかどうかについて検討す. 参照).回答形式は,「いっもしている」「ときどき. ることを第3の目的とする.このために,担任教. している」「あまりしていない」「全ぜんしていな. 師に児童の「学習内容の理解度」と「授業中の学. い」の4件法であり,得点はあてはまる程度に. 習活動への意欲」についての評価を求めた.なお,. よって4∼1点を与えた.2. 実際の学習行動の指標として通知票の成績は用い なかった.これは,小学校における学業成績の評. 2予備調査(小学校6年生児蛮51名)の因子分析の結果,どの因子 に対しても負荷盈の低い項目(「授業中.わからないところがあっ. 価がそれぞれ各担任教師による独自の基準での絶. たら,先生にききます」,「授業中,わからないところがあったら,. 対評価により行われていることから,学校間でば. 友だちにききます」)と,複数の因子に高い負荷最を示した項目. らつきが予想されること,また,小学校の評価の 多くが3段階(例;「よい」「ふつう」「がんばろ う」)でなされており,中央の平均的な評価(例: 「ふつう」)を受ける児童が割合として多くなるこ 18. (「大切なことをしっかりきいて,メモをとります」)が認められた ためこれらの項目をそれぞれ「授業中,わからないところがあった ら,先生に質問します」「授業中,はっきりしないところがあった ら,友遂にきいてたしかめます」「「大切だな」と思ったら,しっ かり聞いてメモをとります」と修正し,本調査で使用した..

(6) 小学生の学習方略と原因帰属及び学習意欲との関連. (2)学習意欲に関する項目:自己効力感項目と内. 発的価値項引こ関しては,Pintrich&DeGroot (1990)から各5項目を選択し,小学生用に平易. てはまる程度によって4∼1点を与えた.各担任 には,教室での国語,社会,算数,理科等の授業 を想定し,総合的に判断するよう依頼した.. な言葉に日本語訳したものを使用した.外発的価 値項目は桜井・高野(1985)の内発的一外発的動. 手続き 調査は,2002年11月下旬∼12月上旬に,. 機づけ測定尺度から外発的動機づけに関わる5項. 担任教師によってクラスごとに集団で実施した.. 目を選択し,無気力感項目は杉浦(1996)の期待 尺度,笠井ら(1995)の無気力感尺度から5項目. 結 果. を選択し,いずれも小学生用に表現を修正して使 用した(Appendixl参照).以上の20項目は全て. (1)学習方略尺度の構成. 予備調査で,教職10年以上の経験を持つ複数の現. 学習方略に関する24項目が小学校4∼6年生に. 職小学校教諭に目を通してもらい,児童用にふさ. とって適切な方略であったかどうかを検討するた. わしい表現になっているかどうかをチェックして. めに,各項目の経験率を算出した(Tablel右側参. もらった.回答形式ほ,「はい」「どちらかといえ. 照).経験率は「たまにしている」と「いつもし. ばばい」「どちらかといえばいいえ」「いいえ」の. ている」を合計した百分率である.その結果,す. 4件法であり,得点はあてはまる程度によって4. べての項目が37∼93%の経験率を示し,「授業中,. ∼1点を与えた.. わからないところがあったら,先生に質問しま. (3)原因帰属に関する項目:桜井(1995)の児童. 用原因帰属様式測定尺度から,成績,テスト,宿 題についての「学業達成場面」の項目を選び,そ. す」(37.3%)と「授業中,勉強したことをきちん とおぼえているかどうかをたしかめます」 (48.5%)の2項目以外はすべての項目で半数以. れぞれに成功事態・失敗事態を想定した計6場面. 上が経験していた.このことから,設定した24項. を作成した(Appendix2参照).帰属困について. 目は小学生の学習方略としてよく使用される方略. は「努力」と「能力」をとりあげ,6場面それぞ. であったといえる.また,各項目への回答を従属. れに対して,「努力」(がんばって勉強したから/. 変数にして,学年を要因とした一元配置分散分析. 努力がたりなかったから)と「能力」(頭がいい. とTukeyのHSD検定による多重比較を行ったと. から/頭がよくないから)にどの程度帰属させる. ころ,13項目で学年の主効果が有意であった.多. かを,計12回評定させた.回答形式は,「そう思. 重比較の結果,]_0項目は4年生が多用する方略で,. う」「どちらかといえばそう思う」「どちらかとい. 残り3項目は6年生が多用する方略で,5年生に. えばそう思わない」「そう思わない」の4件法で,. 良く用いられる方略は認められなかった.. 得点は思う程度によって4∼1点を与えた.. 次に,学習方略に関する24項目への回答に基づ. (4)児童の学業成績に関する項目:調査した各学. き,最尤法,Varimax回転による因子分析をおこ. 級の担任教師に児童の学業成績と教室での学習活. なった.その結果,固有値1.0以上の5園子が抽. 動の様子について回答を求めた.その内容は,. 出された.また,固有値の減衰状況をみると,第. 「学習内容の理解度」と「学習活動への意欲」の. 4固有値と第5匡】有値の問において急激な減少が. 2点である.「学習内容の理解度」については,. あったことから,因子数を5因子から順次減少さ. 「よく理解している」「だいたい理解している」「あ. せて,因子の解釈を行ったところ,最も解釈しや. まり理解していない」「理解していない」の4件. すいと判断した4因子解を採用した(Tablel参. 法である.「学習活動への意欲」ついては,「非常. 照).第4因子までの累積寄与率は46.7%であっ. に意欲的」「やや意欲的」「あまり意欲的ではない」. た.第1因子は,「授業中,勉強したことをきちん. 「意欲的ではない」の4件法である.いずれもあ. とわかっているかどうかをたしかめます」,「勉強 19.

(7) 吉田 典史・戸田 弘二. T8blel学習方略の因子分析結果 内 容 目 授業中,勉強したことをきちんとわかっているかどうかをたしかめます. 仇β9. 授業中,勉強したことが正しくできているかどうかをたしかめます. 0.β2. 授業中,勉強したことをきちんとおぼえているかどうかをたしかめます 習ったことをおばえられるように,くりかえし書いたりして練習します. 仇即. 項. Ⅱ. J. Ⅲ. Ⅳ. 0.21 0.19. 0.12. 0.17 0.26. 仇4β. 0.29. 仇イ5. 0,19. 仇37. 0.16. 大事なことは、くりかえし読んでおぼえようとします 教科書を読むとき,ときどきとまって中味を考えながら読みます. ∂.3∂. 0.28. ロ.β5. 0.13. 大切だと思ったところは,先生に言われなくても,ノートにまとめます. 0.21 (フ.乃. 51.6 58.8 48.5. 0.21 0.20. 61.4. 4〉5. 53.9. 4〉5. 0.22. 0.27 0.20. 68.8. 0.29. 0.23. 67.3. 0.34. 0,14. 54.7. 4>6,5. 0.04. 0.10. 63.3. 6〉4,5. 0.35. 0.20 ().β7. 0.14 0.17. 0.18. 勉強を始める前に,何をどのように勉強すればよいか考えます 自分がよくわからないところはどこなのか,はっきりさせようとします. 「大切だな」と思ったら,しっかり聞いてメモをとります. 0.18. 経験率(%)多重比較. 0.11. 0.17. 66.1 63.2. 授業の中味を,自分で工夫しなからまとめて雷きます 教科書を読みながら大事なところに線を引きます. 0.18. 自分の考えや感想などを召いたら,まちかいかないか見直しをします 新しいことか出てきたら,知っていることと結びつけて考えます. 0.29. 仇3ロ. 0.15. 0.20. 64.0. 0.27. 0.12. 仇4β. 0.19. 60.5. 授業中,わからないところがあったら,先生に質問します. 0.12. 授業中,大切なところはどこかをさがしながら勉強します 授業中,はっきりしないところかあったら,友達にきいてたしかめます. 0.34. 大切なことからは,自分のことばにしておぼえます. 0.33. 0.28. β,34. 発表すると喜は,頭の中で話すことを整理してから発表します. 0.08. 0.17. 8」33. 初めての問題が出てきたら、知っているやり方でやってみようとします. 0,26. 0.]4. 話を聞くときは,話している人の方をしっかり見ます. 0,05. 授業の中味がおもしろいと思えなくても,最後まで集中して聞いています. 0.27. 0.25. 0.11 β.5∂. 72.4. 先生の言っていることをよく聞いてわかろうとします. 0.29. 0.17. 0,19 (フ.朗. 93,0. 発表するときは,聞いている人の方をしっかり見ます. 0.18. 固有値の二乗和. α係数. ∂.6β. 0.28. 0.21 ¢.40. 0.03. 0.08. 0.25. 37.3. ∂.3β. 0.21. 60.6. 0.11 0.12 ().β7. 0.02. 75.4. 0.06. 0.21. 0.26 0.12. D.06. 0.16. 0.27. 0.19 α郎. ∂.44. 6〉5. 56.6. 0.17. 0.34. 仇43. 0.10. 4〉5. 6〉5. 4〉6,5. 4〉5,6. 56.5 79.4. 4〉5. 89.5 90.1. 77.2. 4〉5,6 4〉6,5. 4,5〉6. 7.34 1.48 1.21 1.12. 0.82. 尺度間相関. 0.73. D.68. 0,68. .596=*.628メ*★.544わり .532雨*.412雷撃†. .491榊 *** p<.001. を始める前に,何をどのように勉強すればよいか. 知識や個人外の人的リソースを活用する方略と解. 考えます」,「自分がよくわからないところはどこ. 釈できることから,「リソース方略」の因子と命名. なのか,ほっきりさせようとします」等,記憶内. した.第4因子は,「話を聞くときは,話している. 容のモニタリングや学習活動のプランニング等に. 人の方をしっかり見ます」,「授業の中味がおもし. 関わる方略と解釈できることから,「メタ認知的. ろいと思えなくても,最後まで集中して聞いてい. 方略」の因子と命名した.第2因子は,「大切だと. ます」,「先生の言っていることをよく聞いてわか. 思ったところは,先生に言われなくても,ノート. ろうとします」等,授業に注意を集中させ,学習. にまとめます」,「授業の中味を,自分で工夫しな. 活動へのモティベーションを高めようとする方略. がらまとめて苫きます」,「教科書を読みながら大. と考えられることから,「注意集中方略」の因子と. 事なところに線を引きます」等,記憶の精緻化や. 命名した.. 体制化に関わる認知的な活動による方略と解釈で. 下位尺度を構成するために,各因子に.3以上の. きるため,「認知方略」の因子と命名した.第3因. 因子負荷竜を示す項目のα係数を算出したところ,. 子は,「新しいことが出てきたら,知っていること. 第1因子から順に,.82,.73,.67,.68となった.. と結びつけて考えます」,「授業中,わからないと. ほぼ満足できる信頼性がえられたので,各因子. ころがあったら,先生に質問します」,「授業中,. を構成する項目への回答の平均値を学習方略の下. はっきりしないところがあったら,友達にきいて. 位尺度得点とした.得点が大きいはどそれぞれの. たしかめます」等,個人内のリソースである既有. 学習方略の使用が多いことを意味する.各下位尺. 20.

(8) 小学生の学習方略と原因帰属及び学習意欲との関連. 度得点問の相関は.41∼.64(p<.001)と比較的強. が5年生よりも有意に得点が高かった.また,性. い正の相関関係にあった.今回見出された4つの. の主効果に関しては,女子が男子に比べ,より多. 学習方略の使用については,どれか特定の「学習. くのリソース方略を用いていることがわかった.. 方略」の使用が突出するということではなく,互. 注意集中方略尺度については,学年の主効果(F. いに他の方略の使用を促進する関係にあることが. [2,842]=11.57,pく001)のみが有意であった.. 予想される.. TukeyのHSD検定による多重比較を行ったとこ. (2)学習方略の性差と学年差. ろ,4年生が5年生,6年生よりも有意に得点が高. 学習方略尺度の4つの下位尺度ごとに,学年(3). いことがわかった.. ×性別(2)の2要因の分散分析を行った(Table2. 以上の結果をまとめると,5年生で学習方略の 使用が落ち込んでいること,注意集中方略を除く. 参照). メタ認知的方略尺度については,学年の主効果. すべての方略で女子の方が男子よりも使用頻度が. (F[2,842]=5.13,pくOl)と性の主効果(F[1,842]. 高いという傾向が見いだされた.. =8.43,p<.01)が有意であった.学年の主効果に関. (3)原因帰属と学習意欲の性差と学年差. してTukeyのHSD検定による多重比較を行った. 原因帰属および学習意欲における性差と学年差. ところ,4年生が5年生よりも有意に得点が高. を検討するために,各変数の尺度構成を行った.. かった.また,性の主効果に関しては女子が男子. まず,「成功努力」「成功能力」「失敗努力」「失. に比べ,より多くのメタ認知的方略を用いている. 敗能力」の帰属図ごとに成績・テスト・宿題の3. ことがわかった.認知方略尺度については,学年. つの場面に対する回答のα係数を算出したところ,. の主効果(F[2,842]=8.78,p<.001)と性の主効果. 「成功努力」帰属が.83,「成功能力」帰属が.8仇. (F[1,842]=89.82,p<.001)が有意であった.学. 「失敗努力」帰属が.77,「失敗能力」帰属が.90と. 年の主効果に関してnlkeyのHSD検定による多. なっており,いずれも充分な内的一貫性を得た.. 重比較を行ったところ,4年生と6年生が5年生. そこで,各帰属因に関する3項目の平均値を算出. よりも有意に得点が高かった.また,性の主効果. し,これを原因帰属の下位尺度とした.いずれも. に関しては,女子が男子に比べより多くの認知方. 得点が高いはど各帰属因に帰属する傾向が弓重いこ. 略を用いていることがわかった.リソース方略尺. とを意味する.次いで,自己効力感,内発的価値、. 度については,学年の主効果(F[2,842]=4.02,. 外発的価値,無気力感に関する各5項目の内的一. pく05)と性の主効果(F[1,842]=7.19,p<.01)が. 貫性を確認したところ,自己効力感では「クラス. 有意であった.学年の主効果に関してTukeyの. のみんなのために係や当番の仕事をしっかりでき. HSD検定による多重比較を行ったところ,4年生. る自信があります」,内発的価値では「新しいこと. Table2 学習方略尺度の平均値(SD)と分散分析結果. メタ認知. リソース. 注意集中. F値と多重比較. 4年生. 5年生. 男. 2.70(0.63). 2.48(0.58). 2.64(0.60). 女 男 女. 2.80(0.56). 2.69(0.60). 2.71(0.61). 4〉5. 2.62(0.67). 2.44(0.63). 2.65(0.69). 8.78*睾*. 2.96(0.51). 2.87(0.66). 3.11(0.60). 6,4〉5. 女〉男. 男. 2.80(0.60). 2.61(0.59). 2.77(0.52). 4.02*. 7.19**. 女 男 女. 2.90(0.55). 2.82(0.56). 2.78(0.54). 4〉5. 3.29(0.52). 3.13 仙58). 3.14(0.56). 3.39(0.51). 3.23(0.56). 3.12(0.56). 6年生. 学年. 性. 5.13如. 8.43**. 11.57輌. 女〉男 89,82♯**. 女〉男 2.76+. 4>5,6. +pく.10 *pく.05 **pく.01***p〈.00l. 21.

(9) 吉田 典史・戸田 弘二. にちょうせんするのが好きです」,外発的価値で. 成功能力尺度についても学年と性の主効果(順に. は「やりなさいと言われるので勉強します」がα. F[2,826]=3.56,p<.05;F[1,826]=13.31,p<.001). 係数を下げていたのでこれを削除し,各尺度項目. が有意であった.学年の主効果に関してmkeyの. のα係数をもとめたところ,自己効力感が.82,内. HSD検定による多重比較を行ったところ,5年生. 発的価値が.77,外発的価値が.73,無気力感が.65. が4年生よりも有意に得点が高かった.また,性. となった.無気力感が若干低めであるが,後はほ. の主効果では男子が女子に比べてより成功を能力. ぼ満足のいく内的一貫性を得たので,それぞれの. に帰属していることがわかった.失敗努力尺度に. 平均値を各尺度得点とした.いずれも得点が高い. ついては性の主効果(F[1,839]=5.67,p<.05)の. ほど各尺度内容の程度が高いことを意味する.. みが有意であった.女子は男子よりも失敗を努力. 次に,原因帰属の4つの下位尺度ごとに学年(3). に帰属していることがわかった.失敗能力尺度に. ×性(2)の2要因分散分析を行った(1臨ble3参照).. ついてはいずれの主効果,交互作用とも有意でな. その結果,成功努力尺度については学年と性の主. かった.以上の結果から成功場面において4年生. 効 果(順 にF[2,840]=3.00,p<.05;F[1,840]. は努力に,5年生は能力に帰属させやすいこと,. =25,29,p<.001)が有意であった.学年の主効果に. および男子は成功を能力に,女子は成功,失敗に. 関してTukeyのHSD検定による多重比較を行っ. かかわらず努力に帰属させやすいことがわかった.. たところ,4年生が6年生よりも有意に得点が高. 学習意欲の4つの下位尺度ごとに学年(3)×性(2). かった.また,性の主効果では女子が男子に比べ. の2要因分散分析を行った(Table4参照).その. てより成功を努力に帰属していることがわかった.. 結果,自己効力感尺度については性の主効果(F. Table3 原因帰属尺度の平均値(SD)と分散分析結果. 成功努力 成功能力 失敗努力 失敗能力. F借と多重比較. 4年生. 5年生. 男. 3.49(0.71). 3.41(0.78). 3.45(0.78). 3,00■. 女. 3.77(0.37). 3.69(0.47). 3.56(0.59). 4〉6. 男 女. 1.81(0.81). 1.95(0.89). 1.90(0.84). 3.56士. 1.56(0.64). 1.75(0.71). 1.75(0.78). 5〉4. 男 女. 3.58(0.62). 3.64(0.58). 3.54(0.68). ns. 3.72(0.46). 3.65(0.56). 3.68(0.47). 男. 1.98(0.91). 2.07(0.96). 1.91(0.88). 女. 2.05(0.93). 2.05(0.96). 2.01(0.91). 6年生. 学年. 性 25.29Ⅲ. 女〉男 13.31…. 男〉女 5.67才. 女〉男 ns. ns. *pく.05 ***pく.001. Table4 学習意欲尺度の平均値(SD)と分散分析結果 4年生. 自己効力感 内発的価値 外発的価借 無気力感. 5年生. F値と多重比較 6年生. 男. 2.45(0.73). 2,49(0.76). 2.45(0.73). 学年. 性. 交互作用. ns. 12.45春1よ. ns. 女. 2.32(0.64). 2.31(0.67). 2.24(0.68). 男〉女. 男. 3.12(0.64). 2.81(0.67). 2.95(0.66)14.95…. 7.66■*. 女. 3.27(0.49) 3.08(0.70) 2.91(0.72). 男. 2.24(0.79). 2.20(0.70). 2.06(0.65). 女. 2.34(0.74). 2.31(0.79). 2.27(0.67). 女〉男. 男. 2.23(0.69). 2.37(0.68). 2.29(0.65) 3.12*. 4.07♯. 女. 2.13(0.66). 2.27(0.66). 2.20(0.65). 4〉5,6 ns. 5〉4. 3.94貴. 女〉男 7.69靡*. nS. nS. 男〉女 *pく.05 **pく.01***pく.001. 22.

(10) 小学生の学習方略と原因帰属及び学習意欲との関連 3.4. (4)原因帰属と学習方略,学習意欲の関連. 3.3. 原因帰属から学習意欲へと至るプロセスにおけ. 3.2. る学習方略の役割について検討するために,原因. 3.1. 帰属の仕方が学習方略の使用を増減させ,これが. 3. 「自己効力感」や「内発的価値」,「外発的価値」. 2.9. に影響するという因果モデルを想定し,これを共. 2.8. 分散構造分析により検証することとした.モデル. 2.7. では「自己効力感」,「内発的価値」,「外発的価値」. 2.6. が原因帰属によって増減する学習方略の使用を経. 2.5 4年生. 5年生. 6年生. 由して生起するパスと,原因帰属の直接的な影響 を受けて生起するパスの両方を仮定している.こ. Fig.1内発的価値尺度の性差・学年差 [1,842]=12.45,pく001)のみが有意であった.男. れによって「自己効力感」,「内発的価値」,「外発. 的価値」といった学習意欲が原因帰属の仕方に. 子は女子よりも有意に自己効力感が高いことがわ. よって生起する反応なのか,それとも学習方略の. かった.内発的価値尺度では学年と性の主効果. 使用を媒介して生起する反応なのかを検討するこ. (順にF[2,842]=14.95,p<.001;F[1,842]=7.66,. とができる.なお,原因帰属および学習意欲に関. pく01)および交互作用(F[2,842]=3.94,p<.05)が. する潜在変数を構成する観測変数には,各下位尺. 有意であった.単純主効果の検定を行ったところ,. 度を構成する項目を用い,学習方略に関しては4. 男子では4年生が5年生,6年生に比べて有意に. つの下位尺度得点を用いることとした.. 得点が高く,女子では4年生が6年生に比べて有. 分析にはAmosVer.4.02を使用した.分析の結. 意に得点が高いこと,および5年生では女子が男. 果得られた標準化推定値をFig.2に示す.モデル. 子よりも有意に得点が高いことがわかった.学年. の適合度はGFI=.928,AGFI=.908,CFI=.948,. とともに女子は徐々に内発的価値が低下する.一. RMSEA=.047と観測変数の数(28個)からみても. 方,男子では5年生で急激に低下するために一時. 充分な値といえる.したがって,本モデルはデー. 的に女子よりも学習に対する内発的価値が低くな. タの分散共分散行列をよく説明していると判断さ. るものの6年生では横ばいとなるために再び女子. れた.. と変わらなくなる傾向が読みとれる(Fig.1参照).. Table5に原因帰属から「自己効力感」,「内発的. 外発的価値尺度では性の主効果(F[1,842]=7.69,. 価値」,「外発的価値」の各学習意欲への直接効果,. p<.01)のみが有意であった.女子は男子よりも有. 間接効果,総合効果を示した.直接効果は原因帰. 意に学習に対する外発的価値が高いことがわかっ. 属から各学習意欲への直接的な影響であり,原因. た.無力感尺度については学年と性の主効果(順. 帰属から「自己効力感」,「内発的価値」,「外発的. にF[2,842]=3.12,p<.05;F[1,842]=4.07,pく.05). 価値」のそれぞれに引かれた矢印に付されたパス. が有意であった.学年の主効果に関してTukeyの. 係数の値である.間接効果は原因帰属から学習方. HSD検定による多重比較を行ったところ,5年生. 略を経由して各学習意欲に間接的に与える影響で. が4年生よりも有意に得点が高かった.また,性. あり,原因帰属から学習方略へのパス係数と学習. の主効果では男子が女子よりも無力感が高いこと. 方略から「自己効力感」,「内発的価値」,「外発的. がわかった.以上より,4年生は内発的価値が高. 価値」のそれぞれへのパス係数の積で表される.. く,5年生は無力感が高いこと,また,男子は自己. 原因帰属から各学習意欲への総合効果は,直接効. 効力感と無力感が,女子は内発的価値と外発的価. 果と間接効果の和である(以上,岡田,2002参照).. 値が高いことがわかった.. Fig.2およびTable5から原因帰属の仕方により 23.

(11) 吉田 典史・戸田 弘二. 直接効果,間接効果のパターンが異なっているこ. (.44,p<.001),「内発的価値」(.57,pく001),「外. とがわかる.以下,原因帰属ごとに結果を詳述す. 発的価値」(.24,p<.001)へのパス係数はいずれも. る.. 有意であった.以上の結果と,Table5の結果を 総合して解釈すると,成功事態を努力に帰属する. 成功の努力帰属 Fig.2より構成概念問のパス 係数を検討すると,「成功努力」から学習意欲への. ことはいずれの学習意欲をも高めることになるが,. 直接効果を表すパス係数が有意であったのは「外. 自己効力感と内発的価値への効果については原因. 発的価値」(.ユ8,p<.01)のみであった.一方,「成. 帰属からの直接効果によるものではなく,学習方. 功努力」から「学習方略」へのパス係数(.41,. 略を経由した間接効果による部分が大半である.. pく001)および「学習方略」から「自己効力感」. つまり,成功事態を努力に帰属することが自己効 力感や内発的価値を高めるのではなく,成功の努. Table5 原因帰属から学習意欲への効果. 力帰属が学習方略の使用を促し,これが自己効力. 直接効果 間接効果 総合効果 自己効力感 ∴01. 成功努力 内発的価値 .07 外発的価値 .18 自己効力感 .41 成功能力 内発的価値 .02. 感や内発的価値を高めているといえよう.また,. .18. .17. .23. .31. .10. .28. 由した間接効果がともに外発的価値を高める方向. .04. .45. で影響している.. .05. .07. 外発的価値 .18. .02. .21. 自己効力感 .05. .03. .02. 失敗努力 内発的価値 .03 外発的価値 .01 自己効力感 一.35 失敗能力 内発的価値 一.10 外発的価値 .16. 成功の能力帰属 Fig.2より「成功能力」から 学習意欲への直接効果を表すパス係数が有意で. .04. .Ol. あったのは,「自己効力感」(.41,pく001)と「外. .02. .03. 発的価値」(.18,p<.001)であった.また,「成功. ∴07. -. 42. −.09. −.19. ∴04. .12. Fig.2 原因帰属から学習方略,学習意欲への分析モデル 24. 外発的価値は成功努力の直接効果と学習方略を経. 能力」から「学習方略」へのパス係数(.09,p<.05). も弱いながらも有意であった.以上の結果と,.

(12) 小学生の学習方略と原田帰属及び学習意欲との関連. Table5の結果を総合して解釈すると,成功事態. つ.このために結果として,失敗の能力帰属は自. を能力に帰属することは直接,自己効力感や外発. 己効力感と内発的価値を低減させ,外発的価値の. 的価値を高めることになるが,学習方略の使用へ. 直接効果を若干弱めることになる.. の影響は弱いために,効果の大半は直接効果によ. (5)原因帰属と学習方略,教師評価. 児童の原因帰属と学習方略の使用が教師による. るものといえる.. 失敗の努力帰属 Fig.2より「失敗努力」から. 児童評価にどのように影響するか検討するために,. 学習意欲への直接効果を表すパス係数はいずれも. 担任教師から得た各児童の「学習内容の理解度」. 有意でなかった.さらに,「失敗努力」から「学. と「学習活動への意欲」に関する評価を観測変数. 習方略」へのパス係数も有意でなかった.以上の. として投入した分析モデルを作成し,共分散構造. 結果と,1もble5の結果を総合して解釈すると,. 分析を行った.分析の結果得られた標準化推定値. 失敗事態を努力に帰属することは,直接的にも,. をFig.3に示す.モデルの適合度は,GFI=.953,. 間接的にも学習意欲に影響を及ぼすことはないと. AGFI=.933,CFI=.966,RMSEA=.049と充分な値. いえる.. を示していた.Table6に原因帰属から「教師評. 失敗の能力帰属 Fig.2より「失敗能力」から. 価」への直接効果,間接効果,総合効果を示す.. 学習意欲への直接効果を表すパス係数は「自己効. Fig.3より,原因帰属から教師評価への直接効果. 力感」(−.35,pく001),「内発的価値」(−.10,. を表すパス係数が有意であったのは「成功能力」. p<.01),「外発的価値」(.16,p<.001)と,いずれ も有意であった.また,「失敗能力」から「学習 方略」へのパス係数(−.16,p<.001)も有意であっ. (.12,p<.01)と「失敗能力」(−,22,p<.001)で あった.また,「成功努力」と「失敗能力」から 「学習方略」へのパス係数(各々.41,pく001と−. た.以上の結果と,Table5の結果を総合して解. .15,p<.001)と「学習方略」から「教師評価」へ. 釈すると,失敗事態を能力に帰属することは,直. のパス係数(.35,p<.001)も有意であった.以上. 接自己効力感と内発的価値を低め,外発的価値を. の結果と,Table6の結果を総合して解釈すると,. 高める効果を持っが,同時に学習方略の使用を減. 失敗,成功事態にかかわらず能力帰属は直接教師. 少させることで間接的に学習意欲に負の効果を持. 評価に影響すること(失敗事態では負の,成功事. Fig.3 原因帰属,学習方略と教師評価 25.

(13) 吉田 典史・戸田 弘二. Table6 原因帰属から教師評価への効果. 散構造分析により分析した.分析の結果得られた 標準化推定値をFig.4に示す.モデルの適合度は,. 直接効果 間接効果 総合効果 成功努力. ∴10. .14. .05. 成功能力. .12. .02. .15. 失敗努力. .02. .03. .04. 失敗能力. ー.22. −.05. ∴28. GFI=.954,AGFI=.929,CFI=.951,RMSEA=.060. と充分な値を示していた.Fig.4より,教師評価 に直接効果を持つのは「自己効力感」(.55,pく001) と「外発的価値」(−.10,pく05)であった.この. 態では正の効果),学習方略の使用が教師評価に. 結果から,自己効力感の高い児童はど教師による. 正の効果を持つために,特に失敗の能力帰属は間. 評価が高いことがわかった.また,弱いながらも. 接効果もともなって教師評価をいっそう低めるこ. 外発的価値が負の効果を持っていたことから,外. と,努力帰属は失敗,成功事態にかかわらず教師. 発的価値の高い児童は教師評価が低いといえる.. 評価に直接的な効果を持たず,成功の努力帰属に おいて学習方略の使用による間接的な効果が認め. 考 察. られるにすぎないこと,などがわかった(ただし,. 直接効果に相殺されるために総合効果はわずかな. 本研究の第1の目的は,小学生が授業中に使用. ものであった).. する学習方略について検討し,小学生にふさわし. (6〉学習意欲と教師評価. い学習方略尺度を構成することであった.その結. 児童の学習意欲が教師による児童評価にどのよ. 果,「メタ認知的方略」(記憶内容のモニタリング. うに影響するか検討するために,児童の「自己効. や学習活動のプランニング等に関わる方略),「認. 力感」,「内発的価値」,「外発的価値」が「教師評. 知方略」(記憶の精緻化や体制化に関わる認知的な. 価」に影響するというモデルを立て,これを共分. 活動による方略),「リソース方略」(既有知識や人. Fig.4 児童の学習意欲と教師評価 26.

(14) 小学生の学習方略と原因帰属及び学習意欲との関連. 的なリソースを活用する方略),「注意集中方略」. (授業に注意を集中させ,学習活動へのモティ. 芦塚・中田,1999/塩見・矢田・中田,1997)と いう報告と6年生までは学年とともに使用が多く. ベーションを高めようとする方略)の4因子が抽. なる(佐藤・新井,1998)という報告があり,必. 出され,これにもとづいた尺度構成を行った.佐. ずしも一致した見解は得られていない.本研究の. 藤・新井(1998)は学習方略に関する先行研究を. 結果は4年生の使用が多いという点で塩見らの報. 概観し,“メタ認知的方略”,“認知的方略’’,“外的. 告に近い結果となっている.佐藤らは小学校4年. リソース方略”,“感情的及び動機づけ的方略”の. 生から中学校2年生までを対象としており,学習. 4つの共通要素を見いだしている.佐藤らによれ. 方略項目の内容が全体として小学校4年生にほ高. ば,“メタ認知的方略’’とは自分の認知や行動をモ. 度であったのかもしれない.では,何故方略の使. ニターし,コントロールする方略のことで,本研. 用が5年生にかけて減少し6年生で若干の回復が. 究の「メタ認知的方略」にほぼ対応する.ただし,. 見られたのであろうか.一般に5年生では学級編. 本研究での「メタ認知的方略」には佐藤らが“認. 成が行われ,学級担任が替わる学年である.また,. 知的方略“に含めるリハーサル行動も含まれてい. 学習内容に関しても中学年にくらべて教科が増え,. る点で若干異なっている.’’認知的方略“とはリ. さらに同じ教科であってもより高度で幅広い内容. ハーサルや精轍化,体制化などの記憶方略に代表. へと変化する.このために,それまでの学習方略. されるもので,本研究の「認知方略」に対応す. では対応できない場面が増え学習方略の再構成が. る.”外的リソース方略“ほ問題解決の際に個人. 求められる.そのための試行錯誤が学習方略の使. 外のリソースを積極的に用いる方略である.本研. 用を一時的に減少させたのではなかろうか.事実,. 究の「リソース方略」は外的リソースだけでなく,. 5年生は他の学年よりも無気力感が高く,内発的. 個人内のリソースである既有知識の活用も含んだ. 価値が低い.4年生までに用いてきた学習方略が. 方略となっている.”感情的及び動機づけ的方. 5年生の学習内容にうまく適合せず,学習自体へ. 略“とは注意を集中させたり,自らの動機づけを. の興味やおもしろさを低下させているものと思わ. 高めるためにがんばる方略であり,本研究の「注. れる.. 意集中方略」に対応している.このように項目内. また,性差に関しては,注意集中方略を除く全. 容の若干の重複等は見られるものの,本研究で見. ての方略で女子の方が男子よりも多く使用してい. いだされた4因子は先行研究で共通して見いださ. た.さらに,原因帰属では男子が成功事態を能力. れた4つの基本方略によく一致しており,本研究. に,女子は成功,失敗事態にかかわらず努力に帰. で構成された学習方略尺度の内容的妥当性を保証. 属しやすいこと,学習意欲では男子は自己効力感. するものといえる.. と無気力感が,女子は内発的価値と外発的価値が. 次に,学習方略,原因帰属,学習意欲の学年差. 高いことがわかった.女子の方が方略の使用が多. と性差を検討した.学年差に関しては,全ての方. いという結果は,本研究のみならず多くの先行研. 略使用が4年生から5年生にかけて減少し,注意. 究(例えば,伊藤,1996;佐藤,1998;佐藤・新. 集中方略以外は6年生で若干回復するという特徴. 井,1998;塩見他,1997;塩見他,1999など)で. が見られた.また,原因帰属では4年生が6年生. も報告されている傾向である.しかし,どの研究. よりも成功事態を努力に,5年生が4年生よりも. でもこの原因についての有効な説明はなされてい. 成功事態を能力に帰属しやすいこと,学習意欲で. ない(佐藤・新井,1998).本研究でもこの原因. は4年生は5年生,6年生よりも内発的価値が高. に対する直接的な証拠は見あたらないが,女子の. く,5年生は4年生よりも無気力感が高いことが. 方が男子にくらべて高度に成功事態を努力に帰属. わかった.学習方略の学年差については,4年生. すること,及び成功の努力帰属が最も強く学習方. は5年生,6年生よりも方略を多用する(塩見・. 略の使用を高めることと関連するのではなかろう 27.

(15) 苫田 典史・戸田 弘二. か.桜井(1989)が指摘するように,わが国には. 期待できないということである.この意味でも,. 成功一失敗に関わらず努力することを激励する. 学年や教科内容を充分考慮に入れた学習方略を精. “努力万能主義’’的教育態度が存在するように思. 選し,それを具体的に児童に提示・指導できるよ. われる.女子が男子よりも社会的期待を意識し,. うな教育方法の開発が求められる.一方,成功の. 適応するための特性を多く有している(佐藤・新. 能力帰属は直接,自己効力感と外発的価値を高め. 井,1998)とすれば,女子における努力帰属の強. る効果を持っていた.この結果も,伊藤(1996). さは,社会の期待する“努力万能主義”が原因と. と一致しているが,木研究から内発的価値に対し. なっているのかもしれない.. てはほとんど効果を持たないことがわかった.成. 本研究の第2の目的は,原因帰属から学習意欲. 功の努力帰属とくらべると,自己効力感への効果. へと至るプロセスにおける学習方略の役割を検討. は直接的であり,より強いものであるが,内発的. することであった.まず,学習方略と学習意欲に. 価値をともなわないことから,児童の自発的学習. 関しては,学習方略の使用が自己効力感,内発的. 態度の育成には成功の努力帰属の方がより効果的. 価値,外発的価値いずれも高める効果を持っこと. と思われる.失敗の能力帰属は学習方略の使用を. がわかった.この結果は,伊藤(1996)や塩見他. 抑制し,また直接自己効力感や内発的価値を低め. (1997)とも一致している.学習方略の使用は児. ていた.この結果も先行研究(佐藤・新井,1998;. 童の学習意欲を高める効果を持つが,特に学習の. 伊藤,1996;塩見ら,1999など)と一致していた.. 大切さやおもしろさといった内発的価値に対する. また,失敗の能力帰属には無気力感を強める効果. 効果が大きいといえる.次に,原因帰属と学習方. があり(β=.255,p<.001),最も避けなければなら. 略に関しては,成功の努力帰属が最も学習方略の. ない帰属様式といえる.. 使用を促し,成功の能力帰属も弱いながらも方略. 本研究で最も注目したのは失敗の努力帰属の効. 使用を促進する効果を持っていた.また,失敗の. 果であった.と′いうのも,Weiner(1979)の原因. 努力帰属は学習方略の使用と関連せず,失敗の能. 帰属理論によれば,失敗事態での努力帰属は感情. 力帰属は方略使用を抑制する効果があった.この. を介して達成行動を促すとされており,失敗した. 結果も,伊藤(1996)や塩見ほか(1999)と一致. 児童の学習意欲を高めるための指導方法に関する. しており,本研究からも成功事態では努力帰属を. 示唆を与えてくれると期待されたからである.結. 促し,失敗事態では能力帰属をさせないよう指導. 果は,失敗の努力帰属は学習方略の使用とも,い. することが児童の学習方略使用を促進するための. ずれの学習意欲とも関連していなかった.この結. 有効な手だてとなるといえよう.. 果は,多くの先行研究(樋口・鎌原・大塚,1983;. 原因帰属から学習意欲へと至るプロセスにおけ. 桜井,1995;伊藤,1996など)と一致したもので. る学習方略の役割に関しては,成功の努力帰属が. あり,失敗の努力帰属が児童の学習意欲を高める. 最も学習方略の使用を促進し,間接的に自己効力. ことにはならないというこれまでの報告を再確認. 感や内発的価値を高めるということがわかった.. するものであった.これに関して桜井(1989)は,. 成功の努力帰属が自己効力感を高めるということ. 失敗事態において努力しなかったという帰属が,. ば伊藤(1996)でも報告されているが,本研究か. 努力すればできるという帰属につながっておらず,. ら両者の関連が直接的なものでほなく,学習方略. 努力しても無駄であると思っているのではないか,. を経由した間接的な効果であることがわかった.. また失敗事態を能力に帰属することが抑うつや絶. すなわち,成功事態を努力に帰属することは児童. 望感につながるために,努力に帰属することで自. の自己効力感や内発的価値を高めるが,これは成. 己を防衛しているのではないかと考察している.. 功の努力帰属が学習方略の使用を促進するためで,. ここから失敗した児童に対する指導のあり方につ. 学習方略をともなわない場合は学習意欲の向上を. いて,次の考察を行うことができる.失敗事態で. 28.

(16) 小学生の学習方略と原因帰属及び学習意欲との関連. の努力帰属は失敗の能力帰属を防ぐためにも必要. のとなり,必然的に復習やテスト勉強といった家. な帰属様式であるが,それだけでは学習意欲を低. 庭での学習の重要性も増してくる.本研究で「学. 下させないという消極的な意味しか持たない.失. 習方略」の使用が4年生から5,6年生にかけて減. 敗事態を努力帰属させるとともに,具体的な努力. 少しているものが多かったことはこのことを反映. の仕方(っまり,学習方略の使用方法)を教える. している可能性がある.また,本研究で作成した. ことにより,「やればできる」という効力期待(杉. 学習方略尺度は内容的には先行研究の共通要素を. 浦,1996;Bandura,1977)を高める必要がある.. よく反映した構成になっているが,必ずしも因子. このような介入により失敗の能力帰属を抑制し,. が単純構造化されていないことや,認知方略に関. 同時に学習方略を多用させることで,失敗した児. わる項目がメタ認知方略に含まれていること,感. 童の学習意欲を高めることができると考えられる.. 情的及び動機づけ的方略に対応する尺度項目が注. 本研究の第3の目的は,原閃帰属や学習方略,. 意を集中させることに限定されていることなど,. 学習意欲が児童の実際の学習活動につながってい. 内容的妥当性を高めるための更なる改定が必要で. るかどうかを検討するために,担任教師による児. ある.. 童評価との関連を調べることにあった.その結果,. 第2に,実験や実践研究を通して,本研究で提. 学習方略を多用する児童や成功事態を能力に帰属. 言した指導方法の実際の効果を検討する必要があ. する児童は学習内容の理解度がよく,学習活動に. る.本研究の結果は理論的,統計的に無理のない. 意欲的であること,失敗事態を能力に帰属する児. モデルであるが,さらに理論的根拠のあるより適. 童はその逆であることがわかった.また,自己効. 合度の高いモデルへの発展も可能であろう.また,. 力感の高い児童は教師評価が高く,児童の自己効. 一度きりの質問紙法で因果関係を仮定し検討する. 力感ほ実際の学習活動に正の効果を持っことがわ. といった方法論をとっているため,実際の教育的. かった.自己効力感と学業成績の間に正の相関が. 効果については,必ずしも明らかにされたとはい. あることは先行研究(伊藤,1996;塩見ら,1997). えない.玄(1993)は算数の苦手な低学年の児童. でも報告されており,自己効力感を高めることに. を対象に教育実践的研究を行い,成功事態に注目. よる学習活動への効果がここでも確認された.し. し,それによって頑張りを評価し励ます努力帰属. かし,内発的価値は教師評価と関連せず,外発的. 的評価が学業スキルやエフイカシー予期を高める. 価値に至っては教師評価に負の効果を持っていた.. 上で効果的であることを実験的に確かめている.. 内発的価値と外発的価値はともに学習活動への動. このような教育実践的研究の成果が,調査研究で. 機づけに関わる学習意欲である.一方,自己効力. のモデルを精緻化し,再び教育実践研究によって. 感は学習活動に対する自信であり,同じ学習意欲. その効果が評価されることでより効果的な指導・. といっても並列されるものではなく,因果の水準. 介入の方法が発展することになるだろう.. が異なるのかもしれない.今後は,学習意欲と実. 学習方略は教師と児童の授業中における共通言. 際の学習活動に関するより実態に即した因果モデ. 語として,できるだけ具体的であるはうが良い.. ルを構築し,検討する必要がある.. 学習方略が具体的に示されることで子どもは努力. 最後に,本研究の限界と今後の課題を指摘して. の仕方を学び,適切な学習方略の使用により学習. まとめに代えたい.まず第1に,学習方略尺度を. 意欲や実際の学習活動の高まりが期待できる.学. 改定する必要があるということである.今回は,. 習への意欲とともに「学習方略」の研究を進めて. 小学生の児童が授業中に使用すると考えられる,. いくことは,教室における教師の指導実践に,有. 学習方略により尺度を構成した.っまり,家庭学. 益な示唆を与えてくれるはずである.. 習等の授業時間以外の学習方略は意図的に除外し た.しかし,学年が上がれば学習内容も高度なも 29.

(17) 吉田 典史・戸田 弘二. 引用文献・引用サイト. 杉浦健1996 クラスの学習目標の認知が原因帰属と期待・無気 力感に及ぼす影響について 教育心理学研究,44,269−277.. Bandura,A.1977goe孟α∠上eαr托‘几gmeOり・(原野広太郎監訳1979 『社会的学習理論』金子書房). Bandura,A.(Ed.)1995SelrEmcaqyinChangingSocielies(本 明覚・野口京子監訳1997『激動社会の自己効力』金子蕃房) 学習意欲研究会 2002「学習意欲に関する調査」:http//www.nier. go.jpnlOmepage/kyoutsuu/seikaO20801.htm. Weiner,B.1979 Atheoryofmotivation払rsomeclassroomex− periences.JournaloFEducalioTlal顆γCholo幻′,71,325. Zimmerman,B.J.&Martinez−Pons,M.1990Studentsdiffer encesinself−regulatedlearning:Relatinggrade,SeX,andgift− ednesstoself−efficacyandstrategyuse、JournaloFEducallonal P砂e九oJogγ,82,51−59.. 玄正焼1993 努力帰属的評価がエフイカシー予期の認知と学業 達成に及ぼす効果 教育心理学研究,41,221−229. 速水敏彦1993 外発的動機づけと内発的動機づけの間−リンク 信条の検討 名古屋大学教育学部紀要(教育心理学科), 40,77−88. 速水敏彦1995 外発と内発の間に位置する達成動機づけ 心理 学評論,38,171−193. 樋口一辰・鎌原雅彦・大塚雄作1983 児童の学業達成に関する 原因帰属モデルの検討 教育心理学研究,31,1827. 穂坂智俊1989 算数場面における自信と好意度と原因帰属の影 響過程における一研究 教育心理学研究,37,259−263. 市川伸一 2001学ぶ意欲の心理学 PHP新車 伊藤崇達1996 学業達成場面における自己効力感,原因帰属, 学習方略の関係 数育心理学研究,44,340−349. 伊藤崇達1997 小学生における学習方略,動機づけ,メタ認知, 学業達成の関連 名古屋大学教育学部紀要(教育心理学科) 44,135−143. 鹿毛雅治1995 内発的動機づけと学習意欲の発達 心理学評論, 38.146−170. OECD(経済協力開発機構)2000 PISA(学習到達度調査) http://www.mext.go.jp/も_menu/toukei/001/index28.htm 岡田佳子 2002 中学生の心理的ストレス・プロセスに関する研 究一二次的反応の生起についての検討一 散育心理学研究, 50,193−203. Pintrich,PR.&DeGroot,E.V1990 MotivationalselfTregula− tionlearningcomponentsofclassroom academicperfbrm− ance.ノ仙〃1αJo/βdueα昆0托αヱ顆γ亡んog嘲,82,33−40.. 桜井茂男1989 児童の絶望感と原因帰属との関係 心理学研究, 60,304−311. 桜井茂男1995 無気力の教育社会心理学 風間書房 桜井茂男1997 学習意欲の心理学 誠信書房 桜井茂男・高野清純1985 内発的一外発的動機づけ測定尺度の 開発 筑波大学心理学科紀要,7,43【54. 佐藤純1998 学習方略の有効性の認知・コストの認知・好みが 学習方略の使用に及ぼす影響 教育心理学研究46,367−376. 佐藤純・新井邦二郎1998 学習方略の使用と達成目標及び原因 帰属との関係 筑波大学心理学研究,20,115−124. 塩見邦雄・芦塚文也・中田栄1999 小学生の自己調整学習方略 及びそれに影準を及ばす要因の研究 兵庫教育大学研究紀要 (第1分冊)19,1−10. 塩見邦雄・矢田真士・中田輿1997 小学生の学習者欲及びそれ に関連する要因の研究 兵庫教育大学研究紀要,17,1−13. 30. (吉田典史 札幌・岩見沢校大学院生) (戸田弘二 岩見沢校教授).

(18) 小学生の学習方略と原因帰属及び学習意欲との関連. Appendixl学習意欲に関する項E] 【自己効力感項目】 Ⅹ26.勉強していることがいっもよくわかります. X27.クラスの中では,勉弓虫が得意な方だと思い ます. X34.クラスの中では優秀な方だと思います.. X43.クラスのみんなのために係や当番の仕事を きちんとできる自信があります.(削除). Ⅹ45.これからの学校の勉強で,よい成績がとれ ると思います. 【内発的価値項目】. Appendix2 原因帰属に関する項目 【成績場面】 ・あなたがよい成績をとったとしたら… Ⅹ46.がんばって勉強したから(成功努力) Ⅹ47.頭がいいから(成功能力) ・あなたがわるい成績をとったとしたら… Ⅹ48.努力がたりなかったから(失敗努力) Ⅹ49.頭がよくないから(失敗能力) 【テスト場面】 ・あなたがテストの問題をかんたんにとくことが できたとしたら…. Ⅹ28.勉強することが好きです.. Ⅹ50.がんばって勉強したから(成功努力). X29.勉強することは自分にとって役に立っこと. Ⅹ51.頭がいいから(成功能力). だと思います. X31.新しいことにちょうせんするのが好きです. (削除). Ⅹ35.勉強することば自分にとって大切です. X37.勉強することがおもしろいです. 【外発的価値】. Ⅹ33.先生にほめられるとうれしいので勉強しま す.. X36.クラスのみんなにみとめられたいので勉強 します.. X39.お父さんやお母さんにはめられるとうれし いので勉強します. X40.「やりなさい」といわれるので勉強します.. ・あなたがテストの問題をほとんどとくことがで きなかったとしたら‥・ Ⅹ52.努力がたりなかったから(失敗努力) Ⅹ53.頭がよくないから(失敗能力) 【宿題場面】 ・あなたが宿題をかんたんに終わらせることがで きたとしたら・t・. Ⅹ54.がんばって勉強したから(成功努力) Ⅹ55.頭がいいから(成功能力) ・あなたが宿題を終わらせることができなかった としたら… Ⅹ56.努力がたりなかったから(失敗努力) Ⅹ57.頭がよくないから(失敗能力). (削除). Ⅹ42.よい成績をとりたいので勉強します. 【無気力感項目】 Ⅹ30.宿題を忘れてしまうことが多いです.. 注)質問紙では漢字にはすべてふりがなを振って いる.. X32.授業になかなか集中できないことがありま す.. X38.勉強してもよい結果が出ないと思って,や る気がおきないことがあります.. X41.テスト前でもなかなか勉強する気になれま せん.. X44.授業がむずかしく感じて,ついていけない なと思うことがあります.. 31.

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参照

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