±方形波パルス列電圧印加時の絶縁液体中のTSCLC
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(2) . 3巻 第1号 北海道教育大学紀要 (第2部A) 第3. i l Sec t IA)Vo i i i i fEduca lofHokka do Un t t onl on( Journa ve r s yo .l ,33 ,No. 昭和57年9月 sept 982 embe r ,1. ±方形波 パ ルス列 電圧印加時の絶縁液体中の TSCLC. 淳*. 中村岩美・佐藤. 北海道教育大学岩見沢分校電気工学研究室 *岩手大学工学部電力工学研究室. ient SCLCin 工nsulating Li Trans quid under ± Square ▽vave PulseS VO1tage lwami N AKAMURA and TadashiSATO* ion i i l dくa i d。 Un l ty 。fEducat ing Laboratory i IEng ineer E1 r ve s t zawa Col ege r ca ec , ,Ho ,.Wami lwaml zawa068 *Depar i i i ty i i tmentofE1 e Un rs nee r ng ve ect r c Powe r Eng , ,lwat N[ i or oka020. Abstract. ▽ve haVe preVious1y reported Wi th regard to the transient space charge 1虚1ited current. (TSCLC)phenomenaininsulators onthe numerical analysis method, which i iona ld i i but imens t n r onforchargesi chargesi s n2 ‐d. i tute was to subst. ld i i but ion d imens i t ona s r , lnthe present. i h dit ib t th th ts of the current paper we report the calculating resul , e space c arge s r u on, e. l l l ialandthe electricf i ld When ± square wave pulses voltage wasaddedtothepara e e potent iqu id ntheinsulatingl plane electrodesi . ion to thet ime of positive one was i ime of negative voltage appl l fthe ratio ofthet cat i AI 1chargesbacked k tt lert hano 75 smal . ,acurrent pea wasobservedinthecurren ‐ mecurve. ly the value o f ied. Consequent l ion electrode whi tot hein ject ethe negative voltage was appl ,. l ime Waslate. i t t thecurrent peak wasl eandthet. SI. 緒. 言. 前報では, 絶縁液体中に可動イオンがn種類存在する場合について, その電気伝導現象を 「体積 電荷を面電荷に置換するモデルによる TSCLC 数値解析法」 を用いて解析した. 絶縁液体中に直流ステッ プ電圧を印加した場合, 液体中に空間電荷を形成し, 電界を歪ませる. この歪みが液体の絶縁破壊に影響を与える。 Bragg 氏らはベ ンゼンに対し, 電解質の水溶液をイオ ン放射電極 (電荷注入源) とし, その水溶液の濃度を変えることにより, 電界の歪度合と絶縁破壊 ( 2 ) 9.
(3) . 中村岩美・佐藤 淳. 1 ) 著者らの一人はプラズマを電荷注 入電極として方形波パ ルス列電圧印 圧の関係を調べている( . 2 ) その他 空間電荷効果や可動イ オンの振舞などについても不明な点 時の破壊現象を調べている( . , . 3 ) ~ 5 ( ) また 理論解析では 液体よりも固体中 での電 多く, 色々な視点から研究が進められている( , , . 6 9 ) ~ ( ) これらの計算における基本的な考え方の 多くは液体に 伝導現象を解析している例 が多いが( , 適用 できると考えられる. 本論文では,これらの絶縁破壊およ び電気伝導機構解明の-考察として,± パ ルス列電圧を印加し 場合の TSCLC 現象を前報と同一モデルを適用して数値解析し, 過渡電流波形, 電界および電位 経時変化, 電荷の移動状態などに ついて計算結果を得たの で報告します. なお,土パ ルス列電圧印加時の電圧立上り時間およ び立下り時間における電荷注入電極側 での可 イオンの挙動や集電極側に到達した時の可動イ オンの挙動については, さらに検討を要すること 多いと 思われるの で追っ て稿を改めて報告する.. S2 過渡現象の簡易モデル 1 1 )と基本的に同じであり ここ では異なる部分 についてだけ述べるので 過渡現象のモデルは前報( , さ れ た い.. 第1図のような二枚の平行平板電極間 (一 方の電極を単極性の電荷注入電極とする) に第2図の うな± パ ルス列電圧を印加する. 絶縁液体の誘電率を e , 電極間距離をdとする, また, 加える電 一電圧印加期間を T はVとし,十電圧 印加期間を TA Bとする. 電源投入時における t = to十(十 , 圧 の立上り時間) には電圧は0から十Vまで変化する. TA 時間後のt=TA 十(-電圧の立下り時 )には 電圧は十 Vから-Vま で-2Vだけ変化する. さ らに TB時間後のt=TB 十(十電圧の立上 時間)には逆に- Vから十 Vま で十2Vだけ変化する. これらの時間は極めて徴少な時間 △tであ と す る. t = to+ お よ び t =TB 十期間には正の電荷注入が行われるが,これらは前報の電荷注入と. -手順が繰り返されることとする. t =TA 十期間には両極性の電荷注入が可能であれば負の電荷 入が行われるが, 今は単極性の電荷注入電極と仮定し, この間の電荷注入は起こらないものとす 十期間には各電荷層の 電界は-2Ea (Eaは印加電界) だけ加わることにな . したがっ て, t=TA E す , t=TB十 期 間 に は 十 2 a だ け 加 わ る こ と と る. to十. TA十. TB十. +V. も戸. V. 第1図. 電気伝導を求め る回路図. 0. -V. 第2図 印加電圧波形 0 ) ( 3.
(4) . . 土方形波パルス列電圧印加時の TSCLC. 31. S3 計算結果および考察 計算における条件は, 印加電圧V=±1 000〔V〕 cm〕 , 電極間距離d=1.0〔 , 絶縁液体の誘電率 e=. 1 3〔F/cm〕 電 荷 層 の 移 動 度 =1 0×10‐ 4〔cm2 2.0×10- /Vos 〕 と し た. 絶 縁 液 体 中 の 残 留 導 電 率 ” . , ,. キャリアの拡散等は無視した. また, 電圧立上り時間および立下り時間に伴う電極の幾何学的静電 容量を充電および放電する電流分は無視してある。 〈3。 1〉. 電流波 形. 第3図は十電圧印加期間 TA=2, 0〔 〕一定とし,一電圧印加期間 TBを変えた場合の電流波 形で s e c ある. TAに対して TB が短いときは電流波形に極大現 象がはっきり現われている これは 直流電 , 。 圧 印加時と同様に±パルス列電圧を印加した場合も電極間に時間の経過ととも に空間 電荷 を形成 し, 電 界 に 歪 み を 生 じ て い る た め で あ る しか し,TB を長くしていくと極大現象は弱まり T /T = . , B A 0 .75以上にすると極大現象は波形の上では現われなく なる. これは, TBを長く していくと TA期間 中に注入された電荷層の多くが TB期間中に注入電極側に逆も どりし, 一部電荷層は注入電極に到 達してしまい,電極間の電荷 量が直流電圧印加時より減少するためと考えられる -電圧印加期間中 . の電流波形は, この間の電荷注入が起らないために単なる減衰特性を示している なお, 絶縁体の . 3 ) 1 0 ( ) これは 印加電圧極性反転時には電流波形に極大現象が現われるという実験結果報告 があるが( ’ , 集電極に電荷が蓄積するためと考えられており, 本計算では集電極に到達した電荷層は電極間から 消滅してしまうと 仮定しているので極大現象は現われない。 電荷蓄積については別に報告する予定 であ る。. 電流極大値Jm o , 電流初期値j , 定常電流値J仰 および電流極大発生時間 Tm などの 値を直流電圧 1 1〔A/ や方形波パ ルス列電圧 印加時の値と比較するためにそれぞれの値をi = 印 V2 /d3=2.OXIO- 2 2 cm 〕で規格化した場合の値を表1に示した.j て=d/〆V=10.0〔 s e c oはいずれの場合も0 .505と 変わらないがJm , 」 は直流電圧, 方形波パルス列電圧,±パ ルス列電圧の順に小さくなっ ている. TB= 0,5. さ8 髭. -. 2 1. 9 ‐03. 1,0. . つ-. 2,0. I ○,. g -。. I. 5. 9. 15. 17. 21. 25. 時間 t ( S eC) 第3図. 電流波形 ( 1 ) 3. 29.
(5) . 中村岩美・佐藤 淳. 32. Tm は土パ ルス列電圧, 直流電圧, 方形波 パ ルス列電圧の順に短かくなっ ている。 これは, いずれの 場合も注入された電荷層の波頭部分が集電極に到達したときに 電流波形に極大現象が現われるが, 方形波 パ ルス列電圧 印加時には波頭部 分が短絡期間中でも集電極に向っ て進むために直流電圧 印加 時より時間が短縮さ れるためであり,また,±パ ルス列電圧印加時には波頭部分が-電圧印加期間中 に注入電極側に逆もどりするため直流電圧印加時より時間がかかるため である. 〕を一定とし, TBの値を変化した場合の電流極大値Jm がどのよ 第4図は第3図の TA=2.0〔 ec s 〕以上の場合は電流波形に極大現象は現わ うに変わるかを示したものである. ただし, TB=1 s ec .5〔 れないため,理論上の極大値として注入電荷層の波頭部分が集電極に到達した時の電流値をあてた. Jm は TB=2 〕 までは TB が長くなるにしたがってなめらかな曲線を描いて減少する. s ec .0〔 表I. 2 3およ びd /d /“V で規格化した 値 Jおよ びTを 印 V2 直 流. 一電圧印加期間. パ ル ス 間 隔 〕 0. 5〔 s eC. 〕 0, 5〔 s ec. 〕 1 0〔 s ec .. 〕 1 0〔 s e c ,. Jo (初期値). 0.52. 0.52. 0.52. 0,52. 0.52. lm (極大値). 1,36. 1.245. 1,155. 1.15. 0,95. j仰 (定常値). 1,105. 1.05. 0.98. 1.00. 0,80. T ) m(鞍霜. 0.79. 1.17. 1.08. 0.93. (0, 9 7 )*. (o. 78 )*. (o )* 78 .. 1.96. (1 6 )* .3. * ( )内は十電圧印加期間. 〈3. 2〉. 電荷層の移動状態. 第 5 図 は TA=2.0〔 〕, TB=1.0〔sec〕に お け sec. ( N. o 3 セミ 言繋豊麗為喜美 斧自薦蕃璽文 「 蓄え函溺塁審繋蒙塵審議義幸F 則に集中していたのが十電圧印加期間 初注入電極1. 中野 勤 勘 鯖し ;蝋極 む こ ,徐々 向って進んでし ・く. また, 注入された電荷 屈ま- 電圧印加期間中には注入電極側に逆もどりし, 電 極間から消滅してしまう (この計算では約7割と な っ た). こ れは, TB が長 け れ ば長 い 程 多く, し. . . 8 01 ,. E つ. 「. o TB 第4図. , 20 0 . , ec) 臣 ;. TB-Jm 特性. たがって第4図に見られるように TB が長く なるとJm が小さく なるのは電極間に存在する電荷層 の絶対量が少なく, 電荷層の多くは注入電極側に集中しているためである. いわゆる空間電荷効果 が少なく なっていると言える. 1層目の電荷層 (この電流の波頭部分) が集電極に到達する時間 Tm=19 〕 に電流波形に極大現象が現われているのは先に述べた通り である. s ec .6〔 〈3. 3〉. 電位の経時変化. 第 6 図 は TA=2.0〔 〕の場合における十電圧 印加期間における電位の経時変化 sec TB=1 s ec .0〔 ; を示したものである. t = 0で示しているのは十電圧投入時の電位傾度 で, 空間電荷効果のない,. 印加電圧のみによる電位である. 最初のうちは電荷層が注入電極側に集中しているため 電位傾度の ) ( 32.
(6) . 土方形波 パルス列電圧印加時の TSCLC. 33. o5 瞳 ‐. . 20 時間 t (sec). 10. 第5図 電荷層の移動状態 ふくらみも注入電極側にかたよ っているが, 時間 の経過とともに電荷層は集電極側に分散し, 電位 傾度のふくらみも集電極側に進んでいく.やがて, 電流波形に極大現象が現われるとき集電極側の最 高電位傾度も極大を示す. この電位傾度のふくら みは空間電荷効果により生じるものであるが, 電. t=0. (seC). 流極大値Jm およ び定常電流値J閃 の値が印加 電 圧のちがいにより, 直流電圧, 方形波 パルス列電 圧,±パ ルス列電圧の順に ・さ く な っ て い た の と 同様に このふく らみも同 じ順に小さく なってい る. 〈3。 4〉. 電界の経時変化. o. 第7 囲ま第6図と同じ条件における電界の経時 変化を示した. 点線は十電圧投入時の電界分布 で 歪 み が 生 じて い な い. t = 2〔 〕までは電荷分布 s ec. 」 5 o,. o ー .. 注入電極からの距離 d (c m ) 第6図 電位の経時変化. が注入電極から d=0, 21〔 cm〕までほぼ一様に分布しているため電界傾度も直線的に変化し, d= 〕 では, 0 s ec cm〕 から集電極ま では空間電荷が存在しないため一定値を示している. t=5〔 .21〔 電荷分布がアンバランスに分布するため電界分布に歪みを生じ曲線となる. t =20〔sec〕 では, 電 荷が電極間全体に分布するようになるため電界分布も全体的に曲線となる。 この分布曲線はd=0 . 15〔cm〕 の と こ ろ で折 れ 曲 っ た よ う に な っ て い る が, こ れは, t = 5〔 〕 以後では注入電極から s e c. d=0.15〔 5〔 cm〕 に 多くの電荷が集中し, d=0 cm〕 から集電極ま での電荷分布とに差が生じて .1 い る た め であ る.. ( 3 3 ).
(7) . 中村岩美・佐藤 淳. 34 ・ 140. 4.. E ,loo. ー ,. 5. 2.. . 000 ≦ ;1. 1. t ; 2 5 2 . 11 3, /. 4. 17. 5,. 20. 0. ( Sec). 1 .○. ○.5. 注入電極からの距離. d (Cm). 第7図 電界の経時変化. S4. ま と め. 十パ ルス列電圧印加時の絶縁液体中の電気伝導現象を 「体積電荷を面電荷に置換するモデルによ る ℃SCLC 数値解析法」 を用いて解くことができた. そして電流波形を解析するとともに空間電荷. の挙動や空間電荷効果などに ついても理解することができた. 本研究で明らかになっ た部分を述べ ると次のようになる. 1 ±パ ルス列電圧を印加 した場合でも,一電圧印加期間 TBと十電圧印加期間 TAの比 TB /TA が 0.75以内であれば電流波形に極大現象は現われる. 2. 方形波パルス列電圧印加時には, 短絡期間中に波頭部分 の電荷層は集電極に向って進んでいた が,±パ ルス列電圧印加時には電極間の全電荷層が注入電極側 に逆もどりする. そのため, 電流極 大発生時間 Tm を比較すると方形波パルス列電圧, 直流電圧,±パ ルス列電圧の順に短かくなって い るJ .,. 3 4. 電流極大値Jm が直流電圧およ び方形波 パ ルス列電圧印加時に比べて小さくなるのは電極間に 存在し得る電荷の絶対量が少ないためである. 電界分布の 歪みはd=0.1 5〔 cm〕 のところ で折れ曲っ たような曲線となっている.. 稿を終るにあたり, 本学学生川崎勉君に協力いただいたことを感謝します. 又, 計算には北大大 型計算機センターを利用させていただきました. ( 34 ).
(8) . 土方形波パルス列電圧印加時の TSCLC. 文. 献. l:ノ A帥/ 1954 1 ( ) Bragget ) .a . P勿s , ,25 ,382(. ( ) 2 ( 3 ) ( 4 ) ( 5 ). 佐藤・類家:放電研究会資料, ED-78一5 4 3年6月 , 昭和5 中島:電気試験所集報, 2 4 8 0 1 昭和3 5年 , , 鐘ヶ江・宮本:電学論A, 95 0年9月) , 372(昭和5. KW÷AN.C, KAO:ZEEE, r7勿偲 EZ Z / 1 BC ”s z ‘ ,, . ,E1-11 ,VO ,121 ,1976 尺 1 2 6 1 9 1962 ( 6 ) A. Many・Rakavy:P勿s ) , 8り . , , 80( l:Z APが. P毎s ( 7 ) A.G,Tangena t 1978 ) .e .a . .2876( ,49 E / Z V l E 1 1 N ん ( 8 ) M.Zahn:ZEEE. r焔”s 一1 e C s ” o “ , , , ,4 , o ,1976. ( ) 岩本・日野:電学論A, 1 9 0 0 1(昭和55年6月) , 36 ( l o ) 家田・篠原:電学誌, 7 9 43(昭和3 4年7月) ,8 4年9月 ( 1 1 ) 中村:北教大紀要第二部 (A) , 昭和5. ) ( 35. 35.
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