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<シンポジウム6―1>神経難病および医療ネットワーク重症難病医療ネットワークおよび難病相談・支援センターの構築

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Academic year: 2021

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49:868

<シンポジウム 6―1>神経難病および医療ネットワーク

重症難病医療ネットワークおよび難病相談・支援センターの構築

今井 尚志

(臨床神経,49:868―869, 2009) Key words:重症難病患者入院施設確保事業,重症難病医療ネットワーク,難病相談・支援センター,(超)専門病院,患 者の自立・自律 はじめに わが国の難病医療は世界に類をみない特有の医療制度に基 づいておこなわれている.本稿では 1998 年度から実施されて いる重症難病患者入院施設確保事業における重症難病医療 ネットワークと難病相談・支援センターに焦点をあて,現状 と今後の方向性について概説する. 重症難病医療ネットワークの構築にいたる過程 重症難病患者入院施設確保事業は,1998 年 4 月に健康局疾 病対策課長通知(最終一部修正 2006 年 3 月)として,「重症難 病患者拠点・協力病院整備事業は,入院が必要となった重症 難病患者に対する入院施設の確保及び受け入れ体制等の整備 が円滑に行われるよう,難病医療拠点・協力病院への医療機 器設備の整備を推進するものである.」と都道府県に指示さ れ,全国的に展開されるようになった.本事業の推進には,厚 生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業の補助を受 けた研究班も一翼を担っている. 1998 年度「神経難病医療情報整備研究班」(主任研究者 木村 格),1999∼2001 年度「特定疾患対策の地域支援ネット ワークの構築に関する研究班」(主 任 研 究 者 木 村 格), 2002∼2004 年度「特定疾患の地域医療体制の構築に関する研 究班」(主任研究者 木村 格)が,神経疾患診療の指導的役割 を担う国公立大学の教官や第一線の公的医療機関勤務医をも 巻き込む拠点・協力病院ネットワークの構築に大きく貢献し たことは,特筆に価すると思われる.その後の研究体制は, 2005 年度から「重症難病患者の地域医療体制の構築に関する 研究」(研究代表者 糸山泰人)と「特定疾患患者の自立支援体 制の確立に関する研究」(研究代表者 今井尚志)以下「今井 班」が組織され,緊密な連携をとりながら発展的に継承されて いる. ネットワークの再構築も必要 1998 年に創設された「重症難病患者入院施設確保事業」を 受けて,各都道府県に難病医療連絡協議会が設置され,その指 導下に拠点・協力病院を指定し,難病医療ネットワークが構 築された.各都道府県の難病対策担当者を対象におこなった アンケートの結果,拠点病院には「治験などの先駆的な治療」, 「地域の研修事業」,「地域ネットワーク指導」,「確定診断」が, 協力病院には「長期療養への対応」,「レスパイトのための短期 入院の受け入れ」が期待されていた.しかし,拠点・協力病院 を対象におこなったアンケートの結果から,協力病院では期 待された役割を担うのは難しく,現場での両病院の役割分担 も難しいことが明らかとなった. 宮城県神経難病医療ネットワークでは,1998 年の開始当初 は療養を目的に長期入院の調整をおこなっていたが,徐々に 短期入院や中期入院を拠点・協力病院がおこなうことで在宅 療養の継続ができるように支援してきた.さらに,各病院の特 徴に即したネットワークの再構築を試みている. 「超」専門医療機関としてのチャレンジ 2006 年に宮城病院では筋萎縮性側索硬化症(ALS)の新し い治療薬開発のための臨床試験,患者・家族のメンタルサ ポートと自律を目指した療養支援などを目的に,ALS 専門 医,リハビリテーション専門医,治験専門看護師,医療ソー シャルワーカー(MSW)などからなる ALS ケアセンターを開 設し,これまでの 3 年間で 112 例の患者が受診している.受診 目的は医療以外に在宅療養環境整備・長期療養支援なども多 く,MSW が大きな役割を担っている. 患者の自立・自律を育む役割を担う 難病相談・支援センター 難病相談・支援センターは,2003 年に開始された「難病相 談・支援センター施設整備事業」により地域で生活する難病 患者・家族らの日常生活における相談・支援,地域交流活動 の促進および就労支援などをおこなう拠点として設置され, 約 4 割が難病連などの患者会へ委任されており,4 分の 1 が 都道府県直営,5 分の 1 が拠点病院などの医療機関に委託さ れ運営されている.現在,今井班ではワーキンググループを組 独立行政法人国立病院機構宮城病院〔〒989―2202 宮城県亘理郡山元町高瀬字合戦原 100〕 (受付日:2009 年 5 月 21 日)

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重症難病医療ネットワークおよび難病相談・支援センターの構築 49:869 (流れ図) ②療養環境整備に関する研究 患者の自立・自律 医療機関 診断・告知 メンタルサポート ピアサポート ・ピアサポーターをふくめた相談員の研修プログラムの開発 ・相談内容 Q&A 集作成 ・相談内容と対応の記録の標準化ツールの作成(電子相談票) ①難病相談支援センターへの支援方法の検討 ③就労支援に関する研究 病初期 病状の進行 医療処置 失業 安定した療養 再就職 Fig. 1 織し,相談員のバックアップのためモデル回答集の作成,研 修,ピアサポーターの養成,電子相談票の作成などをおこなっ ている.今や難病相談・支援センター,医療機関,福祉施設そ して就労支援にはハローワークとの連携をおこないながら, 神経難病患者の自立・自律を支援し,潜在能力を引き出して 生きがいにつなげていける時代を迎えつつあると思われる (Fig. 1).

参照

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