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ばっくとぅざぱすと その六

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Academic year: 2021

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ばっくとぅざぱすと その六

現在、日本は金融界と官界が大きく揺れています。大蔵省とか日本銀行といった金融界の頂上で、 贈収賄という汚職が発覚しているからです。公職にある者が特定の企業などに便宜を図るということは、 近代民主主義国家では許されないからです。 ただし、中世社会となるとやや様相が変わります。贈答は盛んに行われるのです。例えば、ある荘園 に国役という税が臨時に賦課されるとします。庄民は荘園領主に訴えて、これを免除してくれるよう働 きかけを依頼(訴)します。そして、具体的には酒手と称して守護などに銭を渡します。こうして免除を勝 ち取るのです。これはオープンであり通念化しています。社会状況があまりに違いすぎるので善悪の判 断は止しましょう。ただし、はっきりしていることは給付に対しては反対給付が必ず在るということです。 それが贈答なのです。これは身分上下を越えています。したがって、この約束・礼を違えることは許さ れないのです。 菅浦(当所)より竹生島に年貢を納めるようになった由来は、暦応年間に、日差・諸河の田地を隣の 大浦庄と争ったときに、竹生島の雑掌(年貢の役人)が京都まで出かけて、訴訟に尽力してくれたから、 7石5斗の年貢を納めるようになった。ところが、今度文安二年の訴訟では、催促しても京都へ出向い てくれなかった。そして、訴訟はけりが付いたが、そういう状況なので、年貢を納めるかどうかは、菅浦 側が勝手に決める権利がある、というものです。中世社会は言わずと知れた身分制の社会です。庄の 住民が対等ではない領主(竹生島は比叡山の末寺で菅浦領主)を相手に、全く合理的な明快な態度を とっています。年貢と雖も領主が領主らしい役割を果たさないと、納めないという姿勢が窺えます。 (社会システム学科 蔵持重裕)

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