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工学規模試験による金属燃料射出鋳造技術の開発

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

高速増殖炉の炉心性能を高めることができる金属燃料には、射出鋳造法(図 1)によって棒状に成型した U-Pu-Zr 合金の燃料体(燃料スラグ)が用いられる。この射出鋳造法(図 1)は工程が簡素であるため、高い経 済性が期待されている。当所は、工学規模射出鋳造試験装置(図 2)を製作し、実用炉に適合する長尺 (400mm 程度)で太径(6mm 程度)の U-Zr 合金スラグの射出鋳造が可能であることを明らかにしてきたが、 射出鋳造技術の実用化見通しを得るためには、燃料スラグ製品の品質や生産効率などにも問題がないことを確 認する必要がある。

目 的

U-Zr 合金を用いた工学規模試験により、実用的な炉心設計やプロセス条件に適合した品質の燃料スラグを 高い歩留まり(原料装荷量に対する製品の割合)で製造できることを確認し、射出鋳造技術の実用化見通しを 得る。

主な成果

工学規模射出鋳造試験を U-10wt % Zr 合金を用いて 10 回実施し、約 500 本の U-Zr 合金スラグを製造した結果、 次のように実用的な燃料スラグ品質と高い歩留まりを達成し、射出鋳造技術の実用化の見通しを得た。 1.実用的な燃料スラグ品質の達成 実用的な炉心設計に適合する燃料スラグ品質のめやすとして長さ 400mm、外径 6mm 程度、外径精度± 0.10mm(局所)± 0.05mm(平均)、密度 15.8 + 0.3 − 0.5g/cm3、Zr 濃度 10 ± 1wt %と設定し、これらを達 成できることを確認した。試験で得た U-Zr 合金スラグの外観を図 3 に、外径と密度の度数分布の一例を図 4 と図 5 に示す。 実用的な金属燃料製造プロセスで想定されているように、射出鋳造後に発生するヒールやスクラップ(図1 参照)を原料として繰り返し再利用した場合でも、不純物(酸素、炭素、窒素、珪素)濃度は制限値のめや す(2000ppm)以下であった。また、金属燃料に適用される乾式再処理において燃料物質に混入する貴金 属や希土類の核分裂生成物を模擬するため、Mo、Pd、Ce、Nd を各々約 1.1 %、0.8 %、0.06 %、0.1 %添加 した U-Zr 合金の射出鋳造試験を実施した結果、これらの添加元素の有意な偏析等は観察されず、均質なス ラグが得られた。 2.高い歩留まりの達成 歩留まりを向上させるためには、原料装荷量に対する射出量の割合(射出割合)をできるだけ高くする必 要がある。そこで、射出時のモールド下端の位置、射出完了時のモールド開口部の浸漬深さ、モールド配置 などを最適化した結果、70 ∼ 80 %の高い射出割合を定常的に達成することが可能となった。 本研究は、電源開発促進対策特別会計法に基づく文部科学省からの受託事業として当所が実施した「金属燃 料リサイクルシステム技術開発」(平成 13 年度)および「金属燃料の乾式再処理プロセスの合理化に関する技 術開発」(平成 14 年度∼平成 17 年度)の成果の一部である。

今後の展開

Pu を加えても実用的な品質の燃料スラグが得られることを小規模の射出鋳造試験によって確認する。 主担当者 原子力技術研究所 次世代サイクル領域 上席研究員 尾形 孝成 関連報告書 平成 13 年度「金属燃料リサイクルシステム技術開発」成果報告書(2002 年 3 月) 平成 14 年度∼平成 17 年度「金属燃料の乾式再処理プロセスの合理化に関する技術開発」成 果報告書(2003 年 3 月・ 2004 年 3 月・ 2005 年 3 月・ 2006 年 3 月) 36

工学規模試験による金属燃料射出鋳造技術の開発

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C.エネルギーと環境の調和

37 図1 射出鋳造法の概要 図2 工学規模射出鋳造試験装置 0 20 40 60 80 100 120 140 5.6 5.65 5.7 5.75 5.8 5.85 5.9 5.95 6 燃料スラグ外径(mm) 度数 (局 所 径 ) 0 5 10 15 20 25 30 35 40 度数 (平 均 径 ) 局所径(mm) 平均径(mm) 局所径の許容範囲 平均径の許容範囲 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 15.2 15.3 15.4 15.5 15.6 15.7 15.8 15.9 16 16.1 16.2 16.3 燃料スラグ平均密度(g/cm3 度数 熱遮蔽蓋 溶融燃料合金 (2)容器閉、原料溶融−   合金化、真空引き (3)鋳型降下、   加圧(射出) (4)鋳型上昇、   冷却 真空引き るつぼ 断熱材 モ−ルド束駆動軸 モ−ルド (鋳型) 原料(金属U&金属Zr) (1)原料装荷、鋳型装着 加圧 (5)鋳型ごと取出し、   鋳型破壊 (6)両端切断 (7)燃料スラグ(製品) 射出残り(ヒール) 誘導加熱コイル 射出鋳造 装置本体 蓄圧タンク 図3 鋳造後のモールド(鋳型)束およびモールドを 除去した後のU-Zr合金スラグの外観(右) 図5 U-Zr合金スラグの密度の度数分布の 一例 図4 U-Zr合金スラグの局所径および平均径の 度数分布の一例 U-Zr最大溶解量約20kg(実用規模は20∼ 50kg)、原子燃料工業1東海事業所に設置 スクラップ 平均密度の許容範囲

参照

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