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立体倉庫の現状と最適設計

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Academic year: 2021

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特集

物流

立体倉庫の現状と最適設計

唐津

はじめに 近年自動倉庫の発展は目ざましいものがある. 昭和30年代後半には,ほとんど稼働していなかっ た完全自動倉庫 (Computer

C

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house) も,現在ではどこにいっても見ることが できる. これを反映して,立体倉庫の年商も約 350 億円 から 400 億円の規模になっている.いまや設置台 数あるいは倉庫システムのレベルは世界の最高水 準をいっているといえる. しかしながら,倉庫システムで改善すべき点が ないわけで、はない.ことに,システムの“ユニー クネス"という点でそれが考えられる.今後の課 題といえよう. さて,このような背景のもとにつの重要な アプローチとして,“倉庫設計の最適化"の問題を あげることができる.一般には,シミュレーショ ンでこの問題を処理している.本文では,設定さ れた機能を満足させ,かつ設備投資を最小化する 問題,非線形混合整数計画法で解いた結果を概説 する.

1

.

立体禽庫の現状

立体倉庫の売上高は,次のように推移してい からさわゆたか 日本アイ・ピー・エム紛

1

3

2

る.

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2

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3

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(出典: 1978年 5 月!日付運輸タイムズ紙による) 昭和47年に約 220 億円の年商であったが昭和 53 年では1. 5 倍の 330億円に達している.最近では, 大体 350 億円程度のところで横這い状態になって いる.これを種々の角度から分析すると次のとお りである.

1

.

1

立体倉庫設置状況 立体倉庫の設置台数は,昭和40年から同47年ま での合計が 688 台であるのに対し,昭和48年には その42.3% を占める 291 台になっている(表 1

)

.

昭和48年こそ立体倉庫時代の幕明けの時といえよ う. 現在の累積設置台数は 2334 台でクレーン数 4718台となっている.また,立体倉庫の規模ある いは処理量を示す倉庫当りパレット数は 1272 枚 となっている.倉庫当りグレーン台数は 2 台で, この傾向はほとんど変化していないことがわか る.

1

.

2

用途別立体倉庫骸置台数 昭和48年以降昭和 54年度までの立体倉庫設置状 況を用途別にみると表 2 のとおりである. 合計欄でみると,工程間倉庫が58% で 955 台と 過半数を占めていることがわかる.ついで,完成

(2)

表 1 立体倉庫設置台数推移表

i昭和

48 49 50 51 52 i40-47年

設置台五-r

-688-

--~291

243

222 228 パレット総数 1963, 535 405,336 414,220 209,006 231,175 230,691 クレーン総数 1 , 540 563 492 318 413 431 乎均クレーン 数/H.W 平均パレット 数/クレ~ン 平均パレット 数/H.W 53 54 合計 207 291 2

,

334 2

,

968

,

730 4

,

718 2 214

,

834 299

,

933 378 583 2.2 1.9 2.0 1.9 1.9 1.9 1.8 2 626 720 842 657 560 535 568 514 629 l q ‘ J n u

,

1 00 。 3 n u

,

ー η4 ー ハ U , l l d 幽I A H V , l A守 守 t つゐ , ー 戸、 J nυ マ t , l o o n y 包 J

,

l A H v n u d せ

,

I 1

,

272 表 2 工程間 昭和 48(%) 49(%) 50(%) 51(%) 52(%) 53(%) 54(%) 合計(%) 完成品 流通センター その他 196(68) 173(71) 119(73) 120(54) 85(29) 61(25) 38(23) 101(45) 4(1) 6(3) 2(1) 1( ー) 6(2) 3(1) 5(3) ー(ー) 106(47) 119(57.5) 122(42) 118(52) 85(41) 158(54) 3(1) 2(1) 9(3) 1( ー 1(0.5) 2(1) 955(58) 646(39.2) 27(1.6) 20(1.2) ) n u n U 噌L ( 。 o a a z n h u , l ) n u n u ' A ( 旬 i n y nr “ ) A U ハ U 咽 i ( 今, nv q L ) A U A U 噌 A ( o o n 4 9 “ ) ハ υ ハ U 唱 i ( 。 6 9 “ qL ) ハU n U 噌 A ( sιτ n h v l ) ハ υ A U ' A ( 。o a a z qL ) ハυ ハU 唱 i ( 唱A n w u qL 計

工程問倉庫J

168%1 171%1

1

7

3%1 154%1 147%1

~7.5%1

142%1 158% 完成品倉庫什 29%1125%1123%1145% 流通センター その他 品用倉庫で 39.2% , 646 台となっている.さらに 流通センターが \.6% , 27 台となっている. ここで工程間倉庫とは,工程に補給する部品, 半製品を格納し,工程に補給するための立体倉庫 を意味している.電気メーカーでは,東芝,松下 などの倉庫,自動車メーカーのオーパヘッド・コ ンベアを使用し,工程に補給しているシステムな どが代表といえよう. 完成品倉庫は,完成品を保管する倉庫であり, 日本合成ゴム,日本精工,花王石鹸など技術的に 高度な倉庫が多い.ことに,この分野では,食 品,薬品,化粧品など包装が規格化された消費財

(Consumer Packed

Good) を扱う産業で規模

1981 年 3 月号 52%1 154% 41% 39.2 3 の大きな倉庫が多い. 流通センターでは,流動貯蔵 (Live

Strage)

などに立体倉庫が設置されるが,一般的にその性 格上, {士訳機能が重視される.長崎屋の音声入力 による仕訳システムなど典型的なケースである. 全体的にみて,近年の傾向は,完成品倉庫が比 重を大きくしていることがわかるが,累積では, 工程間倉庫 58% ,完成品倉庫 39.2% ,流通センタ ー1. 6% ,その他1. 2% となっている. 1.

3

倉庫種別立体倉庫設置台数 昭和48年から同同年までの合計(表 3 )をみる と,機械化倉庫491 台, 29.9% ,自動化倉庫川93 (13)

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3

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© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(3)

昭和 48年 491

r

50年 機械化倉庫 (110) (82) (46) -手動運転型 61 43 25 -遠隔操作型 49 39 21 その他 。 。 。 ー自動化倉庫 ( 181) (161) ( 118) -半自動倉庫 178 151 116 -自動倉庫 3 10 2 計 291 243 164 21%1 118% 15% 16% 13% 62% 71% 台, 69.9% となっている.後者の中で,電子計算 機で,クレーン,搬送機器を制御している自動倉 庫は兜台で 3.5 %となっている.一方,電子計算 機によるオフライン制御 (Off

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Computer

Controlled

Warehouse) は 1 , ω3 台,

66.4%

とし、う数値を示 L ,種別では最大の設置台数であ ることがわかる. 手動運転型装置とは,スタソキング・エレベー タに人聞が乗車し,運転してパレットの格納抽出 を行なうシステムである.過去の推移からみる と,やや減少気味である. 遠隔操作型は,操作卓を操作することによって, スタッキング・エレベーターを作動させ,パレッ トの格納抽出を行なうシステムである.通常,コ ンビュータから,在庫表,抽出格納についてのア ウトプットが打出され,これにもとづいて作業員 が倉庫の管理を行なっている. 半自動倉庫は,オフライン・コンビュータ制御 のシステム (Off-line

Conputer Controlled

System) で,比較的コンスタントに設置されてい る.主に,コンピュ}タからアウトプットされた カードやテープを入力として,スタッキング・エ 表 S 51年 52斗会 5311'- 54'.ト 計(%) (69) (62) (64) (58) 491 (29.9) 25 30 22 19 225 (13.7) 44 32 42 39 266 (16.2) 。 。 。 4 4 (0.2) (154) (166) (143) (229)(1,151) (69.9) 140 162 142 204 1,093 (66.4) 14 4 1 25 58 (3.5) 223 228 207 291 1,646 (100) 11% 16% 11% 13.7% 13% 20% 16% 20% 16.2% 70% 63% 65% 68.5% 3.5% 0.2% レベータあるいはスタッカー・クレーンを作動さ せ,パレットの格納抽出を行なうシステムであ る. 自動倉庫は,庫内機器がコンビュータによって 直接制御されているシステムである.最近では, ミニコン,パソコンとコンビュータが小型化して いるのでコスト安,人件費増とし、う環境からして この分野はますます多くなることは当然である. 1. 4 立体倉庫設置台数ベスト 10 以上,立体倉庫の設置台数を種々の角度から眺 めたが,最後に設置台数のベスト 10を業種別にみ ると表 4 のとおりである. 過去 7 年間 (48年~同年)の合計をみると,一般 機械 369 台で第 1 位,ついで化学が 185 台で第 2 位,電気機械 179 台で第 3 位となっている.この 順位は,日 1 年から 54年までの 4 年間変わってはい ない.第 4 位は食品業界で 111 台,第 5 位は,輸 送機械で98台となっている. 設置台数の多い業界の特徴は,取扱品目がユニ ット・ロード化しやすい業種である.

(4)

何年 50年 表 4 立体倉庫設置台数ベスト 10 52年 49年 51 年 53年 54年!合計 c

一附川淵引旧制mm川れ一明附一仰

》ー一676230615228 ←げ I 一542253424-一5-一 I

一一42312的一明則一

9h , 一H一日間品目 WMA 臼 ω 怜 mm創汚一muN一価 一一1131一?勺4一1勺 一 C 一幻6 似 57nmmumU8一円借一回

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Y-一5443516402 一 47一1 qL一qL 7r 一147312一17 一 9 ← C 一引H47日引引Anmm一旬口開一 η 一一一21一3 一p-5422861206一64一 O 一]一143111一凶6-幻

一H一M6お67おお日75一%臼一例

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ふ幻別

品維学鋼属械械械屋庫、計納山一計 金機機機司倉一つ一 鉄般気送 E-輸一一 d 一 i

食織化鉄非一電輸卸運一小そムロ

Note: No. of pallet (Unit; 1

,

000) 日…立体倉庫 P …パレット C …クレーン

2

.

倉庫の最適設計の一例

倉庫の最適設計問題で最も重要と考えられるこ とは,・意思決定者に代替案を数多く提供すること である.換言すれば,意思決定支援型モデルを提 供し,幅のある意思決定を実現できるようなシス テムを提供することである.この例では,非線形 混合整数計画法にもとづいたモデルを作り,自動 倉庫に必要なコストと機能とのトレード・オフ分 析をすることにより,下記の計算結果を得た.な お,詳細については,文献 [IJ を参照されたい. 第 1 に計算のためのデータは,表日に示されて いる. つまり,棚の規格,棚数,命令数,稼働時間, グレーンのスピード,クレーンの格納抽出時間, ラック費用, クレーンの費用, ビ、ルの高さ(初期 値)とビ‘ルの建設費,土地の費用などを基本デー タとした. 計算結果は図 1 および図 2 で示されている. 図 l では,クレーンの処理能力とクレーン台数 の関係を示したものである.すなわち, ー クレーンが 6 台の場合は時間当りの パレットの処理は 200 枚から 220 枚. 1981 年 3 月号 ー クレーン 7 台の場合は 230 枚以上約 270 枚 が,倉庫に対する投資が最小になっている.以下 同様である. 図 2 では,パレットの処理量/時と最適コスト との関係を示している.すなわち, パレット 200 枚から 220 枚までの処理に Dimension of Rack 表 5 The data of constants Number of pallets Number of commands Operating time Horizontal crane velocity Vertical crane velocity Shuttle time Nominal number of pallets height Base rack cost Incremental rack cost Stacker crane cost

Nominal building height

Base building cost Incremental building cost Building factor Land factor Land cost h=4.0ft 叩 =3.3ft d=4.0ft n=14

,

500 z=2

,

156

T

o=6.0 to 10.0 hr v

..,

=350ft/min 官官 =60ft/min T.=0.5min no=6 Ro=8

,

000 yen/pallet

R

1 =60 yen/pallet c=8

,

000

,

000 yen Ho=25ft Bo=3

,

440yen/sq. ft B1 = 100 yen/pallet K1

=

1.1 Ka==I.05 1==600 yen/sq. ft (15)

1

3

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© 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(5)

ついて,その最適コストは 3.3億円から 3.4 倍、円へと土方にシフトしていることがわか る. 両者を l つの図として考えると,

I

I 時間当りバレァト処理量とクレーン台数と 最適費用」が同時にわかる図になっている. 与えられた条件下で, ー クレーン台数 6 台の場合,パレット処理 量は 200 枚から 220 枚と幅があるが,この XNl 9 ト 8卜 7 卜 6卜 200 250 300 35

.

.

0

.

.

.

.

.

・ [pallets/hr.J 1'~11 Trade 司 offcurve betwecn C:l'ane capability

Ctotal 3.6XI0' Cyen) and number of canes 場合最適費用も変化(3.3 億円から 3.4 億 3.5 円へと費用カーブは上方へシフトしてい る)する. ー クレーン台数を一定とした場合にも処理 量と最適コストの変化を考えて意思決定者 はどの点を選択するかを検討することがで きる. ー パレット処理量に幅がある時,クレーン 台数を 6 台にするか 7 台にするかを選択で きる. ー クレーン台数が 6 台であるとすればパレ ヅト処理量の最高は 220枚/時である. クレ ーン台数を 6 台にするか 7 台にするかはパ レット処理量を処理能力の余裕を考えて決 める必要がある. クレーン台数,パレット処理量,最適費用の三 者の数値を変化させ,最適と思われるものを選択 できる点に,当システムの意義がある.線形の場 合であれば,クレーン台数と処理能力がそれぞれ 決まると最適コストは l つしか決まらない.本ケ ースでは,クレーン台数と処理能力の変化に対応 して,最適コストを得ることができる.プログラ ム自体は対話形式のものであり, トップ・マネー ジメントの要求に応えることができるようになっ ている. さらに本システムでは,上記 3 つの要素を変化 させ最適解を求めると,倉庫の高さと長さが自動 的に算出されるようになっている.倉庫の最適規 模が決まるわけである.

1

3

8

3.4 2α) 250 300 350 (palle同/h r.) 凶 2 Trade-oH curve between cane capability and total minimum CQst おわりに 倉庫規模の最適問題について若干触れたが,こ のモデル自体についても,デュアル・コマンドに する点および結果としての数値(規模)をすべて整 数にする点など改良すべき点がある.この点につ いては次の機会に検討するよう考えている. 参芳文献

[ 1 ] International Journals of System Science

1980

,

V o

l

.

11

,

No. 5

,

567-576.

表 1 立体倉庫設置台数推移表 i昭和 48  49  5 0  5 1  5 2  i40-47年 設置台五-r ‑688‑ --~291  2 4 3  附 222  228  パレット総数 1963, 535 405 , 336  414 , 220  209 , 006  231 , 175  230 , 691  クレーン総数 1 , 540 5 6 3  492  3 1 8  413  4 3 1  乎均クレーン 数/H.W 平均パレット 数/クレ~ン 平均パレット 数/H.W 5 3  5

参照

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