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住宅地図情報利用システムの開発

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Academic year: 2021

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小特集

コンピュータアプリケーションとパッケージ

∪・D・C・る81.322.0占:〔711.14:711.58:912.43〕

住宅地図情報利用システムの開発

MultiPurpose

UtilitY

SYStem

Of

CitY

Maplnformation

コンピュータの利用技術の向上に伴って,地図情報利用システムへのニーズが急 速に高まりつつある。地図を背景とした企業活動の効率向上や,手作業での繁雑な 地図処理からの解放が期待されるためである。 このたび株式会社ゼンリンと共同で開発している住宅地図情報利用システムは, GRADASの環境で動作する地図情報の多目的利用システムである。住宅地図データ ベースと住宅地図処理基本プログラムで構成され,ユーザーが目的に応じてデータ やプログラムを付加することによって利用システムを構築できる。 ユーザーニーズは多様であり,ユーザープログラムまで含めた利用システムの標 準化は難しい。しかし,施設管理,顧客管理など,アプリケーションパターンごと のパッケージ化は可能であり,それによって,住宅地図情報利用システムの導入が 容易となる。 lI

言 人間社会で営まれる日々の社会活動,経済活動で,地図の 果たす役割は非常に大きい。都市計画,施設管理,配達,集 金など,幅広い分野で地図が作成され,利用されている。そ して,今後の社会活動・経済活動の高度化,多様化によって、 地図の重要性も更に増加してくるものと予想される1)。 こうした地図へのニーズの高まりと,数値処理から非数値 処理へと急速に拡大しつつあるコンピュータの利用技術の向 上によって,コンピュータによる地図情報利用という新しい アプリケーション分野が開かれることとなった。

地図情報は,地痙的形状の上に投影した社会活軌

経済活 動の情報であり,日々ダイナミックに変化してゆく。地図情 報利用システムの成否は,地図情報の処理技術としてのハー ドウェア,ソフトウェアの機能・性能と,ダイナミックに変化 する膨大な地図情報の維持管理体制の確立にかかっている。 日立製作所は,全国規模で住宅地図を作成している株式会 社ゼンリンと共同で,住宅地図データベースを構築し維持管 理してゆくための住宅地図作成システムを開発した。そして, そこで作成される住宅地図データを,多目的に利用すること のできる住宅地図情報利用システムの核となる住宅地図処理 基本プログラムを開発中である。 臣l システムの概要 2.1 開発の背景とねらい 住宅地図は,企業,商店,一般住宅などの戸別情報を収録 した詳細地図である。住宅地図の一部を図1に示す。ビルの 場ノ針まテナントも表示し,アパートの場合は部屋別の居住者 を別記の形態で記載している。住宅地図の作成は,調査原稿 の準備,調査,トレース,組み版,印刷など一連の工程から 成る膨大な作業であり,多くの人手がかかっている。この人 手作業の軽減と図面品質の安定化を第一義的なねらいとし て,地図作成のコンピュータ化に踏み切った。 コンピュータによってベクトル形式で表現される地図デー タは,単に絵としてだけでなく,形,位置,名称などの意味 をもった要素の集合として扱うことができる。そこで,- コン

秀美*

仇滋椚才物sゐ才

宮崎敦夫**

A如0〟わ昭Zαゑ∠

近藤明充**

月々才椚〆ね打助乃d∂ ピュータでの利用を第二義的なねらいとして,地図情報をデ ータベース化した。印刷物としての地図と,コンピュータ利 用を目的とする住宅地図データの作成工程を図2に示す。 更に地図を作成するためのソフトウェア群の中から,地図 の利用にも適用できるモジュールを抽出し,住宅地図処理基 本プログラムとしてパッケージ化することとした。ユーザー は,本パッケージの外側に国有のアプリケーションプログラ ムやデータを追加することによって,住宅地図情報利用シス テムを構築できる。 2.2 住宅地図データの構造 住宅地図データは,道路,建物,畑など,様々な種類のデ ータで構成されている。これらのデータを利用日的によって 自由に抽出できるようにするために,種類ごとに層分けして 管理する構造を採用した。この層分けの仕掛けは,地図デー タだけでなく,その上に追加表示するユーザー独自の図形デ ータにも適用している。 また住宅地図データを,単なる背景としての意味しかもた ないデータと,背後に存在する属性データとの関連づけがで きるデータに分けて整理した。道路,建物,行政界が後者に 当たる。住宅地図データの層別,用途別の分類結果を図3に 示す。 2.3 住宅地図情報利用システムの概要 住宅地図情報利用システムは,GRADAS(Graphics

Sys-tem for Design and Manげfacturing Assistance:日立製作

所の図形処理システムの総称)の環:填で動作する図形処理シ

ステムであり,次に示すソフトウェアで構成される。

(1)HICAD/2D(HitachiComputer Aided Design System

for2DGeometry:2次元の対話形設計製図システム) (2)住宅地図処理基本プログラム (3)ユーザーアプリケーションプログラム HICAD/2Dは,2次元の図形を処理するための基本パッケ ージで,図面データの管理,作画,ユーザーインタフェース を提供する。住宅地図処理基本プログラムは,HICAD/2Dの ユーザールーチンとして位置し,地図データベースの管理, * 株式会社ゼンリン研究開発室 ** 日立製作所ソフトウエア工場 43

(2)

902 日立評論 VO+.66 No.1Z(19糾-ほ) S土l:1500 千代田 劫 31 39 劫 10 8 ほ l石 (1) (2) 地形図入力 校正 接合区割り 校正 (3) 佃) 調 査 用 原稿作成 調 査 (5) (6) 家粋人力 地形図修正 文字ファイル 作 成

草鞄毒

歴史鴫物 神妙寺院 歯 凍 脅勿 主要目標物 へい・力、き

物 (7) 文字合成 校正

硯舶

竜巻簡

建 ㌫ 体

/今 せ 一姫道 主要一筋道 一般道路 轄

そり加磨

h博 通 属性データ 住宅地図データ 背景データ 寄畑

席巻 虜 憲繰 計 曲 顔 主要計曲線 令 ≠ 滞 港 湾 (8) (9) (10) 組 み (11) 地図基本 項目入力 区 市 (丘 庁 町 界 政 界 鉄首 各 山一 あV 県 界 傲 界 .噂 区 界 丁目 界 プロ ッ タ 出 力 校正 住宅地図データ 図3 住宅地図データの構造 属性情報の付加できる建物・道路・行政 界と,背景データを含め,130層に層分けしている。 44 刷 版 印 刷 図l 住宅地図の例 住宅地図と は,企業,商店,一般住宅などの戸別住宅情 報を記載した精密地図であり.株式会社ゼ ンリンでは約3′500万軒に及ぷ2′600都市の 住宅地図を作成出版している。 図2 住宅地図データの作成工程

縮尺d両の基本図をペースに調査原稿を作

成して,調査結果を地図データ上に編集し た上で,磁気媒体及び印刷物として出力す る。 地図データの操作,ユーザーアプリケーションプログラムの 制御を担当する。ユーザーは,住宅地図処理基本プログラム

の機能を用いて,ユーザー固有のアプリケーションプログラ

ムを追加できる。図4に,これらソフトウェア群の構成を示す。 ハードウェアについては,GRADAS環境を構成する小形シ ステムから大形システムまで,i欠に示すシステムが適用できる。 (1)大形システム M240プロセッサグループ以上のシステム(VOS3:Vir・

tual-StOrage Operating System3による構成) (2)中形システム

M240プロセッサグループ又はM220プロセッサグループに

よるシステム(CPGS:ControIProgram for GRADASに

よる構成)

(3)小形システム

DS-1000によるシステム(OSGS:Operating

System for

GRADASによる構成)

(3)

住宅地国情報利用システムの開発 903 (大形システムの場合) 0 6 7 一 G B T A M VOS3 T10P2 DD/G760R

ほ芸妄ステム)

VMS/ESO 止 ■ -r 住宅地図データ 地形図情報 道路・建物・行政界・鉄道 水域・等高穣・植生など 文字情報 道路名・建物名・入居者名 ・行政名・地形名称など 基本属性情報 住所・名称・ビル入居者 ・建物種別など 拡張属性情報 ・ユーザーデータ 顧 客 情報管王里 lGCF HICAD/2D 管理機能 図面DB 作画機能 ユーザーインタ フェース機能 ■ ■ ◆---一

共通制御部 住宅地図処理基本プログラム ンド部 ユーザーアプリケーションプログラム 注:略語説明 VOS3(Virt=aトstorageOperatingSystem3) VMS/ESO(VirtualMachi=eSystem/ExtendedOption) CPGS(ControIProgram†0rGRADAS) OSGS(OperatingSystemforGRADAS) BTAM(BasicTetecomm山cat加AccessMethod) T10P2(Termj=a==PUtOutputProgram2) DD/G760-R(DeviceDriver/G760-RasterType) lGCF(l=teraCtiveGraphicControIFacility) HICAD/2D(HitachiComputerAidedDesignSystemfor2DGeometry) 図4 住宅地国情報利用システムのソフトウエア構成 HICAD/2D 上で地図処理基本パッケージが地図データベースを制御し,その上でユーザー アプリケーションプログラムが動作する。 田

住宅地図情報利用システムの適用事例

3.1適用分野 本システムでは,ユーザーが保有する個別情報を地図に付 加したり,地図情報とリンクすることによって,幅広い活用 ができる仕掛けを提供している。主な対象業種をi欠に示す。 住宅地図データ 株式会社ゼンリン ワークステーション

嘆艶

給水図配管図 配水管デ キーツーフロッピー 給水管テ そ タタ他 一一の

O

D

図形データベース 地 形 図 配 管 図 給 水 図 ディレクトリファイル 基本項目データ 住宅地図処理基本プログラム 磁気ディスク 最大1,200Mバイト 処 理 装 置 磁気テープ 最大 2台 50/160kバイト/秒 ラインプリンタ 64/127文字種 605/350行/分 2∼4Mバイト フロッピーディスク 最大2台 1Mバイト/台 ×-Y プロッタ ターミナル コントローラ タチライ フス イプツレカノイ グラフィックターミナル 最大4台 図5 小形システムによる構成例 小形システム(DS-1000)は,分散 形GRADASとして昭和59年7月から出荷を開始したCAD専用システムである。 (1)不動産管理(不動産,建設,デベロッパーなど) (2)顧客管理(銀行,保険,証券,ディーラなど) (3)施設管理(電力,ガス,上下水道,電信・電話,鉄道,大 工場など) (4)集配送管理(輸送,タクシー,郵便,電報など)

(5)政急・防災(警察,消防,警備保障など)

(6)都市計画・国土計画(官公庁,自治体など) 3.2

適用事例(配管図面管理システムの事例)

配管図面管理システムは,地図情報を利用した施設管理の 典型的なパターンである。地形図データに配水管,給水管な どの図形データを付加して,図形データベースを構築する。 配管設備に関する属性データは,数値,文字の形式で\施設デ ータベースとして構築する。これら二つのデータベースを, ディレクトリファイルとしての基本項目データで結合し,配 管図面データベースを完成させる。 施設の予防保全,工事に伴う管路設計,図面の検索,更新 などの業務は,すべて配管図面データベースを中心に,ワー クステーションを用いて対話形式で処理することになる。図 ワークステーション 図面 検索・更新

嘆甑

ワークステーション 管路設計 ユーザーアプリケーションプログラム 施設データベース 配水管データ 給水管データ バルブデータ その他 統 計 処 理 予 測 計 算 管網シミュレーション 設備計画 事故処理 系統切替 エ 専 属 歴 図面出力

プロッタ(AOサイズ)

匿≡∃

図6 施設管理システム の機能構成 株式会社ゼン リンの住宅地図データと,ユー ザー保有の施設データとをディ レクトリファイルでリンクさせ てデータベース化し,会話形式 文は一括処理形式で設計,シミ ュレーション,検索,更新など を行なう。 舶

(4)

904 日立評論 〉0+.66 No.1Z(1984-12)

携≡ヲ

ロ 〕208 S.5 :/へ Dl.5.0 5.55 (C) 図7 施設管理システムの事例 地図上に付加した上水道施設情報を, 図面管理の容易性,正確性が達成される。 6は,配管図面データベースを中心とした業務処理の概念を 示している。また図7は,ワークステーションを用いて対話 形式で業務処理を行なう過程で,ブラウン管に表示される図 面を示している。 本システムの通用によって,配水管,給水管などの施設実 体と情報が一元的に管理できるようになり,管理が正確,か つ迅速になる。また,管理効率が向上し,施設利用者に対す るきめ細かいサービスが可能になる2)。

田;将来展望

地図情報が種々の業種の様々な分野で利用されることは, 今まで述べてきたとおりである。そこで,地図データベース を含めた利用システムは,できるだけ標準化されることが望 ましい。現在開発中の住宅地図処理基本プログラムは,標準 化の出発点としての役割を担うものである。地図の利用形態 の類似性に着目した,業種別アプリケーションプログラムの パッケージ化が標準化への進展の方向である。 本システムは,地図情報のベクトル形式での蓄積から出発 したが,利用日的によっては,ラスター形式の情報のほうが 取扱いが容易な場合もある。また,ベクトル形式の情報とラ スター形式の情報を重畳させることによって,地図情報利用 システムの適用範囲の飛躍的な拡大が期待できる。 地図処理基本プログラムと,その上に構築する業種別アプリ ケーションプログラムとの間で,相互に地図処理機能を補完し 46 心髄 ⊂コ Q g 4 \、 丑i58 5 (〓)

t49

、、 / / 、、 /、・\ / (d) 目的に応じて任意検索したり.工事結果を地図上で更新したりすることによって. 合いながら,新しいニーズに柔軟に対応してゆくことが地図情 報利用システムを高度化するための最重要課題である3)。 l司 結 言 コンピュータによる地図情報利用への期待が,図形,画像 処理技術の向上に伴って急速に高まりつつある。こうした時 期に,日立製作所と株式会社ゼンリンは,共同で住宅地図情 報利用システムを開発中である。本システムの最大の特徴は, データベース化した膨大な地図情報と,図形処理システム GRADASを融合したことである。それによって,地図情報の 利用価値を飛躍的に高めるとともに,GRADASの適‥同分野を 拡大した。 今後は,ユーザーニーズを的確に把握し,アプリケーショ ンパターンごとに地図利用ソフトウェアと地図情報とのパッ ケージ化を図り,より使いやすいシステムを提供してゆく必 要がある。 参考文献 1)広範囲の分野で利用が進むコンピュータ・マッピング:日経 コンピュータ特別編集版・夏季号(昭56-6) 2)小岩:これからの下水道台帳とOA技術,月刊下水道,Vol・7, No.1(昭59-1) 3)坂内研究室:ImageDataBase(昭59-7)

参照

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