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アジア、中国と日本のもの造り競争力

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Academic year: 2021

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アジァ、中国と日本の

もの造り競争力(…ア11の

・・1・m・5

未来創造学部教授

金澤 泉

 最近のアジア、とりわけ中国のもの造り競争力を議論する中で、多くの識者が指摘するのは日本は インテグラルアーキテクチャー(擦り合わせ)だが、中国はまだモジュラーアーキテクチャー(組み合わ せ)にすぎないと主張し、日本のもの造り競争力はまだまだアジアや中国には負けていないという点で ある。  簡単に「擦り合わせ」と「組み合わせ」の区別を言うと、擦り合わせとは例えば乗用車のように最適設 計された専用部品で作られた製品であり、汎用部品は極めて少数にすぎない。一方、組み合わせとは パソコンシステムに代表されるように、殆どが汎用部品の寄せ集めで構成されている製品のことを指 している。  確かに、日本のトヨタに代表されるもの造り競争力は現場に近いところでの設計、開発や改善能力 や組織能力にあり、それはアジアや中国のメーカーはまだまだ太刀打ちできないのもうなずける気が する。中国のもの造り能力は確かに多くの問題点を抱えており、「組み合わせ」か「擦り合わせ」の議論 以前の問題点として、知的財産権、外資に依存した加工貿易体質、環境汚染問題、自国ブランドの欠如、 固定的な人民元相場など日本が既に経験し解決しつつある問題が未解決のままである。  しかしながら、このような問題点はいずれ時間の経過とともに、必ず外国メーカーからの技術移転 や中国国内での激しい競争を通じて解決されるであろうし、中国が克服できない問題点とは私にはど うしても思われない。早晩、アジアや中国のもの造り能力もモジュラーアーキテクチャーからインテ グラルアーキテクチャーへと脱皮する日が来るに違いない。従って、今われわれが議論すべきことは、 何故日本の金融、流通、運輸、通信、などのサービス産業および政府部門の国際競争力や効率性が他 の先進国に比べて見劣りするのかという点である。  いずれの国家でも成熟した資本主義国家になるにつれて、産業構造は大きく変貌するし、サービス 産業への依存度が高まるのは歴史の必然である。日本だけが唯一永遠にもの造り競争力を維持できる とは到底思われない。アジア、中国の発展振りを注目するだけでなく、グローバル化した世界を冷静 に見つめ、日本の今後とるべき進路を議論することこそ我々に必要とされているのではないだろうか。

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