〉ol,87No.8
情報格差を解消するためのアクセシビリテイ
活動の取り
み
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■小澤邦昭仙〃由ん/0詔胴 ■平野茂木5佃eん川/伯〃0 ■大坂 浩仙os伽∂s∂ん∂ ■有川休一仰d/州伽ん∂〝∂ 開発費の助成 購入費の補助 匡l 自治体 企業 病院 NPO ユーザー サポート ユピキタス情報社食 いつでも どこでも 誰でも 情報格差解消 アクセシビリティ製品の開発 (CSRへの取り組み) 日立製作所と日立グループ でんしん 「伝の心+ しんゆう 「心友+ 「言葉の散歩+ 大部君へお誕生日、翳照一■
お目にかかれて嬉しいです。 め お はひふへほ なにぬねの たちつてと さしすせそ かきくけこ あいうえ給 巳 名 …藩. わをん一?-らりるれろ やゆよ、0 急喜葉緋散攣
2005
その他…"MimehandⅡ'' 電子版日本語一手書吉辞典 注:略語説明 NPO(Non-ProfitOrganization),CSR(CorporateSocia=]esponsibility;企業の社会的責任) 「誰でも+情報を享受できるユピキタス情報社会実現を目指す日立グループのアクセシビリティ活動への取り組み 情報格差の解消は,企業,国・自治体,病院・NPOなどが一体となって取り組むべき問題である。情報産業にかかわる企業には,社会的薫任という考えの下での取り組みが必要で あり,日立グループは,十数年の活動を通じて情報アクセシビリティ製品を開発している。 日立製作所と日立グループは,「いつでも,どこでも, 誰でも+情報の受発信ができるユビキタス情報社会の本 格化に向けた取り組みを進めている。特に「誰でも+につ いては,情報格差を解消するためのアクセシビリティ活 動である,障害者や高齢者のコミュニケーション支援機 器・ソフトウエアの開発に,1992年から本格的に取り組 んできた。 「伝の′む(でんのしん)+は,手足が動かず話すこともで きない重度身体障害者用の意志伝達装置であり,1997J
はじめに
ユビキクス情報社会では,「いつでも,どこでも,誰で 年に製品化して以来,約3,000台を出荷している。「伝 の心がなかったら生きる意欲を失っていたでしょう。+とい う声に代表されるように,多くのユーザーを支え績けてい る。また,高齢者の支援を目的とした「伝の心+を展開し たパソコン操作支援ソフトウェア「心友(しんゆう)+は,失 語症者のかな文字入力支援にも利用できることが最近 わかった。このほか,失語症者の言語回復訓練ソフト ウェアである「言葉の散歩+では,訓練効果を高めるため に,静止画だけでなく動画を使って訓練することができる。 も+情報を′受発信できることを目指している。「いつでも+ と「どこでも+については,一般的に企業の経済活動の 中で取り組める。しかし,「誰でも+では,対象者が少数 日立評議2005.8 39Vol.87No.8 の場合,必ずしも経済活動としてではなく,社会貢献あ るいはCSR(Corporate SocialResp()nSibility:企業の 社会的責任)の認識の下に取り組むことが必要である。 「誰でも+情報の受発信ができるようにしようという取り 組みは,1980年代後半に米国で活発になった。政府機 関での障害者の雇用促進を臼的とした,障害者にとっ て使いやすい電子事務機器のガイドライン公表もその--・ つである。わが国でも,1990年に通商産業省(当時)が 「情報処理機器アクセシビリティ指針+を公表した。「I立 製作所は,この指針を順守するために,1992年に専任 部署を新設し,情報格差解消にIriJけてアクセシビリティ 活動に取り組み,志ぷ伝達装置や手話アニメーションソ フトウェアー)などを開発してきた。 ここでは,情報アクセシビリティへの日立グループの取 り組みの考え方と,重度身体障害者用意芯伝達装置 「伝の心(でんのしん)+-),高齢者・初心者用パソコン操 作支援ソフトウェア「心友(しんゆう)+‖,言語回復訓練ソ フトウェア「うー言葉の散歩+での開発への取り組み,および ユーザーの声などについて述べる。
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情報アクセシビリティ活動の取り組み
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1990年ごろから,企業の価倍を財務内容だけで判断 してよいのかと疑問を呈する動きが出てきた。このような 流れの中でCSRの考え方がしだいに確立され,企業活 動として環境問題や社会問題にも自主的に取り組むよう になってきだ-。 日立製作所は,「情報処理機器アクセシビリティ指針+ をクリアする活動から始めていたが,ALS〔Amyotro-phic LateralSclerosis:筋萎(い)縮性側索硬化症〕を 発症した社員のコミュニケーション支援のために,1992年 から意志伝達装置の研究開発を本格的に開始した。当 時はまだCSRという考え方が普及していなかったので, 従来の寄付・文化支援などの社会貢献活動とは異なり, 日立グループの技術を利用した事業の延長線卜での新 しい形の社会貢献であると意識していた。CSRの考え が普及した現在は,情報格差解消は情報産業にかかわ る企業の社会的責任であり,アクセシビリティ活動は, CSRの枠組みの小で,これからも継続的に取り組むべき であると考える。重度身体障害者用意志伝達装置
「伝の心+の概要
「伝の心+は,パソコンと「伝の心+ソフトウェア,および 入力用センサから成る装置である。まず,パソコンの両 面で,カーソルが自動的にメニューや文字盤などの上を 40 日立評論2005.8 図1 プリンタ ●w㈹も句ヽ
入力用センサ (販売会社提供) お客様の機器 エアコン インターネット テ弓 子 せ .∧ モ こ笥 :ぎい吉す れて嬉しいです て〟 ナノ 三 ん ゎ ー カーソルや済済熟
学習リモコン 「伝の心+の構成と機能 「伝の心+はパソコンと「伝の心+ソフトウェア,および入力用センサから成る。 文章作成のほれテレビやビデオなど身の回りの機器をリモコンで操作できる。 インターネットでの電子メールとホームページ閲覧や,市販のアプリケーション ソフトウェアの操作もできる。視力の弱い人のために,メニューや文字を読み上 げる音声ガイド機能もある。 動く。望みのメニュー項Hや文字盤の文字などにカーソ ルが移動したときに,身体をわずかに動かすとセンサが それを検知して,カーソルの位置にある項口の実行や文 字人力を行う(図1参照)。このような機能によって文章 作成や,テレビなど身の回りの機器のリモコン操作などが できる。また,電子メール,ホームページ閲覧などインター ネット利用や市販アプリケーションの操作もできる。視覚 障害者のために音声ガイド機能も備えている。 「伝の心+は1997年12月に株式会社日立ケーイーシス テムズが製占占化し,2005年6月末時点の累積出荷台数 は約2,943子†である。開発にあたり,北里大学東病院, 口本ALS協会,および横浜市総合リハビリテーションセン ターの協力を待た。製品化にあたっては,財団法人テク ノエイド協会の福祉用具研究開発事業助成金を受け,表1lユ諾ニ;こ慧漂まざまな感想の_部を示す。
ユーザー・介護関係者の声 一人でいることが不安でしたが,現在は独りの時間が欲しいくらいです。ストレ スの解消にももってこいの機器です。私は,最初はバカにしていました。今の 私は,幸せ者です。「伝の心+が無かったら生きる意欲がなくなっていたでしょう。 父が,救急車で入院しました。看護婦さんは父が言いたいことがわかからず 困っていました。夜の11時頃でしたが,私は家まで「伝の心+を取りに帰り,よ うやく父の言いたいことが看護婦さんに伝わりました。「伝の心+に感謝! 「伝の心+でテレビのチャンネルを自分で変えられて,患者さんは涙を流して いました。一つずつ機能が失われていく中で,できなかったことが再びできる のですから,その気持ちは痛いほどわがほした。 介護をしている主人が脳梗塞で倒れました。意識はありましたが起きていられ ない状態でした。そこで私は「すぐ果て!主人が動けないのです。+とメールを 入れました。1時間後にヘルパーが見えて,救急車を呼んでくれました。もし メールがなかったら連絡する手段がなかったのです。メール,ありがとう。情報相差を解消するためのアクセシビリティ活動の取り組み 〉01.87No.8 インターネット機能は情報処押振興推進機構(IPA)の事 業の一環として開発した。ユーザーと介護関係者から寄 せられた「伝の心+についての感想の一部を表1に示す。
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パソコン操作支援ソフトウェア「心友+
4.1「心友+の概要
「文字が人きくて見やすい+,「キーボードを使わない+ など,「伝の心+の特徴を活用して,特殊スイッチの代わ りにマウスで操作する高齢者用パソコン支授ソフトウェア 「心友+を開発した(図2参照)。「心友+は文書作成, メール,日記などのアプリケーションと,パソコンを操作す るためのマウス吸着,1嘲面拡大などの機能を備えている。 4.2 失語症患者への応用例 「心友+のユーザーとして,当初は高齢者などのパソコ ン初心者を想定していた。しかし,横浜市給合リハビリ テーションセンターの詩語聴覚十の大澤富美子氏と人山二 美緒氏が脳卒中などの後遺症である失語症の患者に便 糊を試みたところ,ある患者のケースでは「心友+の登蝕 語句予測機能を利用することで人力速度が若干向__卜 し,音声読み上げによって,文作成時にかな文字の誤 りを自己修正しやすくなった。その結果,メール文章作 成時の介護者の支援が減少し,家族とのメール交換に おける自立度が高まった。今後,失語症患者が使いや すいように改良を検討する考えである。5
言語回復訓練ソフトウエア
「吉葉の散歩2005+
5.1 開発の経緯 失語症の患者数は増加傾向にある。失語症患者の 言語回復訓練では,絵を見て名称を言ったり,動作を説 威卜巾/・′ウマ洲吋M∝h■(8 巨ら匡】 わ b や ま は な た 【ヨ匡l 用 Eht を り 町 ん る ひ ノb に い つ ● 箋貴官唾 \ノコン・ !仇秤申;事 図2 終♯ワb =【ニ ほ「心友+による入力方法 「心友+ではキーボードを使わず, の しんゆ‡ v 虚格和 既望讃 賢†ビヮわズ ?2わ野戦∧碍廟て篇13臓〉譲 ′澄野羽車 か取締i茨綬右脚粛ニフい いて 敢緑野母音グループ 轡 マウスですべてを操作できる。例えば,検索 語を入力するときは,文字盤から望みの文字をクリックすると入力できる。入力 したひらがなは「変換+のアイコン(左から4列目のいちばん上)をクリックすると 漢字候補が表示される。 明したりする訓練があるものの,これまでは,名詞を示す 絵や動作を表現した動作絵(静止画)による訓練が中心 であった。しかし,動作を表現する動詞や文章を示す場 合,静止何では表現できないものが多い。そのため,動 画を使った「失語症言語訓練用動画教材ソフトウェア+の 開発を目的として,横浜ホリハビリテーション事業団,有 限会社ベイゲット,株式会社日立アドバンストデジタルが, 2004年7月に共同作業に着手した。開発にあたっては財 州法人テクノエイド協会の福祉用具研究開発事業助成 金を受け,監修者である国際医療福祉大学の伊藤元信 教授,さらに言語聴覚士の支援を得て,2005年3月に完 成させて4月に製品化した。 5.2 機能の特徴 動帥を用いた訓練の研究はこれまでも発表されている ものの,完成された訓練ソフトウェアは少ない。「言葉の 散歩2005+は,マッピング理論に基づいた文の作成訓練 ソフトウェアであり,わが国では類がなく,先進的なもの と言える。マッピング理論は,文の構成要素の意味役割 (動作主,対象)と文法関係(主語,目的語)を対応させ る(マッピング=写像)ことに着Hした統語理論である。 「言葉の散歩2005+の特徴は以下のとおりである。 (l)動画コンテンツによる視覚的刺激 動作動詞とは動きを表現する動詞で,例えば,「拾う+ の場合,静止画では落としたのか拾おうとしているのか, 動いている様子の表現が困難で,患者が「拾う+を想起 することは難しい。「言葉の散歩2005+では動画コンテン ツを用いて,登場人物が床に落ちているペンを拾い上げ る様子を表現した。 (2)音声合成機能を用いた聴覚的刺激 音声合成機能により,バリエーションが豊富な聴覚的 刺激の音声再生を実現している。「拾う+では,単純に 動詞の基礎訓練 課題喜."締 課呈真番号:け℃勺磁望聖レ
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2勝
3瀞
4 沓革強攻翠5も遠望望ン
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図3 「言葉の散歩2005+での音声入力方法 「ひろう+を読み上げるときは,「ひろう+の3文字に対応した正方形の色を1文 字ずつ変化させて,聴覚と視覚を合わせた刺激を与えるようにした。 日立評論2005.8 41〉ol.87No.8 「ひろう+と読み上げるほかに,語頭音「ひ+だけを音声で 再生し,「拾う+の前に来る先行句(例えば「ペンを+)を巾 生するバリエーションもある。さらに,3モーラ(拍)語であ る「ひろう+では,文`テ:に対応した三つの止方形を画面 に表示して,「ひろう+を読み上げるときに,1文字ずつそ の正方形の色を表示させることで,聴覚と視覚を合わせ た刺激を与えるようにした(図3参照)。 (3)マッピング理論に基づいた文作成訓練 近年柱臼されている,マッピング理論に基づいた史を 作成する訓練方法を採用した。動詞に付随する名詞句 には動作も道具,場所などの意味役割があり,この意 味役割を理解する訓練と,さらに意味役割に折って語句 を選択し,文法関係に対応させることによって丈を構成 する訓練である(図4参照)。また,意味役割をナレー ションで説明し,課題の語句が意味役割と一致する丈 構成の場所へ移動するアニメーションを朋いて表現し, 患者だけでなく言語聴覚士がスムーズに訓練を進めるこ とができる操作を実現した。 (4)臨床評価 プロトタイプ版ソフトウェアを製作し,虎の門病院分院 と横浜市総合リハビリテーションセンターで実際に患者の 訓練に使梢して動画や音声の刺激効果やマッピング押 論による文作成の臨床評価を実施し,延べ22人の患者 の訓練データを集めた。その結果,不自然な動きのある 動画や動向とナレーションの再生タイミングのずれ,ヒント 提示の操作が使いにくいなどの課砥点が見つけだされ たので,製品版へ反映することができた。 今後,訓練現場での検証データ収集を続け,さらに訓 練効果の高いソフトウェアに成長させることにより,・人 でも多くの失語症患者の言語凹復に役立つことを目指 していく。