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安定化政策の運営 利用統計を見る

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全文

(1)

安定化政策の運営

著者

児玉 俊介

著者別名

Kodama Shunsuke

雑誌名

経済論集

38

2

ページ

35-55

発行年

2013-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00004221/

(2)

東 洋 大 学 「経 済 論 集」38 巻2 号 2013 年3 月

安 定 化 政策 の運 営

児  玉  俊  介

1 2 3 はじ めに 金 融 政策 ル ー ルの 運 用 期 待と 金 融 政 策の 効 果 4  イ ンフ レ 目 標 策 5  非伝 統 的 金 融 政策6 ル ール 的 財 政 政策 参 考文 献 1  は じ め に 様 々な 要 因 によ り 発 生 す る シ ョ ッ ク に 対 し て 、 ど のよ う な 安 定 化 政 策 を 実 施 す る か は、 そ の国 の 政 治 状 況 や 社 会 的 状 況 に 応 じ て 決 定 さ れて い る が 、 現時 点 の 先 進 諸 国 で の合 意 事 項 と し て は 、 裁 量 的 政 策 運 営 よ り も ル ー ル 的 政 策 運 営 を 重 視し て い る 。 特 に 、 金 融 政 策 で は 、 金 融 政 策 ル ー ル の 具体 的 運 営 方 法 で あ る イ ン フ レ 目 標 策 を 多 く の 国 が 実 施 し て い る 。 本 論 で は 、 ま ず 、 金 融 政 策 ル ー ル の 運 用 原 理 を 検 討す る 。 次 に 時 間 的 非 整 合 性 に よ り ル ー ル 的 政 策 運 営 が 重 視 さ れる に 至 っ た 経 緯 を 説 明し 、 イ ン フ レ 目 標 策 の 基 本 的 な 考 え 方 を 見 て みる 。 2008 年 の リ ー マ ン ・ シ ョ ッ ク 以 降 、 先 進 国 で は ゼ 口 金利 の 状 態 が 続 い てお り 、 従 来 の 伝 統 的 金 融 政 策 で は 効 果 が 無 く な っ て い る と 見 ら れ る 。 こ の た め 、 人 々 の 期 待 の操 作 を 通 じ て 、 金 融 緩 和 の 効 果 を 得 よ う と す る 非 伝 統 的 金 融 政 策 が 行 わ れ て い る が 、 全 体 像 の 紹 介 は 本 論 の 紙 幅 を 超 え る の で 、 こ こ で は 、 そ の 概 要 を 見 る こ と に す る 。 最 後 に 、 近 年 の財 政 政 策 の 運 営 方 法 を 検 討 す る 。 35

(3)

2  金 融 政 策 ル ー ル の 運 用 2 −1  政策スタン スと 政策 効果1) MP 曲 線の傾きは、 中央銀 行の政策態度( 政策スタ ンス)を 表し ており、 以下のMP 曲線 「 1

--r 十a ( π, − π・ )十 β(Y. −YJ

r 十7t, 十a (n , − π^ )十β(Y^ −Y^ )

1 2 で は 、 係 数 α は イ ン フ レ へ の、 係 数 β はGDP ( 景 気 ) へ の 政 策 対 応 の強 さ を 表し て い る 。 イ ン フ レ ( デ フ レ ) 重 視 す な わ ち 物 価 安 定 と 景 気 や 雇 用 の 安 定 の 、 何 れ に ス タ ン スを 置 い て 金 融 政 策 は 運 営 す べ き か と い う 点 を 巡 り 、1970 年 代以 来 マ クロ 経 済 学 で は 論 争 が 続 い て き た。 動 学 総 需 要 ・ 総 供 給 モ デ ル を 用 い て 、 こ の 論 点 を 検 討し て み よ う 。 ① 動 学総需要 (DAD ) 曲線と政策変数

MP 曲 線 の係数 の組 み合 わせを、O 物価 重視 (a 大、 β小)、ii)景気 重視 (a 小、 β大) とし

て 捉えて みよう。動 学的最適化 から導かれたDAD 曲線 に旧 式か(2)式 を代入して 整理する と、 Yt =a 8( πet +1 が 得 ら れ る。 こ のと き、 π^) 十 β6(Y1 ±i−Yk) 十J^ t +1十 η, i )a が βより 大きけ れば、DAD 曲 線の 傾きは 小さ くな り、 総 需要 ショッ クのπ への影 響が 小 さく なる、 ㈲ βがαよ り大き ければ、DAD 曲線の傾 きは 大きくな り、総 需要シ ョック のY への 影響 が 小 さく なる、 という結 果が成立す る。 な ぜな ら、a が大き いほどπ の変化 に対するMP 曲 線のシフト が大きく、 物価を安定さ せるよ う に利 子率 を大幅 に変化さ せ、π の変化 に対する 国民所 得Y の変化 を小さく するからであ る。 こ のた め、 図1 や 図2 に見 られるよう に 総需要ショ ックによ る 冗の変 化にも 敏感 に反応して、Y の上昇 による π の変化 も小さく する。 他方、 βが大 きい ほどGDP ギ ャップ を 小さくす るよ うに利 子率 が 変 化する から、図3 や 図4 のよう に総需要ショ ックに対 するY の変 化は 小さくなる。 1 ) 本 節 を ま と め る に 当 た っ て は、 マ ン キ ュ ー (2012 ),ジ ョ ー ン ズ (2011 ), Walsh (2010 )、 木 村・種 村 (2000 ) を 参 考 にし て い る 。 MP 曲 線 やDAD 曲 線 の 基 本 的 な 説 明 につ い て は 、 上 記 各 文 献 を 参 照 せよ 。

(4)

「 r l ; 0 「 rn 0 図1  物 価重視のMP 曲線 / Yb Ya Yn 図3  景気 重 視 のMP 曲 線 IS Yo YlA YlB ■ MP β大 Y 安 定 化 政 策 の 運営 π 7t ° π π0 Y 図2  物 価 重 視 のDAD 曲 線 Yn S =・ ,Y 十ε 図4  景 気 重 視 のDAD 曲 線 DAD β小 \ ……j YS Y H Y Y ② 勤 学総供給 曲線 自 然産出 量yj ま価格が 完全 に伸 縮的な とき に成立 する 産出 水準で、 失業率 は自 然失業 率U に 等 しい から実 質値 と名目 値は 一致し てお り、予 想値と 異なる インフレ 率の変 化は 無い。する と短期 フィリッ プス曲線

π = π'^−a (u −u χ)十 £, a 〉0 ,E : 総 供 給 シ ョ ッ ク (3)

に沿った インフレ 率と失業 率の関係は、 オー タンの法則、 国民所得Y と失業率U の間 の1 対1 の関 係を使う と、 現実 の国民所 得と自然産 出量の大 小を、現実 のインフレ 率とそ の予 想値 の大小に変換 できる と考え られる。 硬直価 格モデル によれば、 自然産出 量以上 に生産する と、 企業は余 分の交替 要員を 使う、労働 者 の転 職を 防ぐた め賃金率を 引き上げるな ど余 分なコスト を払わざる を得ず、可 能な企業は 高い比率 で価 格を引き 上げ る。 そ れゆえ、予 想値よりイ ンフレ率 が上昇する。 他方、国 民所得 が自然産出量 37

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よ り 低 い と き に は 、企 業 は、労 働 者 の 新 規 採 用 や 既 存 労 働 者 の 確 保 に 追 加 的 な コ スト を 必 要 と せ ず、 価 格 を 予 想 値 よ り 低 い 比 率 で 上昇 さ せ る 。 多 く の 企 業 が 価 格 を 引 き 下 げ よ う と は し な い か ら 、 イ ン フ レ 率 は ゼ ロ 以 下 に は な ら な い 。 もち ろ ん 、 国 民 所 得 と の 関 係 だ け で は 、 現 実 の イ ン フ レ を 完 全 に は 説 明 し て いな い 。 国 民 所 得 が 自 然 産 出 量 以 下 で あ る と き に イ ン フ レ 率 が 低 下 せ ず 、 国 民 所 得 が 自 然 産 出 量 以 上 に あ る とき に 上 昇 し な い 、 と い う 事 態 が し ば し ば 発 生 す る 。 こ のよ う な 状 況 は 、(3)式 の イ ン フ レ ショ ッ ク ∂ や 期 待 イ ン フ レ 率 π' の変 化 を 考 慮 す る こ と で 分 析 が 可 能 と な る 。 以 上 のよ う に 短 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線 は 、 そ れ ぞ れ の 産 出 量 と イ ン フ レ 率 を 企 業 の 立 場 で 結 び っ け 、 イ ン フ レ 率 を 上 昇 さ せ る 、 あ る い は 長 期 間 に 徐 々 に 低 下 さ せ る こ と に よ り 、 国 民所 得 と イ ン フ レ 率 を 関 連 づ け て い る。 従 っ て 、 短 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線 は イ ン フ レ ー ショ ン が ど のよ う に 変 動 す る か を 決 定 す る か ら 、(3)式 で 時 点 を 考 慮 し 、 オ ー カ ン の 係 数 を 利 用し て 失 業 率 の 係 数 ∂ か ら 国 民 所 得 の 係 数a に 変 更 す る と、

孔 =7[:t−a (Y, −Y χ)十 £ ,, a 〉O   (4 )

を 動 学 総 供 給 曲 線 (DAS 線 ) と 見 な す こ と が で き る。

③ 政策効果

MP 曲線 の係数とDAD 曲線 の関係は① 項で明か にな っだ ので、経 済政策のショ ックに対す る効 果

をみる ために 動学 総需要・ 総供給モデ ルの均衡を 求める と、 以下 のよ うに得 られる。

7C. = (1 /(1十A) π"`十(A /(1十A))7i;,_,十H   (5)Y,

=Y^ 十(1 /∂)(1 /(1十A))(7t,

ペー π 勺 十J

こ こ で 、A ≡{(1 十 α β }/β{a −D }(1 /∂ )、

H = ∂(に 十a β )??.十E, )/( β(5(a −1 )十(1 十 α β ))、J

=( − β(a −1 )77,十5, )/( β∂(a −1 )十(1 十 α β ))、 で あ る。 そ れ ゆ え 、 π'`= 剛_,  あ る い はY =Y χ な ら ば 、 す な わ ち 初 期 に 経 済 が 長 期 均 衡 に あ る と す れ ば 、 シ ョ ッ ク 後 の 均 衡 国 民 所 得 と 均 衡 イ ン フ レ 率 は そ れ ぞ れY ―Y 十J 、 π, = π'^十H と し て 求 め ら れ る 。 長 期 的 に は シ ョ ッ ク は 無 く な る か ら 経 済 は 長 期 均 衡 に 戻 る が 、 そ れ ま で の短 期 均 衡 で は, 8と η は そ れ ぞ れ イ ン フ レ シ ョ ッ ク と 総 需 要 シ ョ ッ ク を 表 し て い た か ら 、H やJ だ け の 変 動 が 起 き る 。 こ こ でH とJ に は α と β が 含 ま れ て い る か ら 、 政 策 係 数 の変 化 に 基 づ く 政 策 効 果 を

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安 定 化 政 策 の運 営 図5  政 策 変 数 と 政 策 効 果 (イ ン フ レ 重 視 ) π π1 瓦0 Yi Yv Yk 捉 え る こ と が 可 能 で あ る 。 DAS(!l,・)DAS はi) Y 図6  政 策 変 数 の 変 更 と 政 策 効 果 ( 景 気 重 視 ) π n 1n 2 7t 0 Y DAS(n:, ・)DAS(7t i) Yk Y 以 上に 基づき 政策変 数と政策 効果 の関 連をまと める と、 次のよ うにな る。イ ンフレ 重視策i )で は、 イン フレ ショ ッ クによる イン フレ の変 動は 安定 化する が、 国民所 得を 不安 定化 する (図5 参 照)。他方、 景気 重視策 ㈲ では、 インフレ ショック によ る国民所 得の変動は 安定化す るが、インフ レ を不安 定化す る (図6 参照)。そ れ ゆえ、中央 銀行 によ る 政策態度 は、イ ンフレ ショッ クによ る インフ レ率 と国民所得 の変 動のトレ ード オフの度合い を変化させ る。 例えば 、石油 ショックによ る 物 価上昇を抑 制するた めに 中央銀 行が利 子率を引き 上げる と景気は悪化す るが、 景気の悪化 具合 いは、 中央銀 行が物価安定 を重視す ればす るほど大きく なる。 他方で、総 需要ショ ックに対す るインフレ 率と国民所 得の変動 は、 トレード オフ にはならず、イ ン フレ 係数 とGDP ギ ャップ 係数 の 両者 が 高いほ ど、イ ンフ レ 率と 国民 所得 の変 動 は小さ くな る 。 例えば 、プラ スの総需 要ショッ クは インフレ 率上昇 と国 民所得 の上昇をもた らす が、 中央銀行 がイ ンフレ を抑 制するため に利 子率を 引き上げ れば、景気 拡大も抑 制できる。 2 −2  テイ ラー原理 金融政策 ルール であるMP 曲 線の係数 は中央 銀行の政策 スタン スを表し 、政策 効果 に影響する と 述 べたが、以 下で 説明す るよう に、 実は、 それらの 値は 政策効果 だけではなく 、動学 総需 要・総 供 給モ デルの運 行上重 要な 役割を 担っ ている。 テイ ラーが テイ ラール ール を提案し た とき に、 そ の係数 としてa = β=0.5という 値を 与えて い る。(2)式 から判る よう に 今期 のイン フレ 率で一括り にする と、テ イラー のオリ ジナル では、 だ, に対する 係 数は (1 十a ) =1.5にな る。 乙 に関す る係 数は、 必ず しも1 以 上であ る必 要は 無く、1 よ り小さい 値も考え られる。そ こで、一 般的に、 39

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積 極 的 ル ー ル :1 十 α ≧1 消 極 的 ル ー ル :1 十 α <1 と 政 策 ル ー ル を 分 類 し て い る 。 積 極 的 ル ー ル と は 、 イ ン フ レ 率 の 変 化 分 に 対 し 、 同 方 向 に そ れ 以 上 に利 子 率 を 変 化 さ せ る ( 例 : イ ン フ レ 率1 % 変 化 ⇒ 利 子 率1.5 %上 昇) こ と を 指 す 。 こ れ に 対 し 、 消 極 的 ル ー ル で は 、 イ ン フ レ 率 の変 化 分 に 対 し 、 そ れ よ り 低 く 利 子 率 を 変 化 さ せ る こ と を 意 味 し て い る 。 既 述 のよ う に テ イ ラ ー ル ー ル は 積 極 的 ル ー ル と 分 類 で き る 。 近 年 の 分 析 に よ れ ば 、 積 極 的 ル ー ル と い う 条 件 は モ デ ル の 運 用 上非 常 に 重 要 で あ る。 均 衡 か ら何 ら か の シ ョ ッ ク で 経 済 が 外 れ 不 均 衡 に 陥っ た と し よ う 。 こ の と き 、 積 極 的 ル ー ル で あ れ ば 、 例 え ば イ ン フ レ 率 が 均 衡 値 か ら 上 昇し た とし て も 、 そ れ 以 上 に テ イ ラ ー ル ー ル が 利 子 率 を 上 昇 さ せ る た め 、 総 需 要 が 抑 制 さ れ 超 過 需 要 が 自 動 的 に 消 さ れ て 、 均 衡 に 戻 る こ と に な る。 こ の 間 実 質GDP も 自 然 産 出 量 に 自 動 的 に 回 帰 す る 。2) こ の よ う にMP 曲 線 あ る い は テ イ ラ ー ル ー ル のイ ン フ レ 率 に 関 す る 係 数 が1 よ り 大 で あ る こ と を 、 テ イ ラ ー 原 理 と 呼 ん で い る。 こ の用 語 を 使 え ば 、 先 は ど の 安 定 性 と の 関 連 で は 、 経 済 が 安 定 で あ る た め に は テ イ ラ ー 原 理 を 満 た し て お く 必 要 が あ る 、 と 言 う こ と が で き る。 さ ら に、 テ イ ラ ー 原 理 は 、 民 間 部 門 が 経 済 モ デ ル に 関 す る 学 習 に 基 づ き 期 待 を 立 て 意 思 決 定 を す る ケ ー ス で も 、 や は り 安 定 性 の必 要 十 分 条 件 と な っ て い る 。3)イ ン フ レ 率 に 対 す る 利 子 率 の 反 応 係 数 の大 き さ は 、テ イ ラ ー の 経 験 的 判 断 か ら 得 ら れ た が、 今 や 金 融 政 策 ル ー ル で は 必 ず 満 た す べ き 数 値 と な っ て い る 。 3  期 待 と 金 融 政 策 の 効 果 世 界経 済は1970年代 以降、 二度 に渡る オイ ル ショッ クな どの 深刻な イン フレ ショッ クを 経験 し た。 そ の中で、イ ンフレ ショッ クに対する人 々の予 想の影 響が重視さ れるよ うになっ た。 総需 要・ 総供給モデ ルの短期 総供給 曲線や、2 −1 で 説明した 動学総供 給曲線は、 この経験を 期待イン フレ 率の変化 という形で モデルに 反映 させている。よ り高 い期待イ ンフレ率はよ り高い賃 金と現在 の価 格をも た らすか ら、期 待イ ンフレ 率の変化 が 更な るイ ンフレ ショ ック を起 こし 、DAS 曲線 のシ フ ト をもた らす。 期待イ ンフレ率 の変 化は、イン フレシ ョックを 起こすだけでは なく政策 的にも重 要 性を持って いる。そ れは、反インフレ 政策へ の信認が、 犠牲率 で計られるイ ンフレーシ ョン下 の社 2 3 以 上 の経過は、 マンキュ ー(2012)H 巻11章に詳し い 説明 が掲載されて いる。 ここで の学習 行動と は、 予想値 を合理的 に予想す るとき に用い る構造型 を、推 計に基づき 計量的 に明 らか にして いく過 程を指して いる。 経済主体は 最終的 には構 造型を把 握する から、学 習行動 が完了し たとき に は合理的 に予 想すること になる。

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安定 化 政 策 の 運営 会 的 費 用4) を 大 き く 変 化 さ せ る こ と に 関 連 し て い る 。 3 −1  信 認 と 政 策 効 果 前 節 で は 、 企 業 や 家 計は 適 応 的 に 期 待 す る とし て 動 学 総 需 要 ・ 総 供 給 モ デ ル で の 説 明 を 進 め て き た が、 適 応 的 期 待 は 必 ずし も 最 適 な 期 待 仮 説 で は な い 。 そ こ で 、 現在 の マ ク ロ 経 済 モ デ ル で 多 用 さ れ て い る 合 理 的 期 待 仮 説 に 基 づ い て 、 家 計や 企 業 は 期 待 す る と し よ う 。 な お 、 簡 単 化 のた め に 以 下 で は 、 合 理 的 期 待 をE,(7t い。1)= 冗 いト1と 完 全 予 見 と し て 進 め る 。 完 全 予 見 と す れ ば 、 企業 や 家 計 は 政 府 が 何 ら か の 政 策 を 実 施 し た と き には 、 直 ち に均 衡 値 を 予 測 し て 行 動 す る こ と にな る。 図7 で 、 中 央 銀 行 が イ ン フ レ 率 低 下 を 目 指 し て 金 融 引 き 締 め 、 す な わ ち よ り 緊 縮 的 な 政 策 ル ー ル へ 変 更 し た と す る 。 適 応 的 期 待 の 場 合 はA が 次 の 均 衡 と な る が 、 合 理 的 期 待 の 場 合 にはB やE..' が 均 衡 と な る 可 能 性 が 出 て く る。 もし 、El/ を 実 現 で き れ ば 、 政 府 は 社 会 的 に 無 費 用 で イ ン フ レ を コ ン ト ロ ー ル 可 能 と な る 。 し かし 、 こ れ を 実 現 で き る た め には 条 件 が 必 要で あ る 。 そ れ は、 民 間 部 門 が 政 府 の 政 策 実 行 力 を 信 認 し て い る 、 す な わ ち 、 政 府 が 反 イ ン フ レ 政 策 を 完 全 に 実 施し 、 か つ 有 効 で あ る と い う 信 認 で あ る 。 そ こ で 、 信 認 の 政 策 へ の影 響 を 見 て みよ う 。 政 策 実 行 力 に つ い て 乏 し い 実 績 し か な い 、 従 っ て 信 認 さ れて い な い 中 央 銀 行 を 考 え よ う 。 実 績 を 前 提 に す れ ば 、 こ の 中 央 銀 行 が 長 期 間 新 し い 政 策 を 持 続 す る と、 企 業 と 家 計 が 期 待 す る 可 能 性 は か な り 低 い。 従 っ て 、 民 間 部 門 の 期 待 イ ン フレ 率 は 、 す な わちDAS 曲 線 は 変 化 せ ず 、 結 果 とし て 政 策 変 更 に 伴 うDAD 曲 線 の シ フ ト は 国 民 所 得 を 下 落 に 導 く 。 中 央 銀 行 は イ ン フ レ 低 下 に は 成 功 す る が 景 気 を 犠 牲 に す る か ら 、 適応 的 期 待 の ケ ー ス と同 じ 結 果 にな り 、 図7 で は 均 衡A が 実 現 す る 。 次 に 政 策 の実 行 力 や 持 続 性 に つ い て 実 績 を 持 ち 、人 々 に 信 頼さ れ て い る 中 央 銀 行 を 考 慮 し よ う 。 こ の 中 央 銀 行 が 緊 縮 的 ル ー ル へ の移 行 を 発 表 す る と 、 民 間 部 門 の 期 待 イ ン フ レ 率 は 低 下 す る 可 能 性 が 高 い 。 政 策 変 更 の ア ナ ウ ン ス は マ イ ナ ス の イ ン フ レ シ ョ ッ ク を 生 み 出 し 、 図7 で 、DAS 曲 線 をDASO

か らDAS1 ま で シ フト さ せ 、 中 央 銀 行 の 政 策 変 更 に よ るDAD 曲 線 のDADO か らDAD1 ま で の

シ フ ト と と も に 国 民 所 得 の 小 さ な 下 落 と イ ン フレ 率 の 短 期 的 な 低下 を 起 こ す 。 4 ) 短 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線 は 、 正 の 実 物 シ ョ ッ ク が 無 い 限 り 、 イ ン フ レ 率 の 低 下 はGDP 低 下 す な わち 失 業 増 加 が 不 可 避 と な る こ と を 示し て い る。 そ れ ゆ え 政 府 が 反 イ ン フ レ 政 策 を 実 施 す る た め に は 、 失 業 率 が 自 然 失 業 率 を 越 え る 規 模 と 期 間 、 ど れ は ど のGDP が 失 わ れ る か を 知 る 必 要 が あ る。 犠 牲 率 は 、 イ ン フ レ 率 の1 % 低 下 に 対 す る 実 質GDP の 低 下 率 で 表 さ れ る。 例え ば 犠 牲 率 が5 で あ る と、 イ ン フ レ 率 を1 %下 げ る た め に は 実 質GDP は5 %低 下 し な く て は な らな い。 犠 牲 率 を オ ー タ ン の 法 則 によ り 失 業 率 の タ ー ム で 表 す と、オ ー ク ン の係 数 が2 な ら ば 、 イ ン フ レ 率 を1 Q/下 げ る た め に は 失 業 率 は2.5% 上 昇 す る 必 要が あ る。 −41 −

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π 冗 ≪ Tip. πB 図7  信 認 と 緊 縮 的 金 融 政 策 / Yn 図7 では 、 経 済は 短期 均 衡B へ動 き、 そ の 後、 新し い 長 期均 衡E./ に 向 か っ てDAD1 に沿 い 下 方 に 動 く。 もし 企業 や家 計が完 全 に政 府を 信認し て いれ ば、 よ り 短 い 期間 で経 済を長 期均 衡Eao か ら長 期均衡 町/ へ動 か せる可 能性もある。 以上 の 信認し て いる 場 合とし てい ない 場 合を 比 較す る と、 信認 の有 無が イ ンフレ ー ショ ン の低下 コ ス ト を 大きく 変 えてい る。 100%の信認 があれ ば、 小さ な 費用 で 反イ ンフ レ 政策は 効 果を 持つ が、 信認 が低 い ほ ど社 会的 費用は大きく なる。5) 3 −2  時 間非整合性 で は、な にが信認の程 度を決める のだろうか。 あるいは 逆に な ぜ家計や 企業 は政府を 信認 しな いの だろう か。 それは、時 間非整合性 (time inconsistency) が存 在するか らで ある。 政 府が企業や 家計の期待 に影響する ように そ の時点で は最適な 政策を公表し たとする。 企業 や 家 計が期待に 基づいて行 動後、 経済状 況の変更な どにより、 政府はよ り最適な 政策 を発見し、 政 策 内容 を放棄し変 更す る、言い 換えれば 「裏切る」イ ンセン ティブを 持つとしよう。 このよう に、 政 府が 前後 で矛盾し た政策を 実施する ことを時間 非整合 性6)という。 民間 部門が合理的な 期待 に基 づ いて意思 決定をする ときに 政府の時間 非整合性を 認識してい れば、合 理的な企業や家 計は 政府 を 信認しなく なるか ら、 前項で 見たよう に政 策実施 に伴う社 会的 費用は大 きく なり、 政策効果 が削 が れてし まう。時 間非 整合 性を最初 に指 摘し た のは、キ ッド ランド =プレ スゴ ッド であ る。7)彼等 の 主 張を、 フィリップ ス曲線を使っ て説明しよ う。 中央銀 行が雇用拡大 すなわち失 業率 (u ) 減少と、 インフレ 率(n )抑 制という2 つ の政策 目 標 を 持ってお り、L (u, n) =u 十r n'\,r 〉O と いう損失関 数で中央 銀行の目標 が表さ れる と しよ う。 中央 銀行として はL の極 小化が政策目 的となる から、 図8 では、 目標関数は減点 に向 かっ て 凹型の 社会的な無差別 曲線 ≒ 、11 、 ≒ とし て表さ れ、減点 に向かって 損失は低い。 中央銀 行が、民 間部門 の期待イ ンフレ 率(π') はゼ ロ %から変化し ない と見て、 自ら の政策 目 標 を最 適化(社 会的費用 最小化) するよ うに 行動し たとき、 どのよ うな 状態 が実 現する だろう か。 5 ) 新々古 典派が想定し てい るように 賃金や価格に 肢行性な どが無く 伸縮的に変化 するならば、100%の 信認 を中央銀行が 得て いる場合には、 無費用でのイ ンフレ 抑制 も可能である。 6 )時 間的不整合性、時 間不整合性、 動学 的不整合性と も言う。

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図8  時 間 非 整 合 性 安定化政策の運営 中 央 銀 行 が 目 標 イ ン フ レ 率 ゼ ロ を 目 指 し て 金 融 引 き 締 め を 実 施 し 、 そ の 効 果 が 人 々 に 浸 透 し 期 待 イ ン フ レ 率 が ゼ ロ に な っ た と し よ う 。 こ の 場 合 、 中 央 銀 行 に と つ て π' =0 の 短 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線PO は 所 与 と 考 え ら れ る の で 、 中 央 銀 行 は 金 融 緩 和 に よ り イ ン フ レ を 起 こ せ ば 失 業 を 減 ら す こ と が で き る 。 そ こ で 、 中 央 銀 行 は 、 短 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線PO に 無 差 別 曲 線Io が 接 す るA 点 ま で 、 イ ン フ レ 率 を 高 め よ う と す る 。 こ の 中 央 銀 行 の 政 策 運 営 を イ ン フ レ ・ バ イ ア ス と い う が、 重 要 な こ と は 、 イ ン フ レ ・ バ イ ア ス は 中 央 銀 行 の 最 適 政 策 の ー つ と い う 点 で あ る 。 た だ し 、 民 間 部 門 が 期 待 を 変 え な い と 前 提し て い る 、 つ ま り 時 間 的 に は 現 時 点 し か 考 慮し て い な い か ら 、 裁 量 的 に 最 適 な 政 策 と言 え る 。 残 念 な こ と に、A 点 は 民 間 部 門 が 合 理 的 で あ る 限 り 実 現 し な い。 な ぜ な ら 、 合 理的 な 民 間 部 門は 中 央 銀 行 の イ ン フ レ ・ バ イ ア ス を 知 っ て い る ので 、 政 策 実 施 と 同 時 に 期 待 イ ン フ レ 率 をA 点 で の イ ン フ レ 率 πa ま で 高 め る か ら で あ る 。 民 間 部 門 が 期 待 イ ン フ レ 率 を πa ま で 高 め る と 、 短 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線 は 図8 で 右 上 ヘ シ フト す る。 こ の とき 、A 点 は もは や 中 央 銀 行 に と っ て 最 適 点 で は な

い 。 新 た な 短 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線PA に 対 応 し た 中 央 銀 行 の 最 適 点 は 、Pa とIl が 接 す るB 点 と な

る 。 と こ ろ が、 民 間 部 門 が イ ン フ レ 期 待 を さ ら に 修 正 し 短 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線 が 右 上ヘ シ フ ト す る か ら 、B 点 も 実 現 す る こ と は な い 。 従 っ て 、最 終 的 に 実 現 す る点 は 、図8 で 示 さ れ る よ う に 短 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線 と 中 央 銀 行 の 無 差 別 曲 線 の 接 点 が 長 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線 上 にあ るC 点 とな る 。 と い う の は 、C 点 は 、 短 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線Pc ( π' =Kc ) が 与 え ら れ た も と で 、 中 央 銀 行 に と っ て 最 適 点 で あ る と 同 時 に 民 間 部 門 に と っ て も 現 実 のイ ン フ レ 率 が 期 待 イ ン フ レ 率 と 一致 し て い る 長 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線 上 の点 だ か ら で あ る 。 残 念 な こ と に、C 点 は 、 長 期 フ ィ リ ッ プ ス 曲 線 上 で 実 現 可 能な イ ン フ レ 率 と 失 業 率 の 組 み合 わ せ の 中 で は 、 中 央 銀 行 に と っ て 望 ま し い 点 で は な い 。 な ぜ な ら、C 点 は イ ン フ レ 率 ゼ ロ のEo 点 と 比 べ て 、 失 業 率 は 自 然 失 業 率U χで 同 じ で あ る に も か か わ らず 、 イ ン フ レ 率 が は る か に 高い と い う 意 味 で 、 明 ら か に望 まし く な い か ら で あ る。 こ のよ う に 中 央 銀 行 が 最 適 行 動 を と っ た に も 関 わ ら ず 、 イ ンフ レ 率 が 必 要 以 上 に 高 く な っ て し ま う 理 由は 、 時 間非 整 合 性 が 発 生 す る か ら で あ る 。 中 央 銀 行 に とっ て 長 期 的 に 最 適な 状 態 で は 、 現 実 の イ ン フ レ 率 も 民 間 部 門 の 期 待 イ ン フ レ 率 も ゼ ロ で あ る。 し かし 、 期 待 イ ン フ レ 率 が ゼ ロ な ら ば 、 わ ず か な イ ン フ レ 率 上 昇 で 失 業 率 を 大 き く 減 少 で き る。 こ の た め 、 中 央 銀 行 が い っ た ん民 間 部 門 の −43 −

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期待 イン フレ率 がゼ ロである ことを認 識す ると、 当初のイ ンフレ抑 制に非整合的な 目標、正 のイ ン フレ を望 むよう にな る。 しかし、 民間部門 が合理的な らば、 中央銀行 の方針変更を完 全に期 待で き る ため、 中央銀 行がこれ以 上悪 化させたくな いと考 えるレベ ルまで民間 部門は期待イ ンフレ 率 を 高 め、 結 果とし て、長 期フ ィリップ ス曲線 上で 高いイ ンフレ 率が実 現して し まう。8)なお、 本項 の 説 明は 、合 理的期待 の下 で貨幣 の超中立性が成 立する状 況を、 中央銀行 と民間部門のゲ ームとし て 見 た 説明と もなってい ることを 付け 加えておく。 3 −3  公約、透明 性、 説明責 任 で は、時 間非整合 性を無くして 信認を得る ためには、 政府は どうす べきであろうか。 この解 決 策 の1 つが ルール的な 政策運営であ る。 政策 運営 に時間 非整合性 がある場 合に 政府が 金融政策 を 裁 量的 に、すな わち長 期的見通しを 持たず各時点 で最適 と考える 政策を実 施し たとする。 前項で 見 た よう に、 政府と民間 部門が自 らの利益を最大化 するよ うに行動し た結果、均 衡ではイ ンフレ率 が 必 要以 上に 高く なるとい う非効率 が生ずる。 そこ で、 金融 政策を 一定ルー ルにし たがって 運営す る こ と が考え られる。例えば 、中央銀 行に独立性を 与え、イ ンフレ 率のコントロ ールの みに専念させ る といっ たル ールや制度 をつく る、 貨幣供給量を 一定の ルールでコ ント ロ ールする、ある いはイ ン フ レ目 標策な どのよう に目標を設定し て金融政策 を運営す る、といっ た方 法で ある。要約 すれば、 中 央銀 行およ び政府に 人々の期待を 裏切るイン フレ政策 を決して 行わない、 という公約 (コミ ット メント) をさ せるこ とで ある。 同 時に ルール的政策 は、 政治家 の機会主義や 選挙対策 により左 右さ れず、 過剰な規 模の政策 も 実施 されない から、 経済学的に合 理的な 政策を 実施する 手段として も望 まし い。 政治家は 選 挙で の 立場 を良くす るため に マクロ経 済政 策を利用し ている 恐れが強い。 結果 とし て、選挙 のため に 景 気を 操作する、 いわ ゆる 政治的 景気 循環が起きる と言 われている。 アメリ カでは、大統 領就任直 後 には インフレ ーションを 低めるため に景気後退 を起こし、 選挙 が近 づくと失業 を低めるた めに 景気 を刺 激するよ うである。 日本では、近 年まで自 民党の一党 支配が続 いていた ので政治的 循環はあ ま り見 られな かっ たが、首 相によって 経済政策の スタンス が変 化した ことがあっ た。 ル ール的政策 運営を補 強する概念 とし て透明 性と説明責 任がある。 透明性 とは 、政策 の進捗状 況 や状態、 実績 を見えるよう にする仕組 みを指し、 ホームペ ージを使っ た情報 公開や情報公 開制度 な どはそ の一端 である。説 明責任とは、官庁 など が、 他官庁や 公務員な ど直接的 関係を持つ 人・組 織 だけでな く、家 計、企業な ど間接的関 係を 持つす べての利 害関係者 (ステー クホルダー) に活動 状 8 )以 上の数 式によ る説明は マンキ ュー(2012)n 巻3 章補 論、 また 動学総需 要・総 供給モデ ルに基づ いた 説 明は武 隈(1998)8 章を参照 のこと。

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安定化政策の運営 況 や 実 施 す る 政 策 の予 定 、 内 容 、 結果 等 の 報 告 を す る 必 要 が あ る と い う 考 え 方 で あ る 。 透 明 性 や 説 明 責 任 を 実 現 す れ ば 、 自ず と 裁 量 的 な 政 策 運 営 の余 地 は 限 ら れ る こ と に な る 。 も ち ろ ん、 表 面 的 に 透 明 性 や 説 明 責 任 を 実 施し て、 虚 偽 の 報 告 な ど に よ り 意 図 的 に 情 報 公 開、を せ ず 、 実 態 を ご ま か す こ と は 可 能 で あ る 。9)従っ て 、 政 策 目 標 を 明 ら か に し 、 達 成 状 況 、 未 達 成 な ら そ の 理 由、 以 後 の 予 測 な ど を 常 に 明 ら か に す る 努 力 が 政 府 に は 求 め ら れ る 。 3 −4  中 央 銀 行 の 独 立 性 時 間 非 整 合 性 の も た らし た 第2 の 重 要 な 結 論 は、 中 央 銀 行 の 独 立 性 に 関 す る も の で あ る 。 ロ ゴ フ は 、 何 ら か の 措 置 無 し に は 、 政 府 に ル ー ル 的 政 策 運 営 は 期待 で き な い と 主 張 し て い る 。 10)政 府 はGDP を 自 然 率 水 準Yk, 以 上 にし よ う と す る 誘 因 を 常 に 持 っ て お り 、 ま た 、 政 府 を 一 定 の 政 策 目 標 に 拘 束 す る こ と も不 可 能 だ か ら で あ る。11)す る と、 合 理 的 期 待 の下 で は 、GDP の 変 動 幅 を 小 さ く は で き る が 、 イ ン フ レ 率 は ゼ ロ 以 上 に な っ て し ま う 。 12)し た が っ て 、 イ ン フレ 抑 制 を 政 策 目 標 と す る な ら ば 、 社 会 的 な 判 断 よ り 「 保 守 的 ( イ ン フ レ 回 避 的 )」 な 人 物 を 中 央 銀 行 総 裁 に 就 任 さ せ 、 そ の 他 の 政 府 機 関 か ら 独 立 に す べき と 主 張 し て い る 。 こ こ で 言 う 「 独 立 性 」と は 、他 機 関 か ら 干 渉 が な い 、 特 に 政 策 結 果 に よ っ て 恣 意的 に 中 央 銀 行 総 裁 を 罷 免 さ れな い こ と を 指 し て い る 。 ロ ゴ フ の 主 張 に 対 し て は 、 中 央 銀 行 の 独 立 性 が 強 い 国 ほ ど マ ク ロ 経 済 パ フ ォ ー マ ン ス が 良 い 、 と い う 主 張 を 支 持 す る 実 証 分 析 も あ る13 )ま た 、 二 大 政 党 制 の下 で の政 権 交 代 で は 総 裁 を 交 代 さ せ な い 、 と い う 意 味 で 中 央 銀 行 が 独 立 で あ れ ば 、 イ ン フ レ 抑 制 に よ り 生 ず るGDP の 変 動 幅 を、 よ り 小 さ く で き る と い う 分 析 も あ る 。 他 方 で 、 ど こ ま で 中 央 銀 行 に 独 立 性 を 与 え る べき か 、 とい う 論 点 も検 討さ れ て い る 。 中 央 銀 行 の 目 標 と 国 民 の 目 標 が 相 違 し た と き に 、 どち ら を 優 先 す べき で あ ろ う か 。 ウ ォ ル シ ュ は 、 依 頼 人 = 代 理 人 モ デ ル に 基 づ い て 、 中 央 銀 行 が 政 策 目 標 を 達 成 で き な い 時 に は 一 定 の ペ ナ ル テ ィ を 与 え る 契 約 関 係 と し て 、中 央 銀 行総 裁 と 政 府 な い し 国 民 の 関 係は 捉 え る べき と し て い る14 )フ ィ ッ シ ャ ー は「政 策 目 標 の独 立 性 」 と 「政 策 手 段 の 独 立 性 」 を 区 別 す る 必 要 が あ り 、 多 く の 研 究 結 果 か ら、 政 策 手 段 9) 例 え ば 、 名 目 経 済 成 長 率 を 政 策 目 標 と す る と 、(名 目 経 済 成 長 率)=(物 価 変 化 率n) 十(実 質 経 済 成 長 率 △Y /Y) だ か ら 、 π =1 、 △Y /Y=4 で も π =3 、 △Y /Y=2 で も 、 名 目 経 済 成 長 率 は5 % に な っ て し ま う。

10)Rogoff(1985)

11) ア メリ カ 連 邦 準 備 銀 行(FED) はGDP を 自 然 率 水 準 以 上 に 誘 導 し よ う と は 考 え ず に 政 策 を 実 施 し て い る と い う 主 張 も あ り 。 支 持 す る 学 者 も 多 い。

12)Alesina and Gatti (1995)な ど 。 13)Alesina and Summers (1995) 14)Walsh (1995)

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の 独 立 性 は 与 え ら れ る べ き だ が 、 政 策 目 標 の 独 立 性 は 与 え ら れ る べ き で は な い と す る。 15)そ し て 、 政 策 手 段 の 独 立 性 を 与 え る 代 わ り と し て 、 中 央 銀 行 は 目 標 達 成 度 に つ い て 政 府 や 国 民 に 説 明 責 任 が あ る と し て い る 。 ま た 、 単 な る 独 立 性 の 確 保 だ け で は な く 、 中 央 銀 行 が 財 政 面 を 考 慮 せ ず に、 利 子 率 を 操 作 す る こ と が 金 融 政 策 の 有 効 性 を 高 め る と も 述 べて い る 。 以 上 の 理 論 的 分 析 の結 果 を 受 け て 、各 国 は 次 々 と 中 央 銀 行 の 独 立 性 を 高 め て い っ た 。我 が 国 で も 、1998 年4 月 に 「日 本 銀 行 法 」 の 改 正 が 行 わ れ 日 銀 の 独 立 性 が 大 幅 に 向 上 す る と 同 時 に 、 政 策 委 員 会 の 内 容 公 表 、 ホ ー ム ペ ー ジ に よ る 情 報 公 開 な ど 、 説 明 責 任 を 果 た す 努 力 を 講 じ て い る。 4  イ ン フ レ 目 標 策 近 年 、 各 国 が 次 々 と 実 施 し て い る 金 融 政 策 ル ー ル が 、 イ ン フ レ 率 を 目 標 と す る 政 策 運 営、 イ ン フ レ 目 標 策 で あ る 。 イ ン フ レ 目 標策 は、 行 動 面 で は 、 中 央 銀 行 な い し 政 府 が イ ン フ レ 率 を 指 定 の数 値 な い し 範 囲 に 維 持 す る こ と を 宣 言 し 実 施 す る こ と だ が 、 原 理 的 に は 、 経 済 構 造( モ デ ル) を 制 約 と し た 中 央 銀 行 の 最 適 行 動 と し て 捉 え ら れ る 。 16)ま た 、 本 章 のテ イ ラ ー ル ー ル を 含 ん だ 動 学 総 需 要 ・ 総 供 給 モ デ ル は 、 イ ン フ レ 目 標 策 を実 施し て い る 経 済 を 表 し て い る と 見 な せ る 。 本 項 で は 、 量 的 な 制 約 か ら イ ン フ レ 目 標 策 の 運 用 に 関 す る 話 題 を 紹 介 す る 。 4 −1  長 期 の 金 融 政 策 と し て の イ ン フ レ 目 標 策 近 年 の マ ク ロ モ デ ル が 共 通し て 示 し て い る こ と は 、 金 融 政 策 は 長 期 的 な イ ン フ レ ー シ ョ ン の 重 大 な 決 定 要 因 で あ る と い う こ と であ る 。 す な わ ち 中 央 銀 行 が 、 拡 張 的 な 金 融 政 策 ル ー ル を 実 施 す れ ば イ ン フ レ ー シ ョ ン は 長 期 的 には 高 く な り 、 他 方 、 中央 銀 行 が 緊 縮 的 な 政 策 ル ー ル に 従 う な ら、 イ ン フ レ ー シ ョ ン は 長 期 に は 低 く な る 。 金 融 政 策 は 、 長 期 に は 国 民 所 得 や 実 質 利 子 率 に 影 響 を 与 え な い ので 、 国 民 所 得 は 自 然 産 出 量 に等 し く 、 実 質 利 子 率 は 自 然 利 子 率 に 等 し く な る 。 そ れ ゆ え 、 長 期 の イ ン フ レ 率 は 、 あ る 政策 ル ー ル の も と で 、 自 然 利 子 率 を 中 央 銀 行 に 実 現 さ せ る 水 準 とな る 。 動 学 総

需 要 一総 供 給 モ デ ル に 基 づ け ば、 長 期 的 な イ ン フ レ 率 は 、MP 曲 線 をY =Y χでI S 曲 線 と 交 差 さ

せ る 水 準 に 落 ち 着 く 。 長 期 マ クロ モ デ ル によ れ ば 、 国 民 所 得 は 自 然 産 出 量 に 等 し く 、 実 質 利 子 率 はI S 曲 線 上 の 自 然 産 出 量 に 対 応 す る 水 準r Nと な る の で 、(1)式 のY い r にY χ、r r、Jを そ れ ぞ れ 代 入 す る と 次 の 結果 が 得 ら れ る 。 15 )Fisher (1995 ) 16 ) イ ン フ レ 目 標 策 の モ デ ル 面 に 関 す る 説 明 は 加 藤 (2006 )、 各 国 で の 実 際 の 運 営 に つ い て は 林 (2003 ) を 参 照 せ よ。

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安定 化 政 策 の運 営r

N =r 十a ( π, −7t:'^)十 β(Y χ−Y χ)

こ れを 冗に つ い て 解 く と 、 あ る 政 策 ル ー ル の も と で の長 期 の イ ン フ レ 率 πLR を 求 め ら れ る 。 π,R =((r χ−r )/ α )十 π'' (6) ㈲ 式は 、 長 期 の イ ン フ レ 率 は 、 実 物 的 要 因 で 決 ま る 自 然 利 子 率I^ χ、 金 融 政 策 ル ー ル (a 、 β )、 目 標 イ ン フ レ 率 冗 町こ依 存す る こ と を 示 し て い る が 、 こ の 関 係 に 基 づ く と 、 政 策 ル ー ル と 長 期 イ ン フ レ 率 の 関 係 につ い て 以 下 の点 を 主 張 で き る 。 第1 に 、 中 央 銀 行 が イ ン フ レ 率 や 国 民 所 得 の 水 準 に 関 係 な く 高 い 実 質 利 子 率 を 設 定 す る よ う な 政 策 態 度 は 、 長 期 的 には 低 い イ ン フ レ 率 を も た らす 。 す な わち 、 α の 値 が 大 き い ほ ど πLR は 小さ く な る。 第2 に 中 央 銀 行 が イ ン フ レ に 対 し て 、 よ り 弾 力 的 に 反 応 す る ほ ど 長 期 のイ ン フ レ 率 は 目 標 に 近 づ <。 す な わ ち 、 α が 大 き い ほ ど πLR は π 町こ近 <な る 。 特 に 、(r M−r ) 〉O で 長 期 のイ ン フ レ 率 が 目 標 を 上 回 っ て い る とき は 、 α が 大 き い ほ ど πLR は 低 く な る 。 第3 に 、 長 期 の イ ン フ レ 率 は 中 央 銀 行 の 景 気 に 対 す る 態 度 β に 依 存 し な い 。 第4 に、 長 期 の イ ン フ レ 率 を 目 標 イ ン フ レ 率 と 等 し く す る た め に は 、 中 央 銀 行 はr - r χを 実 現 す る 政 策 ル ー ル を 設 定 し な け れ ば な ら な い。 見 方 を 変 え る と 、r =r に 設 定 可 能 な ら πLR は β だ け で な く 引 こも 依 存し な い か ら、 長 期 的 に 目 標 イ ン フレ 率 を 達 成 さ せ る 政 策 ル ー ル は 無 数 に 存 在 す る こ と に な り 、 中 央 銀 行 は α や β に 強 弱 を つ け な が ら 、 現 実 の 実 質 利 子 率 を 自 由 に 変 更 で き る よ う に な る 。 従 っ て、 中 央 銀 行 がr =r χと 設 定 で き れ ば 、 ど の よ う な 目 標 イ ン フ レ 率 も、 実 物 的 要 因 に 左 右 さ れ ず に 長 期的 に は 達 成 可 能 で あ り 、 長 期 的 な イ ン フ レ ー シ ョ ン は 、 金 融 政 策 、 す な わ ち 目 標 イ ン フ レ 率 と 自 然利 子 率 の推 定 値 に 依 存 す る 貨 幣 的 現 象 と し て 捉 え ら れ る17 ) 4 −2  制約された 裁量的政策 運営 前項で 述べた性 質を利用す れば、イ ンフレやデフレ は長期 的には 金融 政策によっ てコントロ ール 可能であ り、 またイ ンフレ目 標策を実 施し ても他 の政策を拘 束し ない と考えら れる。 この 考えに基 づいて、イ ンフレ 目標策は既 にイギリ スとカナ ダな ど十力国 程度の国で 実施さ れているが、 特定の インフレ 率ではなく 範囲を目 標として いる。また、 消費税 上昇 やオイル ショッ クなどが起き たとき 17 ) 自 然 利 子 率 が ゼ ロ 以 上 で 、 物 価 が 粘 着 的 で あ る な ら ば、 実 質 利 子 率 は 中 央 銀 行 が 持 つ 通 常 の 手 段 で 制 御 可 能 で あ る 。 し か し 、 自 然 利 子 率 へ <O の 場 合 は 、r =r Nを 実 現 す る た め に 期 待 イ ン フ レ 率 の 制 御 が 必 要 と な る。 こ れ を 説 明 す る た め に は 、 本 格 的 なDSGE モ デ ル を 使 う 必 要 が あ る が 、 本 書 の 範 囲 を 超 え て い る 。DSGE モデ ル に つ い て は 加 藤 (2006 ) 等 を 参 照。 47

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に は 、 範 囲 の変 更 も 可 能 で あ る 。 特 に 、 オイ ル シ ョ ッ ク のよ う に 総 需 要 に も マ イ ナ ス の シ ョ ッ クが 与 え ら れ る と き には 、 中 央 銀 行 は 反 イ ン フ レ に 固 執 せ ず 、 短 期的 に は 、 裁 量 的 な 拡 張 的 金 融 政 策 を 取 る こ と も 許 さ れて い る 。 こ れ ら の 点 か ら は 、 イ ン フ レ 目 標 策 は 硬 直 的 な ル ー ル 的 政 策 で は な い 。 18)イ ン フ レ 目 標 策 の 要 点 は 、 中 央 銀 行 が 、 国 民 や 政 府 に 、 経 済 の 現 状 と 将 来 の 方 向 性 を 説 明し 、 政 策 の 妥 当 性 に つ い て 論 議 を 重 ね る こ と に あ る 。 そ の た め 、 イ ン フ レ 目 標 策 を 、 フレ ー ム ワ ー ク と し て 捉 え、 制 約 さ れ た 裁 量 的 政 策 運 営 と 呼 ぶ 見 方 も あ る 。 4 −3  イ ン フ レ 目 標 策 の 課 題 多 く の国 で 採 用 さ れ て い る と は 言 え 、 イ ン フ レ 目 標 策 に は 次 のよ う な 論 点 が 残 さ れ て い る 。 O インフレ ーション の計測方法 現 状では ほとんど の国が消費者物価指 数でイン フレ ーションを 計測し ているが、 それで良 い かど うかは 必ずし も結論は出 ていない。こ のため、 生鮮食品やエ ネルギ ー製品など価 格変 動の激し い財 を除い た指 数、 コア指数 が作られ、そ れに基づい て政策判 断を行うよ うになってい る。 ㈲ 望ましい 目標値 の水準 目 標インフレ 率として どれはどの水準 が適切か について 合意は得ら れていないが、 目標値 をゼ ロ 以上 にすべきで あるという 合意が得られて いる。 これは、 第一 に 名 目賃金に下方 硬直性があ る と き には、イ ンフレ 率ゼロは 実質賃 金の変化 を妨げ 労 働市場 の効率性 を損なう からであ る。 第二 に 不況時 に経 済を デフレー ショ ンに陥らせ、 金融危 機を引いて は経済の 縮小を招く危険 性が高い か ら である。 副 タイ ムラグとインフレ ーションの予 想可能性 イン フレ目標策 に限らず安 定化政策を 適切には実 施できない 原因として、 タイム ラグがある。 タ イム ラグとは、 特定の経 済現象が発生して から、そ れに対する 経済政策 が実行されて 効果を 持つ ま でに 要する時間 のずれ、を指し ている。タイ ムラ グは 、以下 のように 外部ラグと内 部ラグ に分け られ、1 年 程度の財政 政策のラグ に比べて金融 政策の ラグは1 年 半以上と長い。 18 ) 硬 直 的 政 策 ル ー ル の 典 型 例 が、 貨 幣 供 給 量 増 加 率 を 実 質 経 済 成 長 率 に 固 定 す る と い うk % ル ー ル で あ る。

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安定化政策の運営 内 部 ラ グ … … 認 知 ラ グ : 経 済 変 動 の 発 生 か ら、 発 生 を 政 府 な ど が 認 識 す る まで の 期 間 。 決 定 ラ グ : 政 策 を 決定 す る た め の 期 間 。 外 部 ラ グ … … 政 策 決 定 か ら 効 果 が 現 れ る ま で に 要 す る 時 間。 タイ ムラ グの存在は、安 定化をも たらすた めに実施さ れる経済政策 が、 むしろ 経済を不安 定化さ せる という 皮肉な結果 をもたらしか ねない。 そ こで、 タイム ラグを考慮に入 れて政策を 実施しよう とするな らば、 景気動向 について 正確な予 測 が必要とな る。 景気 動向を予測す る最も 簡単な方 法は、 日本銀 行短 期経済観 測な ど 景気 先行指標 によ る判断 が挙げ られる。 景気先 行指標 とは 、複雑な 経済の動きを幾 つかの 計測 の比較的 容易な数 値 で代表させ るこ とを 意図している。 し かし 、どのような 数値が 統計学的に真 に経済の動 きを代表 し ているか については、 学問的 には 結論は 得られていな い。 より 信頼に足る方 法として、 計量経済 モ デル に基づいた予測 がある。 日本でも 政府各機関をはじ めとし て、 民間の銀 行や 調査機 関が様 々 な 予測 値を出し てい る。 し かし 、こ れらの予 測 にし ても、 モデル の作り方、 パ ラメータ の正確さ 、 外生変数 の予想値な どによって、予 測値 の正しさが大きく 左右さ れてし まう。 このよう に 現状で は 経済変動 は予測不 可能なこと が多 い。 金融政策 に関する 長期間のラ グを考慮 すると、予 想の困難さは、 インフレ率 目標の達 成が困難で あ るこ とを示唆す る。 また、 制御が困難な点 は、中央 銀行の政策 運営が正しい か否か の判断を難し く し、 結果 として 中央 銀行 への信認を低 下させてし まう。 利子 率ル ールで も、 政策目 標の一 つ にGDP ギ ャップ すな わち 自然産出 量が 入っ ており、 実質 目 標値の不 確かさと いう欠点を 持っ ている。 この論点 は、 経済 構造の不確実 性、 すな わち経済モ デル が確実 には知 り得な いとい うより 大きな 論点 に含まれ る。 利子 率ルー ルに関す る近 年の研 究では 、 経済構 造について 不確実性 の存在する ときには、 頻繁に政策 を変 更して目 標を追求 するよりは 、状 況を見な がら徐 々に目標を追求 する とい う慎重な 政策運営 の方が、経 済の安定性 を増すこ とが分か りつつ ある。 経済変 数の予測 の難しさ に対 して、客 観的には 確固とし た反論は出さ れていな い。 しかし、 仮に インフレ 率が 政策 目標とし て不十分 だとしても、 貨幣供給 量など他 の中間目標 の方がより 適当とは 言えな いだろう。 貨幣 供給 量を適切 にコントロ ールでき たとして も、 最終目標で あるイン フレ 率を 適 切に操作でき る保証はな い。 むしろ、 最終目 標である インフレ 率を、直接 にコ ント ロ ールする方 が望 まし いと 考えられる。 この主張 が正しかっ たからこそ、 現実 に多く の国 が貨 幣供 給量を政策目 標 から外した と言えよう。 ただし、 日本のよう にゼロ 金利下のデ フレ ーショ ンに対して は、インフ 49

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レ目 標策 の 実施は 難しく 別 の政策 ルール を行う べき と の主 張 もある。19)また、 リーマ ンシ ョ ック 後 の世界経 済は デフレ 傾向にあり、 日本と同 様な ゼロ 金利政策を 実施してい る国も少なく ない 。 5  非 伝 統 的 金 融 政 策 ルー ル的政策 運営を実 現する 具体的 手段として、 公約 (コミット メント )を 位置づける こと がで きた。 公約を伴う ルール的 政策運営は、 伴わない 裁量的運 営より人 々の信認を 得や すいか ら効 果が 高いな ど、 公約は 政策運営で 重要な役割 を果 たして いる。 この見方では、 公約は 政府の行動 を拘 束 す る手段 として捉え られてい るが、近年では 、人 々の期待を一 定方向 に誘導する手 段として も考 え られている。 流動性 のわなが起 きている とき には、貨幣 供給量 増加や、そ れによる利 子率操作な どの伝統 的 政 策は、 伝達 メカニズ ムが破壊さ れているため に効果を 持たない。そ こで、 人々の期待を 操作す る こ と によって、 金融緩和 を実現しよ うという考 え方が 生まれた。 このような 政策を総称し て非伝 統的 金 融政 策と 呼ぶ が、 例 えば2001年 から2006年 に我 が国 が実施し た 量的 緩和 政策な どは、 そ のよ う な政策 の1 つで ある。 また日本銀 行は 、2012年末現 在、 非伝統的 金融政策 の一 つとして、 イン フレ 率が1 %以 上になる まで 量的な金融緩 和を続 行す るという 公約を 掲げている。 量的 緩和政策 は、 マネタリ ー・ベ ース増加、ゼロ 金利 継続コミット メント、 日銀資産構成 変化 な ど幾つ かの 経路を経 て波及す るが20) ここでは 利子 率への 効果につ いて 述べよう。 流動性の わな が 発生し、 名目利子 率がゼロ %以 下に下 からないとしよ う。 このときフ ィッシ ャー方程式 ( 名 目 利 子 率) =( 事 前 期 待 イ ン フ レ 率) 十( 実 質 利 子 率) に基づく と、X %のデフ レー ショ ンが 発生する と予測 されれ ば、 実質 利子率 は否応なく O( %)=( −X) 十X  とプ ラス の値になる から、せっ かくゼ ロ 金利政策で 名目利 子率をO %にして も無 意 味 であ る。そ こで、中央 銀行が何 らかの手段で、 人 々にインフレ がy %で 発生すると予測 させる こ と

に成功 すれ ば、O( %)=y 十(−y) となる から、 先ほ どとは 逆 に実質利 子率 をゼロ %以下 にす る

という 超 金融緩 和が 実現す るこ とにな る。そ れ ゆえ、ゼ ロ 金利 を継続 する とい う公約 に期 待さ れ

19) スペンソ ン(200D 、Benhabib et. al. (2002), Krugman (1998)等 で議論さ れている。

20) 日本銀 行は、1999年∼2000年までゼ ロ金利 政策を 実施し、2000年6 月に ゼロ金 利を一 端解除し たが、2001 年3 月 ∼06年3 月 まで量的 緩和政策 を実施し た。 量的 緩 和政策 の内容は、 ①金 融調節 の操 作目 標を日 銀当 座預金 残高に変 更し必 要額を大 幅に上回っ て供給、 ②潤 沢な資 金供給を 消費者物 価指 数の前年比 上昇 率が 安 定的 にゼロ %以 上とな るまで続け ること を公約、 ③日 銀当座 預金の円 滑な供 給が必 要な ら長期 国債 の買 入 れを増 額、 というものであった。

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安 定化政策の運営 て い る の は 、 人 々 の 予 想 あ る い は 心 理 を デ フ レ か ら イ ン フ レ に 切 り 替 え る こ と にあ る 。 公 約 付き の 名 目 貨 幣 供 給 量 増 加 な ど に よ る 金 融 緩 和 に よ り 、 人 々 の 期 待 イ ン フ レ 率 の 上 昇 が 実 質 利 子 率 を 下 げ 経 済 を 刺 激 す る 、 と 論 じ た ク ル ー グ マ ン の 調 整 イ ン フ レ 論 。 日 本 銀 行 の言 う 時 間 軸 効 果 、 リ ー マ ン シ ョ ッ ク 後 の ア メ リ カ のQEl とQE2 は 、民 間 部 門 の 予 想 を 動 か し 政 策 効 果 を 得 よ う と し て い る点 で 、 上 述 と 類 似 の 発 想 に 基 づ い て い る 。 こ の 政 策 の 理 論 的 な 背 景 は 、 最 適 な ル ー ル 的 政 策 の 性 質 か ら 派 生し て い る 。 最 適 な ル ー ル 的 政 策 で は 、 参 照 す る 経 済 変 数 の 中 に 過 去 の デ ー タ が 入 り 、 そ れ によ り イ ン フ レ 率 やGDP な ど 内 生 変 数 の動 き が 緩 慢 に な る が 、 こ の よ う な 性 質 を 歴 史 依 存 性 と 言 う 。 モ デ ル 分 析 で 、 名 目 利 子 率 は ゼ ロ % 以 下 に 下 が れ な い 、 と い う 制 約 を 加 え て デ フ レ に 対 応 し た 最 適 政 策 を 求 め 直 す と、 歴 史 依 存 性 を よ り 強 化 す べ き と い う 条 件 が 得 ら れ る 。 具 体 的 に は、 過 去 の 参 照 期 間 を よ り 長 期 にし て 、 名 目 利 子 率 が ゼ ロ か ら 回 復 後 も、 一 定 期 間 は 低 い 水 準 を 維 持 す べ き と い う こ と で あ る。 我 が 国 の 量 的 緩 和 政 策 が 一 応 の 成 功 を 見 だ のは 、 過 去 のデ ー タ を 遡 っ て 観 察 し た 上 で ゼ ロ 金利 の 解 除 を 検 討 す る 、 と い う 条 件 を コ ミ ッ ト メ ント に 入 れ た 結 果 、 将 来 の 金融 緩 和 を 「 前 借 り 」 で き た た め と推 測 さ れ て い る が 、 こ の こ と は モ デ ル 分 析 の 結 果 に 対 応し て い る と 考 え ら れ る 。 し か し 、 成 功 し た と 言 っ て も、 そ の 効 果 は 金 融 制度 の安 定 化 や デ フ レ ス パイ ラ ル の防 止 ま で で あ り 、 景 気 回 復 を も た らし た と は 言 い 難 い 、 と い う のが 日 本 で の コ ン セ ン サ ス と 考 え ら れ る。 21) こ の よ う な 非 伝 統 的 政 策 の 成 否 は 、 最 終 的 に は 、 信 認 の 強 さ が 関 わ っ て い る と 見 ら れ る か ら 、 中 央 銀 行 や 政 府 が ど れ ほ ど 人 々 の 信 認 を 得 て い る か が 重 要 と な る。 信 認 は 繰 り 返 し ゲ ー ム の 名 声 (reputation) と 近 い か ら 、 ど の よ う にし て 人 々か ら 名 声 を 得 る か 、 と 言 い 換 え て 良 い だ ろ う。 こ の た め には 、1 つ に は 、 過 酷 (c01d turky) な 政 策 対 応 な ど に よ り 、 政 策 変 更 時 に は 、 政 府 の 断 固 た る 意 思 表 明 が 必 要 で あ る と 言 わ れ て い る22) ま た 、 頻 繁 な 政 策 変 更 は む し ろ 信 認 の 喪 失 に つ な が る の で、 細 か な シ ョ ッ ク にい ち い ち 対 応 せ ず 緩 慢 に 変 更 す べ き と 実 務 的 に は 言 わ れ て い る が 、 こ れ は 上 で 述 べ た 時 間 依 存 性 を支 持 す る 見 解 と 言 え る。 6  ル ー ル 的 財 政 政 策 金融政策は ルール的 に運営される ようになっ たが、税 制政策につい ては、そ の性格 上、 ルり レ的 に 運営しづ らい。 そのた め、 金融政 策ほど には 、一般的 に受 け入 れられたルー ル的な 政策 手段は少 ない。 21 ) 鵜 飼 (2006 )22 )Ball (1994 ) −51 −

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6 −1  ビ イル ト イ ン ・ スタ ビ ラ イ ザ ー 4 −3 で 述 べ た タ イ ム ラ グ を 可 能 な 限 り 小 さ く す る た め に、 幾 つ か の 政 策 手 段 が 考 案 さ れ て い る。 こ れ ら を 総 称 し て ビ イ ル ト イ ン ・ ス タビ ラ イ ザ ー と 呼 ぶ 。 ビ イ ルト イ ン ( オ ート マ チ ッ ク )・ ス タ ビ ラ イ ザ ー と は 、 財 政 収 支 の変 更 を ル ー ル 化 し て 、 可 処 分 所 得 の 変 化 分 ( △Y − △T ) を 国 民 所 得 の 変 化 分 ( △YS ) よ り も 小さ くし 、 有 効 需 要 の 変 動 幅 ( △Yd )、 し た が っ て 均 衡 国 民 所 得 の 変 化 を 自 動 的 に 狭 め よ う と す る 制 度 で あ る 。以 下 に 挙 げ る 累 進 税 制、失 業 保 険 な ど が代 表 例 で あ る 。 ① 累進税 制 累 進税 制は 所得 に税 率が関 連して いる ため に、減 税 が景気 後退 に伴っ て自 動的 に実 施さ れる か ら、以 下のメカニ ズムで 総需要の変化 幅を小さくし 、 景気 を下支え すること が可能である。

YS ↓ ⇒T =tY ↓ ⇒ ( △Y − △T ) を よ り 小 ⇒ △C を よ り 小 ⇒ △Y 。を よ り 小

景気 加熱時 には上とは 逆方向に メカニ ズムが 働き、イ ンフレ ーションなど を抑えるこ とが可能 と なる。 累進税 制に限 らなく とも、所 得税制その ものにビ イルト イ ン・スタビ ライザーとし ての機 能 があ る。 こ れについては、 一括固定 税制下の投 資乗数 と所 得税 制下 の投資乗 数の比較によっ て確 認 でき る。 ② 失業保 険 失業 保険は 景気交代時 に失業が 増加すると、 自動的 に保険料は 減少し給 付金が増加す るから、 可 処 分所得 の変 化を国民所 得の変化より も小幅にし て、以 下の メカニ ズムで 景気を下支え ること が 可 能で ある。 YS ↓⇒ 保険料 減少、給付 金増加⇒ ( △Y − △T ) をより 小⇒ △C をよ り小⇒ △Yo をより 小 し かし、 これ らのビ イルト イン・スタビ ライ ザーは ス タグフレ ーショ ンに 弱いと言 われて いる。 例え ば所 得税は名目所 得PY を 基準とし て課税 される ため、以下 のよう に意図に反して 可処 分所 得 を減 少させる ことに原 因がある。

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安定化政策の運営 6 −2  均 衡財政 ルール ビ イルト イン ・スタビライザ ーと並 んで、見 てお く べき ルール的 財政政策とし ては均衡 財政ルー ルがあ る。 こ のル ールの下では、 政 府はいかな る時にも 税収以上 に支 出すること は許さ れな い。し かし、 次のような 理由か ら均衡 財政ル ール に対し ては反対 意見が強い。 ① 財政黒字や 財政赤字は 経済の安 定化 に貢 献 経済 が不況 の時 には、税 収は減少し 失業保険 などの所 得移転は 増加するから、 財政 収支 は赤字 と な る。既 に① のビ イルト イ ン・スタビ ライザ ーのところ で述べたよう に このよ うな自動 的な財政 赤字が 経済を安定 化し ている。 ところ が、均衡 財政ルー ルの下では、 政府は増税 か財政支 出削減を し なく てはな らな いから、 むし ろ不況 は深刻化し てしまう。 ②  財 政 黒 字 や 赤 字 は 税 制 に よ る 誘 因 の 歪 み を 最 小 化 可 能 高 い 税 率 は 、 経 済 活 動 を 抑圧 す る と い う 形 で 、 税 金 の 社 会 的 費 用 を 高 め て し ま う。 税 金 の 社 会 的 費 用 は 、 税 率 を 年 々 で 上 下 さ せ る よ り も 、 相対 的 に 安 定 化 す る こ と に よ っ て 最 小 化 さ れる 。 こ れ を 税 金 の 円 滑 化 (tax smoothing) と 呼 ぶ が 、 円 滑 化 を 実 現 す る た め に は 不 況 時 に は 財 政 収支 は 必 然 的 に 赤 字 と な る 。 ③  財 政 赤 字 は 税 金 の負 担 を 現 在 世 代 か ら 将 来 世 代 へ 移 転 可 能 高 齢 化 社 会 に 備 え る た め に 現 在 世 代 が 社 会 資 本 な ど を 充 実 し た と す れ ば 、 将来 世 代 は そ れ か ら利 益 を 受 け ら れ る 。将 来 の 利 益 享受 者 に幾 ば く か の 費 用 を 払 わ せ る た め に は 、現 在 世代 は 財 政 赤 字 で 、 つ まり 国 債 で 賄 え ば よ く 、 政 府 は 国 債 償 還 の た め に 将来 世 代 に 課 税 す れ ば よ い 。 し かし 、公 債残高が 小規模であ れば上記 の反論も 適切と考え られるが、各 国の現状 のよう に公 債 残 高が余り にも巨 額になっ たとき にも妥当な 見解か 否かは疑問 が残る。そこで、 巨額 の公債残 高の 存 在を意識し た財政政策 の運営方 法につい て取り上げて みよう。 6 −3  基礎 的収支 近年、各国 では経済 規模に比して 大きな 公債残高 が累積さ れて いる。 異時点 間 の効 率的な 資源配 分 を考える と、 一概 に公債の累 積が悪い とは言えな いし 、同一 残高でも 経済規模すな わち国 民所得 の大小によっ て影 響が全く 異なる。 そこで、 一般的 には公債 残高の対国 民所 得比率 (B /Y ) を目 安 とするこ とが通例で ある。 公債残高対 国民所 得比率を 上昇させない 最も直 截な 条件は、EU 諸国で採 用して いる対国 民所得 53

(21)

比 率 を 一 定 水 準 以 下 に 止 め る と い う も の で あ る 。 均 衡 財 政 (rB 十G =T ) や 基 礎 的 収 支 ( プ ラ イ マ リ ー バ ラ ン ス) の 均 衡 が 達 成 さ れ て い る な らば 、 こ の条 件 を 達 成 で き る 。 プ ライ マ リ ー バ ラ ン ス が 均 衡 し て い る と は 、利 払 費(rB )及 び 債務 償 還 費 を 除 い た 歳 出(G )が 公 債 金 収 入 以 外 の 収 入( ≒T ) で 賄 わ れ て い る 状 況 を 指 す。 プ ライ マ リ ー バ ラ ン ス 均 衡 を 達 成 す る と 、 名 目 利 子 率 = 名 目 経 済 成 長 率 で あ れ ば 、 公 債 残 高 対 国 民 所 得 比 率は 一 定 に 保 た れ る 。23) こ の よ う な 政 策 運 営 は 国 債 残 高 の 発 散 を 防ぐ か ら、 民 間 の 経 済 主 体 に 財 政 収 支 の長 期 的 一 致 を 期 待 さ せ る 。 長 期 的 に 財 政 収 支 が 一 致 す る と き に は 、 公 債 を 増 発し て も 合 理 的 な 経 済 主 体 は 将 来 の 増 税 を 考 慮 す る か ら消 費 や 投 資 を 増 加 さ せ な い 。 ま た 、 公 債 価 格 も 安 定 す る た め に 長 期 利 子 率 は 安 定 化 し 、 こ れ ら の 結 果 とし て イ ン フ レ ー シ ョ ン も 抑 制 さ れ 物 価 は 安 定 化 す る 。24)。 し た が っ て 、 公 債 残 高 の 対 国 民 所 得 比 率 が 高 い 国 で は 、 と り あ え ず プ ラ イ マ リ ー バ ラ ン ス の 均 衡 を 達 成 す る よ う に 財 政 を 運 営 す る こ と が 望 まし い と 考 え ら れ る 。 以 上、 本 論 で は 、 動 学 的 総 需 要 ・ 総 供 給 モ デ ル に 基 づ き 、 近 年 の マ ク ロ 的 な 経 済 政 策 の 運 営 方 法 を 見 た が 、 リ ー マ ン ・ シ ョ ッ ク 以 降 、 世 界 経 済 は 新 た な 局 面 を 迎 え て い る 。 金 融 市 場 を 発 信 源 と す る 金 融 シ ョ ッ ク へ の 対 応 、 非 伝 統 的 金融 政 策 の有 効 性 、 財 政 政 策 の 有 効 \生な ど 、 今 後 ど のよ う な 政 策 運 営 を 実 施 す べ き か に つ い て 議 論 が 進 行 中 で あ る 。 【 参 考 文 献 】 上 村 敏 之 (2001 )r 財 政 再 建 を 成 功 さ せ る シ ナ リ オ を ど う 描 く か 」、『 経 済 セ ミ ナ ー 』 第560 号、 日 本 評 論 社 、pp.34-39 . 鵜 飼 博 史 (2006 )「量 的 緩 和 政 策 の 効 果: 実 証研 究 の サ ー ベイ 」、『金 融 研 究』 第25 巻 第3 号、日 本 銀 行 金 融 研 究 所、l-45. 江 口 允 崇 (2011) r 動 学 的 一 般 均 衡 モ デ ル によ る 財 政 政 策 の 分 析 』、 三 菱 経 済 研 究 所 。 加 藤 涼 (2006 )『現 代 マ ク ロ 経 済 学 講 義一 動 学 的 一 般 均 衡 モ デ ル 入 門 』、 東 洋 経 済 新 報 社。 木 村 武 (2002 )「物 価 の 変 動 メ カ ニ ズ ム に 関 す る2 つ の 見 方 」、『日 本 銀 行 調 査 月 報 』(2002 年7 月 号 )。 木 村 武 ・ 種 村 知 樹 (2000 )、「金 融 政 策 ル ー ル と マ クロ 経 済 の 安 定 性」、r金 融 研 究』19 巻2 号、 日 本 銀 行 金 融 研 究 所 、101-159. ス ベ ン ソ ン (2001 )「 開 放 経 済 下 に お け る 名 目 金 利 の非 負 制 約 : 流 動 性 の 罠 を 脱 出 す る 確 実 な 方 法 」、 日 本 銀 行 金 融 研 究 所Discussion Paper No. 2001-J-6.

林 伴 子 (2003 )『マ ク ロ 経 済 政 策 の 「技 術 」』、 日 本 評 論 社。 マ ン キ ュ ー (2012 )『 マ ン キ ュ ー マ ク ロ 経 済 学 』( 第3 版 )、〈2 〉 応 用 篇 、 東 洋 経 済 新 報 社。 23 )( 経 済 成 長 率 )≧( 名 目 利 子 率 )の 条 件 が 満 た さ れ て い な け れ ば 、 利 払 い 費 分 だけ プ ラ イ マ リ ー バ ラ ン ス は 赤 字 と な り 公 債 残 高 比 率 は 増 加 す る 。 条 件 の 簡 潔 な 説明 は 上 村 (2001), pp.34-39 を 参 照 せ よ 。 24 ) 近 年、 公 債 残 高と 財 政 運 営 の 関 係 か ら イ ン フ レ ー シ ョ ン を 考 察 す る 分 野 と し て 、 物 価 水 準 の 財 政 理 論 と い う 研 究 が あ る 。 詳し く は 木 村 (2002 ) を 参 照 せ よ 。

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安 定 化 政 策 の 運営

ジ ョ ー ン ズ (2011 )『 ジ ョ ー ン ズ マ ク ロ 経 済 学2 短 期 変 動編 』、 東 洋 経 済 新報 社 。

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参照

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