• 検索結果がありません。

超親水性スパイラル線による送電線コロナ騒音の低減法

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "超親水性スパイラル線による送電線コロナ騒音の低減法"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

主要な研究成果

背 景

降雨時、超高圧交流架空送電線の電線表面に付着した水滴から生じるコロナ放電に起因して、コロナ騒音が 発生することがある。コロナ騒音には「ジリジリ」や「ザーザー」と聞こえる“不規則成分(ランダム騒音)” と「ブーン」と聞こえる“純音成分”があり、なかでも電源の 2 倍の周波数成分が大きく、これをコロナハム 音という。コロナハム音は自然界にない音質のため人に感知されやすい。また強風時、電線の風切り音である “風音”を低減するため、電線にスパイラル線を装着することがあるが、スパイラル線は水を溜め込みやすい 性質をもつためコロナ騒音の増大を招く。

目 的

“コロナ騒音”と“風音”の両者を低減するスパイラル線(低騒音スパイラル線)開発のため、水滴の付着 状態を決定する電線表面のぬれ性とコロナ騒音の関係を明らかにする。その上で、適切なぬれ性を持つ低騒音 スパイラル線を試作し、そのコロナ騒音低減効果を実規模試験により明らかにする。

主な成果

1.電線表面のぬれ性とコロナ騒音の関係 様々なぬれ性をもつ試験電線を試作し、小規模の人工注水課電試験から電線のぬれ性とコロナ騒音の関係 を明らかにした(図 1)。超撥水性の電線の表面には水滴が付着せず、コロナ騒音は最も低くなるが、撥水 性能が低下するとコロナ騒音は増大する。超親水性の電線の表面は付着する水滴の個数が少なく、コロナ騒 音が低くなることに加えて、親水性の低下に対するコロナ騒音の増大は、撥水性の場合に比べて小さい。 2.超親水性(低騒音)スパイラル線のコロナ騒音低減効果 酸化チタン溶射により表面改質した超親水性スパイラル線を試作し、ACSR410mm2の 4 導体実規模 (500kV 相当)の人工注水課電試験を実施し(図 2 参照)、以下の通りに超親水性スパイラル線の優れたコロ ナ騒音低減効果を明らかにした。 (1)従来のスパイラル線は水滴を溜め込む性質があるのに対し、超親水性スパイラル線は水滴を素早く排 出し、コロナ放電の発生源となる水滴の付着個数が少なく、コロナ騒音も低くなる。 (2)超親水性スパイラル線のコロナ騒音低減効果は、特にコロナハム音において大きく、図 3 に示すよう に従来のスパイラル線(製品 A、製品 B)のみならず、スパイラル線を装着していない電線よりもコ ロナハム音発生量は低くなる。

今後の展開

長期自然暴露試験により、超親水性スパイラル線の表面劣化が確認されたため、経年劣化の少ない超親水性 スパイラル線を開発し、実用化を図る。 主担当者 電力技術研究所 高電圧・電磁環境領域 主任研究員 宮島 清富 関連報告書 「表面改質による交流架空送電線のコロナ騒音低減対策手法の開発」電力中央研究所報告: T03021(2004 年 3 月) 「低騒音スパイラル線のコロナ特性評価」電力中央研究所報告: H05004(2006 年 4 月) 80

超親水性スパイラル線による送電線コロナ騒音の低減法

(2)

4.電力流通/流通設備の社会との調和

81 20 25 30 35 40 45 50 0 30 60 90 120 150 180 θ 接触角 水滴 (ぬれ性) 親水性 撥水性 超親水性 超撥水性 20 25 30 35 40 45 50 0 30 60 90 120 150 180 接触角 θ[°] コロ ナ騒 音発生量 [d B(A) ] Gmax 12kV/cm Gmax 14kV/cm Gmax 16kV/cm θ 接触角 水滴 Gmax:最大導体表面電位の傾き (ぬれ性) 親水性 撥水性 超親水性 超撥水性 図1 電線のぬれ性とコロナ騒音の関係 電線 低騒音スパイラル線 電線 低騒音スパイラル線 コロナ放電 図2 超親水性(低騒音)スパイラル線の注水課電試験状況 10 20 30 40 50 60 10 11 12 13 14 15 16 17 18 製品A  製品B  スパイラル線なし  低騒音スパイラル線 10 20 30 40 50 60 10 11 12 13 14 15 16 17 18 最大導体表面電位の傾き Gmax[kV/cm] コロ ナハ ム 音発生量 [d B(A) ] 製品A  製品B  スパイラル線なし  低騒音スパイラル線 超高圧交流架空送電線でのGmaxの範囲 図3 超親水性スパイラル線をACSR410mm2、4導体に巻き付けた場合のコロナハム音特性 超親水性スパイラル線 天線 天線 地線 地線 接触角が5度以下の超親水性の場合 と 1 5 0 度 以 上 の 超 撥 水 性 の 場 合 が、コロナ騒音発生量は低い。 超撥水性から撥水性にぬれ性が低 下すると、コロナ騒音発生量は、 Gmax16kV/cmにおいて10dB程度 増加する。一方、超親水性から親 水性にぬれ性が低下しても、コロ ナ騒音発生量の増加は、2∼3dB程 度にとどまる。 注水停止後のコロナ放電状況。地 線に巻いたスパイラル線の下端か らのコロナ放電が、天線に巻いた スパイラル線からよりも、コロナ 放電が活発である。これは、水滴 付着方向の電界強度が大きいため である。 Gmaxが15kV/cmのとき(500kV送 電線にACSR 410mm2、4導体を使 用 し た 場 合 の 代 表 的 な G m a x は 15kV/cm前後)、超親水性スパイラ ル線のコロナハム音発生量は、従 来のスパイラル線の場合に比較し て10dB以上低い。 撮影条件:注水停止後60∼120秒の間バルブ撮影 試験条件:Gmax=17kV/cm、ACSR410mm2の4導体

参照

関連したドキュメント

区分 項目 内容 公開方法等 公開情報 地内基幹送電線に関する情報

ケーブルの種類および太さ ケーブルは,許容電流,電圧降下,短絡容量,施設方法等に応じて 次の中から選定いたします。 なお,ケーブルの許容電流は,日本電線工業会規格(JCS

直流電圧に重畳した交流電圧では、交流電圧のみの実効値を測定する ACV-Ach ファンクショ

一方、4 月 27 日に判明した女性職員の線量限度超え、4 月 30 日に公表した APD による 100mSv 超えに対応した線量評価については

最近の電装工事における作業環境は、電気機器及び電線布設量の増加により複雑化して

基幹系統 地内基幹送電線(最上位電圧から 2 階級)の送電線,最上位電圧から 2 階級 の母線,最上位電圧から 2 階級を連系する変圧器(変圧器

また、手話では正確に表現できない「波の音」、 「船の音」、 「市電の音」、 「朝市で騒ぐ 音」、 「ハリストス正教会」、

2 環境保全の見地からより遮音効果のあるアーチ形、もしくは高さのある遮音効果のある