1. 応急復旧(航路啓開業務) 平成 23 年 3 月 11 日発生の東北地方太平洋沖地震なら びに同津波によって,東北太平洋沿岸の港湾は未曾有の 大災害を受けた。 東北地方太平洋側の重要港湾,八戸港,釜石港,大船 渡港,相馬港等では津波により防波堤が倒壊。石巻港, 仙台塩釜港,小名浜港では想定を超えた地震外力と液状 化による岸壁のはらみ出し,エプロンの陥没等が発生し ている。さらには地殻変動によって港全体が沈下し施設 機能が損なわれている外郭施設や係留施設等も数多く存 在し,太平洋側港湾全域が甚大な被害となっている (図-1)。 また,港湾を直撃した津波により埠頭用地に保管され ていたコンテナや木材等が多数散乱し,その一部は海上 に流出するとともに港周辺の車両や係留船舶,建築物な どと合わせて,航路・泊地内の支障物に姿を変える事態 となった(写真-1~写真-3)。 特集/東日本大震災∼コンクリートにできること∼/2.被災と復旧
港湾施設の復旧について
神 原 晋
* * かんばら・しん/国土交通省 東北地方整備局 港湾空港部 港湾 事業企画課 【宮古港】 ・港内浮遊物(丸太・養殖関連) ・岸壁エプロン空洞化・沈下 ・防波堤水没・損壊 【八戸港】 ・防波堤転倒・水没 ・航路埋没 ・護岸ケーソン倒壊 八太郎地区北防波堤 転倒・水没状況 【久慈港】 ・波除堤上部コンクリート全壊 ・臨港道路損傷 ・護岸倒壊 半崎地区波除堤 上部コンクリート全壊状況 港内浮遊物状況 【釜石港】 ・湾口防波堤傾斜・水没 ・岸壁はらみ出し ・臨港道路表層アスファルト めくれ 【大船渡港】 ・湾口防波堤倒壊 ・岸壁荷捌き地沈下 ・岸壁上部コンクリート隆起 【石巻港】 ・岸壁エプロン沈下 ・臨港道路法肩部崩壊・流出 ・港内浮遊物(丸太・自動車) 【仙台塩釜港(塩釜港区)】 ・岸壁エプロン陥没 ・岸壁はらみ出し・エプロン沈下 ・港内浮遊物 (自動車・養殖関連) 【仙台塩釜港(仙台港区)】 ・コンテナターミナルコンテナ 散乱 ・岸壁エプロン沈下 ・港内浮遊物(コンテナ・自動車) 【相馬港】 ・防波堤傾斜・水没 ・岸壁倒壊(部分的)・陥没 ・多目的クレーン海中転落 【小名浜港】 ・護岸エプロン沈下・はらみ出し ・岸壁エプロン沈下・陥没 ・ガントリークレーン損壊 湾口防波堤消失状況 野々田地区岸壁(−13 m)荷捌き地沈下状況 (ハネ部) (中央部) (中央部) 湾口防波堤(北堤)傾斜状況 湾口防波堤(北堤)堤頭部 雲雀野中央ふ頭岸壁(−13 m) エプロン沈下・陥没状況 臨港道路雲雀野中央線法肩部崩壊・陥没状況 東ふ頭岸壁(−7.5 m) 陥没状況貞山ふ頭2号岸壁(−7.5 m)エプロン沈下状況 高砂コンテナターミナル コンテナ散乱状況 1号ふ頭第4・5号岸壁 陥没・倒壊状況 沖防波堤傾斜状況 5・6号ふ頭先端護岸 はらみ出し状況 5・6号ふ頭先端護岸 エプロン沈下状況 大間港 尻屋岬港 関根浜港 八木港 小本港 岩 手 県 青 森 県 宮 城 県 大湊港 仏ヶ浦港 川内港 小湊港 青森市 盛岡市 御崎港 気仙沼港 雄勝港 女川港 松島港 久之浜港 江名港 中之作港 荻浜港 表浜港 金華山港 仙台市 福島市 子ノ口港 休屋港 青森空港 花巻空港 仙台空港 三沢飛行場 青森港 八戸港 久慈港 宮古港 釜石港 大船渡港 石巻港 仙台塩釜港 相馬港 小名浜港 むつ小川原港 野辺地港 図-1 東日本大震災における被災状況(港湾)港湾機能が痲痺状態にある一方,マグニチュード 9.0 の巨大地震は,東北自動車道を始めとする東北管内の主 要幹線道路を一時期通行不能とし,救援物資の受け入れ や燃料の搬送ルートの確保が急務となっていた。 このため,東北地方整備局では被災地の復旧・復興の ための緊急輸送道路網を確保する「くしの歯」作戦を展 開し道路啓開を行うとともに,海上輸送による大量の救 援物資の受け入れを行うべく,貨物船を接岸できるよう にするための海面浮遊物除去,航路内の支障物を揚収す る航路啓開を緊急復旧事業として実施した。 航路啓開は,東北地方整備局長と㈳埋立浚渫協会東北 支部長との間で平成 16 年 7 月に締結した「災害時にお ける東北地方整備局管轄区域の災害応急対策に関する協 定」に基づき,震災発生直後の翌 3 月 12 日に同協会に 要請し,津波警報が解除された後の 14 日より仙台塩釜 港仙台港区を優先港湾として漂流物除去,水中支障物の 確認測量と除去作業に着手し順次他港へも啓開作業を展 開していった。また,協会の精力的な調整により 3 月 14 日には近畿地方からの船団が東北被災港湾に向けて 出港し,関東地方をはじめとする全国各地からの起重機 船,ガット船等の作業船 53 隻が続々入港し,東北管内 の在場船と合わせて 37 船団で各港湾での啓開作業にあ たった(写真-4,写真-5,表-1)。 航路啓開業務は,各港湾とも港湾管理者や海上保安部 等と調整し,耐震強化岸壁とその航行ルート上にある航 路や泊地に優先順位を定め,浮遊物の除去や海中支障物 の揚収にあたったほか,除去後の暫定利用(運用水深) についても協議を重ねた。また,水中部の支障物揚収に あたっては,水没車両の中に取り残されている人体の有 無やコンテナ内部からの漏出物の確認も必要であったこ とから,深浅測量ならびに潜水調査による慎重な事前調 査が求められた。 写真-1 仙台塩釜港仙台港区高砂埠頭 写真-2 漂流コンテナ(仙台塩釜港) 写真-3 石 巻 港 写真-4 自 動 車 写真-5 コ ン テ ナ
たとえば,仙台塩釜仙台港区では津波により埠頭用地 に保管していたコンテナ約 1 700 本が散乱し,引き波に よる海上流失があった。緊急支援物資輸送船接岸のため の航路啓開を第一優先として行い,高松埠頭-12 m 耐 震強化岸壁に,岸壁の暫定水深利用ではあるものの 17 日 には救援物資を積んだ第 1 船が入港している。その後も 定期基幹航路であるフェリーの入港や,東北の主要産業 である完成自動車積み出し地となっている中野地区雷神 埠頭の再開を目指した異常物の撤去などが進められた。 その結果,3 月 23 日には被災地の重要港湾全てにお いて緊急支援物資船の入港が可能となったことから,水 産庁や海上保安庁,海上自衛隊の救援物資輸送船の他, 各地方整備局所属の浚渫船「白山」「清龍丸 」「海翔丸」 がそれぞれの港湾に水・食料等の支援物資を輸送し被災 地各地への支援物資が届けられた(写真-6,写真-7)。 また,緊急輸送物資のための航路・泊地の水域施設の 安全水深確保とあわせ,港湾管理者と連携して係留施設 の一般利用に向けた陸上啓開(陸上支障物除去,清掃) も行っている。八戸港では 3 月 18 日に鉱産品が,仙台 塩釜港仙台港区では 4 月 4 日にフェリーによる通常荷役 が行われ,4 月 16 日には東北地方で生産された完成自 動車が名古屋港に向けて出港し,東北地方経済産業の復 興第一歩として港湾物流が再開した。 なお,航路啓開作業による揚収物は,コンテナや車両, 船舶の外,建物の残骸や漁網,パルプ原材料などの多岐 にわたり,揚収量は 8 月 20 日時点でコンテナ約 380 台, 車両 230 台,小型船 340 隻,その他の揚収物 25 000 m3 に達しており,その多くは地元自治体などの協力により 処分されている。 2. 本格復旧・復興に向けて 東北地方整備局では東日本大震災で被災した東北 4 県 9 港湾について復旧・復興に向けた基本方針を定めるべ く,学識経験者を交えた委員会を設置し,将来を見据え た港湾施設の津波・震災対策を検討した。 これらの方針に基づき復旧復興事業に鋭意取り組んで いる具体的事例として八戸港を挙げる。 八戸港の被災状況は,写真-8 に示すように防波堤に 集中し,中でも総延長 3 500 m と東北有数の規模を誇る 北防波堤の被災程度がきわめて大きく,中央部およびハ ネ部のケーソン約 4 割(延長換算)が転倒し港内側に崩 れ落ちた。また,転倒ケーソン以外の防波堤部でも消波 ブロックの飛散,沈下や基礎マウンドの洗掘等が発生し ており,それを加えると北防波堤は全延長にわたる大き な被災となっていた(写真-9)。 北防波堤は,その被災過程と原因が注目された。 2.1 北防波堤の被災原因 北防波堤が津波来襲時のどのタイミングで被災したの かを確認することは,被災原因を把握する上で重要であ ると考えた。このため,北防波堤の津波来襲時の映像情 報を収集し,観測された津波の時刻歴波形に基づき被災 タイミングを推定した。 写真-6 宮古港救援物資「白山丸」 写真-7 仙台港救援物資「海翔丸」 表-1 災害協定に基づく航路啓開作業一覧 港湾名 埋立浚渫協会船団構成 啓開作業着手日 参考 第 1 船入港日(貨物等) 八 戸 港 起重機船 6 船団(29 隻) 3 月 15 日~ 3 月 19 日(救援物資) 久 慈 港 起重機船 4 船団(15 隻) 3 月 15 日~ 3 月 26 日(救援物資) 宮 古 港 起重機船 4 船団(13 隻) 3 月 15 日~ 3 月 16 日(救援物資) 釜 石 港 起重機船 3 船団(10 隻) 3 月 15 日~ 3 月 16 日(発電機) 大船渡港 起重機船 5 船団(18 隻) 3 月 19 日~ 3 月 23 日(救援物資) 石 巻 港 起重機船 3 船団(12 隻) 3 月 19 日~ 3 月 23 日(救援物資) 仙台塩釜港(仙台港区) 起重機船 4 船団(13 隻) 3 月 14 日~ 3 月 17 日(救援物資) (塩釜港区) 起重機船 8 船団(21 隻) 3 月 16 日~ 3 月 21 日(燃料) 相 馬 港 起重機船 3 船団(12 隻) 3 月 27 日~ 3 月 20 日(急患搬送) 小名浜港 起重機船 4 船団(14 隻) 3 月 18 日~ 3 月 18 日(救援物資)
北防波堤中央部は,写真-10 に示すように津波到達後 の相当な時間まで津波が激しく越流しているもののケー ソンの移動等が生じず堤体の原形をとどめていたことが 写真から確認されている。 一方,北防波堤ハネ部は,津波の初期段階を捉えたビ デオ映像から比較的早い段階でケーソンに変状が発生し ていたことを確認できることを写真-11 に示す。 八戸港北防波堤は,一見すると同じように被災してい るようにみられるが,被災前の断面性能や津波来襲時の 被災タイミングにより中央部およびハネ部で被災メカニ ズムが異なっていることを確認した。 北防波堤中央部では,今回来襲した津波に対する耐力 市川地区 護岸背後洗掘,損壊 航路・泊地埋没 防波堤倒壊 北防波堤 馬淵川河口 河原木地区 排水処理 施設全損 ポートアイランド 外港地区 中央第 1 防波堤 洗掘 マウンド洗掘・ ケーソン流出 マウンド洗掘・ ケーソン流出 泊地埋没 漁船乗り上げ 白銀地区 中央第 2 防波堤 上屋破損 照明灯破損 平成 23 年 3 月撮影 管理棟破損 魚市場破損 八太郎地区 写真-8 八戸港被災状況(港内全域) 全壊(ケーソン水没) 半壊(ケーソン倒壊等) ケーソン以外の被災 凡 例 防波堤上から撮影 平成 23 年 3 月 12 日撮影 3号ふ頭 3号ふ頭 2号ふ頭 2号ふ頭 1号ふ頭1号ふ頭 4号ふ頭4号ふ頭 被災「基部」 被災「中央部」 八太郎北防波堤 ◆総延長;3 500 m 被災「ハネ部」 被災延長:1 110 m 被災延長:764 m (60 函) 被災延長:1 410 m 被災延長:664 m (42 函) 被災延長:721 m 写真-9 八戸港北防波堤被災状況 写真-10 16:35 頃の北防波堤中央部の状況 北防波堤ハネ部の状況 写真-11 津波初期段階での北防波堤ハネ部被災状況
は有していたものの津波の長時間の越流により図-2 に 示すように背後が洗掘され堤体の安定が確保されなく なったためケーソンの移動が発生し被災が生じたものと 推定される。 一方,北防波堤ハネ部は,消波ブロックが被覆されて いたもののケーソン本体の耐波性能が小さく津波の比較 的初期段階で図-3 に示すように津波力によりケーソン の移動が発生し被災したものと推定している。 2.2 対策工法の検討 北防波堤は,八戸港が昭和 39 年に新産業都市整備地 区に指定されたのを契機に整備が進められ,背後地には フェリー埠頭やコンテナ埠頭が整備されるとともに,民 間企業では昭和 42 年に三菱製紙㈱八戸工場,昭和 57 年 には飼料穀物コンビナートが操業開始している。 北防 波堤(中央部)のケーソン被災延長約 760 m の背後地で 操業している港湾利用者にとって,この北防波堤の存在 は必要不可欠なものとなっていた。そこで,早期復旧を 求める要望活動が随所で活発化し,港湾利用企業や八戸 市,青森県など多くの方々から切実な要望が国土交通省 に寄せられていた。 早期復旧の要望に対応できる施工法と整備途中におい ても港内静穏度を向上させる施工手順を第一優先として 検討を重ね,第一段階として沖側にブロック堤を台風時 期までに築造し,その後,被災ケーソンの撤去と新規ケー ソンの据付を実施する二段階施工を計画した。その結果, 本年度の秋頃までのブロック堤暫定整備により,北防波 堤(中央部)の背後圏にあたる係留施設前面では港内静 穏度が 17%向上する実施断面となっている(図-4)。 仮消波堤整備後は港内側に滑動したケーソンをそのま ま存置した状態で,①港外側にブロック堤を築堤,②あ る程度港内側が静穏になってから滑動ケーソンを原地盤 まで撤去し,③むつ小川原港等で製作した新規ケーソン の据付,④上部コンクリート打設,⑤最後に消波ブロッ クの据え直しを実施する。 なお,滑動している防波堤ケーソンのうち,再浮上等 による転用が出来るものは再利用することとした。 3. 八戸港湾・空港整備事務所の取組み 今回の大津波により,八戸港でも 4.2 m 以上(5/27 気象庁発表)の津波が来襲している。幸いにも当事務所 は庁舎の浸水を逃れたことで,執務体制を直ぐに確立し 早期に被災調査を実施できた。 地元の期待に応えるために「頑張ろう」を合い言葉に 職員 7 人,業務支援技術者 2 人の計 9 人で災害復旧 PT を立ち上げた。もちろん他の職員も PT チームをバック アップ。PT チームは,急がれた北防波堤(中央部)を いかに速く復旧出来るか復旧断面の検討に取りかかった。 大被災の北防波堤をどのような調査で行うか話し合 い,ナローマルチビームでケーソン,マウンド,消波ブ ロックの形状を詳しく調べることとし,災害協定に基づ いた調査対応支援企業との契約により,現地打合せを震 災後 1 週間で行った。精力的に作業を進め,被災後 18 日経った 3 月 29 日に第 1 回会議を開催し復旧断面(案) を提案したのが最初の成果である。 4 月に入り被災施設ごとに任務分担しつつも,北防波 堤(中央部)の災害査定資料作成は全員で取りかかった。 被災調査結果から被災断面作成と数量算出を行うチー ム,施工計画・作業スケジュールを検討するチームに分 かれ作業に入ったが,大きな課題は「被災ケーソンの再 利用と破砕撤去の判別,それと施工方法の確立」であっ 押さえが無くなった 消波ブロックが法崩れ 堤体背後の洗掘により堤体の安定性が減少。 増加した水平力が減少した 滑動耐力を超えたためケー ソンが移動 H. W. L+1. 50 L. W. L±0. 00水平力 の増加 4. 6 +5. 00 +3. 50 +2. 50 ケーソン 100~300 kg/個程度 上部工 16. 0 港内側潮位 1:3 1:3 消波ブロック(20 t 型)乱積 図-2 中央部の被災メカニズム 押さえが無くなった 消波ブロックが法崩れ ケーソン本体の滑動耐力が不足 マウンドからの転落し港内側 に大きく移動 被覆石 1 000 kg/個程度 1:3 1:3 基礎捨石 30~200 kg/個程度 根固ブロック (1. 5×2. 5×4.0) L 16. 5×B 10. 0×H 12. 0 テトラポッド 20 t H. W. L+1. 50 L. W. L±0. 00 港内側潮位 上部コンクリート 4. 6 +5. 00 0. 2 0. 2 9. 6 水平力 の増加 1:1. 3 図-3 ハネ部の被災メカニズム 施工フロー 現況 手順① 消波ブロック移設 手順④ ケーソン据付 手順⑤ 上部コンクリート打設 手順⑥ テトラポッド移設 完成 手順② 倒壊ケーソン破砕・撤去 手順③ 捨石,均し 図-4 北防波堤の復旧方法
た。(中央部)被災ケーソン 60 函と(ハネ部)被災ケー ソン 42 函の早期復旧を考えたときに,安全かつ作業効 率を優先した撤去方法の検討が求められ,ケーソンの傾 斜が大きく水没し,上部工が 2.5 m と厚く,側壁を壊さ ずに上部工を撤去し中詰め材の撤去が可能か,ケーソン の撤去と据え直しの判断基準と撤去方法について支援企 業,他港からのヒアリングやインターネットでの資料収 集を行いながら検討を重ね資料作成に時間と労力を費や した。そして,2 号災以降の査定対応は工事発注業務が 出てきたため,5 ~ 6 人で行った。 特筆しておきたいのは復旧断面,施工方法決定には仙 台港湾空港技術調査事務所の協力が必要であったことか ら,災害復旧 PT と港湾空港部八戸港災害査定担当と仙 台港湾空港技術調査事務所八戸港設計担当と「チーム八 戸」(自称)を結成,連絡を密に図って連携し情報共有 して,どこよりも速く災害査定の全施設完了を実現した。 1 ~ 7 号災の災害査定の財務協議終了まで緊張感をもっ て PT チーム一丸となり対応し,「協議完了」の連絡を 受けたときの達成感は忘れられない。 東北地方整備局港湾空港部では災害復旧事業の迅速な 着手・完了を行うため,契約手続きの簡素化等を行って いる。この中で更に工事着手の早期化を図るため,関係 者と工夫し事前公告による予算示達日の開札という特例 措置を行った。そのために,工事仕様の確立と積算を急 ぎ契約担当と準備に追われたが,ブロック製作 2 件が 6 月 10 日,13 日に契約できたのは成果であった。同様に 消波据付工事 2 件も実施し 6 月 23 日に契約したことに より,7 月 11 日には現地着工出来た。この日は東日本 大震災の発生 4 カ月後にあたり,八戸─苫小牧間 1 日 4 往復の旅客フェリーが再開し,復旧工事の始まりと八戸 港の主要な物流機能が回復した日でもある。 11 月 9 日現在,北防波堤(中央部)については,八 戸港埠頭用地 3 箇所で約 5 600 個の消波ブロック製作が 完了,据付工事も 11 月中旬には完了している。11 月 1 日からは,むつ小川原港ケーソンヤードで防波堤の本体 となるケーソン製作が始まり,さらには被災したケーソ ンの撤去作業も開始している。 また,北防波堤(ハネ部)については,10 月 11 日か ら飛散した消波ブロックの移設作業が進められている。 今後は,北防波堤(中央部)と同様にケーソン製作およ び被災ケーソンの撤去および新規ケーソンの据付工事を 発注する予定である。 港湾利用者からは,北防波堤の早期復元を要望されて おり,災害復旧工事の早期完了を目標に,事務所一体と なって施工方法や工程短縮方法などを検討し,引き続き 港湾機能の回復に取り組んで参りたい(写真-12)。 写真-12 北防波堤(ハネ部)消波ブロック移設状況