荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによ
る核物質
著者名(日)
手塚 洋一
雑誌名
東洋大学紀要. 自然科学篇
号
49
ページ
13-59
発行年
2005-03
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00002497/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja荷電対称性の破れをもつ
カイラルループモデルによる核物質
手 塚洋一 *Application of Charge Symmetry Breaking
Chiral Loop Model to the Nuclear Matter
Hirokazu TEZUKA
abstract We apply the chiral loop model to the nuclear matter. First the system consisting of nucleons, sigma mesons and piolls with chiral symmetry breaking linear sigma term is discussed. This model is called the linear sigma model of Gel1-Mann&L6vy. The linear sigma model makes the effective pion mass square m;2 negative above the Fermi moエnentum pF=139 MeV/c. This means pion mean fields may exist in the nuclear matter at higher nucleon dellsity. This model has no repulsive interaction so that the nuclear matter cannot satisfy the saturation property. To realize the saturation we intro- duce contributions of w mesons and nucleon mass term. The extended chiral symmetry breaking loop Inodel can satisfy the saturation of the nuclear matter, i.e., the minimum binding energy B=-15.75 MeV at the normal dellsityρB=O.19/fm3(the]Fermi mo- mentum pF=278.5MeV/c)ラbut the incompressibility K=6119.13MeV is too large comparing with the expected value~200 MeV. The same calculations are carried out to the loop model with not only chiral symmet,ry breaking but a!so charge symmetry breaking(isospin symmetry breaking). At higher nucleon density the pion condensation is expected as well, but the binding energy of the nuclear matter cannot, be-15.75 MeV at the normal density no matter how changed the parameter coupling constants 91 and 9ωmay be. *東洋大学自然科学研究室 〒351-8510埼下県朝霞市岡2-11-10 Natural Science Laboratory, Toyo University,11-10,0ka 2, Asaka-shi, Saitama 351-8510, JAPAN14 手 塚 洋
1 はじめに
昨年の紀要ではアイソスピン対称性、カイラル対称性として知られているベクトル型の 変換と軸性ベクトル型変換に対する対称性を検討した。ベクトル型の変換はすべての粒子 に対し独立で、陽子と中性子の質量が等しければアイソスピン対称性は保存される。軸性 ベクトル型変換はスカラー・アイソスカラー粒子と擬スカラー・アイソベクトル粒子を、 スカラー・アイソベクトル粒子と擬スカラー・アイソスカラー粒子を、ベクトル・アイソ ベクトル粒子と軸性ベクトル・アイソベクトル粒子をそれぞれ混合させる変換である。そ のため、この変換に対して不変となるようなそれぞれの組の粒子場の組み合わせからなる カイラルループが提唱された。またこの変換は核子の質量が0でないと保存しないことも わかる。また、ベクトル粒子の組に関しては、カイラルループが存在すると質量が定義で きなくなり、このようなループモデルはうまく機能しないことがわかった。 この論文ではカイラルループモデルにアイソスピン対称性、カイラル対称性を破るよう な異なる種類の粒子場の混合項を加え、核物質に適用し、系の安定性を議論する。はじめ に最も簡単なカイラルループモデルであるGell-Mann&L6vyの線形σモデルを扱う。こ れはσ中間子とπ中間子の自由度のみを考え、カイラル対称性を破るσ中間子の線形項を 加えたものである。核子ならびに中間子の有効質量はσ中間子の平均場で定義されるが、 核子の自由度を考慮するとσ中間子の平均場は核子密度に依存することになる。そのため 粒子の質量は核子密度に依存し、密度が大きくなるに従い、質量が小さくなる傾向が現れ る。特に、π中間子の質量が最も早く小さくなり、H.Tezukaが1981年にすでに指摘して いるようにFermi運動量ρF~139 MeV/c程度でm:2が負になり、質量として定義でき なくなる。この領域ではπ中間子場が存在するほどエネルギーが低くなるため、π中間子 場の平均場が存在することが期待される。(π凝縮状態)ここでは、パリティを保存する ように、π中間子場の2乗の平均場の存在を仮定し、π中間子凝縮状態での核物質での粒 子の有効質量、平均場などを計算し、結合エネルギーを評価した。 エネルギーの評価を実験値に合わせるため、Gell-Mann&L6vyの線形σモデルに核子 の質量項とベクトル中間子を加えたモデルで同様な議論を行った。スカラー中間子と核子 との結合定数g1、およびω中間子と核子との結合定数gωをパラメータとして、核物質の 正規密度ρB=0.19/fm3(Fermi運動量ρF=278.5MeV/c)で核子あたりの結合エネル ギーが最小になり、B=-15.75 MeVとなるように調節することができた。ただし、そこ での非圧縮率はK=6119.13MeVとなり、実験値に比べ大きすぎる。 以上の計算ではカイラル対称性は破れていたが、アイソスピン対称性または荷電対称性 と呼ばれるベクトル型の変換に対する対称性は保存されている。さらに、アイソスピン対 称性を破るような粒子の混合する項を加えたカイラルループモデルを使って、核物質の性 質を検討した。σ凝縮状態での粒子の核子密度依存性はGell-Mann&L6vyの線形σモデ ルのときと同様であったが、π凝縮状態では核子密度とともに有効質量が大きくなる傾向 がある。また、核物質の正規密度ρB=0.19/fm3(Fermi運動量pF=278.5MeV/c)で 核子あたりの結合エネルギーを一15.75 MeVとなるようにパラメータを調節することはで きなかった。荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 15 n=-9°°L+・(∂oψ)°・ψ + °・ th、(。。M)+・(a。。)e・・+・(・。。)°・・ 一一{醐ψ…T(・+・・’)i・…)ψ+;(・。σ)2+;(・。・)・ -C~(σ2+π2-A)2-・Bσ} ・;砺働・;(・・輌・ψ・(…)・+(…)・ 一碗ヤ・Vψ一9・V(・+・・’)f・…)ψ+;{(…)2+(V・)2} ・;{(e・・)・+(・V・)・}+・~(・・+・・-A1)・+B・ となる。 核子の運動方程式であるDirac方程式は 乞7μ∂μψ+91(σ+iT・7ror5)ψ=0 であり、中間子に対してのKlein-Gordon方程式は ∂。∂μσ一9碗一4 C~(σ2+π2-Al)σ一B ∂μ∂μπ=91万dysτth-4 C~(σ2+π2-Al)π となる。 アイソスピン回転に対して系は不変である。実際、ベクトルカレント 5v一砺μ〉ψ+・・∂μπ の発散を計算すると ∂μ.TV=o となる。
2 Gell-Mann&L6vyの線形σモデル
核子と相互作用する中間子としてσ中間子とπ中間子の自由度のみを考え、カイラル対 称性を破るσの線形項を持つLagrangian密度 L一碗。ψ+9・V(・+i・・…)ψ+1(・。σ)2+;(・。π)2-ol(σ2+π2-Al)2-Bσ (2.1)
=Ls-Bσ を考える。Lsはカイラル変換に対して対称な部分であり、 g1、 Ol、.41、 Bは定数である。 ψは核子の場で、アイソスピンは1/2とし、陽子と中性子を考える。中間子の場はスカ ラー・アイソスカラーのσ中間子に対しσ、擬スカラー・アイソベクトルのπ中間子に対 しπと書かれる。7μ、or5はDiracのγ行列であり、γはアイソスピン空間のPauli行列 である。太文字で書かれたπやアはアイソスピン空間でのベクトルであることを示す。 このLagrangian密度に対するHamiltonian密度は ∂L _ ∂L ∂L ∂L (2.2) (2.3) (2.4) (2.5) (2.6) (2.7)16 手 塚 洋 一 微小カイラル変換に対しては系は不変にならない。軸性ベクトルカレントは - T σ2一吻μ7・百ψ一π∂”σ+・∂”π (2・8) となるが、その発散は - 7 - ア ∂・5賃一(∂・ψ)orμty・ラψ+酬・i(∂・ψ) 一π∂μ∂Ptσ・一∂μσ∂μπ+σ∂μ∂μπ+∂μπ∂μσ =Bπ (2.9) となり、σ粒子の線形項のためカイラル対称性は破れている。 荷電π中間子の崩壊π+→μ++u,t、π一→μ一+Pμを考えると 〈Ol.72α(o)1・β㈲〉-ikpaδ。βfπ となる。fπは荷電π中間子の崩壊定数で、π一→μ一+Vμに対してfπ=93 MeVである ことが実験的に知られている。座標空間にFourier変換し 〈Ol功α@)1・β㈲〉一琉μδ。β∫。e”’k’x となり、原点における発散をとれば 〈Ol∂。.f賃α(0)1πβ(k)〉-k、kμδ。β∫。一・n}δ。Ofπ (2.10) となるが、これを(2.9)と比べれば
B-f。m} (2.11)
が求まり、導入されたσの線形項の定数Bが決まる。 2.1 平均場近似:σ凝縮状態 Klein-Gordon方程式に時間空間一様な平均場近似を適用すると 0-91〈万ψ〉-40子(〈σ>2+〈π>2-Al)〈σ〉-B O=91〈ψ的5アψ〉-4 ci2(<σ>2十く7τ>2-A1)〈π〉 となる。パリティの保存から 〈π〉=0 とすると、第2の式はなくなり、第1の式は 91〈ψψ〉=4ci2(<σ>2-Ar)〈σ〉十B (2.12) (2.13) (2.14) (2.15) となる。この式からσ中間子の平均場〈σ〉は核子密度の関数として決まる。σ中間子の 平均場〈σ〉が0にならず、有限の大きさの平均場が存在する状態をσ凝縮状態と呼ぶ。荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 ここで中間子場を平均場とその揺らぎに分解し σ一→〈σ〉十σ π一→元 とおくと、Lagrangian(2.1)は L一砕∂・ψ+9・V・・〉ψ+91ψ輌・…)ψ+;(・。・)・+;(・。・・)・ -C~{(〈σ〉+∂)2+ft2-Al}2-B(〈σ〉+a) 一砕∂幽・・<・痢+9・di(・吻・T…i・’)・b+1(・。・)2+1(・。・・)・ -C子(a4+ft4+4〈σ〉δ3+4〈σ〉∂ft2+2∂2元2) -2C~(3<σ>2-A1)δ2-20子(〈σ>2-A、)ft2 -{40~(<・>2-A、)〈・〉+B}a- C~(〈・>2-Al)2-B〈。〉 と書き変えられる。このLagrangian密度から、核子の質量は M*=-91〈σ〉 17 (2.16) (2.17) (2.18) (2.19) と定義される。陽子と中性子の質量差はない。右肩の*は核内での有効質量であること を示す。 中間子の質量としては
・・m;2-40…(3<・>2-Al) (2.20)
・、m:・-4・~(.。〉・.Al)-9・〈ψψ〉. B (2.21) 〈σ〉 〈σ〉 が定義される。これらの粒子の質量はすべてσの平均場〈σ〉の関数として決まる。 2.1.1 定数の決定 1.agrangian密度に導入された定数g1、01、 A1を真空中(核子の存在しない状態=核 子密度0)での粒子の質量、π中間子の崩壊定数など実験的に決定できる量を使って求め ることを考える。 真空中(〈ψψ〉=O)で(2.11)と(2.21)を比べてmそ〈;〉一一1・雲 (・.22)
となるから 〈σ〉=_fπ (2.23) が求まる。 真空中での核子の質量MNとして実験値 Mp=938.3 MeV18 手 塚 洋 一 Mn=939.6 MeV の平均値を使うと MN=g1 fπ=938.9 MeV (2.24) となるから
91一竿 (・・25)
が決まる。 真空中で(2.20)と(2.21)の差をとってmZ-m募一40ぞ・2<σ>2-80行』 (2・26)
となるから 2 2・~-m晋π (・⑳
が求まる。同じく(2.15)を解いてA・一・・>2+、。~三。〉一鵠三雛 (2・28)
となり、導入されたすべて定数は中間子、核子の質量と崩壊定数fπで与えられる。 2.1.2 核子密度依存性 中間子場に平均場近似を適用したDirac方程式は 的μ∂μψ十g1〈σ〉ψニ0 (2.29) となるが、これは質量M*=-g1〈σ〉の自由粒子の運動方程式である。すなわちFermi 粒子である核子からなる核物質は第一次近似としてFermiガス分布をすると考えられる。 関係式(2.15) 91〈i万ψ〉ニ40~(<σ>2-Al)〈σ〉+・B の核子の分布をFermiガス分布を仮定して求めると 〈ψψ〉=<FlψψIF>=ρs一ジ晶(鵠
一詳←』一晦四+霊+つ
一誓i3{fttVi+(:tl)・-1・・器+1+(器)2} (2…)
荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 19 となる。この量はスカラー密度と呼ばれる。和はスピンとアイソスピンに関して行われ、 4倍となっている。PFは核子分布のFermi運動量で、核子密度ρBと ρB= 〈JorOth>=〈ψ†ψ〉=<Flψ†ψIF>
一等r(蒜・一票 (2・31)
の関係がある。これを使って(2.15)から〈σ〉を求めると図2.1に示すように〈σ〉 は密度とともに小さくなりFermi運動量pF>210MeV/cくらいで真空中で一f.につな がる〈σ〉<0の解が求まらなくなる。 ×107 1.5 1.0 0.5 f(〈σ〉) (MeV 3) 0.0 一〇.5 一1.0 -100 一頃■ 一 @ , 、 @ ! 、 @ ノ 、 @ ’ 、 @ ’ !1’一㌔㌔、 、 ” 、 、 ’ 、 . . “ ●’! ,ピ ’・、 ㌧ゥ二二己一工弍.s
ヒ・. ㌔一一一‘’ 、‘ 頃 ⇒ 、 ■ 輪、、・・- 150.■..,.’・ @ 、. ’・一・一’ ,・頃 @ ’・~.よ聾.・・” @ PF・0・OM・V/・ ’ 、 ■ @ 亀 ・ @ ‘ ・ ● ■ ・ @ 監 ‘ 一50o
〈σ〉(MeV) 50 100 図2.1:〈σ〉の解 図2.1は f(〈σ〉)=91ρs-40~(〈σ>2-A1)〈σ〉-B がρF=0.O MeV/c(真空状態)、100 MeV/c、150 MeV/c、200 MeV/c、250 MeV/c に対して〈σ〉の関数として示されている。グラフが0点を切るところが〈σ〉の解と なるが、〈σ〉>0となるところでは核子の有効質量が負になるので意味をもたない。 核物質中の粒子の有効質量はM*、m}、 m:ともに密度とともに小さくなるが、ρF> 140MeV/cくらいで〈σ>2-A1〈0となり、鳩2が負となりπ中間子の質量が定義で きなくなる。(図2.2参照)20 1000 800
600
Mass (Me>)400
手 塚 洋 200 m* 一‥一‥一‥一一一」一一一一一・㌔■L_ 0 0 50 100 PF(MeV/・) 150 200 図2.2:有効質量 2.1.3 エネルギー Hamiltonian(22)の中間子場に対し平均場近似を施すと 7t・一拓・⑰ψ一9、M〈σ〉ψ+C?(<σ>2-Al)2+B〈σ〉 (2.32) となる。これは質量M*=-g1〈σ〉の自由粒子のHamiltonianである。核子密度0で 〈σ〉=-fπとなることに注意して、真空状態でエネルギーが自由な核子質量だけとな るように定数項を調節したHamiltonianを再定義する。 n一靹・⑰ψ一9、V〈σ〉ψ+ol(<σ>2-Al)2+B〈σ〉 _0~(f3_A1)2_←Bfπ (2.33) このHamiltonianに対し核子のFermiガス分布での期待値を計算し、核物質のエネルギー を求める。E=〈F17t1F>
=V{<Flψ丙・▽ψ一91〈σ〉ψψIF> +C~(〈σ>2-Al)2+B〈σ〉-0?(f.2 一 Ai)2+Bf。}荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 21 一v{
ーズ宮(謀
+C…(<・>2-Al)2+B〈・〉-0~(f3-A、)2+Bf.} -V{・(嘉、f, PF P2 Q・+M・2・dp +C~(<・>2-Al)2+B〈・〉-cl(∫2-A1)2+Bf。} =V(EN十εs) となる。ただしvは系の体積、またE申二 p2+M卓2であり ・N一㌔2・・+M’2・d・
一芸[ftt{・(器)・+1}1+(曇)・-1・9器+1+(器)・ εs-0~(<σ>2-Al)2+B〈σ〉-C~(∫Z-Al)2+Bfπ]
(2.34) (2.35) (2.36) である。これを1核子あたりのエネルギーにするため核子数Aで割り、さらに1核子の エネルギー(自由な核子の質量)を引いて結合エネルギーBを定義する。A/γ=ρBを 使って E E lB=互一MN=▽房一MN
一壁+生.MN (,.37)
ρB ρB となる。 図2.3に核子あたりの結合エネルギーの計算値を計算可能な(〈σ〉<0の解の求まる) PF〈210 MeV/cの範囲で示してある。ベクトル中間子を考慮していないため斥力効果 がなく、結合エネルギーは核子密度とともに単調に小さくなる。図にはσ中間子の平均場 〈σ〉の値も書き込んである。また、π崩壊と示した点はπ中間子の有効質量が意味を持 たなくなるFermi運動量である。(m:2<0となる) 2.2 平均場近似:π凝縮状態 ρF>140MeV/cくらいでrn;2が負となるということは、この領域ではπが多くあった ほうがエネルギー的に有利であるということを示している。そこでπ中間子の平均場が0 でない状態を考える。Hamiltonian(2.2)に対して時間空間一様な平均場 〈σ〉 〈π2> の存在を仮定して考える。〈π〉はパリティを保存しないので無視する。<π2>≠0の 状態は核物質内にπ中間子の平均場が存在していることを意味するので、π凝縮状態と呼 ばれる。22 20 Binding Energy o (MeV) -20 -40 -60 -80 -100 -120 -140 手 塚 洋 o 50 100 150 200 PF(MeV/c) 図2.3:核子あたりの結合エネルギー 250 定数項は無視して、平均場近似したHamiltonianは 〈刃〉一一91〈万ψ〉〈σ〉+C~(〈σ>2+<π2>-A1)2+B〈σ〉 (2.38) となるから、中間子の平均場をエネルギー(Hamiltonianの期待値)が最小になるよう に決めることを要請すると ∂〈究〉 =-g1〈ψψ〉十40~〈σ〉(<σ>2十<π2>-Al)十B=0 ∂〈σ〉 ㌶…一・・~(・・>2+・・2>-Al)一・ となる。この二つの式から 一91〈ψψ〉+B=0 <σ>2+<π2>=Al が求まる。スカラー密度ρ3=〈ψψ〉が常に一定に保たれることになる。 次に σ一→〈σ〉十σ (2.39) (2.40) (2.41) (2.42) (2.43)
荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 π_>ft π2→<π2>+ii・2 とおいてLagrangianを書き直すと ・一働。ψ+・・V・・〉ψ+9・M(∂十的5ア・)ψ+;(・。・)・+1(・、・・)2 -C?{(〈σ〉+b)2+<π2>+ft2-A、}2-B(〈σ〉+∂) 一碗。ψ+・1<・>Vψ+・・15(・+η⊇ψ+;(・、・)2+;(・。・・)2 -0~(∂4十4<σ>2∂2十元4十4〈σ〉∂3十2∂2元2十4〈σ〉∂元2) -B(〈σ〉+∂) となる。これより、核子の質量は M*=-91〈σ〉 23 (2.44) (2.45) 1.5 1 O.5
Mean
Fleld O 一〇.5 一 一1.5 0 50 〈π2>/Al: 〈σ〉/VTAi 100 150 200 PF(MeV/c) 250 300 図2.4:中間子の平均場 中間子の質量としては σ・m:2-8 C?〈σ>2 (2.46)24 手 塚 洋
π 鳩2=o
(2.47) が求まる。π中間子の質量は常に0となる。 中間子の平均場を数値計算してみると、π凝縮状態ではPF〈139 MeV/cの領域で 〈σ〉の値が正となり、核子の質量が負になってしまう。図2.4にσ凝縮状態とπ凝縮状 態での中間子の平均場をAlで規格化し、〈σ〉/Vπと<π2>/Al示す。ρFの大き い領域にプロットされている方がπ凝縮状態での平均場である。もちろん、σ凝縮状態で はπ中間子の平均場<π2>は0であるが、π凝縮状態でも核子密度の比較的低い領域で はσ中間子の平均場〈σ〉も0にならずに残存している。核子密度が大きくなるとπ中 間子の平均場<π2>のみになる。 1000 Mass (MeV) 800 600 400 200 0 0 rn* .‥一一一゜一一一一@・・ ・一一、 」.一=.1.一一.一 40 80 120 160 200 240 280 320 PF(M・V/・) 図2.5:有効質量 核子ならびに中間子の有効質量は図2.5に示されている。π凝縮状態では核子の質量も σ中間子の質量もFermi運動量が大きくなる(核子密度が大きくなる)とともに急激に 小さくなっていることがわかる。 π凝縮状態でのエネルギーの計算には、定数項を補正したHamiltonianの中間子場に 対し平均場近似した n一砺・▽ψ一91〈σ〉万ψ+C?(<σ>2+<π2>-A1)2荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 25 十B〈σ〉-C~(f』-A1)2十Bfπ (2.48) を使う。<σ>2+<π2>-Al=Oを考慮し、核子分布としてFermiガス分布を仮定し てエネルギーを計算すれば
E=〈F17t1F>
づ 一V{<Fl(拓・▽ψ+M*Mψ)IF>+B〈σ〉-C~(f.2 一 A,)2+Bf。} -V{瓢㌔(蒜・+B・・〉一・子(ff-A1)2+Bf・} -V{・(芸、f。PF・2 va・+M・2 dp+B・・〉一・1⇔1)2+Bf・} =V(εN十εs) (2.49) 100 Binding Energy o (MeV) -100 -200 -300 -400 -500 -600 -700 0 50 100 150 200 250 300 PF(MeV/c) 図2.6:核子あたりの結合エネルギー 350 ただし ・・一 ρF軸・+M・・ d・26 手 塚 洋
一芸[緩{・(器)・+1}1+(緩)2-1・・器+1+(器)2]
εs-B〈σ〉-0~(ff-A、)2+Bfπ である。自由な核子の質量を引いて、核子あたりの結合エネルギーに直すと E E lB=?il-MN=▽房一MN
_色+生_MN
ρB ρB となる。 (2.50) (2.51) (2.52) 図2.6にσ凝縮状態を仮定して計算した核子あたりの結合エネルギーとπ凝縮状態での 結合エネルギーを示してある。明らかにρF~139MeV/cで相転移が期待される。核子 密度が高い領域ではπ凝縮状態の方がエネルギー的に有利であることがわかる。この計算 ではベクトル中間子による斥力効果が考慮されていないので、エネルギーは核子密度とと もに単調に減少する。3 ベクトル中間子を含むカイラル対称性を破るループモデル
Gell-Mann&L6vyの線形σ模型に核子の質量項とω中間子を加え、エネルギーの評価 を行う。Lagrangian密度は L=zbi・〉・μ∂μψ一ψ(M/V-91 fπ)ψ+91ψ(σ+的5ア・π)ψ +;(a、,・)2+;(・。π)2-・~(・2+π2-A1)2-B・ 一・・di…ω。ψ一iF、、・F… + lmZ・。ω・ (・・1) =Ls一ψ(MN-91 fπ)ψ一Bσ ととる。ただしωμは質量7nωのω中間子場であり F”v=∂μω。一∂。ωμ である。£sはカイラル対称な部分であり、01、A1、 BはGell-Mann&L6vyの線形σ 模型と同じ定数である。・ぞ一鳩、芸 Al一霊三艶B一属
結合定数g1、 gωはエネルギーを最適化するためのパラメータであるが、 gω=0ととり、ω 中間子を分離し、gl=MN〃πとすればGell-Mann&L6vyの線形σ模型と同じになる。 Hamiltonian密度は 究=ψ乞う~・▽ψ+ψ(MN-91 fπ)ψ一91ψ(σ+的5τ・π)ψ ・;{(・・a)2+(V・)2}+;{(…)2+(V・)2}荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 +0~(σ2+π2-Al)2+Bσ +・・Vor・ω。ψ一;⑭…+v・、・v・・)-1-z・。・・ となり、Dirac方程式は けμ∂μψ一(MN-9・f。)ψ+91(σ+iT・η5)ψ一9ωフμωμψ=0 となる。スカラー系の中間子に対する運動方程式、Klein-Gordon方程式は ∂、∂μσ一9、Tψ -4C?(σ2+π2 一 Al)σ一B ∂。∂μπニ91碗5アψ一4C~(σ2+π2-A、)π ベクトル中間子のω中間子に対するProca方程式は ∂μFμ”=9ω万7μψ一ntZωv である。 27 (3.2) (3.3) (3.4) (3.5) (3.6) ベクトル・アイソスカラーのω中間子の寄与はベクトル型の変換に対しても、軸性ベク トル型の変換に対しても不変である。核子の質量項は軸性ベクトル型変換に対して不変に ならない。それ故、この系はアイソスピン回転に対して不変であり、ベクトルカレント _ T 二7C=ψγμ互ψ+πx∂μπ (3・7) の発散は ∂μプC=0 (3.8) となる。カイラル変換に対する軸性ベクトルカレント - ア プ2一酬・百ψ一π∂μσ+・∂μπ (3・9) は - T - T ∂・∬2-(∂・ψ池・百ψ+thryμty・i(∂・ψ) 一π∂μ∂μσ一∂μσ∂μπ+σ∂μ∂μπ+∂μπ∂μσ =τψ75(MN-g1 fπ)アψ十Bπ (3.10) となり、σの線形項と核子の質量項の部分が保存しない。 3.1 平均場近似:σ凝縮 中間子の運動方程式に対し、時間空間一様な平均場近似を適用する。 0=91〈万ψ〉-40ぞ(<σ>2十〈π>2-41)〈σ〉-B O-91〈ψ卵5アψ〉-40~(<σ>2+<π>2-Al)<π> o-9。〈吻レψ〉-mZ〈ωv> (3.11) (3.12) (3.13)
28 手 塚 洋 一 パリティの保存から 〈7r>=0 (3.14) とし、ベクトル中間子に対しては第0成分だけを残して 〈ω”〉=〈ω〉δレo (3.15) と仮定すると、(3.12)式はなくなり g1〈ψψ〉=4C?(<σ>2-Al)〈σ〉十B (3.16) gω〈{万午oψ〉=m三〈ω〉 (3.17) となる。この式から〈σ〉、〈ω〉はそれぞれ核子密度の関数として解くことができる。 3.1.1 質量 質量を定義するため、中間子場を σ_→〈σ〉十σ (3.18) π一→元 (3.19) ωμ 一→〈ω〉δμo+(乃μ (3.20) とおいてLagrangianに代入すると £=ψ的μ∂μψ一ψ(M『ノV-91fπ)ψ+91ψ〈σ〉ψ+91ψ(∂+的5τ・ft)ψ ・;(・。・)2+1(・。ft)・一・~{(・・〉+・)・+・・-Al}・-B(・・〉+・) 一・・万・°〈・〉ψ一・融、ψ一;瓦・卿;m三(・・〉・。・+。、)・ =ψ的μ∂μψ一(Mハr-91fπ一91〈σ〉)ψψ+91ψ(∂+i75 T・ft)ψ ・i(・。・)2+;(・。ft)2 -0~(∂4十元4十4〈σ〉∂3十4〈σ〉∂元2十2∂2元2) -207(3〈σ>2-Al)∂2-20~(〈σ>2-Al)元2 一{4C?(〈σ>2-Al)〈σ〉+B}δ一〇1(<σ>2-Al)2-B〈σ〉 一・・砺゜〈・〉ψ一・融。ψ一;証μ
・;砲湯赤・〉・+m3・・>c)・
と書き直せるから、核子の質量は M*=MN-91f. 一 91〈σ〉 と定義され、陽子一中性子の質量差はない。 (3.21) (3.22)荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 29 中間子の質量としては σ:m;2=4C~(3<σ>2-Al) (3.23) 。,m;・一 4C~(.。〉・.A、)-91〈ψψ〉. B (3.24) 〈σ〉 〈σ〉 ω : mb2=m3 (3.25) となる。 定数01、Al、 Bに関しては、 Gell-Mann&L6vyの線形σ模型と同じ議論が成り立ち、 同じ結果が得られる。g1とgωは決定できない。これはエネルギーを求めるときの自由パ ラメータとして使える。 パラメータg1を変化させて、(3.16)を使って〈σ〉の解の存在を確かめた。〈σ〉<O の解はg1の大きさとともに大きくなる傾向がある。 PF=100 MeV/cに対し91= fαc. ・ MN/fπとしてfαc.を変化させて〈σ〉の解を計算した。(図3.1参照) ×los 6 4 2 f(〈σ〉) (MeV3) 0 一2 一4 6 、1‘‘、‘“●い ’
’一、
@ノノ ,一 、
‘儒、 ,. 「 ノノ‘.、 ’ ノ q,・一ノノ2 ■ 4 , 分’蚊、・グ 吉㌔:.恒子’ ’ w、 @ 『~、 1、 @fac.= 、 @.一一..一一一.25 :肯 @ 一一一一一.50 ‘ -1.00 @-一一・2.00@ --4.00
@ ■
一100 一500
〈σ〉 (MeV) 50 100 図3.1:〈σ〉の解 π中間子の有効質量は m纂2=40~(<σ>2-A1) で与えられるから、g1の値が小さいほど負の〈σ〉は小さくなるから(絶対値の1<σ>130 手 塚 洋 は大きくなる)大きなPFまで求まることがわかる。図3.2にはg1=fαc. ・ MN/fπとし てfαc.を変化させてπ中間子の有効質量を図示してある。 150 100 m覆 (MeV) 50 O o 50 100 150 PF(M・V/・) 200 250 図3.2:π中間子の有効質量 3.1.2 エネルギー 中間子場に対し平均場近似を施したHamiltonianは 7{=ψη・▽ψ+(M/V-91 fπ一91〈σ〉)ψψ +C?(<σ>2-Al)2+B〈σ〉-ol(ff-A1)2+Bfπ +・・万・・〈・〉ψ一lm三・・>2 (3.26) となる。これは質量M*=MN-g1 fπ一g1〈σ〉でエネルギーがgω〈ω〉だけシフト した自由粒子のHamiltonianである。故に、核子は自由粒子として、 Fermiガス分布をす るものと考えられる。核子密度0でエネルギーが自由な核子質量だけとなるように定数項 を引いておく。核子分布としてFermiガス分布を仮定してエネルギー期待値を計算すると E=〈FIGPtlF>
荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 31 づ=V{<Fl万好・▽ψ+(M∧r-91fπ一91〈σ〉)ψψ+9ω15・rO〈ω〉ψIF> +・~(・・>2-Al)2+B・・〉一・ぞ(ff-Al)2+Bみ壌・・>2} -v{テ∬F(E’+9w・・〉)(蒜・ +・1(・・>2-Al)2+B・・〉一・~(f2-Al)2+Bf・-1-Z・・>2} 一γ{・(蒜、∬F・2・・+晒+・・ρ・〈・〉 +・~(・・>2-Al)2+B・・〉一・~(f』-Al)2+B∫・-lmZ・・>2} =V『iεN十εs十εv) (3.27) ただし
・一
゚・2・・+M・2 dp
一綜[器{・(ftt)・+1}1+(器)・-1・9器+1+(器)・] εs-C~(〈σ>2-A1)2+B〈σ〉-C~(ff-Al)2+Bfπ ・・一・・ρ・〈・〉-奄高X・・>2-im9・・>2
-;(9ω一ρBMω)2 である。 (3.28) (3.29) (3.30) 核子数Aで割り、核子の質量を引き、A/V=ρBを使って核子あたりの結合エネルギー に直すと E E lB=A-MN「㌃房一MN
一㌃÷;(9ωrnω)2ρ・・一・MN (・・31) となる。Gell-Mann&L6vyの線形σ模型の計算と異なるのはベクトル中間子の寄与部分 と核子の有効質量である。 図3.3に核子あたりの結合エネルギーをFermi運動量の関数として図示してある。 g1= fαc.・MN/fπとしてfac.を変化させてあるが、π中間子の質量が定義できる範囲で、すなわ ち、<σ>2一41≧0を満たす範囲で図示してある。結合エネルギーBはg1の値が大きい ほど小さくなるが、核物質の正規密度ρB=0.19/fm3(Fermi運動量pF=278.5 MeV/c) でB=-15.75MeVとすることはできない。 pF=278.5 MeV/cでπ中間子の有効質量 が意味を持つようにg1の値を小さくすると結合エネルギーは負にならない。ベクトル中 間子の寄与は斥力的に結合エネルギーを大きくする方向にしか働かないので、ここでの計 算にはgω=0として、無視してある。32 20 Binding Energy O (MeV) -20 一40 一60 一80 一100 一120 一140 0 手 塚 洋 一 50 0.25 -_■_..._一・・・…一一一・一・一’一’…-t’”’…’”一’一 ゜「一゜一・輪.- 0.5 1.0 ‘輪=4・o 100 150 PF(M・V/・) 200 250 図3.3:核子あたり結合エネルギー 3.2 平均場近似:π凝縮 前章でも議論したように、m;2が負になるということは、この領域ではπが多くあった ほうがエネルギー的に有利であるということを示しており、相転移を起こしていることが 期待される。そこでπ凝縮している平均場を考える。 中間子に対して時間空間一様な平均場 〈σ〉 <π2> 〈ω。〉一〈ω〉δ。。 を考え、Hamiltonian(3.2)に対して平均場近似を適用すると <n>=〈ψ(MN-91∫π)ψ〉-91〈ψψ〉〈σ〉 +ol(<σ>2+<π2>-A1)2+B〈σ〉 ・・。〈砺oψ〉〈・〉-1-b2・・>2 (・・32) となる。各平均場に対し、エネルギーが最小になることを要求すると ∂〈究〉 =-g1〈万ψ〉十40~〈σ〉 (<σ>2十〈π2>-Al)十B=0 (3.33) ∂〈σ〉
荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 ㌶:一・・~(・・〉・+〈・・〉-Al)一・
篶≧一・・〈砺oψ〉-m三・・〉一・
が求まる。上の二つの式から 一91〈ψψ〉+B=0 <σ>2+<π2>-A、=0 33 (3.34) (335) (3.36) (3.37) となり、スカラー密度ρs=〈ψψ〉が常に一定に保たれることが要求される。Gell-Manl1 &L6vyの線形σ模型と同じ結論である。〈砺oψ〉は核子密度ρBであるから、ω中間 子の平均場〈ω〉は核子密度に比例する。 3.2.1 質量 中間子の場を σ一→〈σ〉十σ π一→it π2-〉<π2>+{i・2 ωμ一〉〈ω〉δμo+diμ とおいて、Lagrangian(3.1)を書き直すと L=軸μ∂μψ一ψ(MN-91f。)ψ+91ψ〈σ〉ψ+91ψ(∂+dysr・ft)ψ +;(・。a)2+1(・。ft)・ -0~{(〈σ〉+∂)2+〈π2>+ft2-A1}2-B(〈σ〉+a) 一・・IZ」’)t°<・>ip・一・疏。ψ一1礼〃餌;m三(・・〉・。輌)・ =吻μ∂μth 一(MN-9if。-91〈σ〉)ψψ+91ψ(∂+η5ア・ft)ψ +;(・。・)・+;(・1、…)・ -C~(a4+4<・>2∂2+fi4+4<・>63+2a2ft2+4<σ>6ft2) -B(〈σ〉+∂) 一・・v・°〈・〉ψ一・・融。ψ一;証μ ・;・・齢;・る・・〉・+mZ・・〉。・ となるから、核子の質量は M*=MN-91∫。-91〈σ〉 となり、中間子の質量は σ:m:2=80~〈σ>2 (3.38) (3.39) (3.40) (3.41) (3.42)34 手 塚 洋
π:mr2=0
7「 2 *2ω :Mω =ηイω (3.43) (3.44) と定義される。 3.2.2 エネルギー エネルギーの計算は、中間子に対し平均場近似し、定数を補正したHamiltonian H=ψiヲ・▽ψ+ψ(MN-91 fπ)ψ一91〈σ〉ψψ +0?(<σ>2+<π2>-A、)2+B〈σ〉 -0~(∫f-A1)2十Bfπ +・融・・〉-1-9・・>2 =ψ壱うち▽ψ+(MIV-91∫π一91〈σ〉)ψψ +B〈σ〉-oぞ(ff-A、)2+Bfπ 一 1 2+9岨゜ψ・の一麺・・〉
に対し、核子のFermiガス分布による期待値をとって E=<F17tlF> _ づ - =v{〈FKψ乞う!・▽ψ+M*ψψ)IF> +B〈σ〉-o~(fl-Al)2+Bfπ+・。<F酬F>〈・〉一拓・・>2}
-V{Σμ(蒜・+B・・〉一・~(f・2 一・Ai)2+Bf・ +・。ρ・〈・〉-i-z・・>2} =γ(εN十εs十εv) と求まる。ただし ・・一゚・2・・+M・2dp
一芸[器{・(綜)・+1}1+(綜)2-1・9緩・・+(緩)2] εs-B〈σ〉-cl(f2-A1)2+Bfπ ・・一・・ρ・〈・〉一G就・・>2-;(荒・・)2 (3.45) (3.46) (3.47) (3.48) (3.49) である。荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 35 Binding Energy (MeV) 200 150 100 50 0 一50
0
50 100 150 200 250 300 350 400 PF(M・V/・) 図3.4:核子あたり結合エネルギー A/V=ρBを使って核子あたりの結合エネルギーは E E l B =lll 一 MN=▽房一MN一㌃÷;(9ωMω)2ρ・・一・MN (3…)
となる。 数値計算は正規密度ρB=0.19/fm3(Fermi運動量ρF=278.5MeV/c)で核子あたり の結合エネルギーが最小となり、実験で期待されるようにB=-15.75MeVとなるよう にg1、 gωの値を調節して行われた。その結果g1=2.738、 gω=16.218が最適となるこ とがわかった。 図3.4にσ凝縮状態とπ凝縮状態で同じ結合定数(g1=2.738、 gω=16.218)を使った 計算結果が図示されている。π凝縮状態ではPF<215MeV/cでは核子の有効質量が負 となり、計算に意味がなくなる。σ凝縮状態ではこの核子密度以上ではπ中間子の有効質 量が定義できなくなり、まさにPF~215MeV/c付近で相転移が起こっていることがわか る。図3.5には同じ結合定数で計算した核子の有効質量とσ中間子、π中間子の有効質量 が図示されている。核子密度(Fermi運動量)の低い領域ではσ凝縮状態での計算であ り、高い領域ではπ凝縮状態での計算である。 Gell-Mann&L6vyの線形σ模型の結果と大きく異なるのはσ中間子のπ凝縮状態での36 手 塚 洋 1400 1200 1000 Mass (MeV) 800 600 400 200 0 0
x
…”一’”一一’-S°’”』”一’・一・ x... 一一t’一 ・・■口’・. 50 100 150 200 25〔〕 300 350 400 PF(M・V/・) 図3.5:核子、σ中間子、π中間子の有効質量 有効質量である。核子密度とともに小さくならず、逆に大きくなる。これはσ中間子の平 均場がこのような小さな値の結合定数g1の場合には核子密度が大きい領域で0とならず、 大きな正の値をとるからである。そのため、〈π2>は核子密度の大きな領域で負の値を 持つ。(図3.6参照) 3.2.3 非圧縮率 非圧縮率Kは核子あたりの結合エネルギーをB、核子密度をρB、最小の結合エネル ギーを与える核子密度をρoとおくとK-・ρ1㈱_
で定義される。核物質では通常K=200MeV程度であると考えられている。 (3.51)2峠
ρB=2 Mean O Field -2 -4 -6 荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 〈σ〉ム反1 ■ ● ● ■ 〈σ〉方広1 :● ● ■ ● ■ ’.〈π2>/A1 一 ■ ‘ L ● 》 ■ ● ■ , @一■ ・ ● 一 ・ . ・ 一 0 50 100 150 200 250 300 350 40〔〕 PF(MeV/c) 図3.6:σ中間子およびπ中間子の平均場 37 を使うと 2埠 dPF dρB= π2 となるから K-・ρ1、‘ぱ)P。.PO
-一・曙+・耀
と書き変えられる。エネルギーの極小値では右辺の第1項は旦旦=0であるからなくなり ∂PFK-・遼i (3・52)
となる。 非圧縮率Kは先に決めた結合定数を使って計算するとK=6119.13MeVとなり、実 験値に比べ大きすぎる。38 手 塚 洋
4 アイソスピン対称性を破るカイラルループモデル
カイラル対称性だけではなく荷電対称性(アイソスピン対称性)をも破る中間子の混合 項を持つカイラルループモデルを検討する。スカラー中間子、ベクトル中間子ともに含み、 核子の質量項も考慮したLagrangian密度は L=ψ吟μ∂μψ一ψ(MN-91∫π)ψ+91ψ(σ+的5ア・π)ψ ・;(・。・)2+;(・。π)2-・~(・2+・2-Al)・ …」(…助・η)ψ・;(・。α)2+;(・。η)2-lml・a2-lm;、η・ -0日(α2+η2-A2)2-Dl・。σ一D2π。η 一93ψ午μ(T・ρμ一〇r5τ・bμ)ψ一9ωψ7μωμψ一9九ψ757μんμψ 一14y・F・u-tG、v・Gμu+㍗;・。・〆・;蜘・・ 一れ戸一iG。・G・v+lmZ・.ω・+lmZh。h・ -D3ρoμωμ一D460μ力μ (4.1) となる。ただし 4u-∂。ωv-∂uω。 Fμ一∂。ρ。一∂uP。 oμ。=∂μh。一∂。hμ Gμ。=∂μb“一∂。bμ である。αはスカラー・アイソベクトルのα中間子であり、ηは擬スカラー・アイソスカ ラーのη中間子である。ρμはベクトル・アイソベクトルのρ中間子であり、質量はMρで ある。同様にbμは軸性ベクトル・アイソベクトルのb中間子、ωμはベクトル・アイソ スカラーのω中間子、んμは軸性ベクトル・アイソスカラーのh中間子である。 定数g2、 g3、 gh、01、02、 A1、 A2、 Dl、 D2、 D3、 D4ならびに質量定数M21、 m22 は実験に合うように決定される。結合定数g1、 gωはエネルギーを最適化するためのパラ メータとして使われる。g1.・ MN/fπとすれば核子質量によるカイラル対称性を破る項は なくなる。 Hamiltonian密度は 刃=ψけ▽ψ+ψ(MN-91f。)ψ一9、ψ(σ+的5τ・π)ψ ・;{(…)2+(se・・)2}・1{(…)・+(V・)・}・・~(・・+・・-A1)・ 一・・M(…+・・’・’・η)ψ+;{(…)2+(▽・)2}+;{(・…)2+(V・)2} ・lm;1・2+1・1、η2+鍔(α2+η2-A・)・+D・…+D…η +93thorμ(T・ρμ一〇r5τ・bμ)ψ+9ωψ7μωμψ+9hthors tyμhpath -1(a・・。・∂°ρ〃+V・.・Vpu)一;(・・bv・∂°bv・▽…V・・) -SmZ・。…-lmZb。・t”t荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 一;(…。∂°・・+・t7・。・V・・)一;脚゜h・+Vh、・軸 一1-Z・。ω・-lmZ・.h・+D・ρ・μω・+D・b・.h・ となる。 核子に対するDirac方程式は dyμOμab-(MN-91 fπ)ψ十91(σ十iτ・π午5)ψ十92(ア・α十的5η)ψ 一930rμ(τ・ρμ一〇r5ア・bμ)ψ一9ω午μωμψ一9hors orμhμth=0 となる。スカラー中間子に対するKlein-Gordon方程式は ∂μ∂μσ=91万ψ一40~(σ2十π2-Al)σ一D1αo ∂、∂μπ一91脳,アψ一40ぞ(σ2+π2-A、)π一D,ηδ、。 ∂。∂μα+m;、α=92研ψ一40日(α2+η2-A2)α一一Diσδi。 ∂。∂μη+ml2η一92碗5ψ一40日(α2+η2-A2)η一D2π。 となり、ベクトル中間子に対するProca方程式は ∂。Fμu一万9。7”ψ一m三ωy+D3ρ6 ∂。FμレーMg・7”Tψ一m;〆+D・ωvδ、・ apa Gμu=ψ9hor50rUth-mZhV+D4 b6 ∂μGμ”=EE930rsorVTzb-M考bU+D4 hVδio となる。 39 (4.2) (4.3) (4.4) (4.5) (4.6) (4.7) (4.8) (4.9) (4.10) (4.11) 4.1 σ凝縮状態 Klein-Gordon方程式に時間空間一様な平均場近似を適用する。パリティ保存、荷電の 保存から 〈π〉=0 〈η〉=0 <a>=〈αo>δi3 とすると(4.4)と(4.6)は O・91〈万ψ〉-40~(〈σ>2-Al)〈σ〉-D1〈・。> M弓1〈αo>=g2〈{万τ3ψ〉-40日(<ao>2-A2)〈αo>-Dl〈σ〉 と書き変えられ、(4.5)と(4.7)はなくなる。これを書き直せば …〉一芸・ψψ〉一・誓(・・〉・-Al)・・〉 ・・〉一晋・V・・ψ〉一オ{40日(〈αo>2一ノ42)・ml1}…〉 (4.12) (4.13) (4.14) (4.15) となる。それぞれ、核子の分布状態が計算されれば<ao>と〈σ〉の連立方程式と なる。
40 手 塚 洋 一 同じくProca方程式に時間空間一様な平均場近似を適用する。 <hv>=0 〈bU>=0 とすると、なくならずに残る運動方程式は 〈pv〉=〈ρζ〉δi3 o一く万9。or”v/〉一プ〈ω”〉+D3<ρ6> 0-〈V9・ryVア・ψ〉-mZ<ρ6>+D・〈ω”〉 である。さらにベクトル中間子の平均場としてその第0成分のみが残るとして <ωv>=〈ω〉δuO <ρ6>ニ<ρo>δuo (4.16) (4.17) と仮定すると 0=gω〈万70ψ〉-m三〈ω〉十D3〈ρo> (4.18) 0-9・〈砺゜T・ψ〉一弓〈ρ・〉+D・〈ω〉 (4.19) となる。これも〈ω〉と<ρo>の連立方程式となる。 Dirac方程式の中間子に対しても同様な時間空間一様な平均場近似を適用する。パリティ 保存、荷電の保存から 〈π〉=0 〈η〉=0 〈んμ〉=0 〈bμ〉=0 〈ρμ〉=〈ρ・〉δi3δμ・ とすると(4.3)は <a>=<αo>δi3 〈ωμ〉=〈ω〉δμo 的μ∂μψ一(MN-91 f. 一 91〈σ〉-92τ3<ao>)ψ 一(g3τ3<ρo>十gω〈ω〉)70th=0 (4.20) となる。これは質量MIV-g1 fπ一g1〈σ〉-g2τ3<α0>でエネルギーがg373<ρ0> +gω〈ω〉だけシフトした自由粒子の運動方程式である。それ故、第一次近似として、核 子は自由粒子となり、Fermiガス分布をするものと考えられる。 核物質中での核子分布としてFermiガス分布を仮定すると、スカラー密度としては 〈ψψ〉=<Fρ1ψψIFp>十<・Fn1V,th 1 Fn>=ρSp十ρSn (4.21) 〈ψ丁3ψ〉=<・Fplthψ1Fp>一〈FnlptilFn>=ρSp一ρSn (4.22) ただし 〈Filψt,IFi>=ρsτ
一Σ∠鴇(蒜、
5荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質
一麗{卸+(農)・-1・・舞・・+(緩)・}
である。同様に核子密度は <ψorOth>=〈ψ†ψ〉=<Fp1V,†ψIFp>+<Fnlψ†thlFn>=ρBp+ρBn 〈石oア3ψ〉ニ〈ψ†73ψ〉=〈・Fρ1ψ†ψ|Fρ〉一<Fn「ψ†th 1 Fn>=ρBp一ρBn となり ρBi=<Fi|ψ†thlFi>一ジ(蒜・
一Σ農一票
8 である。ただしこれらの計算ではi=p,nとする。 41 (4.23) (4.24) (4.25) (4.26) 4.1.1 対称性 アイソスピン回転に対してDlaoσ、 D2πOη、 D3ρ0μωμ、 D4 boμぽの項が不変にならな い。実際、ベクトルカレント yv-」o・”>th+・・∂”π+・・∂・a-・Pv×F・・-bv×Gμv (・・27) の発散を計算すると ・・5c-(・・砺μ;ψ緬・9(・・ψ) +π×∂μ∂μπ+軌π×∂μπ+α×軌∂μa+∂μα×∂μα 一ρu×∂。Fμ一∂μρ。×Fμ”-b。×∂。Gμu-∂。b。×Gpu =一α×D1σδio一π×D2ηδzo一ρy×D3wuδio-bu×D4 huδio (4.28) となり、中間子の混合項の寄与が残る。これは荷電対称性が破れていることを示している。 カイラル変換に対する軸性ベクトルカレント ∬賃一v・・pao・・;ψ一π∂μσ+・∂・・一・∂・・+・∂・η 十bu×Fμ”十ρv×Gμ” (4.29) も …71k-(・・砺μ・・;ψ・Mor…9(・・ψ) 一π∂。∂μσ一∂μσ∂μπ+σ∂μ∂μπ+∂μπ∂μσ 一η∂μ∂μα一∂μα∂μη十α∂μ∂μη十∂μη∂μa42 手 塚 洋 一 +b。×∂μFμμ+∂μb。×Fμ”+ρ。×庇Gμ+eんρ“×cpau =iψ75(MIV-91 fπ)τψ +D、a。π一D2π。α+(Dl-D2)σηδi。+(唖一m32)αη 十by×D3ωvδio十ρu×D4 hVδio十(m9,-ml2)ρv×bV となり、質量項や中間子の混合項の寄与が残るので、保存しないことがわかる。 荷電π中間子の崩壊π+→μ++レμ、ズ→μ一+ρμを表わす式(2.10) 〈Ol∂。 ,f賃α(o)1・・β(k)〉-k。たμδ。βf。=嚇。β∫π と(4.30)を比べれば 1)1<αo>=fπmそ :荷電π中間子に対して (Dl- D2)〈αO>=方π弓 :中性π中間子に対して (4.30) (4.31) (4.32) が求まる。中性のπoは主として20rに崩壊し、μにほとんど崩壊することはないからこ の場合はfπ=0と考えられる。故に 工)2=1)1 (4.33) と考えられる。 4.1.2 質量と定数 中間子場をその平均場と揺らぎに分解し σ一→〈σ〉十σ π一→π η一一〉η α一→<α0>δi3十∂ ωμ一→〈ω〉δμo+oμ hμ一→hμ bμ 一一→ bμ ρμ 一一〉〈ρ0>δi3δμ0十Pμ とおくと、Lagrangian(4.1)は L=ψ的μ∂μψ一ψ(Mハr-91fπ)ψ+91ψ〈σ〉ψ+91ψ(∂+御5ア・元)ψ +;(・,・)・+;(・。・・)2-・ぞ{(・・〉+・)2+・・2-Al}2 …15・・〈・・〉ψ…」(…+…’1)ψ・;(・,・)2+;(・。fi)2 -1・11(…〉・・3+a)2一㍗1、fi2 -C多{(〈・。〉δi3+a)2+fi2-A2}2 -D1(<α0>価0)(〈σ〉+∂)一.D1励 一9・吻゜・・〈ρ・〉ψ一93thorμ(T・P。-7・ア・b、)ψ 一9ω元万70〈ω〉ψ一9ω石7μのμψ一9hi万7sorμhμth (4.34) (4.35) (4.36) (4.37)
荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 一ipμ〆Fμv-iG。u・G”v +1-Z(…〉・・3δ。・+b。)2+麺 1- ny 1- 一 一誤〃Fμ”一互G・〃Gμ” ・lmZ(・・〉・。・+c)、)2+lmZhZ -1)3(〈ρ0>δμ0十POPt)(〈ω〉δμ0十(Oμ)一」D4 boμ九μ =zbiμ∂μψ一ψ(MN-9i f。-91〈σ〉-92ア3<α0>)ψ +9・V(σ十η5ア)ψ+;(・。・)2+;(・。・・)2 -0~(∂4+di・4+4〈σ〉∂3+2a2ft2+4〈σ〉∂ft2) 一;…~(…>2-A1)・2-;・・C~(・・>2-Al)・・2 -{1)1<αo>十40ぞ(<σ>2_ノ11)〈σ〉}∂ +・・万(7-・α十Z75η)ψ+;(・。a)2+;(・。’))2 -0日(a4十fi4十4<αo>∂o∂2十2a2fi2十4<αo>∂oij2) 一;・・C≧…>2・1-;{m;、+・・3(…〉・一ん)}・・ -1{m;,+・・3(…>2一ん)}fi2 -[D・〈・〉+・{;・1,+・・3(…〉・-A・)}…〉]・・ -D1函0∂-Diftofi 一㌍1・〈・。>2-0子(<σ〉・-Al)・-C3(…〉・-A・)・ -Dl<αo>〈σ〉 -93万・〉,OT3<ρ0>ψ一9ω万午0〈ω〉ψ 一93thorμ(τ・∂μ一γ5τ・bμ)ψ一9ωzL,’〉・μcX,μψ一9んψ75午μんμψ 一ip、〆・pau 一 i・。u ・・Gpav+;m;詞m㌶ 一iit・Pμy-iG。・a・・ + ;mZdiZ+;嚇 +(mZ〈ρ・〉-D・〈ω〉)P8+(m乙〈ω〉-D・〈ρ・〉)σ゜ 一 D3 POμdiμ一D4 boμhPt -D・〈・・〉〈・〉+lml…>2+;鴫・・>2 となる。故に、核子の質量は M’=MN 一 91 fπ一91〈σ〉-92τ3<α0> 43 (4.38)
44 手 塚 洋
一ご漂:㌶:二1冤:
と定義され、陽子と中性子の質量差がでる。 中間子の質量は σ:mX2=4C~(3<σ>2-Al) π:m:2=4 C12(<σ>2-Al) a・rn.;2一頑+40日(〈・。>2-A2) ao:m乙;=mi{1十40日(3〈αo>2-A2) η・m82-ml、+40日(<・・>2-A・) *2 2 ρ:Mρ=mρ *2 2 ω:m =η1, ω ω b・m92一弓 h・鳩2-mk :陽子P :中性子n 荷電α中間子 中性αo中間子 (4.39) (4.40) (4.41) (4.42) (4.43) (4.44) (4.45) (4.46) (4.47) (4.48) と定義される。スカラー中間子はすべて核子密度の関数となるが、ベクトル中間子は核子 密度に依存しない定数である。 (4.12)を使ってπ中間子の質量を書き変えると 。2 91〈ψψ〉-Dl〈ao> Tnπ = 〈σ〉 となるが、真空中では〈ψψ〉=0となるから、(4.31)と比べて2 D1〈・。〉 ∫。m?
m =一 =一 π 〈σ〉 〈σ〉 .・. 〈σ〉=-fπ (4.49) これを使うと、核子の質量は真空中で M=MN T 92<α0> となるから、陽子と中性子の実験値 Mp=938.3MeV A’fn=939.6MeV の平均値をとって MN=938.9Mεし「 (4.50) また、その差をとって △M=-292〈αo>=-1.30・feV (4.51) となる。荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 σ中間子とπ中間子の質量差をとると m;2 一 m:2-80ぞ〈σ>2 となるから、真空中の値を使って 2 2 ・~一γη㌔ずπ となる。(4.13)を使ってa中間子の質量を書き変えると *2 92〈ψτ3ψ〉-1:)1<σ> mα := 〈ao> となるが、真空中ではく万τ3ψ〉=0となるから
2 Dl<σ> Dlfπ
ニ- ニ a 〈α0> <α0>. D・ 鳩
” <αo> fπ また(4.31)より f。m3 〈ao>= Dl だから Dl ・ mlm#ここでD1=maMπ>Oととれば
…〉一莞一瞭
△M △Mmα 92 =-2〈。。〉=-2∫。mπ が決まる。α中間子の質量差から、真空中で 2mZザmZ ==・弓…>2-・疇鐸
・鍔一mZ(mZ。-m28∫Z鳩) が決まり、η中間子とα中間子の質量差から 2 2 2 2 mη 『mα =m22 -nl21 の関係が求まる。 となってしまうことに注意すべきである。 定数Alは真空中でのπ中間子の質量からAl-・・>2十睾艶
45 (4.52) (4.53) (4.54) (4.55) (4.56) (4.57) (4.58) (4.59) Ma=MaOなら0≧=0となってしまい、 nτ21=0としておくと(4.13)から〈σ〉=0 (4.60)46 手 塚 洋 一 と決まり、同じくα中間子の質量から A2-<・・>2+づヂーmZ(mZo-3mii一ト2m萎1mZ(碗。-mZ))f2 となる。 真空中で(4.18)、(4.19)より D,-m乙・・〉-m;〈・・〉 〈ω〉 <ρ0> となるから mZ〈ω>2-mZ<ρ・>2 という関係が求まる。ここで符号を Mω〈ω〉=mρ〈ρo> ととれば D3=mωmρ となる。 9ω〈砺γoψ〉=mω(Mω〈ω〉-Mρ<ρo>) 93<万’rOT33b>=Mρ(mρ<ρ0>-Mω〈ω〉) となる。故に ≦しL〈万ryOip>+≦旦く万orOτ3ψ〉=O mω Mρ Mω〈ω〉=Mρ〈ρo> という関係が求まるのは(4.64)と同様である。 決まらない定数は g1、g3(またはgω)、9h、D4とM21(またはM22) である。 (4.15) (よ
…〉-S・」ψ〉一誓・・〉
・・〉一葺・」・・th>一誓・a・・ (4.61) (4.62) (4.63) (4.64) (4.65) この式を使ってベクトル中間子の運動方程式から求めた(4.18)、(4.19)を整理すると (4.66) (4.67) (4.68) であり、任意の核子密度においてgωを決めればg3は決まる。また真空中では (4.69) 〈σ〉を決定する方程式である平均場近似を適用したKlein-Gordon方程式(4.14)、 (4.70) (4.71)荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 47 500 f(〈σ〉) (MeV)
0
一500 一1000 -150 -100〆 、
11、、、・ x1㌔ ゴ、 、 ■・....白゜ .° 諺織● 、、 、1 200MeV/c■ ●、 ’ T・ ’ 乙 @、L百’. ’ 呂1…150MeV/c ’㌔,”100 MeV/c鵠
H
PF・0・OM・V/・ ’‘・1 、i‘ ・i・ii 1 … 一50 0 50 〈σ〉(MeV) 100 150 200 図4.1:〈σ〉の解の存在 となり、M21の値に依存しない。この連立方程式を解くと、〈σ〉は核子密度(Fermi運 動量ρF)とともに負で大きくなる(絶対値は小さくなる)ことがわかる。91=MN/f. とした場合が図4.1に示されている。図には f(・・〉)一・・〉一|・ψ…th・〉+霊{9・・ψψ〉-m;2・・〉} が示されている。もちろんf(〈σ〉)=0となる〈σ〉が解である。グラフは下か ら順にpFニ0、100、150、200 MeV/cに対応した関数f(〈σ〉)が図示してある。 PF~200 MeV/cくらいで解がなくなることがわかる。 核子の有効質量もスカラー中間子の有効質量も核子密度とともに小さくなる。α中間子 とη中間子はあまり変化しないが、σ中間子とπ中間子は核子密度に大きく依存する。図 4.2にg1=MN/fπとした場合のスカラー中間子の有効質量が核子のFermi運動量ρFの 関数として図示されている。特にπ中間子はPF>136MeV/cではm;2<0となって 質量が定義できなくなる。これより核子密度の大きな領域ではπ凝縮状態を考える必要が ある。48 1000 800 600 Mass (MeV) 400 200 0 手 塚 洋 0 ’’’’’’’’’”山”・・…... 50 100 150 200 250 300 350 400 PF(Me∨/c) 図4.2:スカラー中間子の有効質量 4.1.3 エネルギー 真空(核子密度0)でエネルギーが自由核子の質量だけになるようにHamiltonian(4.2) から定数項を引き算して、中間子場に対し平均場近似を施すと - づ - - - 刃=ψけ▽ψ+ψ(MN-91 fπ)ψ一91ψ〈σ〉ψ一92ψτ3<α0>ψ +1-li<・・>2+・1(・・>2-Al)2+・日(…>2-A・)2 +D1<αo>〈σ〉 +93VorOT3〈ρ0>ψ+9ω万・yO〈ω〉ψ
一㍗;…>2魂・・>2+D・〈・・〉〈・〉
-il-ll(Mπ fπMa)2-・ぞ(ff-A1)2一弓{(驚み)2-A2}2禰(・・72) となるが、核子分布としてFermiガス分布を仮定して期待値をとると E=<F17t1F> =V[<Fl(ψけ▽ψ+ψ(・4frv・-91f。-91〈σ〉-92τ3<ao>)ψ荷電対称性の破れをもつカイラルループモデルによる核物質 +93訪orO73〈ρ0>ψ+9ωψ70〈ω〉ψ)IF> +i-1・〈・・〉・+・~(・・〉・-A1)・+・多(…〉・-A・)・ +Dl<αo>〈σ〉 -1-Z…>2-1-Z・・〉・+D・〈・・〉〈・〉 一ピ;1瞭)2-・~(f…-A・)2-C3{(瞭)2-A2}2嘱] -V[・(芸・(∬㌔2~后マ吻+f。PF” P2~vl」Ilp’}lix5 dp) 十93(ρBp一ρBn)〈ρ0>十≦7ω(ρBp十ρBn)〈ω〉 ・lml、<・・>2+・~(・・〉・-A1)・+・i2(…〉・-A・)・ +Dl<αo>〈σ〉 -1-1…>2-lmZ・・〉・+D・〈・・〉〈・〉 -IM;i(1:t∫・)2-・~(f3-A・)2-・日{(篇∫・)2-A・}2嚇] =γ(ερ十εn十ε5十εγ) となる。ただし