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コンピュータを用いた簡易な電流-電圧特性測定装置の開発

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Academic year: 2021

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(1)コンピュータを用いた簡易な電流一電圧特性測定装置の開発 生活・健康・総合内容系コース m08218b池田政也 (指導教員 小山 英樹,主任指導教員 森山 潤). キーワード:自動計測・制御,電子部品,電流一電圧特性,A/D・D/A変換,工業高校. 1. はじめに D帆変換部   電圧バッファ部.  工業高校の電気・電子分野において,ダイオ ードやトランジスタなどの電子部品の学習は重. u明一IO   D一皿. PC. 要な領域を占めている。なぜなら,電子回路を. 測定部.        〃D変換部     電圧塔幅部. 設計・製作するためには,電子部品の特性や機. 図1電流一電圧特性装置の構成. 能を理解することが重要だからである。中でも,. 部品に流れる電流と部品に加えた電圧の関係. を使用せずUSBの電源のみで0∼5Vの電圧を出. (電流一電圧特性)は基本的なものであり,電. 力し,電流を約17mAまで流すことができるよ. 子回路の設計に大きく関わるものである。. うにするため,電圧加算形R−2Rラダー回路と入.  電流・電圧特性を測定するためには,電子部品. 出力Rai1−to−Rai1オペアンプを用い,それぞれ. に直流電源を接続し,この電源電圧を変化させ. D/A変換部と電圧バッファ部を構成している。. ながら電圧計と電流計で,それぞれ電流・電圧. 電流の測定は,測定部の電子部品に直列接続さ. を測定すればよい。ただし手作業では時間がか. れた抵抗(10Ω)の電圧を増幅し,専用ICを用. かるため,しばしばコンピュータを用いた自動. いて,A/D変換することにより行っている。な. 測定が用いられる。一般には,デジタルマルチ. お,USB−I0の同一ポート(Port0)を出力と入. メータ等を使用し,GP一工Bなどによる制御シス. 力の両方に用いているため,Dフリップフロッ. テムを構築する方法や,D/A・A/D変換ボードを. プ(D−FF)工Cを設置して,USB−IOから出力され. 使用したシステムを構築する方法などが用いら. るディジタルデータを一時的に記憶するように. れる。しかし,これらは比較的高価な機器を使. している。20秒程で測定でき,結果を自動的に. 用しており,.高度な知識と十分な時間が求めら. Exce1のシートに記録され,グラフに表示する。. れるため,教育現場で使用するには問題がある。. 3.各部の回路の検討.  最近では,パラレルのディジタルデータを容. (1)D/A変換部. 易に入出力できるインタフェース(USB−I0)が,.  R−2Rラダー形回路の出力電圧に及ぼすRの値. 比較的低価格で入手できる。本研究では,これ. の影響について検討した。図2より,Rが100. を利用した,低価格で高精度かっ汎用性や利便. Ω以下のとき,出力電圧に脈動が見られる。こ. 性の高い自動測定装置を開発することを目的と. れは,D−FF IC(SN74HC574)の出力抵抗が,R. した。各部の回路の検討を行うことにより測定. に比べて無視できないためと考えられる。ICの. 精度の高いものとしている。制御プログラムは,. “H’’及び “L”レベル時の出力抵抗R。,RLを. 広く普及しているソフトウェア(Exce1VBA)を. 測定したところ,それぞれ37.O及び24.5(Ω). 用いて開発し,汎用性を高めた。. であった。そこでこれらの値を用いて計算によ. 2.電流一電圧特性測定装置の概要. り出力電圧を求めたところ,測定値どおおむね.  本装置のブロック図を図1に示す。外部電源. 一致する結果が得られた。. 一428一.

(2)  脈動を除去するためには,出力抵抗に比べて. (3)電圧増幅部. 十分大きい抵抗をラダー回路に組めばよい。実.  電圧増幅部の入出力特性を評価するため,測. 際,Rの値を1kΩ以上にすると,計算値・測定. 定部に300Ωの抵抗を接続し,D/A変換部と電圧. 値ともに脈動が見られなくなった。. 増幅部の出力電圧の関係を調べた。電圧増幅度. が31倍であるため,理論的には両者の電圧は 4.    牌叩=100Ω).一一=!. 等しくなるはずであるが,図4に示すようにオ. 。一1。Ω ;。・一一一.影. ペアンプ(OP1∼OP4)のオフセット電圧の影. 、. >.         ■         掛          ’          ’         ’         ’ 酪茅炉計算値、ζ、。、,. 蕾・ 胆. {2. 響があることがわかった。.  抵抗の電流一電圧特性を測定することによりコ. オペアンプのオフセット電圧を求め,それを利. …目. 用して測定値を補正するようにプログラムを改. R=100Ω. 良した。.   0    0     50    100    150   200   250. O.20.         ディジタルデータ.     図2D/A変換部の入出力特性. ≧0・15 出. (2)電圧バッファ部. 限 錆 哩 靱O−05. バッファ部の出力電圧を測定した結果を図3に 示す。無負荷状態では,5V近くまで出力されて いるが,300Ωの抵抗を接続した状態では,4.7V. OP2          計算値. グ   。。1.   0,00     0,00    0,05    0,10    0,15    0.20. 付近で出力電圧が飽和する現象が見られた。こ.        D/A変換部の電圧(V). れは、オペアンプの出力抵抗での電圧降下によ.     図4 電圧増幅部の入出力特性. るものと考えられる。ただし,この出力抵抗は. オペアンプ内部の出力段MOSFETのトレイン ーソース間抵抗であるため,流れる電流値に依. 4.^/O変換部の検討.  本装置では製作時間短縮のため,A/D変換部 に市販の専用ICを用いている。しかし汎用の電. 存する。そこで,出力電圧と飽和が始まる電流. 子部品でA/D変換部を構成すれば,さらなる低. 値(飽和電流値)との関係を実際に測定し,飽 和電流値を多項近倶で電圧の関数として表した。. 合,電圧を減少させるプログラムに改良した。. 。、3\グ. S O.10.  D/A変換部の出力電圧(0∼5V)を入力とし,.  本装置では,測定時に飽和電流値を超えた場. OP4. 価格化が実現され,A/D変換の仕組みの理解に も役立つと思われる。そこで,電圧加算形R−2R. ラダー回路とRai1−to−Rai1オペアンプを使用 したA/D変換器の試作と評価を行った。変換速 度の低下が見られるものの,本装置のA/D変換. 無負荷.  4. 主. 5.まとめと今後の課題. き. 田3. 部として使用可能であることがわかった。. 負荷i(300Ω〕. 胞.  以上,本研究では,各部の回路を検討するこ とにより,低価格(3000円程)で高精度かつ小. {2 語. 型の電流一電圧特性測定装置を開発することが.  1. できた。外部電源なしで,5V,17mAを出力で 0   1   2   3   4   5       入力電圧(V). きる。今後は,新たに試作したA/D変換回路の 本装置への導入を検討する予定である。. 図3 出力パッファ部の入出力特性. 一429一.

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