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潜水観察による人工魚礁の実態について XVIII : 鹿児島湾口山川町沖合海域の場合

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(1)

潜水観察による人工魚礁の実態について XVIII :

鹿児島湾口山川町沖合海域の場合

著者

肥後 伸夫, 符 啓超, 西野 英人, 上山 洋昭, 福島

賢二, 吐師 弘

雑誌名

鹿児島大学水産学部紀要=Memoirs of Faculty of

Fisheries Kagoshima University

36

1

ページ

53-66

別言語のタイトル

On the Fish Gathering Effect of the Artificial

Reefs ascertained by the Diving Observation

XVIII : At the off sea of Yamagawa Town

(2)

Mem・Fac,Fish.,KagoshimaUniv・ Vol、36,No.1,pp、53∼66(1987)

潜水観察による人工魚礁の実態について−XⅧ

鹿児島湾口山川町沖合海域の場合 肥 後 伸 夫 ・ 符 啓 超 ・ 西 野 英 人 上 山 洋 昭 ・ 福 島 賢 二 ・ 吐 師 弘 OntheFishGatheringEffectoftheArtificialReefs ascertainedbytheDivingObservation-XⅧ AttheoffseaofYamagawaTown

NobioHIGo*',QiChaoFu*',HidetoNIsHINo

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Abstract Concemingthereefsofconcreteblockset,sunkenatthe4-spotsinthesea-frontoff Yamagawa-Town,Kagoshima-prefecture,divingobservationswerecarriedoutwiththe followinginformationsobtained. (1)Thereefsshowingthehigherfish-gatheringeffectivitieswereascertainedtobethose blockshavingasocalledtheshapeofadish-adimensionallyformedshapeinwhichtherewas atthecenter,agroupofset-in-blockseachsideofwhichhavingthelengthof1.5m;andthis particularindividualgroupwassurroundedbyotherseriesofgroup-blockseachsideofwhich havingthelengthofabout3m. (2)Thelowestfish-gatheringeffectivitywasobservedatthereefsmadeofthescrappedcar, whichhadbeenscatteredalongtheacutelyslantingsea-slope,withtheintervalsrangingfrom l5-20m. (3)Thepropersea-frontsmostfittingforthereefstobesunken,wereassumedtobethe followingtwosea-frontsnamely: Thesea-frontlyingofftheYamagawa-harbour,wheretheEqualdepthlinesshowingthe sea-depthof30m,arestretchedagainstthecoastline,drawingawedge-shapedfigure;and anothersea-frontofftheNagasakibanasea-promontory. *’鹿児島大学水産学部漁具学研究室 (LaboratoryofFishingGear,ScienceFacultyofFisheries,KagoshimaUniversity,50-20, Shimoarata4,Kagoshima,890Japan) *2深海サルベージ株式会社 (ShinkaiSalvageCo.,Ltd,6203-5,Shimofukumoto,Kagoshima,891-01Japan)

(3)

54 鹿児島大学水産学部紀要第36巻第1号(1987)

山川町沖合海域は鹿児島湾口の西部を占め沿岸漁業やマダイの放流事業が盛んに行われて

いる海域である。また海底地形を利用しての漁場造成の好適地としても評価の高い海域であ

る。今回,当海域の沿岸漁業の漁場環境を解明することを目的として人工魚礁を始め海底地

形や海底面を調査したのでその結果について報告する。 1 . 調 査 方 法

人工魚礁(以下魚礁と呼ぶ)の調査は,沿岸域に設置してある4個所の魚礁について,昭

和60年7月15,16日の両日,潜水観察')により魚礁の形態,埋没,付着生物,蛸集魚の状態

を調べた。この4魚礁はいずれも急深となる沿岸沖合に近い平坦部もしくは斜面上に設置さ

れているが,利用目的或いは使用材料が夫々異なっている。即ち最も南方のYA−1魚礁は沈

設型のコンクリートブロック(以下ブロックと呼ぶ)群よりなる並型魚礁,その北方の

YA-2魚礁は沈設型の廃車魚礁,俣川洲(またごし)近くのYA−3魚礁はブロック群よりな

るマダイの保育魚礁,最も北方のYA−4魚礁はブロック群よりなる築磯である(Fig.1)。

また海底地形はFig.1に示す7定線において魚群探知機(JRC製,JNA171AV型)により,

海底面は同じ7定線においてボトムソナー(NEC製NE−70B2型)により調べた。なおこ

れらの調査には本学練習船南星丸(82トン,400ps)とゆめ(2.8トン,25ps)を使用した。

【】 No90 N C−2/ ● a−g式f忠 の,PP Fig.1.Pointsofresearchactivity. □:Reef ○---○:BottomSonartrackline ●:Seawaterandbottommaterialsamplingpoint 〆

(4)

肥後・符・西野・上山・福島・吐師:人工魚礁の実態について−XⅧ 55 2 . 調 査 結 果 (1)人工魚礁 YA−1魚礁(Fig.2,Table1,Platel) 調査魚礁の中で最も湾口に近い魚礁で,赤水鼻の東南東方約1800mの水深27∼33mの斜面 上に設置されている。周辺の海底面には波長約1m,波高約15cmの砂漣が形成されている。 この魚礁の規模は昭和55年より59年にかけて投入された略3m角ブロック32個,1.5m角ブ ロック74個,廃船4隻である。今回はその1部である略3m角ブロック32個と1.5m角ブロッ ク約20個について調べた。 魚礁の形態は20×45mの範囲内において,その外側の周辺に略3m角ブロックが並び,そ の内側に1.5m角ブロックが群がり皿型2)の凹みの形態となっている。埋没及び洗堀はほと んど進捗していない。付着生物は殻長1∼2cmのフジツボがブロックの全面にみられるだけ である。 魚群は豊富に帽集している。主な魚種とその占位場所をあげると,まず体長25cmのイサキ の大群が目につく。この群は主として魚礁中央部の凹みの場所に占位し,魚礁全体を包むよ うに,ブロックの内部や上部をゆっくりした動きで移動していた。この他カゴカキダイ群が 前述の凹みの場所に,その上方にハマチ群が夫々認められた。コロダイは1.5m角ブロック 群と略3m角ブロック群の周辺に,またクロダイは略3m角ブロック群内に夫々占位してい た。 YA−2魚礁(Fig.3,Table1,PlateⅡ) 前述のYA−1魚礁の東北東方約1000m,水深38∼43mの海底勾配の大きい斜面上に設置さ れている魚礁である。昭和54年8月の投入,主として普通乗用車と軽自動車からなる廃車魚 礁で,その台数は135台である。今回はこのうち約30台の廃車群について調査を行った。 設置形態は車が5∼lOm間隔で広範囲に分散した状態となっている。車は2台ずつワイ ヤーで固縛されているが,中には5∼6台まとまっているものもある。車体は運転席のみの ものや,天井部分の圧潰したものなど1部破損したものもあるが,ほとんど原型を保ってい る。付着生物は小さいフジツボが車体の上面に付着している他,ウミトサカが所々にみられ た。蛸集魚は少なく,車の多く集まった場所にウマヅラハギ群とホウセキハタを認めたに過 ぎないo YA−3魚礁(Fig.4,Tablel,PlateⅢ) 俣川洲の南西方約900m,水深10mに設置されているブロック魚礁で,略3m角ブロック 4個と1.5m角ブロック4個よりなる。この他,東方約40mに略3m角ブロックが1個,北 方約50mに1.5m角ブロック1個と半壊状のブロック2個が存在している。周辺の海底は平 坦で海底面には顕著な砂漣が形成されている。 洗堀は30∼50cm進捗している。蛸集魚群は略3m角ブロックの上方にウマズラハギ群が, 1.5m角ブロックも含めてブロック内外にイシダイ,ハタタテダイが,ブロックの周辺の海 底面上にヒメジ群が夫々認められた。 この魚礁は山川町漁業協同組合の管理するマダイの保育魚礁で,毎年稚魚放流が行われて いる。昭和60年度は69000尾がこの魚礁上で放流されている。筆者はこのマダイの稚魚放流

(5)

56 Fig.2 智 聯 撫 蝋 簿 ’ ' 1 1 1 1 鹿児島大学水産学部紀要第36巻第1号(1987) N

皿 SchemailcgatheringconditionaroundtheYA-1reef Gze:Go7zi趣泌ze6ソ。α :”e72e"S6g72SaSZ IHzγ”7.jS”0mα坑励eat” Gk:の”zO伽mJC雛α伽 :PZgc”ノカy"cル"sヵiic奴s N:jVIpAo”ゆ"zos” ●:Artificialreef :Micr0ca7拡加sstrzgz7奴s :jV1zzノOzjb7zm0必如s □:1.5mcubeblock □:3.0mcubeblock :艶が0Z上z9醜”zJ”α戒α、 回:1.5mcubeblock :Mjノ"0mα"ocゆAα〃s onthe3、Omcubeblock N

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(6)

Number 57 肥後・符・西野・上山・福島・吐師:人工魚礁の実態について一XⅧ NlⅡuトーlTll ロ

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5-iT-議繍 Fig.4. ) 〈 x 職 □ □ SchematicgatheringconditionaroundtheYA−3reef :C肱gア2α“伽伽z‘s Ha:H”jocAz4sα“”””s :jVZzzノりz加加odgsZzJs Ub:U1pe7zez心bg7zsasj :3mcubeblock ○:Sandbag :1.5mcubeblock Table1.Fishesobservedoneachartificialreef. Y A − 2 50∼60 30 ReefNo. Species Forklength(c、) 50 30∼40 School Largeschool School 25∼45 35 15 25 Y A − 1 3 6 20∼30 30 Largeschool Largeschool 30 Largeschool lO 10 15∼18 20 25 25∼30 45 15 40 25 Largeschool l jVip加刀吻刀Osz4s jVZmOd"z77zo血“ Y A − 3 6 − 30∼35 25 70 “雌 泌。”・“ ︾︾︾︾ 伽︾卿加 脆砂の伽 School YA−4 ApQgwzse”"7zezz畑s PZazzzjr伽72‘zzzjs E抄j岬AE伽cAZOmszigソ'za L泌蜘"z4s〃てノz4s Qpjggソ2αz加s/ZMztz4s Gj花肋'72e加妨zノbIs Mibmca7z助z4ssZ7Zgzz“ Mz加吻刀加0曲“

(7)

PP E喧 鹿児島大学水産学部紀要第36巻第1号(1987) について指宿市沖合の場合と同様に追跡調査3)を実施したが,その結果については次報で報 告したい。 YA−4魚礁(Fig.5,Table1,PlateⅣ) 千眼峰ノ鼻の東方約1800mの水深18.5mに位置する築磯で,昭和59年12月投入,l×1× 0.8mの4穴ブロック188個からなる。周辺の海底形状は緩やかな勾配をなしている。 設置形態は長さ50mに亙ってブロックが集積し,所々に2∼3段積みがみられる。北半分 はブロックが密集しているが南半分は2∼5m間隔に分散している。埋没は深さ10∼20cm, 洗堀はブロック群の周辺において深さ約30cm掘り下げられている。 魚群はかなり豊富であり,特に2∼3段積みとなっている北半分のブロック群においてそ の密度が高くなっている。主な魚種としてはウマヅラハギ,イシダイ,ハタタテダイ,ネン ブツダイ,カゴカキダイの群が礁上に,ホウセキハタ,ヨコスジフエダイ,メジナ,ツバメ ウオ,コロダイ等がブロック周辺で夫々認められた。なおイセエビは確認出来なかった。 (2)海底地形と海底面 当海域の海底地形の特徴は次の2点である。即ち, ①10m以浅の平坦域と20∼30m以深の急斜面域に2分される。 ②山川港口沖と赤水鼻沖には模状を呈している等深線の入れ込みが形成されている。 前者は海図より求めた1m毎の等深線図(Fig.6)と同図で示した各横断面の海底地形の 模式図(Fig.7)からその概要を知ることが出来る。即ち10m以浅の平坦域は俣川洲沖と赤 水鼻沖で狭く,山川港口沖と岡児ケ水沖で広く形成されている。またロノ曽根付近から赤水 鼻にかけては20m以深域が,また山川港口沖と長崎鼻沖では30m以深域が夫々急斜面域と なっている。ここで千眼峰ノ鼻から赤水鼻にかけての沖合水域の海底勾配を略算すると,10m < 一 旦 g L − 矛

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(8)

59 肥後・符・西野・上山・福島・吐師:人工魚礁の実態について−XⅧ

以浅域は1∼0.6%,20∼50m水深域は14∼28%という値となった。後者は魚道の形成と深

い関係をもつものと考えられるが,特に山川港ロ沖合はFig.8に示すように等深線の入れ

込みの規模が大きく,加えて海底地形が皿型の凹みを有していることから,当海域の漁場的

価値を高める重要な水域となっていることが考えられる(ポイントNと呼ぶ)。赤水鼻沖の

海底形状はポイントN程顕著ではないが,矢張り等深線が陸岸にむかって湾曲しており,

魚道形成に役立っているものと考えられる(ポイントSと呼ぶ)。この他,ロノ曽根の南側

に同様の海底形状が形成されている(ポイントMと呼ぶ)。 次にボトムソナーで調査した海底面の状態(Fig.9)をみると,山川港口より俣川洲にか けての海底面は砂質で粗牒や転石はみられない。児ケ水湾内は平坦で砂漣が形成されている。

また中央部付近は採砂が行われているため1∼3mの水深差をもつ凹凸部が数多く形成され

ている(記録②),赤水鼻沖の水深20m付近の海底面には顕著な砂漣がみられるが,水深45 ∼50m域になるとその砂漣はみられない(記録③)。ポイントN及びポイントMの海底面 は砂質で障害物は少なく砂漣もみられない(記録⑤,⑥)。 なお魚礁及び海底地形,海底面の調査と併せて,Fig.1に示す漁場観測点において,水温,

塩分,pH値を測定した。その結果をTable2に,また各魚礁における魚群探知機の記録を

FiglOに示した。 Fig.7.Bottomcontouralongthebrokenline ofFi9.6. D i s 十 o n c e ( K m

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、 A ∼ A l 一 一 一 、 卵−0 凸 ’b Nog Fig.6.Topographicalmap B ∼ B = ニーロのロ

(9)

③−E 鹿児島大学水産学部紀要第36巻第1号(1987) Fig.9.RecordsoftheBottomSonar. Y A − 3 R ⑧ 、 うOm プ 十N Ndg <、 Fig.8.Relationbetweentheartificialreefsandbottomtopography. □:Reef I

蝉 撫 Y A − 1 R 吟 ⑧ ↑ ④−B ⑥−A 、藩..A−1,ー;‘司両'11』『,罰・『.;『'.''il

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鍵識議

(10)

肥後・符・西野・上山・福島・吐師:人工魚礁の実態について−XⅧ 61 Table2.Resultofthefishinggroundobservations. 2 8 . 2 9 2 7 . 7 6 8 . 3 0 1 S60−07−1514:48 C−2 3 1 . 5 3 2 4 . 1 0 8 . 4 7 30 2 8 . 5 0 2 7 . 7 5 8 . 2 6 1 C−3 14:36 2 8 . 9 3 2 7 . 1 9 8 . 3 5 13 1 2 8 . 5 3 2 7 . 8 5 8 . 2 1 C−4 14:26 10 2 8 . 8 4 2 7 . 3 5 8 . 3 6 2 8 . 6 5 2 7 . 6 6 8 . 1 9 1 15:09 D−2 2 9 . 6 4 2 6 . 6 5 8 . 2 6 25 50 2 9 . 4 6 2 2 . 5 7 8 . 4 9 75 3 5 . 4 7 1 9 . 1 8 8 . 8 0 90 3 7 . 9 8 1 6 . 4 7 8 . 9 2 1 2 8 . 5 8 2 7 . 6 2 8 . 2 9 D−3 13:24 25 2 9 . 9 3 2 6 . 2 4 8 . 3 8 30 3 0 . 5 0 2 5 . 4 9 8 . 3 8 1 2 8 . 5 5 2 7 . 7 5 8 . 1 9 D−3′ 13:31 2 9 . 4 3 2 6 . 9 9 8 . 2 4 12 1 2 8 . 7 1 2 7 . 6 5 8 . 2 8 D−4 13:44 11 2 9 . 1 0 2 7 . 2 6 8 . 2 8 1 2 8 . 4 5 2 7 . 8 2 8 . 2 1 E−3 13:04 27 3 0 . 5 0 2 5 . 6 2 8 . 2 0 1 2 8 . 4 5 2 8 . 0 8 8 . 1 6 E−4 12:18 5 2 8 . 6 4 2 7 . 7 7 8 . 1 4 2 8 . 6 8 2 7 . 5 4 8 . 2 0 1 E−4′ 12:51 3 0 . 2 1 2 5 . 9 6 8 . 2 8 25 2 8 . 3 6 2 8 . 0 6 8 . 1 5 1 E−4" 15:35 6 1 2 8 . 5 0 2 7 . 7 4 8 . 1 3 F−4 12:07 25 3 0 . 5 8 2 5 . 5 0 8 . 1 5 34 3 0 . 6 0 2 4 . 5 8 8 . 2 7 1 2 8 . 4 5 2 7 . 8 2 8 . 2 3 F−5 11:33 7 2 8 . 7 8 2 7 . 3 6 8 . 1 9 25 3 0 . 6 8 2 5 . 3 4 8 . 3 4 F−5′ 1 2 8 . 5 4 2 7 . 6 7 8 . 2 9 28 3 0 . 7 3 2 5 . 2 7 8 . 6 8 1 2 8 . 6 2 2 7 . 3 9 8 . 8 2 F−6 10:32 10 2 9 . 3 8 2 6 . 8 0 8 . 8 5 15:55 F−6′ 35 25 3 1 . 3 7 2 4 . 3 5 9 . 1 8 G−5 11:07 1 2 8 . 5 4 2 7 . 5 2 8 . 8 4 41 3 3 . 3 8 2 1 . 6 1 8 . 9 4 G−6 10:52 1 2 8 . 5 1 2 7 . 4 0 8 . 8 8 17 2 9 . 8 2 2 6 . 3 8 8 . 9 2

(11)

62 鹿児島大学水産学部紀要第36巻第1号(1987) 3 . 考 察 今回潜水観察を行った魚礁は,前述したように利用目的と寸法の異なる2種のブロック魚

礁と廃車魚礁及び築磯であった。このうち婿集魚を多く観察出来た魚礁としてはYA−1魚礁

と築磯のYA−4魚礁をあげることが出来る。この2魚礁に多くの魚群がみられた理由として は,魚礁が魚道近くに設置されていることと,魚礁の設置形態が優れていると言う2点をあ げることが出来よう。即ちYA−l魚礁は前項で言うポイントS付近に設置されており,ま たその設置形態は小型のブロック群を中心として周囲に大型のブロック群を配するといった 所謂皿型をなしているため,相乗的に優れた婿集効果を発揮しているものと考えられる。ま たYA−4魚礁はポイントMの陸岸側に位置し設置場所に恵まれていることと,設置形態が 小型のブロックを集積した小さい起伏の多い山型をなしているため多くの中,小型の魚群を 婿集せしめているものと考えられる。 これらの優れた魚礁に対し,YA−2魚礁は設置場所付近の等深線が略直線で変化のないこ とと,魚礁が急斜面上に広く散在したため魚群の来遊と滞留をみなかったものと考えられる。 今後,漁場造成によって沿岸漁業の振興を計るとすれば,先ずさし当たって,当海域の漁 場的価値を高めていると考えられる山川港ロ沖合のポイントNの海域に大規模の魚礁設置 を実施すること,また南方の赤水鼻沖ポイントsの水域における魚礁の規模拡大を計る等, 当海域の海底地形を巧みに利用した積極的な施策が望まれる次第である。 要 約 山川町沖合海域に設置されている4個所の人工魚礁について,昭和60年7月に潜水観察を 実施した結果,次のような知見を得た。 (1)2種のコンクリートブロック魚礁と廃車魚礁及び築磯について調査を実施した。このう ち魚群の婿集密度の最も高かった魚礁は,1.5m角ブロック群を中心とし周囲を略3m角の ブロック群で囲むように設置されている皿型の構造をした魚礁(YA−1魚礁)であった。 (2)魚群の蛸集密度の低い魚礁は急勾配となっている海底斜面上に広く分散して設置されて いる廃車魚礁(YA−2魚礁)である。なおこの魚礁は車体間隔即ち魚礁の単体間隔が5∼lOm とかなり広くなっている。 (3)魚礁造成の適地としては,水深30mの等深線が模状に陸岸に向って伸びている山川港ロ 沖合と赤水鼻沖合をあげることが出来る。 この研究は昭和60年度における山川町の受託研究費により実施したもので,研究の推進に 当り御助力をいただいた山川町漁業協同組合,及び練習船南星丸の柿本亮船長他乗組員御 各位に対し厚くお礼申し上げたい。 文 献 l)肥後伸夫他3名(1986):潜水観察による人工魚礁の実態について−XⅥ,鹿児島大学水産学部紀 要,35(1),87∼100.

(12)

邸イ 錘灘 碁職讐 溌・#“ 謙譲謡 謝謡齢 舎︾携観︲謹争︲ 肥 後 ・ 符 ・ 西 野 ・ 上 山 ・ 福 島 ・ 吐 師 : 人 工 魚 礁 の 実 態 に つ い て 一 X Ⅷ 識争 2)肥後伸夫他7名(1980):潜水観察による人工魚礁の実態について一WL鹿児島大学水産学部紀要, 29,51∼63. 3)肥後伸夫他5名(1983):潜水観察による人工魚礁の実態について−X,鹿児島大学水産学部紀要, 32,193∼205. 雨H蕊 Platel:YA−lreefoffYamagawaclty 溌蕊: 目 ,)篤電・”〃i蕊

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