はじめに
本学教職教育部が創設三十周年を迎えるにあたり、本誌「教育論叢」の今号において記念特 集を組むこととなり、教員は何らかの原稿をできるだけ寄せることとなった。私は目下、小学 校教員養成プログラム委員会の委員長の任に当っており、その関係から当該プログラムの概要 ならびに活動の一端を紹介することで本特集に寄せる小文としたい。一、本プログラムの沿革
本プログラムは、本学教職教育部の創設から十七年後の、2005(平成十七)年度より聖徳大 学通信教育部と連携しスタートする。ちなみに、当時の当該委員会は小口功委員長であった。 その後、2009(平成二十一)年度より、近大姫路大学(現、姫路大学)との連携に移行し、現 在に至っている。ちなみに、2009年度から2011年度まで小口功委員長、2012年度から2014年度 まで鈴木一久委員長、2015年度より中田が委員長に就いた。筆者は、2012年度より、当該委員 会の副委員長の任にあった。 ところで、本学では、教職教育部開設と同時に中学校および高等学校における各教科の教職 課程認定を各学部毎(各学科単位)に文部科学省より得ていたが、小学校教諭の免許状に関し ては、その認定を受けていない。 そのため、小学校教員養成としての教職課程の認定を受けている他大学(姫路大学)との連 携のもと、小学校教員の養成を図っている。学生たちは本学に在籍しながら、同時に姫路大学 における「科目群履修生」という属性(所属、在籍、立場)で小学校教諭一種免許状の取得を 目指す。このプログラムに関しての利点は、本学に在籍し、各学部の専門領域の学びと共に中 学校および高等学校の免許状を取得し、更に、姫路大学での科目群履修生として小学校教諭の 免許状を取得可能とする。学生たちにとっては、三校種の中から教職に就ける好機に恵まれる という利便性の高い好条件のプログラムが用意されている。しかし、実際には、本学の学生た小学校プログラム活動報告
中
田 睦
美*
*近畿大学教職教育部准教授 〔キーワード〕 小学校教員養成、小学校プログラム沿革、 科目群履修生、現職(卒業生たち)の声ちが、二回生より当該プログラムへの参加を決めた瞬間から、三校種の免許状取得までには、 相当に過重な努力が必要とされているのも事実である。
二、本学プログラムの概要
本プログラムは、提携大学通信教育課程の科目群履修生として登録を行い、小学校教諭一種 免許状取得に必要な科目(通信授業およびスクーリング)を受講し、卒業時に小学校教諭一種 免許状と中学校教諭一種免許状を同時に取得することをめざすものである。個人で通信教育を 受ける場合、レポート作成に大変な労力が課されるが、このプログラムでは、参加一年目には、 週2回、二年目には週1回の補習を行い、本学教職教育部教員によるレポート作成指導を行っ ている。プログラム参加の学生たちは、卒業単位の修得、中学校教諭一種免許状取得に必要な 単位の修得に加え、通信教育での同時並行の受講となり、就学上で、相当の負担が掛かるため、 小学校教員として教職に就くべく採用試験合格を目指す、意思の強い学生の参加が求められ る。三、本学プログラムの流れ
プログラムの履修期間は本学在籍二年次から四年次までであり、一年次の後期に参加申し込 みを行い、書類選考を経たうえで、提携大学通信教育課程の科目群履修生として正式に登録さ れる。単位の取得方法は、「通信授業」という名称での、提携大学から送付された教材で学習し、 所定のレポートを提出し、さらには当該科目試験を受け、当該科目のレポート課題ならびに当 該科目の試験両方に合格することで、個々の単位の修得が認められる。次に、授業の内容上、 実習的側面が多分に求められる学習に関しては、より一層の教育的効果を得ることを目指し、 「スクーリング」という形態を用いて、一科目につき、1.5日間を掛けて学生たちは学んでゆく。 主として指導法がそれに該当し、「国語科指導法」や「理科指導法」さらには「書写」や「図 工」など全8科目を、春期・夏期の休暇期間中に開催し、必要なすべての時間に出席し、各々 の科目スクーリングの最終日に実施されるスクーリング試験に合格することで初めて単位修得 可能となる(2020年度より新課程に移行するため、スクーリング科目は、全11科目受講が必要 となる)。 なお、本プログラム参加条件として、一年次前期の時点で学部開講科目を原則として14単位 以上修得し、本学開講科目「教職入門」を修得済みもしくは修得見込みの状況であることを原則としている。 また、この科目群履修生とは、姫路大学での本科生とは異なり、大学で開設されている授業 科目のうち、必要な授業科目や興味関心のある授業科目だけを選んで履修する学生の立場を指 し、本科生と同様、履修した授業科目に応じて講義や試験を経て単位を修得する学籍を意味し ている。 本学では、プログラム参加を希望する学生のための説明会を参加開始前年度の秋(11月中旬) に実施、その際、次年度からの要項を配布し、3 年間のプログラム概略の説明を行っている。 加えて、プログラム参加条件として、二度にわたる選考会を行う。これは、単位の取得に向け て、相当の時間と労力を費やすことになり、プログラム開始後に、学生たちの認識と現状との 間になるべくズレを起こさせないための措置であり、なおかつ、実際のレポート課題を作成さ せることでプログラム開始時点でのスタートをスムーズに運ぶための措置でもある。過去にお いて、学生が実務レベルでの事務作業と年間スケジュールの調整(多種の学部学科からの構成 ゆえ)や所属クラブや同好会または人間関係の調整に苦しむなど、多岐にわたる問題があった ことを踏まえての対策である。また、今年度(2019)が完成年度である国際学部の学生たちも 2016年度よりプログラムに参加している。国際学部の彼らは、一年次の前期終了後、約半年強、 留学に出るため、他の学部と同時期に説明会を行えず、なおかつ、二回生開始時点においても、 まだ留学先に滞在して居るため、同時期のスタートが切れない。ほとんどの国際学部学生たち は、翌年の四月末から五月初旬にかけて帰国するのであるが、その時期を勘案し、事務方から 海外に滞在する彼らに連絡を取り、彼らの帰国後における小学校プログラムの開始が円滑に進 むように日程を調整することになる。本学の小学校プログラムは、事務方の細やかなスケジ ュール調整と助力ならびに我々教職教育部教員の補助支援、そして学生たちの小学校教職に就 くという強い意志の下、免許を取得するためのさまざまな助力を併せた、いうなれば、「チーム 近大」によって、多くの学部学生たちを支援する態勢になっているといえよう。
四、教員免許の取得
なお、本小学校プログラムの特殊性として、現姫路大学との提携を実施しているが、教員免 許を取得するに際しての実行可能性について法的根拠は、以下の通りである。 『教育職員免許法』(第九条第五項)には、「教育職員で、その有する相当の免 許状(主幹教諭(養護又は栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭を除く。))及び指導教諭についてはその有する相当学校の教諭の免許状、養護をつかさど る主幹教諭についてはその有する養護教諭の免許状、栄養の指導及び管理をつ かさどる主幹教諭についてはその有する栄養教諭の免許状、講師についてはそ の有する相当学校の教員の相当免許状が二種免許状であるものは、相当の一種 免許状の授与を受けるように努めねばならない。」 というものである。
五、本プログラムによる採用者数の推移
何よりも学生本人の努力と「チーム近大」の協力体制によって、本プログラム参加学生の小 学校教諭の採用は、一定程度の成果を挙げてきた。以下の表は、姫路大学との提携後から昨年 度までの(2019年3月末)採用者数の一覧表である。六、現場の声
最後に本プログラムに参加し、幸いにして採用試験に現役合格を果たした、現在、小学校教 育の現場に立つ卒業生たちの〈生の声〉を記して拙稿のまとめに代えたい。 本来ならば、現役合格ならびに既卒合格など採用された時期には多少の時差があれど、現職 姫路大学通信提携本学小学校プログラム生 開始人数 採用者 38名 8名 2009 1期生 16名 9名 2010 2期生 24名 11名 2011 3期生 32名 12名 2012 4期生 27名 11名 2012 5期生 24名 11名 2013 6期生 14名 7名 2014 7期生 13名 7名 2015 8期生 18名 10名 2016 9期生 23名 8名 2017 10期生 20名 10名 2018 11期生として働く小学校教諭の彼ら全員の声を届けたいと考えたのであるが、時間と紙数の制約上、 一部の元プログラム生たちの声であることをお断りしておく。多忙な勤務の中で、応じてもら えた彼らに感謝するとともに、この記念号にまとめる機会を通じて気づいた事は、今後、何ら かの形で現職に就く元本学生達に還元すべく、その声を纏めることも考えている。 ともあれ、教諭として働く彼らの〈生の声〉からは、小学校教育の現場は苦労も多いが、眼 前に預かっている子ども(児童)たちの日常が日々健やかに送れるようにと、毎日、懸命にそ の職に従事している様子が手に取るように見えかつ、その文章からも滲み出ている。教育基本 法ではないが、卒業生たちが「自己の崇高な使命」を果している姿に、心からのエールを送る。 以下に7名の元本学学生達の文章を掲げる形で本稿を終えたい。 なお、念のため記しておくが、教諭名や勤務先などは本人ならびに学校側の公表了承を得て いるものである。 ◆中野綾香教諭 亀山市立関小学校勤務(現在六年生担任) 私の教職への道は挫折から始まりました。教職入門の単位を落とし、再履修をしなければい けなくなりました。しかし、その授業がきっかけで、小学校の免許を取ることができました。 あの再履修がなければ、小学校の免許を取るタイミングをなくしていたかもしれないと思う と、私が、教職入門の単位を落としたことは、運命だったんじゃないか、と思います。 そんな私が、小学校教諭になって、あっという間に7年目を迎えています。初任の時は、右 も左も分からず、自分のことで精一杯でした。あの頃は、毎日毎日を過ごすことに必死で分か りませんでしたが、今思うと、あの初任での1年間が、最も授業について悩み、子どものこと について考え、一日を大切にしていたのではないかと思います。 教師になって6年目にも教員の節目としての大きな研修を迎えますが、初任の頃は、6 年次 研修の先生が大先輩に見えました。「私も6年目には、素晴らしい授業ができて、子どものこ とをよく理解している立派な先生になっているだろう。」と思っていました。が、現実は全く違 いました。1年間の中で、「上手くいった!」と思える授業は数回で、担任する子どもも毎年 変わるため、学級運営にはいつも悩みまくりです。大変なこと、悩むこともたくさんあります が、助けてくれる人もたくさんいます。同僚の先生はいつも、「無理したらあかんよ」「これ、 手伝おうか?」声をかけてくれます。子どもたちは「一緒に遊ぼ!」「先生聞いて~」と話し かけてくれます。保護者の方は「先生が担任やったら、安心やわ。」と温かい言葉をかけてく
れます。何年目になっても、先生という職業は一人ではやっていけないのだと実感します。今 では、担任としての仕事だけでなく、校務分掌もたくさんあり、多忙な日々ですが、初任の頃 の気持ちを忘れず、「先生」という職業を楽しみたいと思います。自分自身で力をつけることは もちろん必要ですが、周りの人に支えられているということを常に忘れず、これからも頑張っ ていきたいと思います。(2012年度 理工学部理学科卒業) ◆坂東美咲教諭 大阪市での小学校勤務6年目(現在育休中) この仕事は大変です。しんどいことだらけです。休憩時間が設けられていますが、休憩なん てしている時間はありません。ほとんど毎日、放課後には会議があります。そのため、定時を 過ぎてからテストの採点やノート点検をします。帰ってから授業研究。土日も家で授業研究。 そうやって時間をかけて準備していても、先輩の先生の授業より劣ってしまいます。少しでも 差を小さくしておかないと、子どもたちに失礼だと思って毎日必死に働いていました。高学年 の担任になると、教科数が増えるだけではなく、宿泊行事など大きな行事のために土日出勤を して準備していました。対応に追われて、終電で帰る日もありました。ここには書けないこと もたくさんあり、私なんて辞めた方がいいのではないか、辞めたいと悩んだ時もありました。 でも辞めずになんとか続けることができたのは子どもが教室で待ってくれていたからでした。 大好きな可愛い教え子たちが笑顔で私を待ってくれているということが一番ありがたかったで す。三年間担任として関わってきたこの子たちを私が卒業させるんだと奮い立たせてくれまし た。そして、無事卒業させることができました。冒頭でこの仕事は大変でしんどいことだらけ と述べましたが、卒業させることができたとき、あの日々はこの日のためにあったんだと思え るほどの達成感がありました。もちろん、いろんな方々に支えていただいてやっと卒業式を迎 えることができたのですが、あの時辞めるという選択をしないでよかったと心から思います。 子どもたちと一緒に涙し、最後までみんなで笑いあったあの日々を私は一生忘れることはない と思います。とてもいい仕事に就くことができました。 私は現在、育児休暇を取っています。産前産後休暇に入るまでの期間も通勤緩和制度を使わ せてもらい通勤していました。管理職の理解が得られれば、妊娠中でも無理なく仕事すること ができます。仕事復帰が保証されているので、安心して子育てができます。あと、家を購入す る際もローンをすぐ組むことができるのもこの仕事の良いところかもしれません。 最後になりましたが、こんなに素晴らしい経験をすることができたのは小学校プログラムの
おかげです。小プロのメンバーとは今でもたまに会い、みんなで情報交換したり、くだらない 話をしたりと仲良くしてもらっています。自分だけが悩んでいると思っていたら、実はみんな も悩んでいることがわかったり、アドバイスをしてもらうことができたりして仲間との繋がり に感謝することが多いです。また、中田先生も私にとっては大きな存在です。非常に厳しい先 生ですが、とても愛情深い先生です。先生だったら、「なにくよくよしてんの。やりたいように やってみたらええねん!」と背中を押してくれるだろうな、と卒業してからも私を元気づけて くださる存在です。中田先生、仲間と出会えてよかったです。これからも小プロで繋がったこ のご縁を大切にしていきたいと思います。(2013年度 文芸学部文学科日本文学専攻卒業) ◆池田郁江教諭 大阪府豊能郡能勢町立能勢小学校勤務 教員に必要なスキルといえば枚挙に暇は無いが、中でも最も重要な事は「学び続ける事」で あると思う。「己の職業について学び続けるなど当たり前だ。」と思うあまり、学生時代には想 像もしていなかったが、これが案外と難しい。 小プロでは、出題されたいくつかのテーマについての参考資料を、それぞれ分担して調べた 後に持ち寄り、発表し、その後、各自で「解答」(レポート)を作成する。その過程で教育理 論を学び、時には、その発表時に議論をして、教育観を確立した。 学校現場に出て最も戸惑った事は、やはりその忙しさだ。日々の学校生活はもとより、教育 情勢の移り変わるスピード感たるや、新米教員には到底追いつけない。「その日暮らし」とい う言葉がぴたりと当てはまっていた。 ある日、先輩教員に「勉強会」へと誘われた。勉強会と言っても、仲の良い教員4~5人が 教室の片隅に集まっただけのごく小規模なものであるが、そこで先輩たちは、互いの板書の写 真などを持ち寄って、授業の問題点や悩みについて改善方法を議論し、二学期(次の学期)か らのリカバリー方法を考えていた。それはまるで、学生時代にした小プロの活動のようだっ た。聞けばこの勉強会は、毎週欠かさず行ってきたという。この目の回る現場で、これを当た り前のようにしている先輩たちに出会えた私は、きっと強運の持ち主だったのかもしれない。 それから忙しい日々ではあったが、私も板書を写真に撮り、毎週持ち寄るようになった。そし て先輩たちに褒められたり、指摘されたりすることで、めきめきと指導力が向上するのを感じ た。 学び続ける事は難しいが、同士と学び合う事で実現できる。小プロはその「練習」として良
い機会であったと言える。(2014年度 総合社会学部卒業) ◆津村桃子教諭 堺市立浜寺東小学校勤務 私が小学校プログラムに参加した当初の理由は、将来の選択肢を増やしたいということと、 教育についての学びの幅を広げたいと考えたことでした。大学入学時点では、高等学校の教員 を志しており、小学校教員の道は考えていませんでした。 しかし、小学校プログラムで授業を受ける中で、自分が教員を志望している理由を見つめ直 す機会が増えました。そして、私が教師になりたいと考えたのは、それぞれの子どもたちが抱 えている「困り感」を共に見つけ、解消していきたいと思ったからだということに気がついた のです。そして、小学校プログラムに参加する中で、この志を叶えるために、小学校教員にな りたいという気持ちが芽生えました。 小学校プログラムでは、提携先の大学の先生方は勿論、近畿大学の様々な先生方からも指導 を受けることができます。様々な教科について学び、それらについてのレポートを何度も書き ました。書く中で、自分の考えが段々とまとまり、そして様々な先生方の添削によって、より 学びが深まっていくことを実感することができました。 模擬授業や板書の手法なども徹底的にご指導いただいたことで、教育実習でも胸を張って授 業に取り組むことができました。また、教員採用試験の対策もあり、小学校教員になるという 気持ちを、常に切らすことなく勉強に励むことができました。 そして今、実際に教壇に立ったことで、やはり私は小学校教員になって良かったという思い を強くしています。指導力はまだまだ未熟ではありますが、小学校プログラムで学んだことを 思い出しながら、様々な個性を持つ子どもたちと共に学んでいます。 小学校プログラムでの学びがなければ、今の私は絶対にありません。これからもその学びを 活かし、日々成長していきたいと考えています。(2015年度 文芸学部文学科日本文学専攻卒業) ◆端地るり子教諭 八尾市立高安西小学校勤務 小学校教員は素晴らしい職業ですね。楽しいことばかりではなく、忙しくて心まで疲れてし まうこともありますが、私は色々な職業がある中で、教職を選んだこと、その中でも小学校教 員になる道を選んだことを幸せに思っています。 昨年度の嬉しかったエピソードです。二年生で担任をしていたAさんが、最後の日にお手紙
をくれました。「先生、だいすき。先生のおかげで、じぶんのいいところをはっけんできて、う れしかったよ。」と。Aさんは、自分のできないことがたくさんあると思っていて、その事で 何度も悩んでいました。でも、私から見たAさんは、音読も絵も上手で、周りの人を笑顔にで きる素敵な人なので、自分で「じぶんのいいところ」をちゃんとわかってくれたことが、もの すごく嬉しかったです。子どもたちの素敵なところを見つけることは、子どもたちを励ますこ とになるのだと改めて感じました。 一度諦めかけた小学校教員という夢を叶えられたのは、近畿大学に小学校プログラムがあっ たおかげです。小プロを思い出す時、つらいレポートや試験よりも、「仲間」と「先生」が先 に浮んできます。通信教育は、個人で進めるものですが、近畿大学の先生方は学生を一人(独 り)にさせません。仲間と先生方がいたから、途中で挫けかけても最後まで頑張ることができ ました。通信教育をハンデのように感じたこともありますが、むしろ厳しい道で免許を取得し た経験は、確実に自分を強くしてくれたと、現場に出て実感しています。 そして、私たちは教育学部がなかったからこそ、教職ナビで必死になって現場に近づく学び を進められました。学ぼうとすればするほど、先生方はいつも学部生のように私たちを大事に 思ってくださいました。ちょうど小学校ナビができた最初の年の役員をさせていただき、小プ ロの横の繋がり、小学校ナビの縦の繋がり、両方存在する小学校メンバーは最高の仲間でした。 みんなで必死になって夢に向っていた頃が懐かしいです。私はこれからも、教職教育部の先生 方が私たち学生を大事に想い、出来ると信じてくださったように、私も子どもを大切に想い、 子どもを信じる先生でありたいです。(2016年度 文芸学部英語コミュニケーション学科卒業) ◆大谷文乃教諭 和歌山市での小学校勤務 私の夢は、ずっと小学校の先生になることでした。昔から友達や先生に会える学校という場 所が大好きでしたが、小学六年生になって、ある一人の先生と出会い、「明るくて楽しい、こ の先生のようになりたい」と思い、意志を固めました。 それから教育学部進学に向けて勉強に励みましたが、残念ながら失敗し、「もう夢を諦めなけ ればならないのかな」と悩みましたが、近畿大学でも在学中に小学校教諭の免許をとれるプロ グラムがあると知り、近畿大学への進学を決めました。 小学校プログラムには、同じ夢を持った志の高い仲間がたくさんいて、レポートや教員採用 試験で大変な時にも、励まし合いながら頑張ることができました。今はそれぞれの土地で教員
として励んでいますが、学校のことや子どものことで悩む時には、みんなの顔や一緒に頑張っ た時間を思い出して、励まされる時も多いです。小学校プログラムで、かけがえのない仲間を 得たと思います。 今、教師になって驚くことは、小学校の講師をしながら免許取得(二種免許状から一種免許 状)に臨む先生がたくさんおられるということです。毎日、教員として働きながらレポートや 試験をこなすことは簡単ではありません。そのような先生方を尊敬するとともに、一歩先に小 学校免許をとらせてもらった近畿大学の小学校プログラムにいつも感謝の思いでいっぱいで す。先生になることを夢見ていたときの瑞々しい気持ちをずっと忘れずに、子どもたちのため にいつまでも学び続ける教員になりたいと思います。(2017年度 文芸学部文学科日本文学専 攻卒業) ◆山下穂乃香教諭 堺市立東三国丘小学校勤務 私は、高校生の頃から先生になりたいと思っていました。小中学校の免許が取れる大学を探 し、近畿大学の小学校プログラムを見つけました。「先生になるぞ!」という強い思いをもって 入った小プロでしたが、周囲の友達はサークル活動やバイトや遊びなど学生生活を楽しんでい る中で、レポートを沢山したり、夏休み中も授業を受けたりするのは少し辛かったです。 現場で働き始めてからは、子どもにこんなことをしたい、あんなことをしたいという理想が 生まれてくるのですが、実際には時間が無かったり、思い通りにいかなかったりすることがほ とんどです。 でも、そんな時は、小プロの皆で頑張った日々を思い出します。皆も同じように悩むことが あったり、頑張っていたりしていることを想起すると、「自分もあきらめたら駄目だ、頑張ろ う」という気持ちになります。小プロに居た人たちは皆、先生になった訳ではありません。違 う職業に就いている人もいます。でも、きっと当時は辛かったこともあったけど、「同年代の皆 で頑張って支え合いながらいた時間」というのは、小プロが人生で最後かもしれません。通常 の教育学部で小学校の免許を取るよりも大変であることは間違いありませんが、近畿大学の小 学校プログラムを取ってよかったと、今は、心から思っています。(2016年度 理工学部理学科 卒業) 教諭として教育現場の第一線で活躍する元小プロ生達の〈生の声〉こそが、本学小プロの存 在意義を示す証である。日々、多忙な校務を抱えながら、依頼に応えてくれた事に深謝する。