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シドニー・ロンドンにおける小学校施設の地域利用と児童の安全

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(1)

椙山女学園大学

シドニー・ロンドンにおける小学校施設の地域利用

と児童の安全

著者

川野 紀江

雑誌名

生活の科学

33

ページ

47-57

発行年

2011

URL

http://id.nii.ac.jp/1454/00001960/

(2)

シドニー・ロンドンにおける

小学校施設の地域利用と児童の安全

生活環境デザイン学科川野紀江

1.はじめに

 居住地の人間関係の結びつきの薄弱化が、様々な問題を生み出す一因とされる今日にお いて、地域の交流の場のひとつとして、小学校施設を利用することが考えられている。加 えて我が国においては、児童数の減少に伴い増加している余裕教室を、地域の共有資産と して活用することを検討する必要がある(図表1参照)。しかし一方で、国内外において児 童の安全を脅かす事件が頻発しており、小学校は人の出入りに対して警戒を強めている。  こうした背景を踏まえ、本稿では、小学校施設の地域利用灘に関して、他国ではどのよ うなしくみを有しているのか、また、外部の人の出入りに対して児童の安全注2をどのよう に確保しているのかを明らかにするために、オーストラリア(以下、豪州)・NSW州シド ニー、イギリス(以下、英国)・ロンドン湘の小学校を対象として行った調査結果を報告 する。  調査結果は、以下の項目・視点によりまとめ・考察を行っている。 ①NSW州、及び、英国における小学校施設の地域利用に関するルール・方針 ②事例校の地域利用について、利用場所・時間・利用者・料金などの管理・運営実態 ③事例校について、児童の安全をどのように確保しているのかを、平面計画や装置といっ  たハード面、受付方法や出入りロ規制などのソフト面の両面から考察・評価

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学校施設以外への活編

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(3)

2.調査・事例校の概要

 ロンドン、及び、シドニーにおいて、都心部・郊外など、立地条件の異なる公立小学校 計6校を調査対象とした。調査対象の位置・概要を図表2、図表3に示している。また、 地域利用のルールや、児童の安全については、政府機関嗣へのインタビュー調査も併せて 行った。       訴 メボ      。戴臨        し一lc2 穫      鰹         シ ダへれ ぷド

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  露L◎ca淫Bduc厳至。難A職hor筆砂 図表3 事例校の概要

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    L−IC2 写真1 事例校外観

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(4)

3小学校施設の地域利用に関するルール

ONSW州におけるルール(方針)  教育労働省は学外の団体に小学校施設を貸すことを勧めているが、貸し出す団体、場所、 時間帯、費用等の判断は校長に委ねられている。そのため校長の方針によって、地域利用 がさかんな学校もあれば、利用が限定的である場合もある。施設の利用料は、各学校の収 入となる。州共通の施設利用契約書があり、借用者は利用にあたって契約書を最初に校長 に提出する。「かつては、地域住民が自由にグランドを利用していたが、現在は『管理され た地域利用』(S−NT)」である。破損した二二・設備などは基本的に借用者の負担で原状復 帰するが、教育労働省で定められている保険制度で対応する場合もある(S−IC)。 ○英国におけるルール(方針)  英国政府は「extended school」を推進・支援している2)。この事業は、学校が自治体等 と連携し、通常のカリキュラムを超えて、児童・親地域住民に様々なニーズに応じたサー ビスを提供するもので、子育て支援二、地域住民の学校施設活用促進等に繋げることが目的 である注5。施設は、主に校長が判断して貸し出す。校長は、使途・利用者によって貸し出 し費用を決め、利用料はNSW州と同様に学校の収入となる。利用の契約書は、各学校が個 別に作成している。

4事例校における地域利用の実態

 図表4に、インタビュー調査により抽出された、地域利用の実態を整理した。抽出した 用途は、小学校のスタッフ以外の主体が運営しているもので、教員が行う児童対象の授業 時間外のクラブ活動は除いている。 【利用場所】全体を通して最も利用されているのはホールであり、ダンスや教会・教育等 が主な用途である。図書室は、日本人学校(S−IC)や教会(LNH)等へ校舎内全体を貸し 出す一部として利用されている他は、S−NTの音楽教室、 LNTのコミュニティ図書館とし ての利用のみである。最も教室が利用されているのはS−NTで、語学・数学教室などが、 三二6回開講されている。屋外サッカー場を有するL−IC2、 L−NHは、外部団体によるサッ カークラブが行われている。 【小学校側の貸し出し方針・姿勢〕シドニーでは、地域利用に対する方針は校長によると ころが大きく、S−ICでは、長年の信頼関係に基づいた日本人学校へ貸し出しと早朝保育の みで、他の地域利用は行われていない。一方、S−NTでは、地域コミュニティに有益である と校長が判断し、長期利用を前提として様々な団体への貸し出しが行われている。ロンド ンでは、政府の「extended schoo1」の方針に従い、各校とも地域利用に前向きであった。 L4C1では貸し出しの理由を、「学校の収入を得ることと、学校が地域コミュニティの一部 でありたい為」と述べている。L−NTは、複合・隣接している中学校側に地域利用可能な ホール等が設けられている為、小学校施設で地域が利用しているのは、コミュニティ図書 館のみであった。 【利用時間】「旧聞は児童のために使用」(:レNH)、「児童がいる時間帯はスタッフが忙しい」 一49一

(5)

(HC1)などの理由で、児童のいない時間の貸し出しが中心である。日本においては1980 年に対する2000年の15歳未満人ロは約60%であるのに対し、豪州は約80%、英国は約90% である3)。豪英においては児童の減少による余剰空間の発生は深刻な問題とはなっておら ず、事例校についても、児童のいる時評帯に、地域へ教室やホールなどの施設を開放する 空聞的余裕はなかった。事例校のうち、児童のいる時間に地域住民が利用できるのは、:し IC2の児童は入らないエントランスホールと、L−NTのコミュニティ図書館のみだった。 L NHのホールは、計画当初は日計のコミュニティの利用も視野に入れ、教室部分と分離し た設計となっているが、昼間はコミュニティに貸し出すゆとりはなく、児童のための利用 に限定している。L−NTは、計画当初から、図書館を小・中・コミュニティ兼用と位置づ けている。児童と地域利用の動線は分けられており、地域住民は自由に出入ができるよう にならている。 【夜間・土日の管理】学校のスタッフが対応する場合(:L−IC1・L−NH:)、自治体の公務員が 対応する場合(L−IC2)、信頼している団体に鍵を貸しておく場合(S−IC・S−NT・:L−NH) がある。S−NTでは、貸し出し団体の鍵の閉め忘れにより不審者が侵入し、花壇を荒らされ たり、落書きされたこともあったが、鍵の貸し出しは継続している。 覇所 ○平臼嘲◎平棚田早暁麟平繍B中△畿曜日 こ1B鰹臼 ホール 圏儘鍵 教璽  サ @ツ @カ 黷P その骸 鶏途/利用者      管理・憾範※塗琴つぶしは鍵簿の管理に関する内容 △ △ ム [プレイグランの△ 黛本人学校 B塞人馴校に鍵を預げている⇔ S一…C ○ 皐朝像奮 義憲本的{こ‘ま教白藍棟〔ま黛さず、ホーノしσ)み。 O◎ 皐朝・放螺後保密・テ篇ンドー・マケドエアンダンX (蝋鋤の糊壷には鍵撃墜す。 賦 教会 凹凹のホール慢罵料鐙週で2,500AUドル S−NT ○⑨ 奮楽教塞(k¢yb。ard) ⑥△o アラビア詔旨整・ギりシア誘敵察・数学数塞1* 教塞1使爾料:重部鍾i20AUドル/h S体で、無聞5(緯00AUドルの学鞍暇入(20◎3 N)。 ◎△ 外部(営利霞約)四体のダンス数窒(ヨガ、サルサ ネど) 肇0◎ポン汐h レ…C1 ⑥△ 〔継中央スペース」⑬△ 灘ミユ=ニチイによる承」馬、ノ{一ティー 灘ミュ篇ティ利爾は15ポンド/h程度。 £繕プール]@△ ベビースイミング △口 △〔コ △o パーティーなど △〔コ 雛ンサート 費目は、使途に繕じて校畏が決める。 Z舎内はどこでも貸し出し可能。 L−1C2 ⑨ ダンスクラブく兜麗向・外部隅体) 外部日傭のクラブは絶ポンド/期・人。(受諮麟含 ゙) ◎ サッカー(皇都懸体) サッカー鵬3σボン轡h △目 スペイン藷教塞 〔エントランス恥層働 地域コミ識ニティによるパソコンの利用、就学葡 c蝿の傑商など

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【利用料】シドニー、ロンドンとも、貸し出し費用は学校が決め、利用料は学校の収入に なる。積極的に貸し出しを行っているS−NTでは、年間の収入が約50,000AUドルであった (2003年時点)。「コミュニティに対しては、低価格で貸し出している」という回答だった が(S−NT、 L−IC)、いずれも1室!時間2,000円前後であり、日本に比べるとかなり高額で ある注6。

5児童の安全確保の方法と評価

 不審者や地域利用による人の出入に対して、児童の活動ゾーンとどのように区分し、ま た安全を確保しているのか、インタビュー調査・実地調査を基に敷地境界線等の状況、出 入りロ、動線、施錠、受付の状況等を示し、各校の評価を行った。 ○シドニー・ロンドン及び事例周辺居住地の治安状況  シドニー、ロンドン、東京における犯罪発生状況を図表5に示した。殺人をみると、東 京はシドニー・ロンドンの約5∼6割、強盗・暴行傷害は約1/50以下、侵入窃盗は約1/10 以下と、東京とシドニー・ロンドン問には大きな差がある。シドニーとロンドンを比べる と、侵入窃盗はシドニーはロンドンの約し3倍であるが、他の項目では約20%以内の差であ り大きな違いはない。犯罪発生状況からは、シドニー・ロンドンは東京をはじめとする日 本の都心より、厳重な安全対策が必要であることが予想される。  図表6は、事例校周辺(半径約500M以内)の犯罪発生状況である1三1三7。また、インタ ビューで得られた各学校周辺の治安や居住地に関するコメントを、図表7中に記した。  シドニーの2校は、いずれも値が1か2と低く、比較的安全な地域である。特にS−NT については、インタビューにおいても「閑静で安全」と回答している。  ロンドンは、インタビューではし−IC2以外の3校は、周辺は安全であるとの回答だった。 図表6の数値の上では、:L−IC1とし−NHの暴行傷害はロンドンの平均値、レNTは強盗、暴 ※壌0万人あた弓 殺人 強盗 暴行傷害 侵入窃盗 統計年 シドニー 葉.8 743.5 2,598.4 1.70α3 2◎◎8 日ン9ン 2.2 609.5 2,428.2 t288℃ 20◎7 東京23区 1」 5.6 52.◎ 穏α5 2◎◎7 一一一       婆)∼6) 図表5 シドニー・ロンドン・東京の犯罪発生状 (*b“siaess r◎bbyとpersoηal robbyの塁均)      支献7)の犯罪密度」を、強盗は絡毎に1、暴行傷審は鐙◎毎に評した。強盗、 暴行傷審とも叢大5。 Qンドン:参考文献8)、9)よりHigh 5−Average 3−L◎w。r Ro crime 1とした。          図表6 事例校周辺の治安7)∼9) 一51一

(7)

行傷害とも平均以下である。L−IC2は、図表6数値、インタビューともに、治安がよくない ことを示している。 ○敷地境界線での侵入防止  図表7に、各事例校の配置図を模式的に示した。敷地境界の状況、建物内の主な使用区 分、出入り口、動線、受付、施錠の状況、防犯カメラ等を記載している。  6校とも、敷地周辺を柵や建物の壁面で囲っている。特にシドニーにおいては、州共通 の「フェンシング・プログラム」が導入されており、基本的にNSW州内のすべての小学 校において、共通仕様の柵が採用されることになっている。柵は足がかりがないので登り にくく、高さは2.3Mで先端が尖っており、周辺からの見通しがよい。このプログラムは、 政府、小学校ともに高評価で、「柵による地域からの孤立感はなく、許可なく小学校に入っ てはいけないメッセージになっている」(S−NT)。  柵・塀以外の敷地境界線の在り方に、「建物の外壁」で区切る方法がある。これは、治安 が比較的よく敷地の広いS−NT、レNT以外の4校で採用されている。建物と敷地境界の間 に生じる死角を排除できること、建物に直接外来者が入ることで、児童との動線分離や受 付でのコントロールがしゃすいなどの利点がある。学校改修の際、防犯強化策として、建 物壁面が歩道との境界線になるようにする例もある。これらの外壁面による境界の出入り ロには、3校で防犯カメラも設置されていた。  敷地周辺から敷地内部の様子がわからないのはし−IC1と:L−NHで、他の4校は周辺地域 住民が小学校の敷地内を見通すことができる。いずれにしても、敷地境界線で不審者の侵 入を防ぐことが第一とされていることが読み取れる。 ○建物内の児童利用ゾーンとの境界  受付カウンターが、すべての小学校で、外来用の建物入りロに用意されていた。受付前 後が施錠され、スタッフの目視確認がないと受付を突破し児童ゾーンに到達することがで きないのは、L−IC1、:L−IC2、 L−NHで、 S−ICは施錠はされていないものの、受付の先は事 務管理ゾーンなので、児童利用ゾーンに容易には到達できない。前項の敷地境界線と同様、 受付によるコントロールが重視されていることがわかる。 ○出入り口・動線の分離  全校で児童と外来者の出入り口が別に設けられ、動線が分離されていたが、S−NTは児童 と外来者の出入りロが隣i接している。児童の出入り口はグランド(HC1は公園)側にあ り、全校とも登下校の決まった時間帯だけ二二している。S−NT、 LNT以外は、外来者は歩 道から建物へ直接入るようになっている。 ○セキュリティカメラの設置  S−NT以外の事例では、セキュリティカメラが設置されていた。 S−NTは、「フェンシン グ・プログラムがうまくいっているので、セキュリティカメラは必要ないと思う。」と述べ ている。:L−IC1では、隣接する集合住宅から小学校2階(1s田oor)テラスへの侵入を警戒 して、セキュリティカメラが設置されていた。 ○運用上の対策等

(8)

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(9)

 前述のように、時間帯・人(児童と送迎の親・外来者)による出入り口の限定は全校で 行われていた。:L−IC1では、登下校時間は外来者出入りロを施錠し、常に1箇所しか開い ていないようにしていた。外来者の名札の着用も、すべての学校で義務付けられていた。 児童のいる時問帯のグランドの職員室からの見通しは、重視されていなかった。シドニー では、休み時間は児童は全員教室から出て、教師と外で一緒に遊び、常に教師が児童を見 守る。屋外グランドのあるロンドンの3校は、教室からグランドの見通しがよい。 インタビューの中で、シドニー、ロンドンとも、敷地境界線や受付の設置を厳重に行って いるので、外部からの侵入は想定していないという印象を受けた。 ○事例校の安全確保策の評価・類型と課題  図表8に前項の主な読み取り結果を、治安・立地を考慮し防犯手法に着目して類型した。 各項目の記号の意味は、等等に記している。  シドニー、ロンドンとも、周辺の犯罪が多い程、防犯対策が厳重であることが確認でき る。逆に言えば、特に:L−NTにおいては、治安がよいので防犯対策があまりなされていな い。  特に厳重なのは治安の最も悪いL−IC2で、外来者が児童利用ゾーンに到達するには3重 の鍵があり、不審者を一時留めておく「holding area」がエントランスホールに設けられ ている。また、男性スタッフが9つの防犯カメラのモニターを監視している。「周辺には あらゆる犯罪発生するが、学校の敷地に入ったら児童の安全が保障されている。」と校長は 述べていた。ひとつ不安材料は、歩道に接している3面は2.4Mの柵や建物の外壁で囲わ れているが、集合住宅側の柵のみ、1.5M程度であった。この部分は死角でもあり、不審者 侵入の可能性がある。 r区切る」 r箆守る』 敷地罰盃 建物内 部ユゾーン ニの壌界 敷地境界 建物内 ?麓ゾーン ニの境堺 箪例 立地 治安 ①欄 ②建物 ヌ面 ③セキ想 @ティ @ゐメラ ④動繰 ェ離 ⑤鍵 ⑥周闘か @らの セ瀬し ⑦愛付 周辺からの u見守り擁視 @  型 四方の閣透敷地から学校敷地内全 _が擬遇せるが、その他の防犯対策 ヘ十分でない。治安が良終な、郊外 Z竃地で羅られた。 s一鰻丁 郊外 搗賴n 馨.o @ x × × × ………鐡iii

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iiii嚢iii 艦:奄奄遠?i;iiiiiii嚢i;…   。・=・=堰c鍵iiii   , ==・::==・:.= 奄奄奄奄於ルi x @ 擦絹している。治安は平均酌な“ン hンの都心部、及び、再閣範エヴア qグレータ警・“ン鑓ン内〉で」甦られた。 L−1C1 都心部

ii………醸……… ,・F・二・:・:・; 奄奄奄奄鉛iii  :・:・ X** liiii藝i…i…iiiii藝iiii ・ x @ 完全防備型 「匿切る」f毘守る」の濁醸から防犯を sっている。爾例の中では、それぞ 黷フ国で簸も湾安のよくなひ都心廓 ナ見られた。 S一韮C 都心部 乳§ iiiii毒iii…・:・==弓・:・:・ ;:Ψ=’:・:・:’= cii絢iiii i…ii.・=・=・:・: β・F・:・=・=

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ii;ii蔭i嚢臨・:・昌・:く・:・:・=・=・ し一:C2 鱗圏iii難i;… :=i:i=i.=.: ci鱒i{ii・:・=・:・. …;ii縫iii =i:,=  、 cli海毒i:く“:’==i:ξく 二・=《 ’ 奄縁煬p:噂:==:i:i=:’: :・τくく・:・:・ c辮iiii ・==・=く・:・= ci…ii璽i……… 治安数鐘は藪6平均櫨。 ※シドニ,一とQンドンで はデータソーズが列なる 為、蟻純に國間の比較 はできない¢     ③◎全騒2幣以上の柵・外壁、○一部柵が低い、X全面穏期以下*纂合柱宅側     ②@あり、xなし     ③◎あり、xなし       聯敷地境界線以外の場所には肖り     ④◎分離、x隣接     ⑤◎受付生後に鍵、○受付→事務ゾーン、△(受付のみ)   **紹璽の鍵     ⑥◎あ9、xなし     ⑦◎必ず題遇、○鷹避可能性あり、x回避可能 図表8 治安・立地と防犯手法の類型

(10)

 周辺の治安が比較的よい郊外住宅地のS−NT、 L−NTは、周辺からの「見守り」重視型で あった。HC1や:L−NHは、「区切る」防犯重視型で、ハード面での防犯は充実しているが、 敷地外部から小学校を見通すことができない。万が一、不審者が侵入すると小学校は密室 になってしまう。治安の最も悪かったLJC2、及び、 S−ICは、「見守る」と「区切る」の両 面から安全を確保する完全防備型で、防犯上は望ましい型であるといえる。

6おわりに

 本稿では、以下の3つの内容について、考察を行った。 ①地域利用に関するルール・方針:NSW州では、地域利用を政府がすすめているが、利  用促進は各校校長の方針に委ねられている。英国では、政府の「extended school」の  方針により、地域利用が補助金と法規定の両面からバックアップされている。NSW州・  英国とも、利用の許可は基本的に校長が判断し、利用料は学校の収入となる。 ②事例校の地域利用の管理・運営実態:地域利用の時問帯は放課後や土日が中心だった。  児童のいる時間帯に地域利用が可能なのは、:L−IC2のエントランスホールと、当初から  地域利用が予定されていたし−NTのコミュニティ図書館のみであった。利用場所で最も  多いのはホールだが、教室など他室の利用もみられた。管理はスタッフが行う場合と、  長年の信頼関係から、鍵を貸し出し団体に預けておく例があった。 ③事例校の児童の安全確保状況:周辺の犯罪が多い程、安全対策が厳重であることが確  認された。また、敷地境界線と受付を中心に、安全対策がなされていた。ハード面での  防犯は充実しているが、敷地外部から小学校を見守ることができない例もあった。  以上の成果から、日本における小学校施設の地域利用の促進にむけた、事例校の手法等 の適用可能性を考察する。現在、日本では地域利用による学校側の効用は少なく、管理面 等での負担感が多いと考えられる中で、貸し出し費用を学校が設定し、学校の収入となる ことは地域利用をすすめる上で学校側のインセンティブになり得る。また、利用団体との 信頼関係が構築されている場合の鍵の貸与は職員の省力化に繋がるが、鍵の閉め忘れ等の 対策が必要である。敷地境界や受付による侵入防止策は、豪英に比べて治安がよい我が国 において、周辺住環境に応じどの程度まで強化すべきかは今後の検討課題だが、建物外壁 面を境界にすることによる死角の排除・外来者動線の限定は、フェンス位置の変更等によ り実現でき、有効である(道路面窓の防犯必要)。児童のいる時間帯の地域利用については、 児童利用ゾーンを通過しない外来心入り口付近に開放空間を設定し、児童ゾーンとの境界 に鍵を設置する、もしくは管理・事務ゾーンを通過しなければ児童ゾーンに到達できない ようにするなどの対策が考えられる。こうした児童への安全対策は、地域利用にとっても、 「受付がわかりやすく利用しやすい」等の利点となることが望ましいといえる。 付記 ・本研究は、平成19∼21年度文部省科学研究費・基盤研究(B)「安全に着目した英・豪の 小学校空間の計画手法」(研究代表者:村上心 研究分担者:川野紀江 他1名)により行 一55一

(11)

われている。 ・本稿は、次の論文に加筆・修正を行ったものである。「周辺住宅地の住環境に着目した小 学校施設の地域利用に関する研究一シドニー・ロンドン事例校の利用実態と安全性の評価 一」都市住宅学会 都市住宅学67号2009.11.pp.32−37 川野紀江・村上心 注 注1)シドニー、ロンドンでは地域への小学校施設の開放を「community use」と表現しており、本稿で   は「community賎se」を翻訳し、「地域利用」とした。 注2)本稿では、不審者の侵入による「犯罪」に対する「安全」を対象とする。 注3)本稿では、豪州シドニー及び近郊を「シドニー」、英国ロンドン及び近郊を「ロンドン」と表記し   ている。 注4)インタビュー先は次の通りである。   シドニー:Departme就of Commerce−Governme批Architecゼs O韻ce, Departme凱of Education and        Tピaining−Safety and Security Directorate   ロンドン:Department for Children, Schods and Families−Schools Capital Division, Gollifer        Langston Architects(小学校施設設計事務所) 注5)2007年からの3年間の事業に対する補助金は従来の同種のものとあわせて14億ポンドにのぼる。   2002年の教育法では、「extended school」を促進する規定が設けられ、法的側面からも事業を後押   ししている。 注6)例えば「名古屋市学校施設開放に関する規則 昭和51年5月8日 教育委員会規則第24号」では、   集会室の利用料は3時間900円である。 注7)シドニーとロンドンの治安状況数値は、データソースが異なるため単純に都市間の比較はできない   が、各都市の中で、事例校周辺の治安がどのような状況にあるかを把握することができる。 注8)2009.6.25現在、1AIUドル蓼76円、!ポンド≒157円 参考文献 1)文部科学省HP参考, http l〃wwwmext.gojp/a_r良enu/shotou/zyoseVyoyuu誼m,2010.1U.現在 2)文部科学省, 「諸外国の教育動向2007年度版」,明石書店 3)総務省統計研修所,「世界の統計2009」,総務省統計局 4)Bureau of Crlme Statistics and Research, New South Wales, NSW Recorded Crime Statistics 2004   −2008 5)Metoropolitan Police Service, Crime Mpping Data tables(2006−2007),   http:〃maps.met{)oHce.uk/tables.htrn 6)東京都の統計, http:〃wwwtoukei.metro.tokyo4p/,刑法犯の罪種別認知状況 7)Bureau of Crime Statistics and Research New South Wales, lLocal Governrnent Area−Crime Maps   2007「 8)Metropolit鋤Police Service,‘Crime mappiRgl, http:〃maps,me毛.police.u嵐2009.6.25.現在

(12)

2009.6.25.現在 http:〃essex.crimer匪apPeLco.u 一57一 Local crirne mappi澄9 Essex Police, 9)

参照

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