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JAIST Repository: 規制と研究開発コミュニティーの共進化 : 鉛フリーはんだに関するイノベーション・ネットワークの国際比較分析((ホットイシュー) 国際的技術標準戦略と研究開発 (1), 第20回年次学術大会講演要旨集II)

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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 規制と研究開発コミュニティーの共進化 : 鉛フリーは んだに関するイノベーション・ネットワークの国際比 較分析((ホットイシュー) 国際的技術標準戦略と研究 開発 (1), 第20回年次学術大会講演要旨集II) Author(s) 鎗目, 雅 Citation 年次学術大会講演要旨集, 20: 762-765 Issue Date 2005-10-22

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/6231

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

(2)

Ⅰ ノ フ 釜八 口 Ⅲ KO 2 規制と研究開発コミュニティ 一の共進化 : 一 はんだに関するイノベーション・ネットワークの 国際比較分析 0 鉛白 雄 ( 文科 省 ・科学技術政策研 ) ]. はじめに イノベーションに 関する議論が、 科学から技術への 一方向のリニア・モデル

(B

Ⅸ h,1945)

から、 部門・フェイズ 間での相互作用を 重視した連鎖モデル (mine ㎝ dRose 比

erg,1986)

、 そ

して制度・政策を 含めたナショナル・イノベーション・システム (L 皿 dv 皿 , 1992;Nelson,1993) に広がり、 イノベーションを 創出するに当たって、 政策・制度と 研究開発コミュニティー の 相互作用を通じた 共進化が重要であ ることが認識されるよ う になってきている。 本研究 では、 電機電子産業における 鉛 フリーはんだに 関するイノベーションを 例に取り、 国際的 な 視点から環境規制と 研究開発コミュニティ 一の共進化を 検証する。 欧米で検討・ 導入さ れた環境規制に 対応して、 特に日本において 鉛 含有はんだの 代替技術としての 鉛 フリーは んだの研究開発及び 製品化が積極的に 進められた。 日本での技術開発の 進行が、 EU での 鉛 フリー化の規制に 対する有害物質規制 (RoHS) のスケジュール・ 細目の決定へ 影響を 与えることになった。 そして、 ヨーロッパにおける 規制の決定が、 さらに日本、 ヨーロッ パ、 アメリカにおけるイノベーション 活動を活発化させることにつながっている。 日本・ アメリカ・ヨーロッパにおける 相違がどのようにして 生まれたのか、 規制と研究開発コミ ュニティ一の 共進化の観点から、 研究開発プロジェクトのメンバーシップ 、 鉛 フリーは ん だに関する科学論文・ 特許のデータベースを 構築し 、 ネ、 ッ トワーク分析を 通じた国際比較 を行 う 。 2, 研究の背景 経済現象に対する 進化論的アプローチとしては、 NelSon ㎝ d Ⅵ、

mer(1982)

などの研究があ るが、 当初の個々の 企業・技術の 適応・変化から、 環境との相互作用を 通じた共進化へと 議論の対象が 広がりつつあ る。 科学技術と制度の 共進化に関しては、 ぴ

elson,1994;Zim

㎝,

2000)

などが、 国によって産業の 出現・発展に 対する制度的な 反応のぺ ー ス と パターンは 異 なっていると 論じている。 そうした議論を 実証する研究として、 欧米における 化学産業の 発展を比較した

(M

n,2003) による歴史的な 研究があ る。 それによると、 ドイツの化学 産業が長期的に 競争力を確保できた 要因として、 大学を中心としたネットワークを 通じた 科学情報の伝達と 人材の交流が 重要であ り、 またこのネットワークにおける 大学研究者の 社会的信用・ 評判が特許制度の 確立と実施に 貢献したと考えられている。 この研究は、 詳 細な歴史的資料を 活用して、 技術・企業・ 制度の共進化の 過程を記述しネットワークの 重 要 性を指摘している。 組織間ネ 、 ッ トワークと技術の 共進化を検証した 研究として、 フライト・ ソぇ コレーショ

(3)

ン 産業に関する (Rose 皿 opf ㎝ dT Ⅸ㎞ 1 ㎝, 1998) があ る。 フライト・シミュレーションのよう な複雑な技術によって 特徴づけられる 産業は、 技術進化のプロセスを 決定する技術委員 会 ・標準委員会のような「協力的技術組織」

(CTO)

に強く依存する。

CTO

においては個 人がそれぞれ 所属している 組織を代表するため、 メンバーシップが 重なることにより、 コ ミュニティー・レベルでのネットワークが 形成される。 著者らは、 cTo ネットワークの 形 成・成長・ 再 形成に関していくつかの 仮説を提案し、 フライト・シミュレーション 産業に おいて、 こうしたネットワークがいかにして 技術的な帰結に 影響を与え、 また逆に拘束さ れたかについて 検証している。 技術的な不確実性によって、 技術の発展プロセスが 不安定 期 ( 高 不確実性 ) と漸進 期 ( 低 不確実性 ) に分けられ ( ℡ shml ㎝㎝ d 血 lderson,1986) 、 それぞ れ根本的に異なったモードのネットワーク 進化が生み出される。 具体的には、 不安定期に は 、 CTO コミュニティーへの 新しいメンバ 一の加入によって、 競合する技術を 選択する組 織間ネットワークが 再編成され、 いわゆる社会的構成論 (BlJke,,Hughes, ㎝ dPinch,1987; M ㏄ Ke 此 ie ㎝ dW 卸 cmm,1999) のよ , う なメカニズムが 働く。 しかしながら、 ドミナント・デ

ザイン 田甘 erback ㎝ dAberna ぬ y,1975) が選択されると、 その後の CTO メンバーシップが 比較

的 固定されるため、 ネットワーク 構造の進化が 拘束されてしまうという、 技術的決定論 (Sm 地 , 1994) のような状況になる。 こうした制度一技術の 共進化ダイナミックスに 関する 戦 略 的な含意としては、 特に不安定期は 新たな機会を 提供するため、 企業はコミュニティー・ レベルのネットワーク と 選択プロセスに 対し自らの有利になるよ う 関与する必要があ るこ とが考えられる。 分析対象がフライト・シミュレーション 産業に限られているものの、 非 常に興味深い 知見であ る。 3. 分析方法 本研究においては、 日本、 アメリカ、 ヨーロッパにおける 電機電子産業を 対象として、 どのような環境規制が 導入され、 それが研究開発にどのような 影響を与えているのかを、 規制と研究開発コミュニティ 一の共進化の 観点から検討する。 書籍、 雑誌、 報告書などの 文献を収集・ 分析し、 予備的な調査を 行 う 。 研究開発コミュニティー・ネットワークに つ いては、 研究コンソーシアム・ 技術委員会などのレポート・ 報告書などを 活用し、 メンバ ーシップのネットワークを 作成する。 研究開発活動を 調査するために、 鉛 フリーはんだに 関連する科学論文、 及び特許庁のデータベースを 活用して 鉛 フリーはんだに 関する特許を 収集し、 その共著・共願関係のネットワーク 関係を形成する。 また、 鉛 フリーはんだの 開 発 ・採用に関して、 電機電子企業、 は んだ メーカー、 関連する産業団体、 大学研究者など への インタビューを 行い、 定量的なデータを 補完する情報も 入手する。 4. 分析結果 は んだに使用される 鉛に関する規制としては、 1990 年代初めにアメリカ 議会において 規 制の導入が検討された。 結局それは産業などからの 反対により成立しなかったが、 こ うし た 海外における

環境規制に対応して、

日本国内ではまだ 規制が導入されていないにもかか

(4)

わらず、 日本企業による 鉛 フリーはんだの 開発への取り 組みが始まった。 鉛 フリーはんだ の実用化には、 実装、 はんだ、 装置、 部品、 デバイス、 プリント基板などの 関連業界の協 調 ・摺 り合わせが必要であ ったが、 産業団体・大学・ 政府機関がネットワークを 形成し、 研究プロジェクトの 遂行、 開発・実用化ロードマップの 作成、 技術規格の標準化が 積極的 に 推し進められた。 そうしたことにより、 情報・知識の 蓄積が進み、 環境政策・技術開発 に付随する不確実性の 減少を通じて、 鉛 フリー化に関する 研究開発ネットワークの 参加者 間での期待と 行動のコーディネーションが 促進された。 こうした政策・ 制度と研究開発ネ ットワークの 相互作用が、 イノベーションを 促進する方向には 共進化していったことが 考 えられる。 日本での 鉛 フリーはんだの 開発に対応して、 ヨーロッパ連合

(EU)

における 鉛 フリー化に関わる 規制、 特に有害物質規制

(RoHS)

のスケジュール・ 細目の決定へ 影響を 与えることになった。 そして、 ヨーロッパにおける 規制の決定が、 さらに日本、 ヨーロッ パ、 アメリカにおけるイノベーション 活動を活発化させ、 また一方、 中国など他国・ 地域 における同様の 規制の導入が 広がりつつあ る。 このように地域によって 規制・制度と 研究 開発ネットワークの 共進化の速度・ 方向性に多様性があ り、 またそれぞれの 間の相互作用 によって長期的に 収 飯 していく可能性も 存在する。 5. おわりに 日米欧において 環境規制とイノベーションが 共進化していく 過程を、 ネットワークを 見 ることによって 分析を行った。 これまでナショナル・イノベーション・システムに 関して は、 具体的な方法論が 確立しておらず、 実証研究を行 う ことが容易ではなかったが、 ネッ トワーク分析を 活用することによって、 新たな方法論を 提供することができる 可能性が考 えられる。 同一の分析手法を 他地域における 実際のデータに 応用し、 社会的・文化的に 異 なる条件で規制・ 制度と研究開発ネットワークの 共進化のメカニズムがど う 異なるのか、 モデルの形成とその 検証へ展開することができ、 また各国・地域の 間での比較研究を 通じ て 、 それぞれに固有の 優位点・問題点が 明らかになり、 それに対する 政策的・制度的介入 への示唆を与えると 期待される。 加えて、 規制・制度の 影響が国内にとどまらず、 国際的 に 企業行動にも 影響を与える 可能性、 また研究開発ネットワークの 国際的な相互作用を 検 討することが 考えられる。 さらには、 産学官の協力体制に よ る研究開発と 技術普及、 知的 財産の保護・ 管理、 技術の標準化・ 認証などを具体的にど う すればよいのか、 国際的な分 析を通して、 規制・制度に 関わる条件の 整備を進めていくことが 期待される。 引用文 祇

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参照

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