• 検索結果がありません。

食生活に関するチェックシートを用いた食習慣の特性についての意識と自己評価に関する検証 ― 看護大学生を対象とした初期評価―

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "食生活に関するチェックシートを用いた食習慣の特性についての意識と自己評価に関する検証 ― 看護大学生を対象とした初期評価―"

Copied!
12
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

食生活に関するチェックシートを用いた

食習慣の特性についての意識と自己評価に関する検証

看護大学生を対象とした初期評価

要 旨 研究者が作成した食生活チェックシートを用いて自己の食生活を見直す方法の有用性を検討することを目 的に, 看護大学生 42名の食事記録から, 食生活の特徴を捉え, 学生の認識について自己評価の適切性及び食 生活改善に向けた意識変化の観点から 析した. その結果 (1) 全体的に第 1群と第 3群と第 4群がやや不足 し, 第 2群が過剰となる傾向があり, 11の群別バランスパターンがみられた. (2) 学生はチェックシートの活 用で『食生活への関心』が高まり,群バランスの乱れなど『食生活の特徴の評価』を行い,具体的な生活状況 を見直して『食生活の乱れに関する 析』を行い, 乱れの原因を探っていた. また, 今回の取り組みが【食生 活改善の動機づけ】となり【改善の具体策】を導き出していた.(3)食生活の特徴を捉えてほぼ適切に自己評 価できていた学生及びシートの いやすさの記述がある者は約 8割であった. 生活調整する能力を育むため の動機づけとなったといえる.(Kitakanto Med J 2012;62:199∼210) キーワード:四群点数法, 看護大学生, 食生活 .は じ め に わが国では 2000年に厚生省 (現厚生労働省) により 「21世紀における 康作り運動」( 康日本 21) を開始 し, 生活習慣病の予防を目指して取り組んでいる. しか し, メタボリックシンドロームの該当者は, 年々増加し, 2008年より特定 診・特定保 指導が施行されるように なった. その後, 康日本 21では, 病の早期発見, 早期予 防というニ次予防ではなく, 疾病の発生を防ぐ一次予防 に重点政策を置き,食生活・栄養,身体活動・運動,休息・ 心の 康づくり, たばこ, アルコール, 歯の 康, 糖尿病, 循環器病, がんの 9 野において, 2010年をめどとする 目標を設定し, 専門家による支援と定期管理, 情報管理 と普及啓発の推進の他に, 生活改善のための自己管理能 力の向上が必要とされている. 食生活に関しては, 栄養 の過剰摂取やバランスの問題, ライフスタイルの変化に よる疾患の増加など多くの課題があり, 国は 2005年に 「食育基本法」を制定し, 食に関する適切な判断力を養 い, 生涯にわたって 全な食生活を実現することにより, 国民の心身の 康の増進と豊かな人間性に資すること (第 2条) をねらいとして取り組んでいる. しかし 康日 本 21の最終評価 (2011年 10月) では, 2000年当時と比 べて, 野菜の摂取量の増加がみられないなど, いまだ食 生活に関する課題が残っている. このような状況の中で, 看護学教育の役割も大きいと える. 看護者は, 対象者の生活を整えていく能力が必 要であり, 看護学生は, 康観を育み, 生活調整能力を修 得していくことが必要となる. 他者の生活調整を行う学 習段階として, 自己の生活を振り返り 康的なものに変 えていくことは重要であるとされている. しかし, 学生 は知識と生活体験が結びつきにくい傾向があり, 食生活 に関しては, 朝食欠食率の増加, 加工食品や特定食品へ の過度の依存, 外食及びファーストフード等への依存な どの今日の社会的な環境下で, より偏った食生活に陥り やすく, また, 過度なダイエット志向など誤った目標に 進んでしまう危険性 も多い. 本研究者は, かつては千葉大学看護学部の基礎看護学 教育研究 野の一員として, 食生活と 康状態の改善を 1 新潟県上越市新南町240 新潟県立看護大学 平成24年2月28日 受付 論文別刷請求先 〒943-0147 新潟県上越市新南町340 新潟県立看護大学 水口陽子

(2)

図る取り組みを行い,教育に参加してきた.嘉手苅ら は, 食を中心とした生活調整の能力を高めるために, 学生に 市販のダイアリーを用いて食事内容を記録させ自己評価 する試みをしたところ, 食に対する関心が高まったとし ている. 一方, 記録を継続できる学生は限られていた. その後, 学生の食生活に関する研究は, 実態調査 が主 流であり, 学生の気づきや生活調整の能力を育成するた めの教育方法に言及したものは蓄積があまりみられな かった. 今回は, 簡単に記録でき, 活用しやすさを目指して作 成した食生活チェックシートを用いて, 実際に学生に食 事内容を記録してもらい, 食生活改善につながる意識と 自己評価の適切性の観点から, チェックシートに記入し 自己の食生活を見直す方法の有用性について明らかにす ることを目的とした. .用 語 の 定 義 四群点数法とは, 栄養的な特徴から食品を四群に 類 し, 80Kcalを 1点と換算してエネルギーと栄養バランス を同時にチェックしようとする栄養方法を測定する方 法 とする. .研究対象・方法 1.研究対象者 「食」に関する講義・演習を履修した N 看護大学の 1 年次学生のうち研究参加に同意した女子学生 42名を対 象とする. 2.研究方法 1)食生活チェックシートの作成 (表 1) ①先行研究を検討し, Excelをベースとして記入で きるようにシートの全体構成を決める. ②食品 80キロカロリーガイドブック に基づく四 群点数法を基に, 食事記録項目を決定する. ③食事記録欄に記入の目安として食品 量表 (食品 の 1点当たりの 量表) をシートに組み入れる. ④自己の気づき及びシートを活用した感想に関する 記録欄 (自由記載) を作成する. ⑤群別バランス図を作成する. 第 1群 (乳・乳製品/ 卵)と第 2群 (魚介・肉類/豆・豆製品)及び第 3群 (野菜/芋類/果物) では各 3点, 第 4群 (穀 /砂 糖/油脂/その他) 11点を基準量 とし, 基準量の時 に各群のバランスがひし形 (正方形) のグラフに なるように作成した. 2)食生活チェックシートの活用 ① 2011年 1月に「食」に関する講義・演習 (看護技 術論及び基礎看護技術演習)を履修した N 看護大 学の学生 (1年次) を対象に, 倫理的配慮に記した 事項に留意しながら, 協力者を募る. ② 2011年年 2月に研究参加に同意した学生 42名 に, 食生活チェックシートを提供し, 3日間の食事 内容と気づき等を記録してもらう. ③先行研究 を参 にして食生活の特徴を研究者が 評価する. ・学生が記入した点数から, 各食品群と合計の摂 取量が適量かをみる. 適量の目安は, 第 1群∼ 第 4群 (以下 1群∼4群と記す) の基準量と合 計 20点を基本として, 年齢, 性別, 身体活動レ ベルから目標摂取量を算出する. 観察・記録の 誤 差 や 必 要 量 の 幅 を 慮 し, 1群∼ 3群 2.5 ∼4.0点, 4群と合計では基準量±1点を適量の 範囲 とした. ・群別バランス図から, 先行研究 を参 にして食 品群バランスパターンを捉える. ・3食のバランス (朝・昼・夕のバランスと欠食の 有無, 間食の量・内容) の状況を検討する. ・1985年の厚生省 (現厚生労働省) が作成した 「 康づくりのための食生活指針」による「一 日 30食品を目標に」を基に, 先行研究 を参 に,食品数が 15以上の者を食品数の「良」,15未 満の者を「不良」として研究者が評価した. ④学生の食生活に関する認識について, 内容 析の 手法で, 類似性に基づきサブカテゴリーを抽出し た. また, サブカテゴリーを意味内容の類似性に 従って カ テ ゴ リーに 類 し た. さ ら に, カ テ ゴ リーの内容を, 類似性に基づき, コアカテゴリー に 類した. カテゴリーの信頼性は, 研究者以外 の内容 析に精通した看護学研究者 2名にも 析 依頼し,Scottの式に基づき 類の一致率を算出し (70%以上を基準) 検討した. 同様の手法で, 学生 が記入したシート活用の感想について 類した. ⑤各学生の食生活に関する気づきと食生活の特徴を つき合わせ, 学生が適切に自己評価できているか という観点から検討した. ⑥チェックシートに記入し自己の食生活を見直す方 法の有用性と課題について, 学生の自己評価の適 切性と食生活を見直し改善につなげる意識がある か, シートの活用しやすさという観点から 察し た. .倫理的配慮について 1) 本研究は, 所属する大学の倫理委員会の承認を得て 実施した. (承認番号 10-002) 2) 対象者に口頭及び文書を用いて, 研究の目的, 方法,

(3)

表1 【食生活チェックシート(記入例一部抜粋)】 記入上の注意> *チェックシートに記入した後に自由に書いてください. ・食生活の気づき ・シート記入の感想 1日目の点数 朝食 昼食 夕食 ・基本は計 20点 : 1群が 3点, 2群が 3点, 3群が 3点, 4群が 11点です. →この基本に年代, 労作の強度で増減する(点数構成シート参照) ・食品名を探し, 食品点数 量表(1点の 量)が組み込まれていますので, それを参 に食 べた の点数を, 朝食・昼食・夕食別に右側の欄に記入して下さい. ・食品点数 量表は食品の一例です.この表にない場合は 80キロカロリーガイドブックで調 べて記入してください. 記入の際は表の行を追加できます. ・調理したおかずは, 材料を えて記入してください. *例えば, カレー=肉+じゃがいも+にんじん+玉ねぎ+カレールーのように 21.8 4.3 8.1 9.4 1群 2.0 1.0 1.0 0.0 2群 4.3 0.3 1.0 3.0 3群 2.5 1.0 1.1 0.4 4群 13.0 2.0 5.0 6.0 納豆 40g 小 1パック 絹ご 1群 乳・乳製品/卵 1点の重量 1点の大きさ 乳・乳製品 牛乳 120g コップ 6 目 ヨーグルト 130g コップ 7 目 1.0 ヨーグルト (ドリンクタイプ) 120g コップ 4 目 プロセスチーズ 24g 3×4cm 1切 コーヒー用ミルク 35g ミニカップ 7個 卵 卵 55g 1個 1.0 卵豆腐 100g 一山弱 その他 1群計 1.0 1.0 0.0 2群 魚介・肉類/豆・豆製品 魚介類 サバ 40g 小 1切 サンマ 26g 中 1/3匹 アジ 65g 小 1匹 1.0 サケ 50g 小 1匹 ハマチ 30g 小 1切 ホタテ貝・貝柱 80g 小 4個 マグロ赤身 65g 刺身 2−3切 マダコ 80g 足(大)1/2 ズワイガニ(ゆで) 120g 足 9 本 魚介類・加工品 スルメ 24g 身 1/2枚 しらす干し 40g 一握り イカ塩辛 70g 小どんぶり 1杯 魚介類・水産練り製品 さつま揚げ 60g 小 1個 焼き竹輪 65g 1本 はんぺん 85g 2/3枚 魚介類・魚卵加工品 スジコ 28g 一山 タラコ 55g 小 1切 ウニ 65g 一握り 肉類/牛肉 牛肩ロース 35g 3×4cm 牛ヒレ 60g 4×5cm 牛ひき肉 35g 2×3cm 0.3 肉類/豚肉 豚バラ 21g 2×3cm 3.0 豚肩ロース 30g 3×4cm ロース 30g 3×3cm 豆・豆製品 ンス図 群計 0.3 1 し豆腐 140g 1/3丁 油揚げ 21g 小 1枚 その他 2 群・4群略) .0 3.0 (以下 3 別バラ 群 類 種 食 名品 食品点数 量表

(4)

研究への参加は自由意志とし, 研究参加の有無は成績 とは無関係であり, 評定等の不利益が生じないことな どを説明した. また, 研究で得られたデータは研究目 的以外には 用しないこと, 匿名性を保持し秘密を守 るなど個人のプライバシーの保護に関すること, 調査 に同意した後も自由に取りやめることができ, その際, なんら不利益が生じることはないことなどを説明し た. 実施期間中に体調不良を訴える学生がいないか研 究者が注意をはらい実施した. 研究結果をまとめるに あたり, 食事量などのデータは対象者番号で整理し個 人が特定できないよう配慮した. .結 果 1.対象者の特徴 対象となった N 看護大学の 1年次学生は, 全員女性 で, 年齢は 18歳∼20歳であった. 生活の場としては, ア パート 33名 (78.6%), 自宅 9 名 (21.4%) であった. 2.食生活の特徴 食生活チェックシートの記入結果に基づいて 析し, 表 1に記入例を一部抜粋して示した. 食事の点数は, 1群 から 4群の合計の平 点数が 19.5点であった. 最小 14.9 点, 最大 27.1点であった. 基準点数の± 1点以内である, 点数の「良好」の学生は 23名,「不良」は 19 名であった. 各群の平 点数は,1群が 2.4点,2群が 4.0点,3群が 2.4 点, 4群が 10.6点であった. また, 各群の点数の範囲は 1 群が 0.3∼4.8点, 2群が 0.1∼10.0点, 3群が 0.1∼7.7点, 4群が 3.0∼16.4点であった. 食品群別のバランスパターン (表 2) は, 単独の群のア ンバランス, 複合した群のアンバランス, 全体の過剰ま たは不足のパターンに大別された. 単独の群のアンバランスでは, 1群のみ不足のパター ンが 4名,2群の過剰が 5名,2群の不足が 2名,3群のみ 不足が 3名であった. 複合した群のアンバランスでは, 1 群 及 び 3群 の 不 足 の パ ターン が 3名, 2群 が 過 剰 で 1 群・3群の両方またはいずれかが少ないパターン 5名, 2 群が過剰で,1群・4群の両方またはいずれかが少ないパ ターン 4名, 3群が不足で 4群が過 剰 ま た は 不 足 の パ ターン 6名, 群のばらつきがあるパターンが 3名であっ た. 全体の過剰または不足は, 全体が不足のパターンが 3 名, 全体が過剰のパターンが 4名であった. これらは, 計 11パターンとなった (表 2). 朝食, 昼食, 夕食のバランスは, 平 点数が朝食 5.3, 昼 食 6.1, 夕食 8.1であった. 各食が 5点未満または 10点以 上の者を,朝食・昼食・夕食のバランスの「不良」それ以 外の者を「良」とし,「良」は 26名,「不良」は 16名で 表2 食生活の特徴と学生の自己評価 食生活の特徴 自己評価 食品群バラン スパターン バランスパターンの特徴 パターン別合計 合計点数 3食バランス 食品数 適切に評価できている ほぼ適切に評価できている 評価である概括的な 評価の適切性に欠く 良 3 良 2 良 3 1群のみ少ない 4 不良 1 不良 2 不良 1 良 3 良 3 良 5 2群が多い 5 不良 2 不良 2 不良 0 単独の群の アンバランス 良 1 良 2 良 2 6 4 2 0 2群が少ない 2 不良 1 不良 0 不良 0 良 2 良 2 良 2 3群のみ少ない 3 不良 1 不良 1 不良 1 良 1 良 1 良 1 1群及び 3群が少ない 3 不良 3 (欠食 1)不良 2 不良 2 良 2 良 3 良 3 2群が多い, かつ 1群・3 群の両方またはいずれか がが少ない 5 不良 3 (欠食 1)不良 2 不良 2 良 3 良 2 良 2 複合した群の アンバランス 2群が多い, かつ 1群・4 群の両方またはいずれか が少ない 4 14 4 2 3 不良 1 (欠食 1)不良 2 不良 2 良 3 良 3 良 4 3群が少 な い, か つ 4群 が多いまたは少ない 6 不良 3 不良 3 不良 2 良 3 良 2 良 1 群のバラつきがある 3 不良 0 不良 1 不良 1 良 1 良 2 良 3 全体に少ない 3 不良 2 不良 1 不良 0 全体の過剰 または不足 良 1 良 4 良 3 3 2 2 0 全体に多い 4 不良 3 不良 0 不良 1

(5)

あった. 「不良」な者のうち, 朝食については, 欠食が 3 名, 4点未満は 11名いた. 食品数の平 は 16.5,最低 6,最高 29 であった.食品数 の評価は,食品数 15以上の「良」が 30名,15未満の「不 良」は 12名であった. 各学生の食品群別のバランスパターン, 3食バランス, 食品数の状況を検討した結果, 食品群別のバランスパ ターンの崩れ, 3食バランスの不良, 食品数の不良の 3つ とも重なっている者は 7名であった. 3.食生活に関する意識 食生活チェックシートを利用した後の学生の気づきに ついて 析した結果,Scottの式に基づき算出したカテゴ リ 類の一致率は, 79.0%であった. 以下コアカテゴリー を『 』,カテゴリーを【 】,サブカテゴリーを > データの引用を「 」で示す. 『食生活への関心』『食生活の特徴の評価』『食生活の 乱れに関する 析』,『食生活改善の意欲・課題』のコア カテゴリーが抽出された (表 3-1∼3). 『食生活への関心』は【自己の食生活を知る】のカテ 表3―1 食生活チェックシート活用後の食生活への意識 コア カテゴリー サブカテゴリー 記入数 記入人数 主な記述例 食生活を見直す実感 6 6 しっかり摂ってるかなと思っていても意外と取れていないものが多く, 驚いた. 私は自 の食生活が決して 康にいいものではないと自覚していたが, カロリー 計算をしてみて改めてそれを実感した. 自己の食生活 を知る 食生活への関 心 予想とのズレ 4 4 実際記録につけて単位を計算し, 文字に表してみると予想とは全く違った結果が 出た. いつも自 は食べ過ぎていると思っていたけど, 点数をみて意外とそうじゃない ことに気付きました. 食への理解の 深まり カロリーを正確に知る 3 3 自 が えていたよりも, 80キロカロリーを 1点とすると思ったよりも食品の量 が少ないと思った. 今回さまざまな食材の 1点 のカロリーがわかり, 肉やお菓子と野菜とのカロ リーの違いに驚いた. 食事は積み重ね 3 3 食事は本当に毎日の積み重ねなのだということを実感した. 食のバランス の乱れ 食品群のバランスの乱 れ 48 41 今回自 の食生活を 2日間記録してみて,3・3・3・11のバランスが崩れているこ とがよく かった. 特に私は 1群が極端に不足していて 2群も少ない傾向にある. また, 栄養のバランスがあまり良くなく, 2群と 4群の割合が非常に高くなってい ることがわかった. また, 4群の食品を多めに摂っていることがわかる. 1群が特に少なく, 普段の食生活でも卵以外から摂取する機会が無いことに気付 いた. 朝・昼・夕のバランス の乱れ 9 9 食生活を 3日間 ってみるだけでも,一目瞭然であるのは,先ず「夕食」に食物摂 取量が偏っていることである. 明らかに朝食と昼食では 少傾向であり,それどころか,昼食と朝食が時間帯的に 殆ど合体しており, 食物摂取が極めて曖昧となっているという自 自身の食生活 習慣が浮き彫りとなったといえる. 1日の合計点数の過不 足・ばらつき 24 22 まず, 3日間のいずれの日も目安となる合計 20点を超えてしまった. 2日目・3日目とも合計点が 20∼30点に届かなかった (身体活動レベル∼Ⅱ程度 として). 食生活の特徴 の評価 食の偏り 食品内容と数 28 26 今回のシートを ってみて, 自 の作る料理は毎回同じような食品を っている ことに気がついた. この表や, ガイドブックを見て, 多くの種類の食品があるにも関わらず, ほとんど 決まり切った (偏った) 食生活をしていると感じた. 私は甘いものが大好きなのでご飯のかわりにケーキやクッキーなどの菓子類を食 べてしまうことが多いが,それは栄養バランス的には偏っていて,脂質や糖質を取 りすぎていると かった. 3日間を通して野菜をバランスよく摂ってるつもりだったが, 栄養値としては基 準値よりも少ないことに驚いた. 魚介類や大豆類, くだものを全然摂取していなかった. 食生活の乱れ 30 29 この 3日間のようにあまりよくない食生活が私の日常では毎日繰り返されてい る. 実家に帰省中の食は乱れがなかったが, アパートに戻ってきてからは食が少し乱 れてしまった. 一人暮らしを始めて,食事も自 で用意するようになったが,ここまでバランスが 悪い食事だとは思わなかった. ひとり暮らしをしていて自 ではしっかりとした食生活を送っていると思った が, 自 に足りない部 が多くあった上, 詳しく知ることができた. 適切な群の摂取 5 5 3日目の夕食は豆腐で, 2群がとれてよかった. 2群をみると,2日目は約 3点,3日目は約 4点となっており,およそ適正値通り摂 取している. 良い評価 適切な食品の摂取 6 6 魚介系, 果物もとることができた. 2日目の夕食は, シチューは具だくさんで野菜類を多くとることができたのは良 かったと思う. 標準の点数 4 4 三食合わせて, 1群から 4群までで約 20点になっていることには驚いています. 2日間とも大幅に身体活動レベルⅡに完全に うわけではないが, 大幅に足りな かったり, 超過したりしてはいなかった.

(6)

ゴリーがあり,「いつもは食べ過ぎていると思ったけど意 外とそうじゃない」という 予想とのズレ>「意外と取れ ていなものがあり驚いた」という 食生活を見直す実感> などのサブカテゴリーがあった.また,【食への理解の深 まり】については カロリーを正確に知る> 食事は積み 重ね> の内容があった. 『食生活の特徴の評価』の内容は【食のバランスの乱 れ】について「1群が極端に不足していて 2群も少ない」 「1群が特に少なく, 普段の食生活でも卵以外から摂取 する機会が無いことに気付いた」「4群の食品を多めに 摂っていることがわかる」などの 食品群のバランスの 乱れ> の記述があった.また,「一目瞭然であるのは先ず 夕食に食物摂取量が偏っていることである」などの 朝・ 昼・夕のバランスの乱れ> などがあった.「今回のシート を ってみて, 自 の作る料理は毎回同じような食品を っていることに気がついた」「私は甘いものが大好きな のでご飯のかわりにケーキやクッキーなどの菓子類を食 べてしまうことが多いが, それは栄養バランス的には 偏っていて, 脂質や糖質を取りすぎていると かった」 などの 食品内容と数>に関する記述があった.また,「3 日間いずれも目安となる 20点を超えてしまった」という 1日の合計点数の過不足・ばらつき>などの【食の偏り】 に関する記述があった.【良い評価】は「シチューは具だ くさんで野菜類を多く摂ることができた」などの 適切 な食品の摂取> 適切な群の摂取> などに関する記述が あった. 『食生活の乱れに関する 析』 (表 3-2)は,【食の乱れ の原因】【生活との関連】【 康・年代との関連】のカテ 表3―2 食生活チェックシート活用後の食生活への意識 コア カテゴリー サブカテゴリー 記入数 記入人数 主な記述例 外食の多さ 3 3 外食が多く, あまり自炊しないのは本当に悪いことだと思った. 体重増加にはこのような背景が関係しているのだと かった (外食多く自炊しな い). 似通った食生活 3 3 テストやバイトで疲れているとは言っても, こんなに毎日似通った食生活をして いるとは思わなかったです. 今回のシートを ってみて, 自 の作る料理は毎回同じような食品を っている ことに気がついた. 朝・昼・夕の傾向 5 5 今回の食事摂取での自 自身の傾向というか癖というものは「夕食時」にまとめ て食べ傾向があることが 察できる.→朝食の 1回摂取量を多くし,夕食の 1回摂 取量の増減に皺寄せのないように配慮した. 休日は朝飯と昼飯を一緒に取ってしまうことがあるので, そういう日はバランス のとれた食事はできていないように感じる. 食の乱れの原 因 簡 な食品 5 5 また, インスタント系は作るのは簡単だがカロリーが高かった. 全体的に夕方の点数は多い傾向にあるが, 昼にインスタントラーメンなど軽食で 済ませてしまっていたので, それが 1日の摂取点数を下げた大きな要因だと え る. 食生活の乱れ に関する 析 間食の摂りすぎ 6 6 間食の だけでも一食 程度あったので気をつけたい. また間食もほぼ毎日 3食以外に何かしらのものを食べていることが今回 かっ た. 嗜好に頼る 4 3 栄養を えずに食べたい物を食べた結果かなと思った. 好きなものはとりやすいが,苦手なものはあまりとろうとしないので,偏っている 状態がこのように数値でみると歴然であった. 調理方法・食品 7 7 自宅に炊飯器が無いという物理的な原因もあるため, 良好な調理環境の確保と整 備構築に向けて,これを機に努力していきたい.→この研究後,2011.2.22(火)炊飯 器購入済み. 私はコーヒーやカフェオレをよく飲むので, 牛乳はたくさん飲んでいるが, 同時 に, 砂糖も摂取しているので気をつけたい. 周囲の人に合わせる 3 3 実家暮らしなので夕食はたくさんの食材を摂取することができます. ダイエットを意識していないときは確かに何も えずに家族や友達に合わせてい ろんなときにいろんなものを食べてしまっていた. 活動レベルとの関連 6 6 私の身体活動レベルはⅠと低いため, 極端な食物の過剰摂取は望ましくないこと も かった.2日目は 20点に満たないのにそれなりの運動量があり, 3日目は運動 量が少ないにも関わらず, 20点以上摂取しているので, 今度からは運動に見合っ た量を食べるようにしたい. 生活との関連 アルバイトとの関連 4 4 私はアルバイトの都合上夕食が 11時ごろになってしまう. 3日目はアルバイトの帰りに間食の菓子パンを買ってしまい, 本来夕食は控える べきであるのに一日で一番高い点数を記録してしまった. 生活時間との関連 5 5 起床が遅かったため, 朝食が軽めになってしまった.朝食は, 作る時間がなかったので点数が低い. 生活形態との関連 4 3 一人暮らしをしているために毎日料理を作るのがめんどくさいために, 夕食では ごはんをたいて, あとのおかずは適当に見つくろうといったような生活をしてい たためだと える. 康・年代と の関連 康への影響 4 3 振り返ると, 普段の食生活はあまり 康を意識したものではないといことに気付 いた. この食生活をしていくと, 生活習慣病を引き起こしてしまう可能性がある. 年代との関連 3 3 8∼9 歳相当の点数しかとれなかったことに驚いた.

(7)

ゴリーがあった.【食の乱れの原因】は,「インスタント 系は作るのは簡単だがカロリーが高かった」などの 簡 な食品>の記述,「コーヒーやカフェオレをよく飲むの で, 牛乳はたくさん飲んでいるが同時に砂糖も摂取して いるので気をつけたい」などの 調理方法・食品> の内 容,「間食の だけでも 1食 程度あったので気をつけた い」という 間食の摂りすぎ>「栄養を えずに食べたい 物を食べた結果かなと思った」という 嗜好に頼る> な どの記述があった. さらに【生活との関連】に関しては「私の身体活動レ ベルはⅠと低いため, 極端な食物の過剰摂取は望ましく ないことも かった」という 活動レベルとの関連> が あった. また「アルバイトの帰りに間食の菓子パンを 買ってしまい, 夕食は控えるべきなのに 1日で一番高い 点数を記録してしまった」などの アルバイトとの関連> 及び「起床が遅かったため朝食が軽めになってしまった」 などの 生活時間との関連> などがあった. 【 康・年代との関連】では,「この食生活をしていく と生活習慣病を引き起こしてしまう可能性がある」とい う 康へ影響> があった. 『食生活改善の意欲・課題』 (表 3-3)では,「今回,自 の食生活を見直せたので, これからはもう少し栄養バ ランスを えられるようになろうと思う」などの自己の 食生活を える機会>となったことや,「自 の食生活 の偏りに気づけたので, これからもたまにシートを活用 したいと思った」というように 今後もチェックシート 表3―3 食生活チェックシート活用後の食生活への意識 コア カテゴリー サブカテゴリー 記入数 記入人数 主な記述例 食生活を える機会 15 14 今回,自 の食生活を見直せたので,これからはもう少し栄養バランスを えられ るようになろうと思う. これを機に自 の普段の食生活を見直していきたいと思った. 食生活改善の 動機づけ 今後もチェックシート を活用したい 4 4 今回だけで終わらせるのではなく, 機会があったらまた取り組んでみたいと思う. 自 の食生活の偏りに気づけたので, これからもたまにシートを活用したいと思 いました. 患者への活用 4 4 自らの経験も踏まえて指導ができるように,日頃から食事と栄養について え,バ ランスのとれた食事が摂れるよう実践していこうと思いました. 将来看護職についた時,このようなシートがあれば,患者さんに適切な食事指導を 提供できると思います. 群バランスを 慮した 食品の摂取 28 26 野菜料理をもう一品増やしたり,野菜ジュースを積極的に飲んだりして,野菜不足 を解消することが望ましい. 今後は牛乳やヨーグルト等で乳製品を積極的にとるようにしなければならないと 思った. 2群の点数が高く,1群,3群が 3点に到達していなかったので,1群,3群の食品を 増やし, 2群, 4群で調整することが必要だと思った. 1食の中で 1つの群が栄養が偏っていることが多いので,1食の中でバランスを えて献立を作っていくことが今後の課題だと感じた. ポテトチップスなどを食べるときは他の 4群の食品を減らすようにしたい. 自 は好きなものをたくさん食べるので, 好き嫌いで食品を選ばないようにして いきたい. 標準点数を意識 3 3 私の場合,特に 4群の摂取量が少なく,2群と 3群が多いので,3・3・3・11の基本 パターンに忠実に食事をとっていきたいと思った. もっと群の決まった点数に気をつけ, 計にも注意した食生活をしたい. 食生活改善の 意欲・課題 食品数を増やす 4 4 私は毎日同じものを食べていることに気がついたのでもっと様々な種類の食品を とるようにしたい. 栄養素の吸収や食べ合わせの観点からも,より栄養状態を維持していくため,より 多くの品目を摂取できよう鋭意, 努力していきたい. 改善の具体策 調理の工夫 7 7 3群は, 主に野菜ですが, 一度に多くの野菜を摂ることは難しいと思ったので, 一 つの料理にできるだけ多くの食材を取り入れられるように工夫した調理が必要だ と感じました. この反省を生かし, これからは点数のことを えながら和食も取り入れた食事を 作っていきたいと思う. 3食バランス良く 6 6 「夕食時」にまとめて食べ傾向があることが 察できたので,朝食の 1回摂取量を 多くし, 夕食の 1回摂取量の増減に皺寄せのないように配慮したい. 普段から朝食を抜くことが多く, 1食や 2食のことも珍しくないので, 3食バラン スよくとるように気をつけようと思った. 栄養を摂る 3 3 学食で栄養のあるものを食べようと思った.今度からは栄養のことをもっと えて食事を作っていきたいです. 規則正しい食生活 4 4 せめてアルバイトのない日には規則正しい時間に食事をしていきたい. 食事を摂る時間も食事内容ももっとバランスのととのったものにしなくてはなら ない. 生活全般の改善 3 3 身体活動レベルも最低Ⅱを保てるように, なるべく車を わない生活を送ってい きたいと思う. 起床時間, 就寝時間, をできるかぎり 全に調整し, 朝・昼・夜の 3食をコンスタ ント且つ栄養バランス良く摂取できるような習慣の確立を大学 1年生のうちに定 着させていかなければならないと痛感した. 康との関連 5 4 このままの食生活では将来の生活習慣病が心配なので, 気をつけてバランス良く たべていきたい. 自 は 血なので, 鉄 も摂りたいと思う.

(8)

を活用したい>についての記述があった.「自らの経験も 踏まえて指導ができるように, 日頃から食事と栄養につ いて え, バランスのとれた食事が摂れるよう実践して いこうと思った」という 患者への活用> の記述がある 者も数名いて, 今回の取り組みが【食生活改善の動機づ け】となっていた. 【改善の具体策】に関しては,「また,2群の点数が高く, 1群と 3群が 3点に到達していなかったので, 1群, 3群 の食品を増やし, 2群, 4群で調整することが必要」「1食 の中で 1つの群が栄養が偏っていることが多いので, 1 食の中でバランスを えて献立を作っていくことが今後 の課題だと感じた」「ポテトチップスなどを食べるときは 他の 4群の食品を減らすようにしたい」という 群バラ ンスを 慮した食品の摂取> の記述が多かった. また 「もっと群の決まった点数に気をつけ, 計にも注意し た食生活をしたい」という 標準点数を意識> の内容や 「より栄養状態を維持していくため, より多くの品目を 摂取できよう鋭意,努力していきたい」という 食品数を 増やす> に関する記述があった. さらに「3群は, 主に野 菜ですが, 一度に多くの野菜を摂ることは難しいと思っ たので, 一つの料理にできるだけ多くの食材を取り入れ られるように工夫した調理が必要だと感じました」とい う 調理の工夫>,「普段から朝食を抜くことが多く,1食 や 2食のことも珍しくないので, 3食バランスよくとる ように気をつけようと思った」という 3食バランス良 く>の内容があった.生活面では「せめてアルバイトのな い日には規則正しい時間に食事をしていきたい」という 規則正しい食生活> についての記述と「改善の具体策 は起床時間, 就寝時間, をできるかぎり 全に調整し, 朝・昼・夜の 3食をコンスタント且つ栄養バランス良く 摂取できるような習慣の確立を大学 1年生のうちに定着 させていかなければならないと痛感した」という 生活 全般の改善> があった. 4.自己評価の適切性 研究方法に記したように, 学生の食事記録の内容から, ①摂取量 (合計点数),②群別のバランスパターン,③朝・ 昼・夕食のバランス (欠食の有無,間食の量・内容),④食 品数などを参 にして研究者が食生活の特徴を取り出し た. 各学生の食生活に関する気づきと食生活の特徴をつ き合わせ, 適切に自己評価できているかという観点から 検討した結果, 自己評価が適切にできているものが 23 名,ほぼ適切に評価できている (上記の①から④のうち 3 項目以上) 者が 10名, 評価の適切性に欠く者は 3名, 概 略的な評価にとどまっている者が 6名であった (表 2). 5.食生活チェックシートの活用について 食生活チェックシートの活用についての記述を 類し たところ,『チェックシートの いやすさ』『活用の難し さ』に大別された (表 4). 『チェックシートの いやすさ』は「シート記入の際 には, 食品栄養表が添付されてあるため食品と点数を記 表4 食生活チェックシートの活用しやすさ コア カテゴリー サブカテゴリー 記入数 記入人数 主な記述例 シート構成の 良さ 食品 量表が役立った 5 5 本シートに用意された食品の項目を拝見できたことにより, ながらく摂取してい ない,あるいはできていない食品の品目が一目瞭然となり,それらの食品を購入し て, みずからで調理してみようと意欲が湧いた. シート記入の際には, 食品栄養表が添付されてあるため食品と点数を記入する際 にはとても役に立った. 大きさの目安がよかっ た 6 6 重量だけでなく, 大きさも書いてあるのでわかりやすかった. このシートを利用してみて, 1点当たりの重量や大きさが表してあったので, それ を目安に記入できたのでよかった. チェックシー トの いやす さ 簡単に記入できた 9 9 シートがエクセルで作られているため, 計算などが簡単で いやすかった. 自 で書くよりも記入はとても簡単で, かりやすかった. この表があったのですぐに記入することができてよかった. 簡単に計算にできた 8 6 数値を入力すれば値が反映されるのでやりやすかった. 計算も自動なのでこのシートはすごい 利だと思いました. 活用が簡単 バランスが見れた 8 5 群別に けることで, どの群が少ないかあるいは多いのかはっきりと見 けるこ とができたので, 自 にはどの群が自 の適正値に合っていないのか理解するこ とができた. わかりさすさ 7 5 エクセルシートは見やすいうえに, 量もガイドブックよりも かりやすいし計算 しなくてもパソコンがしてくれるのでとてもやりやすかった. 最初は書き方がよくわからなくて正直面倒に感じたが, 一回理解すれば楽に食事 記録をつけることが出来ると思った. 少量の場合 2 1 少量の場合難しかった. 正確であるこ との難しさ アバウトになりがち 2 1 料理を一度その材料でつくっても,食べた だけ計算しなければならないので,ア バウトになってしまった. 活用の難しさ 手間取った 時間がかかった 2 2 食品の項目が普段 わない食品や食べない食品が多く, 必要な項目を探すのに時 間がかかった. える時間を要する 2 2 材料や調味料を えるのが大変 リストにのっていない食材の場合は難しいと思う, える時間がいる.

(9)

入する際にはとても役に立った」という 食品 量表が 役立った>, 「重量だけでなく, 大きさも書いてあるので わかりやすかった」などの 大きさの目安がよかった> などの【シート構成の良さ】, 「群別に けることで, ど の群が少ないかあるいは多いのかはっきりと見 けるこ とができたので, 自 にはどの群が自 の適正値に合っ ていないのか理解することができた」という バランス がみれた> ことの記述があった.また,「自 で書くより も記入はとても簡単で, かりやすかった」などの 簡単 に記入できた>,「計算も自動なのでこのシートはすごい 利だと思いました」という 簡単に計算できた> わか りさすさ> などの【活用が簡単】であることについての 記述があった. 『活用の難しさ』は「料理を一度その材料でつくって も, 食べた だけ計算しなければならないのでアバウト になってしまった」という記述があり,また,「少量の場 合」に【正確であることの難しさ】,「リストにのってい ない食材」や「材料や調味料」の場合に【手間取った】 などの意見があった. . 察 1.食生活の特徴 食事の点数は, 1群から 4群の 計は平 点数が 19.5 点であり, 20代女性で身体活動レベルがⅠ(低い) の者の 基準摂取量 (20点) に近かった. 合計点数が, ± 1点以上 の点数の「良好」な者は 23名 (54.8%),「不良」は 19 名 (45.2%) であった.「不良」な者のうち,± 5点以上の点 数の不良の者は 4名であった. 各群の平 点数は, 1群が 2.4点, 2群が 4.0点, 3群が 2.4点, 4群が 10.6点であった. 2011年 10月の最終評価 では,日本人全体では,牛乳・乳製品の 1日あたりの摂取 量が 91g であり, 目標値の 130g に届かず, 康日本 21 の開始時 (1997年) の 107g, 中間評価時 (2004年) の 101g に比較しても減少していた. また, 野菜の摂取量は, 最終評価時に 295g であり, 目標値の 350g 以上に届かず, 康日本 21の開始時 (1997年) の 292g と比べても増加 がみられないという結果が出ている. つまり, 日本人全 体では牛乳・乳製品及び野菜の摂取量が不足する傾向が あり, この傾向は 1群と 3群の点数が低いという今回の 結果と共通している. また, 看護大学生を対象とした調 査においても,高橋ら の牛乳 (1群)や緑黄色野菜 (3群) などが不足している状況と重なりもみられた. 今回の調査による群別のバランスパターンにおいて は, 全体的に少ないまたは多いパターンの他に, 1群と 3 群が少なく, これに 2群と 4群の過剰または不足が合併 したパターンが見られた. 1995年に嘉手苅ら が看護大 学の女子学生 1年生を対象に行った 3日間の食事記録の 析によるパターンは, 全体的に少ないまたは多いパ ターンの他に, 主として 1群と 3群が少なく, これに 2 群と 4群の過剰または不足が合併したパターンが見られ ており, 今回の結果は, 嘉手苅らの調査と共通する傾向 がみられた. ただし, 嘉手苅らの調査 では全体のバラン スがとれている学生が約 20%いたが, 今回の結果ではバ ランスがとれている者はなく, 全員のパターンがアンバ ランスであったという結果であった. 今回の調査の対象 は, 大学 1年生の女子学生という点では 1995年の嘉手 苅らの調査との共通点が見られるが, 自宅での生活者の 割合は, 今回の調査が 21.4%であり, 嘉手苅ら の研究に おけるその割合 (51.2%) より少なかった. そのため単純 な比較は難しいが, 今回は自宅での生活者を含む全員の 群別バランスパターンがアンバランスであったことか ら, 全体的に 1995年の調査時 より食の摂取状況の乱れ が進んでいると えられる. 緑黄色野菜の摂取量は, 年代別では 20代が最も低い という結果も出ており, 大学生の食生活の乱れは一層深 刻なものとなっている. 様々な生活習慣病の発症に関連 するメタボリックシンドロームは, 中高年の問題となっ ているが, いったん身についた青年期までの固有の生活 習慣は改善しにくく, 早期における適切な習慣の修得が 必要である. このように, 若い時から自己の食生活を見 なおし, 改善していく必要性があると える. 朝・昼・夕食のバランスでは,今回は朝食の欠食者は 3 名 (7.1%) であったが, 1日の 1食の標準摂取量の 6.7点 の半 以下である 3.3点以下の者が欠食者を含め 11名 いた. 植田ら の短期大学生に対する調査では, 朝食の欠 食がほぼ毎日である者が約 25%であったと結果であっ た. 今回は, 食事記録を記入したため, 普段より欠食が少 なかった可能性があるので, 継続的に調べていく必要が あると える. 食品数の摂取目標は, 2000年の新しい「食生活指針」 の中では, 「1日 30食品」の表現はなく「多様な食品を 組み合わせましょう」と変 されたが, 30食品を目標と すれば, 自然に必要な栄養素をバランスよく取ることが できるということから現在でも栄養指導に われること も多いため, 30品目を目安数とした. 今回の食事記録で の食品数は, 平 16.5, 最低 6, 最高 29 であり, 1995年の 嘉手苅ら による調査時と同様の傾向がみられた. 食品 数が 15以上の「良」が 30,15未満の「不良」が 12であっ たが, 食品数が 10未満の者も 5名いた. 食品数が極端に 少ない学生は栄養面でも偏りが顕著となると えられ る. また, バランスパターンの崩れ, 3食バランスの「不 良」,食品数の「不良」の 3つが重なっている者は 7名で あった. これらの学生は今後食生活の改善の意欲が継続 できるかどうかについて, 特に注意を払う必要がある.

(10)

2.食生活の特徴の自己評価と食生活に関する意識 1)自己評価の適切性 結果に示したように, 食生活の自己評価が適切にでき ているものが 23名 (54.8%), ほぼ適切にできている者が 10名 (23.8%) であり, 8割近くの多くの者が自己評価で きていた. 特にバランスに関する評価はほとんどの学生 が, 食品数に関する評価, 合計点数に関する評価は約半 数以上の学生が出来ていた. 群別バランス図により視覚 化できたことで, そのバランスに気づきやすかったと える.ただし,朝・昼・夕のバランスに関する評価は比較 的少なかった. 3食のバランスを摂っていく事, 特に欠食 をなくしていく事は, 康改善において大変重要である. また, 評価の適切性に欠く者 3名 (7.1%), 概略的な評価 にとどまっている者が 6名 (14.3%) いた. 合的な視点 で評価できるように,「食」に関する講義及び演習により, 「 康的な食生活」とはどのようなものであるかについ て, 浸透させていく必要がある. 2)食生活に関する意識 今回の取り組みでは, 対象学生全員が食生活を見直し, 食生活改善する意欲と課題に関する記述があった. 『食生活への関心』では, 予想とのズレ>による驚き の感情などが改善へ向けた動機づけになっていた.『食生 活の特徴の評価』の【食のバランスの乱れ】に関する 食 品群のバランスの乱れ> では, 少ない群または多い群な どの食品群のバランスに関する記述が多かった. 群別バ ランス図を利用できたと える. また, 1日の合計点数 の過不足・ばらつき> 食品内容と数>などの【食の偏り】 に関する記 述 の あ る 学 生 は 半 数 以 上 で あった. 一 方, 朝・昼・夕のバランス乱れ> については,比較的記述が 少なかった. 『食生活の乱れに関する 析』では 間食の摂りすぎ> や 嗜好に頼る> などについて 析していた.また,イン スタント食品などの 簡 な食品> の摂取が栄養バラン スの偏りをうむこと, カフェ・オレに砂糖を入れること で 4群の点数が高くなるなどの 調理方法・食品> など, 自己の食生活の傾向を 析して【食の乱れの原因】を 析していた. さらに 活動レベルとの関連>, アルバイ トとの関連> や起床時間と朝食の摂取など 生活時間と の関連> などの【生活との関連】も えていた. さらに, 血との関連や将来の生活習慣病の危険など 康への 影響> も えている者も少数であったがいた. これらの 者は, 群のバランスの崩れの原因を生活の中で探るなど 実際の生活状況から具体的な 析をしていた. 個別な食 生活の状況に即した改善点を見いだすためには, 食生活 が乱れている実態に気づくだけでなく, その乱れの原因 がどこにあるのか,各学生が【食の乱れの原因】を【生活 との関連】で 析していくことが重要と える. 『食生活改善の意欲・課題』は,自己の生活を見直し 食 生活を える機会> となり, 患者への活用> 今後も チェックシートを活用したい> という意欲が見られた者 もおり,【食生活改善の動機づけ】となっていた.【改善 の具体策】については, 群バランスを 慮した食品の摂 取> 標準点数を意識> 食品数を増やす> などの群のバ ランスをとり標準的な栄養を摂っていくことを課題とし てあげていた. 多くの学生が自己の食生活を評価した内 容に基づき,改善点を えていた.例えば, 調理の工夫> を行い, 3食バランス良く> 規則正しい食生活> など 具体的な改善方法を えていた. さらに, なるべく車を わない,就寝・起床時間に気をつけるなど 生活全般の 改善> の記述があり, 食生活以外の生活の見直しに拡 がった視点ができている者がいた. 嘉手苅 は, 記録を続 けることにより食生活だけでなく, 運動量や排泄, 休息 などとの生活現象と関連づけて生活全般 への意識が広 がっていくことで, 生活調整能力が身につくことにつな がっていくことを指摘している. 今回の記録をさらに継 続することで, 生活の見直しの意識をもつ者が増えてい き, 生活調整の能力が修得できる者が増えていくと え られる. 3.食生活チェックシートの活用の意義と活用しやすさ について 金子ら はセルフケア能力獲得のための過程として, 自 の状況に興味を持ち, 現在の生活状況を具体的に 析し, 生活上の問題を探り改善点を見い出すことの重要 性を説いている. 今回は, 学生が, 食事内容を記録するこ とで, 自己の食生活の状況に気づき, 生活状況を具体的 に 析し, 改善点を探るという記述内容がみられた. 金 子ら が示した上記の内容を含んでおり, 今回の取り組 みはセルフケア能力の獲得の面からも意義があったと える. 食生活チェックシートについて『チェックシートの いやすさ』の記述があった者が 33名 (78.6%)いて, 簡 単に計算できた> 簡単に記入できた> という内容が多 かった. 金子 が説いているように, 改善目標を見出した 後に, 目標に って生活行動が実施され, 継続されると いう段階へ進むことが望ましいが, このような行動変容 を促すためには, 食事記録の継続や今回のような取り組 みの繰り返しが必要と える. 継続のためにはチェッ クシートの活用しやすさは大変重要であり, 今回は, Excelベースでシートを作成し, 食品 量表を組み入れ たため, 活用しやすかったと える. また, 群別バランス 図もバランスをみる際に いやすいという者が多かった ことから, 食生活の自己評価に役立ったといえる. 一方, 「シートリストにない食品」「少量の場合」などは書きに

(11)

くいなど『活用の難しさ』の記述がある者が 6名いた. チェックシートの記入上の注意を伝え, 四群点数法の基 本にそって, 80キロカロリーガイドブックなどを補助的 に活用していけるように事前に充 説明していくことが 課題である. .本研究の限界と今後の課題 今回の調査は, 3日間の食事記録であり, 学生が自己の 食生活の問題を見直し改善する動機づけとなったが, そ の後の行動改善が実際にできたかについては今後調査が 必要である. 金子 が説いているように, 改善目標を見出 した後に, 目標に って生活行動が実施され, 継続され るということが望ましいが, このような行動変容を促す ためには, 食事記録の継続や今回のような取り組みの繰 り返しが必要と える. 今後は, より長期間の活用によ り, 食生活の改善意思を継続させ, 生活行動の変容へ発 展していく可能性が示唆された. 文 献 1. 康日本 21作業チーム. 「 康日本 21」最終評価 報告 書. 2011; 1-48. 2. 笠原利英. 大学生の食生活実態および栄養摂取量調査. 2008年度 Obirin Today―教育の現場から 2009 ; 37-61. 3. 嘉手苅英子, 薄井坦子, 山本利江ら. 3日間の食事記録か らみた看護学生の食品摂取状況. 千葉大学看護学部紀要 1995; 105-110. 4. 植田志摩子. 北村和子. 食生活と 康に関する研究 第 3 報―短期大学生の食生活状況および 康状態について ―. 帯広大谷短期大学紀要 2011; 48: 99-107. 5. 香川芳子 : 五訂増補 食品 80キロカロリーガイドブック. 東京 : 女子栄養大学出版部, 2007: 12-15. 6. 高橋清美. 吉村 恵. 岡崎明子ら. 看護大学生の食生活に 対する認識とその課題. 日本赤十字九州国際看護大学 IRR 2010; 8: 23-30. 7. 嘉手苅英子. 生活調整能力の修得過程の構造―継続的な 食事記録実践の 析から―. 千葉看護学会誌 1997; 3(2): 41-49. 8. 石川りみ子. 奥間裕美. 上江洲栄子ら. 看護大学生の睡眠 康と食習慣に関する研究. 沖縄県立看護大学紀要 2003; 4: 15-25. 9. 金子仁子 : 第 2版 衆衛生看護学体系⑤成人保 指導 論 : 成人期の保 指導. 東京 : 日本看護協会, 1995: 66-67. 10. 宮川淳子. 岡村 淳. 宮地文子ら. 女子看護大学生におけ る食に関する 康行動の継続に関わる要因. 日本赤十字 九州国際看護大学 IRR 2010; 8: 1-13.

(12)

Awareness and Subjective Assessment of Characteristic

in Daily Diet Using the Original Check Sheets

on Dieting Habits

Preliminary Evaluation of the Sheets Targeted

for Nursing College Student

Yoko Mizuguchi

1 Niigata College of Nursing, 240 Shinnan-cyo, Joetsu, Niigata 943-0147, Japan

The present study aimed to investigate the utility of a dietary habit check sheet developed by the authors as a method of self-reviewing dietary habits. Dietary habit characteristics were extracted from the completed check sheets of 42 university nursing students, which were then analyzed from the perspective of appropriateness of self-evaluations and awareness changes aimed at dietary improvements based on individual realizations regarding dietary habits. The results revealed 11 balance patterns across the four Kagawa food groups with some deficiency of groups 1,3 and 4and a tendency towards excessive intake of group 2 observed overall. Application of the check sheet increased students interest in dietary habits and enabled them to evaluate dietary habit characteristics,such as imbalanced food group intake, and to analyze dietary habit imbalances by reviewing their specific dietary situation and to investigate the cause of the imbalance. Furthermore, the check sheet provided motivation for dietary habit improve-ment and elicited specific improveimprove-ment measures. Reasonable appropriateness of self-evaluation as confirmed by extracted dietary habit characteristics and ease of check sheet use were reported for about 80% of students. The present findings suggest that the dietary habit check sheet provided motivation for lifestyle adjustment.(Kitakanto Med J 2012;62:199∼210)

参照

関連したドキュメント

 本計画では、子どもの頃から食に関する正確な知識を提供することで、健全な食生活

本稿で取り上げる関西社会経済研究所の自治 体評価では、 以上のような観点を踏まえて評価 を試みている。 関西社会経済研究所は、 年

検討対象は、 RCCV とする。比較する応答結果については、応力に与える影響を概略的 に評価するために適していると考えられる変位とする。

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.

 講義後の時点において、性感染症に対する知識をもっと早く習得しておきたかったと思うか、その場

意思決定支援とは、自 ら意思を 決定 すること に困難を抱える障害者が、日常生活や 社会生活に関して自

実効性 評価 方法. ○全社員を対象としたアンケート において,下記設問に関する回答

通関業者全体の「窓口相談」に対する評価については、 「①相談までの待ち時間」を除く