補助動詞構文の文法化の初期段階の設定について
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(2) 甲南女子大学研究紀要 第 46号. 文学 ・文化編 (2010年 3月. ). う とも. 語 の補助動詞構 文 は,統 語 的 に ま とま りを もつ 単位 で. 吾」 の緊密性 には問題 限 らない。テ形補助動詞 は,「 言. あ る とい うこ とであ る。 しか し,先 ほ ど,説 明 した よ. があるが,以 下 のように,ひ とつの まとまり性 を帯 び. うに,日 本語 の補助動詞構文 は,副 助詞 の挿入 がで き. なが ら存在するか らである。. る こと等 か ら,形 態 的 な語 (mOrphologial word)と し. (前 項動詞 +補 助動詞 )の 連続か とい う と,そ. 第 一 ,分 離移 動 の 不 可 能が考 え られ る。副助 詞 「ハ,サ エ,モ 」等以外 の要素 は,前 項動詞 と補助動. ての位 置 は 占め に くい 。 こ うい った特徴 に よって ,日 本語 の補助動詞構 文 に つい ての研究 は意味 の 分類 に とどま り,そ の構 文 上の. 詞 の間に介入で きない。影山での説明の ように,副 助 詞 の介入 は可能であるが,以 下 のように,副 詞類 の介. 特徴 な どの詳細 に まで は及 んで い なか ったのが 現状 で. 入はで きない。. あ る とい え よ う。 影 山 (1993)は ,日 本語学 にお い ての補助動詞 とい. (1)納 豆 を食べ てみた。. われて きた もの は大 部分が統語 的複合動詞 に相 当す る. (1-1)納 豆 を思 い″ つて 食べ てみた. ものの ,完 全 に対応す るわけで はない と し,補 助動詞. (1-2)#納 豆 を食べ て思 い切 ってみた。. を見分 け る基 準 が明瞭 とも言 えない ことか ら,独 立 し た範疇 として補助動詞 なる もの を立て る根拠 はない と. 「 食 べ てみ る」 とい う補 助動 詞構 文 は ,例 (卜 1). しなが ら,い わゆる補助動詞構 文 の (受 身化 )の 実現. の ように,副 詞 「思 い切 って」が補助動詞構 文 の前 で. の され方 の異 な りを説 明 して い るが ,こ れ こそ ,補 助. は修飾可 能 で あ って も,例 (1-2)の よ うに,前 項動. 動詞構 文 の二 面性 と程度性 が存在す るこ とを明 らか に. 詞 と補助動詞 の 間 には介入で きない 。. す る根拠 になる。. 第 二 ,補 助 動 詞構 文 は依 存 度 が 高 い ので ,例 (2-. 補助動詞 とい う範疇成 立の妥 当性 を説 明 で きない と. 1)(2-2)の ように,ひ とつ の ま とま りと して の移動 は可 能 で あ るが ,例 (2-3)の ように,前 項動詞 を分. す る証拠 として挙 げて い る説明が返 って ,逆 接 的 に も. 離 して の移動 は不可能 である。. がか りとな ってい る。. そ うい った 中間的 な存在が存在す る こ とを説明す る手. V2に よつて左 右 され た よ うに ,テ 形 複 合動 詞 も V2に よって 直接 受 身文 に イ形 複 合動 詞 の 受 身性 が. (2). 私 はその本 を読 んでみ た。. 3。. (2-1)読 んでみ た,わ た しはそ の本 を。 (2-2)私 も読 んでみたその本 を。. な った りな らなか つた りす る. (2-3)*私 は読 んでその本 をみた。. る 」「 あ る」 が 自動 詞 で あ るた め 直 接 受 身 に な らな. V2が 自動 詞 の 「 ∼ て い る」「 ∼ て あ る」 は ,「 い い 。 また,V2が 他動詞 の 「て しま う」 は ,以 下 の よ. とい うの は,「 前項動 詞 +補 助動詞」 が あ る程度 緊密. うに受 身化 が生 じない 。. 性 を保 ってい る証拠 で もあ る。 あ る程 度 とい う言 い 方 は明示 的 で はない が ,程 度性 の 問題 が大 き くかか わる. (4). →. 桜 の 本 を切 つて しま った. *桜 の 本 が. 切 って しまわれ た。. ので ,こ うい った表現 に とどまる。 第 三 ,格 支配 は,前 項動詞 に よる。. しか し,同 じく,V2が 他動詞 の 「∼ てお く,∼ て. (3). ダイエ ツ ト中 の 花子 は ,我 慢 で きず ,つ い. み る」 の場 合 は,基 本的 に受 身 を許容す る。. ノゞン を 全部 食べ て しまった。. (3-1)ダ イエ ッ ト中 の 花子 は ,我 慢 で きず ,つ い ノゞン を 全部 食べ た。. (3-2)#ダ イエ ッ ト中 の花子 は,我 慢 で きず ,つ い パ ン を 全部 しま った。. (5). →. 陳列 台 に商 品 を並 べ てお い た. 商 品が. 陳列 台 に並 べ て お か れ た モ ルモ ッ トに新 しい 薬 を試 してみ た →. モ ル モ ッ トに新 しい 薬 が 試 して み られ. た. 「パ ンを」のヲ格 は,前 項動詞 の「食べ る」の要求. 冷蔵庫 の 中 をのぞ い てみ た. する格 であって,補 助動詞 「 しまう」 の要求す る格で. 中が のぞ い て見 られた. はない。. ドア を ノ ック して み た. 以上 の三つのテス トフレームか ら分かるのは,日 本. ク して見 られた. →. →. 冷蔵庫 の. *ド アが ノ ッ.
(3) 廷玉 :補 助動詞構文の文法化の初期段階の設定について. 李. 駐 車場 に車 をい れ てお い た. →. 車 が駐 車. 場 に入 れておかれた. 57. 例 (12)は 「太郎が本 を くれ た」 の省略 の可能性 は 考 え られ るが ,「 太郎 が行 って くれ た」 の 省略 と して. (10)風 呂 を沸 か して お い た. →. *風. 呂が沸 か. しておかれた. は ,考 え られ な い 。 同 じく,「 太郎 が見 た」 も「太 郎 が映画 を見 た」 の省 略 の 可能性 は考 え られ るが ,「 太 郎が試験 問題 を解 い てみた」 の省略 と しては,考 え ら. このように,同 じ,「 テ ミル」「テオク」構文で も ,. 「見 る,置 く」 の原意 と意味的に整合 してい るか どう かによって,受 身化 の可否が決まるのである。受身化. れ な い 。即 ち,補 助動詞構 文 にお い て前項動詞 の省略 はで きな い。前項動詞 あ ってか らの補助動詞構 文 であ るか らであ る。. の様相 の違 い は,ま さに,本 動詞「置 く」「見 る」の 意味が残 っているか否かによるので,「 見る」「置 く」 の原意が残 っている と判断 されるのは,前 項動詞 の 「のぞ く」 と「入れる. (∼. 二∼ ヲ)」 「並べ る. (∼. ヲ)」. 2.2. 補助動詞 だけの「 ソウスル」代用 の不可. 「 ソウスル」 に よる代 用 は ,動 詞 を中心 とす る ま と ま りを置 き換 える もので ある。補助動詞構 文 にお い て は,前 項動詞 の代用 ,例 (13-1),補 助動詞構 文全体. によるものである。 これ らの前項動詞 は「置 き方」「見方」 を表す動詞. の 代 用 ,例 (13-2)は 可 能 で あ るが ,補 助 動 詞 だ け. としての解釈が可能であるか らである。すなわち,補. の 代用 ,例 (13-3)は 不 可 能 で あ る。補 助 動 詞 だ け. 助動詞構文 を考える上では,補 助動詞だけではな く. の代用化 がで きないのは,補 助動詞が文法化 しつつ あ. 前項動詞 をいれた補助動詞構文 として考えるべ きであ. る こ とを物語 ってい る こ とであ り,こ れは補助動詞 の. る。. 依存性 の証拠 で もあ る。. ,. 日本 語 補 助 動 詞 構 文 の 形 態 的 ・ 統 語 的 特 徴. 2。. (13) 彼 は大西 の前 の切 身か ら一 っぺ らをかす め とって食 べ てみた。 (太 郎物語〉. この節 では,補 助動詞構文 の認定 の根拠 として,依. (13-1)彼 は大西 の前 の切 身 か ら一 っぺ らをか す め. 存性 (前 項動詞 の省略不可),補 助動詞だけの代用不 可 と文法的な意味を挙げることにする。すなわち,以. とって食 べ てみた。 彼女 もソウシテみ た。. (13-2)彼 は大西 の前 の切 身 か ら一 っぺ らをかす め. 下の三点が,補 助動詞 と一般動詞 (本 動詞)と を分 け る基 準 になるわけで,補 助動詞た らしめ る根拠 にな. とって食 べ てみた。彼女 もソウシ タ。. (13-3)*彼 は大西 の前 の切 身か ら一 っぺ らをか す め. る。. とっ て 食 べ て み た 。 彼 女 も食 べ て ソ ウ シ. 古 くは橋 本進吉が ,「 補助 的 に用 い られ る」 と し. 夕。. て,補 助用言 を設けた所以 は文節 として一文節 であ り なが ら,「 上の語 と共 に文の成分 となる」 とい うそ の 点にあ った 一中村 (1994)弓. 補助動詞 の代用化が で きないのは,補 助動詞が文法. 一とい う才 旨摘か ら分か. 形式 の性格 を帯 びて い る ことへ の 反証 で もあ る。 代用. るように,一 番大 きな補助動詞の特徴 として考え られ. 化 は,内 容語 で は起 こるが ,機 能語 で はお こ らない 。. るのは,前 項動詞に依存 してい るとい うことである。. 助詞や助動詞 な どには置 き換 え られ ないの が そ の夕1で. 1用. あ る。. 2.1 依存性 (前 項動詞 の省略不可 (11) パ ンを食べ て しまった。 (H-1)パ ンを食べ た。. ). 2.3. 文法 的意味. 補助動詞 を一 般動詞 と区別す る次の理 由 は,そ の文. (11-2)♯ パ ンをしまった。. 法 的意味 にあ る。補助動詞構 文 は二 つ の動詞が つ なが ってい る よ うに見 えるが ,補 助動詞が文法化 の段 階 を. 補助動詞「 しまう」 は,例 (11-2)か らわか る よ うに,単 独 では使 われない。単独で使われた際には. ,. 経 て ,文 法的意味 を帯 びて い る。単独 で使 われ る本動 詞 の意味 とは,違 う意味 を帯 びて い る。. 本動詞 の「シマウ」 の原意 の解釈 しか不可能にな り ,. 補助動詞構文 とは異なる文 を成す。. (14) 「 しか し,母 もiFく が. /Jヽ. さい 時か ら,ず っ と. 独 りで生 きて きた人 間 で す か らね。母 に僕. (12) 太郎が くれた。. か ら別れ ろ とは言 えない で す よ」 〈ひつ じ〉.
(4) 甲南女子大学研究紀要第 46号. 文学 。文化編 (2010年 3月. ). 中 原 因 の 意味 にな りやす い 無 意思動詞 を入 れ て 作 例. 例 (14)は ,(動 作の継続〉 とい う文法的な意味 を 伴 ってお り,こ れは,補 助動詞 「クル」の影響 であ. してみ たが ,こ の 文 は 自然 さに欠ける。実際 の例 をみ. る。. てみて も,原 因,並 列 の例文 は存在 しない 。 また,補 助動詞形 とい うのは,明 示的 な用語 とは言. (15). えない が ,テ 形 と「 イク 0ク ル」が繋 が って存在す る. 昨 日,東 京 か ら親 戚 の お じさんが 来 た。. 場 合 ,例 (17)の よ うに,「 イク ・ クル」が あ る程 度 しか し,例 (15)の よ うに,単 独 で 使 われて い る場. 本動詞性 を持 って い る とは い え,単 独 で 使 われ る本動. 合 は,(動 詞 の継続〉 の 意味 はな く,(空 間 の移動〉 の. 詞 の「 イク・ クル」 とは異 なる こ とを表 して い る。 単. み を表す。. 独 の「 イク・ クル」 は,起 点 を表す 「 カラ」 と共起 で. 以上 ,一 般動詞類 とは異 なる補助動詞 固有 の形態 的. きるが ,本 動 詞性 を帯 び る補 助 動 詞 形 の 例 (17-1). ・構 文的特徴 につい て述 べ た。 日本語 にお い て ,補 助. は ,起 点 を表 す 「 カ ラ」 とは 共起 出来 な い か らで あ. 動詞構文 を設定す る根拠 を示 した こ とになる。. る。. しか し,こ うい つた独 立 した ひ とつ の 範疇 と して の 特徴 を持 ちつつ も,補 助動詞構文 は,文 法 カテ ゴ リー. (17-1)*彼 は 自分 の家か ら学校 に歩 い て きた。. の一 種 と して扱 うの には ,無 理 が あ るの も事 実 で あ る。 なぜ な ら,補 助動詞 は,文 法 的 な意味 を持 って い. 一 方 ,例 (18)は ,「 クル」 の格体制 を守 って お ら. なが ら も,動 詞 と して の 活 用 も保 って い るか らで あ. ず ,意 味 も空 間移動 か ら,時 間移動 ともい えるア スペ. る。. ク ト的 な意味 へ と抽 象化 して い る ことか ら,文 法化 が 進 んで い る とい える。. (16) 今 度一緒 に行 ってみ よう。 (20) また,他 の文法 カテ ゴ リー,た とえば,テ ンスは. ,. 彼 はパ ン屋 でパ ンを買 って きた。. (20-1)*彼 は家 にパ ン屋 で パ ンを買 って きた。. す べ ての文 に現 れ るが ,補 助動詞 はそ うではな い。 ま た ,テ ンス は ,す べ ての用言 に現 れ るが ,補 助 動 詞. 例 (20)は. ,例 (20-1)の. よ うに,「 クル」 の 要求. は,補 助動詞 の種類 に よつて,前 項動詞 の類 を選 ぶ。. す る着点句 との 共起 は不可能 で あ り,場 所 を表す 「パ. 本稿 で は,こ うい った動詞 の特徴 と,文 法形式 と し. ン屋 で 」 は,「 クル」 で は な く,前 項動詞 の「 買 う」. ての特徴 を も併 せ 持 つ 補助動詞 をひ とつ の範疇 と して. に よ り必 要 と され て い る も の で あ る。 この 点 ,例. 設定す るこ とにす る。. (18)と 似 てお り,補 助動詞 化 が進 んで い る よ う に も み えるが ,ク ルの 空 間移動が まった くな くな った とも. 3.初 期 段 階 の 設 定. い えないので ,例 (20)は ,例 (17)と 例 (18)の 中 間的 な段 階 で ,文 法化 の初期段 階 で あ る とい える。 こ. 補助動詞構文 の 設定基準 の ひ とつ であ る動詞 自身が 要求す る格支配 関係 を考 えてみ る。. うい った例 の存在 は,本 動詞 の補助動詞化 へ と連続線 上 にあ ることを示 して くれ る好例 である。 文法化 の 認定 にお い ては,こ うい つた統語 的 な認定. (17) 彼 は学校 に歩 い て きた。 (18) 彼 は近 頃髪 の毛が 薄 くな って きた。. 基準 を考 えるべ きで あ るが ,そ れが絶対 的 な基準 では な く,意 味的 な側面 を視野 にい れ ,初 期段 階 の存在 も 認 め つつ ,連 続 的 な様相 を描 い て い く必要 が あ る と思. 例 (17)は ,「 学校 に」 と共起 して い るため ,補 助 動詞形 とは言 え,本 動詞 と して の性 質 を失 ってい ない レが こ とが分 か る。補 I功 重し 詞形 とは, テ形 とイク ・ クリ. われ る。. 4.初 期 段 階 の 設 定 の 裏 づ け. 繋が ってい る形式で ,こ の場合 ,テ 形 の 意味分類 と し て知 られ る ,付 帯 状 態 ,継 起 ,原 因 ,並 列 の 内 ,原 因,並 列 は現 れ ない 。. 4.1 前項動詞 +「 与 える,よ こす,わ たす」 補助動詞構文 を,本 動詞か ら補助動詞へ の文法化 の 連続線上にあ るもの と見た上での考察である本稿か ら. (19)*彼 は学校 に驚 い て きた。. す ると,い わゆるヤ リモ ライ補助動詞構文 も,本 動詞.
(5) 李. 廷玉 :補 助動詞構文の文法化の初期段階の設定について. か ら補助動詞構文へ と文法化 の道 をたどってい る。 こ の授受表現は,物 の授受 とい うのが基本で,他 の物 の. た。 (さ ぶ ). (26). 自分 の行 く美容 院で は,お 客 に. たいな物 を作 って渡 している。(錦 繍〉. 授受 を表す 「与える,よ こす,渡 す」等 との相違点 は い くつか存在する。. 59. (27) 「見る人の心 々にまかせお きて雲井にすめ る秋の夜の月」 とい う 和歌 を一首 書 いて. しか し,こ れ らの「与 える, よこす ,わ たす 」等 は,「 やる,く れる」 と違 って,補 助動詞化が進 んで. 渡 した。(山 本〉. い ない。 これ らの動詞がテ形 と連結 してい る際の例 を. (28) 「少 しあるだろう」 とこういってその内の. 取 り上げてみると,そ のテ形は,物 の授受 を表す類 の. 一 人が立 ち止 って 自身の水筒 を抜 い て 渡. 動詞類 に制限されてい ることが分か る。. した。(小 イ 曽〉. 「「与 える」は,「 子供 にお もちゃを買 って与 える」 のように,具 体的な物 の受け渡 しがある場合の一部 で *教. 補助動詞的にも用 い られるが,抽 象的 に「. えて与. える」 とは言えないこ とか ら考 えて も,こ れは継起的 な「買 う」 のテ形に「与 える」が付 いた ものと考えら れる。山田 (2000:102注. 1)」. とあるように,「 与 え. る」 とテ形 との連結についての指摘がある。. 「テワタス」の実夕1も ,「 テアタエル」同様,前 項動 「作る」などの生産動詞 詞 として,「 取 る」「書 く」. ,. 「抜 く」な どの対象変化他動詞が多い。また,格 支配 においても,例 (26)か ら分かるように,「 渡す」の 格支配を従 っていることがわかる。すなわち, これ ら の例は,モ ノの授受を表す場合で,前 項動詞 と「ワタ ス」には時間的継起関係を成 している。. 4.1.1「 テアタエル」. (21). 山本の買 って与 えた 薔薇 の花 が ,花 瓶 い. 4.1.3「 テ ヨコス」. (29) 「見てみろ,ひ どい器量 だ」山本 は言 い な. つぱいにさしてあった。 〈 山本〉. (22) 源氏 は二 ,三 日,宮 中に も出仕せず ,紫 の 君 を手なずけるのにかかっていた。 姫君へ ,そ の まま手本 になるよ うに,と 思. い,卜 や絵│を かいて与えた。(新 源氏). (23). 源氏は舎人たちに國. が ら 望遠鏡 を息子に返 して よこ した。 (太 郎〉. (30). ともか く君 はかかる内部 の葛藤 の激 しさに 堪 えかねて,去 年 の十月にあのスケ ッチ帖. を脱いで与え,そ. のいろいろは,ま るで秋の紅葉 を風が吹 き. とを僕 に送 って よこ したの と真率 な 国 だ。 (小 さき〉. (31) その後 は岡安 も諦めたのか,し いて会 わせ. ひるがえす ばか りだった。〈 新源氏). (24) 運命 は彼が表面的に望 んでいた もの をすべ て与 えた。陰険に皮肉に与えて くれた。 (沈 黙 )(「 ヤ リモ ライ 十与 える」の承接 は. 不可能). よ う とはせ ず ,差 入れ の 品だけ を部屋 ヘ 届けて よこした。 (さ ぶ〉. (32) 黒が炊事室 の建物 の陰か らわずかに手 をだ してみせ ,大 丈夫 だ ,と し らせ て よ こ し た。. 「テアタエ ル」 の実例 をみると,前 項動詞には,モ ノの生 産 を表す 「買 う,書 く」 (例 (21)(22))な ど の 生 産 動 詞 ,モ ノの 授 受 を 表 す 「 与 え る 」. 「テ ヨコス」 は,「 テアタエ ル」「テワタス」 に比 べ. (伊 l. る と,抽 象的 な ものの授受 (例 (32))等 もあ る こ. (24)),対 象変化他動詞 の「脱 ぐ」 などが来やす い。. と,格 支配が前項動詞 に従 っているのか,「 よこす」. また,例 (23)か ら分かるように,「 舎人たちに」 の 二格 は,前 項動詞 の「脱 ぐ」ではな く,「 あたえる」. によるのか,不 明 ではあること,前 項動詞 と「 よこ す」 との関係が時間的継起関係 を成 してい ないこ と. の要求する格 である ことが分かる。. 等 の理由か らして,補 助動詞構文に近づいてい る形式. ,. である とい えよう。 4。. 1.2「 テワタス」. (25). しか し,本 動詞 「アタエル,ワ タス」が補助動詞形. そ して,与 平 に挨拶 をし,持 っていた包み. 式 として使 われた際,新 しいモノの生産,対 象変化 を. をあけて,少 ない けれ どみなさんでひ と口. 表す前項動詞類 と共に使 われ,新 しいモノの授受 を表. ず つ ,と 云 い なが ら 切餅 の包み を取 って 渡 し,あ との包み を持 って栄二のほ うへ 来. してい る点で,補 助動詞 の文法化 の初期段階を表 して い ることが分か り,こ の現象 は,「 テアゲル」「テクレ.
(6) 甲南女子大学研究紀要第 46号 ル 」 にお い て も,モ ノの 授 受 を表 す 例 は ,文 法 化 の 初. 文学 。文化編 (2010年 3月. (33)■ 七 祖司せ♀ (chonebadun/手 渡 して もらっ た)毅 Ol斗 嘲 電立三 司詈 キ 鎖鎖立 。■可 ス1子 を (通 帳)会 ヨ署司せ〇卜(dhedOryobadゴ 返 して貰って)ユ 号スI Ell刹 司頭■. 期段 階 で あ る こ とを物 語 って い る とい え よ う。. 4。. 2. ). 韓 国語 の 「PATTA」. .. 日本語において,や りもらい動詞 「やる. (あ. げる). (34)月 1叶 Il° l鍬 嘔 計晉 (作 品)舎 列1。 l口 1. 011ttql. /く れる/も らう」 は,物 の授受 を表す と共に,様 々. バ七 ユ 嘲三 〇101せ 。卜 (iobadゴ 受 け継 い で. な動詞 と結合 して,利 益行為を表す文法形式 として発. もらって)せ 電三朴 殻Ol立 通 ≧司理 よ。卜(ml町 obadゴ 譲 って もらって )オ ス1ユ 入1召 敷 嘔 号 ュ. 嘲フトユ (35)。 卜. 達 してい る。 韓国語 にお い て も,「 子叫CHUDA」 動詞 は,日 本 語 と同 じく,物 の授受 を表す と同様に,様 々な動詞 と 結合 して,利 益行為 を表す文法形式 として発達 してい. 咀 嘔■. (鏡 )三. u朝. 賛o卜 彗書 .…. (36)司 1ユ 鍬嘔 を手舎 ♀冽 到 ユ七. 金 (桂 ユ. 1司. る。 しか し,日 本語 の「 もらう」動詞に該当す る韓国. ン・人名)1舎 唱冽せ〇卜 (nomgyObad″ 渡 して. 語 の「せ■ PATTA」 の場合 は,授 受動詞 としては. もらい)立 暑舎ユ三 司書到 望子J詈 頚■. ,. 生産的に使われるが,利 益行為 を表す文法形式 として. (日. paki/渡. 本語 ・韓国語 ・英語の授受動詞〉. 日本語. 韓 国語. dJlせ フ1(gome してもらうことに)三 殻嘲. (37)社 子■司1嘔 司 そ ■. は,発 達 してい ない といわれてい る。. ... (本 )舎. .. 韓 国語 の「A PATTA」 構 文 は ,日 本語 の 受益構 文 とは対照 的 に生産的で はない 。 しか も,こ れ らの動詞. 英語. も物 の授受性 が残 っている動詞 で あ るので ,授 受性 を. くれ る くだ さる. 子■CHUDA 千人1■ cHuSIDA. やる あげる さしあげる. 丁叫 CHUDA. り,物 の授受性 の 延長 に存在 して い る程度であ る こと. 三 司■ TURIDA. が言 える。例 (33)は 「子を (通 帳 )」 ,例 (37)は. もらう いただ く. せ■ PATTA. GIVE. 色濃 く持 って い る前項動詞 に限 つて受益 が存在 してお. ,. 「 硼 (本 )」 とい う,モ ノの 授 受性 が 大 い に残 って い. RECEIVE. る。韓 国語 の 「A PATTA」 構 文 は ,日 本語 の 受益構 文 とは対照 的 に生 産的 ではない に も関わ らず ,実 例 を. (1979:25)に も,「 ところが ,朝 鮮 語 に は 「 ∼ て もら う」 にあ た る表現 が な い 。 PATTAは あ る. みてみ る と,モ ノの授 受 に関係す る場合 は,成 立す る. が ,そ れ を補助動詞 として使 う こ とがで きない 。 つ ま. 日本語 の「テ ワ タ ス ,テ ア タエ ル 」,韓 国語 の 「A. り朝鮮語 で は受 け手主語 の恩恵授受構 文 はな い わけで. PATTA」 の 存 在 は ,補 助 動 詞構 文 の 文法化 を連続 線. あ る」 の よ うな指摘 が あ り,韓 国語 の 「せ叶 PATTA」. 上 の もの として捉 える際 ,そ の初期段 階 の 設定 を裏付. 構文 が補助動詞構 文 と して発達 して い ない こ とについ. ける根拠 となる と考 え られ る。. 奥津. ことが 分 か る。. て言 及 して い る。. (2000:H5)で は,「 恩 恵 を表 す補 助 動 詞 表現 は韓 国語や タイ語 な どに も見 られ ますが ,英 語 な 庵. 主な参考文献. 他. どの西洋語 には見 られ な い表現 です。 韓 国語 の授受表 現 は「 (∼ て )や る」 と「 (∼ て )く れ る」 の 区別が な く,ま た補助動詞 と して の「 ∼ て もらう」 の 用法が な い な ど,細 部 で は 日本語 の それ とは違 ってい ます」 と い った言 及 もあ る。 しか し,実 際 ,例 文 を集 めてみ る と,「 A PATTA」 の形 で 使 われ る例 を見 つ か るこ とがで きる。 しか し. 他 (2000)『 日本語文法ハン ドブック』 スリーエー不ットワーク 影山太郎 (1993)『 文法 と語形成』 ひつ じ書房 庵. 仁田義雄 (1995)『 複文』 くろしお 山田敏弘 (2000)「「連載 日本語におけるベ ネファクテ イブの記述的研究」『日本語学』2000.Ho VOL。 19 7。l嘔 嘔電 子■Oll嘲 せ 電子 ト 斗 (姜 )(1998)『 号Ol到 =ス ト(韓 国 (国 語の動詞連結構成に関する研究)』 せ号モ斗ス 文化社). ,. これ らの例の共通点 もや は り,具 体物 の授受 であ る こ とが分か る。. 用例 出典 日本語 :新 潮文庫 100冊 CD 韓国語 :を. (姜 )(1998:56).
(7) 李. 廷玉 :補 助動詞構 文 の文法化 の初期段 階 の設定 につ い て. 1)影 山 (1993;10∼ H)は ,語 の 形 態 的 な緊密 性 と し て ,形 態 的 な不 可 分性 ,統 語 的要 素 の 排 除 ,外 部 か ら の修飾 の禁止 ,語 彙照応 の制約 を挙 げて い る。 2)影 山の用語 で本稿 のテ形補助動詞 に当た る。 3)例 (4∼ 10)は ,影 山 (1993:170∼ 172)か らの引用 であ る。. 4)仁 田 (1995;107)「 (時 間的継起 )の 典型 は,シ テ節 と主 節 が と もに意志 動 詞 で 形 成 され ,両 者 の 主 体 が 同 一 の もの で あ る。 無 意志 動 詞 で の 形 成 や異 主体 の 可 能 性 の 高 さは,(起 因的継起 )を (時 間的継起 )か ら分 か つ一つ の特徴 であ る」 との指摘 を受 けて の作例 であ る。.
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Soit p un nombre premier et K un corps, complet pour une valuation discr` ete, ` a corps r´ esiduel de caract´ eritique positive p. When k is finite, generalizing the theory of
Correspondingly, the limiting sequence of metric spaces has a surpris- ingly simple description as a collection of random real trees (given below) in which certain pairs of
Using the batch Markovian arrival process, the formulas for the average number of losses in a finite time interval and the stationary loss ratio are shown.. In addition,
[Mag3] , Painlev´ e-type differential equations for the recurrence coefficients of semi- classical orthogonal polynomials, J. Zaslavsky , Asymptotic expansions of ratios of