国外ニュース サモア 長野県看護大学 基礎看護学講座 准教授 宮越幸代 復興 をめ ざす現地 をサイ クロンが直撃 日本が総選挙で沸 いて いた 12月 13日 、サイ クロン・ エ ヴ ァンが南大洋州 を襲 った。そ れか ら一週間、 日本の政権交代が決定的 となった頃、サモアでは死亡者
5名
、行方不明者 12名、被害総額約 ■0億
円 とい う大被害が もた らされて いた。2009年
の大津波か らの復興 をめ ざ してきた南海岸は、エヴァンの上陸 とともに竜巻 に見舞われ、多 くの家屋が跡形 もな く倒壊 した。首都では氾濫 した河川が大人の胸 まで達す る濁流 とな り、8月 に現地で私たち を歓迎 して下 さった看護学部の教員2名
の集落を根 こそぎ流 して しまった。 被災地へ の救援物資支援 の難 しさ 現地 の新 聞社 によ るネ ッ トニ ュースで は、保健省 はただ ちに被災者 に対 す る健康 チ ェ ッ クを開始 し、今後 は食糧や飲料水、衣類、寝具、安全で衛 生的な環境、持病 を抱えた人々の 医療 ケア、感染や事故 の防止対策 、心理的サポー トな どが必要だ と報 じて いる。熱帯のサモ アで は温度湿度共 に高 い時期 を迎 え、水害後 の感染症 の蔓延が懸念 され る。サモ アは絶海 の 孤 島で ある。医療 スタ ッフは足 りて いるのだ ろ うか?避
難所での予 防接種 プ ログラムは即 刻 開始 されただろ うか ? 被災後1週
間以内にサモアを支援す る複数の国際機 関 による支援会議が招集 され、 日本 政府 もテ ン トやポ リタ ンクな ど 1,000万 円相 当の緊急援助 を決定 した。しか し、海外か らの 支援物資が被災者 の手 に届 くのはいつだろ う。現地 の看護教員 らは、避難所 とな ったナース ホールで300名
ほ どの被災 した女性や子 どもに健康管理の活動 をしてお り、特 に車いすが 不足 して いるため寄贈 を求めて いるとい う。そ の要請 に応 える手段 を探 してみ るが、輸送費 の高額 さや混乱 した現地の様子 を考 える と、車 いす一つ提供す る ことさえ容易ではない こ とに改めて気づか され る。 経験か ら得 られた知見 を今 こそ看護 に 現地では被災後1週
間た つて も電気や水道が復 旧せず、数千人 もの被災者が国立病院や 地方 の診療所 に密集 したため、政府 は「最寄 りの教会な どへ の避難 を勧 め る」と呼びか けて いる。しか し、被災直後 に人々がめざしたのはやは り医療機関だつた。津波被災の直後、遮 る もの もな い病院の廊下や床 に ご遺体や茫然 とした被災者が あふれた報道写真の記憶 と、 悲 しみ と不安 に暮れ る人々のケアに再び奔走す る看護師 らの姿が浮かび上が る。 私 たちがサモアを訪ねた とき、各地で避難進路 を示す看板 を見か けるよ うにな った。しかし、地区毎の避難場所の指定、物資の備蓄、交通手段の確保、医療人員の配置な ど、津波の 経験 は今回のサ イ クロン被害への備 え に どの程度活か されただ ろ うか。教員や現地 の看護 師 に、災害看護の協 同的な取 り組み を しよ うと呼びか けなが らも、具体 的な方策 に踏み こめ な いで いた 自身の気概 のな さを痛感する。被災経験か ら得た知見 を共有 し、看護 を通 じて 人々の命 を守 る使命を発揮す るための行動力が今 こそ求め られている。