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【ウロ・ナースがコントロールする院内感染】 感染予防におけるナースの役割

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Academic year: 2021

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(1)

は じめに 消毒や殺菌方法の開発、抗生物質の発見に加 え、公衆衛生の向上によつて、感染症は

20世

紀の前 半までに制圧 されたかのよ うに考え られていた。 しか し、今世紀の後半は抗生物質に対 して耐 陛をも つ細菌が出現 した り、従来病原性 をもたない細菌が感染源になるな ど人 と細菌微生物 とのあ らたな闘 いが再び女台まった といえる。 院内感染は病院の中で起 こった感染

,病

院で受 けた感染 と定義 されてお り

,入

院す る以前には細菌 も感染 も存在 していないことを意味 している。忠者は何 らかの治療 を目的 として入院す るわけである が

,忠

者 自身は感染 を受 けやすい状態 にある場合 が多い。また

,近

年高齢化が進んでお り

,感

染 に対 す る抵抗力が弱い高齢者 の入院 も増加 している。 さらに忠者が受 ける治療処置は忠者 に とって侵襲的 なものが多 く

,感

染 を起 こしやす くす る条件を さらに与 えることになつている。院内感染は忠者 間だ けでな く

,医

療関係者

,病

院職員や面会者 にも起 こる可能性があ り

,複

雑な様相 を呈 している。 院内感染に罹患す ることは

,忠

者 自身の苦痛や負担はもちろんであるが

,入

院期間の延長

,医

療費 の増額

,ま

,医

療訴訟 な どは病院経営上にも大きな問題 となることか ら院内感染の予防は最優先 さ れなければな らない。 ナースはつねに忠者の身近にいて

,忠

者の生活の援助やケア

,処

置を行 つている。 このなかで忠者 の安楽を確保 し

,院

内感染か ら忠者 をまもるのはナース重要な役割であると考える。 ここでは感染 を 起 こす過程 にそつて

,院

内感染防止 におけるナースの役割 を述べ る. 感染 を起 こす過程 感染が成立す るには図1に示す よ うに6つの要素がある。病原微生物

,保

菌場所

,排

出経路

,伝

藩経路

,侵

入経路

,感

受性のある宿主である。 速 や か に正 しい同 定 感 受 性 あ る宿 主 (要 因) 年 齢 免 療 力低 下 (白 血 病 、 放 射 線 治 療 免 療 抑 制 剤 、 ス テ ロイ ド剤) 栄 委 不 良 慢 性 疾 患 (構 尿 病 、 癌 、COPD) 皮 膚 の 損 傷 (熟 傷 、 褥 着) 手 術 や 侵 盤 的 処 置:カテ ー テ ル 挿 入 挿 管 常 在 百 叢 の 変 化 :抗生 物 質 管 理 清 浄 化

Hr―

1普

2ル 無 酉 操 作 カ テ ー テ ル の ケ 創の ケ ア 手 洗 い → 消 毒 滅 菌 図1 感 染 を起 こ す 家 庭 と医 療 関 係 者 の 介 入 (文南犬2よ り改 変) 毒 ・ 殺 面 隔 離 品 の 取 扱 い の コ ン トロー ル ル ブ レコー ン ヨ ン 粘 膜 侵 入 経 路 呼 吸 器 )肖イと管 泌 尿 生 殖 器 損 傷 した 皮 膚 病 原 微 生 物 細 西 ウ ィル ス 真 酉 リケ ッチ ア 原 虫 排 出経 路 排 泄 物 分 泌 物 皮 膚 動 物 医療 器 具

鋤一勤︺

直 接 間 接 (手,衣類,寝具,医療 器 具) 飛 沫 空 気 感 染 媒 介 感 染 動 物 食 物,血液,栗剤 伝播経路 接触 感チ楽

(2)

1.病

原微生物 感染は病原微生物が人の体内に侵入 。増殖 して

,人

に有害な影響を与えることと定義 されている. 病原微生物が進入 し

,増

殖す るだけでは感染 とはいえない

.し

か し感染が成立するためには

,病

原性 のある細菌微生物の存在が必須であ り

,そ

れぞれの特性 と毒力や量が感染 に影響 を与 える.

2.保

菌場所 病原微生物が生息 し栄養 を得て増殖 して

,宿

主に侵入す るまでの間

,待

機 できる場所で

,人 ,動

・ 植物

,水,医

療器具な どがある

.病

原生物 と保菌場所は感染源である。

3.排

出経路 病原微生物が保菌場所か ら出てい く経路である。病原微生物は保菌者の呼吸器

,消

化管

,泌

尿生殖 器 な どか ら分泌物や排泄物 としての他の宿主や環境 にまき散 らされ ることになる.

4.伝

播経路 病原微生物 を保菌場所か ら他の宿主に移送す る手段である

.伝

播経路には接触

,空

,媒

介感染が ある。病原微生物の伝播経路 として複数の経路が考えられ る。た とえば

,結

核菌は飛沫感染や空気感 染 によ り伝播す るし

,B型

肝炎 ウイルスは直接

,間

接的接触

,ま

た媒介物を通 して感染す る。それぞ れの病原微生物は特有の伝播経路 をもつていることを理解す ることは感染防止策 を立てる うえで重要 である。

5,侵

入経路 病原微生物が他 の宿主に侵入す る経路のことで

,呼

吸器

,消

化管

,泌

尿生殖器や損傷 された皮膚・ 粘膜な どである。

6.感

受性 のある宿主 健康な人は病原微生物に対 して

,局

所的全身的防御機能 をもつている。た とえば尿路に新入 した細 菌に対 して, ① 機械的排除 (排尿 とともに機械的に排除 され る) ② 局所的抗菌力 (尿道粘膜か ら免疫抗体 を分泌 して細菌の粘膜侵入 を阻止す る) ③ 全身的防御作用 (好中球やマクロファージーによ り細菌の貧食 。殺菌が起 こる) で発症を予防する。 しか し感受性のある宿主はこのよ うな局所的全身的防御機能が障害 された状態に ある。感染 に対す る感受性 を高める要因 としては

,年

,免

疫力 を低下 させ る疾患や薬物・治療 。手 術や侵襲的処置

,常

在菌叢の変化な どがあげ られ る。 院内感染の問題 病院は病気 をもつ患者 を収容 し治療 を行 つて,健康回復 の援助 を行 う場所である。しか し病院には, さまざまな疾患 をもつ忠者が限 られた空間に収容 され ることか ら

,患

者 は他 の忠者

,病

院で働 く医療 関係者や職員

,面

会者, さらに医療器具や病院の環境か らの感染の危険に曝 されている

.院

内感染 に 関す るアメ リカの調査によると入院忠者100人にたい して5。

7人

に院内感染が発生 していた と報告 さ れている (1974∼1983年

,ア

メ リカ合衆国

CDCに

よる調査)。 そのなかではいちばん頻度がたかい のは尿路感染で

42%.つ

いで手術創 の感染

,下

部呼吸器感染 (肺炎

)で

あつた (表 1). 表

1

部 位 別 院 内 感 染 の 頻 度

(文

献 3よ リー部改変) 尿路感染 手術創 の感染 下部呼吸器感染 菌血症 その他 42 24 ・1 5 ・8

(3)

感染予防 とコン トロールの方法 (図 1) 感染 を起 こす過程 (図

1)は

感染予防の枠組み として有効であ り

,こ

の過程にそつて感染予防 とコ ン トロールの方法を示 してある。 病原微生物に対 しては細菌学的検査 によ りすみやかに正確 な同定が必要 となる。そのためには

,感

染 を示す初期の徴候や症状について注意深 く観察 し

,感

染者 を早期に発見す ることである。 保菌場所に対 しては

,職

員の健康管理

,環

境の清浄化

,消

毒・殺菌の介入があげ られ る。保菌場所 となる病院環境は病原微生物の数をできるだけ少な くするとともに

,病

原微生物の生育を阻止 す るた めに清潔で乾燥 した状態を保てるよ うに注意す ることが重要である。また収容 され る患者の状態 に合 わせて清掃法を検討す る必要がある。排泄経路に対 しては

,手

洗い,つ 卜泄・分泌のコン トロール

,排

泄物や分泌物による汚染物の処理が重要である

.感

染源が明 らかにな り, どのよ うな病原微生物が ど こか ら排出され るかがわかれば

,そ

れ に沿つた予防方法

,対

策が立てやすい。 伝播経路に対 しては

,感

染忠者 の隔離

,食

品の取 り扱いや空気の流れのコン トロール

,ユ

ニバーサ ルプ レコーシ ョン

,ま

た排泄物や分泌物

,血

液に汚染 された場合 には

,手

洗 いや汚染物の消毒・殺菌 処理が必要になる

.ユ

ニバーサルプ レコーシ ョンは

,血

液 を介 して感染す る

IIBV,HⅣ

な どの予防 に対 して行われ るもので

,血

液お よび体液に接触す る可能性のあるときには手袋や保護 メガネをつ け ることが推奨 されている。病原微生物の存在が明 らかでない場合 には

,感

染 しているもの としての取 り扱 うことが看護者 も忠者 も守ることになる。 宿主の侵入経路に対 しては

,呼

成器

,消

化管

,泌

尿生殖器 な ど外部 と交通す る入 り口お よび皮膚の 損傷部か ら細菌 。微生物の侵入 を予防す ることが重要で

,創

やカテーテルのケアや無菌操作が必要で ある。皮膚 。粘膜の損傷は病原微生物の絶好の侵入経路 となるので患者の皮膚・粘膜 を保護 し損傷を 予防す ることは非常に重要である。尿道 カテーテルの挿入 はカテーテルが感染原 となるとともに

,尿

路の粘膜 を損傷す る二重の危険′性をもつ ことになる。 感受性 のある宿主に対 しては

,根

本的には基礎疾忠の治療が必要ではあるが

,宿

主の抵抗力 を高め るには能動免疫であるワクチンや トキソイ ドを使用 した り

,受

動免疫である免疫 グロブ リンな どの方 法がある。また必要 に応 じて感受性 の高い息者 を隔離す ることである。一方

,適

切な栄養

,睡

眠や休 息の促進

,休

虐、と運動のバ ランス も忠者 の抵抗力 を高めるために重要な援助である。この全過程 を と お して重要なことは

,忠

者お よび家族 に感染予防

,伝

播予防の必要性 と方法 を教育す ることである。 院内感染対策委員会 と

Infection Control Nurse(ICN)の

役割

院内感染対策委員会は医師

,看

護者

,薬

剤師

,検

査技師

,病

院事務員などによつて構成 され

,病

院 内で発生するさまざまな感染の対策や予防を目的 として活動する。

ICNは

看護婦(士)で

,さ

らに感染 管理に関する教育訓練 と経験を積んだ者で

,イ

ギリスでは1959年から認定が始まり, ① 感染率の低下 ② 感染防止のための院内各部の調整 ③ 感染防止のための啓蒙

を目的につ くられた感染管理専門ナースである。アメ リカでは Infection Control Practitioner (ICP)と呼ばれてお り

,必

ず しも看護職ではないが

,感

染管理の専門家である。

ICNは

感染射策委 員会の重要なメンバーであり

,次

のような役割を持つ. ① 患者・職員の感染に対するサーベイランスと分析 ② 効果的な感染対策の提示 ③ 感染防止のポ リシーの決定 と手順の作成 ④ 感染忠者の隔離対策や危険物の取 り扱いなどに対する相談 ⑤ 感染防止に関する職員への教育 ⑥ 日常的に実施 されている感染対策の評価 ⑦ 職員の健康管理に対するア ドバイスなど

(4)

病院で働 くナースは感染症 の発生や各科 の感染防止マニ ュアル の作成 な ど感染管理 の専門家で ある

ICNに

積極的に相談 した り

,ま

,ICNの

活動 に協力す ることが院内感染の予防 と管理 に と つて重要である。 日本でも感染管理認定看護師の教育 が平成

12年

度か ら日本看護協会で始 め られ ることになつてい る。 ■ 参考文献

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Surglcal Nurslllg

A,Nurshg PЮ

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3)VAス

トック (岩下雅通

,三

宅美訳

):看

護 のための病院感染ハ ン ドブ ック

.医

歯薬出版,1995.

4)小

林寛伊編 :感染対策ハ ン ドブ ック

.照

林社,1997.

5)ス

ーザン

Dシ

ェー ファー,他

C跡

寸龍子監訳):感染管理看護 の考 え方 と実際.医学書院

MYW,

参照

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