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健康先進国に求められる文化に即した保健医療―災害保健活動に焦点を当てて―

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Academic year: 2021

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J. Natl. Inst. Public Health, 68 (4) : 2019 291

健康先進国に求められる文化に即した保健医療

―災害保健活動に焦点を当てて―

丸谷美紀

国立保健医療科学院統括研究官

Culturally sensitive health care required for the healthiest country

– focusing on health emergency and disaster

Miki Marutani

Research Managing Director, National Institute of Public Health

<巻頭言>

「日本の防災テキストの通りに行動したら,私たちは死んでしまう」 アジアの留学生から打ち明けられた言葉である.彼女が日本から贈られた防災教則本には「地震が 起きたら机の下にもぐる」と書かれていた.しかし,母国は石造りの家が多く,地震の際に机の下に もぐったら,机もろとも押しつぶされて圧死してしまうということだった.「だから私たちは地震が 起きたら家の外にでるように教えられています」 建築物に限らず,各土地には独自の生活様式や物の見方・考え方があり,文化という言葉で称され ている.それらは時に災害への知恵も含んでおり,筆者らは文化に即した災害保健活動こそ人々のレ ジリエンスを高めると考え,その方法を追究している. 本特集号は,2018年 9 月と2019年 2 月に開催した「環太平洋島嶼国における地域の文化に即した全 人的災害時保健活動モデルの構築(文部科研費基盤B)」の公開検討会での講演を基に組み立てられ ている.文化人類学,コミュニティ学,災害看護学,文化看護学等の視点から 7 本の論文が掲載され ている.全論文に共通するテーマは言うまでもなく「文化」であるが,読み進めるうちに読者は深く 流れる別のテーマに気づくであろう.筆者の乏しい語彙力では,それは「愛」という言葉でしか表現 することができない.生きとし生けるものへの愛—保健医療の根源であり,健康先進国に求められる ものと思われる.非科学的とお叱りを受けるかもしれないが,愛を包んだ特集号をお届けしたい.

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