第6学年 学級活動(1)指導案 1 議題 「スマイリーな一日にするために、朝の◯◯タイムを決めよう」 活動内容(1) ア 学級や学校における生活上の諸問題の解決 2 議題について (1) 児童観 本学級の子どもは、これまでに「男女のきずなを深めよう」といった学級生活にかかわる議題や、 「運動会をみんなの力で盛り上げよう」といった学校生活にかかわる議題など、学校生活全体を意識 した話合い活動を行うことができるようになってきている。また、集団で話し合って決めたことを 実践することに喜びややりがいを感じ、学級や学校の生活を自分たちの手でよりよくしていこうと する意識も高まってきている。しかし、集団決定したことを仲間と協力して実践する一方で、学級 の中で仲間の悪口や悪い噂が聞こえ、安心して学級生活を送ることができないと感じている子ども もいることが現状である。 そこで、運動会で学校のリーダーとしての役割を果たし、学級や自分自身のことを落ち着いて振 り返ることのできるこの時期に本議題を取り上げる。そして、学級の一員として、問題に真摯に向 き合うとともに、仲間と協力して問題を解決し、学級の一体感を高めていく。このことは、子ども によりよく自己を主張する力を身に付けさせる上からも意義深い。 (2) 議題観 本議題は、男女間の閉鎖的な仲間関係から脱却し、学級全体としての仲間意識をもつようになっ たこの時期に、仲間の切実な思いに耳を傾け、自分たちの力で学級をよくしていこうとすることで、 自主的に話合いや実践に取り組むことができる議題である。また、自分たちの力で学級の切実な問 題を解決しようとすることで、学級目標のキーワードである「互いに助け合う」の実現を図ること もできる。 本議題を設定することで、学級生活の充実に関しては、仲間と共に学校生活を送る上で、一日の 始まりを笑顔でスタートさせる取組を創造するという学級独自の新しい文化をつくり出すことがで きる。また、学級の三分の一以上の子どもが感じている切実な思いのため、継続して取り組もうと いった、学級の生活を量的に広げることも可能である。学級生活の向上に関しては、勇気を出して 提案してくれた友達の思いを大切にしながら、学級から悪口をなくし、全員が笑顔で一日をスター トさせることができる取組や工夫を話し合うことで、自分の考えを積極的に伝えていこうとする意 識が高まる。加えて、自分たちで決めた取組を行うことで、自分のすべきことを進んで行う自主性 や自分にできることを考えて行動する自発性も高めることができる。 (3) 指導観 本議題の指導にあたっては、「学級から仲間の悪口や悪い噂をなくし、笑顔で学級や学校の生活を 送りたい」という思いの実現に向かうようにする。そのために、学級から悪口をなくし、全員が一 日を笑顔でスタートさせる取組や取組を充実させるための工夫を決める話合い活動を行い、自己の 主張を高めていけるようにする。 まず、事前の活動では、友達の悪口や自分の悪い噂が教室内で聞こえて、安心して過ごすことが できないという問題を学級で共有するために、提案者を中心に同じ経験者を募ったり、聞こえてく る言葉を出し合ったりして学級の実態を提示し、問題に対する意識を高めた上で提案を行う。次に、 学級から悪口をなくし、全員が笑顔で一日をスタートさせるために「何をするか」を一人一人が考 え、考えた理由と合わせて全体で出し合うようにする。そして、出された取組に対して質問し合う ことで事前に不明な点を明らかにし、自分が賛同する取組とその理由を経験と関係付けて考えてお くようにする。計画委員会は、出された意見を整理し活動計画をつくることで、話合いの見通しを もつことができ、意見の出させ方や折り合いの付け方等を事前に打合せをしておくことができるよ うにする。
次に、本時の活動では、「何を」を決める柱1、「どのように」を決める柱2の二つの柱の中に、 意見を「出し合う」「くらべ合う」「まとめる」段階を位置付け集団決定を図る。特に、柱1「何を」 を決める話合いの「くらべ合う」段階では、「悪口をなくす、笑顔になる、安心できる」といった提 案理由(目的性)を意識した活動行う。「まとめる」段階では、仲間とのかかわり(協同性)を意識 したり、自分たちの力で実現すること(実現性)を意識したりする活動を位置付け、全員が納得の いく集団決定を図る。各段階の具体的な活動を以下に示す。 ・くらべ合う段階・・取組の経験や取組のよさを感じた経験を根拠に主張する 【関係付ける】 取組を比べ、賛同する取組にあるよさを見いだし主張する 【比較する】 ・まとめる段階・・・相手の取組のよさを自案に取り入れ、折り合い案を主張する 【生かす】 相手の取組に条件を付けて、納得のいく折り合い案を主張する 【変える】 最後に、事後の活動では、集団決定した「何を」「どのように」に従って、必ず実現させるという 強い意志をもち、仲間と声を掛け合いながら取組を実践するようにする。 3 目標 ◯ 学級で安心して過ごすことができていない仲間がいる現状に関心をもち、問題を解決する取組 のよさを根拠とともに発言したり、取組を現実のものにしようと仲間と協力したりして、悪口を なくし、笑顔で一日をスタートさせる取組に進んでかかわろうとする態度を育てる。【関心・意欲・態度】 ◯ 悪口をなくし、笑顔で一日をスタートさせる取組のよさを、経験と関係付けたり、他の取組と 比較したりして主張しながら、自他の考えのよさを生かせる折り合いの付け方を判断し、取組を 成功させるために自分にできることを考えながら実践することができるようにする。【思考・判断・実践】 ◯ 全員が安心して過ごすことができるようにするためには、悪口をなくし、笑顔で一日をスター トさせる取組や工夫に対して根拠のある意見を積極的に述べたり、全員が納得のいく折り合い案 を考えたりすることが、問題の解決につながることを理解することができるようにする。【知識・理解】 4 計画 日 時 (計:計画委員会 提:提案者 活動の内容 全:全員) 指導上の留意点 【観点】(方法) 評価基準 事 前 の 活 動 全 問題の発見 ○「問題発見 シー ト」を活 用し、 様 々 な 場 面 か ら 問 題 を 発 見 し たり、声かけを行ったりするよ うにする。 ○月○日 中休み 帰りの会 放課後 計 計 全 計 提 議題の選定 議題の決定 第1回計画委員会 提案の仕方の打合せ ◯緊急性、相互性、実現性の観点 から選定させる。 ◯各 議 題に つ いて の 提案 理由 を 伝え、話し合う必要を感じる議 題を決定させる。 ◯話合いのめあては、これまでの 話合いの課題と、話合いの内容 から考えさせる。 ◯問 題 を学 級 全体 で 共有 する た めの方法を考え、今後の計画を 立てさせる。 ○ 学 級 や 学 校生 活 を 充 実 、 向 上 さ せ る た め に 、 解 決 す る 問 題 を 判 断 す る こ とができる。 【思考・判断・実践】 (観察・質問紙) ○月○日 放課後 計 提 第2回計画委員会 提案リハーサル ◯フ ロ アが 取 組を イ メー ジし や すいように、具体例を計画委員 会 が い く つ か 提 示 す る よ う に する。 ◯提 案 者の 気 持ち が 全体 に伝 わ るような伝え方を工夫させる。 ・話合いの柱 ・話合いのめあて ・学級会ノート作成 ・「何を」の具体例をつ くり、考えをつくら せるリハーサル ・今後の活動確認
○月○日 朝の活動 帰りの会 放課後 提 全 計 提案理由を伝える 「何を」を考える 第3回計画委員会 ◯全 員 と問 題 を共 有 する こと が できるように、学級の理想像と 現状を比較し、自分の思いと合 わせて提示させる。 ○提 案 理由 か らキ ー ワー ドを 抜 き出し、キーワードから連想さ れ る イ メ ー ジ や 活 動 を 広 げ さ せ、今回の提案理由に最も合っ ている取組を選ばせる。 ○出された取組を整理、分類し、 取 組 を 出 し て く れ た 友 達 と 各 取組を具体化させる。 ○「悪口をなくし、笑 顔 で 一 日 を ス タ ー ト さ せ る 」 た め の 取 組 を 提 案 理 由 と 関 連 さ せ て 考 え る ことができる。 【思考・判断・実践】 (学級会ノート) ○月○日 朝の活動 放課後 全 計 賛 同 する 取 組 と そ の 理 由を考える 第4回計画委員会 ○出された取組に対して、質問を して内容を確認し、自分が賛同 す る 取 組 と 理 由 を 経 験 と 関 係 付けて考えさせる。 ○出 さ れた 取 組に 対 して の意 見 を把握し、話合いの流れを考え させる。 ・意見の出し方 ・折り合いの付け方 ・最終的な決定の仕方 ○ 自 分 の 意 見を 経 験 と 関 係 付 け て 考 え ることができる。 【思考・判断・実践】 (学級会ノート) ○ 仲 間 の こ とも 意 識 し て 意 見 を 考 え よ うとしている。 【関心・意欲・態度】 (学級会ノート) ○月○日 放課後 計 第5回計画委員会 ○計画に基づいて、話合いの流れ や、話合いを深めさせる司会者 の 言 葉 の 入 れ 方 を シ ミ ュ レ ー ションさせる。 ○月○日 朝の活動 計 学級会リハーサル ○意 見 の整 理 の仕 方 と話 合い を 深 め さ せ る 言 葉 の か け 方 を 中 心 に 、 話 合 い の リ ハ ー サ ル を し、時間内に集団決定ができる ようにさせる。 ○月○日 第○校時 全 【議題】スマイリーな一日にするために、 朝の◯◯タイムを決めよう ○月○日 帰りの会 全 話 合 いの 振 り 返 り を す る ○振 り 返り シ ート を 使っ て観 点 ご と に 振 り 返 り を さ せ る よ う にする。 事 後 の 活 動 ○月○日 朝の会 全 取組を実行する順番や ペアを考える ○取組内容や工夫を確認し、1 分間で活動することができる ように全員でシミュレーショ ンを行う。 ○取組を成功させる ための自分のすべ きことを理解する ことができる。 【思考・判断】 (振り返りシート) ○決まった取組や工 夫を基に、自分に できることを判断 して実践に移すこ とができる。 【思考・判断・実践】 (観察) 全 取組を実践する ○決まったことを基に実行させ るとともに、子どもの活動が 活発になるよう、一緒になっ て取組を盛り上げる。 全 取組の振り返りを定期 的にする ○学級から悪口が減ったか、笑 顔で一日をスタートさせるこ とができているか、安心でき ているかを評価させるように する。 ・話合いカード作成 ・話合いを促す作戦 ・時間内に話し合う計 画 本 時 の 活 動 原案作成
5 本時の活動 (1) 日時・場所 平成○年○月○日(○)第○校時 於 第6学年〇組教室 (2) 主 眼 ◯ 教室から仲間への悪口をなくすために、一日を笑顔でスタートさせ、安心して学級生活を送る ことができる活動内容や工夫について話し合い、各取組のよさを生かし合った朝の活動の具体的 な内容と活動を充実させる工夫を集団決定することができるようにする。 ◯ 活動内容のよさや問題点を、提案理由のキーワード「悪口をなくす、笑顔になる、安心できる」 を意識して今までの活動経験と関係付けたり、活動内容を比較したりして明らかにし、仲間との かかわりや自分たちの力で実現することを意識して、相手の考えを取り入れたり、相手の考えに 条件を付けたりして話し合うことができるようにする。 (3) 評価基準〔評価方法〕 関心・意欲・態度 〔発言内容・観察〕 〔発言内容・学級会ノート〕 思考・判断・実践 〔発言内容・振り返り〕 知識・理解 A 学級の問題に関心をもち、 問題を解決する活動のよさを 自分の経験と関係付けたり、 比較したりしながらいくつも 考えて積極的に主張し、自他 の考えを生かし合えるように 話し合おうとしている。 悪口 をな くす 活 動のよ さを 自分の経験と関係付けたり、他 の取 組 と 比較 し た りし な が ら 考え、他の活動の多様なよさを 生か し 合 える 折 り 合い の 付 け 方を判断し、合意形成を図るこ とができる。 学 級 の 問 題 を 解 決 す る に は、経験と関係付けた根拠あ る意見や比較して見いだした 意見を積極的に主張したり、 全員が納得する折り合い案を 主張したりすることが必要で あることを理解している。 B 学級の問題に関心をもち、 問題を解決するための活動の よさを自分の経験と関係付け たり、比較したりしながら主 張し、仲間の思いも生かしな がら話し合おうとしている。 悪口をなくす活動のよさを 自 分 の 経 験 と 関 係 付 け て 考 え、互いの活動のよさが生き るような折り合いの付け方を 判断し、合意形成を図ること ができる。 学級の問題を解決するため には、根拠のある意見を主張 したり、全員が納得すること ができる折り合い案を述べた りすることが必要であること を理解している。 C 学級の問題を解決するため の活動のよさを自分の経験と 関係付けて述べ、話し合おう としている。 悪口をなくす活動のよさを 考え、互いのよさを生かそう とする折り合いの付け方を判 断することができる。 学級の問題を解決するため には、根拠のある意見を主張 することが必要であることを 理解している。 (4) 準備 ◯ 司会グループ・・・司会進行カード、記録ノート、板書用短冊、ベル、ストップウォッチ ◯ フロア・・・・・・・・・学級会ノート、折り合いカード (5) 提案理由 「友だちから何か言われるのが嫌だから、本当のことを言うことができない」「教室のどこかから 友達の悪口が聞こえてくると、次は自分なのではないかと不安になる」みなさんはこのような経験 はないですか。今わたしはこのような状態です。このままでは、毎日を楽しく過ごすことができま せん。そこで、一日の始まりの朝の会で、みんなが笑顔になって、一日を楽しく過ごすことができ るようなことをすれば、教室から悪口も消え、不安な気持ちもなくなると思って提案しました。
(7) 教師の計画 ○ 予想される活動案と意見 ○ 予想される話合いの流れ 話合いの流れ 具体的な手立て 1 はじめの言葉 2 司会グループの自己紹介 3 議題と提案理由、話合いのめあての確認 4 決まっていることと話合いの進め方の確認 5 話合い 【くらべ合う段階…意見の差異点から各方法のよさを理解し合う】 ○目的性を重視したくらべ合い→協同性・実現性を重視したくらべ合い 【まとめる段階…互いの意見を認め合い、よさを生かし合う】 ○三つの観点を意識して取組をまとめる 6 決まったことの確認と振り返り 7 先生の話 8 おわりの言葉 ○ 活 動 計 画 を 事 前 に 全 員に配布し、本時の流れ を把握させ、本時は確認 を行うようにする。 ○ キーワード 「笑顔になる」「悪口をな くす」 ○ 出 さ れ た 意 見 の 共 通 点 と 差 異 点 を 明 ら か に するために、その取組に し か な い 意 見 の カ ー ド を下げ、よさを見いだし やすくする。 ○ 自 分 が 賛 同 す る 意 見 にこだわらず、両案を協 同性、実現性の観点から 比 較 す る よ う に 司 会 が 促すようにする。 ○ 個 人 で 折 り 合 い 案 を 考えさせ、考えが浮かば な い 人 は 司 会 グ ル ー プ が サ ポ ー ト を す る よ う にさせる。 ○ 少数取組賛同者に、必 ず 確 認 を 行 い 決 定 さ せ るようにする。 〇 内 容 ご と に 決 め る 工 夫 を 司 会 グ ル ー プ で 事 前に考えておき、フロア に 提 示 す る よ う に さ せ る。 どんなよさを書くのか ・みんなのお手本になっている行動 ・その人が頑張っていること、いたこと 〔柱①〕友達のよさを書く方法を考えよう。 相手の意見を生かす活動(A) できるだけ その人 にしかな い よさを書 きたいので、班で1番に来た人が、名前 カードを引いて書く相手を決めておく。 相手の意見を変える活動(B) 誰かに書くのを頼るのではなく、男 女関係なく積極的に意見を出し合って ほしい。 予想:グループでよさを書き、全員が発言をした中からよさを選ぶ 〔柱②〕取組原案をもとに、提案理由にあった工夫を考える。 A:グループで4つよさを考える 日直が名前カードを引き、各班に一人ずつよさ を見つける人を決め、班でその人のよさを出し合 う。手元に残るカード数 4枚×6週=24 枚 B:一人でよさを考える 登校したらすぐに名前カードを引く。そして、朝 の会までによさを考えておき、朝の1分間でその人 へのメッセージを書く。手元に残る枚数 ○枚 一回に書く枚数 ・その人に当てはまるよさを見つける ので、3枚でもいいのではないか。 似ている工夫は合わせ、反対がなければ全部採用する。 A:グループで4つよさを考える ・仲間と話すことで、自分では気 付かなかったよさが分かる。 ・みんなでよさを見つけてくれ、 理解してくれることが嬉しい。 ★友達の多様なよさが分かる B:一人でよさを考える ・相手を理解しようとする意識が 一人一人についてくる。 ・今までの思いを自分の言葉で伝 えることができる。 ★思いを込めることができる ・朝の時間で終わることができ、 忘れることがない。(実) ・休んだ時も仲間がカバーしてく れる。(協・実) ★仲間とかかわれ、継続できそう ・苦手な友達にもかかわっていこ うとする。(協) ・伝えたいことが伝えられ、今後 の会話が充実する。(協) ★相手とのかかわりは生まれるが、 継続することが難しそう 目的性 協同性 実現性