第3・4学年 道徳学習指導案
1 主題名 思いやりの心で 資料名「おじいさんの顔」(文溪堂) 内容項目 2-(2) 相手のことを思いやり、進んで親切にする。 2 主題設定の理由 ○ 本学級は、3 年生 6 名、4 年生 6 名の複式学級である。子どもたちは、困っている友達がいると 声をかけたり、手助けをしたりすることができ、友達に対する思いやりの気持ちを持つ姿は育って きている。しかし、自分に余裕がないときや、自分との関わりの少ない人が困っていても、見て見 ぬふりをしてしまったり、好き嫌いや利害によって接し方を変えたりしている。特に、高齢者や幼 児、見知らぬ人に対しては、「困っているんだな。」「手伝ってあげたいな。」と思う気持ちは持てて も、相手の気持ちを推し量って親切な行為をするまでには至っていない。 そこで、自己中心的な行動が多く見られた低学年期から、自分自身のことだけでなく、まわりの ことが考えられるようになるこの時期に、相手の現在の状況、困っていることなどを考え、相手の ことを思いやる親切な行為の大切さについて学んでいくことは意義深い。 ○ 本主題は、第3 学年及び第 4 学年の内容における視点2「主として他の人とのかかわりに関する こと」の指導項目(2)「相手のことを思いやり、進んで親切にする」に相当する内容である。 人間は、一人では生きていくことができない。常に多くの人に支えられて生きている。だからこ そ、お互いを認め合い、いたわり合うことは、人として生きていく上で、大切なことである。「思 いやる」ということは、単にその人の気持ちを「思う」だけでなく、その人の現在の状況、困って いること、大変な思いをしていることなどを想像し、理解することである。そして、思いやりの心 が具体的行為になったものが親切である。しかし、相手の身になって考えることができても、親切 にするという行為はできるようでなかなかできることではない。どんな時にも、相手のことをよく 考えた思いやりの心を持ち、進んで親切な行動をすることが大切である。 1 学期に行った「ぐみの木と小鳥」の実践では、自分や友達の中にも思いやりの心があることに 気がつき、友達に対する思いやりの心は少しずつ育ってきた。そこで、今回は思いやりの心を仲の 良い友達だけではなく、困っている人に広げ、相手の心情を考えながら親切をしていこうとする気 持ちを高めていきたい。 ○ 本資料は、夏の暑い日、混み合う電車の中でようやく座ることができた「ぼく」の前に、大きな 荷物を持ったおじいさんが立つ。「ぼく」は、おじいさんに席を譲ろうかどうしようか迷ったが、 結局、隣の人がおじいさんに席を譲ってしまう。本資料には、席を譲ることは親切なことであると 理解しているものの、譲ることができない「ぼく」の心の弱さが描かれている。普段の生活の中で、 子どもたちは親切な行為にまで至らなかった経験をしており、親切ができなかった「ぼく」の気持 ちに寄り添いながら考えることができるであろう。本資料を通して、困った人に親切にすることが どんなに大切なことであるか気づかせ、実践していこうとする意欲を持たせたい。 指導にあたっては、きづく段階で、事前にとっておいたアンケートを提示し、めあてをもたせる。 とらえる段階では、資料を読み、電車の中の混雑状態や、やっと座ることができた「ぼく」の気持 ちを捉えさせておく。そして、お年寄りの体の不自由さを感じることができたシニア体験を思い出 させながら、おじいさんの気持ちを考えさせていきたい。席を譲ろうかどうしようかと迷っている 場面では、シーソー図を使って、主人公の心の揺れを考えさせていく。また、席を譲ってもらい、な か よ し 集 会 自 分 た ち で 議 題 を 出 し 合 い 、 学 級 活 動 の 話 し 合 い に よ り 、 開 く こ と が で き る 集 会 活 動 嬉しそうにしているおじいさんの顔を見たときの「ぼく」の気持ちを出させることにより、価値を 高めていきたい。みつめる段階では、今までの親切にできた体験やできなかった体験が書いている 「体験カード」をもとに、自分自身を振り返えらせる。そして、グループの友達と意見交流する中 で、自分の心の中にある価値を内面化させていきたい。高める段階では、心のノートや保護者から の手紙を読むことにより、思いやりの心を持って困った人に進んで関わっていきたいという意欲を 高めることができるようにする。 道徳の時間において、「振り返りカード」を記入し、自己評価をさせる。児童のワークシートや 表情、行動など児童観察を行い、ねらいが達成されているかを評価するものとする。また、事後で は、学習したことが実践に役立っているか犀川園を訪問した際に、子どもの姿を見取ったり、感想 を書かせたりする中で一人一人の成長した姿を褒め、励ましていきたい。 3 活動構成の工夫 【体験活動】 【道徳の時間】 【体験活動】 総合的な学習の時間 わたしたちのやさしさみつけ 犀川園訪問し、お年寄りの気持ちを考 え、親切にすることができる。 思 い や り ・ 親 切 ポ ス ト 友 達 や 自 分 の 親 切 な 行 為 を 見 つ け 、 学 級 内 の ポ ス ト に 入 れ る 活 動 総合的な学習の時間 わたしたちのやさしさみつけ シニア体験(目が見えにく い体験・耳が聞こえにくい 体験・体が動きにくい体験) をし、お年寄りの気持ちに なって体験する活動 道徳の時間 主題名「思いやりの心」 資料名「ぐみの木と小鳥」 小鳥の行為や気持ちについて話し合うことによ って、困っている人に対して、進んで親切にしよ うとする心情を育てる。 総合的な学習の時間 わたしたちのやさしさみつけ 犀川園のお年寄りに大型カ レンダーを届ける活動 総合的な学習の時間 わたしたちのやさしさみつけ 犀川園のお年寄りに手紙を 書く活動 な か よ し 遊 び 毎 週 水 曜 日 の 昼 休 み に ク ラ ス 全 員 で 一 緒 に 遊 ぶ 活 動 道徳の時間 主題名「思いやりの心で」 資料名「おじいさんの顔」 「ぼく」の気持ちを自らの体験と関連づ けて考えることにより、相手のことをよ く考えて、親切に行動しようとする態度 を育てる。
4 本時の計画 (1)ねらい 「ぼく」の気持ちを自らの体験と関連づけて考えることにより、相手のことをよく考えて、親切に行 動しようとする態度を育てる。 (2)準備 読み物資料「おじいさんの顔」、場面絵、シーソー図、ワークシート、体験カード 「ふくらまそう!みんなの心カード」、保護者からの手紙、心のノート、振り返りカード (3)展開 段階 学習活動と意識の流れ 教師のかかわり(支援・援助) き づ く 1.本時のめあてをつかむ。 ・アンケートの結果を提示し、価値への 方向付けを行う。 と ら え る 2.資料「おじいさんの顔」を読んで、話し合う。 (1)電車を待っていた「ぼく」の気持ちを考える。 ○「ぼく」はどんな気持ちで電車を待っていたのだろ う。 ・暑いなぁ。早く来ないかなぁ。 ・早く乗って席をとろう。 ・きついなぁ。 (2)ようやく座ることができた「ぼく」は、どんな 気持ちになったか考える。 ○ようやく座ることができたとき、「ぼく」はどんな 気持ちだったでしょう。 ・きつかった。これでやっと楽になれる。 ・足が痛い。座れてよかった。 ・これで一安心だ。 (3)ため息をつきながら立っているおじいさんを見 た「ぼく」の気持ちを考える。 譲る心 ・おじいさんの方がぼくより疲れているみたいだから 譲ってあげよう。 ・おじいさんの体は、とても重いんだ。だから、ぼく が代わってあげようかな。 譲れない心 ・そのうちどこかが空くだろう。 ・資料を事前に読ませておき、登場人物 の心情が捉えやすいようにしておく。 ・暑い夏の日の、ホームの混雑状況など を想像させ、早く電車に乗って座りたい と思っている「ぼく」の気持ちに共感さ せる。 ・初めは、座れずにいたが、やっと座る ことができたときの気持ちを十分に捉 えさせる。 ・シーソー図を使って、譲ろうと思って いてもなかなか譲ることができない「ぼ く」の心の葛藤に共感させ、価値に迫る ようにする。 ・自分の生活経験と重ねて、親切にした い心はあっても、行動に移すことができ ない内面を持っていることに気づかせ る。 ・シニア体験と関連づけて発表させるこ とで、おじいさんの気持ちに寄り添い、 自分自身の心の変化に気がつくように させる。 めあて 自分が持っている親切な心をふくらませよう。 ◎ため息をつきながら立っているおじいさんを 見て、「ぼく」はどんな気持ちになったでしょう。
と ら え る ・ぼくもきつい。誰か他の人がおじいさんに変わって あげればいいのに。 ・声をかけるのもはずかしいし、知らんぷりしていよ うかな。 (4)席を譲ってもらったおじいさんを見たぼくの気 持ちを考える。 ○席を譲ってもらって、にこにこしているおじいさん を見た「ぼく」は、どんなことを考えたのでしょう。 ・にこにこしているおじいさんを見て、やっぱりぼく が譲ってあげればよかったと思った。 ・今度はぼくが、おじいさんのにこにこと喜ぶ顔がみ たいな。 ・今度は、譲ってあげたいな。 ・友達の発表を聞いた後に、もう一度シ ーソー図を操作させ、気持ちの変化や気 持ちの深まりを実感させ、価値について 深く考えることができるようにさせる。 ・おじいさんの顔を見た「ぼく」の気持 ちを出させることにより、価値を高めさ せたい。 ・シーソー図を使い、「ぼく」の気持ち の変化をつかませることにより、価値に 気づかせる。 み つ め る 3.学習から見つけた心のよさを感じる。 ○今日の学習でふくらんだ親切な心について考えま しょう。 ・体験カードから自分自身の体験を振り 返ったり、学習をして膨らんだ心を「ふ くらまそう!みんなの心!カード」に書 いたりすることにより、自分の心の中に ある価値を内面化させる。 ・グループになり、「ふくらまそう!み んなの心!カード」をもとに意見を出し 合うことにより、親切な行動への意欲化 を図る。 た か め る 4.教師の話を聞き、本時のまとめをする。 ・心のノートや保護者からの手紙を読ま せることにより、思いやりを持って困っ ている人に親切にしようとする意欲を 高める。 ・振り返りカードを記入させることによ り、自分自身を見つめ直すことができる ようにする。