JAIST Repository
https://dspace.jaist.ac.jp/
Title
アウトカム概念の知識論と事例調査結果(<ホットイシ
ュー> イノベーションその計測・評価 (1))
Author(s)
平澤, 泠; 田原, 敬一郎; 川島, 啓; 野呂, 高樹
Citation
年次学術大会講演要旨集, 21: 131-134
Issue Date
2006-10-21
Type
Conference Paper
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/10119/6300
Rights
本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す
るものです。This material is posted here with
permission of the Japan Society for Science
Policy and Research Management.
アウトカム概俳の 知識論と事例調査結果
0 平
Ⅰ畢 冷 (
ナ レッジフロント ),田原敬一郎,川島
替,野呂
高樹 ( 政策科学研 )
実績
周 ・
があ り、 成果 ( 匹 oduc いと過程
る
実施前 実施後 公的費金を投入した
対象の実績
公的貸金を投入しな 比較対象の実績
@
比較対象の推定実績
一
次の目 (0@ 一 100 (0.1-0 い 。 Ol= 0a@ 0 , 4=<h であ ると仮定すると03
タ琵妾婁笘窩駕
n@?1
しちt
実施後
ⅠⅠ
図 2 実施の前後比較と 有無比較う --, つり視 点 は、 ヰ @ai ヂだ Ⅱ約や 口棚 に対 づ
図 l 実績の標準的な 概念区分
あ
る 一 131 一
実績の区分の 仕方として、
上記のような
原理的区分にはよらな
いで、 単純に現象論的に 区分する場合もあ る。 「直接/
間接」や、「短期
/ 中期 / 長期」等であ
る。しかしこの場合も、
厳密には何が
「直接」であ
るのか、「短期」とは
何年までであ るか等を明確にする
必要があ り、 このような現象論的区分概念は 便利ではあ っても大 雑把な議論にしか 適用できない。 ア原義
まず、 アウトフット (outp Ⅲ ) と対比させてアウトカム (Outcnme) の 原義を確認する。 辞書的に は アウトプットはに 出力」であ り、 アウトカ ムは「結果 @ であ る。 物理モデルで 考えるな 叫Ⅲ図
3) 、 だとえば、 発電機 げ ) アウト プ引、 は 電力であ り、 その電力 は ク-
ラーを動かして 空調機能を維 持したり、T
Ⅴを作動させ ニユ-
スや ドラマを提供じたり す る,発電 装置による「行為」は 外部装置 ( クーラー や 丁Ⅴ ) の ド で・様々な「結 果」を生み出す。 語義に合法れるニュアンスとしては、 アウト, アヅト は内部的 い n ㎏ r Ⅲ Tl) 活動で目らが 活動内容を制御できるのに 対し、 ァウ l 、 @J ム は外部㎏ xler-rlal) ㈲影響 卜で 生み出される 結果でわり、 アウトゾット 行為 ( 発壷機 に上ろ発電 ) からみれば ぞ ㈲内容を完全 には制御 " できない " このアナ は ジ-
は 評価における 成果㈲把握に おい "Ct, 用 しめれるこ 、 があ る ( だと」 - は C ㌢ RA) 。出力
""
Oll
ゆ。
@@l
図 3 物理モデルにおけるアウトカム 次に、 インカム (ir@co Ⅲめと対比ざせでアウトガム㈲ 語義を吟味し てみよう。 産業連関衷を 念頭においてアウトカム㈹ 概念を考える。 いわばレオン ヂェフモヂル ㈲アウトガムであ る。 図 4 に ボ じたように 産業連関の中に 在る或る活動五体を 想定 - づ " る @ そ ㈲活動七体に インブットⅠ nput 「人カ バ が 5. えられそのれ 為に上りアウトプットが 産出される。 産出された出力は 産業連関の連鎖を 経・ て 2 種類の結 果をもたらす , 第 t は活動主体にインカムとして㈲㌃ 結果」をもたら し、 第 2 にはその他の「結果」として㈲アウトカムを 連鎖システムに 提供する。 つまり、 レオンチェフモデルでは、 アウトプットは 産業連 関の連鎖の中でインカムとアウトカムに 変換され、 アウトカムは 自 己 以外の最終需要者にもたらされる。 この モヂル による場合、 アウ ト
カムは経済社会にもたらされる「結果」の
全てに相当し、
インパク
ト概俳は論理的に
存在しない。
@nC0 てれ e 市場内input@-@(111j@"@output
一一一一一一 市場覚 0 成す cnme 図 4 アワト カムの原義 ( レオンチェフモデル ) cnitfomfに相当ずる言葉はフランス
語には無く、
また英語の不
イティブスビーカにとって も 理解しにくい 語であ るという。 nl ょ tr.om ㎎ が理解しにくい 理由は、 それが特定のモノとか コト を 表 ず対象概念で は なく、 物理モデルやレオン ヂ
エフモヂル のような何らかの
論
理モ ヂル を前提にじた 概念であ るからであ ろう。 この 二と 沈また、 いかなる モヂル を下敷きにして 々引 、 カムの 語t
用いるかによりそ の定義が異なることを 意 映している。 評価の実務的現場において、 アウトカムの 語義が混乱するかなりの 原因は、 経済学 ヤ 経営学 竿 げ ) それぶれの デ 。 シプリンの内部で・ 般 的に用いら ネ,し -ひちモデ
ルにア 列 、 カムの語を当て はめ 、 その個別の語義を デイシ ブリンを 超えて使用していることにあ る。 R り 委員会 " で は 、 3 年にわたる議 論の人、 u@@tcor ㎎の酉の使用をやめ、 最近 丘篤 uit をその代わりに 用いることにじた " す かわら、 EU では、 成果㈹区分は 0utput, rcsult, inl 膵 ct であ る。 アウトカム概俳はモデル 依存の概念であ る。 どのような モヂル を 想定 し てアウトカム 概念を用いているかをまず 明らかにずる 必要 力 ; ぁ,る " 研究開発政策を 対象にずる場合、 借り物のモデルではな く、 対象に相応しr
モデルをまず 想定することが Si 要であ る。 研究明 発 評価にお @ ァる 成果概念の更なる 混乱の原因は、 研究事例研究を重ね - 亡きた技術経営論 (MOm) によれば、 リニア
@
モ テ ルは欠陥の多い 非効率なアプローチであ ることが明白であ ると されている。 このような欠陥モデルのみをⅢ捉にした 議論を行 3 者は無知以覚の 何者でもない。
また、
レオンチェフモデルでは、
活
動主体を中心とした 人出 フ J 関係について 結果としてそれらがどのようになったかが
整理されている。
しかし研究開発活動の 本質 は
「意図した目標に 向かう仮説検証ザイクルの 反復的学習」であ り、動的な取り組みこそがモデル 化されるべき
内容であ
る。活動主体
が アウトプットを 出した後の状況は、 活動主体にとって 制御出来な
いとするモデルでは、
無責任な研究開発活動が 横行することにな
る。「結果としてアウトカムを
出してください。
しかしアウトカムへの転化はあ なたの責任ではあ りません」としりモデルは
研究開発だけではなく、
施策展開に対しても
欠陥モデルであ
る。行政機関で 鰯 いられ
い 牒国 OMS の PA Ⅱにおける規定PAR 「 、 を 運用する・ための 解説書 (Guidance 60r C0nlpleting the 叶 ogr.am お sess@f 杷 ℡ 尺 atingT0ol(PAR 刊 ) が OMB によって作成さ
れ、 運用経験を参考にして 毎年その内容が 改善されてきている " この解説書はプロバラムを 評価 サるた めの概念的枠組みについ て述べると共に、 評価と関連して 各プロバラムがどのような 実績を あ げるべきかについて 解説したものであ る。 全 プロバラムを 対象に した - 般的解説部分では、 アウトカムとアウトプットは 次のように規 定されている , アウトカムは「意図した 結果 (in@en@d ピ Id 「 eS@@ 」であ り、 アウトプッ 卜は 。 活動のレベル (lev
目ぽ㏄
t ㎡ げ ) 」であ る。 プロバラムのⅡ 標 と して設定された 内容に係る成果がアウトカムであ り、 アウトプットは アウトカムを 生み出す " 活力や能力の 高さであ る ( 図引 " き 動の しペル outputinput の 連鎖
図 5 PA 円丁 モデル (2) 米国 憾 S 丁の ATP における規定 ATP における 寒 績の区分方式には 2 種類あ り、 通常の実績 内容の区分の 他に現象論的に 時間軸に沿った 区分概念も用いら
れている。
これらの定義は、 ATP のミッションを 踏まえ、 概ねいわゆる シ一 ズプノ シュ型のイ ソ ベーシコンモデルを 枠組みとし " こいる。 「アウト ブット l は 研究成果であ り、 「アウトガム j はぞの結果としてもたらさ れた成果物。 斬 " たなプロセス。 サ-
ビスであ る。 そして「インパクⅡ ば産業。
社会・経済への
長期的な効果であ
る。 まだ、 時間軸に沿 3 区分では、 時間経過と共に 生起する典型的な 事例を代表例とし -cあ げることによってイメージアップを
図っている。 「短期」 ほ インプッ ト と アウトプ ツド に関係していて、 プロジェクトが 日指すゴールに 係 る企業の能力、 だとえば研究の
共同体制。
新規雇用者。
プロジェクト終了後の企業の
経済的継続能力・
ATP関係者の専従時間等で
あ る。 「中期」はアウトプ 、 ソト に関係していて、 新たな成果物やプロ セスあ るい ほ 新たに改善されたそれら 新たに形成された 研究契約・生み出された
特許
/出版物
/受託。 「長期」はアウトカムとインパ
クトに関係していて、
他の応用領域への 技術のスピルオーバ
と最 終 的な社会的インパクトであ る " これらは -. 般に技術の利用者や消費者に便益をむたらすと
考えられる。
(3) 英国財務省の 町 heGre 節日 ook" における規定 アウトカムは Ob コ jijecttv ㏄に関係した 概念として位置づけられて いる。 Obje ㎡ 鴨ぉは 政策によって 実現ずべ き 内容に係る - 般的ないし包括的概念で、 その内部に Outcomes 、 Outputs 、 Ta ㎎ afs とい
う階層化された 概念構造を有している , 目的 objecttves が願望を込めた 内容であ るのに対して、 アウトカ ム mitmomp は政策として 達成。 すべき意図的 汁 lte@lnRf な内容であ る。