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20世紀の名著名論:J. von Neumann and O. Morgenstern : Theory of Games and Economic Behavior

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Academic year: 2021

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(1)Prominent Books and Articles in the 20th Century. J. von Neumann and O. Morgenstern : Theory of Games and Economic Behavior Princeton University Press(1944)  ゲーム理論と呼ばれるものは 1930 年代に John von.   第 3 部 は, こ の 本 の 3 分 の 2 を 占 め る が, ゼ ロ 和. Neumann が創造したということができる.それは 1950. n(n>3) 人ゲームを扱っている.非ゼロ和 n 人ゲームは. 年代から次第に発展し,現在では経済学を始め,政治学,. “自然”をもう 1 人のプレイヤとしてゼロ和 n+1 人ゲー. 経営学,軍事学などの多くの分野で広く応用されるに至. ムとして扱われる.ここで基本的な概念は連合 coalition. っている.1944 年に経済学者の Morgenstern との共著と. と結果の配分 imputation の概念である.すなわちプレイ. して公刊されたこの本は,文字通りゲーム理論の基礎を. ヤの任意の集合は,連合してその得るペイオフの合計を. 築いた古典である.600 ページ近いこの本の内容は,3 つ. 最大になるようにし,その上でそれを連合の参加者の間. の部分からなるということができる.. で配分することができるとされている.そうするとある.  第 1 部はいろいろなかたちのゲームというものの構造. 連合 S が形成されれば,ゲームは S とそれに属さないプ. を分析し,それを形式的にモデル化している.そこでゲ. レイヤの連合との間のゼロ和 2 人ゲームと考えられるか. ームの展開形式 extensive form と還元形式 reduced form. らその値 v(S) が決まる.そこでこの v(S) が S に属す. を区別し,後者のかたちを用いて,n 人の参加者 player. るプレイヤの間で配分されることになる.そこでゲーム. によって行われるゲームの結果は,それぞれのとる戦略. はこのような連合の形成とその成果の配分をめぐる交渉. ξ�ξ� �ξ � … � � に対応して,各人が得る利得の期待値,す なわちペイオフ payoff �� �ξ�ξ� �ξ������� �� � … � … �. に帰着する.. として与えられることが厳密に定式化されている.. 解として得られることはない.そこで提案されているの.  第 2 部はゼロ和 2 人ゲームを扱う.ここでは 2 人の参. が,配分の集合としての“解”solution である.それは. 加者 player の利害は完全に相反することになるので,互. いわば均衡点の集合であって, 「そのうちの 1 点に入れば. いに相手が合理的に行動することを前提としてミニマッ. 他の点に動くことはない.それに属さない点はその中の. クス値が求められる.両者の期待が一致するとき,すな. どれかに向かって動く」というようなものである.ただ. * � ���� ��� �� �ξ�ξ����� ��� �� �ξ�ξ� � � � �. し問題はそれが局所的にも安定でなく,またこのような. わち. ξ�. ξ�. ξ�.  一般にこのような状況で,1 つの配分が安定的な均衡. ξ�. となるときゲームは決定的 determined であるといい,. “解”は一般に無限に多く存在するので,それはゲームの. * �  をゲームの値という.. 結果について何を意味しているのか明らかでないことで.  そうして完全情報ゲーム perfect information game ,. ある.. すなわち 2 人が交互にプレイし,そうしてそれまでのゲ.  その後 n 人ゲーム,あるいは非ゼロ和ゲームについて. ームの進行状況が完全に分かっている場合,および両者. は多くのアイディアが提案された(最近映画でも有名に. が取り得る可能な戦略が,有限個の戦略の混合戦略であ. なった Nash の解もその 1 つであろう) .そこでは多くの. る場合の 2 つについてはゲームが決定的になることが証. 結果が得られているが,しかし結論的にいってしまえば. 明されている.後者の命題はゲームの理論の基本定理と. 「n 人ゲームの一般的解は存在しない」というのが答えで. 呼ばれることもある.それは論理的に線形計画法の双対. あるという感じがある.すなわち現実の状況ではゲーム. 定理と密接な関係があり,ある意味で同等であるが,こ. のルール以外の,制度,慣習,あるいは力関係などで決. のときまだ線形計画法の理論は完成していなかったので. まるということであり,このことはすでにこの本の中で. ある.この定理は 1940 年代における応用数学の 1 つの. 示されているといってもよいのかもしれない.. 発展の要であったといえよう.. (平成 15 年 1 月 17 日受付).        . 竹内 啓/明治学院大学.          [email protected] IPSJ Magazine Vol.44 No.2 Feb. 2003. −1−. 199.

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