• 検索結果がありません。

中堅会社における監査役の役割

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "中堅会社における監査役の役割"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

論文

中堅会社における監査役の役割

永田 千香

1

Role of Auditing Directors in Medium Sized Companies

NAGATA, Chika

1 1 名古屋経済大学大学院会計学研究科博士後期課程(指導教授 佐藤敏昭)

はじめに

世界の長寿企業のランキングの上位は、日本の「中 堅会社」で占められている1。したがって、中堅会社 とは、取引先や売上高もある程度あり社会的に影響力 のある会社である。ただ、規制法としては、金融商品 取引法(以下、「金商法」という)の適用対象外(投資 者数が1,000 人以上の会社を除く)であり、会社法上の 大会社(会社法第2 条第 6 号)以外の会社である。同 時に、上場会社を親会社に持たない会社が一般であり、 会計監査人監査は強制されず(会社法第328 条第 1 項)、 監査役自らが会計監査を実施しなければならない会社 である(会社法第436 条)。 今日の経営環境の変化は大きく、IT 化の進展などそ のスピードはかつてないものとなっており、中堅会社 がコーポレート・ガバナンスの不足や内部統制の構 築・整備の不足により、経営の成長が行き詰ることが 散見される。一方、中堅会社ないし中小会社における 会計情報の監査については古くから議論のあったとこ ろであり、その議論の結実として平成 17 年の会社法 制定により会計参与制度が創設されたが、実効的には 今ひとつの感がある。筆者が日ごろ中堅会社と関わり 会計・税務の実務を行う中で、これら問題の解決策の 一つとして、監査役による業務及び会計の監査(会社 法第381 条)の活用がより重要と感じられた。 中堅会社の維持・発展に役立つという意味では、監 査役が会社法上、実施しなければならない業務および 会計の監査の充実はもとより、これに加えて、管理会 計的アプローチによる監査役監査に期待してみたい。 中堅会社においても、低コストでの会計データや業務 内容のデータ化などIT 化された数値を基に会計監査 がより可能となってきているが、こうした観点からす ると、とりわけキャッシュ・フロー情報を基軸にした 管理会計的アプローチが有効に思われる。 本稿では以下のように論を進めていきたい。すなわ ち、①中堅会社の位置づけを中小会社(中小企業)と の相違を法制度上で明確にしたうえで、②中堅会社監 査機構の問題を取り上げた後、会社法上の監査役の役 割を確認しながら、中堅会社の内部統制への対応問題 を指摘する。そして、③中堅会社の監査役が実施する 管理会計的アプローチ、とりわけキャッシュ・フロー 情報を活用したアプローチを示すべく試みる。

1.中堅会社の監査機構に関する制度と実態

1.1.中堅会社と中小会社の制度面からの相違 一般に「中堅会社」と「中小会社」または「中小企 業」の呼称は混同され、使用されている。いわゆる「中 小企業」の定義については、法的な規定がいくつか見 られる。本稿においては、法規制のある「中小企業」 を各法の概念を参考にしつつ、これとの対比から、本 稿で取り上げる「中堅会社」の特性を明示しておくこ とにする。 会社法では、会社の区分について第2 条で定義を規 定している。まず株式の譲渡制限の有無により「公開 会社(その発行する全部又は一部の株式の内容として 譲渡による当該株式の取得について株式会社の承認を 要する旨の定款の定めを設けていない株式会社をい う。)」もしくは「それ以外の会社(非公開会社)」に区 分される(会社法第2 条第 5 号)。規模の観点からは、 旧商法特例で区分されていた「大会社・中会社・小会 社」から「大会社(会社法第2 条第 6 号)」と「それ 以外の会社」に区分されている。なお、大会社は、資 本金が5 億円以上(会社法第 2 条第 6 号イ)または負 債総額200 億円以上(会社法第 2 条第 6 号ロ)の会社 2である。このような会社法の区分からすると、本稿の

(2)

想定する会社は、会社法の非公開会社で大会社以外の 会社であり、資本金でいえば1 億円未満程度の規模の 会社となる。 法人税法においては、その第66 条第 2 項により、 普通法人のうち資本金の額若しくは出資金の額が、1 億円以下であるものの各事業年度の所得金額のうち年 8 百万円以下の金額については法人税の軽減税率を適 用できることを規定している。よって法人税法上では 資本金等の額1 億円が、会社の規模別区分のひとつの 基準となっていると判断される。「資本金の額」及び「出 資金の額」という基準は、法人税法上は「資本金等の 額」として、交際費課税制度や租税特別措置法におけ る「中小企業」の定義などでも用いられている3 中小企業基本法(昭和38 年 7 月 20 日法律第 154 号)では、法の目的を新産業の創出等産業革新による 経済活動の強化とし、独立した中小企業者の多様で活 力ある成長・発展として経済の閉塞状況を独立中小企 業の育成によって打破しようとする趣旨のもと施行さ れている。 この中小企業基本法は、中小企業を新産業創出の担 い手・就業機会増大の担い手・市場競争の担い手・地 域経済活性化の担い手として、国民経済において積極 的役割を果たしうる発展性にあふれた企業と捉えてい る4 具体的には中小企業基本法第2 条第 1 項において中 小企業者を業種別に資本金等の額と従業員数により定 義している。この中小企業基本法では従業員数基準を 採用していることから、資本金額・負債金額による会 社法の区分や税法よりも規模を表す基準としては明確 である5 「中小企業」は、経済学的あるいは経営学的に区別 され、中小規模の企業は、各国の各法でも政策的に区 別されている。 諸外国においても中小企業を区分することは各国と もに共通しているが、具体的には中小企業の定義につ いて、かなりの差異が認められる。量的な規定も絶対 的なものではなく、それぞれの国、時代、産業で、政 策的に必要に応じて特定化されるものであると理解さ れる6 会社が、自己資本か他人資本か、どのような方法で 資金を調達するかは、基本的に自由である以上は、資 本金額が会社の規模を判定する上で適切な基準になる とは言いがたく、政策論としてはEUのような年間売 上高、総資産額および従業員数などの組み合わせで判 定する方がより適切7といえよう。 中小企業白書平成29 度版によれば、中小企業は総 企業数の 99.7%を占めており、身近な存在であって、 実に多種多様である8と述べられている。中小企業は 平成3 年以来開業と廃業が逆転して、今日に至るまで 廃業率が開業率を上回っている9 また、中小企業の従事者数は、我が国の就業者数の 69.4%10を占めている。中小企業が株式会社の圧倒的 な部分を占めるとともに、働く場としても中小企業が 過半を占めていることは紛れもない事実である。そし て中小企業は製造業の付加価値額の 53.3%を占めて おり、我が国全体の労働生産性の向上を図るためには、 中小企業の生産性の向上が不可欠であると思われる 11 中小会社の拡大・拡充版とも位置づけられる中堅会社 の場合はどうか。中堅会社の健全な発展と、前向きで 新たな事業展開、創業の増加は極めて重要であるとし て、今後も期待されるところである12 近年の中堅会社の経営環境は大きく変化してきた。 従来通りの決まった相手と取引していれば、事業を継 続できるという下請型経営から変化し、商品・製品に 対するニーズも多様化している。中堅会社にとっても、 新分野に挑戦するとともに積極的に新たな顧客を開拓 していくことが事業活動の継続に不可欠という状況が 現出している 13。日本の未来のためにも中堅会社の活 性化が期待されるところである。 中堅会社の資金調達については、これまでは多くを 金融機関からの借入に依存した経営を行ってきた。そ の結果、負債の中心は金融機関からの借入金であるこ とが、中堅会社の特徴でもある。従来は、土地担保と 所有経営者の個人保証による資金調達が中心であった。 しかしながら、土地神話の崩壊により、所有経営者の 個人資産や会社の不動産を担保とした融資に代わって、 企業自体の信用リスクを重視した融資形態が一般化し てきた14 換言すれば、中堅会社に対する金融機関の信用供与 方法が変化してきたともいえよう。事業経営計画等を 作成し、企業価値のアピールにより、担保提供なしに 融資の実現をみたケースが多くなって来ている。金融 機関の中堅会社への目線を知ることは、有益なことで あると思われる。中堅のベンチャー企業は、マザーズ やジャスタックの証券市場において上場が可能となっ ている。成長性のある中堅会社では、間接金融から直 接金融という資金調達も可能となった。すなわち、不 特定多数の投資者からの資金調達も行えることとなっ た。しかしその反面、金商法の適用を受け、中堅会社 は第三者から直接に資金を円滑に調達するには経営状 況を的確に情報公開(ディスクロージャー)しなけれ ばならない。 中堅会社がどのような特性ないし特質を持っている かを明確にすることは、その特性に適合した制度設計 を行うべきであるという観点から不可欠であると考え る。また、中堅会社といっても、その規模にかなりの 幅があるうえ、業種・業態によっても状況が異なる15 中堅会社会計の特性の大枠は、①所有と経営の未分離、

(3)

②内部統制の整備・機能の欠如、③会社の経理能力の 限界に集約されるものと考えられる。中堅会社は資金 調達面や、内外の経営環境においても、大会社とはそ の特徴を大きく異にするところである。それゆえに、 中堅会社の会計のあり方は、大会社とは基本的には区 別されて扱われるべきものと思われる。 中堅会社における財務会計上の利益計算は、確定決 算主義により税務会計の影響を受けやすい環境にある のが実情である。その実態は同族会社が多く、内部統 制システムの欠如から、中堅会社の会計処理は経営者 や同族関係人の恣意的な影響を受けやすいことも、国 税庁の統計等でも指摘されている。管理会計を行って いない中堅会社もある。中堅会社の会計の信頼性の担 保のために何が必要であるのだろうか。中堅会社が将 来に向けて会計の充実ないし適正化のみならず、企業 としての信頼度を高めたいのであれば、監査機構を見 直し、機能させることが、現行の会社法の枠組みの中 で有用なことであると考えられる。 1.2.会社法における中堅会社の監査機構をめぐる論 点 監査役とは、取締役(および会計参与がある場合は 会計参与)の業務執行を監査する機関であり(会社法 第381 条第 1 項)、また、監査役は取締役、会計参与 と並び役員である(会社法第329 条第 1 項)。監査役 自身による会計監査は、特に専門資格は求められてお らず、会社計算規則第121 条第 2 項が定めるレベルで、 当該会社の身の丈に合った会計監査が求められている 16 会社法第326 条第 1 項によれば「株式会社には、1 人又は 2 人以上の取締役を置かなければならない。」 と規定される。よって取締役は一人でも株式会社等を 設立することが可能となった。続く第2 項において「株 式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、 監査役、監査役会、会計監査人、又は委員会を置くこ とが出来る。」として株式会社の組織は自由設計により 構築可能とされている。 一方で、会社法第328 条第 1 項大会社(公開会社で ないもの及び委員会設置会社を省く。)は監査役会及び 会計監査人を置かなければならないとしている。4 人 は常勤が必要であり、員数の規定があるのはここだけ である。 会社法第336 条において監査役の任期は 4 年とされ、 会社法第332 条による取締役の任期 2 年より長く規定 されている。独立性を保証するためのもので、取締役 より任期が長く任期を定款等で短縮することはできな い。 なお、非公開会社では取締役と同様に 10 年まで伸 長することができる。定款により会社法第335 条第 2 項により監査役は兼任禁止規制として会社その子会社 の取締役、支配人その他の使用人または子会社の会計 参与、執行役を兼ねることはできないとされている。 会社法第389 条第 1 項は「公開会社でない株式会社(監 査役会設置会社及び会計監査人設置会社を省く。)」は、 定款の定めにより、監査役の権限について会計監査の みに限定することもできるとしているが、これは問題 と思われる。会社法第381 条第 1 項の監査役は取締役 の職務の執行を監査しなければならないという監査役 監査の本来的な規定こそ重要と捉えるべきであり、そ の監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する 旨を定款で定めることは、閉鎖会社における役割が計 算書類の監査や事後監査のみとなってしまう。 ここで、会計情報をはじめとする会社情報を担保す る「監査」の本質論について触れておこう。監査規制 は会計について適正性の担保に有用であると同時に、 中堅会社の今後の成長のために必要である。中堅会社 に関する規制問題は、古くから「大小会社区分立法問 題」として扱われ議論されてきた。中堅会社における 計算の適正化のための論議は大小会社区分立法問題の 中心課題であった17 会社法の視点から中堅会社の監査機構問題を論じる ときは、計算・開示の適正性を担保するためにどのよ うな方策を講じていくかが前提問題となる。第 1 に、 中堅会社会計基準自体の明定・確定、第2 に、計算・ 開示に対する実効性ある監査機構の設定が挙げられる。 現在において中小企業の会計基準が制定されるに至っ た。よって第2 の論点である現行会社法における会社 区分と監査機構について確認したい18 前述のとおり、譲渡制限の有無により「公開会社(会 社法第2 条第 5 号)」か「それ以外の会社(非公開会 社)」に区分される。規模の面から「大会社(会社法第 2 条第 6 号)」と「それ以外の株式会社」の区分がある。 大会社は、資本金額が5 億円以上または負債総額 200 億円以上の会社である。そして、公開・非公開の別、 規模の大小の二点について自由選択で(定款記載によ り)監査機構をどのように組み合わせていくかによっ て最終的な会社の類型が出来上がっていく。監査機構 が計算開示を担保する中心機能と考えているからに他 ならない19からである。 会社法において取締役会はすべての公開会社に設置 義務がある(会社法第327 条第 1 項第 1 号)。委員会 設置会社の監査委員会を除けば、内部管理監督機能と しての位置づけである。委員会設置会社および非公開 会社を除く大会社は、会計監査人監査および監査役会 を強制され(会社法第328 条第 1 項)、会計監査人設 置会社は監査役を置かなければならない(会社法第 327 条第 1 項)。したがって、大会社は、委員会設置会 社および非公開会社を除き、会計監査人監査プラス監

(4)

査役会監査の監査機構となる。 会計監査人を任意で設置する会社の会計監査人を除 く監査機構は、委員会設置会社・監査役会設置会社・ 監査役設置会社の3 種類となる。これは公開・非公開 に関わらず選択可能である。中堅会社の問題としては、 会計監査人を設置しない会社において、いかに会計監 査人以外で監査機構を設定していくかが焦点となる。 非公開会社で監査役会・会計監査人を設置していな い会社においては、従前の小会社における会計監査に 限定された監査役とほぼ同じように、会計監査に限定 した監査役を置くことも定款等で定めれば可能である (会社法第389 条)。会計参与はすべての会社で置く ことができる。会計監査人を設置しない会社で非公開 会社の場合は単独の監査機構として監査役と会計参与 の選択が可能である(会社法第327 条第 2 項但し書き)。 以上の点から、中堅会社の会社法上の監査機構の組 み合わせは次のとおりである。 ① 会計参与のみ ② 監査役のみ ③ 会計監査限定監査役のみ ④ 監査役プラス会計参与 ⑤ 会計監査限定監査役プラス会計参与 ⑥ 監査機構なし したがって、中堅会社の監査機構の適用としては、 会計監査人を設置していない会社が問題となる。特に 非公開会社における会計参与と監査役ないし会計監査 に限定した監査役との選択は重要である。 中堅会社においても、中途半端な監査のみが実施され てしまう状況がある。中堅会社の成長のためには、監 査役による業務監査を主力とすることが必要ではない だろうか。

2.中堅会社の監査役監査と内部統制の関係

2.1.会社法上の監査役による会計監査 会社法上の会計監査は、会計職業専門家(公認会計 士と呼ばれる会計資格保有者)によるもののほか、と くに会計資格を持たない者でも、以下の会計監査を実 施すれば可能であることが認められている(会社計算 規則第121 条第 2 項)。すなわち、第 1 に、実際に作 成された計算書類等が会社計算規則および公正妥当な 企業会計の慣行に合致しているかどうか、第2 に、計 算書類等の伝達手続が適法であるかどうか、の2 点が 会計資格を持たない者による会計監査となる。 監査役には、とくに会計資格は求められていないこ とから、中堅会社における監査役が実施する会社法上 の会計監査はこのような形となっている。なお、第2 の伝達手続には、会社法第437 条の株主への計算書類 の株主総会招集通知への添付、同法第438 条の株主総 会当日の準備、同法第440 条の公告手続、本店・支店 での閲覧・謄写などが含まれる。 そして、会計監査が終了した時点で、監査方法や計 算書類等が会社の財産損益の状況などの重要点につき 適正であるかどうか等々について監査報告を作成しな ければならないことになっている(会社計算規則第 122 条)。 会計監査人がいない会社の会計監査の主体は監査役 である。なお、対象としている開示書類は、会社法第 435 条第 2 項に定める事業年度ごとに作成しなくては ならない単体ベースの個別計算書類である。法制度に 基づく財務会計に対する会計監査は、期末監査(決算 監査)と期中監査に大別することが出来る20 期末監査は期末整理事項を除き、計算書類に記載さ れた開示内容と法規制・会計慣行との合致性が主力と なるゆえ、経理部署がある程度しっかり研鑽しており、 内部統制(会社法施行規則第100 条)が整備されてい れば、さほどの注力は必要ないであろう。むしろ監査 役としては、歪められた事実がないかどうかチェック すること、あるいは歪められないようにけん制するた めの存在となるべきである。 この意味で、業務監査的な視点からの期中の会計監 査に重点を置く必要性があると思われる。業務監査と 会計監査の関係については、企業情報開示の側面から すると、業務関連情報は事業報告、会計関連情報は計 算書類といった具合に、開示規制もそれぞれ会社法施 行規則と会社計算規則とに分けて規定されており(会 社法施行規則第 116 条)、法規則の面からは両者の使 い分けが顕著である。 しかしながら、会社業務全体に対する監査の切り口 からすると、相互関連性を持っている。期中監査で特 に集中すべきアイテムは、①生産部門・営業倉庫等に おける棚卸資産の動き、その残高、②生産部門・営業 倉庫等における固定資産の減損やその残高、③営業部 門・経理部門等における売掛金の動きとなろう。それ ぞれに自社にあった調査対象の絞り込みが必要である。 期中における子会社関連の会計監査は特に重要性が高 い。子会社を利用した会計不正には注意が必要である。 また資産監査は会計の素人でも比較的とりかかりやす い項目でもあり監査の必要がある21 なお、期末監査については、①期末整理事項の監査 と、②計算書類に正しく表示されているかの監査で構 成される。①を主軸におくほうが、より実質的な会計 監査全般になると思われる。各社の事情によって例え ば売掛金や、有価証券等を中心にテーマを都度設定す ればよいものと思われる。②の計算書類の表示監査に ついて、監査役は会社計算規則第123 条第 1 項第 2 号 により「計算関係書類が会社の財産及び損益の状況を すべての重要な点において適正に表示しているかどう か」について意見を述べなければならない。

(5)

監査意見を形成するための作業としては、内部統制 の検証や分析的手続き、あるいは期中における各種の 業務管理的な会計監査を経て、期末整理事項の検討を 踏まえた精算表をもとに、計算書類が作成されている ことを前提にすれば、あとは会社計算規則と計算書類 との合致性つまり表示上の適法性が残るわけであり、 これが表示監査と位置づけられる22 監査役による監査は、上記のように既に出来上がっ ている計算書類等に対して、事後的に会計監査を実施 することはもとより、昨今は、取締役が執行する業務 全体(当然、会計業務も包含される)に対する事前監 査が重要である旨の主張が多数説であり(会社法施行 規則第121 条第 1 項第 4 号にいう内部統制の妥当性や、 同項第5 号にいう企業買収対抗システムへの妥当性な ど、法令上も事前の妥当性監査を求めている)、実務家 団体も事前監査への姿勢や理念を監査役監査基準など で公表しているところである。 実態的に、中堅会社においては、(近々に上場を計画 している会社を除き)代表取締役によるワンマン体制 が敷かれている場合が多く見られ、指揮・命令系統が スピードアップされていることから、事後的な監査だ けでは監査役の機能が発揮できずに終わってしまう。 この点にこそ、代表取締役等のライン部門と監査役と のコミュニケーションの形成が必用であり、法令上も 求められているのである(会社法施行規則第105 条第 2 項)。 会社法第340条においては監査役等による会計監査 人の解任をはじめ強力な権限を認めている。両者のコ ミュニケーション形成のため、最も経営内容を共有で き、経営の失敗に繋がらないよう共に検討し得るもの は何か。それは、管理会計的側面からのアプローチで あろうと考えられる。監査役の立場は、経営管理面か ら会社全体を俯瞰できる立場にあり、かつ、経営実務 から一歩下がって冷静に経営の行方を見守る立場にあ るからである。 この意味で、以下の記述では、監査役による内部統 制面からのアプローチや、管理面で重要と思われるキ ャッシュ・フロー情報を活用したアプローチを取り上 げてみたい。 2.2.内部統制と監査役監査 内部統制はアメリカの会計学の検討・研究の中から 始まっている。アメリカの場合は、経営活動(業務全 体)に対し直接的に働く内部統制といったニュアンス ではなく、財務報告の適正性を担保する会計監査の中 で内部統制が取り上げられている。一方、わが国の会 社法上の内部統制は、アメリカの影響を受けながらも、 経営活動(業務全体)に対し直接関与していく内部統 制といった独自の発想で規制されている23。それゆえ に内部統制は監査の一部であり、少なくとも日本では 監査の一種と位置づけられてもおかしくない。言い換 えれば、日本の内部統制は取締役会による統制や管理 すなわち内部監査そのものといえる。 内部統制の整備について決定決議したときは、会社 法施行規則第182 条第 2 号によりこれを事業報告にお いて開示しなければならない。またその開示内容につ いては、会社法第436 条第 2 項第 2 号、会社法施行規 則第129条及び第130条により監査役の監査が求めら れており、内部統制は財務報告の開示によるけん制効 果として適正化が図られ、さらに監査による事業監査 を通じ適正なものになる。 日本の監査役監査は取締役の職務執行全体を監査す る視点からすると(会社法第 381 条)、取締役が行う 業務に対し直接監査し、期末における財務報告の監査 は一部にすぎず、期中における取締役の業務全体が監 査対象の主力となる。期中の内部統制システムの整備 の段階から監査に取り組み、事業報告に対する監査意 見も期中の監査の結果として位置づけする必要がある と思われる24 監査役による会計監査は、全件をくまなく精査する わけではない。内部統制の整備状況を前提に監査すべ き項目をある程度抽出して監査している。これを「試 査」という。金商法上は、内部統制が大規模会社を想 定して構築されており、その基準も整備されているが、 中堅会社には適用がないうえに、レベルが高すぎる。 かえって行き過ぎた内部統制であっては中堅企業の機 動性をそぎかねない。日本公認会計士協会の委員会報 告には、以下のような「適当な内部統制」と呼ばれて いた応用しやすい指針があった。中堅会社の監査役の 会計監査にも、また中堅会社においても、今日の IT 会計による自動仕訳化や電子書類化の傾向が高まって おり、基本的な事項として内部統制システムの整備を 再検討するためにも応用が可能なため紹介したい25 「適当な内部統制」 A.基本事項 1.各部門の責任者と係員の職務分掌、権限・責任の 範囲が、規定や図表などによって明確にされてい ること。 2.各部門の所管事項を実施するための執務手続き が規定や図表などによって明確にされていること。 3.すべての事務、作業を、一部門または一係員の絶 対的支配下に置かないこと。 4.特に会計部門が、次の事務を担当する部門から完 全に分離されていること。 イ.販売、ロ.製造、ハ.購買、ニ.物品の受払・保 管、ホ.金銭や有価証券の出納・保管 5.会計に関することについては、その承認・実施の 責任を明確にするための書式を整えていること。

(6)

6.各部門の責任者と係員は、いずれもその任務を十 分に果たすに足りるだけの能力を有するものが配 属されるような人事管理制度が確立されているこ と。 B.会計組織 1.勘定組織と帳簿組織が確立していること。 2.会計処理と手続きにおいて一般に公正妥当とみ とめられ企業会計の慣行に準拠した明確な経理規 定がある。 3.会計記帳の事務手続きに関する経理規定が設け られていること。 4.会計記帳を承認する責任者と、会計記帳の担当者 は職務分掌上明確に区分されていること。 5.すべての会計事実が会計伝票に記入され、これを 立証する証憑や計算書等と共に会計記録担当者に 回付され、もれなく会計記帳されるような組織と 手続きが確立されていること。 6.伝票・証憑・計算書・明細書・会計帳簿などすべ ての会計記録が所定の間、次のように整理・保存 されていること。 イ.伝票・証憑に一連番号が付されていること。 ロ.伝票・証憑が日付順・月別発生部門別などの適 当な区分に従って整理保存されていること。 C.資産の受払・保管業務 1.資産の受払・保管業務の実施手続きが、規定・図 表などによって明確にされていること。 2.資産の受払を、適時に会計記帳しうる組織が確立 していること。 3.主な資産の受け払いや残高について、数量的な継 続記録が行われていること。特に棚卸資産が秩序 整然と保管されていること。 4.資産の残高について定期的に棚卸を行い、帳簿記 録と照合し、もし差異があれば、その発生原因を 分析する制度が確立していること。 D.資産保全の手続き 1.権利の保全を図るために必要な登記その他の措置 が取られていること。 2.損害保険を付すべき物件については、すべて適切 な額の保険が付されていること。 3.保険契約が定期的に検討されていること。 4.社印が適切に管理されていること。 5.情報資産である顧客データベース・パスワード・ マイナンバー等のセキュリティ対策が確立されて いること。 これまで中堅会社において監査役による内部統制シ ステムの整備や確立の助言・勧告が中堅会社の存続の 重要なポイントになることを確認してきた。監査役は 取締役とともに共同で内部統制のシステムを構築して いくことが重要である。

3.中堅会社監査役によるキャッシュ・フロー

情報を活用するアプロ-チ

今後は、中堅会社の監査役の役割のキーワードとし て、内部統制・IT 化・将来キャッシュ・フロー等が注 目されるであろう。そこで、監査役による管理会計を 利用した具体的な業務監査の一つとして将来キャッシ ュ・フロー計算書の作成・活用を取り上げてみよう。 上場企業等では、平成12 年 3 月期から貸借対照表・ 損益計算書と並んでキャッシュ・フロー計算書が基本 財務諸表の一つとなっている(連結会計中心へ移行す るとともに時価会計が導入された)。キャッシュ・フロ ー計算書は上場企業等を対象とする金商法に基づくデ ィスクロージャー制度において、連結決算企業の場合 には連結ベースで、連結決算を行わない企業の場合は 単体ベースで作成が義務づけられた。会社法において は、キャッシュ・フロー計算書は作成が要求されてい ない。 なお、会社法の要求する計算書類は、貸借対照表、 損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表(会 社法第435条第2項→会社法計算規則第59条第1項) であり、金商法において開示要求される財務諸表は、 貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、 株主資本変動計算書、附属明細表(金商法第193 条→ 財務諸表等規則第1 条)である。したがって金商法の 適用を受けない中堅会社は、現在時点ではキャッシ ュ・フロー計算書の作成義務はない。 中堅会社会計の拠り所となる中小会計指針において は、「会社法上、キャッシュ・フロー計算書の作成は要 求されていない。しかし、経営者自らが会社の経営実 態を正確に把握するとともに、金融機関が取引先から の信頼性の向上をはかるため、キャッシュ・フロー計 算書を作成することが望ましい」26と明言されている。 キャッシュの動きは操作しにくいことから、金融機関 等にとっても重要な経営資料とされている現状を踏ま えて、キャッシュ・フロー計算書は経営判断の基礎と して作成することが望ましいとして、その作成の意義 を認めている。加えて中小会計指針は、中小企業の場 合は会社の実態に応じた資金繰表等の簡易な方法によ るものを、キャッシュ・フロー計算書の代用とするこ とも認めている。 中小企業会計要領では「中小企業向けの手引き」の 35~40 頁において、資金繰表等の作成及び活用を進め ているところである。また43 頁においては、2 期分の 決算書を入力するだけでキャッシュ・フロー計算書が 作成できる簡易作成ツールのダウンロードも可能とし ている。会計を経営に活かそうという目的のもとに、 黒字倒産防止等を具体例とともに解説をしている。資 金繰表等を経営に生かすことの重要性を周知する内容 である。FRF for SMEs(米国公認会計士協会が公表

(7)

した中小企業のための財務報告フレームワーク)、 Small US GAAP27IFRS for SMEs(中小企業版国際

会計基準)はそれぞれキャッシュ・フロー計算書の作 成を要求している28 このように、中堅会社のキャッシュ・フロー計算書 の作成は、中堅会社にとっても有用性が高いものと思 われる。 第1 には、中堅会社における経営管理の手段として 有用である。大企業とは異なり、経営基盤が相対的に 脆弱な中堅会社では、資金繰りの成否が重大な経営問 題に直結する危険性がある。デフォルトリスクを回避 し、キャッシュ・フロー計算書を自己の経営管理の手 段として有効に活用することが出来る。 第2 は、利害関係者に対する信頼醸成の手段として 有用である。キャッシュの動きは操作しにくいことか ら、キャッシュ・フロー計算書は金融機関や取引先が 中堅会社の資金繰りを判断するうえで、信頼できる指 標として活用することが出来る29 第3 は、税法基準による処理や恣意的な利益操作を 生みやすい中堅会社の会計において、利益計算の裏付 けとしての役割を中堅会社自身のために担うことが出 来るからである。 こうしたキャッシュ・フロー計算書の有用な機能を 利用して、中堅会社向けの「将来」キャッシュ・フロ ー計算書を中堅会社の監査役による業務監査に応用す ることを提案したい。監査役による業務監査の一環と して予実管理モニタリングの実施の内部統制システム の整備を行ってはどうだろうか。 各社の業務や業態の内容により毎月の予実管理を行 うなどのカスタマイズの必要性はあるが、中堅会社に 将来のキャッシュ・フローを予測させることで、中堅 会社の活性化に貢献するものと考える。将来キャッシ ュ・フロー計算書は、当期の実績によるキャッシュ・ フロー計算書をスタート点として経営計画や投資計画 を反映させて作るものである。将来キャッシュ・フロ ー計算書の作成を財務表として義務付けようとするも のではないが、中堅会社の有効なコーポレート・ガバ ナンスに役立つ監査役が実施する管理会計的アプロー チの手法の一つとなろう。 キャッシュ・フロー計算書の作成の促進のためにも、 将来キャッシュ・フロー計算書の作成と利用を同時に 推進してはどうかと考える。キャッシュ・フロー計算 書が会社法上の計算書類のひとつとなり、税法上の提 出書類として義務化されることは、実態面からして、 無理があろう。しかし、まずは第一歩として前向きな 姿勢の中堅会社から上記のような将来キャッシュ・フ ロー計算書の作成・利用を進めていくべきものと考え る。 1960 年代から 1970 年代の英国において、企業の将 来キャッシュ・フロー計算書に関する議論が展開され た。この議論は将来キャッシュ・フロー情報の有用性 を指摘し、企業自らがこれを予測し公表すべきである とする主張であり、会計報告に関する問題を直接的に 解決する方法として望ましいと主張するものである。 この将来キャッシュ・フロー計算書には、過去5 年分 のキャッシュ・フローについて予測値と実績値、そし て将来3 年分のキャッシュ・フローの予測値が示され ている。過去の情報をあらわす貸借対照表と損益計算 書は経営者の受託責任を表すものであり、将来の情報 を提供するキャッシュ・フロー計算書は、投資家の意 思決定において役立つものであると説明されている。 その後、将来キャッシュ・フロー計算書による情報を 求める議論は、キャッシュ・フロー会計と時価会計の 統合へと展開されることとなる。将来キャッシュ・フ ローに対する要求は、企業が直接に将来キャッシュ・ フロー予測値を公表することを求める形から、これに 役立つ客観性の高い数値としての時間情報を明らかに する会計と過去のキャッシュ・フロー情報を明らかに する会計との統合を模索する形へとその方向性が変化 することになる。 近年は、IFRS の影響により収益費用観から資産負 債観へと会計観が転換している。貸借対照表において は、資産と負債を時価で測定する動きが広がり、かつ ての収益と費用の差額としての純利益を業績と捉える 思考から、純資産の期中変動額としての包括利益を業 績と捉える思考への移行が進んでいる。 会計観の転換が進展する中、キャッシュ・フロー計 算書の役割を何に求めるかについて、原点に立ち帰っ て検討する際に、時価会計の伝統のある英国における キャッシュ・フロー会計学説から得られる示唆は多く、 元々は将来キャッシュ・フロー情報の有用性を主張し た英国キャッシュ・フロー会計が発展し、貸借対照表 の時価評価と過去のキャッシュ・フローを示す計算書 の開示を求める方向に発展したことは大変興味深いと 感じられる30 需要の停滞と資金調達の困難な時代を迎えて、中堅 会社においても「キャッシュ・フロー重視の経営」に 対する関心が高まりを見せている。その背景として、 経営環境の変化を指摘できる。その第1 は、収益重視 の経営から事業価値重視の経営のシフトである。景気 低迷の長期化に伴い、売上高の増大や発生的な利益を 重視する経営戦略から、将来期待されるキャッシュ・ フローに事業価値を求めるサバイバル戦略を重視する 必要が生じてきた。第2 は、間接金融の時代から直接 金融の時代へのシフトである。金融システムの崩壊に 伴い、従来型のメインバンク中心の資金調達が困難に なってきたことから、企業は自らのキャッシュ・フロ ー管理を徹底させる必要が生じてきた。

(8)

このような金融環境や取引環境の変化に伴い、「キャ ッシュ・フロー重視の経営」は中堅会社にとって大き な意味をもっている。キャッシュ・フロー計算書はそ のための必要不可欠な手段として位置付けられる31 キャッシュ・フロー計算書は経営の判断の基礎として 作成することが必要である。中堅会社では、自社の経 営の把握のため現金の流れを把握すること自体が非常 に重要であり、また金融機関や取引先への信頼醸成に 有効32と考えられることから、キャッシュ・フロー計 算書は中堅会社にあっても基本の計算書として作成し ていくことが必要であると考える。キャッシュ・フロ ー計算書の作成を、会計のルーティン・ワークのなか に織り込むための努力が今ほど必要な時はない33であ ろう。将来キャッシュ・フロー計算書から、発展を遂 げたキャッシュ・フロー計算書は中堅会社にとって必 要な計算書と思われる。 大会社であれ、中堅会社であれ企業活動の目標とす るところは同じであり、企業活動の目標は継続的な企 業活動が行われて将来のキャッシュを獲得することで ある。むしろ中堅会社においてこそ、キャッシュ・フ ローの状況把握は重要である。将来キャッシュ・フロ ー計算書を取り込むことにより、キャッシュ・フロー 計算書の利用や理解が、感覚的にもさらに進む可能性 があるのではないか。中堅会社の監査役が研鑽を積み、 将来キャッシュ・フロー計算書の利用を中堅会社の取 締役に対して浸透させていくことが求められる。それ には、キャッシュ・フロー計算書の活用について、監 査役による助言・勧告が欠かせないであろう。

おわりに

中堅会社の健全かつ発展性のある企業活動を支える には、当該会社の実情を考慮しながらも、重点事項に ポイントを置いた監査役監査が、健全な企業活動にお いて不可欠である。必要以上に中堅会社の機動力や活 力をそぐような経営に踏込み過ぎた監査であってはな らないが、とりわけ監査役による適法性監査のうち、 当該業種・業態に即した最低限の法令違反(内規を含 むコンプライアンス全体)に対する適法性監査が必要 であろう。 その前提として、内部統制システムの構築・整備が 求められる。監査役には、内部統制の構築・整備につ いて意見を述べなければならない法的義務があり(会 社法施行規則第129 条第 1 項第 5 号)、内部統制シス テムの際の整備・構築に関する助言や勧告を監査役に も期待したいところである。内部統制の構築・整備に は、言うまでもなく身の丈に合った規模相応の内部統 制システムが求められ、本論文で取り上げた「適当な 内部統制」のように、簡易的なレベルからの出発でも よいと思われる。 監査役の助言や勧告は、管理会計的なアプローチに 止まることなく、キャッシュ・フロー情報の活用をは じめとして、中堅会社でも、より積極的に監査役を活 用すべきものと考えられる。会社全体を鳥瞰できるの は、取締役側の業務執行ラインであれば、社長とその ブレインとなるスタッフなどである。他方、監査役も、 常に会社業務全般を監査対象にしているゆえ(会社法 第 381 条)、会社業務全体を見下ろす視座から助言や 勧告をすることができる。 監査役の職位は、将来の経営を担う人材が経営のト レーニングをするには最適な職位と言えよう。それは 事業継承にあたっても同様である。前代表者が就任す ることの多い顧問職・相談役・参与等の役職に頼るこ となく、法規制上も責任のとれる会社役員として、監 査役の活用を図ることこそが、中堅会社の健全な持続 的な成長を確保するために必要と思われる。 注 1 朝日新聞編[2010]「日本の百年企業」朝日新聞出版、 14 頁参照。 2 佐藤敏昭[2006]「会社法計算規定と中小会社への適 用」大江晋也編著『会社法と中小会社の会計』税務 経理協会、41 頁参照。 3 富岡幸雄[2013]『税務会計学講義』中央経済社、322 頁参照。 4 渡辺幸雄[2014]「中小企業とは何か」渡辺幸雄編著 『21 世紀中小企業論』有斐閣、316 頁参照。 5 佐藤敏昭[2010]『監査役制度の形成と展望-大規模 公開会社における監査役監査の課題-』成文社、233 頁。「会社法の現代化作業において大小会社の区分立 法問題が審議されたにもかかわらず、従業員数の基 準が採用されなかったのは遺憾である。」とされてい る。 6 渡辺・前掲(注 4)62 頁参照。 7 荒木和夫[2006]「中小会社と監査」大江晋也編著『会 社法と中小会社の会計』税務経理協会、93 頁参照。 8 中小企業白書[2017]「中小企業のライフサイクル- 次世代への継承-」中小企業庁編、巻頭言。 9 渡辺・前掲(注 4)350 参照。 10 黒瀬直宏[2014]「中小企業とは何か」渡辺幸雄編 著[2014]『21 世紀中小企業論』有斐閣、63 頁参照。 11 中小企業白書・前掲(注 8)63 頁参照。 12 北川慎介[2003]「中小企業の現状」武田隆二編著 『中小会社の会計』中央経済社、3 頁参照。 13 北川・前掲(注 12)4 頁参照。 14 荒木・前掲(注 7)87 頁参照。 15 荒木・前掲(注 7)99 頁参照。 16 佐藤敏昭[2012]「会計監査人がいない会社の会計 監査」『名経法学』第32 号、5 頁参照。 17 佐藤・前掲(注 5)220 頁参照。 18 佐藤・前掲(注 2)40 頁参照。 19 佐藤・前掲(注 5)229 頁参照。 20 佐藤・前掲(注 16)6 頁参照。 21 佐藤・前掲(注 16)20 頁参照。

(9)

22 佐藤・前掲(注 16)27 頁参照。 23 佐藤敏昭[2009]「内部統制の整備と監査―会社法 監査の視点からの整理―」『企業法研究』第21 号、 24 頁参照。 24 佐藤・前掲(注 23)31 頁参照。 25 佐藤・前掲(注 16)17 頁参照。 26 中小企業の会計に関する指針(平成 17 年 8 月 1 日 公表最終改正平成30 年 3 月 12 日)各論 88。 27 Small US GAAP は 2013 年 12 月に PPC(非公開 企業評議委員会)がUS GAAP の簡素化の可能性を 判断するための最終指針である非公開企業の意思決 定フレームワークを公表し、現在検討中。 28 岡部勝成[2015]「中小企業におけるキャッシュ・ フロー計算書の研究」『會計』第187 巻第 3 号 90 頁 参照。 29 武田隆二[2003] 『中小会社の会計』中央経済社、 158 頁参照。 30 溝上達也[2014]「英国における将来キャッシュ・ フロー計算書の検討」『會計』第186 巻第 4 号、75 ~85 頁参照。 31 武田・前掲(注 29)154 頁参照。 32 武田・前掲(注 29)152~153 頁参照。 33 染谷恭次郎[1999]『キャッシュ・フロー会計論』 中央経済社、363 頁参照。 参考文献 秋坂朝則[2016]『監査役監査と公認会計士監査と 連携のあり方』同文館出版 秋葉賢一[2014]『会計基準の読み方』中央経済社 朝日新聞編[2010]『日本の百年企業』朝日新聞出版 荒木和夫[2006]「中小会社と監査」大江晋也編著『会 社法と中小会社の会計』税務経理協会 安藤英義[2011]「商法・会社法会計の展開」斉藤静樹 編著『企業会計と法制度』中央経済社 泉田栄一[2008]「株式会社法会計とその他の会計との 関係」泉田栄一編著『株式会社会計法』信山社 浦崎直浩[2017]『中小企業の会計監査制度の探求―特 別目的の財務諸表に対する保証業務』同文館出版 江頭憲治郎・中村直人[2011]『会社法』第一法規出版 岡部勝成[2015]「中小企業におけるキャッシュ・フロ ー計算書の研究」『會計』第187 巻第 3 号 北川慎介[2003]「中小企業の会計を巡る現状」武田隆 二編著『中小会社の会計』中央経済社 北村敬子[2011]「資産負債観と財産法」斎藤静樹編著 『企業会計の計算構造』中央経済社、11-21 頁 鎌田信夫[2007]『キャッシュ・フロー会計の原理』税 務経理協会 河崎照行・万代勝信編著[2012]『中小会社の会計要領』 中央経済社 河崎照行[2016]『最新中小企業会計論』中央経済社 神田秀樹[2015]『会社法(第 17 版)』弘文堂 斉藤静樹[2011]『企業会計と法制度』中央経済社 斉藤静樹[2013]『会計基準の研究』中央経済社 坂本孝司・加藤恵一郎[2017]『中小企業金融における 会計の役割』中央経済社 佐藤敏昭・塩原一郎[2005]『グローバル企業法会計』 税務経理協会 佐藤敏昭[2006]「会社法計算規定と中小会社への適用」 大江信也編著『会社法と中小会社の会計』税務経理協 会 佐藤敏昭[2009]「内部統制の整備と監査―会社法監査 の視点からの整理―」『企業法研究』第21 佐藤敏昭[2010]『監査役制度の形成と展望―大規模公 開会社における監査役監査の課題―』成文社 佐藤敏昭[2012]「会計監査人がいない会社の会計監査」 『名経法学』第32 号 品川芳宜[2013]『中小企業の会計と税務』大蔵財務協 会 染谷恭次郎[1999]『キャッシュ・フロー会計論』中央 経済社 武田隆二[2003]『中小会社の会計』中央経済社 武田隆二[2009]『中小会社の計算公開と監査―各国制 度と実践手法―』清文社 中小企業白書[2017]「中小企業のライフサイクル―次 世代への継承―」中小企業庁編 富岡幸雄[2013]『税務会計学講義』中央経済社 平松一夫、広瀬義州[2010]『FASB 財務会計諸概念に 関するステートメント』中央経済社 松嶋隆弘[2008]『中小企業のための内部統制』ぎょう せい 溝上達也[2014]「英国における将来キャッシュ・フロ ー計算書の検討」『會計』第186 巻第 4 号 弥永真正[2011]「会社法会計の現状と課題」斉藤静樹 編著『企業会計と法制度』中央経済社 渡辺幸雄[2014]「中小企業とは何か」渡辺幸雄編著『21 世紀中小企業論』有斐閣

参照

関連したドキュメント

 当社は取締役会において、取締役の個人別の報酬等の内容にかかる決定方針を決めておりま

によれば、東京証券取引所に上場する内国会社(2,103 社)のうち、回答企業(1,363

ヨーロッパにおいても、似たような生者と死者との関係ぱみられる。中世農村社会における祭り

ているかというと、別のゴミ山を求めて居場所を変えるか、もしくは、路上に

① 新株予約権行使時にお いて、当社または当社 子会社の取締役または 従業員その他これに準 ずる地位にあることを

・子会社の取締役等の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制を整備する

場会社の従業員持株制度の場合︑会社から奨励金等が支出されている場合は少ないように思われ︑このような場合に

 工学の目的は社会における課題の解決で す。現代社会の課題は複雑化し、柔軟、再構