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行政改革への提言書 長崎市│第4次行政改革大綱(平成18年度~22年度)について

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行政改革への提言書

平成18年2月

(2)

ページ

はじめに… … … 1

1 行政改革の必要性… … … 2

2 行政改革の基本的な考え方… … … 3∼7 (1)市民との連携・協働によるまちづくりの推進… … … 3∼4 (2)選択と集中による行政サービスの重点化… … … 4∼5 (3)簡素で効率的な行政体制の整備… … … 5∼6 (4)健全な財政基盤の確立… … … 6∼7 3 数値目標の設定… … … 8∼9 (1)人件費の削減… … … 8

(2)累積経済効果… … … 9

(3)実効性の確保… … … 9

おわりに… … … 10

(3)

はじめに

長崎市におかれましては、昭和58年に「行財政運営の健全化に関する具体化方策

について」を策定して以来、平成8年に「行政改革大綱」を策定、平成12年の同大

綱の改定を経て今日に至るまで、社会情勢の変化に対応しながら、事務事業の効率化、

定員の適正化など、計画的な行政改革に取り組んでこられたことに対し敬意を表しま

す。

平成8年4月に市長からの委嘱を受け設置された本審議会は、これまで行政改革大

綱の策定に関する協議をはじめ、長崎市が置かれている財政状況や市町村合併、指定

管理者制度等の新たな行政課題の研究を行ってきました。

本年度においては、現行の行政改革大綱の計画期間が満了することに伴い、これま

での取り組みを検証するとともに、長崎市が置かれた現状を踏まえた、更なる行政改

革の必要性や取り組むべき具体的な方策などについて、5回の審議会を開催し、市民

の視点から活発な意見の交換を重ねてまいりました。

この度、これまでの審議会における論議を踏まえ、今後長崎市が取り組むべき行政

改革の方向性について、意見がまとまりましたので、ここに提言書としてお示しいた

します。

市長におかれましては、本提言書の趣旨に基づいた新たな行政改革大綱を策定し、

行政改革の推進に積極的に取り組まれますよう要望いたします。

平成18年2月23日

長崎市行政改革審議会

(4)

1 行政改革の必要性

長崎市は、平成12年度に改定された行政改革大綱に基づき、本年度までを計画期

間とする実施計画により、事務事業の民間委託や施設の民間移譲等、市政全般にわた

る行政改革を推進してきました。

しかしながら、長期にわたる景気低迷や人口減少等による市税収入の伸び悩みに加

え、国の三位一体の改革による地方交付税や臨時財政対策債の削減による影響を大き

く受けるとともに、歳出においては、過去に大型事業に取り組んだ際に借り入れた市

債の償還のための公債費や、社会保障・生活保護費をはじめとする扶助費が年々増加

しています。

加えて、人件費についても、これまでの行政改革の推進により、減少傾向が見られ

るものの、類似都市と比較すると依然として高い水準が続いています。

これらの状況により、平成16年度決算において、財政構造の弾力性を測る指標で

ある経常収支比率が、類似都市の平均と比べて10ポイント以上も高い97.4%に

達するなど、長崎市の財政状況は、ますます危機的な状況に追い込まれています。

また、規制緩和・法改正に伴う新しい制度の開始、市民の意識や価値観の変化に伴

う行政ニーズの高度化・多様化に加え、近隣の7町との合併により、行政区域が広域

化するとともに、合併前に発行された地方債や、少子高齢化等の問題を引き継ぐこと

となるなど、長崎市を取り巻く環境の変化は、更に加速度を増して進行し、今までに

ない新たな行政課題が山積しています。

このような中で、将来にわたる健全な財政基盤を確立していくためには、行政だけ

の取り組みでは限界があり、市民との連携強化が非常に重要となります。

市民に対し長崎市の危機的な財政状況を十分に説明し、行政改革の必要性を理解し

てもらうとともに、その推進にあたっては、市民の協力を得ながら、これまで以上の

(5)

2 行政改革の基本的な考え方

長崎市が置かれた現状を踏まえ、実効性の高い改革を推進していくため、次の4つ

の基本的方向性のもと、行政改革に取り組まれるよう提言いたします。

(1)市民との連携・協働によるまちづくりの推進

地方分権一括法の施行に伴う本格的な地方分権時代の到来により、地方自治体に

は一層の権限と責任が与えられ、従来までの国主導の画一的な行政サービスの提供

による地域づくりから、自らの判断と責任のもとに、地域の実情に応じた行政運営

を実践していくことが求められています。

一方、市民生活における環境の変化により、行政に対する市民のニーズは、ます

ます高度化・多様化しており、自治体運営は変革の時代を迎えています。

市政を取り巻く情勢が大きく変化し、市の財政状況に回復の兆しが見られない中

で、複雑化する行政課題を、行政の力だけで解決していくことは、もはや困難な状

況にあります。

今後は、これまでの「サービスの提供主体としての行政」と、「サービスの受け手

としての市民」という関係を払拭し、市民と行政が互いの役割と責任を認識しなが

ら連携・協働し、まちづくりを推進していくことが重要となります。

そこで、市民と行政との強固な信頼関係を構築するとともに、ボランティア・N

PO等市民団体との連携強化や政策立案段階における市民参加の体制を整備・強化

し、市民が市政に参加できる基盤を整えることが必要です。

−取り組むべき主な施策−

■ 市民団体との連携や支援制度を充実し、市民が気軽に市政に参加できる基盤を

整えること。

■ 個人情報の保護に十分配慮したうえで積極的に情報を公開・提供し、市民との

(6)

■ 市政提案制度やパブリックコメント制度の充実により、政策立案段階において

も市民の意見を積極的に取り入れること。

■ 包括外部監査制度や審議会等を活用することにより行政に対するチェック体

制や提言体制を強化し、公平・公正な行政運営に努めること。

(2)選択と集中による行政サービスの重点化

厳しい財政状況の中、複雑化する市民ニーズの全てに、行政が応えていくことは

困難です。

安全・安心を最優先とするなど、市民に対し施策間の優先順位についての理解と

協力を求めながら、民間活力の活用も視野に入れつつ、事務事業全般について継続

的に見直しを行うことが重要となります。

このため、政策評価システムを有効活用し、受益と負担の適正化、費用対効果等

を勘案したゼロベースからの見直しを行うとともに、「選択と集中」の手法により、

限られた財源や人員を、より重要度の高い施策へ重点的に投入することが必要です。

また、全体の費用や人員を拡大させることなく、手続きの簡素化や施設の開庁時

間の延長など、市民や利用者の立場に立った利便性の向上を図り、質の高い行政サ

ービスの提供に努めていく必要があります。

−取り組むべき主な施策−

■ 政策評価システムを有効活用し、所期の目的を達成した事業や非効率的な業務

の整理合理化を行うとともに、重要度が高く、真に必要な施策に対しては重点

的に財源・人員を投入し、効果的な行政運営を推進すること。

■ 合併により増加した施設や重複する事業についての検証を行い、合併協定書の

趣旨を尊重しながら、地域間における行政サービスの格差を是正すること。

■ 公権力を行使する業務や指導性の高い業務などを除き、行政責任を担保しなが

(7)

政サービスの提供を進めるとともに、行政コストの縮減に努めること。

■ 行政コストの縮減に主眼を置きながらも、職員の創意工夫により、市民の視点

に立った行政サービスを提供し、市民満足度の向上に努めること。

■ 行政サービスの向上、事務の効率化双方の観点から、IT化の推進に努めるこ

と。

(3)簡素で効率的な行政体制の整備

長崎市の財政状況は危機的な状況にあり、特に人件費については、歳出の中で大

きなウエイトを占め、財政を悪化させる大きな要因となっています。

健全な行政運営のためには、事務事業の内容に見合った適正な職員配置や、国・

県及び他都市の状況を踏まえた給与・各種手当の見直しなど、まずは行政内部の努

力により、人件費の削減を図っていく必要があります。

一方で、地方分権の進展に伴う権限移譲や社会環境の大きな変化により、地方自

治体に課せられた課題は年々増加しています。

平成19年度からは、いわゆる「団塊の世代」の職員が退職する時期を迎え、平

成17年度からの5年間で、全職員の約5分の1にあたる900人以上の退職が見

込まれており、多くの知識と経験を持った職員を失うこととなります。

そのため、職員研修の充実や人材評価制度・目標管理制度の有効活用により、職

員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、質の高い行政サービスを提供できるよう職

員の資質の向上を図ることが必要です。

−取り組むべき主な施策−

■ 「団塊の世代」の大量退職を見据え、既存の枠組みや従来からの慣例にとらわ

れることなく、事業の民間委託も念頭に置いた、斬新で効率的な組織体制の整

備を推進すること。

(8)

め、効率的な行政運営を推進すること。

■ 職員研修や人材評価制度、目標管理制度を有効活用し、職員の意識改革や能力

の向上を図り、少数精鋭で行政課題を的確に解決していくことができる人材の

育成に努めること。

■ 職員給与や各種手当、福利厚生制度の見直しを進め、人件費の抑制に努めると

ともに、積極的な情報公開に取り組み、市民から理解を得られる人事・給与制

度を確立すること。

(4)健全な財政基盤の確立

長崎市は、日本の最西端に位置し、かつ平地が少ないという地理的・地形的要因

などから、従来型の産業集積が進みにくく、市民1人あたりの市税収入が少ないこ

とに加え、前述のとおり昨今の社会情勢の変化により、財政状況はますます危機的

な状況に追い込まれています。

安定した行政運営のためには、健全な財政基盤の確立が不可欠であり、数値目標

を掲げた中長期的な計画を策定し、財政の健全化を図ることが重要です。

そこで歳入面においては、合併により引き継いだ資源を活用した企業誘致の推進

や地場産業の育成等により、地域経済を活性化するとともに、市税・使用料等の賦

課徴収の徹底、市有財産の有効活用など、自主財源の確保に向けた取り組みが必要

です。

また、歳出の面においては、徹底した経費の削減を図り、事務事業の優先性や行

政関与の妥当性を検証しながら、限られた財源の効果的な活用に努め、行政の無駄

をなくす取り組みが必要です。

−取り組むべき主な施策−

■ 課税客体の完全捕捉や徴収体制の強化等により、市税の適正な賦課・徴収に努

(9)

と。

■ 目的の見直しを進めながら、積極的な売払いや貸付などにより、市有財産の有

効活用を図ること。

■ 合併により引き継いだ資源を有効活用した企業誘致の推進や地場産業の育成

に力を注ぎ、産業の振興及び雇用機会の拡大を図ること。

■ 負担金・補助金については、行政が関与する必要性や費用対効果を勘案し、継

続的な見直しを進めること。

■ 入札・契約制度に対する市民の信頼を確保するとともに、コスト縮減を図るた

め、制限付一般競争入札への移行を推進すること。

■ 国民健康保険事業や介護保険事業などの特別会計、並びに上下水道事業及び病

(10)

3 数値目標の設定

長崎市が置かれている極めて厳しい財政状況や現在の社会情勢を勘案すると、残念

ながら長崎市の明るい未来を展望することは困難です。

安定した市政の実現のためには、先に述べた基本的な考え方に基づき、計画的に改

革に取り組むことが重要あり、推進にあたっての具体的な数値目標を設定し、その達

成に向けてまい進することで、行政改革がより実効性の高いものとなります。

そこで、長崎市の現状を鑑み、次の目標を掲げたうえで行政改革に着手されるよう

提言いたします。

(1)人件費の削減

長崎市は、3次にわたる行政改革により職員数の適正化に取り組んできました

が、平成16年度における普通会計の人件費の総額は約370億円で、市民 1 人

あたりに換算すると80,813円と、中核市の中で4番目に高い状況にありま

す。

今後とも現在の行政サービスの水準を維持していくためには、事務事業の見直

しや民間活力の積極的な活用などにより、行政運営のコストを削減することが重

要ですが、特に歳出全体の約17%を占める人件費を抑制することが最優先の課

題であると考えられます。

昨年12月に閣議決定された「行政改革の重要方針」におきましては、地方公

務員の定員については、4. 6%以上の純減に向けて取り組むこととされています

が、長崎市では7町との合併により、業務の見直しや組織体制の一層の効率化が

見込めることから、計画期間中に600人、率にして約13%の定員削減が必要

であると思われます。

また、職員の削減に加え給与制度の見直しや非常勤職員の適正化、時間外勤務

の縮減などにより、平成16年度の普通会計の決算額から、総額で約30億円の

(11)

(2)累積経済効果

職員数の削減とともに累積経済効果の目標設定は、行政改革の成果を示す指標

として大きな目安となり、行政改革の推進にあたって、職員及び市民の意識を高

めるために非常に重要です。

長崎市は他都市と比較すると自主財源に乏しく、地方交付税に依存する財政構

造となっており、今後、三位一体の改革による地方交付税の削減が更に進むこと

になれば、その影響を大きく受けることが予想されます。

そのため人件費はもとより、徹底した歳出の抑制に努めるとともに、市税等の

徴収強化や市有財産の有効活用など、歳入の強化を図り、総額で200億円以上

の経済効果を挙げることが必要であると思われます。

(3)実効性の確保

行政改革大綱と併せて策定する「行政改革実施計画」( 集中改革プラン) につい

ても、施策ごとに可能な限り数値目標を設定し、市民に公表することで、今後の

行政改革の方向性を明らかにしなければなりません。

また、その進行管理を徹底し、個々の施策の進捗状況についても明らかにする

(12)

おわりに

今回の行政改革は、行政体制・事務事業の大幅な合理化と市民サービスの両立と

いう、きわめて困難な課題を背負った改革になるものと予想されます。

長崎市におかれましては、本提言書に盛り込んだ内容をもとに、行政改革大綱を

速やかに策定されるとともに、実施計画に沿ってそれぞれの施策を計画的に実行に

移してください。

行政改革の推進にあたっては、市民の理解と協力が必要不可欠であることから、

広報紙、ホームページ等を通じて、その必要性や意義を十分説明するとともに、計

画の進捗状況についても分かりやすい形で公表し、改革の姿が目に見えるようにし

なければなりません。

また、行政改革に対する職員間の意識の統一を図り、各々が共通の認識と目標を

持って改革に取り組んでいくことが重要です。

今後5年間で、市政を取り巻く社会情勢は、われわれの想像をはるかに超える規

模で変化を遂げることも考えられます。

その際は計画に固執することなく、計画策定( Pl an) →実施( Do) →検証( Chec k)

→見直し( Ac t i on) の「PDCAサイクル」に基づき、必要に応じた計画の修正・追

加を行い、環境の変化に対して柔軟な対応を図っていただきたいと思います。

本審議会は、この提言書の策定をもって一つの大きな役割を終えたこととなりま

すが、これからも社会情勢の変化に留意し、常に新しい情報を取り入れながら、計

画の実施にあたっての適切な助言を行うなど、今後の長崎市の行政改革の進捗状況

を注意深く見守ってまいりたいと思います。

そして私たちも、単に行政サービスの受け手としてだけではなく、市民の一人と

してまちづくりの担い手となり、市政に積極的に参加するなど、自らの役割と責務

を果たすことで、5年後の長崎市が観光・産業の振興をはじめとして、活気と活力

(13)

長崎市行政改革審議会委員名簿

長 須 齋 正 幸

長 脇 田 安 大

員 石 﨑 泰 憲

宮 玲 子

中 村 健 二

西

西 田 榮 子

二 宮 節 子

福 島 満 徳

松 田 寿 子

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