「審判員は野球場における
『なぜ、野球にそこまで魅了されるのか』
広いグランドで、打って走ってボールを追いかける。チームと個
人が絡み合うプレー。一球への集中力と瞬時の判断。自分が考え、
取り組んできたことが試され、すぐに結果が表れること。そして、ひ
とつひとつのプレーに区切りがあり、それをつなぐ独特の「間」も、
われわれに合っているのだろう。
大切なのは「規則の文字よりその精神」
今から一世紀以上も前の1873年の話だが、当時はインフィー
ルドフライのルールがなかったので、ボストンは対フィラデルフィア
戦で相手の無死満塁のチャンスに、あらかじめ考えていた遊撃手
が故意に落球し、遊→捕→三→二と送球してトリプルプレイを達成
した。この試合の主審エリスは「規則の文字よりその精神」に則し
て、“全走者はセーフ”であると宣告した。この判定がもとになって
インフィールドフライの規則がつくられたのである。
アマ・プロ審判員で活躍された元セ・リーグ審判部長の島秀之助
さんは審判の権威について体験談のなかで次のように綴っている。
「司法研修所で新任の検事補や判事補に審判の話をしてほしいと
依頼があった。それで将来の裁判官を前に『昔、審判員は審判官
といわれた。審判官は厳正中立でなければならない。裁判官にな
られるみなさんも厳正中立ということを忘れないでいただきない。
みなさんは、人を裁く立場になられるのだが、審判官も立派に裁け
るようになるには十年は必要なのである。裁判官も同じだと思う。』
と前置きして、私の経験したエピソードを話した。」
合掌 西大立目永さん66歳(にしおおたちめ・ひさし=早稲田大名誉教授、元選抜 高校野球大会選考委員)平成14年12月16日逝去 66年から86年にかけて東京六大学野球、高校野球の春夏の甲子園大会、社会人野 球で審判を務め、日本アマチュア野球規則委員会の委員長も歴任した。
野球審判員の条件と心得
【必携 野球の審判法 c H.Nishiohtachime 1995 より】 ◆野球審判員とは 1.審判員は野球場における唯一の代表者である どのような試合形式(伝統あるビッグ・イベントの大会、練習場でのオープン戦でも) であっても主宰する審判員がいなければ試合は始まらない。 審判員の役割として「公認野球規則」の9.01には「指導・管理・運営」、また審判員に 対する一般指示事項には「審判員は競技場における唯一の代表者である」と明記さ れている。 グランドにおける審判員の機敏な行動と適切な判断と明確なジャッジが、知らず知 ら ずのうちにプレイヤーのプレイを活発にし、良きプレイを生み出し、試合をより良い 方 向へ変化させる。このようなことは、審判員にとって楽しく嬉しいことである反面、と て も恐ろしいことでもある。 2.審判員はゲームの流れに影響を及ぼす力を持っている 審判員のグランドにおける一挙一動が、試合をいかようにも変化させてしまうことは、 審判員の道に真剣に取り組んでいるものには容易に理解できる「審判の楽しさと恐ろ しさ」である。 審判員は、研究と努力と精進を重ねれば重ねるほど、試合を自由に演出できる要 素が増えてくるものなのである。ここが審判の最大の魅力であり、「コンダクト・オブ・ ザ・ゲーム」といわれる所以でもある。 「自由に演出する」ということは、決して自分の思い通りに判定し、試合を終わらせて しまうことではない。そんな考え方や方法で審判をやれば、たちまち失格者の烙印を 押され、二度とグランドに立つことできなくなる。「演出」とは、あくまで努力・精進・研 究を重ね、審判員としての必要な基本能力を身につけた上での「ゲームの自然の流 れに影響を及ぼす多大な努力」でなければならない。日ごろから野球競技と審判に 関する規則・動作・型・位置・心理・役割・意義・考え方などの勉強に情熱を燃やし、ベ ストコンデションで試合に臨んだときに、はじめて成し遂げられる審判の技なのである。 3.審判員は野球大好き人間でなければならない 野球が大好きで、審判員の道に懸命に努力している人であれば、審判員くらい人 生を充実させる面白い仕事は他にないと考えるはずである。体と声をいっぱいに使っ てプレイを裁いていくこと、しかも、それが確信を持ってくだした正しい判定であったと き、あるいは、それが勝負を分ける大切な判定であったときの爽快感は、何ものにも 替え難い充実感となって、心にひしひしと伝わってくるものである。もちろん、審判員 にもつらいことはたくさんある。いや、むしろその方がおおいかもしれない。アマチュア は、まず職業との両立を図らなければならない。両立を図るということは至難の業に 近い。必ず、何かひとつが犠牲になるものである。 1野球審判員の条件と心得
【必携 野球の審判法 c H.Nishiohtachime 1995 より】 ◆野球審判員の条件 野球審判員になるためには、さまざまな条件が考えられるが、それらの条件を、ここで は①「必須の基本条件」と②「優秀なる適正条件」の二つの領域に整理して考えてみるこ とにする。 はじめからすべての条件に恵まれている人は皆無であり、優秀あるいは有能といわれ る 審判員は、審判員としての「礎材」(①の条件)を基に、自己に与えられているいくつか の 限られた「素質」(②の条件)をいかに活用し、それをどのように技術の上に開花させ、 ど の程度欠点を隠すことができるのか、その努力と工夫と経験を日々積み重なることが 良 き審判員となるための条件であると考える。 1.必須の基本条件(礎材) (1)野球が大好きであること 審判員を目指す人は、あらゆる困難や矛盾や屈辱に打ち勝ち充実した審判生活を 送るために、自分の胸に両手を当て、「野球愛」があるかないかを自問自答してほし い。野球審判はたとえアマチュアであっても、決して自己満足のためや、片手間にや るべきものではない。そうしないと、将来に向かって球界が大きく飛躍することは望め ないし、プレイヤーの技術も向上しないからである。 (2)プレイヤーとしての経験をもっていること 賛否両論があることも否定できないが、競技を見つめる力は技術的な訓練をいか に数多く反復するかによって生まれ育ってくるものであるからである。 (3)健康であること (4)視力に欠陥がないこと 2.優秀なる適正条件(素質) (1)身体的条件 ①体躯が大きいこと ②声が大きいこと ③足・腰が丈夫なこと ④防衛体力に優れていること (2)精神的条件 ①冷静で忍耐強い人 ②強い心をもち、正義感の旺盛な人 ③集中力と決断力に優れている人 ④凝り性で研究熱心な人 2野球審判員の条件と心得
【必携 野球の審判法 c H.Nishiohtachime 1995 より】 ◆野球審判員の心得 1.基本的な心得 (1)ルールをしっかり勉強すること(ルールブック&競技者必携) (2)基礎体力の維持向上に努めること (3)規則正しい生活を心がけること (4)基本技術の習得練習を怠らないこと(四人制メカニックスとジェスチャーの基本) 2.試合へ臨むための心得 (1)用具の点検を行うこと (2)余裕を持って球場へ入ること (3)食事の時間と内容に注意すること 3.球場に置ける試合前の心得 (1)身支度をしっかりと整えること (2)規則に定められている任務を遂行すること ①競技に使用する用具の監視と点検 ②競技場の点検 ③試合球の調達と点検 ④必要に応じた特別グランドルールの設定と通告 ⑤メンバー交換時の立ち合いとその点検 (3)同僚審判員との打ち合わせおよびサインの取り決めを行うこと (4)監督やプレイヤーと私的な接触を避けること 4.試合中の心得 (1)ボールから目を離さないこと (2)プレイの結果を予測しないこと(起こりえる可能性のあるプレイすべてを予測する) (3)選手と私語を交わさないこと (4)抗議を受けることを恐れないこと (5)ウォームアップを取り入れること (6)スムーズなスピーディーな試合進行を心がける (7)「タイム」の宣告には十分意を用いること (8)横柄でふしだらな態度は厳に慎むこと 5.試合後の心得 (1)同僚審判員と反省点を話し合うこと (2)試合の内容や問題点・反省点をノートに記すこと (3)用具の手入れを行うこと (4)入浴して心身のリフレッシュを図るこ 3下記の状況をイメージし、アンパイヤーの ①判定および判定する際の位置どりや心得 ②ジェスチャーの要領 ③適用規則 ④場内説明、伝令への説明 について解説してください。 Situation(1)【状態・事態】 一死走者1塁、左投手がステップせずに1塁へ送球した。走者は追い出されたので、 そのまま2塁へ走った。一塁手の2塁への送球がワンバウンドし外野方向に逸れたの を見て走者は3塁を狙った。3塁塁審は2塁塁審がシグナルしたボークのゼスチャー が確認できていなかったので、三塁での触球プレイでアウトを宣告した。 ① ② ③ ④只今のプレイについて説明いたします。 4
下記の状況をイメージし、アンパイヤーの ①判定および判定する際の位置どりや心得 ②ジェスチャーの要領 ③適用規則 ④場内説明、伝令への説明 について解説してください。 Situation(2) 【状態・事態】 一死1・3塁、右投手が3塁に疑投後1塁に送球したが、1塁への送球が低く野手が 後逸した。3塁への疑投の際にステップはしたが、セットの手を離さなかったので、 球審はボークのシグナルを出していた。 1塁走者は、3塁を狙い間一髪セーフになった。 守備側の伝令が3塁塁審に、『ボークで2塁に戻されるのではありませんか』と質問し て来た。 ① ② ③ ④只今のプレイについて説明いたします。 5
下記の状況をイメージし、アンパイヤーの ①判定および判定する際の位置どりや心得 ②ジェスチャーの要領 ③適用規則 ④場内説明、伝令への説明 について解説してください。 Situation (3) 【状態・事態】 一死走者満塁、打者はショートゴロを打った。前進守備で本塁に送球しようとしたが、 2塁走者が野手を避けきれずに接触してしまった。野手はよろけながら本塁への送球 を諦め1塁へ送球し、1塁塁審は打者走者にアウトの宣告をした。 この間、2塁走者 は3塁へ進み、各走者も次塁へ進塁していた。 2塁塁審は審判を集めて守備妨害の報告確認をし、場内に規則適用の説明をした。 ① ② ③ ④只今のプレイについて説明いたします。 6
下記の状況をイメージし、アンパイヤーの ①判定および判定する際の位置どりや心得 ②ジェスチャーの要領 ③適用規則 ④場内説明、伝令への説明 について解説してください。 Situation (4) 【状態・事態】 一死2・3塁、打者の振ったバットが捕手のミットに当たったが、3塁への緩いゴロ となった。3塁手は捕球後3塁走者を目でけん制しながら1塁へ送球したが、ショー トバウンドし一塁手が捕球できずにダイヤモンド内に転がった。これを見た3塁走者 は本塁を駆け抜けたが、2塁走者は3塁に進めなかった。 球審は、思い直したように選択プレイであることをベンチに向かってジェスチャーした が、監督の回答が無かったので規則通りに進めた。 ① ② ③ ④只今のプレイについて説明いたします。 7
下記の状況をイメージし、アンパイヤーの ①判定および判定する際の位置どりや心得 ②ジェスチャーの要領 ③適用規則 ④場内説明、伝令への説明 について解説してください。 Situation (5) 【状態・事態】 9回裏同点で一死満塁。スクイズプレイは投手前にゴロが転がった。すばやいグラブ トスで3塁走者はフォースアウトになったが、ダブルプレイを狙った捕手の一塁への送 球がファールラインの内側を走っていた打者走者の背中に当たり、ポールはファール グランドを転々とした。 2塁走者はサヨナラで勝ったと思い万歳をしながら本塁を踏んだ。 ① ② ③ ④只今のプレイについて説明いたします。 8
下記の状況をイメージし、アンパイヤーの ①判定および判定する際の位置どりや心得 ②ジェスチャーの要領 ③適用規則 ④場内説明、伝令への説明 について解説してください。 Situation (6) 【状態・事態】 8回裏同点で一死1・3塁。スクイズプレイは一塁手前方のポップフライとなった。 投手がフライを捕り、ピンチをしのいだと身体いっぱいで表現しながら一塁に送球し3 死となった。3塁走者は帰塁せずに一塁手が捕球する前に本塁べ一スを駆け抜けて いた。守備側の選手がベンチ前に帰ると、スコアボードに8回裏1点が掲示されたので、 『スコアボード間違ってます』と、伝令が球審の所へ訂正を求めてきた。 ① ② ③ ④只今のプレイについて説明いたします。 9
下記の状況をイメージし、アンパイヤーの ①判定および判定する際の位置どりや心得 ②ジェスチャーの要領 ③適用規則 ④場内説明、伝令への説明 について解説してください。 Situation (7) 【状態・事態】 無死満塁。打者はマウンド後方にフライを打ち上げてしまった。『インフィールドフライ』 が球審と塁審で宣告された。飛球を受けようとした投手と遊撃手が重なり、遊撃手は一 旦グラフに飛球を当てたが落としてしまった。これを見た3塁走者は本塁に向かって走 り出した。遊撃手はボールを拾って捕手に送球したが、捕手はフォースプレイの捕球姿勢 でべ一スを踏み、一塁へ送球しようとした。 球審の『セーフ』という宣告に守備側は呆然とした。 ① ② ③ ④只今のプレイについて説明いたします。 10
下記の状況をイメージし、アンパイヤーの ①判定および判定する際の位置どりや心得 ②ジェスチャーの要領 ③適用規則 ④場内説明、伝令への説明 について解説してください。 Situation (8) 【状態・事態】 9回裏、1対1の同点、無死走者三塁。打者のカウント2ボール2ストライクのときスクイズ が行われ三塁走者が本塁へ向かってきたときに、打者は片足を打者席の外において 打った。(バットは投球に触れなかった)慌てた捕手は投球を受け損ねボールはバック ネット前で転々としていた。 三塁走者は悠々と本塁を踏みサヨナラに歓喜したベンチおよび攻撃側応援団は興奮 状態であった。捕手は球審に『バットにかすれたので守備妨害ではないか』とアピール したため、球審は審判を集めて協議した。 ① ② ③ ④只今のプレイについて説明いたします。 11
【審判委員研修の資料(保存版)】 下記の状況をイメージし、当該アンパイヤーの①判定する際の位置どりや心得②ジェス チャーの要領③適用規則④場内説明、伝令への説明について解説してください Situation(1)【状態・事態】 一死走者1塁、左投手がステップせずに1塁へ送球した。走者は追い出されたので、 そのまま2塁へ走った。一塁手の2塁への送球がワンバウンドし外野方向に逸れたの を見て走者は3塁を狙った。3塁塁審は2塁塁審がシグナルしたボークのゼスチャー が確認できていなかったので、三塁での触球プレイでアウトを宣告した。 ①ボークのアドバンテージ(有効な条件)が消えた時点、一塁手が投手からの牽制 球を捕球したときにボークを宣告した二塁審判は“タイム”でプレイを停止する。 ②二塁審判の“タイム”で他審判員も同調しプレイを停止する。二塁審判は一塁走者 に二塁への進塁を促す。 ③8.05(c)投手板に触れている投手が、塁に送球する前には直接その塁の方向に 踏み出さなかった場合。 ペナルティ:本条各項によってボークが宣告されたときは、ボールデッドとなり、各 走者は、アウトにされるおそれなく、一個の塁が与えられる。 【付記1】投手がボークをして、しかも塁または本塁に悪送球(投球含む)した場合、 塁上の走者はボークによって与えられる塁よりもさらに余分の塁へアウトを 賭して進塁してもよい。 【注2】本項【付記1】の“悪送球”には、投手の悪送球だけでなく、投手からの送球を 止め損じた野手のミスプレイも含まれる。走者が、投手の悪送球または野手のミ スプレイによって余塁が奪えそうになり、ボークによって与えられる塁を越えて 余分に進もうとしたときには、ボークと関係なくプレイは続けられる。 ④只今のプレイについて説明いたします。 投手の一塁牽制に対し二塁審判が“ボーク”を宣告しましたので、ボールデットとな り一塁走者には一個の塁が与えられます。一死走者2塁で再開いたします。
【審判委員研修の資料(保存版)】 下記の状況をイメージし、当該アンパイヤーの①判定する際の位置どりや心得②ジェス チャーの要領③適用規則④場内説明、伝令への説明について解説してください Situation(2) 【状態・事態】 一死1・3塁、右投手が3塁に疑投後1塁に送球したが、1塁への送球が低く野手が 後逸した。3塁への疑投の際にステップはしたが、セットの手を離さなかったので、 球審はボークのシグナルを出していた。 1塁走者は、3塁を狙い間一髪セーフになった。 守備側の伝令が3塁塁審に、『ボークで2塁に戻されるのではありませんか』と質問し て来た。 ①ボークのアドバンテージ(有効な条件)を適用しプレイを見守る。 ②インプレイのまま、ゼスチャーはなし。 ③8.05(c)投手板に触れている投手が、塁に送球する前には直接その塁の方向に 踏み出さなかった場合。 ペナルティ:本条各項によってボークが宣告されたときは、ボールデッドとなり、各 走者は、アウトにされるおそれなく、一個の塁が与えられる。 【付記1】投手がボークをして、しかも塁または本塁に悪送球(投球含む)した場合、 塁上の走者はボークによって与えられる塁よりもさらに余分の塁へアウト を賭して進塁してもよい。 【注2】本項【付記1】の“悪送球”には、投手の悪送球だけでなく、投手からの送球を 止め損じた野手のミスプレイも含まれる。走者が、投手の悪送球または野手のミ スプレイによって余塁が奪えそうになり、ボークによって与えられる塁を越えて 余分に進もうとしたときには、ボークと関係なくプレイは続けられる。 ④只今確認したことについて説明いたします。 投手の一塁牽制に対し球審は“ボーク”を宣告しましたが、送球を野手が後逸した ためボークによって与えられる塁を越えて余分に進んでも問題はありません。ボーク と関係なくプレイが続くことを確認しました。
【審判委員研修の資料(保存版)】 下記の状況をイメージし、当該アンパイヤーの①判定する際の位置どりや心得②ジェス チャーの要領③適用規則④場内説明、伝令への説明について解説してください Situation (3) 【状態・事態】 一死走者満塁、打者はショートゴロを打った。前進守備で本塁に送球しようとしたが、 2塁走者が野手を避けきれずに接触してしまった。野手はよろけながら本塁への送球 を諦め1塁へ送球し、1塁塁審は打者走者にアウトの宣告をした。 この間、2塁走者 は3塁へ進み、各走者も次塁へ進塁していた。 2塁塁審は審判を集めて守備妨害の報告確認をし、場内に規則適用の説明をした。 ①二塁走者が遊撃手の守備を妨害したと審判員(二塁もしくは三塁審判)が確認し た瞬間にボールデッド ②“タイム”⇒“二塁走者を指差しインターフェアーのコール”⇒“アウト”とする。 ③7.08(b)走者アウト 走者が、送球を故意に妨げた場合、または打球を処理しようとしている野手の妨げ になった場合。 【原注1】打球(フェアボールとファールボールとの区別なく)を処理しようとしている 野手の妨げになったと審判員によって認められた走者は、それが故意であったか 故意でなかったかの区別なく、アウトになる。 7.09(l)打者または走者の妨害 走者が打球を処理しようとしている野手を避けなかったか、あるいは送球を故意に 妨げた場合。 ④只今のプレイについて説明いたします。 二塁から三塁へ向かった走者とゴロを捕ろうとした遊撃手が接触したため、守備妨 害で二塁走者を“アウト”とします。二死走者満塁で再開いたします。
【審判委員研修の資料(保存版)】 下記の状況をイメージし、当該アンパイヤーの①判定する際の位置どりや心得②ジェス チャーの要領③適用規則④場内説明、伝令への説明について解説してください Situation (4) 【状態・事態】 一死2・3塁、打者の振ったバットが捕手のミットに当たったが、3塁への緩いゴロ となった。3塁手は捕球後3塁走者を目でけん制しながら1塁へ送球したが、ショー トバウンドし一塁手が捕球できずにダイヤモンド内に転がった。これを見た3塁走者 は本塁を駆け抜けたが、2塁走者は3塁に進めなかった。 球審は、思い直したように選択プレイであることをベンチに向かってジェスチャーした が、監督の回答が無かったので規則どうりに進めた。 ①バットが捕手のミットに当たったときに球審は、頭上で左手甲を右手で二三度たた き“インタフェアー”のコール、プレイが続けられた場合は、注意深く見守る。 ②プレイが終了した時点で「タイム」、監督の選択権がある場合は、攻撃側ベンチに 対し再度“インタフェアー”のコールを行い、適切な措置を実施する。 ③6.08(c)打者が安全に進塁できる場合 捕手またはその他の野手が、打者を妨害(インターフェア)した場合。しかし、妨害に もかかわらずプレイが続けられたときには、攻撃側チームの監督は、そのプレイが 終わってからただちに、妨害行為に対するペナルティの代わりに、そのプレイを生 かす旨を球審に通告することができる。ただし、妨害にもかかわらず、打者が安打、 失策、四死球、その他で一塁に達し、しかも他の全走者が少なくとも一個の塁を進 んだときは、妨害とは関係なく、プレイは続けられる。 ④只今確認したことをお知らせします。 捕手の打撃妨害に対し、攻撃側監督からプレイを生かす申し出がなかったので、一 死満塁で再開いたします。
【審判委員研修の資料(保存版)】 下記の状況をイメージし、当該アンパイヤーの①判定する際の位置どりや心得②ジェス チャーの要領③適用規則④場内説明、伝令への説明について解説してください Situation (5) 【状態・事態】 9回裏同点で一死満塁。スクイズプレイは投手前にゴロが転がった。すばやいグラブ トスで3塁走者はフォースアウトになったが、ダブルプレイを狙った捕手の一塁への送 球がファールラインの内側を走っていた打者走者の背中に当たり、ボールはファール グランドを転々とした。 2塁走者はサヨナラで勝ったと思い万歳をしながら本塁を踏んだ。 ①球審は三塁走者のホースアウト確認後、一塁へのプレイを一塁-本塁を結ぶ延 長線で注視する。 ②打者走者の一塁に対する守備妨害と確信したら、“タイム”⇒“打者走者を指差し インターフェア”⇒“アウト”とする。 ③6.05(k)打者アウト、7.09(k)打者または走者の妨害 一塁に対する守備が行われているとき、本塁一塁間の後半を走るにさいして、打者 がスリーフットラインの外側(向かって右側)、またはファウルラインの内側(向かって 左側)を走って、一塁への送球を捕らえようとする野手の動作を妨げたと審判員が 認めた場合。 ペナルティ 走者はアウトとなりボールデットとなる。 2.44(a)「インターフェアランス」(妨害)【原注】 打者走者が一塁に到達しないうちに妨害が発生したときは、すべての走者は投手 の投球当時占有していた塁に戻らなければならない。 【注】右【原注】は、プレイが介在した後に妨害が発生した場合には適用しない。 ④只今のプレイに対し説明いたします。 打者走者が一塁に対する守備を妨げたため“アウト”とします。三塁走者及び打者 走者がアウトとなるため、攻守交代で試合を続行します。
【審判委員研修の資料(保存版)】 下記の状況をイメージし、当該アンパイヤーの①判定する際の位置どりや心得②ジェス チャーの要領③適用規則④場内説明、伝令への説明について解説してください Situation (6) 【状態・事態】 8回裏同点で一死1・3塁。スクイズプレイは一塁手前方のポップフライとなった。 投手がフライを捕り、ピンチをしのいだと身体いっぱいで表現しながら一塁に送球し3 死となった。3塁走者は帰塁せずに一塁手が捕球する前に本塁べ一スを駆け抜けてい た。守備側の選手がベンチ前に帰ると、スコアボードに8回裏1点が掲示されたので、 『スコアボード間違ってます』と、伝令が球審の所へ訂正を求めてきた。 ①一塁走者の帰塁(タイムプレイ)と三塁走者の本塁到達が確認できる位置取り、ス クイズプレイで小飛球の場合、捕球の確認とスタートを切っている走者の帰塁に特 に注意をはらわなければならない。 ②タイムプレイで本塁到達のほうが早い場合、本部に向かって得点が入ったことを ホ ームプレートを指差して示す。遅い場合は、両手を交差して得点が認められない こ とを示す。 ③4.09得点の記録(a)【注1】 第三アウトがフォースアウト以外のアウトで、そのプレイ中に他の走者が本塁に達 した場合、球審は、その走者にアピールプレイが残っているか否かに関係なく、本 塁到達の方が第三アウトより早かったか否かを明示しなければならない。 7.08(d)走者アウト7.10(a)アピールアウト フェア飛球、ファウル飛球が正規に捕らえられた後、走者が帰塁するまでに、野手 に身体またはその塁に触球された場合。ただし、投手が打者へ次の一球を投じて しまうか、または、たとえ投球しなくても、その前にプレイをしたり、プレイを企ててし まえば、帰塁をしていないという理由によって走者がアウトにされることはない。こ の場合は、アピールプレイである。 第三アウトが成立した後、ほかにアピールがあり、審判員が、そのアピールを支持 した場合には、そのアピールアウトが、そのイニングにおける第三アウトとなる。 攻守交代の場合と試合終了の場合との区別なく、いずれの場合でも投手および内 野手がフェア地域を離れたときに、アピール権が消滅することとする。 ④只今確認したことをお知らせいたします。 一塁でのアウトより先に三塁走者が本塁へ到達したことを確認いたしました。得点 “1”を認め試合を継続します。
【審判委員研修の資料(保存版)】 下記の状況をイメージし、当該アンパイヤーの①判定する際の位置どりや心得②ジェス チャーの要領③適用規則④場内説明、伝令への説明について解説してください Situation (7) 【状態・事態】 無死満塁。打者はマウンド後方にフライを打ち上げてしまった。『インフィールドフライ 』が球審と塁審で宣告された。飛球を受けようとした投手と遊撃手が重なり、遊撃手は 一旦グラフに飛球を当てたが落としてしまった。これを見た3塁走者は本塁に向かっ て走り出した。遊撃手はボールを拾って捕手に送球したが、捕手はフォースプレイの捕 球姿勢でべ一スを踏み、一塁へ送球しようとした。 球審の『セーフ』という宣告に守備側は呆然とした。 ①『インフィールドフライ(打者アウト)』宣告時期は、内野手が普通の守備行為をすれ ば容易に捕球できると判断した場合。 ② 『インフィールドフライ』とコール、走者をかかえている塁審は同調する。また、球 審が宣告を忘れていると思われるときは塁審が宣告する。 ③6.05(c)打者アウト インフィールドフライ 7.08(c)走者アウト フォースプレイにおいて、後位の走者が先にアウト(インフィールドフライ)になれば、 フォースの状態でなくなり、前位の走者には進塁の義務がなくなるから、身体に触 球されなければアウトにはならない。(このアウトはタッグアウトである) ④只今確認したことをお知らせします。 三塁走者に対する本塁でのプレイは、すでに打者がアウトとなっているためタッグ プレイであることを確認しました。
下記の状況をイメージし、アンパイヤーの ①判定および判定する際の位置どりや心得 ②ジェスチャーの要領 ③適用規則 ④場内説明、伝令への説明 について解説してください。 Situation (8) 【状態・事態】 9回裏、1対1の同点、無死走者三塁。打者のカウント2ボール2ストライクのときスクイズ が行われ三塁走者が本塁へ向かってきたときに、打者は片足を打者席の外において 打った。(バットは投球に触れなかった)慌てた捕手は投球を受け損ねボールはバック ネット前で転々としていた。 三塁走者は悠々と本塁を踏みサヨナラに歓喜したベンチおよび攻撃側応援団は興奮 状態であった。捕手は球審に『バットにかすれたので守備妨害ではないか』とアピール したため、球審は審判を集めて協議した。 ①打者が片足を打者席の外において打ち、投球がバットにあたったかどうかを注視す る。投球がバットにあたらない場合はストライクをコールし状況を見定める。 ②“ストライク”または“ストライクスリー”のコール ③投球が片足を打者席の外において打った打者のバットにあたらなかった場合は成 り行き 投球が片足を打者席の外において打った打者のバットにあたった場合。 7.08g走者アウト(守備妨害を対象の三塁走者におきかえる) 【注3】本塁の守備を妨げたのが打者であった場合に限って適用する。 打撃を完了して打者から走者になったばかり(例えばスクイズで前進してきた 野手の捕手への送球妨害など)の打者走者が妨害した場合は適用されない。 6.05g、7.08bを適用、打者走者“アウト”走者を投手の投球当時、すなわ ち三塁へ戻す。 打者が第三ストライクを宣告されただけで、まだ、アウトになっていない場合 (例えばワンバウンドの投球をスクイズ失敗した)または四球の宣告を受けた時 の妨害は7.09a(注)適用、①打者走者“アウト”走者を投手の投球当時、す なわち三塁へ戻す。②6.05b 第三ストライクの投球を捕手が正規に捕球 ま たは 6.05c 無死または一死で一塁に走者があるとき7.09f適用し三塁走 者もアウト ④只今のプレイについて説明いたします。 投球がバットにあたっていないことを確認しました。得点を認め試合終了とします。