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「金、銀取引‐COMEX VS SHFE / TOCM」

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「金、銀取引‐COMEX

VS SHFE / TOCM」

2 017年9月 金属

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な先物市場を有している。この先物の現物決済は、もちろんニューヨークで実行される。また、アジアでは古くから、金塊や宝飾品として現物の金が 好まれてきた。ただ、新世紀を迎えると共に著しい経済発展を遂げた中国を背景に、金の所有証書の売買も加速的に増えてきている。上海金取引 所(SGE)の金スポット取引や上海先物取引所(SHFE)の金先物は、アジア地域の取引所では最大の売買高となっている。世界の3大取引センター は、裁定取引が常に行われるなど、互いに影響し合い、補完し合う関係ともなっている。本稿では、それぞれの市場における金、銀取引の特色を考 察し、アジアの投資家にとって妙味があると考えられる裁定機会を解説する。1

アジア時間でも高い流動性を維持するCOMEXの金先物(GC)

COMEXの金先物(商品コード:GC)は日中売買高が26万4000枚2(82万1000kg)に達するプロダクトであり、同様の先物としては世界最大であること が知られている。世界各地で取引される金については、アジア、欧州、南アメリカ、そして米国であっても、各地域の時取引が可能となる様に、CMEグ ループではほぼ24時間の取引を可能としている。世界的なプロダクトとして、GCは高い市場流動性を時間帯を問わず維持しているのである。例え ば、アジア時間(シンガポール時間の午前9時から午後5時)3に取引されるGCの想定額面は15万kg超に達している。 図1では、2016年6月以来のCOMEXの金先物売買高を示している。アジア時間単体であっても、同時間に稼働している同地域の取引所の売買高 を上回っている。COMEXの金先物における月間売買高(アジア時間)は、350万㎏に達している一方、SHFEは200万㎏4SGEも200万㎏、TOCOMは 50万㎏となっている。さらに、COMEXの金先物に関しては、総売買高に対するアジア時間の売買高の割合が205%超となるなど、2012年の15%に比 べて、この時間帯の流動性は格段に改善している。 1 金や銀が取引されるロンドンの業者向けOTC貴金属市場は、LBMA(ロンドン貴金属市場協会)会員によって取引が行われている。 2 26万4000枚は、2017年1月から7月までの日中売買高平均である。 3 シンガポール時間の午前9時‐午後5時は、同地域の他取引所の取引時間を勘案したものである。「COMEXの金先物の流動性」と題した別のレポートでは、米国の通常取引時間と比較 するため、午前8時‐午後8時を用いている。 4 SHF EとSGEでは、売買高を「売り方/買い方」の統計としている。ラウンド・ターンで 集計するCOME Xとの比較では、SHF E/SGEの売買高はオリジナルを2分割して用いている。 COMEXのGC(額面100オンス)はSHFE/SGEの同様先物(同1キロ)の6倍となる。 5 「COMEXの金先物の流動性」と題したレポートでは米国の通常取引時間外における売買高を、2017年上期におけるGCの全体に対して31%としている。 図1: アジア時間でも高い流動性に裏打ちされたGCの売買高 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000

GC (Asia Hours) SGE Spot SHFE TOCOM

Feb-16 May-16 Jul-16 Sep-16 Nov-16 Jan-17

Jan-16 Mar-16Apr-16 Jun-16 Aug-16 Oct-16 Dec-16 Feb-17Mar-17Apr-17May-17Jun-17

出展: CMEグループ、SHFE、SGE、TOCOM、ブルームバーグ 図2: GCの時間毎売買高 0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000 7:00 8:00 9:00 10:00 11:00 12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 22:00 23:00 0:00 1:00 2:00 3:00 4:00 5:00 6:00 Asia

Asia-Europe Europe Europe-US US 出展: CMEグループ

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「金、銀取引‐COMEX vs SHFE / TOCM」

金先物の取引所間取引

アジアでは、近年稼働を開始した新しい取引所の多くで、金が上場されている。例えば、2017年7月には、香港取引所で金先物が再度上場されてい る。また、DGCXでは最近、SGEの金を指標としたプロダクトが上場されている。一方、これまで、それなりの売買高を集める金先物を上場している取引 所は、中国のSHFEと日本のTOCOMに留まっている。 取引所間取引を行うトレーダーにとって、市場の連動性は取引の重要な背景となっている。金価格は地域の取引所間で密接に連動していることか ら、同様プロダクトの取引所間の裁定取引には、多くの参加者が存在する。COMEXの金先物がアジア時間でも高い流動性を維持していることか ら、同様のプロダクトを上場しているSHFEやTOCOMとの間での裁定取引は、この地域で特にポピュラーな取引となっている。

金先物比較:COMEX、SHFE、TOCOM

GCの取引単位は100トロイオンス(およそ3.11㎏)であることから、これとSHFEやTOCOMの同様プロダクト(共に、1枚当たり1㎏)を裁定する場 合、SHFE/TOCOMの先物3枚に対してCOMEXの先物を1枚の比率となる。図3に、これらの先物の概要を表記している。 図3: 金先物取引要綱:COMEX、SHFE、TOCOM6

COMEX SHFE TOCOM

取引所 商品コード GC AU 11

ブルームバーグ 

商品コード GCA Comdty AUAA Comdty JGA Comdty

取引単位 100トロイオンス6 1 キロ 1 キロ 呼び値 トロイオンス当たり米ドル グラム当たり人民元 グラム当たり日本円 ティックサイズ 0.10米ドル 0.05人民元 JPY 1 2017年の平均価格 1300米ドル/オンス 280人民元/グラム 4500日本円/グラム 1枚当たりの金額 ≈13万米ドル ≈4万米ドル ≈4万米ドル 標準品 純度99.5%以上 純度99.99%以上 純度99.99%以上 取引時間 日曜‐金曜(シカゴ時間) 18時‐17時(+1時間) 月曜‐金曜(北京時間) 午前9時‐午前11時半 13時半‐15時 21時‐午前2時半(+1時間) 月曜‐金曜(東京時間) 午前8時45分‐15時15分 16時半‐午前5時半(+1時間) 日毎清算時間 13時半(ニューヨーク時間) (17時半/18時半 GMT) 15時(北京時間) (午前7時 GMT) 15時15分(東京時間) (午前6時15分 GMT) 日毎清算時間 偶数月と直近の3か月 偶数月と直近の3か月 偶数月 最期先限月 6年 12限月 6限月 決済方法 現物 現物 現物 取引最終日 当月となった限月の最終営業日の3営業日前 受渡月の15日 当月となった限月の最終営業日の3営業 日前 出展: CMEグループ、SHFE、TOCOM 6 ちなみに、「トロイオンス」は31.1グラム相当である。「高純度トロイオンス」と「トロイオンス」は区別される。前者の方は金塊に含まれる金の純度が高いからである。一方で、純度が99.5%であ ろうと99.99%であろうと、「高純度トロイオンス」である限り、対価としての米ドルに違いはない。

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投資家に利用されている。もちろん、標準プロダクトである100トロイオンスのGCは、その価格形成の透明性などから、機関投資家を始め個人投資 家まで、多くの投資家に選択されるプロダクトとなっている。 図4: COMEX上場のその他の金先物 E-mini 金先物 E-micro 金先物 キロ・ゴールド先物 取引所 商品コード QO MGC GCK 取引単位 50トロイオンス 10トロイオンス 1キロ 1枚当たりの金額 ≈6万米ドル ≈1万2000米ドル ≈4万米ドル 情報元:CMEグループ

金先物は、COMEX、SHFE、TOCOMの間で高い連動性が維持されている

世界のどこでも、金は同様の貴金属である。そして金価格には、歴史的にも国境を越えて強い連動性が維持されてきた。従って、金は裁定取引の対 象として、魅力的なのである。図5では、COMEX、SHFE、TOCOM、それそれに上場されている金先物の価格動向を、為替を考慮した上で、過去18 か月にわたって比較している。期近限月や(金スポットの疑似取引である)スポット月契約取引では、同期間のほとんどにおいて、0.9超の連動性が見 られる。 それでも、例えばCOMEXとSHFEの間で発生している様に、短期的には、地域性の高い地政学的リスクや需給バランスの崩れなどから、金価格の 乖離が見られる。 特に両取引所の金先物を対象とするスプレッドなど、こうした価格乖離は取引参加者を引き付ける結果になる場合が多い。7 図5:歴史的に、金価格の連動性は0.90超8

価格相関関係 期近限月 COMEX vs SHFE COMEX vs TOCOM

2016年1月‐6月 0.96 0.99 2016年7月‐12月 0.93 0.99 2017年1月‐6月 0.77 0.98 7 2016年10月末から始まったと見られる乖離は、米国大統領選のクライマックスと時期を同じくしている。2017年上期に見られるSHFEの乖離は、価格発見機能を持った取引所とし て、SHFEが台頭してきている可能性を示すものとも考えられる。 8 2016年7月から2017年6月の期間、金先物の期近限月における価格連動性の平均は、COMEX-SHFEで0.91、COMEX-TOCOMで0.99となっている。また、同期間の収益率(ログ・リター ン)の連動性は、COMEX-SHFEで0.10、COMEX-TOCOMで0.44となっている。 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400 1,500

COMEX SHFE ($/oz) TOCOM ($/oz)

Feb-16 May-16 Jul-16 Sep-16 Nov-16 Jan-17

Jan-16 Mar-16Apr-16 Jun-16 Aug-16 Oct-16 Dec-16 Feb-17Mar-17Apr-17May-17Jun-17

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「金、銀取引‐COMEX vs SHFE / TOCM」

アクティブな限月を取引する

ここまで、COMEXの金先物を使った投資例と、COMEX、SHFE、そしてTOCOMを介した取引所間取引を見てきた。ここでは、取引効果を最大化す るために、知っておきたい知識を確認する。最初に、どんな時、どの限月を取引するべきか、である。個人投資家は、流動性の高い限月を取引する傾 向が強い。こうした限月では、呼び値幅が小さいし、売値/買値が何層も存在するからである。 図6:時間経過とそれぞれの限月の流動性(売買高の高い限月ほど影を強くしてある)

Jan-16 Feb-16 Mar-16 Apr-16 May-16 Jun-16 Jul-16 Aug-16 Sep-16 Oct-16 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 Apr-17 May-17 Jun-17

GCQ6 Aug-16 GCV6 Oct-16 GCZ6 Dec-16 GCG7 Feb-17 GCJ7 Apr-17 GCM7 Jun-17 GCQ7 Aug-17 GCV7 Oct-17 GCZ7 Dec-17

Jan-16 Feb-16 Mar-16 Apr-16 May-16 Jun-16 Jul-16 Aug-16 Sep-16 Oct-16 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 Apr-17 May-17 Jun-17

au1608 Aug-16 au1610 Oct-16 au1612 Dec-16 au1702 Feb-17 au1704 Apr-17 au1706 Jun-17 au1708 Aug-17 au1710 Oct-17 au1712 Dec-17

Jan-16 Feb-16 Mar-16 Apr-16 May-16 Jun-16 Jul-16 Aug-16 Sep-16 Oct-16 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 Apr-17 May-17 Jun-17

2016/08 Aug-16 2016/10 Oct-16 2016/12 Dec-16 2017/02 Feb-17 2017/04 Apr-17 2017/06 Jun-17 2017/08 Aug-17 2017/10 Oct-17 2017/12 Dec-17 Calendar Month COMEX Gold Contract SHFE Gold Contract Calendar Month Calendar Month TOCOM Gold Contract

Jan-16 Feb-16 Mar-16 Apr-16 May-16 Jun-16 Jul-16 Aug-16 Sep-16 Oct-16 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 Apr-17 May-17 Jun-17

GCQ6 Aug-16 GCV6 Oct-16 GCZ6 Dec-16 GCG7 Feb-17 GCJ7 Apr-17 GCM7 Jun-17 GCQ7 Aug-17 GCV7 Oct-17 GCZ7 Dec-17

Jan-16 Feb-16 Mar-16 Apr-16 May-16 Jun-16 Jul-16 Aug-16 Sep-16 Oct-16 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 Apr-17 May-17 Jun-17

au1608 Aug-16 au1610 Oct-16 au1612 Dec-16 au1702 Feb-17 au1704 Apr-17 au1706 Jun-17 au1708 Aug-17 au1710 Oct-17 au1712 Dec-17

Jan-16 Feb-16 Mar-16 Apr-16 May-16 Jun-16 Jul-16 Aug-16 Sep-16 Oct-16 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 Apr-17 May-17 Jun-17

2016/08 Aug-16 2016/10 Oct-16 2016/12 Dec-16 2017/02 Feb-17 2017/04 Apr-17 2017/06 Jun-17 2017/08 Aug-17 2017/10 Oct-17 2017/12 Dec-17 Calendar Month COMEX Gold Contract SHFE Gold Contract Calendar Month Calendar Month TOCOM Gold Contract

Jan-16 Feb-16 Mar-16 Apr-16 May-16 Jun-16 Jul-16 Aug-16 Sep-16 Oct-16 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 Apr-17 May-17 Jun-17

GCQ6 Aug-16 GCV6 Oct-16 GCZ6 Dec-16 GCG7 Feb-17 GCJ7 Apr-17 GCM7 Jun-17 GCQ7 Aug-17 GCV7 Oct-17 GCZ7 Dec-17

Jan-16 Feb-16 Mar-16 Apr-16 May-16 Jun-16 Jul-16 Aug-16 Sep-16 Oct-16 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 Apr-17 May-17 Jun-17

au1608 Aug-16 au1610 Oct-16 au1612 Dec-16 au1702 Feb-17 au1704 Apr-17 au1706 Jun-17 au1708 Aug-17 au1710 Oct-17 au1712 Dec-17

Jan-16 Feb-16 Mar-16 Apr-16 May-16 Jun-16 Jul-16 Aug-16 Sep-16 Oct-16 Nov-16 Dec-16 Jan-17 Feb-17 Mar-17 Apr-17 May-17 Jun-17

2016/08 Aug-16 2016/10 Oct-16 2016/12 Dec-16 2017/02 Feb-17 2017/04 Apr-17 2017/06 Jun-17 2017/08 Aug-17 2017/10 Oct-17 2017/12 Dec-17 Calendar Month COMEX Gold Contract SHFE Gold Contract Calendar Month Calendar Month TOCOM Gold Contract 金先物における3つのプロダクトは、それぞれが明確な個性を有している。例えば、1月、2月時点の4月限の様に、COMEXの金先物では、期近の先 の限月に売買が集中している。 SHFEでは、5月から10月は12月限、11月から4月は6月限の様に、2つの限月に売買が集中している。一方、TOCOMでは、最も期先の限月が売買高を 集めている。 図6と7では、各取引所で最も流動性の高い限月をペアリングし、それぞれの価格連動性を比較している。9米国の大統領選がクライマックスを迎え た2016年の10月と11月を除けば、連動性はほとんど0.90超であり、高水準を維持している。 9 流動性の高い限月にポジションを移す(ロールする)場合、COMEXのGCは8月限から(10月限ではなく)12月限への限月間ロールとなる。従って、その期間、価格はこれを反映することに なる。流動性の高い限月へのロールでは、SHFEでも同様に、6月限から12月限へ、そしてその先の6月限へという限月間移動になる。ロール期間中の価格は、これを反映することになる。

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COMEX 16年8月 16年12月 17年2月 17年4月 17年6月 17年8月 SHFE 16年12月 17年6月 17年12月 TOCOM 17年4月 17年6月 17年8月 17年10月 17年12月 18年2月 18年4月 18年6月 0.4 0.6 0.8 1.0

COMEX vs SHFE COMEX vs TOCOM

Sep-16 Nov-16 Jan-17

Jul-16 Aug-16 Oct-16 Dec-16 Feb-17 Mar-17 Apr-17 May-17 Jun-17

期先限月での裁定取引

COMEXとSHFE/TOCOMの期近限月では、トロイオンス当たり、およそ30ドルの価格差が一般的で、これは、現物をアジアに輸送するためのコストと 考えられる。価格差が時として拡大する場合、注意を払っている投資家にとっては、短期的な裁定取引のチャンスとなる。 図8では、COMEXと同様に、SHFEの期先限月も順鞘となっていることが分かる。ただ、地域事情などを背景に、この価格曲線には偏屈も見られる。 また、SHFEでは、6月限と12月限に市場流動性が集中している。 TOCOMの価格曲線は特殊であり、少しだけ逆鞘(!)となっている。売買高と建玉が、期近ではなく、10か月から11か月先の、最も期先の限月に集中 しているからと考えられる。こうしたことから、期先の先物価格はCOMEXにサヤ寄せする形となり、スポット月の先物価格はSHFEにサヤ寄せする形 となる。 10 2016年7月から2017年6月までの期間、金先物の高流動性限月における価格連動性は、COMEX-SHFEで0.98、COMEX-TOCOMで0.99となっている。また、同期間の収益率(ログ・ 図8:時間経過と金のフォーワード価格曲線 1,150 1,200 1,250 1,300

COMEX SHFE TOCOM

Mar-17

Feb-17 Apr-17May-17Jun-17Jul-17Aug-17Sep-17Oct-17Nov-17Dec-17Jan-18Feb-18Mar-18Apr-18May-18Jun-18Jul-18Aug-18Sep-18Oct-18Nov-18Dec-18

1,200 1,250 1,300 1,350

Sep-17

Aug-17 Oct-17Nov-17Dec-17Jan-18Feb-18Mar-18Apr-18 Jun-18Jul-18Aug-18Sep-18Oct-18Nov-18Dec-18May-18 Jan-19Feb-19Mar-19Apr-19 Jun-19May-19

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「金、銀取引‐COMEX vs SHFE / TOCM」

その他の金取引戦略

貴金属のトレーディングでは、機関投資家が通常、より複雑な戦略で市場をアウトパフォームしようとする傾向がある。こうした戦略の多くは個人投資 家受けしないものの、知識として、以下で簡易な説明を加える。 • 最初に、金のETF(上場投信)とCOMEXの金先物の組み合わせがある。SPDRなど、金の上場投信はよく使われるプロダクトではあるが、ETFと先 物にはプロダクトとしての違いがある。税制や手数料などを別にしても、ETFは基本的に金のスポット価格を反映し、投資家の多くはバイ・アンド・ホ ールドの戦略を使っている。一方で、金先物はヘッジ・ツールであり、将来的な市場の価格予想を反映している。もちろん、金のETFと先物の間で 裁定取引を行う特別な理由がある場合も考えられる。ただ、個人投資家としては、GCの限月間スプレッドなどで同様の効果を得られることも覚え ておきたい。 • 金-銀スプレッドこの2つの貴金属を使った裁定取引では、金銀比価に注意することが重要となる。この比率は、金価格が銀価格何倍かを見るも のである。例えば、いずれもトロイオンス当たり、金が1300米ドルで銀が16米ドルなら、比率は81倍となる。この取引戦略については、解説したレポー トが別途あるので、そちらも参考にしていただきたい。 • ココ・ロンドンのスポット価格とCOMEXの金先物ココ・ロンドンの金/銀スポット(T+2、取引日から2営業日後決済)とCOMEX(現物を使ったEFP取 引)の裁定取引は、ココ・ロンドンでの現物取引(OTCでの売買)を、透明性や流動性が高く、取引コストが安価な環境でヘッジする、という意味合 いがある。一般に、T+2で決済されるOTC部分の取引では、翌営業日/翌々営業日(トムネ、T/N)で決済を先延ばし(ロール)することで、売りの場 合の現物引き渡し、買いの場合の建玉維持コストを回避する。リスクを24時間管理するため、この手法は銀行やトレーディング会社、バイサイドの 運用会社などで使われている。そして、COMEXで新規に上場されたスポット・スプレッドでは、先物とOTCのスレッド・リスクを機動的にヘッジするこ とが可能となっている。 • その意味では、COMEXとSGEの裁定取引も、こうした例の1つである。ただ、SGEが立会場取引であることから、取引手法は少し複雑にな る。COMEX/SGEの裁定取引手順は、COMEX/ココ・ロンドンと同様と考えていいが、SGEの場合は中国への金の輸入許可を得ているブリオン・ バンク(貴金属取引を幅広く行う部署を持つ銀行)が取引を執行することになる。 • SHFE vs SGE中国国内では、SHFEの金先物とSGEの金スポットの間で現地の投資家が裁定取引を活発に行っている。ただ、中国国外の投資家 は、これに参加することができない。

銀先物:COMEXとSHFE

スポット、ETF、先物、いずれのプロダクトでも、金の影に隠れているのが銀である。ただ、COMEXの銀先物は日中売買高平均(ADV)が8万9000枚 を超える(COMEXの金先物は同26万4000枚)プロダクトであり、CMEグループの貴金属市場の中では、金に次ぐ規模を誇るプロダクトでもある。ま た、COMEXの金と銀の先物商品間スレッドは、CMEグループの中でも特にポピュラーな取引となっている。 オンス当たりの銀価格(2017年はおよそ16米ドル)は金価格(同1300米ドル)を大きく下回っているものの、COMEXの銀先物の想定額面はおよそ8万 米ドルであり、金先物の想定額面の半分超となる。また、金先物はより小さいサイズでも上場されている(2,500トロイオンスのEミニ、1000トロイオンス のEマイクロ)が、標準サイズの5000オンスに売買が集中する形となっている。 COMEXの銀先物の取引要綱を図9に、売買高と建玉のデータを図10に示している。また、比較対象として、SHFEのデータを併記している。

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金に比べて、銀は工業用金属としても幅広く利用されていることから、銀は金よりも、経済状況の影響を受けやすい。一方で、通貨の様に取引される 側面もある銀は、金と同様に、逃避資産として市場心理に影響される部分もある。 FOMC(連邦公開市場委員会)の開催や政策金利に関する発表など、主要な経済指標が発表される局面では、両貴金属共にボラティリティーが高 くなる。ただ、過去データでは、金よりも銀の方がより高いボラティリティーを示すことが知られており、貴金属トレーダーからはより好ましいプロダクトで あるとの認識を得ている。銀行などの金融機関は、政治的、経済的なリスクのヘッジとして金や銀の先物を使っている。一方で、トレンドに乗ろうとす る個人投資家のポジションは比較的小さい。 金と同様に銀でも、COMEXとSHFEの銀先物間の裁定取引がポピュラーとなっている。戦略や取引のプロセスは金と同様であり、前述の様に、スプ レッドに関してはそれぞれの最も流動性の高い限月が用いられる。図11では、1年を通じて、その時々で最も流動性の高い限月を、COMEXとSHFE の銀先物で示している。金と銀の価格連動性は通常、0.7超となっている。図11では、COMEXとSHFEの銀先物の価格連動性も示している。 図11:COMEX/SHFEの金/銀 価格連動性と高流動性限月 暦月 売買高が集中 する限月 06-16 07-16 08-16 09-16 10-16 11-16 12-16 01-17 02-17 03-17 04-17 05-17 06-17 07-17 COMEX金先物 16年8月 16年12月 17年2月 17年4月 17年6月 17年8月 SHFE金先物 16年12月 17年6月 17年12月 COMEX銀先物 16年9月 16年12月 17年3月 17年5月 17年7月 17年9月 SHFE 銀先物 16年12月 17年6月 17年12月 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

COMEX Gold vs COMEX Silver COMEX Silver vs SHFE Silver

No v-16 Au g-16 Oct-1 6 De c-16 Se p-16 Ja n-17 Jul-1 6 Fe b-17 Mar -17 Apr-1 7 May -17 Ju n-17 出展: CMEグループ、SHFE ブルームバーグ 商品コード 取引単位 5000トロイオンス 15キロ 呼び値 トロイオンス当たり 米ドル キロ当たり人民元 ティックサイズ 0.005米ドル CNY 1 2017年の平均価格 16米ドル CNY 3900 1枚当たりの金額 ≈8万米ドル ≈6万米ドル 標準品 純度99.9% 純度99.99% 出展: CMEグループ、SHFE 0 5 10 15 20 25 30 0 50 100 150 200 250 300

Monthly Volume (mil kg)

COMEX SHFE COMEX (OI) SHFE (OI)

Fe b-16 May -16 Jul-1 6 Se p-16 No v-16 Ja n-17 Apr-1 6 Mar -16 Ju n-16 Au g-16 Oct-1 6 De c-16 Fe b-17 Mar -17 Apr-1 7 May -17 Ju n-17 Jul-1 7

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「金、銀取引‐COMEX vs SHFE / TOCM」

結論

取引サイズが一般的に小さいことなど、個人投資家には機関投資家と異なる点がある。また、トレーディング会社の様に分単位でトレードするスタイル に比べ、デイ・トレードから1か月など、トレードの時間軸が比較的長期であることも個人投資家の特徴である。個人投資家は傾向としてトレンド・フォロ ーワーであり、広範なトレンド発生を待ってトレードを仕掛ける場合が多い。 ブローカーや先物業者(FCM)などを介しての取引では、手数料などのコストがかかることから、注文執行リスクを背景としたコスト増大を回避するた め、個人投資家にとっては流動性の高い限月(呼び値幅が小さいなど)を選択することが重要となる。OTCの現物取引などに比べて、レバレッジ効 果を背景とした先物はコスト効率が良いプロダクトであり、同一取引所での商品間スプレッドなどでは証拠金の相殺も可能となっている。 金、銀の先物の単体(アウトライト)取引、または両先物のスプレッド取引、さらには金オプションなどは、個人投資家を取引参加者とする最もポピュラ ーなプロダクトとなっている。本稿では、主要なファンダメンタルズを紹介した。投資家としては、投資効率を最大化するため、ブローカーやFCMの手 数料を比較検討するべきである。

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本書は、日本の金融商品取引法(「FIEA」)および/または商品取引所法(昭和二十五年法律第二百三十九号。その後の改正法を含む)、ならびにそれらに関連する規則(適当な場合)に定義する一定の適格機関投資家のみに向けて配布 するものであり、それに従いその頒布は制限されるものとします。先物取引やスワップ取引は、あらゆる投資家に適しているわけではありません。損失のリスクがあります。先物やスワップはレバレッジ投資であり、取引に求められる資金は総代 金のごく一部にすぎません。そのため、先物やスワップの建玉に差し入れた当初証拠金を超える損失を被る可能性があります。したがって、生活に支障をきたすことのない、損失を許容できる資金で運用すべきです。また、一度の取引に全 額を投じるようなことは避けてください。すべての取引が利益になるとは期待できません。 本書に含まれる情報および資料は、中華人民共和国(以下「PRC」といい、本項においては、香港、マカオおよび台湾は含まないものとします)における金融商品の売買の募集もしくは勧誘、財務的な助言の提供、取引プラットフォームの提 供、預託金の受付もしくは促進、または、その種類を問わず、その他の金融商品もしくは金融サービスの提供を目的とするものと考えてはなりません。本書に含まれる情報は、一般的な情報を提供することのみを目的としており、助言を提供 することを意図しておらず、かつそう解釈してもなりません。本書では、お客様の目的、財務状況またはニーズを考慮に入れていません。本書に依拠するか、それに基づいて行動する前に、適切な専門的な助言を取得してください。本書に 含まれるか、参照することで組み込まれる情報は、広告ではなく、また中国国内で一般に頒布することを意図しておりません。本書に含まれる情報は、現状有姿で提供されるものであり、かつ、明示的か黙示的かを問わず、いかなる種類の 保証も行いません。CMEグループは、いかなる過誤または欠落についても一切責任を負いません。 CME Groupおよび「芝商所」は、CME Group Incの商標です。The Globeのロゴ、E-mini、E-micro、Globex、CMEおよびChicago Mercantile Exchangeは、シカゴ・マーカンタイル取引所(「CME」)の商標です。CBOTおよびChicago Board of Tradeは、シカゴ市のシカゴ商品取引所(「CBOT」)の商標です。ClearPortおよびNYMEXは、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(「NYMEX」)の商標です。これらの商標は、改変、複製、検索可能なシステムへの保存、送信、コピー、頒 布、その他その商標を所有する当事者の書面による承認なしに使用してはなりません。 CME、CBOTおよびNYMEXはそれぞれ、シンガポールにおける認定市場運営者(Recognized Market Operator)として登録され、また香港特別行政区において自動取引サービス(Automated Trading Service)のプロバイダーとして認定 +65 6593 5555 ヒューストン +1 713 658 2347 東京 (03) 3242 6228 +1 403 444 6876 サンパウロ +55 11 2565 5999 ワシントン D.C. +1 202 638 3838 +852 2582 2200 ソウル +82 2 6336 6722

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