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(3) 指導観 1 単元を貫く言語活動とその特徴単元を貫く言語活動として, マイベスト俳句集づくり を位置付けた マイベスト俳句集 とは, 一年間を通じて季節を感じる言葉をみつけて俳句を詠み, その中からお気に入りの俳句を選んで本づくりをするというものである これにより, 豊かな感性を培い, 言葉の

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特別支援学級 国語科学習指導案

指導者 友宗 貴子 1 期 日 平成25年 11月 15日(金) 2 学 年 特別支援学級(自閉症・情緒)第3学年 1名 第5学年 2名 計3名 3 場 所 たんぽぽ学級2組教室 4 単元名 ぼくたち 俳句探偵団「季節を感じる俳句を詠もう」 5 単元について (1)単元観 本単元は,学習指導要領の「C 読むこと」において,5年生では,「オ 本や文章を読んで考えた ことを発表し合い,自分の考えを広げたり深めたりすること」,3年生では,「オ 文章を読んで考 えたことを発表し合い,一人一人の感じ方について違いのあることに気付く」,ならびに,「伝統的 な言語と国語の特質に関する事項」において,5年生では,「イ(カ)語感,言葉の使い方に対する 感覚などについて関心を持つこと」を,3年生では,「ア(ア)易しい文語調の短歌や俳句について, 情景を思い浮かべたり,リズムを感じ取りながら音読や暗唱をしたりすること」を指導するもので ある。 「ぼくたち 俳句探偵団」は,児童が探偵団となって季節を感じる言葉を探し,一年間を通して 俳句づくりをし,詠んだ俳句を交流し合う中で自分のベスト作品を一冊の自作本にまとめるもので ある。 「俳句づくり」は,それぞれの児童が,自由なもののとらえ方で表現する喜びを味わい,感性あ ふれる自分自身のことばで表現し合うことができる。身近な季節の事象に目を向けて語彙を増やし たり,イメージを広げたりしていく。そのことで感性や情操を育むことができ,季節を多面的に捉 える楽しみを身に付けることができる。俳句は,短く限られた言葉で表現をするという難しさはあ るが,その反面,短い言葉で表現できるので,自分の思いを書いたり話したりして伝えにくい児童 にとっては取り組みやすい。また,ごく少人数の友だちとお互いの考えを伝え合うことで,達成感 を味わいながらコミュニケーション力を培うことができるものであると考える。 (2)児童観 本学級の児童3名は,クラスの仲間としての意識は高くそれぞれを助け合う場面もある。A児は, 生き物に関する本に関心が高く,細かな表記もつぶさに見ており,知識も豊かである。落ち着いて 素直に頑張るが,自分を否定されると気持ちが崩れることがある。B児も,読書への関心が高く, 読み聞かせをとても好んでおり熱心に聞くことができる。読後の感想や日常会話の中には,キラリ と光る言葉が出るが,それを記録にとどめたり,すすんで文章にしたりすることは苦手である。自 分の思いと違うと受け入れられず気持ちが不安定になり,落ち着く時間が必要である。C児は,よ く気が付き活動的であるが,自己肯定感が持ちにくく,自信のない言動になることが多い。読み聞 かせは静かに聞くことができるが,読書への関心は低い。 読書活動としては,読み聞かせの機会を多くとったり,「おすすめカード」を書いて本の紹介を したりする活動を続けている。児童は,みんな読書は好きと答えるが,実際には個人差がある。興 味・関心を持って自分で読もうとする本は,種類に偏りがあり積極的な読書には至っていない。昨 年度は,読書のアニマシオンゲームを取り入れた。詩集「のはらうた」を読んでクイズを考え,ア ニメーターとして交流学級でゲームや本の紹介を行った。その中で,友だちとのコミュニケーショ ンを図ることもでき,楽しんで活動することができた。より読書意欲を喚起できるように,読み聞 かせの機会を増やしているところである。

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(3)指導観 ①単元を貫く言語活動とその特徴 単元を貫く言語活動として,「マイベスト俳句集づくり」を位置付けた。「マイベスト俳句集」と は,一年間を通じて季節を感じる言葉をみつけて俳句を詠み,その中からお気に入りの俳句を選ん で本づくりをするというものである。これにより,豊かな感性を培い,言葉の持つおもしろさを味 わわせていきたい。 指導の中では,いろいろな方法での俳句作りや歳時記づくりなどを位置付け,スモールステップ で表現方法を工夫させたり,静と動のメリハリのある活動を仕組んだりする。そのことで児童がよ り興味を持って言葉に着目し,考えを深められるようにしていく。また,「俳句探偵団」という設定 で,「探偵」「推理」の形を利用したゲームやクイズ的要素を取り入れることで,主体的な学習への 参加意欲が喚起できると考える。さらに,「句会」を開くことで,自分の考えをはっきり伝えられる ようにしたい。お互いが作った俳句を認め合うことで,充実感や達成感を味わう経験を積み重ねて いくことができると共に,積極的な人とのかかわりにつなげられると考える。自立活動との関連も 図りながら取組を進めていきたい。 ②校内研究とのかかわり 読書力の向上を図るために,「読んで伝える力」に重点を置き,句会やマイベスト俳句集づくりと いう言語活動を通して,友だちの感じ方や考えに触れたり,自分の考えを深めたりすることができ るようにしていく。児童がより興味を持って本を選ぶことができるように,2学期のスタートから 「秋の本コーナー」を設け,並行読書をさせていく。また,校内だけでなく他の図書館の本も利用 できるように読書環境を整え,主体的に本を読み進められるようにする。 6 単元の目標 (3年生) (5年生) ○季節に関わる言葉を思い浮かべて,交流したり 書いたりしようとする。 (国語への関心・意欲・態度) ◎俳句を読んで感じたことを話し合い,一人一人 の感じ方に違いがあることに気付くことができ る。 (読むこと オ) ○易しい文語調の短歌や俳句について,情景を思 い浮かべたり,リズムを感じ取ったりしながら 音読や暗唱をすることができる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項ア (ア)) ○季節の移り変わりを表した言葉に興味を持つこ とができる。 (国語への関心・意欲・態度) ◎俳句を読んで考えたことを発表し合い,自分の 考えを広げたり深めたりすることができる。 (読むこと オ) ○語感,言葉の使い方について関心を持つことが できる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項イ (カ)) 7 評価規準 国語への関心・意欲・態度 読む能力 言語についての知識・理解・技能 3 年 生 ① 季節の行事に関わる語 句を思い浮かべ,交流した りノートに書いたり しよ うとしている。 ① 俳句を読んで,考えたこ とを発表し合い,一人一人 の感じ方に違いのあること に気付いている。 ① 季節の行事に関わる言葉を 集め,知っている語句を増やし ている。 ② 季節の言葉を思い浮かべて, 知っている言葉を出し合い,交 流している。 5 年 生 ① 季節の移り変わりを表 した言葉に興味を持 って いる。 ① 俳句を読んで考えたこと を発表し合い,自分の考えを 広げたり深めたりしている。 ① 言葉の意味や情景を思い浮 かべている。 ② 語感や言葉の使い方に関心を 持っている。

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8 単元構想図 活動内容 学習目標 第一次 第二次 第三次 「俳句」の原則について学習して簡単な俳句 を詠んで楽しみ,学習の見通しを持つことが できる。 学習の見通しを持とう。 季節の言葉集めをするための,「俳句探偵メモ 帳」「たんぽぽ歳時記」づくりの計画を立てる ことができる。

ぼくたち 俳句探偵団

――季節を感じる俳句を詠もう―― 俳句を詠もう。 マイベスト俳句集を作って読 書会をしよう。 「春」を感じる俳句を詠む。(4・5 月) ・俳句探偵ノートを生かして言葉探しができ る。 ・ことばのマップを作り,イメージを広げる ことができる。 「秋」を感じる俳句を詠む。(10~11 月) ・「フォト俳句」で句会をし,表現の違いに気 付くことができる。 ・ブックトーク句会をし,考えを伝え合うこ とができる。 「冬」を感じる俳句を詠む。(12 月) ・「音楽俳句」を詠んでライブを開き,リズム に乗って楽しく伝えることができる。 自分が詠んだ俳句の中から,好きな句を選ん で俳句集を作り,読書会をして感想を伝え合 うことができる。 「夏」を感じる俳句を詠む。(6~9 月) ・「梅雨どき俳句」を詠むことができる。 ・ことばを練り直して俳句を変身させること ができる。 ・「ぼくの夏休み」を俳句にすることができる。 ・句会で考えを伝え合うことができる。

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9 指導計画(全17時間 本時 12/17 ) 次 時 学習内容 読 書 活 動 評 価 関 意 読む 言語 評価規準の具体 3:(3年生)・5:(5年生) 評価 方法 一 1 2 ○「春の俳句」を読んで俳句の原則や楽 しさを知る。 ・「春の俳句」を読む。 ・五七五のリズム・季語 ○学習の見通しを持って計画を立てる。 ・メモ帳づくり ・歳時記づくり 参 考 図 書 の 利 用 ○ 3:季節の行事に関わる語句を思い浮かべ,交流した りノートに書いたりしようとしている。(関-①) 5:季節の移り変わりを表した言葉に興味を持って いる。 (関-①) 発言 行動 観察 二 3 4 ○「春」を感じる俳句を詠む。 ・俳句探偵メモを持って吟行に出かけ る。 (4月) ・「五月」からイメージできる言葉をマ ップに書いて,イメージを広げて俳 句を詠む。 (5月) ○ ◎ 3:季節の行事に関わる語句を思い浮かべ,交流した りノートに書いたりしようとしている。(関-①) 5:季節の移り変わりを表した言葉に興味を持って いる。 (関-①) 3:季節の行事に関わる言葉を集め,知っている語句 を増やしている。 (言-①) 5:言葉の意味や情景を思い浮かべている。(言-①) 行動 観察 探偵 メモ帳 発言 5 6 7 ○「夏」を感じる俳句を詠む。 ・「梅雨」からイメージできる言葉を使 って俳句を詠む。 (6月) ・「きれい」「楽しい」を使わずに他の 表現を工夫して俳句を詠む。(7月) ・「夏休みの出来事」を俳句にする。 (8月) ○ ◎ 3:季節の行事に関わる語句を思い浮かべ,交流し たりノートに書いたりしようとしている。 (関-①) 5:季節の移り変わりを表した言葉に興味を持って いる。 (関-①) 3:季節の行事に関わる言葉を集め,知っている語句 を増やしている。 (言-①) 5:語感や言葉の使い方に関心を持っている。 (言-②) 探偵 メモ帳 発言 俳句 8 9 ・夏休みの俳句をもとに,句会を開く。 (9月) 行 読 書 ○ 3:俳句を読んで,考えたことを発表し合い,一人 一人の感じ方に違いのあることに気付いている。 (読む-①) 5:俳句を読んで考えたことを発表し合い,自分の 考えを広げたり深めたりすることができる。 (読む-①) 俳句 発言 選句 シート 10 11 ○「秋」を感じる俳句を詠む。 ・秋を感じる写真を撮り,写真に合っ た俳句を詠む。 (10月) ・フォト句会をする。 ○ 3:俳句を読んで,考えたことを発表し合い,一人 一人の感じ方に違いのあることに気付いている。 (読む-①) 5:俳句を読んで考えたことを発表し合い,自分の 考えを広げたり深めたりすることができる。 (読む-①) 探偵 メモ帳 俳句 選句 シート 発言 12 本 時 ・ブックトーク句会をする。 (11月) 参 考 図 書 の 利 用 ○ 3:俳句を読んで,考えたことを発表し合い,一人 一人の感じ方に違いのあることに気付いている。 (読む-①) 5:俳句を読んで考えたことを発表し合い,自分の 考えを広げたり深めたりすることができる。 (読む-①) 発言 探偵 メモ帳 選句 シート 13 ○「冬」を感じる俳句を詠む。 ・クリスマスに関わる音楽を聴きな がら俳句を詠んでリズムにのっ て発表し合う。 (12月) ○ ◎ 3:季節の行事に関わる語句を思い浮かべ,交流し たりノートに書いたりしようとしている。 (関-①) 5:季節の移り変わりを表した言葉に興味を持って いる。 (関-①) 3:季節の行事に関わる言葉を集め,知っている語句 を増やしている。 (言-①) 5:言葉の意味や情景を思い浮かべている。 (言-①) 行動 観察 探偵 メモ帳 俳句 三 14 15 16 17 ○詠んだ俳句で俳句集を作り,読書 会をする。 ○ 3:俳句を読んで,考えたことを発表し合い,一人 一人の感じ方に違いのあることに気付いている。 (読む-①) 5:俳句を読んで考えたことを発表し合い,自分の 考えを広げたり深めたりすることができる。 (読む-①) 俳句集 発言 振 り 返 り シ ー ト

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10 本時の目標 3年生 5年生 俳句を読んで感じたことを話し合い,一人一人の感 じ方に違いがあることに気付くことができる。 俳句を読んで感じたことを話し合い,自分の考え を深めることができる。 11 本時の展開 (12/17) 学 習 活 動 (学習過程と児童の反応) 支援(◎)・指導上の留意点(☆) 3(3年生)・5(5年生) 評価規準 評価方法 1 学習活動の流れを知る。 2 学習のめあてをつかむ。 3 ブックトーク句会をする。 ○声を出して俳句を読みましょ う。 ○選句をしましょう。 ・いいな(黄○) ・1番 (赤○) ○自分が選んだ俳句とその理由を 発表しましょう。 ・言葉がおもしろい ・秋の感じがよく出ている ○どの本を読んで作った俳句かを 推理して話し合いましょう。 ・この句には,「あきかぜえのぐ」 と書いてあるから「あきねこ」 という本を読んで作った俳句だ と思います。○○君は,どうで すか。 ○俳句と読んだ本を紹介しましょ う。 ○参加者の方にも票をもらいまし ょう。 ○得点を発表する。 ・句会賞を決定する。 4 本時の学習を振り返り,次時 の予告をする。 ◎活動の流れを掲示する。 ◎学年別のめあてを提示する ☆大きな声でリズムを合わせて音 読させる。 ☆頑張る姿勢を見つけて,すかさず ほめる。 ☆時間を決めて選ばせる。 ◎最後まではっきりと自分の意見 を言えるよう,話型を示す。 ☆次につながる発表をさせ,お互い の意見が交流できるようにする。 ◎最後まではっきりと言えるよう に話型を示す。 ☆話し合いをもとにつながる俳句 と本を見つけさせる。 ◎紹介のしかたを示す。 ☆一人で聞けないときは,複数で聞 かせる。 ☆どの児童にも頑張りやよさを認 める声かけをする。 ☆先生方からのコメントを発表し 充実感を持てるようにする。 ◎振り返りマークを提示させ,その 理由も言わせる。 3:俳句に詠んだ 本の感想を発表 し合い,一人一 人の感じ方に違 いのあることに 気付いている。 5:俳句に詠んだ 本の感想を発表 し合い,自分の 考えを深めてい る。 発表 振 り返り マーク 発表 ブックトーク句会をしよう 3年:みんなの考えを知ろう。 5年:自分の考えを深めよう。 児童のふりかえり例 (3年)同じ本でも,いろんな感じ方をしていておもしろいな。 (5年)友だちの俳句を読んで気持ちがよくわかった。秋を感じ る言葉もいろいろあるなあ。

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第 1 学年 国語科学習指導案

指導者 塚田 豊美 1 期 日 平成25年 11月 15日(金) 2 学 年 第1学年1組 22名 3 場 所 1年1組教室 4 単元名 きいて たのしもう 「むかしばなしがいっぱい」 5 単元について (1)単元観 本単元「むかしばなしがいっぱい」は,学習指導要領の「C 読むこと」の「ウ 場面の様子に ついて,登場人物の行動を中心に想像を広げながら読むこと」「カ 楽しんだり知識を得たりする ために,本や文章を選んで読むこと」,「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の「ア(ァ) 昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞いたり,発表し合ったりすること」を指導する ものである。 この単元は,昔話を読んだり,読み聞かせを聞いたりし,読んだ昔話の本について,好きなとこ ろを紹介し合う「むかしばなしかい」をする構成としている。 本教材「むかしばなしがいっぱい」には,日本と世界の昔話を紹介する挿絵や読書記録及び計画 の例,歌や動作化などのやり取りといった昔話の楽しみ方について紹介されている。たくさんの昔 話から読みたい話を探していくようになっており,読んだ本の好きなところや内容を友達に紹介す ることで,さらに読んでみたいという意欲につなげることができる。児童にとって読書がより身近 なものになり,自ら本に関わり,想像を広げながら楽しむことを知ることが今後の読書活動にもつ ながっていく。 (2)児童観 本学級の児童は,読書アンケートで読み聞かせが大好きと答える児童が100%である。物語に も興味を持ち,進んで手に取る様子が見られる。「おおきなかぶ」や「おむすびころりん」では, 登場人物の様子を想像しながら読み聞かせを楽しんだり,リズムのある言葉や繰り返しの表現に興 味を持って読んだり,役になりきって演じたりした。読んだ本の紹介は,「ほんはともだち」で「好 きなところを読む」という活動をした。 全校で取り組んでいる「おすすめ本のしょうかい」カードには,進んで好きなところを自分なり に絵や文で表している。学級文庫や学校図書館から本を借りている児童は多いが,進んで昔話を読 んでいる児童は少ない。有名な昔話でも知らない児童や,読み聞かせを聞いていても覚えていない 児童もいる。 (3)指導観 ①単元を貫く言語活動とその特徴 本単元を貫く言語活動として,「おはなしハウス」を作って,自分の選んだ昔話の好きなところ を紹介し合う「むかしばなしかい」を位置付ける。「おはなしハウス」には,題名,作者名,好き なところ,好きな場面の絵,好きなわけを書かせる。 紹介するために作った「おはなしハウス」や本を見せながら「むかしばなしかい」を行うことに より,好きな昔話の本を選んで,自分の思いや考えを発表し合うことができるようにする。 ②校内研究とのかかわり 読書力の向上を図るために,読み聞かせやブックトークを聞いたり,みんなで昔話を読んだりす ることで,昔話のおもしろさや楽しさに気づき,読書への意欲を持てるようにする。学級文庫に昔 話コーナーを設け,すぐに手にとって読めるように学校図書館,公立図書館から本を集めて,読む 環境を整える。「むかしばなしかい」で,好きな場面やその理由を伝え合い,感想を交流すること で,読んで考え伝える力をつけさせる。自分の読んだ本の記録をしたり,これから読みたい本を考 えたりすることで読書の楽しみを感じさせ,継続的な読書への足がかりを作っていきたい。

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6 単元の目標 ○ 読み聞かせを聞いて昔話を楽しみ,進んで本を読もうとする。 (国語への関心・意欲・態度) ◎ 好きな場面について想像を広げて読むことができる。 (読むこと ウ) ○ 好きな昔話の本を選んで読むことができる。 (読むこと カ) ○ 昔話や神話・伝説などの本や文章を読んだり,読み聞かせを聞いたり,発表し合ったりすること ができる。 ( 伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 ア(ァ) ) 7 単元の評価規準 国語への 関心・意欲・態度 読む能力 言語について 知識・理解・技能 ① 読み聞かせや友達の発 表 を 聞 い て 昔 話 を 楽 し み,昔話を自分で探して 読むことに進んで取り組 もうとしている。 ① 読んだ本について簡単な記録 をつけたり,これから読みたいお 話を書いたりしている。 ② 好きな場面について想像を広 げて読んでいる。 ① 読んだ昔話の好きなとこ ろ や 内 容 に つ い て 聞 い た り,発表し合ったりしてい る。 8 単元構想図

むかしばなしがいっぱい「むかしばなしかい」をひらこう

~「おはなしハウス」を作り,むかしばなしをしょうかいしよう~ 活動内容 学習目標 第一次 第二次 第三次 自分の好きな日本の昔話を紹介し合う「むかしば なしかい」をする見通しを持つことができる。 日本の昔話を読もう。 「おはなしハウス」や自分が選んだ本を使って, 紹介の仕方を考えることができる。 図書館や学級文庫から,自分が読みたい昔話の本 を選んで読むことができる。 読書会「むかしばなしかい」を開く。感想を発表 し合い,学習を振り返ることができる。 学習の見通しを持とう。 自分が選んだ本の紹介カード「おはなしハウス」 (好きな場面・好きなところ・そのわけ)を作る ことができる。 「昔話に動物いっぱい」というブックトークを聞 くことができる。 挿絵から昔話を探し,どんな話か話し合ったり, 読み聞かせを聞いたりすることにより,昔話に興 味や関心を持つことができる。 「むかしばなしかい」 をしよう。

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9 指導計画(全6時間 本時6/6) 次 時 学習活動 読 書 活 動 評 価 関 意 読む 言語 評価規準の具体 評価 方法 一 1 ○自分が好きな昔話を紹介し合う 「むかしばなしかい」をする見通 しを持つ。 ・挿絵から昔話を探し,話し合う。 ・読み聞かせを聞く。 ・単元の学習の見通しを持つ。 ・「おはなしにっき」の書き方を知り, 読んでみたいお話の題名を「どくし ょけいかく」に書く。 並 行 読 書 ○ ・読み聞かせを聞いて昔話を楽 しみ,昔話を自分で探して読 むことに進んで取り組もうと している。 (関―①) 発表 二 2 ○「昔話に動物いっぱい」というブ ックトークを聞く。 ・いっぱい動物が出てくるお話のブ ックトークを聞く。お話の内容を知 る。 ○ ・読んだ昔話の好きなところや 内容について聞いたり,発表 し合ったりしている。 (言-①) 発表 3 ○自分が読みたい昔話の本を選ん で読む。 ・読みたい本を自分で選び,日本の昔 話を読む。 ・読んだお話の記録をつけたり,これ から読みたいお話を書いたりする。 ○ ・読んだ本について簡単な記録 をつけたり,これから読みた いお話を書いたりしている。 (読-①) カード 4 ○自分が選んだ本の紹介カードを 書く。 ・「おはなしハウス」(好きなところ・ そのわけ・おすすめ)を作る。 ◎ ○ ・好きな場面について想像を広 げて読んでいる。 (読-②) ・読んだ昔話の好きなところや 内容について聞いたり,発表 し合ったりしている。 (言-①) カード 三 5 ○「おはなしハウス」や自分が選ん だ本を使って,紹介の仕方を考え る。 ・同じ昔話を読んだグループで,感想 を交流する。 (紹介する練習をする。) ○ ・好きな場面について想像を広 げて読んでいる。 (読-②) 発表 6 本 時 ○「むかしばなしかい」をする。 ・違う昔話を読んだグループで,紹介 し合う。 ・振り返りや「どくしょけいかく」を 書く。 ○ ・友達の発表を聞いて,次に読 みたい本を選び,進んで読も うとしている。 (関―①) カード

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10 本時の目標 ・聞いたり読んだりした昔話のおもしろかったところや好きなところを発表し合い,昔話を進んで読 もうとする。 11 本時の展開 (6/6) 学習活動(学習過程・児童の反応) 指導上の留意事項(☆) 評価規準 評価 方法 1 「むかしばなしかい」をする。 ○「むかしばなしかい」を楽しみましょう。 2 本時のめあてをつかむ。 3 グループで,「おすすめの昔話」の発表を 聞く。 ○グループで,自分のおすすめの昔話を紹介 しましょう。 おすすめのポイント ・わたしのしょうかいする むかし ばなしは,~です。 ・さくしゃは,~です。 ・わたしのすきなところは,~です。 ・そのわけは,~だからです。 4 「むかしばなしかい」の感想を発表し合う。 ○友達の紹介した昔話の楽しかったところや おもしろかったところを発表しましょう。 ・ぼくも~のとき,○○さんと同じように~ と思いました。 ・わたしも~のところがすきです。 ・~なのでよみたくなりました。 5 「むかしばなしかい」の振り返りをする。 ○読みたくなった昔話について「どくしょけ いかく」に書きましょう。 ○今日の学習の感想を書きましょう。 ☆違う昔話を読んだ児童の グループにする。自分の 「おはなしハウス」を読 み返す。 ☆読書紹介の手順,簡単な 話型を提示する。 ☆「おはなしハウス」や本 を見せながら伝えるよう にさせる。 ☆紹介された本に関心を持 たせるために,付箋に感 想を書かせる。 ☆並行読書をしたときの自 分の感想と比べたり,昔 話のおもしろさ(場面の 挿絵や語り口調など)に 気づかせたりする。 ☆交流活動を通して,さら に本を選び,本に親しむ ことで,本や物語を読む 楽しさにつながるように する。 ・友達の発表を聞 いて,次に読み た い 本 を 選 び 進 ん で 読 も う としている。 カード おすすめの昔話を紹介し合い,自分の読みたい本を見つけよう。 児童のまとめ例 ・むかしばなしは,おじいさんやおばあさんやいろいろなどうぶつが でてきてたのしいな。おはなししていることばがおもしろいね。 ・ともだちがよんだむかしばなしをきいて,よんでみたくなったよ。 これからもむかしばなしをよんでみよう。

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第2学年 国語科学習指導案

指導者 渡邉 弘貴 1 期 日 平成25年 11月 15日(金) 2 学 年 第2学年1組 23名 3 場 所 2年1組教室 4 単元名 音読げきをしよう 「お手紙」 5 単元について (1)単元観 本単元「音読げきをしよう」は,学習指導要領の「C 読むこと」の「ウ 場面の様子について, 登場人物の行動を中心に想像を広げながら読むこと」を指導するものである。 本単元は,「お手紙」を中心教材として,場面の様子や登場人物の言動や心情を読み取り,各場 面を音読劇に表していく。さらに並行読書してきた「ふたりは」シリーズの中から,がまくんとか えるくんの心が通う場面を選び,音読劇に表すという構成としている。 本教材「お手紙」は,友だちの不幸せをいっしょに悲しみ,幸せを共に喜ぶほのぼのとした心情 を描いた作品である。特別な事件が起こるわけでもなく,四日遅れの,しかも内容の分かっている 「お手紙」を仲良く待つ二人の心の交流は,読み手まで幸せな気持ちにさせる。共感を持って読み 取らせることができる教材である。また,本教材は,「○○が言いました。」を除くと,七割以上が 会話文からなる作品である。会話の際の二人の位置,距離,しぐさ,顔の向きを考えることで,二 人の心情と心の通い合いを読み取ることができる。 (2)児童観 本学級の児童は,これまでに「ふきのとう」の学習で,登場人物の言動から,登場人物の気持ち や場面の様子を想像し,声の大きさや速さなどを工夫して音読する学習を行った。また,会話文と 地の文を分けて読んだり,登場人物を役割分担して読んだりするなど,様々に工夫して何度も音読 することによって,言葉のリズムや響きを味わうことができた。また,「スイミー」の学習では, 主人公の言動や場面の様子などについて想像を広げながら読む学習を行い,登場人物の心情を読み 取ってきた。読書紹介活動に関しては,同じ題材やいろいろな分野の本を読む「シリーズ読書」「テ ーマ読書」を行い,場面絵の紹介やぺープサート劇で友だちに紹介するなど,読書の範囲を広げて きた。 読書アンケートでは,「いろいろな本を読むことが好き」と答える児童の割合は82%であった。 しかし,友だちに本を紹介したり感想を述べ合ったりすることに抵抗を感じる児童は学級全体の半 分であった。 (3)指導観 ①単元を貫く言語活動とその特徴 本単元を貫く言語活動として「音読げきをしよう」を位置づける。「お手紙」の学習と並行読書 してきた「ふたりは」シリーズの中から,がまくんとかえるくんの心の通う場面(友情が表れてい る場面)を選び,音読劇で発表するというものである。これらの学習を通して,児童は,登場人物 の行動や会話に着目して,場面の様子について想像を広げて読み進めていくことができると考える。 ②校内研究とのかかわり 読書力の向上を図るために,音読劇で場面の様子や登場人物になりきって読むことで,物語の展 開や登場人物の心情を読む力を高め,本校の研究である「読んで考え伝える力」をつけさせる。ま た,学級文庫に「がまくんとかえるくんコーナー」を設け,シリーズ本をいつでも手に取れるよう に読書環境を整備し,読書への関心・意欲を高めさせる。

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6 単元の目標 ○ 自分の読書生活を振り返り,シリーズの本を楽しんで読もうとする。 (国語への関心・意欲・態度) ◎ 場面の様子や登場人物の行動などについて想像を広げ音読することができる。 (読むこと ウ) ○ 文の中における主語と述語との関係に注意することができる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 イ(ヵ)) 7 単元の評価規準 国語への 関心・意欲・態度 読む能力 言語についての 知識・理解・技能 ① 知識を得たり好きなところ を紹介したりするために,本 を選んで,楽しんで読書しよ うとしている。 ① 場面の様子,登場人物の行動 や会話に着目して想像を広げ て読んでいる。 ① 文の中における主語と述語 との関係に注意して文や文章 を読んでいる。 8 単元構想図 活動内容 学習目標 第一次 第二次 第三次 役割を考えて音読をしようという学習の見通し を持つことができる。 学習の見通しを持とう。

音読げきをしよう!

―役割を考えて読み,想像を広げて演じよう― 「お手紙」を読もう。 音読劇の発表会を開こう。 場面の様子や登場人物の行動や会話に着目し,物 語の展開をとらえることができる。 場面の様子や登場人物の行動などについて想像を広げ 読むことができる。 音読劇を開く。感想を発表し合い,学習をふり返 ることができる。 がまくんとかえるくんの二人の心が通う場面を 選び,役割を決め音読の工夫を考えることができ る。 「ふたりは」シリーズのブックトークや音読劇を 聞き,シリーズの本に興味や関心を持つことがで きる。

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9 指導計画(全12時間 本時9/12) 次 時 学習活動 読 書 活 動 評 価 関 意 読む 言 語 評価規準の具体 評価 方法 一 1 ○「ふたりは」シリーズのブック トークや「なくしたボタン」の 音読劇を聞き,読書への意欲を 喚起する。 ○「お手紙」の音読を聞いて学習 課題を決め,学習の見通しを持 つ。 並 行 読 書 ○ ・知識を得たり好きなところを 紹介したりするために,本を 選んで,楽しんで読書しよう としている。 (関―①) 行動 発言 二 2 3 ○「お手紙」の文章構成と出来事 を整理する。 ・場面分けをする。 ・二人の行動と会話を場面ごとに整 理する。 ◎ ○ ・場面の様子,登場人物の行動や 会話に着目して想像を広げて読 んでいる。 (読-①) ・文の中における主語と述語との 関係に注意して文や文章を読ん でいる。 (言-①) 台本 4 5 6 7 ○がまくんとかえるくんの会話と 行動を比べながら読み取る。 ・二人の様子や気持ちを考えながら 音読する。 ○ ・場面の様子,登場人物の行動や 会話に着目して想像を広げて読 んでいる。 (読-①) 台本 三 8 9 本 時 10 ○「ふたりは」のシリーズの中か ら,音読したい場面を決め,音 読劇の練習をする。 ・場面を決め,台本に書き写す。 ・音読の工夫を考え,台本に書き込 む。 ・しぐさや動きを考え,音読劇の練 習をする。 ○ ・場面の様子,登場人物の行動や 会話に着目して想像を広げて読 んでいる。 (読-①) 台本 11 12 ○登場人物の言動や気持ちを考 え,音読劇をする。 ・音読劇の発表会をする。 ・学習のふり返りをする。 ○ ・場面の様子,登場人物の行動や 会話に着目して想像を広げて読 んでいる。 (読-①) 音読劇 ふ り 返 り カ ー ド

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10 本時の目標 ・会話文,地の文の音読の工夫を考えることを通して,登場人物の行動や会話に着目して想像を広げ ながら読むことができる。 11 本時の展開(9/12) 学習活動(学習過程・児童の反応) 指導上の留意事項(☆) 評価規準 評価 方法 1 めあてをつかむ。 2 一人読みをする。 3 グループごとに分かれ,音読の 仕方について話し合う。 ○自分の考えたことをグループで 話し合い,読み方を決めましょ う。 ・かえるくんは,うれしい気持ち だから,元気な大きな声で音読 するといいと思います。(「ひと りきり」) ・がまくんは,かえるくんを心配 しているから,早口で言ってい ると思うよ。 (「クリスマス・イヴ」) 4 音読練習をする。 5 全体でいくつかのグループの音 読を聞く。 ○どこが良かったですか。それは, どんな読み方でしたか。 ・□□さんの読み方で,がまくん のうれしい気持ちが分かりまし た。明るい声でした。 ・△△くんの読み方で,かえるく んの悲しい気持ちが分かりまし た。小さな声で低い声だったよ。 6 本時のまとめをする。 7 本時のふり返りと次時の予告を する。 ☆誰の言葉か,どんな気持ちか,どん な音読の仕方をすればいいかを台 本に書き込ませる。 ☆一人読みで書き込んだ内容をグル ープで交流し,どんな読み方をする といいか確認し合う。 ☆友だちの音読の工夫を見つけさせ る。 ☆教師の価値付けを行い,音読の工夫 の視点を意識付ける。 例 ・声の大きさ ・声の高さ ・読むはやさ ・間のとりかた ☆登場人物の心情と,その音読の仕方 をつなげるようにする。 ・登場人物の行動 や会話に着目し て,自分の意図 に応じた工夫を 書いている。 台本 児童のまとめ例 ・がまくんはうれしい気もちだから,ぼくは,明るく高い声で音読し ました。 がまくんとかえるくんの気もちが伝わるように音読のしかたをくふう しよう。

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第3学年 国語科学習指導案

指導者 沖浦 千絵 1 期 日 平成25年 11月 15日(金) 2 学 年 第3学年2組 26名 3 場 所 3年2組教室 4 単元名 お話世界一周旅行をしよう 「三年とうげ」 5 単元について (1)単元観 本単元「お話世界一周旅行をしよう」は,学習指導要領の「C 読むこと」の「ウ 場面の移り 変わりに注意しながら,登場人物の性格や気持ちの変化,情景などについて,叙述をもとに想像し て読むこと」「オ 文章を読んで考えたことを発表し合い,一人一人の感じ方について違いのある ことに気付くこと」を指導するものである。 教材文「三年とうげ」は,場面がテンポよく展開し,登場人物の性格もはっきりと描かれており 場面の移り変わりに注意しながら登場人物の気持ちの変化を読みとることに適している。教材文で は,挿絵と場面が連動し,文章が場面の区切り目でページが改まるように配置されているため,場 面の構成を考えながら読むことができる。また,ちょっとした発想の転換で不幸を幸せに転じたと んち話の側面もあり,昔の人々のおおらかな心情や,国や時代を超えた生きる知恵を楽しく学ぶこ とができる教材である。 そこで,この「三年とうげ」を中心教材として扱いながら,並行読書で読んだ世界の民話や物語 の中から選んだ自分のすきなお話の組み立てを紹介するという構成としている。 (2)児童観 本学級の児童は,三年生では文学的な文章の学習において,二つの場面の登場人物の様子を読み 取る学習をし,「海をかっとばせ」では主人公の行動や気持ちを場面ごとに読み取る学習をしてい る。しかし,叙述をもとに,登場人物の性格や境遇,状況を把握し,場面や状況の移り変わりとと もに変化する気持ちについてとらえることが難しい児童が多い。 読書アンケートの結果によると,読書がすきと答える児童は81%,すきな本を見つけておすす めの本を書くことがすきと答える児童は50%である。すきと答える児童のなかには朝読書の時間 や給食準備時間だけでなく,休憩時間に図書館を利用して読書したり家庭でも読書をしたりするな ど進んで読書する姿も見られる。しかし,読書がすきと答えられない児童の中には,読みたい本を 見つけられなかったり,選んだ本をじっくり最後まで読めていなかったりする児童もいる。また, 読んでいる本に偏りがある児童もいる。 (3)指導観 ①単元を貫く言語活動とその特徴 本単元を貫く言語活動として「お話世界一周旅行」を位置づける。「三年とうげ」の学習と並行 読書してきた物語の中から自分のすきなお話を選び,物語の組み立てを考えながら4コマカード (「はじめ」「出来事が起きる」「出来事が変化する」「結び」)にまとめ,一年生に伝えるというも のである。このことで,「場面の移り変わりに注意しながら,登場人物の性格や気持ちの変化,情 景などについて,叙述をもとに想像して読むこと」を確実に身に付けさせる。 ②校内研究とのかかわり 読書力の向上を図るために,学級にいろいろな世界の民話や物語などのコーナーを用意したり, 学校図書館の本を活用したりすることで,世界の民話や昔話に対しての興味関心を高める。表紙や 題名,挿絵などからどんなお話か,どこのお話かを考えさせることで,自分の読みたい本を選ぶ力 を身に付けさせることができると考える。また,並行読書で,いろいろな国の民話や物語の本を起 承転結を意識しながら読み進め,4コマカードにまとめることで,読んで考え伝える力を育ててい く。さらに,「お話世界一周パスポート」に読書記録を記入させることで読書への関心・意欲を高 めるようにする。

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6 単元の目標 ○ 物語の構成に興味を持ち,いろいろな本を読もうとすることができる。 (国語への関心・意欲・態度) ◎ 物語がどのように構成されているかを考え整理しながら読んで,叙述をもとに登場人物の気持ちを想像する ことができる。 (読むこと ウ) ◎ 物語を読んで感想を交流し合い,感じ方の違いに気づくことができる。 (読むこと オ) ○ 文章中で使われている言葉に着目し,表現するための語句を増やすことができる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項イ(ォ)) 7 単元の評価規準 国語への 関心・意欲・態度 読む能力 言語についての 知識・理解・技能 ① 自分のすきなお話を紹介する ために,本を繰り返し読むなど して物語の構成に興味を持ちな がら,読もうとしている。 ① 物語がどのように場面が構成さ れているかを考え,整理しながら読 んでいる。 ② 場面の移り変わりの印象的なと ころや主人公の気持ちの変化をと らえて読んでいる。 ③ 物語を読んで感想を交流し合い, 感じ方の違いに気づいている。 ① 文章中で使われている言葉に 着目し,表現するための語句を 増やしている。 8 単元構想図 活動内容 学習目標 第一次 第二次 第三次 世界中にいろいろな民話や物語があることを知 り,単元への見通しを持ち,読みたい民話や物 語を見つけることができる。 学習の計画を立てよう。

お話世界一周旅行をしよう

―世界の民話や物話を読み,4コマカードですきなお話を紹介しよう― 「三年とうげ」を読み,物語の 組み立てを考えよう。 世界の民話や物語を読み,す きな本を紹介しよう。 「三年とうげ」の場面の構成を考えながら読み, 「はじめ」「出来事が起きる」「出来事が変化す る」「結び」という構成になっていることを整理 しながら読むことができる。 おじいさんの気持ちの変化に着目し,場面の移 り変わりに沿って,おじいさんの気持ちが変化 していることをとらえ,お話のおもしろさに気 づくことができる。 「三年とうげ」を読んで感想を交流することが できる。様子を詳しくする言葉を取り上げて, その効果を考えることができる。 読んだ世界の民話や物語の中から,すきな物語 を選び,話の構成を考え,4コマカード(「はじ め」「出来事が起きる」「出来事が変化する」「結 び」)に書く。 自分のすきな世界の民話や物語を,場面の移り 変わりに注意しながら,一年生に紹介する。

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9 指導計画(全7時間 本時1/7) 次 時 学習活動 読 書 活 動 評 価 関 意 読む 言語 評価規準の具体 評価 方法 一 1 本 時 ○学習の見通しを持つ。 ・今までに読んだり聞いたりした民話 や物語を想起する。 ・いろいろな国の民話や物語を知る。 ・単元の見通しを持つ。 並 行 読 書 ○ ・いろいろな国に民話や物語が あることを知ることにより,い ろいろな物語に興味を持ち,読 みたい物語を見つけようとして いる。 (関―①) 発言 お話世界一周 旅行パスポート 二 2 ○「三年とうげ」の場面の構成を考 えながら読む。 ・「はじめ」「出来事が起きる」「出来 事が変化する」「結び」という組み 立てになっていることを整理しな がら読む。 ○ ・物語がどのように構成されてい るかを考え整理しながら読んで いる。 (読-①) 発言 ノート 3 ○おじいさんの気持ちの変化に着 目して読む。 ・場面の移り変わりに沿って,おじい さんの気持ちが変化していること をとらえる。 ○ ・場面の移り変わりにそって,お じいさんの気持ちの変化をとら えている。 (読-②) 発言 ノート 4 ○「三年とうげ」を読んで感想を交 流する。様子を詳しく表現する言 葉を取り上げて,その効果を考え る。 ・おもしろかったところ,すきだなと 思ったところを発表する。 ・よい表現だと思ったところや心に残 った表現を書き出し発表する。 ◎ ○ ・物語を読んで感想を交流し合い, 感じ方の違いに気づいている。 (読-③) ・文章中で使われている言葉に着目 し,表現するための語句を増やし ている。 (言-①) 発言 ノート 三 5 6 ○世界の民話や物語の組み立てを 考えながら読む。 ・すきな物語を選び,4コマカード (「はじめ」「出来事が起きる」「出 来事が変化する」「結び」)に書く。 ・おもしろかったところ,すきだなと 思ったところを書く。 ○ ・物語がどのように構成されてい るかを考え整理しながら読んで いる。 (読-①) 発言 お話世界一周 旅行パスポート 7 ○すきな世界の民話や物語を紹介 する。 ・場面の移り変わりに注意しながら, 4コマカードを使って一年生に紹 介する。 ○ ・物語がどのように構成されてい るかを考え整理しながら読んで いる。 (読-①) 発言 お話世界一周 旅行パスポート

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10 本時の目標 ・いろいろな国に民話や物語があることを知り,読みたい物語を見つけ組み立てを紹介するという学習の見 通しを持つことができる。 11 本時の展開(1/7) 学習活動(学習過程・児童の反応) 指導上の留意事項(☆) 評価規準 評価 方法 1 本時のめあてをつかむ。 2 今までの学習を想起する。 ○どんなお話だったでしょう。 ・おむすびころりん ・おおきなかぶ ○どこの国のお話でしょう。 ・おむすびころりん…日本 ・おおきなかぶ……ロシア ・スーホの白い馬…モンゴル など 3 世界のいろいろな民話や物語を知 る。 ○お話クイズをしましょう。(題名・ 表紙・国名を結ぼう。) ・てぶくろ(ウクライナ) ・三びきのこぶた(イギリス) ・マーシャとくま(ロシア) ・三年とうげ (韓国) など 4 単元の学習の見通しを持つ。 ○お話世界一周旅行をしましょう。 ―世界の民話や物話を読み,すきなお話を 4コマカードで紹介しよう― ○一年生に4コマカードで,すきなお 話を紹介できるようにするにはど んなことをしたらできるでしょう か。 ・本をたくさん読んですきなお話を見 つけたい。 ・4コマの書き方を知りたい。 5 本時のまとめをする。 6 本時をふり返り,次時につなげる。 ☆挿し絵を用意し,お話を想起させ る。 ☆既習の物語の中にもいろいろな 国のお話があることを知らせ,世 界に目を向けさせる。 ☆表紙や,題名,挿し絵などから, どんなお話か,どこの国のお話か を考えさせ,物語に興味を持たせ る。 ☆考えた理由を交流させる。 (ペア,全体) ☆世界地図に題名を位置づけ,世界 中に民話や物語があることに興 味を持たせる。 ☆お話世界一周旅行パスポートを 見せ,いろいろな国の物語を読む ことに意欲を持たせる。 ☆一年生に紹介することを知らせ 相手意識を持たせる。 ☆4コマカードの見本を見せ,学習 のゴールをイメージさせる。 ☆考えを交流させる(ペア,全体) ・いろいろな国 に民話や物語 があることを 知り,読みたい 物語を見つけ 組み立てを紹 介するという 学習の見通し を持っている。 発言 ノート 児童のまとめ例 ・学習のゴールがわかった。 ・いろんな本をたくさん読んで紹介したい。 ・早くいろんな本を読んでみたい。 ・組み立ての勉強をしてみたい。 これからの学習計画を立てよう。

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第4学年 国語科学習指導案

指導者 杉井 友子 1 期 日 平成25年 11月 15日(金) 2 学 年 第4学年2組 28名 3 場 所 第一図書館,わくわくルーム 4 単元名 本のソムリエになろう! 「本は友達」 5 単元について (1)単元観 本単元「本のソムリエになろう!」は,学習指導要領の「C 読むこと」の「エ 目的や必要に 応じて,文章の要点や細かい点に注意しながら読み,文章などを引用したり要約したりすること」 「カ 目的に応じて,いろいろな本や文章を選んで読むこと」を指導するものである。 まず,物語文と説明的な文章を読み比べ,目的に合った本を見つける方法を知る。次に,学校図 書館で目的に合った本を見つけてブックガイドを作り,交流するという構成にしている。 本教材は,挿絵をきっかけに,生活の中で読んでいるものを振り返り,自分の目的に合ったもの を読んでいることや読むものの種類によって読み方が違っていることに気づかせるとともに,物語 文と説明文を読み比べ,種類や目的による読み方の違いを意識させるという学習に適している。 また,複数の本の中から,読む目的に応じて本を選ぶという活動を通して,本の題名や表紙,あ らすじや目次などから本の内容をイメージし,目的に応じた本を選ぶ力を育むとともに,幅広く読 書をしようとする態度を育てることができる。さらに,ブックガイドで紹介する本を選ぶ際は,1 ~3年生にアンケートを行い,「こんな本が読みたい」というリクエストに合う本を選ぶようにす ることで目的意識と相手意識を明確にした学習活動ができると考える。 (2)児童観 読書アンケートの結果によると,本を読むことが好きな児童は89%,おすすめ本の紹介カード を書くことが好きな児童は61%であった。また,読みたい本を選ぶ時に参考にするものとして, 本の題名を挙げた児童は64%,表紙の絵を挙げた児童は61%,ページ数を挙げた児童は18%, 教科書の本の紹介や友だちの紹介カードを挙げた児童は4%であった。このことから,本学級の児 童は,本の題名や表紙の絵の雰囲気から直感的に読みたい本を選んでいる児童が多いことが分かる。 また,何かを調べる時に,インターネットで調べると答えた児童は68%,本を読むと答えた児 童は25%,人に聞くと答えた児童は7%であった。インターネットで調べたり,人に聞いたりす る理由として,「インターネットで調べたり,人に聞いたりする方が早いから。」「目的の本を探す のが大変だから。」などが挙げられた。このことから,本で調べることが苦手な児童が多いことが 分かる。 (3)指導観 ①単元を貫く言語活動とその特徴 本単元を貫く言語活動として「本のソムリエになろう!―リクエストに合った本を選んで,ブッ クガイドをつくろう―」を位置付ける。相手の目的(リクエスト)に応じて本を選び,紹介する人 物を本のソムリエとする。ここで作成する「ブックガイド」は,「『○○したい人におすすめの本』 という見出し」「本の題名」「著者名」「出版社名」「分類番号」「紹介文」の項目でまとめさせるも のである。この活動により,相手意識を持ちながら目的に応じて主体的に選書し,いろいろな分野 の本や文章を読んだり,幅広く読書したりしようとする態度の育成を図ることができると考える。 ②校内研究とのかかわり 読書力の向上を図るために,題名や分類番号,目次などを手掛かりにして目的に合った本を見つ ける活動を通して,本や文章を選ぶ力をつけさせる。 また,相手意識と目的意識を持って選んだ本を紹介するブックガイドを作り,交流することを通 して,読書への関心・意欲を高めていく。

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6 単元の目標 ○ 目的に応じて本を選んだり,紹介したりする活動に関心を持ち,幅広く読書しようとすることができる。 (国語への関心・意欲・態度) ○ 目的に応じて,文章の要点や細かい点に注意しながら読み,文章などを引用したり要約したりすることがで きる。 (読むこと エ) ◎ 目的に応じて,いろいろな本や文章を選んで読むことができる。 (読むこと カ) ○ 文章の種類による言葉や表現の違い,内容や感想をひと言で表す言葉の働きに気づくことができる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 イ(ア)) 7 単元の評価規準 国語への 関心・意欲・態度 読む能力 言語についての 知識・理解・技能 ① 目的に応じて本を選んだ り,選んだ本を紹介したりす る活動に関心を持ち,幅広く 読書しようとしている。 ① 紹介する理由を説明するためにふ さわしいところを引用したり,要約し たりしている。 ② 目的に応じて,いろいろな本や文章 を選んで読んでいる。 ① 文章の種類による言葉や表 現の違い,内容や感想をひと言 で表す言葉の働きに気づいて いる。 8 単元構想図 活動内容 学習目標 第一次 第二次 第三次 物語と説明的な文章を読み比べ,文章の種類に よって読み方にどのような違いがあるかを考 えることができる。 学習の計画を立てよう。

本のソムリエになろう!

―リクエストに合った本を選んで,ブックガイドを作ろう― 目的に合った本を見つける方 法を知ろう。 学校図書館で,リクエストに合 った本を見つけてブックガイ ドを作り,交流しよう。 目的に合った本を選ぶためには,題名や目次が 手掛かりになることを理解することができる。 読み物には,種類に応じた役割があることを理 解することができる。 単元の課題を知り,学習の見通しを持つことが できる。 前時の学習を生かして,ブックガイドで紹介し たい本を選ぶことができる。 学校図書館に掲示するためのブックガイドを 作り,友だちと交流することができる。

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9 指導計画(全5時間 本時4/5) 次 時 学習活動 評 価 関 意 読む 言語 評価規準の具体 評価 方法 一 1 ○学習の見通しを持つ。 ・日常生活で,どのような読み物を読んで いるか出し合う。 ・それぞれの読み物をどんな目的で読んで いるのか考え,話し合う。 ・単元のめあてを知る。 ・本のソムリエについて知る。 ○ ・身の回りの読み物と,それ を読む目的や読み方につい て考えるとともに,目的に 合った本を選んで,紹介す るという活動に関心を持っ て取り組もうとしている。 (関―①) 発言 ノート 2 ○物語と説明的な文章を読み比べる。 ・文章の種類によって読み方にどのよう な違いがあるかを考える。 ○ ○ ・文章の種類による文章の構造 をとらえ,目的による読み方 の違いに気づいている。 (読―②) ・文章の種類によって,用いら れる言葉や表現に違いのある ことに気づいている。 (言―①) 発言 ノート 二 3 ○紹介された本の中から,目次などを手 掛かりに読みたい本を選ぶ。 ・本の題名や表紙,目次などを参考にして, 読みたい本を選ぶ。 ○ ・本の題名や目次などを手掛か りに,読みたい本を選んでい る。 (読―②) 発言 評価表 三 4 本 時 ○学校図書館で,リクエストに合った本 を選ぶ。 ・リクエストに合った本を見つける。 ○ ・本の題名や目次などを手掛か りに,相手の知りたいことが 書かれている本を選んでい る。 (読―②) 発言 カード 5 ○選んだ本のブックガイドを作る。 ・「○○したい人におすすめの本」という 目的を意識したブックガイドを書く。 ・つくったブックガイドを友だちと交流し 合う。 ○ ・目的に応じて選んだ本の文章を 引用したりしてブックガイドを 作っている。 (読―①) ブ ッ ク ガ イド

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10 本時の目標 ・ブックガイドを作るために,相手の目的に合った本を選ぶことができる。 11 本時の展開(4/5) 学習活動(学習過程・児童の反応) 指導上の留意事項(☆) 評価規準 評価 方法 1 前時の学習を振り返る。 ○ 目 的 に合 っ た本 を 見つ け る に は,どうすればよかったですか。 ・本の題名を見る。 ・表紙を見る。 ・目次を見る。 2 本時のめあてをつかむ。 3 相手の目的に合った本を選ぶ。 ○1,2,3年生のリクエストに 合う本を選びましょう。 4 自分が選んだ本を紹介カードに 書く。 ○選んだ本についてカードを書き ましょう。 ・ぼくは,「サッカーが得意になり たい」というリクエストから, 「長友佑都」という本を選びま した。 理由は,長友選手が小学生の時 にどんな練習をしていたかが分 かれば,サッカーの技術が上達 すると思ったからです。 5 友だちとアドバイスし合う。 6 本時のまとめを行う。 7 本時をふり返り,次時につなげ る。 ☆前時に紹介した本を見せながら,目 的に合った本の見つけ方を思い出 させる。 ☆事前に,1,2,3年生のリクエス トを一人ずつ選ばせておく。 ☆時間を設定し,それぞれのリクエス トに合う本を本棚から選ばせる。 ☆本を選んだ児童から,内容を読み, リクエストに合っているか確かめ させる。 ☆カードに選んだ本の題名・分類番 号・作者名・出版社名と選んだ理由 を書かせる。 ☆ペアで紹介カードを読み,目的に応 じた本を選んでいるかアドバイス し合うようにする。 ☆本時に選んだ本を紹介するブック ガイドを作ることを知らせる。 ・本の題名や目次 などを手掛かり に,相手の目的 に合った本を選 んでいる。 発言 カード ブックガイドを作るために,リクエストに合った本を見つけて 紹介カードに書こう。 児童のまとめ例 ・本の題名や目次などを手掛かりにして,リクエストに合った本を選 び,紹介カードを書くことができた。

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第5学年 国語科学習指導案

指導者 小林 祥子 1 期 日 平成25年 11月 15日(金) 2 学 年 第5学年1組 29名 3 場 所 5年1組教室 4 単元名 「人物紹介カード」で学びたいと思う人物を紹介しよう 「百年後のふるさとを守る」 5 単元について (1)単元観 本単元「『人物紹介カード』で学びたいと思う人物を紹介しよう」は,学習指導要領の「C 読む こと」の「オ 本や文章を読んで考えたことを発表し合い,自分の考えを広げたり深めたりするこ と」「カ 目的に応じて,複数の本や文章などを選んで比べて読むこと」を指導するものである。 「浜口儀兵衛」という人物の人生を描いた伝記「百年後のふるさとを守る」を中心教材として, 「百年後のふるさとを守る」の読解,さまざまな伝記を読む,自分の考えを人物紹介カードにまと め,交流するという構成である。 「百年後のふるさとを守る」は,伝記という文章の特質上,説明的な文章の解釈(事実の説明や 筆者の考え)と文学的な文章(物語のように書かれている部分)の解釈という両面から教材を解釈 することで,伝記の特色を理解し,人物の生き方や筆者の考えをとらえることのできる教材である。 伝記を読むことで,目的に応じて伝記を選び,効果的な読み方を工夫しながら主体的に読書を進め ることができる。 (2)児童観 本学級の児童は,4年生で「ごんぎつね」や「三つのお願い」などで,人物の行動や気持ちを叙 述に即して読み取ることを学習してきた。5年生では,「のどがかわいた」で「人物どうしの関係 についてどう思うか」「その理由は」というように課題に呼応するような学習をしてきた。しかし, 全体をとらえ,内容をしっかりとつかみ,自分の考えを明確にして書くことができる児童は62% と多くない。また,伝記の学習をするために必要な事実の説明と筆者の考えの読み分けを苦手だと 感じている児童は55%と多い。読書アンケートでは,「読書が好き」と答える児童は90%に対 し,伝記を読んだことのある児童は,60%であった。今までの児童の読書活動に偏りがあること が分かる。 (3)指導観 ①単元を貫く言語活動とその特徴 本単元を貫く言語活動として「『人物紹介カード』で学びたいと思う人物を紹介しよう」を位置 付ける。ここで取り上げる「人物紹介カード」は,「人物がしたこと・人物の業績」「人物の生き方 や考え方」「印象的な言葉や人物像」「自分が学んだこと・自分に生かしたいこと」の項目でまとめ させるものである。この活動により,本や文章を読んで考えたことを発表し合い,自分の考えを広 げたり深めたりすることを確実に身に付けさせていくことができるものと考える。 また,第二・第三次においても同じ視点で読み進めていく。 ②校内研究とのかかわり 読書力の向上を図るために,歴史上の人物・社会的な貢献・自然科学や化学・文学芸術・スポー ツなど様々なジャンルの伝記を用意し,児童の知らない世界にも触れさせ,その中から自分の興味 を持った人物を選ばせる。この活動を通して本や文章を選ぶ力をつけさせる。また,並行読書によ り過去ばかりでなく現在活躍する様々な人物と出会い,その生き方に触れながら,「なぜ,その人 物を選んだのか。」をひも解き,その人物の生き方・考え方を深く読み取らせることで,考え伝え る力をつけさせる。 さらに,「人物紹介カード」を使って児童一人一人が,思いを持ち選んだ人物や感想を交流する ことで読書への関心・意欲を高めさせる。

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6 単元の目標 ○ 「伝記」という文章や,そこに描かれた人物の人生に興味を持ち,読むことを楽しもうとする。 (国語への関心・意欲・態度) ◎ 文章を読んで,考えたことを発表し合って,自分の考えを広げたり深めたりすることができる。 (読むこと オ) ○ 目的に応じて,複数の本や文章などを選んで比べて読むことができる。 (読むこと カ) ○ 文章にはいろいろな構成があることについて理解することができる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 イ(キ)) 7 単元の評価規準 国語への 関心・意欲・態度 読む能力 言語についての 知識・理解・技能 ① 「伝記」という文章や, そこに描かれた人物の 人生に興味を持ち,読む ことを楽しんでいる。 ① 自分の経験や考え方と照らし合わせて,描 かれている人物や出来事,筆者の物の見方・ 考え方についての感想を持っている。 ② 同じ種類の本や文章から,目的に応じ,よ り適切な本や文章を選んでいる。 ① 同じ種類の本や文章 を読み,「伝記」の持つ 構成について気付いて いる。 8 単元構想図 活動内容 学習目標 第一次 第二次 第三次 伝記を読んだ経験や感想を発表し合い,その特色や 読む意義について話し合うことができる。単元の課 題を作り,学習の見通しを持つことができる。 学習の見通しを持とう。

「人物紹介カード」で学びたいと思う人物を紹介しよう

― 人物の生き方や考え方,その偉業から学び自分の考えをまとめよう ― 「百年後のふるさとを守る」 を読もう。 今の自分と関わらせながら, 伝記を読み,考えたことを「人 物紹介カード」にまとめ交流 し合おう。 儀兵衛がしたこととその考え方や筆者が考える儀兵 衛の業績の意味を書き出し話し合うことができる。 儀兵衛の生き方,筆者が考える儀兵衛の業績につい て,自分が考えたことを紹介カードに書きまとめる ことができる。 ・人物が何をどのようにしたかということ ・人物の考え方 ・普段考えていること こうなりたい ・実生活での体験 考えが変わった ・読書体験など 等 最も感銘を受けた言葉や文,または,自分で感じる 生き方や人柄などの言葉や文作り(名言) 自分が読みたいと思う人物を選び,伝記を読み課題 にそって,材料を集めることができる。 読み取ったことを今の自分と関わらせながら,「人物 紹介カード」にまとめることができる。 全体で交流し,読書意欲を高めることができる。

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9 指導計画(全10時間 本時 9/10) 次 時 学習活動 読 書 活 動 評 価 関 意 読む 言語 評価規準の具体 評価 方法 一 1 ○単元名や教材文を知り,学習の 見通しを持つ。 ・伝記の特色や読む意義を話し合う。 ・単元の見通しを持つ。 並 行 読 書 ○ ・「伝記」という文章や,そこに 描かれた人物の人生に興味を 持ち,関心を持って取り組も うとしている。 (関―①) 発言 ノート 二 2 ○全文を通読し,文章構成をつか み内容を読み取る。 ・文章構成をつかむ。 ・自分の生き方や考え方をふり返る。 ○ ◎ ・大体の内容と文章構成をとら えている。 (言-①) ・人物の行動やその考え方につ いての描写をとらえている。 (読-①) 発言 ノート 3 ○儀兵衛がしたこととその考え方を 読み取り話し合う。 ・「儀兵衛紹介カード」にまとめる。 ・ペアで交流する。 ○ ・人物の行動やその考え方につ いての描写をとらえている。 (読-①) 発言 カード 4 ○筆者が考える儀兵衛の業績の意味 を読み取り話し合う。 ・「儀兵衛紹介カード」に筆者の考え をまとめペアで交流する。 ○ ・人物の行動やその考え方につ いての描写をとらえ筆者の考 えを読み取っている。 (読-①) 発言 カード 5 ○儀兵衛の生き方,筆者が考える 儀兵衛の業績の意味について,自 分が考えたことをまとめる。 ・自分が考えたことや自分の生き方に ついて「儀兵衛紹介カード」にまと める。 ・グループで交流する。 ○ ・儀兵衛の生き方と筆者が考え る儀兵衛の業績の意味につい て読み取り,自分が考えたこ とや自分の生き方について 「儀兵衛紹介カード」にまと めている。 (読-①) 発言 カード 三 6 7 8 ○伝記を選び「百年後のふるさと を守る」の手順で読み取る。 ・観点(人物がしたこととその考え方 や生き方,筆者の考え)にそって読 み,感想を付箋にメモしてはりなが ら読む。 ○読み取った材料から,「人物紹介 カード」にまとめる。 ・伝記の内容からしたこととその考え 方や生き方をまとめる。 ○ ・伝記を選び「百年後のふるさ とを守る」と同じ観点を意識 して読んでいる。 (読-①②) 作業 ノート ○ ・読みとったことを「人物紹介 カード」にまとめている。 (読-①) 発言 カード 9 本 時 ○読み取った材料から,「人物紹 介カード」にまとめる。 ・なぜこの人物を紹介したいのかを考 えてまとめ,ペアで交流する。 ○ ・読み取ったことから,自分の 考えをまとめ,その人物の印 象的な言葉や人物像をとらえ ている。 (読-①) 発言 カード 10 ○全体で「人物紹介カード」を交 流する。 ・友だちの紹介する人物の生き方や考 え方を聞き,様々な人物に関心を持 ち,読書意欲を持つ。 ○ ・友だちの紹介する人物に関心 を持ち,読書意欲を持ってい る。 (関―①) 発言 カード

参照

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