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地盤凍結下における現打ちコンクリートの凍害防止策

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Academic year: 2022

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(1)

地盤凍結下における現打ちコンクリートの凍害防止策

㈱大林組 正○光森 章 ㈱大林組 正 杉山 和久 ㈱大林組 正 山本 裕三

1.まえがき

本工事は,大阪市東部地域における浸水対策としての下 水道幹線管渠の築造工事と,下水処理場間のネットワーク 化としての送水管及び送泥管を敷設するものである.本工 事では,外径φ6400mm の下水管渠と約 4m の隔離で設置され た中間立坑(SC 合成地中連続壁

1,2,3)

(NETIS:KT-040001):

土留壁内空□10.20m ×7.50m)との接続部を凍結工法によ

り防護し,大断面の横坑(□9.80m ×5.00m)を現場打ちコンクリートにより構築する.

2.本工事の特徴と技術的課題 (1) 工事の特徴

本工事の工事概要を表-1,凍土造成計画図を図-1 に示す.

横坑接続工事は,接続部周囲の凍土造成完了後に凍土内側 の矩形断面を掘削し,掘削断面内に 2 連 BOX カルバート躯 体を構築するものである.この際,全断面を同時に掘削す ると必要凍土厚が増して工期・工費が増大するため,掘削 断面に凍土で中柱を設置し,先行掘削側と後行掘削側の 2 ブロックに分割して掘削及び構築作業を行った.掘削から 躯体構築までの手順図を図-2 に示す.

(2) 技術的課題

硬化前のコンクリートが氷点下に曝されて初期凍害を 受けると,その後の養生を続けても強度の増進が少なく所 定の強度を得ることができない.従って寒中コンクリート の施工では,凝結硬化の初期にコンクリート内の必要養生 温度を確保することが重要である.本工事で地山内に埋設 キーワード 凍害,凍結工法,SC 合成地中連続壁,温床線

連絡先 〒536-0024 大阪市城東区中浜 1-17-10 中浜シールド工事事務所 TEL.06-6167-1017 FAX.06-6963-5139

地盤凍結工 二次覆工 一次覆工 立坑寸法 地中連続壁

セグメント外径φ6400mm, セグメント内径φ5800mm シールド

仕上がり内径φ5500mm 凍結方式:ブライン方式 接続BOX

90A凍結管延長(シールド側、立坑側):510.9m(91本)

65A埋込凍結管延長(立坑連壁芯材):195.6m(62本)

貼付凍結管延長(シールド側):233.2m(684本)

設計凍結土量:1020㎥

内空:10.2m ×7.5m, 掘削深:33.2m

壁厚:0.9m, 掘削深:52.5m, 施工延長:39.4m, 施工平米:2070㎡

SC合成地中連続壁(当社、JFEスチール共同開発) ※本工事では仮設扱い

中間立坑

工事概要 大阪市建設局 発注者

深江~中浜幹線下水管渠築造工事(その1-4)

工事名称

地盤凍結工 二次覆工 一次覆工 立坑寸法 地中連続壁

セグメント外径φ6400mm, セグメント内径φ5800mm シールド

仕上がり内径φ5500mm 凍結方式:ブライン方式 接続BOX

90A凍結管延長(シールド側、立坑側):510.9m(91本)

65A埋込凍結管延長(立坑連壁芯材):195.6m(62本)

貼付凍結管延長(シールド側):233.2m(684本)

設計凍結土量:1020㎥

内空:10.2m ×7.5m, 掘削深:33.2m

壁厚:0.9m, 掘削深:52.5m, 施工延長:39.4m, 施工平米:2070㎡

SC合成地中連続壁(当社、JFEスチール共同開発) ※本工事では仮設扱い

中間立坑

工事概要 大阪市建設局 発注者

深江~中浜幹線下水管渠築造工事(その1-4)

工事名称

表-1 工事概要

中柱 側壁部

側壁

天井部

下床部 先行掘削

連壁 連壁

凍土 鏡切

5500(掘削幅)

先行掘削

5350(掘削高

10200(立坑内空)

未鏡切

中柱 側壁部

側壁

天井部

下床部 先行掘削

連壁 連壁

凍土 鏡切

5500(掘削幅)

先行掘削

5350(掘削高

10200(立坑内空)

未鏡切

中柱 側壁

側壁部

天井部

下床部

1000

10200(立坑内空)

①底版

③スラブ

②側

②側

10003000 未鏡切

1000 3000 800

中柱 側壁

側壁部

天井部

下床部

1000

10200(立坑内空)

①底版

③スラブ

②側

②側

10003000 未鏡切

1000 3000 800

側壁部

側壁

天井部

下床部

5350(掘削高

10200(立坑内空)

①底版

③スラブ

②側

②側 後行掘削

鏡切

(凍土中柱撤去)

4700(掘削幅)

後行掘削

側壁部

側壁

天井部

下床部

5350(掘削高

10200(立坑内空)

①底版

③スラブ

②側

②側 後行掘削

鏡切

(凍土中柱撤去)

4700(掘削幅)

後行掘削

側壁

側壁部

天井部

下床部

1000

10200(立坑内空)

10003000

1000 4000

④底版

⑥スラブ

⑤側

①底版

③スラブ

②側

②側 側壁

側壁部

天井部

下床部

1000

10200(立坑内空)

10003000

1000 4000

④底版

⑥スラブ

⑤側

①底版

③スラブ

②側

②側

① ②

③ ④

図-2 構築手順図

A-A 断面図

地中連続壁:土留壁長L=52.5m,連壁厚0.9m 芯材H-704*302*15*32@60本 L=48.5m 掘削床付GL-33.2m

溝壁防護SMW Φ550L=16.0m

GL±0.0m

RC框梁

立坑内空 10.2 ×7.5m

深江~中浜下水管渠 セグメント外径φ6400

仕上内径φ5500 鏡切部

セグメント 撤去 凍土造成範囲

7250

5000

凍結管

B B

A-A 断面図

地中連続壁:土留壁長L=52.5m,連壁厚0.9m 芯材H-704*302*15*32@60本 L=48.5m 掘削床付GL-33.2m

溝壁防護SMW Φ550L=16.0m

GL±0.0m

RC框梁

立坑内空 10.2 ×7.5m

深江~中浜下水管渠 セグメント外径φ6400

仕上内径φ5500 鏡切部

セグメント 撤去 凍土造成範囲

7250

5000

凍結管

B B

深江~中浜下水管渠 セグメント外径φ6400

仕上内径φ5500 鏡切部 内空長辺側:10200

凍土造成範囲 シールド側

水平凍結管 連壁内埋込凍結管

内空短辺側:7500

貼付凍結管

先行掘削側 後行掘削側

B-B 平面図

連壁

躯体中柱 A

A

C C

中間立坑

シールド 凍土掘削

深江~中浜下水管渠 セグメント外径φ6400

仕上内径φ5500 鏡切部 内空長辺側:10200

凍土造成範囲 シールド側

水平凍結管 連壁内埋込凍結管

内空短辺側:7500

貼付凍結管

先行掘削側 後行掘削側

B-B 平面図

連壁

躯体中柱 A

A

C C

中間立坑

シールド

凍土掘削 中柱 側壁

側壁部

天井部

下床部

連壁 連壁

凍土 5500(掘削幅)

先行掘削

5350掘削高

10200(立坑内空)

2520 2690

1630

1800 1800

砂礫層 2000

粘土層

砂層 砂層

砂礫層

56002000700

4700(掘削幅)

後行掘削

凍結管 水抜管

測温管 C-C断面図

中柱 側壁

側壁部

天井部

下床部

連壁 連壁

凍土 5500(掘削幅)

先行掘削

5350掘削高

10200(立坑内空)

2520 2690

1630

1800 1800

砂礫層 2000

粘土層

砂層 砂層

砂礫層

56002000700

4700(掘削幅)

後行掘削

凍結管 水抜管

測温管

中柱 側壁

側壁部

天井部

下床部

連壁 連壁

凍土 5500(掘削幅)

先行掘削

5350掘削高

10200(立坑内空)

2520 2690

1630

1800 1800

砂礫層 2000

粘土層

砂層 砂層

砂礫層

56002000700

4700(掘削幅)

後行掘削

凍結管 水抜管

測温管 C-C断面図

図-1 凍土造成計画図 土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑859‑

Ⅴ‑430

(2)

掘削凍土表面 (断熱材設置)

鏡切部連壁面 (温床線設置)

掘削凍土表面

(断熱材設置)

鏡切部連壁面 (温床線設置)

写真-1 断熱材・温床線設置状況 した測温素子のデータによると,凍土掘削後に露出した凍土表面は最低 2℃,

鏡切で露出した連壁断面表面は最低 0℃であった.接続躯体は,凍土及び連壁面 に現場打ちコンクリートで構築する設計であるため,コンクリートの初期凍害 を防止することが品質管理の課題となった.

3.解決策と技術的根拠

凍害対策は,コンクリートと接触する箇所によって,次の 2 パターンに分類し て温度解析を行った.

①「掘削凍土表面に曝されるコンクリート」

②「鏡切部連壁面に曝されるコンクリート」

①に関しては温度解析の結果,壁面防熱,掘 削面の肌落ち防止のため,凍土全面に断熱材

(グラスウール)を設置し,断熱材による熱の 遮断のみで対策した.②に関しては,解凍時の 止水性確保を目的として連壁部(連壁厚 0.9m)

における連壁-躯体コンクリートの一体化を図 る必要があったため,断熱材の設置は不適切と 考えた.そこで,鏡切連壁面に温床線(熱量 25w/

㎡:設置列ピッチ 75mm,設置全長 437m)を設置し連 壁面に直接熱を与えることで凍害対策を行った(写 真-1).また品質管理基準として,養生期間

4)

を所要 の圧縮強度が得られる 5 日間とし,その期間コンク リート温度を 5℃以上に保つこととした.

凍土

底版 スラブ

側壁

底版 スラブ

側壁

側壁

A:先行側底版連壁内 B:先行側底版凍土面

G:後行側底版連壁内 H:後行側底版凍土面 E:先行側スラブ連壁内

F:先行側スラブ凍土面

K:後行側スラブ連壁内 L:後行側スラブ凍土面

C:先行側側壁連壁内 D:先行側側壁凍土面

I:後行側側壁連壁内 J:後行側側壁凍土面

凍土

底版 スラブ

側壁

底版 スラブ

側壁

側壁

A:先行側底版連壁内 B:先行側底版凍土面

G:後行側底版連壁内 H:後行側底版凍土面 E:先行側スラブ連壁内

F:先行側スラブ凍土面

K:後行側スラブ連壁内 L:後行側スラブ凍土面

C:先行側側壁連壁内 D:先行側側壁凍土面

I:後行側側壁連壁内 J:後行側側壁凍土面

A・G C・I E・K

B・H F・L

D・J

①温床線設置

②断熱材設置 A・G

C・I E・K

B・H F・L

D・J

①温床線設置

②断熱材設置

図-3 コンクリート測温位置図

4.結果と技術的評価

コンクリート測温位置図を図-3,先行側・後行側 のコンクリート養生温度経過グラフを図-4 に示す.

図-4 より,①②の対策共に設定した養生期間中,コ ンクリート温度を 5℃以上に保ちながら養生するこ とができた.また先行側底版部連壁内(図-3:A)のコ アを打設 46 日後に採取し圧縮試験を行ったところ,

圧 縮 強 度 35.2N/mm2 と 所 定 以 上 の 強 度 発 現

(24kN/mm2)が確認できた.従って,断熱材が設置で きない箇所においても温床線等の熱源を与えること

で,初期凍害対策と既設構造物との一体化の両方を満足することができた.

-20 -10 0 10 20 30 40 50 60

10/1 10/6 10/11 10/16 10/21 10/26 10/31 11/5 11/10

温度

A B C D E F

-20 -10 0 10 20 30 40 50 60

11/17 11/22 11/27 12/2 12/7 12/12 12/17

温度

G H I J K L 養生温度5℃

養生温度5℃

均コ 底版 側壁 スラ

底版養生 側壁養生 スラブ養生

均コン 側壁打設 スラ

底版養生 側壁養生 スラブ養生

底版

CON温度 10℃以下で温床線ON 20℃以上で温床線OFF

後行側常時温床線ON

後行掘削側 先行掘削側

均コンでは温 度上昇しない

スラブコン 打設前 -20

-10 0 10 20 30 40 50 60

10/1 10/6 10/11 10/16 10/21 10/26 10/31 11/5 11/10

温度

A B C D E F

-20 -10 0 10 20 30 40 50 60

11/17 11/22 11/27 12/2 12/7 12/12 12/17

温度

G H I J K L 養生温度5℃

養生温度5℃

均コ 底版 側壁 スラ

底版養生 側壁養生 スラブ養生

均コン 側壁打設 スラ

底版養生 側壁養生 スラブ養生

底版

CON温度 10℃以下で温床線ON 20℃以上で温床線OFF

後行側常時温床線ON

後行掘削側 先行掘削側

均コンでは温 度上昇しない

スラブコン 打設前

図-4 コンクリート養生温度経過グラフ

5.今後の展開

コンクリートの凍害防止策は,凍結工事だけに限らず寒冷地もしくは,凍結された場所にコンクリートを現打ち する工事で検討が必要である.特に温床線設置による凍害防止策は,既設躯体との一体化を図らなければならない 構築工事で非常に有効であり,また材料費が非常に安価であるため適用の可能性は十分に見込めると思われる.

参考文献

1) 武田他:内面突起付き H 型鋼を用いた SC 合成地中連続壁工法の開発,土木学会第 59 回年次学術講演概要集,2004 2) 光森他:SC 合成地中連続壁工法の適用事例,土木学会第 63 回年次学術講演概要集,2008

3) 光森他:SC 合成地中連続壁の挙動に対する一考察,土木学会第 64 回年次学術講演概要集,2009 4) コンクリート標準示報書(施工編)12 章寒中コンクリート,土木学会,2007

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑860‑

Ⅴ‑430

参照

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なお、近年の大雨時に発生した土砂災害等で、災害の把握、情報伝達及び適切な

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