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2.2 マルチパス通信路

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Academic year: 2022

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(1)2.2 マルチパス通信路. マルチパス通信路. 2.2 2.2.1. マルチパスの要因とその特性. 医療用テレメータが主に使用される環境である屋内では,壁面,床面,天井な どによる反射により直接波,透過波および反射波が位相差をもって受信アンテナ に到達することにより互いに干渉しあうため,通信路の伝達特性は複雑なものと なり,送受信アンテナ間の位置関係により減衰量あるいは位相が激しく変動する. こ の よ う なマルチパス 通 信 路 では 直 接 波が 到達 す る か否 か で状 況が 異な る. Fig.2.2.1 に示すような見通し内通信路では直接波以外の経路(パス)の電波は比較 的弱いため,位置関係による伝達特性の暴れは少ない.一方,fig.2.2.2 に示すよ うな見通し外通信路では,受信側に到達する各パスからの電波の強度に差がない ため激しい干渉が生じ,位置関係により伝達特性は大きく変動することになる.. nt path ig s f o Line. Receiver. Transmitter. Fig.2.2.1. Line-of-sight multipath channel. Receiver Transmitter. Fig.2.2.2 Non-line-of-sight multipath channel. – 5–.

(2) 2.2 マルチパス通信路. また,病院内においては患者側にバッテリ駆動の送信機を装着して無拘束で患 者監視を行うことが多いため,送受信アンテナ間の位置関係が連続して変化する 際の伝送路特性を明らかにする必要がある.このような移動体通信において,そ の通信路の伝達特性の変動は確率的に変動することが知られており,これを理論 的に表現するために,受信振幅の確率分布を用いるのが一般的である.マルチパ ス通信路を表現する確率密度関数は見通し内の場合と見通し外の場合では異なり, 前者には仲上−ライス分布が,後者にはレイリー分布が用いられる.. 2.2.2. 仲上–ライス分布. 先に述べたように,マルチパス通信路において直接波の電波強度が強い場合に は,その空間分布は仲上–ライス分布 [47],[48] , [51 ]に従うことが知られている .仲上– ライス分布は 1 つの信号と,その信号の近傍に周波数帯域を持つ帯域制限された 正規ランダム過程に従う雑音の合成としてモデル化される(付録 A.1 参照).仲上– ライス分布は次式で表される.. r  r 2 + A 2   rA   I 0  2  p ( r ) = 2 exp  − 2 σ 2 σ   σ . (2.2.1). ただしここで,A は直接波の振幅であり, σ 2 は間接波の総電力である.式(2.2.1) からわかるように,仲上–ライス分布では直接波の電力 A2 / 2 がパラメータとなっ ており,これと間接波の総電力 σ 2 の比を. SN = 20 log 10. A 2σ 2. (2.2.2). のように SN 比として与えることにより,その確率密度関数の形状が変化する.. 2.2.3. レイリー分布. マルチパス通信路において直接波の電波強度が反射波,透過波と同等である場 合には,各パスからの到来電波の相対的な位相差が変動することにより,受信点 で 合 成された 信号 の振 幅は 大 きく 変動 する .こ の変 動の 様 子は レイリー 分布 [47],[48 ],[51 ]. (付録 A.2 参照)で記述できることが知られており,このような分布を示 す受信点での受信電力の変動をレイリーフェージングと呼ぶ.レイリー分布は, ほぼ等しい振幅とランダムな位相差を持つ多数の信号が構成されるときの振舞い を記述したものであり,その確率密度関数は次のようになる.. p (r) =. r  r2  − exp 2 σ2  2σ.   . (2.2.3). ここで,r は受信信号振幅の瞬時値であり, σ 2 は平均電力である.また,受信信 号の位相 θ は次のような一様分布となる.. p (θ ) =. 1 2π. 次に式(2.2.3)より確率分布関数を求めれば,次のようになる.. – 6–. (2.2.4).

(3) 2.2 マルチパス通信路.  r2 F ( r ) = 1 − exp − 2  2σ.   . (2.2.5). 式(2.2.3)から式(2.2.5)は,合成する信号数が無限大の場合の分布であり,信号数が 少ない場合にはこの分布から外れてくるが,実際には信号数が 10 程度以上でほぼ レイリー分布と一致する.. – 7–.

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