学力研12月23日冬のフォーラム
どの子もわかる・できる
ユニバーサルデザインの算数の授業
愛知教育大学名誉教授 志水 廣
本日の話題
・ユニバーサルデザインを支える基礎学力 ①音声計算練習
②基礎的な問題の予習と復習(習熟)
・ユニバーサルデザインの考えに基づく授業づくり
・スモールステップ 実感化、つながる化、そろえる 化、確認と見届け
・○付け法(机間指導)、意味づけ復唱法(1問1答 からの脱却)
まずは、自己紹介
• 現在65歳、43年間教員。
• 神戸市の公立小学校→東京の筑波大学附属小学 校の教員を40歳まで。
• 40歳で愛知教育大学に赴任。25年間。
• 平成29年3月退職 名誉教授
• 専門は、算数や数学の教え方の研究。人間論。
• 125冊の単行本、DVD
• 6000人の授業診断、学力向上アドバイザー
• ホームページ「志水 廣」
• 33歳から現在まで小学校算数の教科書(啓林館)
の編集者
小学校算数の教科書の著者
テレビ東京 2011年6月
12人に選ばれる
本日の話題
・ユニバーサルデザインを支える基礎学力 ①音声計算練習(10分)
②基礎的な問題の予習と復習(習熟)(5分)
・ユニバーサルデザインの考えに基づく授業づ くり ビデオ視聴(30分)
・スモールステップ 実感化、つながる化、そろ える化、確認と見届け(15分)
・○付け法(机間指導)、意味づけ復唱法(1問 1答からの脱却)(20分)
どこの空港か?
音声計算の本ができました 明治図書
各学年について30のワークシート
音声計算練習
二人組でやってみましょう。
• 音 声計算練習法の特徴。
• 1分間で練習
• 二人ペアで行う
• ① まずは、一人練習
• ② 次に、ペアで練習
3.音声計算練習法
(1)まずは、計算力アップしかも 暗算力のアップを図る。
(2)音声計算練習法とは何か
「計算カードをランダムに並べた 一覧表を手に持って計算して、
答えを声に出していく方法」
計算式の一覧表を見なが ら計算して答えを声に出す 音声計算。そのシステムを 使い計算練習ができる読 み上げ計算ワークシートを
単元別に収録。
答え合わせがすぐできる 解答シートや記録表つき なので子どもが自ら取り組
む計算練習のアクティブ・
ラーニングにもつながりま す
!
100マス計算指導の心得7カ条
• なぜ百ます計算をするのか、趣旨をしっかりと説明する
・計算が速くなることは一生の宝物になるよ。
・百ますをすると君たちの頭はどんどん賢くなってきます。
・お父さんやお母さんに負けないくらい速くなれるよ。
• 全員でできるようにしてから鍛える
・やり方を教え、2、3度やらせる。
・遅い子やまちがいの多い子を見つけ、個別指導する。
・この間は100点をとることを目標にさせる。
・全員ができるようになった時点で最初のタイムをはかる。
・学校で2回、宿題で2回は最低やることが必要。
授業には「知」と「心」の変容が不可欠
教師 子ども (子ども達同士)
教材
「価値」(面白い)
(知識・技能・考え方)
小学校算数では
どんなことを教えるのか
• 数と計算
• 図形
• 測定
• 変化と関係
• データの活用
特徴
• 全て抽象的な概念
• 見えるようで見えない
• 存在と性質(きまり)
一次判断と二次判断
脳科学者 松本元先生
(茂木健一郎先生の師匠)
脳の中身はどうなっているのか?
小児科
加藤俊徳医師
発達脳科学
MRI脳画像診断
脳は100歳まで成長する
• 脳のイメージは樹木である。
• いろいろな機能が働く場所があ る。
• 「思考と感情」がポイント
• 「感情」が先で、「思考」が後
前頭葉 output
後頭葉
input
脳は成長する
• 2014.3 現在10刷
• ベストセラー
• 算数の指導の基盤 →スモールステップ →環境整備
• ユニバーサルデザインの 考え方
→授業のユニバーサ ルデザイン化
→かかわり方(応用行 動分析)
2016.10発行 算数部門第1位
小学校部門第2位 総合 第3位
4刷
算数の授業づくり ・わかる
(つなげる、実感)
・できる
・身に付く
・そろえる
現場の悩み
• どの子にも学力を保証したい!!
• でも、・・・
• 遅い子に合わせると・・・
• 早い子に合わせると・・・
本日の講演の結論
• どの子も「わかる」「できる」こと
• 楽しく・面白い授業をしてほしい。
• 実感をもって理解させたい
楽しい・面白い
• 身近な生活から算数を
日常生活への活用
ここに、算数数学が存在する
面 白 い と 思 う か ど う か
輪ゴムの算数
どんな算数が考えられるか
輪ゴムの箱の情報から どんな数学が考えられるか
• 100%
• 折径 6㎝
• 100g
• SIZE No .16
• 何なの?
では、教科書ではどうなのか
• 普段着の授業をどのように
• ユニバーサルデザイン化するのか
表紙には
1
2 かめ
3 かに
4 たこ
5 カクレクマノ
ミ(ニモ)
授業の基本
• 一斉指導が80%
• グループ別指導10%
二人対話、4人グループ
• 個別指導が10%
1年 どちらがながい
教科書より
1年 どちらがながい
• 動かせない辺の長さを 比較するには、辺を動 かすには、折って重ね る。
• 線対称移動、合同
学び方の習得
1つめの「しかけ」
さらに、活用する子ども
身近な用紙でも比べる態度
た て
よこ
た て
よこ
さらに、活用する子ども
身近な用紙でも比べる態度
た て
よこ
た て
よこ
ななめ
さらに、活用する子ども
身近な用紙でも比べる態度
た て
よこ
たて と ななめ
た て
よこ
ななめ
たて=ななめ 同じになる!
面白い
調べたい、考えたい
• 課題の明確化
• 辺と辺の比較
• 課題解決の仕方 の明確化
• 紙折りの場合は、
• 「重ねて折る」こと
で、辺の長さの長
い短いを調べるこ
とができる。
さらに、活用する子ども
身近な用紙でも比べる態度
1
た て
よこ
A4の用紙では 1
√2
1
2つめのしかけ
√2
紙折りを振り返って
• 今、何が問題なのか。・・・・問題把握 ①
• 次に、どのようにすれば確かめることができ るのか・・・・方法の見通し ②
• 算数の問題解決は、①問題把握と②方法の 見通しが重要。
授業の基本と志水メソッド
①一斉指導が80%
②グループ別指導10%
二人対話、4人グ ループ
③個別指導が10%
• ヒント包含法
• ○付け法
• 意味づけ復唱法
• 適用問題定着法
• どの指導に対応する か?
ユニバーサルデザインの視点 どの教科にも
• 視覚化
• 焦点化
• 共有化
左の3つだけでは うまくいかない!!
何が足りないのか
ユニバーサルデザインの視点 どの教科にも
• 視覚化
• 焦点化
• 共有化
算数数学特有
• 実感化
• つなげる化
• そろえる化
• 確認と見届け
どこにユニバーサルデザインとしての
配慮があるのか
板書からみるユニバーサルデザイン
板書からみるユニバーサルデザイン
場面の 挿絵
問題文
式
計算の答え、
問題の答え
本時の めあて
ユニボくん
問題1番 問題2番
計算の仕 方
練習 問題
まとめ
わかる → わかりやすいために
視覚化 焦点化 共有化
• 算数の授業では、
• 何を
• どのように
• なぜ
• いつ
• 視覚化 焦点化 共有 化するのか
• 算数の特性・授業の展開
• 18+2の
• 計算の仕方を
• 式、図、言葉、絵
では、なぜ板書に算数の問題が必要
なのか
だけれど、この後 意外にも
36+4=40を 百玉そろばんで
確かめてみよう。
ほんと40になった!
ほんと40になった!
実感化が 大切
視覚化
仕掛け
仕掛けA:百玉そろばんで確かめる→実感した
仕掛けB:35+5、32+8、43+7・・・→他に もあるなあ。 他の例の存在、驚き
仕掛けC:何十となるたし算を見つけたい。・・・
→他のたし算も見つけたい。心が燃える。
重さ 1円玉 1個で1グラム
重さ 3個では、・・・
• 5+1=
• 答えは
5+1=5
子どもが「わかる」ように仕掛ける
「知」と「心」の変容をもたらす。
•
教師 子ども
伝える:音声言語 分かりやすい言葉 簡単・明瞭
記述言語 文字、図、イラスト
ユニバーサルデザインの視点 どの教科にも
• 視覚化
• 焦点化
• 共有化
算数数学特有
• 実感化
• つなげる化
• そろえる化
• 確認と見届け
3年 重さの授業より
• 示範授業のVTR視聴
• ユニバーサルデザインの視点で観る
• 録画は禁止です。
概念形成型か 問題解決型
概念形成型はスモールステップが大切。
それでも「考えさせる」場は存在する。
概念形成 型か
問題解決
型か
示範授業とユニバーサルデザインの 視点
• 元気な雰囲気から落ち着いた雰囲気へ転換
• 授業の場面で どこが
視覚化、焦点化、共有化
つながる化、そろえる化、実感化 確認と見届け
なのか。
示範授業「重さ」 TC 記録1
• T 昨日ね、勉強しましたね。それは「重さ」の勉強をしました。で、重さの勉強のと き、三角定規あったな。それと、えんぴつ。これ、どっちが重かった?
• C 三角定規!
• T 教科書では、これがですね、何かで比べていった?
• C 一円玉
• T そうや、一円玉で比べたんや。
• C 一円玉が何個分とか・・・
• T そうそう、一円玉が何個か。教科書をみるとね、一円玉ってね、ここが8こで ね、えんぴつが5こになっていた。じゃあ、教科書見るぞ。教科書29ページ開け て。
• T で、こっちを見てごらん。今から何を勉強するかというと、一円玉で「重い」って 話をしたわけ。重い。どっちが重いかということ。今日は、「重さ」という勉強をしま す。重さ。で、「重さ」をやるときにね。実は、重さというものは、実は、重さには実 は単位がある。で、単位って何かというと、「グラム」です。
• C あっ!何グラム
• T うん。それが30ページに書いてある。30ページ見てごらん。
• C あった!
示範授業「重さ」 TC 記録2
• T あった?教科書の一番上に書いてある。
• C あった!
• T 一番上に書いてある。一番上。
• C あった。
• T ここ、ここに「グラム」って書いてある。ここ。見てごらん。
• C 1グラム
• T みんなで「グラム」と言ってみましょう。
• 「グラム」はい!
• C グラム
• T これを勉強していく。で、何をするかというとな、今から一番の所 からさ、教科書をせっかく開けたから、上から下までみんなで読ん でみよう。みんなで。分かった。一番。いくよ。「重さははかりでは かります」ようい、はい。
• C 重さははかりではかります。・・・・・・はかってみましょう。
授業ビデオからUDの視点
• 子どもの余分な言葉に反応しないで進める。
• 音声言語→板書化(視覚化)
• T:これどっちが大きかった? 質問する
• T:教科書では何かで比べられていた?
C:1円玉
T:そうや、1円玉
・教科書を開けさせる 行動化
・こちらを向く指示
発言のメモ化 視覚化 2分40秒
昨日 → 本時に変化
視覚化・実感化
1gだと実際に見る 1円玉を手のひらに載せて 感じる 11分54秒
まだ、はかりの表は見せない
期待が持てるような指示
14分58秒• もっと重い物を測る。こ れ(デジタルばかり)で は測れない。今日は、
これ(はかり)で測る。
• 指さし確認
視覚化 見やすい目盛り図の拡大版
子どもの発言の板書化 音声言語を視覚化する
・子どもの表現の理由が明確になる
・他の子どもに表現を誘因する
視覚化・焦点化
練習用にさらなる拡大
なぜ、200g-300gの拡大図なのか
動作化、実感化
測定の活動:真正面から測定
どの子も測定できた!!
加藤俊徳医師
子どもの脳に届く話し方
第1条 十分な「間」をとって話す
・子どもの脳の処理スピードは大人よりも 遅いから
第2条 短い言葉で話す ・わかるように話す
・聴覚系が苦手な子どもには、結論を先に伝え、
その後で理由を手短に添える 第3条 穏やかに話す
・強く言いすぎると感情系脳番地が興奮してしまう
加藤俊徳医師
接し方子どもが動きたくなる指示
第1条 できそうなことを指示
行動を分解して手順を組み立てる 簡単なことにかみ砕いて指示を出す 第2条 期待が持てる結果を指示
その行動をするとどんなことが起きるか を楽しそうに知らせることです。
第3条 とにかく笑顔で待つ!
子どもの行動が終わるまで笑顔。
=脳の活動が完結するまで
算数を学ぶ力
ベース1 ベース2
計算力
考えて「わかる力」
基礎的な力
わかって「できる力」
(知識・技能)
+
予習と復習が1冊で可能
児童用 教師用 コピーフリー
書籍の注文先
愛知教育大学生協書籍部
問い合わせ先 教師用 コピーフリー
• 愛知教育大学出版会の書籍、(f ornext)社、授業力アップわくわく クラブの書籍の問い合わせは愛 教大生協eMまで。
TEL:0566-36-5184 FAX:0566-36-5465 注文はこちら
http://www.auecoop.jp/teacher/
志水メソッド
• 基礎の計算力
• 基礎の問題解決力
• 授業中の問題解決力
問題把握・見通しをもつために
・自力解決するために
・解決方法の定着
• 音声計算
• 10分間プリント 習熟・
予習・発展
①ヒント包含法
②○付け法(机間指導)
③意味付け復唱法
④適用問題定着(フラッ シュカード)
即時のキャッチ
&リスポンス
以下は、話すことができませんでした。
• 導入 問題把握
↓ 確かな見通しをもつ
• 自力解決 見通しにそって解決 ↓
• 話し合い 解決方法の検討 ↓
• 練習 技能の習熟 ↓
• まとめ 振り返り
ヒント包含法
○付け法
形成過程○付け法
意味づけ復唱法
試しの1問
適用問題定着法
(フラッシュカード)
適用確認○付け法
各場面で「ずれ」(つまずき)がある この対策として志水メソッドが生ま れた
音声計算練習
○付け法とは何か
• 机間指導において、子どもの問題解決過程 及び結果に対して、赤ペンで○をつけながら 即時評価・即時指導をすること
• 解決過程とは・・・解決の初手、数直線、式の 途中、図、言葉
• 結果とは・・・・・・・式、答え
○付け法の精神
• 全員の子どもが正解に到達する。
• 部分肯定で励ます。
三角形・四角形の作図
作業中に〇を付ける
三角形・四角形の作図で工夫した形
を発見
○付け法をするためのポイント
① スピード 5秒・15秒の法則
② 正確さ
③ 声かけ
④ 実態把握
⑤ 判断
⑥ 次への指示
意味づけ復唱法
• 子どもの言葉で算数の授業を創る。
初期 教師の動き (教師の行動)
• 第1に 子どもの発 言を受け止める
• 第2に 教室にその 発言を広める
• 第3に その発言に ついて価値つける
• この発言を無条件に肯 定する
• 価値があるぞ?!直感
• だから、広めよう
• 広まったかどうかを確 認して
• 価値付ける
数字を見て「きまり」を導く
• 3年 重さ
• はかりのしくみ
• きまりを導く
• きまりを使う
• 提示手法 一部を隠す
子どもの発言の真意を引き出す方法
子どもの発言を
①「受け止める」・・・・なるほど+
復唱
②「広める」・・・・・・教師が復唱又 は、子どもに復唱させる
③「深める」・・・・WHATで問う
適用問題定着法
• フラッシュカードで
• 解き方、計算の仕方、考え方を強化する
「そろえる」化
• 道具をそろえる
• ノートをそろえる
• 授業スタイルをそろえる
• 板書をそろえる
• 計算練習をそろえる
そろえる化
• レディネスをそろえる
• 問題把握をそろえる
• 見通しをそろえる
• 解決をそろえる
• 解き方をそろえる
• まとめをそろえる
• 授業前
• 問題の導入
• 見通しの固定化
• 自力解決では全員がで きていること・・○付け法
• 発表の場面では中心の 解決方法(手順)をそろえ る。すると、問題練習に 入ることができる
• さらに、適用問題定着法 でそろえる
子どものつぶやき