平 成 2 1 年 度 要 人 招 聘 事 業 報 告 書
平成22年3月
財 団 法 人 貿 易 研 修 セ ン タ ー
こ の事業は 、競輪 の補助金 を受け て実施した ものです 。 http://ringring-keirin.jp
はじめに
(財)貿易研修センターは、国際的な経済活動に携わる官民の人材の育成を目 的に、「貿易研修センター法」に基づく特別認可法人として1967年に設立され、
その後、日本の経済社会を取り巻く環境の変化に伴い財団法人に改組、現在は人 材育成事業、国際交流事業などを展開している経済産業省所轄の財団です。
当センターは、国際交流事業の一環として、様々な分野で活躍する要人を個別 に日本に招聘し、わが国の政府、経済界、学識経験者など各界で活躍する方々と の意見交換等を通じて、相互理解と人脈形成を促進することを目的として、「要人 招聘事業」を実施しています。
平成21年度は、フィリピン共和国とカンボジア王国より各1名を招聘し、ワ ークショップ、講演会、国際会議の開催、企業視察、関係者との意見交換等を行 いました。
これらの事業遂行に当り、ご協力いただきました皆様方に深謝申し上げるとと もに、本要人招聘事業が国際経済協力の橋渡しとなり、経済交流発展の一助とな ることを切に願っております。
平成22年3月 財団法人 貿易研修センター
目 次
カンボジア王国経済人招聘
■事業実施概要
1.期間・場所 ... 1
2.目的 ... 1
3.招聘者 ... 1
4.日程・訪問先・面談者 ... 2
5.事業成果 ... 3
写真(来日メンバー・事業の模様) ... 5
■参考資料 IISTアジア月例講演会(第35回)議事録 「カンボジアの経済動向と今後」 ... 7
講 師:リー・ヨンパット閣下/H.E. Oknha Ly Yong Phat (カンボジア王国フン・セン首相特別経済顧問) 登壇者:セン・ニャック氏/Mr. Seng Nhak(L.Y.P Group Co., Ltd. 取締役) チア・ブテイ氏/Mr. CHEA VUTHY(カンボジア開発評議会 事務次長) ソー・ビクター氏/Mr. SO VICTOR(カンボジア王国経済財政省 副大臣) ■寄稿 「アジアとの関係を考えるとき」 ... 23
バリュープランニング・インターナショナル株式会社 代表取締役会長 原 啓 経営人材高度化促進事業 ■事業実施概要 1.期間・場所 ... 29
2.目的 ... 29
3.招聘者 ... 29
4.事業内容 ... 30
5.事業成果 ... 32
写真(事業の模様) ... 33
カンボジア王国経済人招聘
■事 業 実 施 概 要
1.期間・場所
2009年 10月5日(月)~8日(木) 東京都内、川崎、横浜、名古屋
2.目的
カンボジア王国の経済発展とわが国との経済交流の促進強化に資することを目的 に、当該国よりフン・セン首相特別経済顧問を招聘した。
本事業の実施に際しては、正式な招聘者1名のほか、フン・セン首相の要望を受け、
カンボジア開発評議会メンバーを含む、総計5名の訪日団となった。
(ほか4名は自己負担での来日)
3.招聘者
リー・ヨンパット閣下(H.E. Oknha Ly Yong Phat)
カンボジア王国フン・セン首相特別経済顧問 President & CEO, L.Y.P Group Co., Ltd.
カンボジア商工会議所副頭取
(略歴)
1958年1月生まれ。カンボジア王国コ・コーン州(Koh Kong Province)出身。1999年、カンボジアにおけるコン グロマリットL.Y.P Groupを設立、カンボジアのインフラ開 発、経済特区の運営などの他、ゴム、サトウキビのプランテ ーション事業、プノンペン郊外のニュータウン開発、ホテル 運営、不動産開発、物流など多岐にわたる事業を展開してい る。2000年よりフン・セン首相特別経済顧問、コ・コーン 州開発政府代表に就任。2006年よりカンボジア上院議員。
<訪日団メンバー>
キム・ヘン氏/Ms. Kim Heang(リー・ヨンパット閣下夫人)
チア・ブテイ氏/Mr. CHEA VUTHY(カンボジア開発評議会 事務次長)
ソー・ビクター氏/Mr. SO VICTOR(カンボジア王国 経済財政省 副大臣)
セン・ニャック氏/Mr. Seng Nhak(L.Y.P Group Co.,Ltd. 取締役)
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<プログラム同行者>
甲斐 峰雄 氏 クメール語・日本語通訳者
原 啓 氏 バリュープランニング・インターナショナル株式会社 代表取締役会長
/多摩大学情報社会学研究所 客員教授
富所 香織 財団法人貿易研修センター アジア部プログラムコーディネーター
4.日程・訪問先・面談者
経済発展が目覚しいカンボジア王国においては、道路、鉄道、空港、電力、上下 水道などのインフラ整備が喫緊の課題である。そこで、当該国のPPP事業の参考 とすべく、「アジアPPP協議会」等の協力を得て、関連施設の訪問、関係者間の意 見交換などを行った。
10月4日(日)
20:25~21:25 プノンペン発→バンコク着(TG699便)
23:50~08:10 バンコク発→成田着(TG642便)
10月5日(月)
11:00 ホテルニューオータニ チェックイン
14:00~14:55 経済産業省ほか日本側関係者との意見交換会(東海大 学校友会館)
<参加者>
杉田 定大 氏 早稲田大学 客員教授
篠田 邦彦 氏 経済産業省貿易経済協力局課長 原 啓 氏 バリュープランニング・インター
ナショナル株式会社 会長/多摩 大学情報社会学研究所 客員教授 廣畑 伸雄 氏 山口大学大学院技術経営研究科
准教授
15:00~17:00 第35回IISTアジア月例講演会 講演(東海大学 校友会館)
『カンボジアの経済動向と今後』(参加者76名)
17:00~18:00 日本経済新聞社インタビュー(東海大学校友会館)
18:00~18:40 山口大学大学院 准教授 廣畑伸雄氏(カンボジア経 済専門家)との意見交換会(東海大学校友会館)
10月6日(火)
10:00~12:00 お台場開発状況視察(江東区)
12:30~13:00 東京23区清掃一部組合中防灰融施設当訪問(江東区)
※エネルギープロダクト風力発電施設
ワステック株式会社 取締役副社長 杉崎 健 氏 エネルギープロダクト株式会社 営業技術部 営 業・サービスマネージャー 石垣 和久 氏
14:00~15:15 JFEエンジニアリング株式会社 新省エネ空調シ ステム事業訪問(横浜/川崎)
JFEエンジニアリング株式会社 新省エネ空調シ ステム 事業部長 藤澤 能成 氏
JFEエンジニアリング株式会社 新省エネ空調シ ステム 事業部 海外グループマネージャー 原 直樹 氏
夕刻、関西方面に移動
10月7日(水)
10:00~11:30 三洋電機SOLAR ARK訪問(岐阜羽島)
三洋電機株式会社 海外営業事業部 環境・エナジー 営業統括部長 小貫 隆一氏
12:15~13:20 昼食(トヨタ産業記念館内レストラン)(名古屋)
13:30~15:30 トヨタ産業記念館訪問
トヨタテクノミュージアム産業技術記念館 館長 布施 直人 氏
16:30~17:30 名古屋港産業ハブ港視察(台風のため事務所で説明を うかがう)
名古屋港管理組合 企画調整室 企画担当課長 鈴 木 康之 氏
名古屋港管理組合 企画調整室長 藤原 克己 氏 名古屋港管理組合 総務部総務課秘書担当 主事 瀧上 しずか 氏
10月8日(木)
台風のため、午前便欠航(ホテル待機)
12:00~13:30 ホテル出発→空港へ移動
16:40~20:40 名古屋・中部国際空港発バンコク着
10月9日(金)
07:50~09:05 バンコク発→プノンペン着(帰国)
5.事業成果
フン・セン首相の特別経済顧問を務めるリー・ヨンパット氏は、L.Y.P Group最高 経営責任者であり、カンボジアのインフラ開発、経済特区の運営などの他、ゴム、
サトウキビのプランテーション事業、プノンペン郊外のニュータウン開発、ホテル
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運営、不動産開発、物流など多岐にわたる事業を展開している、カンボジアのビジ ネス界をリードする事業家でもある。しかしながら現在まで訪日経験がなく、ビジ ネス界においても日本に知己はまったくないとのことだった。
本事業実施により同氏の初来日がかない、対日理解と人脈形成が図られたことは、
今後の日本とカンボジアの経済交流を考える上で大変意義であったといえよう。日 本経済新聞社による取材が行われたことからもこの事実が窺い知れる。また、メコ ン地域との経済交流・協力強化の必要性を認識し、事業展開している当センターと しても、リー・ヨンパット氏をはじめ、カンボジア開発評議会事務局次長、経済財 政省 財務副大臣等要人の来日をサポートしたことにより、アジア要人との人的ネッ トワーク構築に大いに貢献することができたことは大きな喜びであった。短期間の 招聘ではあったが、訪日メンバーの要望が明確であり、非常に意欲的であったこと が、事業成果を高めたものと考える。
なお、本事業の実施には、経済産業省元大臣官房審議官 杉田定大氏、貿易経済 協力局資金協力課長 篠田邦彦氏、そして、開発計画を専門とされるバリュープラ ンニング・インターナショナル株式会社=VPI 原啓代表取締役会長に多大なお力 添えを賜ったことを付記するとともに、原会長による本報告書への特別ご寄稿文を 後にご紹介する。
来日メンバー・事業風景写真
写真のウラ
リー・ヨンパット閣下ご夫妻
チア・ブテイ氏 ソー・ビクター氏 セン・ニャック氏 カンボジア開発評議会 カンボジア王国 経済財政省 L.Y.P Group 取締役 事務次長 副大臣
政府関係者との意見交換
アジア月例講演会会場
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■参考資料
IIST アジア月例講演会
「カンボジアの経済動向と今後」
第35回議事録 平成21年10月5日開催
◇講 師:リー・ヨンパット閣下(フン・セン首相特別経済顧問)
◇登壇者:セン・ニャック氏( L.Y.P Group Co., Ltd. 取締役)
チア・ブテイ氏(カンボジア最高評議会 事務次長) ソー・ビクター氏(カンボジア政府 経済財政省 副大臣)
貿易研修センターが主催しております、「IISTアジア月例講演会」
第35回において、要人招聘事業で来日されたリー・ヨンパット閣下をはじ
め、訪日メンバー各位に講師としてご登壇いただきましたので、その議事
録(要旨・全文)を掲載いたしました。
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<要旨>
第35回IISTアジア月例講演会
「カンボジアの経済動向と今後」
開催日時:2009年10月5日
会 場:東海大学校友会館 望星の間
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● 経済財政省 副大臣 ソー・ビクター氏(Mr. SO VICTOR)
カンボジアでは約 30 年にわたる内戦があり、内戦が終結した 1999 年は「カンボジ アのゼロの年」と呼ばれる。1979~1989 年の約 10 年間、カンボジアは社会主義で、
計画経済を取り入れた。そして 1990 年から現在に至っては、自由経済ということで自 由市場を取り入れ、さまざまな分野が発展してきた。国内の社会基盤については、ゼ ロの年から現在までに幹線道路や橋、水道、電力がほぼ全国的に普及した。これまで 日本政府に多大なご支援をいただいたおかげで、社会基盤が整備された。またその手 助けとなったのはリー・ヨンパットという会社で、BOT 方式などを採用し、橋、道路 の建設にも力を入れてきた。
カンボジアは多くの人材を有する国だ。2008 年の統計を見ると、カンボジアの人口 では 20~35 歳までが約 25%を占めており、これは約 300 万人の国民ということにな る。そして 20~50 歳の人口は、約 500 万人いる。カンボジアでは現在、2 つの通貨が 使われている。1 つはわが国自体の通貨だが、アメリカのドルも通用する。わが国の ような小さな国、まだあまり経済発展してない国では、ドルを流通させることによっ て経済が安定する。ただ将来的には、カンボジアの国立銀行はドルの流通を若干制限 し、国内でカンボジアの通貨、リエルをより流通させようと考えているようだ。
カンボジアの国内総生産(GDP)の伸びは年 9.7%程度で、これは 1997~2007 年の 平均の数字だ。周辺国と比較しても経済は非常に発展しており、近い将来、2 桁の数 字に手が届くだろう。ご承知のとおり、2008 年には世界的な金融危機が起こり、カン ボジアも影響を受けた。ただカンボジアの場合、経済規模がまだ小さいので、影響は 非常に小さく、2008 年の GDP の伸びは 6.8%だった。2009 年に関しては、まだ予測段 階だが、1~2%程度の成長率になる見込みだ。
カンボジアの産業で最も重要なのは農業分野で、2007 年には GDP に占める比率が 29.6%だった。工業では縫製産業、靴の製造が主な分野になっており、サービス産業 では観光が主だ。これらの分野については昨年や今年も若干だが、成長を続けている。
● リー・ヨンパット・グループ取締役 セン・ニャック氏(Mr. Seng Nhak)
リー・ヨンパット・グループが活動するエリアは、コッコン、ウドンメンチェイ、
コンポンチャム、プノンペンの 4 カ所だ。プノンペンにはプノンペン・ホテルがあり、
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これは 1995 年に設立された。4 つ星ホテルだが、規模はプノンペンで最大だ。電力に 関してはプノンペン市内で、45MW の発電所があるほか、レッドブルという飲料水の販 売権も持っている。さらにヒュンダイの自動車を販売するディーラーとして、2008 年 にプロジェクトがつくられた。ウドンメンチェイにも、ホテルを 2000 年に建設してい る。ここでは他に、タイから電力を買って地域住民に供給したり、浄水、飲み水を供 給している。そしてコンポンチャ ム州には、カンボジア最大のゴム のプランテーションがあり、約 1 万 7720 ヘクタールの規模だ。この 会社は ISO の認証も受けている。
またコンポンチャム州からベトナ ムのティンニンまで、その電力を 供給するため、電線を敷いている。
コッコンにも 1997 年に 5 つ星の ホテルをつくっており、約 545 の部屋がある。そしてタイから電気、水道を買い、約 3824 世帯が恩恵を受けている。この他、コッコン橋、動物園などにもグループは活動 を広げている。そしてここには経済特区があり、サトウキビのプランテーションも存 在する。この経済特区は約 336 ヘクタールの規模で、現在ここにヒュンダイの組立工 場をつくろうとしている。ここでは橋や道路、電気、水道などの社会基盤が完備され ている。したがって、ここではすぐに投資を始められる。ここで投資をすれば、さま ざまな政府の優遇措置も受けられる。
コッコンにおけるわれわれの経済活動、開発は、何もないところから始まった。し たがってここでは道路、橋、水道、ホテル、市場などが、われわれのグループによっ てつくられたといっても過言ではない。その活動を通じ、政府から信頼された。将来 的なプロジェクトとして、港や経済特区の拡充、副都心の建設などについても、政府 から多大な信頼を得ている。
● リー・ヨンパット閣下(H.E. Mr. Ly Yong Phat)
グループは近い将来、経済特区をつくることを計画している。その地域の名前は、
キリサコという。ここには約 2200 ヘクタールの土地があり、政府から経済特区の開発 について認可をいただいた。また隣接する土地が約 1 万ヘクタールあり、それを国か ら払い下げる形で今申請しているところだ。ここでは、芋など植え、将来、生産、輸 出をしようとしている。
カンボジアには現在、港が 2 カ所しかなく、1 つはプノンペン、もう 1 つはシアヌ ークビルだ。しかしプノンペン港に入るには、ベトナムを通らなくてはならず、また 川の水深が浅いため 2000 トン以上の船は入れない。したがって唯一使えるのは、シア ヌークビルの港だ。ただここも水深は 10 メートル程度しかない。カンボジア政府は現
在、ローンで港の拡大を行っている。そこで考え出したのは、このキリサコに港をつ くろうということだ。それも民間の手でつくろうとしている。ここは水深が 12 メート ルあるほか、電力関係で投資をしようとする会社もあり、電気も水道は十分供給され る。
経済特区は国からさまざまな許可を得ているため、ここでは法律上の問題は発生し ない。またここで投資をすれば、さまざまな政府の優遇措置も受けられ、そこで得た 利益は無条件で本国へ送金できる。さらにもう 1 つ、プノンペンからそう遠くない地 域で、カンボジア政府は副都心を開発しようとしており、われわれのグループもそれ を実現しようとしている。ここはさまざまな幹線道路とつながっており、利便性がよ い。
さらに今、約 1500 メートルの橋を BOT 方式で建設しており、また約 7200 メートル の道路もつくることになっている。それが 2010 年 7 月に完成する予定だ。そして約 1000 ヘクタールの土地も独自に所有しているので、今後何らかの形で開発していきた い。例えば観光バスが中継でき、観光客が移動できるような場所をつくりたい。また 生産品の倉庫、卸売市場など、さまざまな経済活動のために開発しようと考えている。
(文責:貿易研修センターアジア部・講師肩書きは講演当時)
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<全文>
第35回IISTアジア月例講演会
「カンボジアの経済動向と今後」
リー・ヨンパット閣下(H.E. Oknha Ly Yong Phat)
フン・セン首相特別経済顧問・カンボジア上院議員 2009年10月5日
● ソー・ビクター氏(Mr. SO VICTOR) カンボジア政府 経済財務省 副大臣 限られた時間ですが、カンボジアの経済政策、そしてカンボジアの発展への鍵につ いてお話したい。カンボジアの経済、投資に関して話をする前に、若干カンボジアの これまでの経緯について申し上げなければいけない。カンボジアでは約 30 年間にわた る内戦があり、この内戦が終結した 1999 年は、「カンボジアのゼロの年」と呼ばれて いる。1979~1989 年の約 10 年、カンボジアは社会主義で、計画経済を取り入れた。
他方、1990 年から現在に至っては、自由経済ということで、自由市場を取り入れ、さ まざまな分野が発展してきた。
カンボジアが近年、どのように発展してきたかについてお話したい。社会基盤に関 しては、ゼロの年から現在までの間に、幹線道路や橋、水道、電力がほぼ全国的に普 及した。これまで日本政府に多大なご支援をいただいたおかげで、そのような社会基 盤が整備された。その手助けとなったのはリ・ヨンパット・グループで、BOT 方式な どを採用して橋、道路の建設にも力を入れてきた。
労働力については、カンボジアは多くの人材を有している。これらの人材はカンボ ジアの発展に向けた機会をつくり、その起動力となるものだ。2008 年の統計を見ると、
カンボジアの人口では 20~35 歳までの比率が約 25%を占めており、約 300 万人の国 民が 20~35 歳ということになる。そして 20~50 歳の人口は、約 500 万人いる。これ らはカンボジアが維持する労働力で、さまざまな工業、産業分野で貢献していける人 材だと考えている。
他方、カンボジアの自由経済についてだが、現在 2 つの通貨が使われている。1 つ はわが国自体の通貨だが、アメリカのドルも通用する。ドルは輸出入に関して、かな り流通している。わが国のような小さな国、まだあまり経済発展してない国では、ド ルを流通させることによって経済そのものが非常に安定する。ただ将来的には、カン ボジアの国立銀行はドルの流通を若干制限し、国内でカンボジアの通貨、リエルをよ り多く流通させることを考えている。
カンボジアの国内総生産(GDP)の伸びを見ると、年 9.7%程度になっている。これ は 1997~2007 年の平均の数字だ。周辺国と比較しても経済は非常に発展しており、近 い将来、2 桁の数字に手が届くということだ。ご承知のとおり、2008 年には世界的な 金融危機が起こり、カンボジアも影響を受けた。ただカンボジアの場合、先に申し上
げたように経済規模がまだ小さいので、その影響も非常に小さく、2008 年の GDP の伸 びも 6.8%だった。
2009 年に関しては、まだ予測の段階だが、1~2%程度の成長率になると考えられて いる。他の国を見ると、GDP はマイナスになったりしているが、カンボジアではマイ ナスにはなっていない。とはいえ、成長するといっても 1~2%程度ではないかと思う。
そして 2010 年に関しては、3%の成長を目指している。
続いてカンボジアの歳入、歳出についてお話したい。2007 年の数字を見ると約 8.6 億ドル、2008 年は約 10.5 億ドル、2009 年は 11.8 億ドルとなっている。これは GDP に 表す数字だが、徐々ではあるが増えてきている。他方、歳入は 07 年には 14.9 億ドル、
08 年は 17.0 億ドル。そして、09 年は 18.2 億ドルと予測されている。そして歳出だが、
2007 年が 13.0 億ドル、08 年が 15.0 億ドル、そして 2009 年が 18.4 億ドルの予測とな っている。
ここで申し上げたかったのは、世界的な金融危機があるにもかかわらず、カンボジ アはあまり影響を受けていないということだ。他方、カンボジアにおける大きな 3 つ の産業についてだが、まずカンボジアで最も重要なのは農業分野だ。2007 年には、GDP に占める農業分野の比率は 29.6%だった。他方、工業では縫製産業、靴の製造が主な 分野で、これらは 24.9%を占めている。そしてもう 1 つ、サービス産業だが、観光分 野が主で 38.5%を占めている。これらの数字は 2007 年のものだが、昨年、今年につ いては若干ではあるが、さらに成長している。
● セン・ニャック氏(Mr. Seng Nhak) リー・ヨンパット・グループ取締役 リー・ヨンパット・グループの概要についてお話しする。まずリー・ヨンパット・
グループが活動するエリアは、4 カ所。1 つ目はコッコン、2 つ目はウドンメンチェイ、
3 つ目はコンポンチャム、そして最後がプノンペンという 4 カ所だ。プノンペンにつ いてはカンボジアの首都なので、その首都での活動に関してお話する。
ここにはプノンペン・ホテルというホテルがあり、これは 1995 年に設立された。投 資された金額は約 14500 万ドルで、現在、従業員の数は 600 人程度だ。ホテルには 415 の部屋あり、5 つの会議場、あるいはファンクション・ルームといったものがある。
これは 4 つ星ホテルだが、規模はプノンペンで一番大きい。このホテルの部屋は、企 業が借りることも可能で、他にいろいろな国のレストランもある。ご列席の皆さんが カンボジアに行かれる際には、ぜひこちらのホテルに泊まっていただきたい。
電力に関しては、プノンペン市内で、45MW の発電所がある。これは 2005 年につく られたもので、約 4000 万ドルが投資され、現在従業員は約 80 人いる。そしてもう 1 つ、レッドブルという飲料水の販売権を持っており、これは 1980 年からで、従業員は 約 50 人いる。また韓国ヒュンダイの自動車を販売するディーラーとして、2008 年に プロジェクトがつくられた。約 1000 万ドルの投資を通じ、チャムチャウという地域に 位置して、現在も活動している。そしてコッコンの特別経済区においても、その販売、
14 組み立ての権利を持っている。
次に、ウドンメンチェイという地域における活動状況だが、ここでもホテルを 2000 年に建設した。約 100 ヘクタールの土地で、約 210 の部屋があり、従業員は約 1000 人 だ。このホテルの中には例えば、カジノ、免税店、会議室などがいくつかある。他に はタイから電力を購入して地域住民に供給したり、浄水、飲み水を供給している。こ の州では現在、約 2047 家庭がその恩恵を受けている。
次にコンポンチャム州での活動についてふれたい。この地域には、カンボジアで最 大のゴムのプランテーションがあり、約 1 万 7720 ヘクタールの規模だ。この会社は ISO の認証も受けている。現在のゴムの生産量は、1 カ月に約 1000 トンある。コンポ ンチャム州からベトナムのティンニンまで、その電力を供給するために電線を敷いて いる。
次にコッコンにおけるグループの活動について、お話しする。ここでも 1997 年に 5 つ星のホテルをつくり、約 545 の部屋がある。また従業員も 1000 人以上いる。ホテル には例えば免税店、カジノ、レストランがあり、ホテル周辺にはレンタルできる部屋 もある。それがわれわれの活動でもある。そしてタイから電気、水道を買い、約 3824 世帯がその恩恵を受けることになる。
この他に、リー・ヨンパット・グループでは、コッコン・ブリッジという橋や、動 物園などにも活動を広げている。コッコン地域には上記のほか経済特区があり、サト ウキビのプランテーションも存在する。もしも皆さんが、コッコンに行かれ、何か投 資をしたいという場合には、蚊に刺される心配がないので、ぜひこの 5 つ星のホテル に泊まっていただきたい。ここには会議ができる部屋もある。またわれわれの投資活 動としては、先ほど申し上げた動物園があり、ここではさまざまなショーもある。例 えば、イルカやトラのショーなどだ。さらにワニがアトラクションをしたり、サルが ボクシングをしたりする。
コッコンの経済特区は、約 336 ヘクタールの規模だ。現在ここで、ヒュンダイの組 立工場をつくろうとしている。社会基盤となるものについては既に完備されており、
それらは例えば、橋、道路、電気、水道だ。したがって、皆様がここで投資したいと いうのであれば、すぐにでもできる状況だ。なぜこのように充実したのかというと、
そこに投資をすれば、さまざまな政府の優遇措置を受けられるためだ。例えば 9 年間 の法人税の免除があり、また付加価値免税なども受けられる。これについてはリー・
ヨンパット閣下から、話があると思う。
コッコン・ブリッジは約 1900 メートルで、カンボジアで一番長い橋だ。これは 2002 年に、民間も加わった事業で、この橋はカンボジアからタイとの国境につながってい る。またわれわれのサトウキビのプランテーションは約 1 万 9500 ヘクタールの規模で、
その工場はすでに活動をしており、ヨーロッパなどへ粗糖を輸出している。さらに将 来的には活動を拡大し、約 2 万ヘクタールの場所を使って電力会社をつくりたい。そ こでは 12MW ぐらいの電力をつくろうと思っている。
このコッコンにおけるわれわれの経済活動、開発は、全く何もないところから始ま った。したがってここでは道路、橋、水道、ホテル、市場などが、われわれのグルー プによってつくられたといっても過言ではない。その活動を通じて政府から信頼され た。将来的なプロジェクトとしては、港や経済特区の拡充、副都心の建設などについ ても、政府から多大な信頼をいただいている。
続いて将来の活動について、リー・ヨンパット閣下から話をしていただきたい。
● リー・ヨンパット閣下(H.E. Mr. Ly Yong Phat)
フン・セン首相特別経済顧問・カンボジア上院議員
それではわれわれのグループとして、近い将来どんな活動がされていくかについて お話しする。まず 1 つの計画として、経済特区をつくる。その地域の名前は、キリサ コという。コッコンには既に経済特区があるが、今、私が申し上げたキリサコという 地域は、新たにこれからつくる経済特区だ。そのキリサコの地域には、約 2200 ヘクタ ールの土地がある。政府から経済特区の開発について認可をいただいたので、その隣 接する土地、これは約 1 万ヘクタールあるが、それを国から払い下げる形で今申請し ているところだ。そして前者、つまり 2200 ヘクタールの土地は、リー・ヨンパット・
グループの土地だ。約 1 万ヘクタールの土地に、例えばキャッサバなどを植え、将来、
生産、輸出しようと考えている。土地が広大にあり、ご列席の方で興味がある方がい らっしゃれば、ぜひご足労いただき見ていただきたいと思う。
他方、カンボジアには港が 2 カ所しかない。1 つはプノンペンに、もう 1 つはシア ヌークビルにある。ただプノンペン港には、若干の不便がある。何が不便なのかとい うと、このプノンペン港に入るには、ベトナムを通らなくてはいけないためだ。また 川の水深が浅いため、2000 トン以上の船は入れない。したがって、唯一使えるのはシ アヌークビルの港だ。シアヌークビルの港も、水深は 10 メートル程度しかない。また これは、国の港だ。
カンボジア政府は現在、ローンでお金を借りて港の拡大を行っている。そこで考え 出したのは、そのキリサコとうい地域に港をつくろうということだ。それも民間の手 でつくろうと考えている。なぜ港の建設がキリサコに適しているかというと、まず水 深が 12 メートルあることがその理由に挙げられる。またここに電力関係で投資をしよ うとする会社が、いくつかあり、この地域では電気も水道も十分に供給される。この 地域に経済特区をつくれば、さまざまな形で投資ができると思う。
もう 1 つ、経済特区の利点としては国からさまざまな許可を得ているため、法律上 の問題が全く発生しないことがある。また経済特区で投資をされれば、さまざまな政 府の優遇措置を受けられるので、非常に魅力ある地域だと考えている。そこで得られ た利益については無条件で、本国へ送金できる。またその地域に投資されて家族で来 られる場合には、政府がビザを出してくれる。これはわれわれが今後、拡大しようと していることだ。
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さらにもう 1 つ、プノンペンの副都心の構造がある。約 1000 ヘクタールの土地を使 って開発しようということで、それはモッカンプールという地域にある。ここはプノ ンペンからそう遠くなく、カンボジア政府は副都心として開発しようとしている。わ れわれのグループも、それを実現しようとしている。この地域はさまざまな幹線道路 とつながっていて利便性がよく、国道が北へ延びている。もう 1 つ、国道 5 号線にも つながっている。その 5 号線をどんどん上っていくと、3 号線、4 号線にもつながって いく。簡単にいえば首都の真正面の土地で、それを開発すれば副都心になる。
そしてここにリ・ヨンパット・グループが今、約 1500 メートルの橋を、BOT 方式で 建設している。あわせて約 7200 メートルの道路をつくる。それが 2010 年 7 月に完成 する予定だ。現在、トンレサップ川にかけられている橋、これは日本の援助でつくら れた橋で日本橋というが、1 本しかなく交通渋滞も非常にひどい。したがって、われ われが建設した橋によって交通渋滞も解消できるとういことで、政府も歓迎している。
またその土地、あるいは建設に必要なお金はかなり膨大なものだ。あと約 1000 ヘクタ ールの土地も、われわれは独自に所有しているので、今後何らかの形で開発していき たい。
将来的にはその 1000 ヘクタールの土地を使って、例えばバスの中継所、観光バスが 中継できてさまざまな観光客が移動できるような場所をつくりたい。また生産品の倉 庫として、さらに卸売市場としてなど、さまざまな経済活動のために開発しようと考 えている。
<質疑応答>
質問者1
2 年前の 9 月にカンボジアへ行った。タイ、ラオス、カンボジアへ行き、カンボジ アには 4 泊した。シムリアップとプノンペンにそれぞれ 2 泊だった。カンボジアの企 業、ガーメント工場、一番大きい工場、そしてプノンペン SEZ、その他の工場にも行 った。カンボジアを見て、非常に活力のある国だと私は感じた。一方、インフラの他 に特にロジスティックの面で、道路整備のみならず鉄道が、カンボジアではだめだと 聞いた。やはり物を運ぶにはロジスティックの面が重要で、日本企業が投資をするた めには、そういったことが必要ではないかと思う。その辺についての閣下のご意見を お聞きしたい。開発計画を今後どうしていくのかということも含め、伺いたい。
■ チア・ブテイ氏(Mr. CHEA VUTHY) カンボジア開発評議会 事務次長
まず申し上げておきたいのは、日本は私のセカンドハウスだということだ。年に 2 回程度、政府の代表団の 1 人として、日本の投資家の皆さまのため日本に来ている。
ただ年 2 回来ても、日本の投資家はなかなか腰が重い。回数にすると数え切れないの だが、今回の特別なことは、カンボジア経済分野で政府から多大な信頼をされ、また カンボジアにおいても一番信頼のおける方と一緒に同行できたということとだ。皆さ まから受けた質問への回答を通じ、カンボジアに投資してくださる人たちが増えれば よいと思う。
鉄道の運搬やロジスティックの部分について、政府は非常に重要だと考えている。
とはいえ将来の市場規模、あるいは投資の規模を見極めることにもかかわってくるの で、なかなか迅速に対応できないのが現状ではないか。おそらく近い将来、アジア開 発銀行からの資金で鉄道の改修工事がなされると聞いている。そして鉄道の改修工事 をするために、豪政府、オーストラリアの会社と連携していくことになっている。
次の質問を受ける前に、リー閣下から了解を得ているので、カンボジアの今後の経 済について若干触れたい。また今日のような機会を設けてくださった日本政府、関係 者の皆様は、カンボジアにとって最も適切な時期にこの会合を開催してくださったと 思う。現在、日々の為替の変化などを見てわかるように、円高が進んでいる。日本企 業の多くが、今海外で何らかの活動、あるいは投資をしようしているという情報も伺 っている。これまで多くの会社が利益を集中させるため、例えば中国などに工場をつ くり、生産したものをヨーロッパやアメリカなどに輸出してきた。ただ中国において も労働者に支払う賃金が次第に高くなってきており、現在はより労働賃金が低い国へ と流れていく動きがある。そこで挙げられている国では、高い関税を設置しており、
ある国で生産されたものはなかなか流通できないという状況だ。そのような状況で、
皆さんに考えてほしいのは、カンボジアという国は経済規模はまだ小さいが、アメリ カやヨーロッパから最恵国待遇を受けており、輸出税、輸入税がほぼゼロに近いとい
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うことだ。またこれまでの投資家の考え方を見てみると、例えば純粋な、あるいは正 式な関税などについては喜んで払うが、例えば行政手続きの中で非常に複雑で、さま ざまな部分について、問題が存在するという懸念があると、なかなか投資できない、
あるいは躊躇してしまうようにも見える。この場をお借りしてそういった複雑な問題 はないことを皆さんに約束し、民間とわれわれ政府の人間が協力し合って皆さんの投 資を促したいと思う。特に経済特区においては、そういった問題が起きないようにフ ンセン首相もかなり力を入れることを皆さんにお伝えしたい。
またリー・ヨンパット閣下は、フンセン首相の特別経済顧問でもあり、コッコン地 域の開発に関する権限をいただいていることも申し上げておきたい。先ほどリー・ヨ ンパット閣下が申し上げたように、コッコン、そしてもう 1 つのキリサコという所に 経済特区をつくる。われわれ行政側は、そこでさまざまな事務手続きができるよう、
例えば開発評議会、あるいは税関、さまざまな専門部署がそこに集結し、ワンストッ プ・サービスを可能にするための活動を広げていきたい。なぜコッコンがよいかとい うと、地域的にすばらしいためだ。これはなぜかというと、例えば隣国のタイの地方 地域に自動車あるいは他の関連工場があるとすると、日本企業はその地域で活動を少 し拡大できる。しかし、例えばコッコンに何らかの形で会社や工場をつくるといった 場合、運搬をするとすれば、その距離は 300 キロ弱だ。タイで環境規制が厳しいとい うことであれば、まだまだそこまで厳しくないコッコンにおいて活動できるのではな いかと思う。
質問者2:
先ほど、キリサコと SEZ のところで、電力の進出会社がある予定だと聞いた。コッ コンでは、石炭火力のコラル・サマー・プラントが進出するのではないかと聞いてい るが、その詳細な計画はいつごろになるのか教えていただきたい。
■ セン・ニャック氏(Mr. Seng Nhak) リー・ヨンパット・グループ取締役 若干、話を修正したい。先ほど、キリサコという地域に水道、電力があるといった が、これは水道、電力に関する計画がすでにできているとうい意味だ。経済特区が 2 カ所あり、1 つはコッコンにあり、もう 1 つはキリサコだ。前者は既に水道も電力も 完備しているが、キリサコの方は、まだ計画が完成しただけの段階だ。キリサコはま だ将来的な計画で、電気も水道もこれからということだ。先ほどからお話しているの は、そのコッコンに既にできた経済特区についてだ。まだスペースが残っているので、
例えば明日投資しようと思っても、3 日後には全ての書類が整う。あるいはリー閣下 が代わりに、工場をつくることも可能な地域だ。現在、コッコンの経済特区の中にヒ ュンダイの自動車工場があり、そのアセンブリーをつくる訳だが、約 10 ヘクタールの 土地を使っている。
質問者3:
カンボジアにおけるミニ・ハイドロやマイクロ・ハイドロ、これは小水力発電で、
小さな川の水を使うものだが、その可能性はどうか。また、火力発電の計画もあるよ うだ。地方や農村地帯におけるミニ・ハイドロについて、将来の可能性を聞きたい。
実は今、中国やインド、ネパールの農村地帯で小型水力発電のプロジェクトを進めて いる。その観点で、カンボジアにおける農村地帯の小型水力発電などの可能性につい て伺いたい。
■ チア・ブテイ氏(Mr. CHEA VUTHY) カンボジア開発評議会 事務次長
小規模水力発電については、国内でも推進されている。実際にカンボジア国内の会 社が新たに、キリという州において活動を広げている。ただその規模は非常に小さく、
例えば 700KW 程度だ。大規模水力発電については現在、中国の企業が、中国政府から ローンを得てカンボジア国内で活動を行っている。コッコンの経済特区の近くに、タ タイという川がある。現在、ある会社が水力発電をつくるためにさまざまな計画、活 動をしている。規模としては、200MWの電力をつくるということだ。コッコンでは、
いくつかの水力発電所をつくろうとしていて、例えば先ほど挙げたタタイ川や、ルセ イチュルンクラウン、チェアランというところもある。他にも大規模な水力発電所を 今、中国の会社がスタデイしている。いずれにしてもコッコンは、将来的にカンボジ ア国内において電力供給できる地域になると思う。
質問者4:
この 5 月に CLV 開発の三角地帯を訪問してきた。カンボジアにおいて SEZ というの は只今、コッコンのお話もお聞きしたように大変重要な政策だと思う。その SEZ に関 して教えていただきたい。SEZ の振興策として地域的、あるいは業種的な推薦はある か。SEZ は各地でたくさんつくられていて、今後も計画されているが、そういった SEZ をどうやって振興されようとしているか。方針があれば、教えていただきたい。
■ チア・ブテイ氏(Mr. CHEA VUTHY) カンボジア開発評議会 事務次長
非常によい質問で、私も何らかの形でよい答えをしたい。カンボジアの SEZ の場合、
周辺地域と比較して、かなり特別なものがあると考える。他の国の経済区域、経済特 区を見ると、例えば韓国や中国ではほとんど政府がそれを行っている。カンボジアで は、コンプンサンの港についても日本の国際協力銀行(JBIC)、あるいは日本政府のロ ーンをいただいている。しかし 2005 年にその協議がなされたものの、2009 年に至っ てもまだ実行されていないのが現状だ。他方、民間セクターというか、民間の手で経 済特区を開発していく流れは、ベトナムに近い、バベットそしてプノンペン、そして 先ほどから申し上げているコッコンという地域だ。今後はさまざまな地域に、その経 済特区を拡大していく。そしてそれは民間セクター、民間の手によって拡大していく
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ということだ。また民間と協力して開発を進めていこうと考えている。そして例えば 中国などで労働賃金が高くなったり、関税が高くなったりするならば、優遇措置を受 けられるカンボジアへ誘致していきたいというのがわれわれのスタンスだ。経済特区 が成功するか否かについては、やはり行政の手続きがどれだけ信頼され、透明性があ ってまた迅速に行えるかということに関連する。われわれ政府レベルにおいては、ぜ ひそれを実現させたいと思っている。
(文責:(財)貿易研修センターアジア部/講師肩書きは講演当時)
「IISTアジアメンバーズ」にご登録いただきますと、アジア部ホームページ上 にて、IIST月例講演会講演会、研究会の議事録(要旨および全文)をご覧いただ くことができます。なお、メンバーにご登録いただいた皆様には、講演会、シンポジ ウム等開催案内もお送りいたします。
*詳細は下記 URL をご覧ください。(メンバーズ登録無料)
http://www.iist.or.jp/asia/
※
月例講演会開催案内(参考)第 35 回 IIST アジア月例講演会
「カンボジアの経済動向と今後」
講師:リー・ヨンパット 氏
( H.E. Oknha Ly Yong Phat / 李永法)
フンセン首相特別経済顧問・カンボジア上院議員
■ 2009 年10月5日(月)15:00~16:30
(14:30-14:55受付/15:00-16:30 講演・質疑応答)
■会場:東海大学校友会館(霞ヶ関ビル 35F Tel. 03-3581-0121)
IISTアジアメンバーズ会員・アジアPPP推進協議会 無料 非会員 1,000 円 ※講演:クメール語講演・逐次通訳付 ■ 要予約
長い戦乱を経て1999年にASEAN 加盟、04年WTO加盟を果たし、今後の発展が期待されるカン ボジアは、メコン河とトンレ・サップ湖という豊かな自然に恵まれ農業開発でも大きな可能性 を持つ国でもあります。そして、最近では韓国の現代自動車ブランドが当地で生産されること が報道されるなど、労働市場、生産拠点としての今後が注目されています。今回はそのカンボ ジアでフンセン首相の経済顧問を務め、現在のカンボジア経済発展のキーマンの一人であるリ ー・ヨンパット氏の初来日にあわせ講演会を開催いたします。今後の開発が注目されるカンボ ジア経済の動向を知り、日本との連携関係を展望する絶好の機会です。多くの皆様のご参加を お待ちしています。
講師略歴: 1958 年 1 月生まれ。カンボジア王国コ・コーン州(Koh Kong Province)出身。1999 年カンボジアにおけるコングロマリット L.Y.P Group を設立、カンボジアのインフラ開発、
経済特区の運営などの他、ゴム、サトウキビのプランテーション事業、プノンペン郊外のニ ュータウン開発、ホテル運営、不動産開発、物流など多岐にわたる事業を展開している。2000 年よりフンセン首相特別経済顧問、コ・コーン州開発政府代表に就任。06 年よりカンボジア 上院議員。
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■寄 稿
「アジアとの関係を考えるとき」
平成22年3月 バリュープランニング・インターナショナル株式会社 代表取締役会長 原 啓
戦後の日本とアジアの関係を考えるとき、戦争という負の遺産を背負って、多くの先達がア ジアとの関係の再構築に大変な努力をされました。その後日本が高度成長をはじめた1974年、
田中元総理がアセアンを訪問したのを契機に、反日の暴動がジャカルタやバンコクで起きたこ とも記憶に残されています。またアジアの中で中国との関係は、もっとも厳しいものがあり、
これを克服して国交が回復されたこと、これに努力した人々は「井戸を掘った人々」として、
いまだに中国サイドでは忘れられてはいませんが、日本ではどうでしょう。これらの先達の努 力は、次第に忘れ去られているように思われます。今日本はアジアとの関係において、政治的 にも経済的にもそれほどの喫緊の課題は抱えていません。そのために政官財ともアジアとの関 係、特に人と人との関係が希薄になりつつあることが気になります。換言すると、アジアとの 関係が政治・経済的に安定化することで、そんなに努力しなくともビジネスが容易にでき、人 的交流においても障害がない環境ができあがっているのです。
随分昔になりますが、インドネシアの円借款の業務に携わっていた頃、当時のハビビエ科学 技術大臣(後の大統領)が円借款による留学生の派遣を要請してきました。ドイツのメッサー シュミットの副社長を捨てて、祖国インドネシアの開発をどうしたらよいか、考えておられた 時期でした。これに対して、真っ先に文部省(当時)が反対しました。日本へのインドネシア からの国費留学生は、大臣や官僚のコネが多く、文部省の彼らへの評価は低かったのです。同 じ質問をハビビエ大臣にお会いして、聞いてみました。大臣は、「今(当時)日本とインドネ シアの関係は良好ですが、40年50年経つと必ず両国の関係が悪化する時期が来る。このとき 日本人と同じような思考で両国の関係を考えられる人物を、政府の中においておくことが重要 になる。留学生の質は選考過程を透明化することで容易に改善できる。」とおっしゃったこと を今でも覚えています。海外留学については欧米一辺倒のインドネシアにおいて、こういう考 え方をする方がいることに感銘しました。アジアとの関係は、「カネの切れ目(ODAの卒業)が 縁の切れ目」になってはいけないと思いました。
アジアの中では、政官財において欧米への留学組が力をつけてきています。彼らの中には、
中学・高校から欧米で教育を受け、アジアを知らない若手のビジネス界のリーダーが多く輩出 されつつあります。日本や日本人のことなど、全く知らない若者が多くなっているのも事実で す。最近中国では、日本が蔑視の対象になりつつあるという話を聞きました。日本では低価格
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の品物を中国から輸入していますが、中国では粗悪品を日本人が買い漁っているというイメー ジが定着しつつあるようです。縫製品の工場では、日本への輸出ライン、欧米への輸出ライン、
国内製品製造ラインと分かれていて、日本への生産ラインが最も低品質で、中には日本への粗 悪品輸出を取りやめる企業も出ているそうです。こういう日本に対する蔑視感がアジアの中で 定着すると、これを払拭するには相当時間を要するでしょうし、これに付随する問題も発生す ると思われます。これも中国との人と人との関係が、疎遠になったことによるのかもしれませ ん。
アジアのビジネス界は、大きな変貌を遂げています。若手の欧米留学組の国際ビジネス界で の躍進もその一例ですが、自らリスクをとってビジネスを展開する人々が現れています。総サ ラリーマン化し、内向き思考が定着する日本のビジネス界とは対照的です。カンボジアのシア ヌークビルを中心とする臨海部のマスタープランに携わったことをきっかけにして、タイ国境 のコ・コーン地域でインフラ開発やプランテーション事業などを大規模に展開しているリー・
ヨンパット(上院議員・首相経済顧問を兼任)氏と協議する機会を得ました。彼自身この地域 の出身で、韓国の現代自動車の組み立て工場などをコ・コーン経済特区(SEZ)に誘致し、発電 所・水道・ホテル経営・サトーキビプランテーションなど大規模な事業を展開しています。こ れだけ大規模な事業を展開しているものの、日本や日本人との接点はなく、訪日経験もありま せんでした。これまで日本があれだけカンボジアを援助して、人的関係も既に構築されている と考えていましたが、ビジネス界をリードするリー・ヨンパット氏と、ビジネス界を含めて人 的関係を有する日本人がいないことに驚かされました。
アジアの官と官の関係は、ODA をベースに人的交流がそれなりに確保されているのかも知 れません。しかしアジアの民と民の関係は、日本のビジネス界が内向きになる中、アジアの人 的関係が希薄になってきた具体例として、このカンボジアの事例が示しているように思われま す。これを経済産業省に報告し、(財)貿易研修センターに相談したところ、招聘の手配をし ていただけることになりました。リー・ヨンパット氏は、日本政府からの招聘としてフンセン 首相に報告し、首相からはリー氏の訪日機会を活用したいとして、カンボジア開発評議会の代 表2名(財務副大臣および外国投資責任者)の同行要請(2名は自費での参加)があり、カン ボジアの官民のミッションとなりました。カンボジア側参加者の多忙な日程と彼らが希望する 視察先を(財)貿易研修センターが調整して、2009年10月4日から8日までの短い期間でし たが、リー・ヨンパット氏の初来日が実現できました。
来日初日の10月5日は、(財)貿易研修センター主催による「カンボジアの経済動向と今後」
と題するセミナーが、東海大学校友会館(霞ヶ関)において開催されました。数多くの参加者 を得て、セミナーでは同行した財務副大臣からカンボジアの経済動向がについて説明が行われ、
その後リー・ヨンパット氏他から、彼らが手がける首都プノンペンの副都心開発やコ・コーン 地域でのキリサコ深海港や経済特区等のインフラ建設計画が紹介され、日本からの協力につい
て期待が表明されました。その後セミナー参加者との質疑応答となりましたが、日本側出席者 のカンボジアへの関心は高いものの、質問された内容から判断すると、カンボジアに関する情 報の不足が際立っているとの印象でした。カンボジアはこれまで日本を含めた世界各国からの 援助(ODA)に大きく依存してきた国ですが、近年急速に民間部門の活動が活発化する中で、
経済のファンダメンタルが大きく変化しており、この辺の情報が日本のビジネス界において共 有されていないようです。これを示すかのように、ODA に依存する日本のビジネス界と民間 ビジネスが先行する中国・韓国の動きが、カンボジアでの経済活動について対照的になってい ます。
訪日2日目(10月6日)は、カンボジア参加者からプノンペン副都心計画の参考事例を紹 介してほしいとのリクエストに応じて、お台場(13 号地)の開発状況を視察しました。お台 場の開発規模(430ヘクタール)は、プノンペン副都心計画(1,000ヘクタール以上)の半分 以下ですが、ユリカモメによる軌道系交通システムやテーマ・パーク・ホテル施設など、彼ら の開発イメージとほぼ一致するものでした。またプノンペン副都心計画では、日本の省エネや 再生エネルギーの技術を参考にしたいとの要望も強く出され、東京都23区清掃事業組合事務 所に設置された風力発電施設やJFE Engineering Corp.が開発したCHS技術による冷房シス テムを、川崎駅地下商店街の現場で視察しました。中でも JFEの冷房システムにはカンボジ ア参加者から高い関心が寄せられ、電気代が高く一年中高温のカンボジアでは、建物の冷房効 率化に極めて効果的としてプノンペン副都心計画に導入したいとの希望が出されました。
訪日3日目(10月7日)は、カンボジア参加者から強い希望がだされた太陽光発電に関す る日本の技術の紹介を試みました。前日夕刻大阪に移動し、サンヨー本間副社長ほかからサン ヨーの再生エネルギー技術の開発状況が説明されました。特にPVシステムの開発状況や同社 が開発したEneloop Lanternにカンボジア参加者は強い関心を示し、後者はカンボジアの無電 化村における学校や保健センターでの活用策について熱心な議論となりました。翌日(7日)
は岐阜羽島に移動し、サンヨーの案内でSolar Arkを訪問しました。所長から、Solar Ark前 面の巨大なソーラー・パネルは、かつてサンヨーがリコールした欠陥商品を全国から集めて製 作したもの、サンヨー社員はこのソーラー・パネルを見るたびに品質への誓いを新たにする象 徴的存在との説明を受けて、参加者一同感動しました。この話を聞いて、リー・ヨンパット氏 はプノンペン副都心計画の中で同じものを導入したいとして、サンヨーに協力を要請しました。
その後訪問した名古屋のトヨタ産業記念館では、日本のモノつくりの原点を見たようで、カン ボジア参加者は再び感銘しました。織機から自動車への開発過程がヴィジュアルで確認でき、
日本人がどうしてモノつくりに執着するのかよく理解できた、カンボジア人は日本から学ぶべ きものが多い、というのがカンボジア参加者全員の総括でした。あいにくの台風の名古屋直撃 で帰国が半日遅れましたが、最後に訪問した名古屋港湾組合では、キリサコ深海港を想定した 組合構成や港湾運営について熱心な議論が行われました。
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(財)貿易研修センターのカンボジア要人招聘プログラムに参加して、あらためてアジアに おける人と人とのネットワーク構築の重要さを認識しました。特に日本のアジアにおけるプレ ゼンスが急速に低下している現実は、単なるバイ(2国間)の官の関係として捉えるのではな く、それを支える民のアジアにおける経済活動の低下とも密接に関係しているものと考えられ ます。そして戦後アジアとの関係を構築してきた先達の資産は、今や我々は食い潰したことも 認識すべきです。これからの山積する日本の内外の課題は、日本とアジアの関係においても、
あらためてその人的信頼関係の構築が重要であることを今回のカンボジア招聘プログラムの 事例は示唆しています。民の力が相対的に低下する現実の中で、官がもう一度日本という国家 の視座から、中長期的な視点でアジアとの関係、特に人的関係の再構築を考える時期にきてい るように思われます。こういう枠組みの中で、(財)貿易研修センターの役割が見直される必 要があると考えます。
(了)
「アジアとの関係を考えるとき」は、今回、リーヨンパット氏の訪日に際して、全行程ご同行いただきまし た、バリュープランニング・インターナショナル株式会社 代表取締役会長 原啓氏より特別にご寄稿い ただいたものです。
<略 歴>
原 啓(はら けい)
昭和50年3月、法政大学法学部法律学科卒業
1975年4月 海外経済協力基金(OECF)勤務後、OECFバンコク駐在員、OECFクアラ ルンプール首席駐在員、OECF業務第2部第3課長(南西アジア)、日本輸出入銀行審査部審 査役(出向)、OECF 情報システム管理部債権管理課長、OECF 業務2部次長(中韓・中央・
南西アジア)、タイ王国財務省次官顧問(JICA専門家)、国際協力銀行(JBIC)人事部付審 議役、JBIC開発金融研究所 主席研究員、PCI理事、㈱ 建設技術研究所技術顧問を経て、
2006年10月 バリュープランニング・インターナショナル㈱を設立し、現在に至る。
多摩大学情報社会学研究所客員教授、日中蒙経済発展有効協会顧問、Cデザイン取締役、群 馬観光特使。
2002年7月-2003年7月 タイ王国・タクシン首相顧問
叙勲: 2002年7月 タイ政府より叙勲「Crown of Thailand」
著書: 「ODAの現場で考える」(ダイヤモンド社、共著)
バングラデシュ・スリランカに関する経済報告書(アジア経済研究所)
「タイ経済白書」(邦訳)(バンコク商工会議所、共著)
経営人材高度化促進事業
■事 業 実 施 概 要
1.期間・場所
平成21年9月11日(金)~13日(月)
東京都内、沖縄
2.経緯及び目的
経済の自由化・グローバル化が進む中、経営の新たな課題への対応能力強化や実 践的な経営手法習得の研修方法を見直す必要性が高まっている。その一環として、
実際の事例(ケース)を活用し、討議を重ねながら、理解を深め、学習していく「ケ ースメソッド」は、その学習効果により、着実に関心を集めている。しかし、その 一方で、ケースメソッドは、その授業の運営(討議のリード)に相応のスキルを要 することから、国内ではまだ十分に活用されていない。本事業では、国内および、
アジア太平洋地域の経営人材育成の質の向上・高度化を目的にケースメソッドを活 用した経営者育成プログラム作成・指導の専門家を招聘し、2回のワークショップ を開催した。
3.招聘者
ブエナヴェンチュラ・カント氏(Buenaventura F. Canto)
(略歴)
アジア経営大学院(AIM フィリピン)教授/同校経営幹 部・生涯教育センターの中心的ファカルティ。
1969年よりAIMの経営修士課程を始め、中堅幹部向け MBA、開発管理者プログラムの学科長を歴任。1997年 より社会人MBAのディレクターを務めると同時に教員向 けケースメソッドコースをAIM内部はもちろん、アジア地 域のビジネススクールや企業内研修所などでディスカッシ ョンリードのスキル向上、カリキュラムデザインのためのプ ログラムを行っている。ケースメソッドを教育目的に添って 有効活用するコースデザイン、ケース開発、ディスカッショ ン・リーダーの育成などに造詣が深く、大学院、経営幹部な ど、対象に合わせたコースの設計、改良のプロセスにも豊富 な経験を有している。専門分野は、「戦略的経営とイノベー ション」、「リーダーシップと組織論」など。研究の中心はア ジア企業と経営者のリーダーシップ、教育プログラムの評価 など、多岐にわたっている。
30 4.事業内容
<事業1>
ケースメソッドを有効に活用する経営管理のコースを設計するにあたり考慮すべ き点を考え、コース設計のスキルを高めることに焦点を当て、国内のビジネスス クール、専門職大学院、企業研修の指導専門家との参加型ワークショップを開催 した。
①日時: 2009年9月11日(金)10:00~18:00
9月12日(土)09:30~16:30(計2日間)
②会場: TKP虎ノ門ビジネスセンター カンファレンスルーム8A
③主催: 日本ケースセンター((財)貿易研修センター内)
④参加者:ケースメソッド授業を運営した経験のある大学教員、コンサルタント等
(計15名)
実施プログラム内容
ケースメソッドを有効活用し、より受講者の学習効果を高める方法を、実際の作 業と議論を通して検討する実践型ワークショップを行った。事前課題として参加者 が設計したコース案を元に、2日間のプログラムを通してより効果的なコースへ改 良してゆく。またプログラムでは、グループごとに、コースを作成、発表し、その 内容を講師と参加者の全員で検討した。
9月11日(金)
セッション1: ディスカッション
「ケースを使ったコースデザインのチャレンジ」
セッション2: 演習とクラス・ディスカッション
「学習目標の上手な設定」
セッション3: クラス・ディスカッション
「ケースメソッドとそれ以外の教育方法の効果的なブレンド」
セッション4: クラス・ディスカッション
「ケースメソッドコースデザインのためのフレームワーク」
セッション5: グループ・ディスカッション
コースデザイン・プレゼンテーション準備
9月12日(土)
セッション5(続):グループ・ディスカッション
コースデザイン・プレゼンテーション準備
セッション6: コースデザイン グループ・プレゼンテーションとクラス討議 セッション7: 演習:学習効果測定ツールとテクニック
「学習効果の担保:コースの精緻化と改善」
セッション8: 個人作業、グループ/クラス・ディスカッション
「ケースを用いた私のコースデザイン」実践に向けて
<事業2>
日本企業の海外展開を促進するため、鍵となる知的資産の保護と有効活用を主題 に、国内外の知的資産管理の専門家と共に、高度な経営人材を育成するための経 営人材育成プログラムの共同開発と、それに使う有用なケース教材を共同開発す ることを目的に、国際会議・ワークショップを行った。
①日時: 2009年9月13日(月)09:00~18:00
9月14日(火)08:30~12:00 (計2日間)
②会場: 万国津梁館 サンセット・ラウンジ
③主催: APEC、(財)貿易研修センター
④参加者:APEC域内の知的資産経営の専門家、および関係者(計14名)
実施プログラム内容
企業が潜在的に内包する知的資産を、有効に活用することで、国際的な競争力を 具えるための研修プログラムと教材の共同開発を目指すワークショップを開催。2 日間の国際会議では、APEC域内から集まった知的資産経営の専門家が、参考と なる企業事例を報告し、事象を検証した上で、共通する課題や視点の整理を行った。
その上で、経営者の育成に役立つ資産経営の方法を研修プログラムとして共同開発 し、さらに、教材となるケースを開発する。最終的にはケース集として出版する予 定。
9月14日(月)
セッション1: 知的資産活用事例のプレゼンテーションおよびディスカッション
「課題の共有とケーストピック案」
セッション2: プレゼンテーションおよびディスカッション
「人材育成におけるニーズ」
セッション3: ディスカッション
「教育プログラム開発」
平成21年9月15日(火)
セッション4: ディスカッション
「ケース開発」
セッション5:ディスカッション
「今後の事業の進め方」