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多段サボニウス風車 -7段の場合-

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Academic year: 2021

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多段サボニウス風車

-7段の場合-

日大生産工(院) 大野 渉

日大生産工

上野博之 石井 進

1 概要

垂直軸風車であるサボニウス風車は、風車 の回転一周期中に羽根が受ける流体力が大 きく変化し、これらは正弦波状に変化する特 徴を持っている

(1)(2)

。また回転羽根の回転は、

回転一周期の流体力に追従する。風車が風速 変動に完全に追従する場合は、乱れに関係な く出力係数が一定となる。しかし、風車自身 の慣性モーメントが高い場合は、位相の遅れ が生じ、風速変動に対する風車の追従性が低 下して、出力係数の低下を大きくさせる

(3)

本実験では、流体力の変動を少なくするた めの一手段として、サボニウス風車の段数を 7段にして、回転羽根の取り付け角が回転数 に及ぼす影響を調べた。受風面積を同一とし て、取り付け角度90°で交差箇所数を変えて 実験を行った。また取り付け角度を30°間隔 で螺旋状のような配置での影響も調査した。

また風車は、設置状況に応じて剛性や大き さを変える必要がある。本研究では回転体の 慣性モーメントを変更したときの回転数が 受ける影響も調べた。

2.実験装置

実験装置の概要をFig.1に示す。風管の全 長は5m、断面は1000mm×1000mm、側面は開放 とした。風車は風管出口部中心で各回転羽根

Fig 1 Schematic illustration for experimental apparatus

Fig 2 Schematic illustration of the Savonius wind turbine

を組み合わせて鉛直に設置した。回転軸上 部には質量を増加させるための付加質量と 非接触型回転計を取り付けた。付加質量は アルミ製の円盤で、板厚がそれぞれt=2mm, 円盤の半径が70, 80, 100, 120, 160, 200mm、

質量が0.084,0.011,0.174, 0.248, 0.428, 0.684kgの6種類を使用した。

回転羽根の形状と各種寸法をFig.2に示 す。使用する回転羽根はアクリル製である。

風車の全長は728.7mm、ブレードの高さは 101.1mmである。ブレードは、直線部と円弧 部(r=26mm)から成り、直径d=140mmの円形板 を上下に2枚設け、円形板で挟み込むよう にして2枚の羽根を設置した。ブレードお よび円形板の板厚は1.5mmとした。一枚の羽 根の両端を結ぶ線分の長さは80mm、ギャッ プが12mm、オーバーラップを32mmとした。

Fig.3に7段サボニウス風車の回転羽根 の配列を示す。Type Aは、すべての回転羽 根を同一方向に配置した。Type Bは、一段 ごと90°交差させて配置した。Type Cは、

Multiple stages Savonius wind turbine

case of 7 stages

Wataru OHNO, Hiroyuki UENO and Susumu ISHII

(2)

Fig. 3 Schematic illustration for the Savonius wind turbine

上部3段と下部4段を同一方向として、一ヶ 所のみを90°交差させて配置した。 Type D は、

1段目と4段目、7段目を90°交差させて配 置した。Type Eは、回転羽根を右方向に30°

ずらし、Type Fでは左方向へ30°ずらして配 置した。 本実験では出口風速を4種類に、 2.4, 2.5, 2.6, 2.7m/sと変更して実験を行った。

3.実験結果

Fig.4に6種類の風車が回転数に与える影 響を示す。各風速下における回転数と慣性モ ーメントの関係はすべて同様に現れたため、

例としてU=2.4m/sのみを示す。回転羽根の取 り付け角度を変えなかったType Aに比べて、

他のすべて風車の回転数が増加する結果とな った。特にType Bは一番回転数が増加し、次 にType Dとなり、ほぼ同一の回転数である Type C, Type E, Type F の順に回転数は高く なった。これらの要因として、一つの回転羽 根から流出した流れが隣接する上下の回転羽 根に流入して、それらが駆動力として流体抗 力が発生してブレードに作用して回転数が高 められたと考えられる。Type B, Type C, Type Dはすべて同一の受風面積であり、 回転羽根が 90°交差している箇所数のみが相違点であ る。よって6カ所交差しているType B 、3カ 所交差しているType D、1カ所のみのType C の順と、交差箇所が多いほど回転数は高くな る結果となった。またType EとType Fの回転 数がさほど増加しなかった要因としては、交 差角度が30°と小さく、回転羽根から流出し た流れが隣接している回転羽根に流入しなか ったためだと考えられる。

Fig.5に、 出口風速が回転数に与える影響を 示す。各付加質量における風速と回転数の関

係はすべて同様に現れたため、M=0.684kgの みを示す。これらは比例して一定に増加する 結果となった。よって風速によって風車の性 能が依存することはないと考えられる。

U = 2.4 [m/s]

200 250 300 350 400

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0

moment of inertia I [kg・m2]

number of revolution N [rpm]

A B C D E F

×10-3

Fig. 4 Influence of 7stages Savonius Wind turbine (U =2.4 m/s)

M = 0.684 [ kg ]

150 200 250 300 350

2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8

wind velocity U [m/s]

number of revolution N [rpm]

A B C D E F

Fig.5 Influence of 7stages Savonius wind turbine for different wind velocity

(M = 0.684 kg)

4.まとめ

サボニウス風車の回転羽根の取り付け角 度を変えることにより、回転数に与える影響 を調べた。その結果、回転羽根を90°交差さ せた箇所が多いほど回転数も増加した。これ らは、回転羽根から流出した流れが、隣接す る回転羽根に流入し、駆動力として働いたた めだと考えられる。また風速が変動しても、

風車の性能はかわらない結果となった。

5.参考文献

1) 石松克也、篠原俊夫、詫麿史孝:サボニ ウス風車に関する数値計算(放出渦が運転特 性に及ぼす影響),機械学会論文集(B編)

61-581

2)小川武範:サボニウス風車に関する研究

(第1報、理論解析)、機械学会論文集(B 編)49―441(1983)976―984

3)丹省一、清水幸丸、菊山巧嗣:小型風車

発電装置とその運転に関する一考察、ターボ

機械23-9 (1997)412―419

Fig 1 Schematic illustration for          experimental apparatus
Fig. 3  Schematic illustration for the Savonius  wind turbine    上部3段と下部4段を同一方向として、一ヶ 所のみを90°交差させて配置した。 Type D は、 1段目と4段目、7段目を90°交差させて配 置した。Type Eは、回転羽根を右方向に30° ずらし、Type Fでは左方向へ30°ずらして配 置した。 本実験では出口風速を4種類に、 2.4,  2.5, 2.6, 2.7m/sと変更して実験を行った。  3.実験結果  Fig.4

参照

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