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再生可能エネルギー事業による地域活性化

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Academic year: 2022

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博士論文

再生可能エネルギー事業による地域活性化

-コミュニティ・ビジネスとのつながりから-

Regional Revitalization by Renewable Energy Projects:

Focusing on the Connection with Community Business

査 蕾

経済学研究科 博士後期課程応用経済学専攻

13D1101

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目 次

序 章 問 題 意 識 と 研 究 課 題 ・ 方 法 ...............................................1 1. 問 題 意 識 ................................................................... 1 2. 本 論 文 の 目 的 と 方 法 ......................................................... 2 3. 本 論 文 の 構 成 ............................................................... 3

第 1 章 コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス の 視 点 で 捉 え た 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 .............6 ― 地 域 振 興 に お け る 意 義 を 中 心 に ―

は じ め に .......................................................................6 1. ヨ ー ロ ッ パ に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 起 源 と 事 業 の 展 開 ................. 7 1.1 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 起 源 と イ ギ リ ス に お け る 展 開 ..................... 7 1.2 ド イ ツ に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と そ の 組 織 形 態 ..................... 9 2. 日 本 に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス の 概 念 と 展 開 ............................11 2.1 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 概 念 と 内 容 .................................... 11 2.2 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス が 注 目 さ れ て き た 要 因 ............................ 13 3. 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス と し て 行 う 事 例 ..............14 3.1 ド イ ツ に お け る 地 域 住 民 に よ る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 .................... 14 3.2 日 本 に お け る 市 民 に よ る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 .......................... 16 4. 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス と し て 行 う 意 義 ..............18 5. ま と め .....................................................................20

第 2 章 地 域 に お け る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の 実 態 と 課 題 ........................21

― 事 業 化 の 主 体 と 資 金 調 達 の 方 法 に 関 す る 分 析 を 中 心 に ―

は じ め に ......................................................................21 1. 地 域 に お け る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の 実 態 .................................. 22 1.1 全 国 に お け る 展 開 ...................................................... 22 1.2 地 域 活 性 化 へ の 実 態 .................................................... 23 1.3 地 域 活 性 化 に 役 立 つ 素 材 と し て の メ リ ッ ト と デ メ リ ッ ト .................... 24

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2. 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の 資 金 調 達 方 法 ...................................... 25 2.1 事 業 の 採 算 性 と リ ス ク .................................................. 25 2.2 資 金 調 達 の 形 態 ........................................................ 26 3. 事 業 の 担 い 手 と 地 域 還 元 の 手 法 .............................................. 28 3.1 NPO 主 体 型 .............................................................29 3.2 集 落 主 体 型 ............................................................ 30 3.3 行 政 ・ 民 間 企 業 主 体 型 .................................................. 31 4. 地 域 活 性 化 に 役 立 て る た め に ................................................ 33 4.1 各 事 例 の ま と め ........................................................ 33 4.2 残 さ れ た 課 題 .......................................................... 34 5. ま と め .................................................................... 36

第 3 章 地 域 商 品 券 を 活 用 し た 太 陽 光 発 電 事 業 と コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス ............37 - あ い と う ふ く し モ ー ル 市 民 共 同 発 電 所 を 事 例 と し て -

は じ め に ......................................................................37 1. 東 近 江 市 と 「 東 近 江 モ デ ル 」 の 概 要 .......................................... 37 1.1 滋 賀 県 東 近 江 市 の 概 要 .................................................. 37 1.2 東 近 江 市 次 世 代 エ ネ ル ギ ー パ ー ク 構 想 .................................... 38 1.3 「 東 近 江 モ デ ル 」に よ る 市 民 共 同 発 電 所 事 業 ................................39 2. あ い と う ふ く し モ ー ル 市 民 共 同 発 電 所 の 取 り 組 み .............................. 42 2.1 事 業 化 の 経 緯 と 内 容 .................................................... 42 2.2 取 り 組 み に お け る 事 業 費 及 び 資 金 調 達 の 方 法 ...............................43 3. 事 業 に よ る 経 済 的 ・ 社 会 的 な 影 響 ............................................ 45 3.1 売 電 益 の 獲 得 と 地 域 内 経 済 循 環 の 促 進 .................................... 45 3.2 雇 用 の 創 出 と 生 活 の 向 上 ................................................ 46 3.3 地 域 内 部 と 外 部 の 交 流 .................................................. 47 3.4 地 球 温 暖 化 の 防 止 ...................................................... 48 3.5 市 内 の 地 域 公 益 施 設 へ の 波 及 効 果 ........................................ 48 4. 取 り 組 み の 特 徴 ............................................................ 48 4.1 多 部 門 の 協 働 ・ 交 流 .................................................... 48

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4.2 地 域 商 品 券 の 導 入 と 活 用 ................................................ 49 4.3 寄 付 金 制 度 の 新 設 と 活 用 ................................................ 51 5. ま と め .................................................................... 51

第 4 章 小 水 力 発 電 が 農 山 村 地 域 の 課 題 解 決 に 果 た す 役 割 ..........................53 ― 岐 阜 県 郡 上 市 石 徹 白 地 区 と 奈 良 県 吉 野 町 を 事 例 と し て ―

は じ め に ..................................................................... 53 1. 岐 阜 県 郡 上 市 石 徹 白 地 区 の 取 り 組 み .......................................... 54 1.1 地 区 の 概 要 ............................................................ 54 1.2 石 徹 白 地 区 の 取 り 組 み に よ る 地 域 課 題 の 解 決 .............................. 54 1.3 組 織 の 展 開 形 態 ........................................................ 55 2. 奈 良 県 吉 野 町 の 取 り 組 み .................................................... 59 2.1 事 例 の 概 要 ............................................................ 59 2.2 殿 川 地 区 の 取 り 組 み に よ る 地 域 課 題 の 解 決 ................................ 59 2.3 三 茶 屋 地 区 の 取 り 組 み に よ る 地 域 課 題 の 解 決 .............................. 60 3. 小 水 力 発 電 の 地 域 課 題 解 決 に 向 け た 役 割 ...................................... 63 3.1 環 境 的 側 面 ............................................................ 63 3.2 経 済 的 側 面 ............................................................ 63 3.3 社 会 的 側 面 ............................................................ 64 4. 地 域 課 題 解 決 に 向 け た 取 り 組 み の 要 点 ........................................ 65 5.ま と め .....................................................................67

終 章 研 究 の 総 括 ........................................................... 68 は じ め に ..................................................................... 68 1. 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 と コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と の つ な が り ................ 68 1.1 地 域 活 性 化 に お け る 意 義 ................................................ 68 1.2 つ な が り 方 と そ れ ぞ れ の 課 題 ............................................ 69 1.3 地 域 活 性 化 へ の 多 面 的 な 影 響 ............................................ 71 2. 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の 資 金 調 達 と 地 域 還 元 ................................ 72 2.1 資 金 調 達 .............................................................. 72

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2.2 取 り 組 み の 成 果 に よ る 地 域 還 元 ...........................................73 3. 取 り 組 み を 形 成 し 維 持 す る た め に 重 要 な 点 .................................... 73 4. 今 後 の 課 題 ................................................................ 74

参 考 文 献 ......................................................................76

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図 表 目 次

図 1-1 コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス の 領 域 ..........................................12 図 3-1 滋 賀 県 東 近 江 市 の 位 置 ..................................................38 図 3-2 東 近 江 モ デ ル( 3 号 機 )...................................................42 図 3-3 あ い と う ふ く し モ ー ル 市 民 共 同 発 電 所 の 仕 組 み ............................45 図 4-1 岐 阜 県 郡 上 市 石 徹 白 地 区 の 位 置 ..........................................54 図 4-2 石 徹 白 地 区 小 水 力 発 電 導 入 の 経 緯 ........................................55 図 4-3 エ コ で ヒ ュ ー マ ン な 自 立 で き る 村 づ く り の イ メ ー ジ ........................59

表 2-1 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 発 電 設 備 の 導 入 状 況( 2014 年 11 月 末 時 点 )..............23 表 2-2 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の 資 金 調 達 方 法 ..................................26 表 2-3 事 業 組 織 形 態 に よ る 資 金 調 達 方 法 と 課 題 ..................................28 表 2-4 調 査 事 例 の 担 い 手 の 類 型 ................................................34 表 3-1 市 民 共 同 発 電 所 の 歩 み ..................................................40 表 3-2 事 業 の 経 緯 ............................................................43 表 3-3 あ い と う ふ く し モ ー ル 市 民 共 同 発 電 所 の 概 要 ..............................44 表 3-4 2014 年 度 の 発 電 量 と 売 電 益 ..............................................46 表 3-5 「 三 方 よ し 商 品 券 」の 発 行 額 等 の 推 移 ......................................49 表 4-1 石 徹 白 地 区 小 水 力 発 電 施 設 の 概 要 ........................................57 表 4-2 石 徹 白 地 区 の 取 組 み に お け る 事 業 活 動 の 展 開 過 程 と 地 域 住 民 の 認 識 変 化 ......58 表 4-3 吉 野 町 小 水 力 発 電 施 設 の 概 要 ............................................60 表 4-4 吉 野 町 の 取 組 み に お け る 事 業 活 動 の 展 開 過 程 と 地 域 住 民 の 認 識 変 化 ..........62 表 4-5 各 事 例 に お い て 小 水 力 発 電 が 地 域 課 題 の 解 決 に 果 た し た 役 割 の 検 討 ..........65

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序章 問 題意識 と研 究課題・ 方法

1. 問 題 意 識

2012 年 7 月 に 固 定 価 格 買 取 制 度( FIT)が 導 入 さ れ て 以 降 、 日 本 で は 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 活 用 に 向 け た 取 り 組 み が 活 発 に な っ て き て お り 、 各 地 で 地 域 住 民 を 主 体 と し た 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 利 用 が 注 目 を 浴 び て い る 。 ま た 、 疲 弊 し た 地 域 の 自 立 や 経 済 の 活 性 化 の た め に 、 地 域 資 源 で あ る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー を 活 か し 、 地 域 づ く り と つ な げ る 取 り 組 み も 広 が っ て い る 。 一 方 で 、 FIT 開 始 後 、 売 電 収 益 を 目 的 と し た メ ガ ソ ー ラ ー を 中 心 と す る 太 陽 光 発 電 事 業 ( 非 住 宅 ) が 急 激 に 拡 大 し て い る 。 ま た 、 そ う し た 事 業 は 公 的 支 援 や 外 部 か ら の 融 資 に 依 存 す る 場 合 が 多 い た め 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 産 出 地 に と っ て は メ リ ッ ト が 薄 い こ と が 問 題 と な っ て い る 。 こ れ に 対 し て 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 利 活 用 に よ り 地 域 再 生 や 活 性 化 を 図 ろ う と す る 考 え 方 が 提 起 さ れ て い る 。 特 に 過 疎 問 題 に 直 面 し て い る 農 山 村 地 域 で は 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 が 導 入 さ れ れ ば 、 地 域 の 課 題 の 解 決 や 地 域 の 活 性 化 に つ な が る き っ か け と な る こ と が 期 待 さ れ て い る 。

矢 口 ( 2010) は 、 地 域 の 持 続 可 能 な 発 展 を 維 持 し て い く た め に 、 3 つ の 持 続 可 能 性 が 不 可 欠 で あ る と 指 摘 し た 。 す な わ ち 、 ① 環 境 的 持 続 可 能 性 、 ② 経 済 的 持 続 可 能 性 、 ③ 社 会 的 持 続 可 能 性 で あ る 。 現 実 に お い て 、 こ の 3 つ の 持 続 可 能 性 は 並 列 的 な 状 態 で は な く 、 環 境 的 持 続 可 能 性 を 前 提 と し 、 経 済 的 持 続 可 能 性 を 一 つ の 手 段 と し 、 社 会 的 持 続 可 能 性 を 最 終 目 的・目 標 と す る 関 係 性 を 求 め て い る 。2011 年 8 月 に 成 立 し た 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 特 別 措 置 法 の 中 に は 、 当 該 法 律 の 目 的 に つ い て 「 我 が 国 産 業 の 振 興 、 地 域 活 性 化 そ の 他 国 民 経 済 の 健 全 な 発 展 に 寄 与 す る こ と を 目 的 と す る 」 と 明 記 さ れ て い る 。 す な わ ち 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 利 用 を 促 進 す る と と も に 、 産 業 の 振 興 や 地 域 の 活 性 化 を さ せ る こ と が 国 策 と し て 求 め ら れ て い る1

再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 利 活 用 を 地 域 活 性 化 に つ な げ る 議 論 の 中 、倉 阪( 2013)で は 、「 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー が ビ ジ ネ ス と し て の 魅 力 を 高 め て い る 中 で 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー は 、 新 た な 『 成 長 部 門 』 が 生 ま れ る と い う 視 点 と 、 地 域 の 『 持 続 部 門 』 を 強 く す る と い う 視 点 双 方 か ら 大 き な 可 能 性 を 秘 め て い る 」 と 提 示 し た 。 こ こ で の 「 成 長 部 門 」 は 生 産 フ ロ ー の 拡 大 を 目 指 す 経 済 部 門 と し て 考 え ら れ る 。 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー は 変 動 が 伴 う エ ネ ル ギ ー 源 で

1 植 田 ( 2013)

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あ り 、 蓄 電 池 の 技 術 進 歩 や 送 電 網 の 広 が り な ど を 含 め た 生 産 フ ロ ー の 拡 大 に つ な が る 可 能 性 が あ る 。ま た 、「 持 続 部 門 」は 居 住 を 維 持 し 続 け る た め に 必 要 な 経 済 部 門 と し て 考 え ら れ る 。 エ ネ ル ギ ー の 大 消 費 地 で あ る 都 会 か ら 地 方 に 資 金 が 流 れ る こ と に よ り 、 地 域 経 済 を 強 く す る こ と に つ な が る 。 ま た 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 設 備 の 設 置 ・ メ ン テ ナ ン ス の た め の 雇 用 が 生 ま れ る 可 能 性 が あ る と 指 摘 し た 。 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 利 活 用 と 地 域 活 性 化 と を つ な げ る よ う な あ り 方 に つ い て 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 設 備 を 地 元 資 本 が 参 画 し て 設 置 す る こ と が 重 要 で あ る こ と を 提 示 し た 。

さ ら に 、 田 畑 ( 2014) は 「 事 業 に 取 り 組 む 目 的 を 地 域 の 人 た ち が 共 有 で き れ ば 、 … 様 々 な 主 体 の 連 携 、協 力 も 進 み や す く な る 」、そ し て 、各 地 域 が 抱 え て い る 課 題 が そ れ ぞ れ で あ る た め 、「 地 域 振 興 に 活 用 し て い く 仕 組 み を 、そ れ ぞ れ の 状 況 に 合 わ せ て 工 夫 す る こ と が 重 要 で あ る 」 と 指 摘 し て い る 。

そ こ で 本 論 文 で は 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の 経 済 性 と 社 会 性 の 両 面 か ら 考 え 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 と コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と の つ な が り に 着 目 し た 。 諸 富 ( 2013) は 、

「 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と し て 考 え る 場 合 、 地 域 住 民 が 中 心 と な り 、 地 域 資 源 で あ る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー を 通 じ て 所 得 と 雇 用 を 創 出 し 、 地 域 活 性 化 に つ な が る 可 能 性 が 期 待 さ れ て い る 」 と の 視 点 を 示 し た 上 で 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と し て 考 え る こ と を 、 事 業 の 収 益 性 、 所 得 と 雇 用 の 創 出 、 社 会 関 係 資 本 の 蓄 積 と い っ た 面 か ら 取 り 上 げ 、「 地 域 経 済 振 興 の あ り 方 に 大 き な 転 換 を も た ら す 可 能 性 が あ る 」 と 指 摘 し た 。

こ れ ま で 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー に 関 す る 取 組 み は す で に 多 く の 論 文 や 報 道 で 紹 介 さ れ た が 、 そ れ を コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と の つ な が り か ら 地 域 の 振 興 ・ 活 性 化 と 関 わ ら せ る 分 析 は ま だ な い 。 そ こ で 、 本 論 文 で は 、 地 域 主 体 に お け る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 取 組 み を 事 例 と し て 取 上 げ 、「 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス と し て 地 域 の 振 興 に 役 立 て ら れ る の か 」、「 事 業 を 自 立 的 ・ 継 続 的 に 運 営 す る こ と は 可 能 な の か 」、「 地 域 経 済 と つ な ぐ 仕 組 み づ く り と は 何 か 」 と い う 問 題 意 識 を 抱 え て 研 究 を 行 っ て い る 。

2. 本 論 文 の 目 的 と 方 法

本 論 文 の 目 的 は 3 点 あ る 。 第 一 に 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 視 点 で 捉 え た 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の 地 域 活 性 化 へ の 意 義 、 並 び に そ の 実 態 と 課 題 を 明 ら か に す る 。 第 二 に 、 事

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業 運 営 の 持 続 可 能 性 を 含 め て 、資 金 調 達 の 形 態 、地 域 に あ る 他 産 業 と の 連 携 を 強 め る 仕 組 み づ く り を 探 る 。 第 三 に 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 と コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス を ど の よ う に し て 地 域 活 性 化 に つ な げ る こ と が で き る の か 、 そ の 取 り 組 み を 形 成 す る の に 重 要 な 点 を 明 ら か に す る 。 以 上 の よ う な 3 つ の 角 度 か ら 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 に よ る 地 域 活 性 化 と い う 課 題 を 検 討 し 、 総 合 的 に 論 じ る 。

研 究 方 法 に つ い て は 主 に 、 分 類 し た 複 数 の 事 例 の ヒ ア リ ン グ 調 査 結 果 か ら 検 討 す る 。 ま ず 、再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を 地 域 活 性 化 に 活 用 す る 実 態 を 明 ら か に し 、事 業 主 体 を ① NPO 主 体 型 ② 集 落 主 体 型 ③ 行 政 ・ 地 元 企 業 主 体 型 に 分 け た 上 で 、 先 行 研 究 と し て 議 論 さ れ た 複 数 の 事 例 を 用 い て 、 そ れ ぞ れ の 課 題 を 検 討 す る 。 次 に 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 が コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と つ な が り つ つ あ る 3 つ の 事 例 を 分 析 ・ 比 較 す る 。 具 体 的 に は 、 地 元 資 本 が 参 画 し た 小 水 力 発 電 事 業 が コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス へ 展 開 し て い く 事 例 2 つ と 、 コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス の 中 か ら 発 足 し た 太 陽 光 発 電 事 業 の 事 例 1 つ を 取 り 上 げ 、環 境 、経 済 、 社 会 の 3 つ の 側 面 か ら 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の 影 響 を 検 討 す る 。 最 後 に 、 各 事 例 の 特 徴 を 抽 出 し 、 今 後 の 課 題 を 明 ら か に す る 。

3. 本 論 文 の 構 成

序 章 で は 、 本 研 究 の 背 景 、 目 的 及 び 意 義 を 示 す 。

第 1 章 で は 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と し て 取 り 上 げ 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 に よ る エ ネ ル ギ ー の 自 給 や 売 電 収 益 の 獲 得 な ど の 経 済 的 側 面 に 、 地 域 内 外 と の 交 流 ・ 共 感 と い っ た 社 会 的 側 面 を 付 加 す る こ と に よ り 、 持 続 可 能 な 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ を 実 現 し て い く 意 義 に 着 目 す る 。

第 1 節 は 、コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス の 定 義 を 整 理 し 、ヨ ー ロ ッ パ に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 展 開 と そ の 特 徴 に つ い て 検 討 を 行 う 。 第 2 節 は 、 日 本 に お い て コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス が 注 目 さ れ 展 開 さ れ て き た 要 因 に つ い て 、 政 治 的 、 経 済 的 、 社 会 的 側 面 か ら 4 点 を 挙 げ る 。 第 3 節 と 第 4 節 で は 、 ド イ ツ と 日 本 に お け る 地 域 住 民 に よ る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を 検 討 し た 上 で 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 視 点 か ら 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の 地 域 活 性 化 へ の 意 義 を 検 討 す る 。

第 2 章 で は 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を 経 済 性 と 社 会 性 の 両 面 か ら 考 え 、 地 域 に お け る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の 実 態 を 明 ら か に す る 。 ま た 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 と 地 域 経

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済 と を つ な げ る 仕 組 み に 注 目 し 、事 業 運 営 の 主 体 を「 NPO 主 体 型 」、「 集 落 主 体 型 」、「 行 政 ・ 地 元 企 業 主 体 型 」 の 3 つ に 分 け る 。 地 域 や 地 域 の 住 民 を 中 心 と し た 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を 立 ち 上 げ る 事 例 を 取 上 げ 、 そ れ ぞ れ が 直 面 し て い る 課 題 を 検 討 す る 。 具 体 的 に は 、 事 業 の 主 体 、 資 金 調 達 及 び 発 電 事 業 の 成 果 を 地 域 に 還 元 す る 仕 組 み と い う 点 に 焦 点 を 当 て て 分 析 を 行 う 。

第 1 節 は 、 一 橋 大 学 自 然 資 源 経 済 論 プ ロ ジ ェ ク ト と 朝 日 新 聞 社 が 合 同 で 、 全 国 1741 の 市 区 町 村 を 対 象 に 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 導 入 状 況 に つ い て 調 査 し た 結 果 ( 2014) を 参 考 に し 、再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 に お け る 地 域 活 性 化 の 実 態 を 把 握 す る 。第 2 節 は 、2012 年 度 修 士 論 文 の 一 部 を 修 正 ・ 加 筆 し 、 発 電 設 備 の 設 置 費 用 に よ る 資 金 調 達 の 方 法 、 メ リ ッ ト と デ メ リ ッ ト を 整 理 す る 。 経 営 権 を 担 う か ど う か に よ り 、 経 営 権 の つ い た 出 資 ( 株 式 会 社 や 組 合 方 式 な ど ) と 、 経 営 権 の つ い て い な い 出 資 ( フ ァ ン ド や 地 方 自 治 体 が 募 集 す る 地 方 公 募 債 と い う 方 式 ) の 2 つ に 分 け ら れ る 。 第 3 節 は 、 地 域 に お け る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を 立 ち 上 げ る 場 合 、 事 業 の 主 体 や 事 業 を 展 開 す る 動 機 と 地 域 還 元 の 仕 方 に つ い て ① NPO 主 体 型 、 ② 集 落 主 体 型 、 ③ 行 政 ・ 地 元 企 業 主 体 型 に 分 け て 検 討 す る 。 第 4 節 は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス 論 の 視 点 か ら 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 に お け る 地 域 振 興 へ の 課 題 を 検 討 す る 。

第 3 章 で は 、 あ い と う ふ く し モ ー ル 市 民 共 同 発 電 所 の 事 例 を 取 上 げ 、 地 域 づ く り や 地 域 住 民 の 福 祉 と ビ ジ ネ ス を 結 ぶ 発 電 事 業 の 実 態 と 、 発 電 の 成 果 を 地 域 商 品 券 で 地 域 に 還 元 す る 仕 組 み を 考 察 す る こ と を 目 的 に し て い る 。

第 1 節 は 、 滋 賀 県 東 近 江 市 の 概 要 と 、 ま ち づ く り と 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 利 用 に 対 す る 市 民 と 行 政 と の 協 働 に よ る 取 り 組 み を 整 理 す る 。 第 2 節 は 、 あ い と う ふ く し モ ー ル 市 民 共 同 発 電 所 の 内 容 と 経 緯 を 整 理 し 、 取 り 組 み に お け る 事 業 費 及 び 資 金 調 達 の 方 法 を 明 ら か に す る 。 第 3 節 と 第 4 節 で は 、 発 電 事 業 に よ る 地 域 活 性 化 へ の 影 響 を 検 討 し た 上 で 、 地 域 商 品 券 を 利 活 用 す る 意 義 を 明 ら か に し 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 一 部 と し て 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を 導 入 す る 際 に 重 要 な 点 を 検 討 す る 。

第 4 章 で は 、 地 域 住 民 が 主 体 と な っ た 小 水 力 発 電 の 導 入 並 び に 地 域 課 題 の 解 決 に 係 る 諸 活 動 に 着 目 し 、 del Rio and Burguillo( 2008) の 主 張 を 援 用 し て 、 小 水 力 発 電 の 導 入 が 農 山 村 地 域 の 課 題 解 決 に 向 け て 果 た す 役 割 を 環 境 、経 済 、社 会 の 3 つ の 面 に 分 け て 検 討 す る 。 研 究 対 象 は 、 岐 阜 県 郡 上 市 石 徹 白 地 区 と 奈 良 県 吉 野 町 の 取 り 組 み で あ る 。 両 事 例 と も 過 疎

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化 の 危 機 感 か ら 、 柔 軟 な 形 態 で 住 民 の 参 加 を 促 し 、 地 域 資 源 を 利 用 す る 小 水 力 発 電 の 導 入 に 向 か わ せ て い る 。 石 徹 白 地 区 の 取 り 組 み は 、 売 電 収 益 を 地 域 内 再 投 資 の 原 資 と し て 利 活 用 す る こ と を 図 っ て い る 。 そ れ に 対 し て 、 吉 野 町 の 取 り 組 み は 、 防 災 対 策 を 含 め た 住 民 生 活 向 上 を 目 的 と し て い る 。

第 1 節 と 第 2 節 は 岐 阜 県 郡 上 市 石 徹 白 地 区 と 奈 良 県 吉 野 町 の 取 り 組 み の 内 容 と 経 緯 を 整 理 す る 。 第 3 節 は 、 両 事 例 に 関 す る 議 論 を 踏 ま え て 、 農 山 村 地 域 で 小 水 力 発 電 を 導 入 す る こ と に よ り 、 地 域 課 題 解 決 に 向 け た 取 り 組 み を ど の よ う に 進 め る こ と が で き る か 、 ま た そ の 際 に ど の よ う な こ と が 重 要 に な っ て く る の か に つ い て 明 ら か に す る 。

終 章 で は 、 各 章 の 内 容 を 要 約 し 、 結 論 を ま と め る 。

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第 1 章 コミ ュニテ ィ・ビジ ネスの 視点 で捉えた 再生可 能エ ネルギー 事業

―地域振 興にお ける 意義を中 心に―

は じ め に

日 本 で は 社 会 環 境 と 経 済 環 境 の 変 化 に 伴 い 、 地 域 の 振 興 ・ 活 性 化 に 対 す る 注 目 度 が 急 速 に 高 ま っ て い る 。 地 域 の 振 興 に は 、 住 民 の 主 導 性 を 基 本 と し て 、 地 域 の 暮 ら し の 中 に 商 品 開 発 を 位 置 づ け 地 域 振 興 に 活 か す 、内 発 的 発 展 が 重 要 と な っ て き て い る2。そ し て 、こ の 内 発 的 発 展 を 進 め る た め に 、 地 域 の 問 題 解 決 と い う 社 会 性 と ビ ジ ネ ス と し て の 自 立 性 を 両 立 さ せ た コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と い う 事 業 手 法 が 注 目 さ れ て き て い る 。

こ う し た 中 、 2012 年 7 月 に 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 全 量 固 定 価 格 買 取 制 度 ( FIT) が 導 入 さ れ 、 各 地 で 地 域 住 民 の 出 資 に よ っ て 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 発 電 を 進 め る 動 き が 活 発 に な っ て き て い る 。 地 域 に お け る 分 散 的 な 資 源 で あ る 風 力 や 太 陽 光 、 バ イ オ マ ス な ど の 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー と 、 地 域 の 人 々 や 組 織 が 保 有 す る 資 金 や 人 的 資 源 を 活 用 し 、 地 域 の 住 民 や 組 織 が 主 体 と な っ て 進 め る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と し て 、 地 域 の 特 性 に 合 わ せ た 形 で 地 域 社 会 の 経 済 発 展 に 資 す る 可 能 性 を 持 つ 。

し か し 、 FIT に よ り 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 の ビ ジ ネ ス と し て の 自 立 性 は 以 前 よ り 高 ま っ た 反 面 、 そ れ を 地 域 に お け る 経 済 的 ・ 社 会 的 問 題 の 解 決 に つ な げ 、 い か に 地 域 再 生 に 役 立 て る か と い う 社 会 性 の 面 で は 、 さ ま ざ ま な 取 り 組 み が な さ れ て い る も の の 、 そ れ ぞ れ に 課 題 を 抱 え た 状 態 に あ る の が 現 状 で あ る 。

本 章 で は 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と し て 取 り 上 げ 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を コ ミ ュ ニ テ ィ ・ビ ジ ネ ス と し て 、地 域 の 振 興・再 生 に 活 用 さ せ る 意 義 を 明 ら か に す る 。 そ の た め に ま ず 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 定 義 を 整 理 し 、 ヨ ー ロ ッ パ に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 展 開 と そ の 特 徴 に つ い て 検 討 を 行 う 。 次 に 、 日 本 に お い て コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス が 注 目 さ れ て き た 社 会 的 ・ 経 済 的 要 因 を 分 析 す る 。 最 後 に 、 ド イ ツ と 日 本 に お け る 地 域 住 民 に よ る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を 検 討 し た 上 で 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と し て 推 進 す る 意 義 に つ い て 検 討 す る 。

本 章 は 、 修 士 論 文 で あ る 拙 稿 査 ( 2013) を ベ ー ス に 、 新 た に コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 視 点 か ら 加 筆 修 正 し た も の で あ る 。

2 宮 本 ( 1998) p.50

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1. ヨ ー ロ ッ パ に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 起 源 と 事 業 の 展 開 1.1 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 起 源 と イ ギ リ ス に お け る 展 開

コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス ( Community Business) と い う 用 語 は 、 1980 年 代 の イ ギ リ ス に お け る 地 域 経 済 開 発 や 失 業 ・ 雇 用 対 策 へ の 取 組 み の 中 か ら 注 目 さ れ て き た も の で あ る 。 ヨ ー ロ ッ パ 各 国 で も 類 似 の 事 業 が あ り 、 地 域 や 事 業 の 内 容 に よ っ て 用 語 が 異 な っ て い る 。 ま た 、 国 や 地 方 の 政 策 に よ り そ の 捉 え 方 は 変 わ っ て く る た め 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス 的 な 事 業 の 位 置 づ け に つ い て 様 々 な 議 論 が さ れ て い る 。

イ ギ リ ス ・ ス コ ッ ト ラ ン ド に あ る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 支 援 団 体 で あ る 、 コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス・ス コ ッ ト ラ ン ド・ネ ッ ト ワ ー ク( Community Business Scotland Network)

は 、「 コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス は 、地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に よ っ て 設 立 、所 有 、そ し て 目 的 と す る と こ ろ は 、 地 域 活 性 化 に 焦 点 を 合 わ せ 、 究 極 的 に は 地 域 住 民 の た め に 自 律 支 援 と し て の 職 の 創 造 で あ る 。」3と 定 義 し て い る 。こ の 定 義 か ら み る と 、イ ギ リ ス の コ ミ ュ ニ テ ィ ・ビ ジ ネ ス は 社 会 的 に 不 利 な 立 場 に 置 か れ た 人 を 支 援 す る も の と し て 、 地 域 の 問 題 の 解 消 と 地 域 の 経 済 活 動 の 活 性 化 に 貢 献 し て い る こ と が 分 か る 。 そ れ は 事 業 活 動 が 地 域 ベ ー ス で 行 わ れ て い る 特 徴 を 示 し て い る 。

コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス の 起 源 と し て 、1990 年 代 に 日 本 に 紹 介 さ れ た の は 、イ ギ リ ス の ス コ ッ ト ラ ン ド に あ る コ ミ ュ ニ テ ィ 協 同 組 合( Community Cooperative)で あ る( 細 内 ,1999)。

イ ギ リ ス で は 、伝 統 的 な 流 れ と し て 協 同 組 合 思 想 が あ り 、1970 年 代 に 協 同 組 合 方 式 で 地 域 経 済 開 発 が 進 め ら れ て き た 。1980 年 代 に な る と 、地 域 経 済 開 発 は 社 会 的 排 除 へ の 対 策 の 一 環 と し て 位 置 づ け ら れ る よ う に な り 、さ ら に は 1990 年 代 の 半 ば か ら 開 発 の 事 業 主 体 と し て 、 地 域 住 民 を 主 体 と し た 地 域 密 着 ビ ジ ネ ス が 前 面 に 出 て く る よ う に な っ た 。

1980 年 代 に ICOM( 産 業 共 同 所 有 運 動 ) に 結 集 し た 労 働 者 協 同 組 合 ― ― コ ミ ュ ニ テ ィ 協 同 組 合( Community Cooperative)は こ の 変 貌 を 象 徴 す る も の で あ る 。こ の 協 同 組 合 は 1970 年 代 後 半 に ス コ ッ ト ラ ン ド で 展 開 を 開 始 し 、イ ン グ ラ ン ド と ウ ェ ー ル ズ に 広 が っ て い た「 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ 再 生 」を 目 指 す 協 同 組 合 で あ る 。コ ミ ュ ニ テ ィ 協 同 組 合 は 、「 協 同 組 合 運 動 に 新 し い イ ン ス ピ レ ー シ ョ ン を 与 え た 」 と 言 わ れ 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 住 民 が 「 一 人 1 ポ ン ド 」 を 出 資 し て 調 達 さ れ た 総 額 と 同 額 の 資 金 を 地 方 自 治 体 が 交 付 す る 、 と い う 新 し い 出

3 Community Business Scotland Network( 2003)

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資 資 本 の 形 態 を 生 み 出 し た 。 こ の 出 資 形 態 に よ っ て コ ミ ュ ニ テ ィ の 住 民 の コ ミ ュ ニ テ ィ 協 同 組 合 へ の 参 加 が 容 易 に な っ た 。ま た こ れ は 、「 エ ン パ ワ ー メ ン ト( コ ミ ュ ニ テ ィ の 自 治 と そ の 住 民 の 自 治 能 力 の 向 上 )、コ ミ ュ ニ テ ィ 協 同 組 合 の 事 業 運 営 能 力 の 強 化 、社 会 福 祉 サ ー ビ ス の 提 供 そ れ に 雇 用 の 創 出 」 と い っ た 実 際 的 な 利 益 を 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ に も た ら し た の で あ る4

イ ギ リ ス で は 、 産 業 の 衰 退 に よ っ て 失 業 問 題 の 深 刻 化 、 そ し て 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 衰 退 と い う 地 域 の 問 題 を 解 決 す る た め に 、 地 域 の 人 々 が 地 域 で 経 済 的 取 引 を 行 う 組 織 が 求 め ら れ て い る 。 行 政 は 経 済 的 活 力 を 喪 失 し た 地 域 に お い て 、 そ の 地 域 の 経 済 活 動 の 再 活 性 化 や 失 業 問 題 の 解 消 に 貢 献 す る 事 業 に 、多 額 な 公 的 資 金 を 支 援 し て い る5。支 援 を 受 け た 団 体 の 事 業 内 容 は 、主 に 長 期( 12 ヶ 月 以 上 )失 業 状 態 に あ る 労 働 者 に 対 し て 、一 定 期 間 の 雇 用 機 会 を 提 供 す る こ と で あ る 。実 際 の 労 働 環 境 で 就 業 機 会 を 獲 得 で き る よ う な 能 力 を 学 習 さ せ 、 よ り 広 い 労 働 市 場 に 復 帰 す る こ と を 支 援 し て い る 。

こ れ ら の 事 業 は コ ミ ュ ニ テ ィ ・ビ ジ ネ ス を 名 乗 っ て 事 業 活 動 を 行 っ て き た ケ ー ス が 多 い 。 代 表 的 な 事 例 は 小 林 ( 2006) に よ っ て 紹 介 さ れ た 「 グ ラ ス ゴ ー ワ ー ク ス 」 で あ る 。 こ の 団 体 は 1994 年 に 設 立 さ れ 、長 期 失 業 者 へ 1 年 間 の 従 業 機 会 を 提 供 し て い る 。仕 事 内 容 は グ ラ ス ゴ ー 市 に お け る 育 児 支 援 、 家 電 リ サ イ ク ル 、 若 年 者 の 訓 練 、 建 設 お よ び 環 境 保 全 活 動 な ど で あ る 。 こ の 事 業 は 行 政 や 地 方 公 共 団 体 な ど か ら 多 様 な 資 金 供 給 を 受 け て い る 。 北 島 ほ か ( 2005) は 、 こ の よ う な 社 会 的 支 援 に 支 え ら れ 、 イ ギ リ ス の グ ラ ス ゴ ー に お い て 「 1970 年 代 末 か ら 1990 年 代 初 頭 に か け て 数 百 も の コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス が 設 立 さ れ て い っ た 」 こ と を 紹 介 し て い る 。

と こ ろ が 、 小 林 ( 2006) に よ る と 、 こ れ ら の 事 業 は 「 実 際 に は 営 利 事 業 と し て 自 立 で き る よ う に な る も の は わ ず か で あ り 」、「 長 期 間 に わ た り 公 的 資 金 助 成 に 依 存 す る 傾 向 を 強 め る 」 と い う 欠 陥 が あ る 。 1980 年 代 及 び 90 年 代 前 半 、 サ ッ チ ャ ー 政 権 下 で イ ギ リ ス の 社 会 保 障 費 が 大 幅 に 削 減 さ れ 、 そ れ ま で 公 的 な 助 成 金 ・ 補 助 金 に 大 き く 依 存 し て 運 営 さ れ て き た 事 業 は 深 刻 な 資 金 不 足 に 陥 っ た 。 ま た 、 事 業 の 名 称 は 事 業 内 容 に よ る 異 な り 、 類 似 な 表 現 が 数 多 く 存 在 し て い る 。コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス の 他 に 、コ ミ ュ ニ テ ィ・エ ン タ ー プ ラ イ ズ (Community Enterprise)と か 、コ ミ ュ ニ テ ィ・ア ソ シ エ ー シ ョ ン (Community Association)、

4 中 川 ( 2008) p.73

5 小 林 ( 2006) p.9

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ソ ー シ ャ ル ・ フ ァ ー ム (Social Firm)、コ ミ ュ ニ テ ィ 開 発 ト ラ ス ト (Community Development Trust)な ど と 呼 ば れ て い る6。こ れ ら の 議 論 は 錯 綜 し 、定 義 上 の 問 題 も 含 め て 不 十 分 な 点 が 多 く 現 れ て い る 。

1.2 ド イ ツ に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と そ の 組 織 形 態

日 本 や イ ギ リ ス に 比 べ て 、 ド イ ツ は 連 邦 制 国 家 と し て 国 と 州 で 権 限 を 分 担 し て い る た め 、 地 方 政 府 の 自 立 性 が 高 い 点 が 特 徴 と な っ て い る 。 ド イ ツ で は コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と い う 用 語 が 使 わ れ て い な い が 、 そ れ と 類 似 の 組 織 は い く つ か 存 在 し て い る 。 ド イ ツ で は 日 本 と 同 様 、 人 口 減 少 や 高 齢 化 と と も に 、 地 域 経 済 の 沈 滞 が 問 題 に な っ て い る 。 そ の た め 、 新 た な 雇 用 機 会 を 創 出 し 、 高 齢 者 と 若 者 が バ ラ ン ス よ く 暮 ら せ る 地 域 づ く り が 重 要 な 課 題 と な っ て い る 。 そ の た め に 、 地 域 住 民 の 自 発 的 な 活 動 が 活 発 に 行 わ れ て い る 。 こ れ は 州 政 府 と 地 域 住 民 の 連 携 の 中 で 進 め ら れ て い る が 、 単 純 に 外 部 の 資 本 導 入 で は な く 、 住 民 は 課 題 を 求 め 、 地 域 資 源 を 使 っ て 新 し い 商 品 や サ ー ビ ス を 提 供 こ と に 注 力 し て い る こ と が 特 徴 で あ る 。 そ れ は ド イ ツ で は 長 い 歴 史 の 中 に 「 協 働 」、「 共 感 」、「 環 境 へ の 配 慮 」 と い う 思 想 が 強 く 根 付 い て い る か ら で あ る 。 以 下 、 ド イ ツ で 行 わ れ て い る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と 類 似 す る 活 動 と そ れ を 担 う 組 織 に つ い て 紹 介 す る 。

ド イ ツ で は ド イ ツ 語 の フ ェ ア ア イ ン ( Verein) と い う 志 を 同 じ く す る 人 び と に よ っ て 構 成 さ れ る 団 体 が あ る 。 英 語 の コ ミ ュ ニ テ ィ と よ く 似 た 意 味 を 持 っ て い る 。 フ ェ ア ア イ ン は 7 人 以 上 の 構 成 員 に よ っ て 設 立 す る こ と が で き る 。 組 織 の 構 成 と 活 動 か ら 見 る と 、 日 本 の 社 団 法 人 や NPO に 相 当 す る 。 同 じ よ う に 公 益 性 を 重 視 し て い る が 、 活 動 の 内 容 は NPO よ り 幅 広 く 多 彩 で あ る 。 ド イ ツ 人 の 間 で は 、 フ ェ ア ア イ ン で 活 動 す る と い う こ と が 数 百 年 の 伝 統 に よ り 、 人 々 の 意 識 の 中 に 浸 透 し て い る 。 フ ェ ア ア イ ン は 集 落 を 単 位 と し た 全 員 強 制 的 に 参 加 す る 住 民 活 動 で は な く 、 自 ら 課 題 を 作 り 出 し 、 自 由 に 参 加 で き る 活 動 団 体 で あ る 。 そ の 数 は ド イ ツ 全 体 で 約 20 万 に の ぼ り 、1 人 平 均 で 4 つ 程 度 の フ ェ ア ア イ ン に 入 っ て い る と さ れ る 。

フ ェ ア ア イ ン の 活 動 は 大 都 市 よ り も 地 方 の 小 さ な 村 の ほ う が 活 発 に 行 わ れ て い る 。 2,000 人 程 度 の 村 で も 40 く ら い の フ ェ ア ア イ ン が あ る の が 普 通 で あ る7。 フ ェ ア ア イ ン の

6 小 林 ( 2006) pp.9-11

7 石 田 ( 2008) pp.15-24

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活 動 例 を 見 る と 、 例 え ば 、 景 観 確 保 の た め の 屋 根 や 壁 の 色 を 統 一 し た 住 宅 改 修 、 農 業 体 験 の 機 会 を 提 供 す る 清 潔 な 農 家 民 宿 や 地 元 の 食 材 を 使 っ た 農 村 レ ス ト ラ ン 、 廃 校 後 の 小 学 校 を 改 修 し た 子 育 て 施 設 な ど 、 全 部 住 民 活 動 に よ っ て 根 底 か ら 支 え ら れ て い る 。 こ れ ら の 事 業 は コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 手 法 や 特 徴 と 類 似 的 で あ る 。 目 標 を 共 有 で き る 仲 間 が 集 ま り 、 仲 間 同 士 が 課 題 を 提 出 ・ 解 決 す る 「 場 」 を 提 供 し て い る 。 フ ェ ア ア イ ン に は 営 利 と 非 営 利 の 2 種 類 が あ り 、そ の 財 源 が 出 資 、寄 付 及 び 会 費 に よ っ て 賄 わ れ て い る 。石 田( 2008)

に よ る と 、 ド イ ツ で は 、「 寄 付 金 や 会 費 は フ ェ ア ア イ ン の 収 入 が 3 万 ユ ー ロ 以 内 で あ れ ば 、 支 払 わ れ た 寄 付 金 や 会 費 に つ い て 、 そ の 支 払 っ た 人 ( 法 人 が 含 む ) が 税 額 控 除 を 受 け ら れ る と い う 特 典 が あ り 、 こ の た め 税 金 を 払 う く ら い な ら 寄 付 金 や 会 費 の ほ う が よ い と の 意 識 が 働 い て い る 」。 そ の 他 、 自 治 体 か ら 公 益 性 の 高 い 事 業 活 動 に 対 し て 助 成 金 も 出 し て い る 。

コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と し て 機 能 し て い る 組 織 は 協 同 組 合 に も 現 れ て い る 。 協 同 組 合 は ヨ ー ロ ッ パ で は 古 い 経 営 形 態 の 1 つ で 、 出 資 者 で あ る 組 合 員 は 事 業 運 営 に 対 す る 投 票 権 が 出 資 額 に 関 係 な く 、 自 己 責 任 や 自 己 管 理 な ど の 特 性 が あ る 。 ド イ ツ の 協 同 組 合 は 、 中 世 の 血 縁 関 係 に よ る 大 家 族 の 結 合 体 や そ の 後 の マ ル ク 共 同 体 ま で 遡 る こ と が で き る が 、 そ の 歴 史 的 な 発 展 は 19 世 紀 半 ば か ら で あ る 。当 時 ド イ ツ で は 、プ ロ イ セ ン 改 革 に よ っ て 農 奴 制 な ど の 封 建 的 諸 関 係 の 解 体 が 進 ん だ が 、 そ の 中 で 農 民 や 手 工 業 者 の 困 窮 と 資 金 難 が 深 ま っ て い た 。

こ の よ う な 中 で 、 フ リ ー ド リ ヒ ・ ヴ ィ ル ヘ ル ム ・ ラ イ フ ァ イ ゼ ン は 、「 一 人 は 万 人 の た め に 、 万 人 は 一 人 の た め に 」 と い う 理 念 の 下 に 相 互 扶 助 的 、 自 助 的 な 信 用 協 同 組 合 を 農 村 部 で 設 立 し た 。 ま た 、 そ れ と は ま っ た く 別 に 、 ヘ ル マ ン ・ シ ュ ル ツ ェ = デ ー リ ッ チ は 中 小 事 業 者 の た め の 事 業 協 同 組 合 と 信 用 協 同 組 合 を 設 立 し た の で あ る 。 こ れ ら は 、 中 世 的 な 共 同 体 と は 異 な り 、 加 入 ・ 脱 退 の 自 由 を 原 則 と し 、 ま た 、 経 済 や 生 活 の 全 分 野 に わ た る 共 同 体 で は な く 特 定 の 共 通 の 目 的 を 充 足 す る た め の 組 織 で あ っ た8。そ の 後 ド イ ツ の 協 同 組 合 は 様 々 な 分 野 に わ た り 急 速 に 拡 大 し て い る 。 現 在 で は 、 農 業 、 生 産 ・ 販 売 の 小 規 模 事 業 、 消 費 、サ ー ビ ス な ど 多 様 な 分 野 に 広 が っ て い る 。2011 年 12 月 末 現 在 の 単 位 協 同 組 合 数 は 5615 組 合 で 、 組 合 員 数 は 1,840 万 人 に 上 る9

8 ア シ ュ ホ フ ( 2001)

9 石 田 ( 2013) p.66

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2. 日 本 に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 概 念 と 展 開 2.1 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 概 念 と 内 容

コ ミ ュ ニ テ ィ ・ビ ジ ネ ス と い う 概 念 は 1990 年 代 に 日 本 に 紹 介 さ れ 、2000 年 に 入 っ て か ら 地 域 振 興 策 や ま ち づ く り の 手 段 と し て 全 国 的 な 展 開 を 見 せ て い る 。 細 内 ( 1999) は コ ミ ュ ニ テ ィ ・ビ ジ ネ ス を「 地 域 住 民 が よ い 意 味 で 企 業 的 経 営 感 覚 を 持 ち 、生 活 者 意 識 と 市 民 意 識 の も と に 活 動 す る『 住 民 主 体 の 地 域 事 業 』・・・。あ る い は 、地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ 内 の 問 題 解 決 と 生 活 の 質 の 向 上 を 目 指 す 『 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 元 気 づ く り 』 を 、 ビ ジ ネ ス を 通 じ て 実 現 す る こ と 」10と 定 義 し た 。そ し て 、コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス の 特 徴 と し て 、「 住 民 主 体 の 地 域 密 着 ビ ジ ネ ス 」、「 利 益 追 求 を 第 一 に し な い 、 適 正 規 模 、 適 正 利 益 の ビ ジ ネ ス 」、「 営 利 追 求 ビ ジ ネ ス と ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 と の ち ょ う ど 中 間 的 で あ る ビ ジ ネ ス 」、「 行 動 は ロ ー カ ル 、 視 野 は グ ロ ー バ ル で 開 放 型 の ビ ジ ネ ス 」と い う こ と を 挙 げ て い る 。細 内( 1999)に よ れ ば 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 事 業 コ ン セ プ ト は 競 争 性 、 効 率 性 、 生 産 性 が 求 め ら れ る 大 企 業 と 違 う 性 格 を 持 っ て い る 。 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 利 害 関 係 は 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ 内 の 生 活 に 密 接 し て い る た め 、 複 雑 で 長 期 間 に わ た る 経 済 活 動 の 中 に あ る 。 マ ー ケ テ ィ ン グ は 小 さ く て 弱 い も の で あ る 。 事 業 コ ン セ プ ト は 共 生 で あ り 、 成 果 は 効 率 や 生 産 性 で は な く 、 意 味 や 意 義 あ る い は 使 命 感 が 求 め ら れ て い る 。

日 本 に お け る コ ミ ュ ニ テ ィ ・ビ ジ ネ ス は 、 基 本 的 に 上 述 の 細 内 ( 1999) に よ る 定 義 に 沿 っ て 、主 に 、地 域 住 民 が 中 心 と な る 経 済 活 動 と し て 捉 え ら れ て い る 。関 東 経 済 産 業 局 で は 、 地 域 再 生 と い う 観 点 か ら 、コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス を「 地 域 の 課 題 を 地 域 住 民 が 主 体 的 に 、 ビ ジ ネ ス の 手 法 を 用 い て 解 決 す る 取 り 組 み 」 と 位 置 づ け て い る 。 地 域 住 民 自 ら が 主 導 し 、 実 践 す る こ と に よ っ て 、 地 域 社 会 の 自 立 、 活 性 化 、 地 域 コ ミ ュ ニ テ ィ の 再 生 、 創 業 機 会 ・ 就 業 機 会 の 拡 大 な ど の 効 果 が 期 待 さ れ る と 述 べ て い る11

コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 領 域 は 図 1-1 に 示 し た よ う に 幅 広 く 捉 え る こ と が で き る 。 組 織 形 態 に つ い て は 、特 定 非 営 利 活 動 法 人( 以 下 、NPO 法 人 )、個 人 、会 社 組 織 、組 合 組 織 な ど 、様 々 な 形 態 が 存 在 し て い る 。ま た 、活 動 の 分 野 と し て は 、ま ち づ く り 、介 護 ・福 祉 、環 境 、 IT、 観 光 、 地 域 資 源 の 活 用 、 農 業 、 就 業 支 援 な ど 、 あ ら ゆ る 分 野 に 活 動 が 広 が っ て い

10 細 内 ( 1999) p.13

11 関 東 経 済 産 業 局 の ホ ー ム ペ ー ジ よ り

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る 。 そ の た め 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス に 関 す る 議 論 は 、 地 域 振 興 の 担 い 手 と し て 位 置 づ け ら れ る ほ か に 、 NPO の 事 業 化 と い う 観 点 と の 関 わ り の 中 で 取 り 上 げ ら れ 、 展 開 さ れ て き た 側 面 も あ る 。 ま た 、 中 小 企 業 経 営 論 の 文 脈 に も 見 ら れ る 。

図 1-1 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 領 域

出 所 ) 細 内 ( 1999) よ り

日 本 に お け る 都 市 の コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 事 例 と し て は 、 地 域 の 住 民 が 主 体 と な っ て 衰 退 し た 商 店 街 の 歴 史 的 な 建 造 物 を 買 い 取 り 、「 黒 壁 ガ ラ ス 館 」を オ ー プ ン さ せ た こ と に よ っ て 地 域 経 済 を 活 性 化 さ せ た 滋 賀 県 長 浜 市 の 事 例 が あ げ ら れ る 。

一 方 、 農 村 に お い て は 、 む ら づ く り と 呼 べ る よ う な い く つ か の コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス が 先 導 的 に 各 地 に 生 ま れ つ つ あ る 。 農 村 の コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス で は 、 主 と し て 地 域 自 治 組 織 、 協 同 組 合 、 小 さ な 株 式 会 社 ( 有 限 会 社 を 含 む ) な ど 、 地 域 住 民 の 協 働 組 織 に よ っ て 実 行 さ れ る の が 普 通 で あ る 。 地 域 で 獲 れ た 農 産 物 を 使 っ て 地 域 特 産 品 を 作 る と い う 加 工 面 の み な ら ず 、 グ リ ー ン ツ ー リ ズ ム の よ う な 農 業 体 験 、 自 然 観 察 な ど の 体 験 型 サ ー ビ ス を 組 み 込 む こ と に よ っ て 、 都 市 と 農 村 の 交 流 が 高 ま り 、 地 域 住 民 や 都 市 市 民 を 集 客 す る と い

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っ た 観 光 面 に 貢 献 し て い る12。 ま た 、 食 料 資 源 や 森 林 資 源 を 活 用 し 、 バ イ オ マ ス 循 環 シ ス テ ム を 通 じ て 、 地 域 の エ ネ ル ギ ー 循 環 に も 貢 献 し て い る 例 も あ る 。

2.2 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス が 注 目 さ れ て き た 要 因

日 本 に お い て コ ミ ュ ニ テ ィ・ビ ジ ネ ス が 注 目 さ れ 展 開 さ れ て き た 要 因 に つ い て 、政 治 的 、 経 済 的 、 社 会 的 側 面 か ら 、 以 下 の 4 点 を 挙 げ る こ と が で き る 。

第 一 に 、 深 刻 な 財 政 危 機 に よ り 、 従 来 の 政 治 ・ 行 政 シ ス テ ム の 転 換 が 迫 ら れ る よ う に な っ た こ と が あ げ ら れ る 。 1990 年 代 の 不 況 に 突 入 後 、 日 本 で は 従 来 の 公 的 セ ク タ ー ( 政 府 ・ 行 政 ) と 民 間 営 利 セ ク タ ー ( 私 企 業 ) の 2 大 セ ク タ ー に よ る 経 済 シ ス テ ム の 限 界 が 顕 在 化 し 始 め 、 地 域 の 状 況 と 要 望 を 的 確 に 反 映 で き る よ う な 政 治 ・ 行 政 シ ス テ ム と し て 、 地 方 自 治 が 重 視 さ れ て い る 。 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス は 地 域 の 生 活 に 深 く 根 付 く も の で あ り 、 自 ら 地 域 の 問 題 を 発 見 し 、 行 政 と 協 力 し て 地 域 づ く り を 行 っ て い く 社 会 性 を 持 っ て い る 。 こ の こ と か ら 行 政 サ ー ビ ス の 補 完 と し て 期 待 さ れ て き て い る 。

第 二 に 、 日 本 の 社 会 環 境 と 経 済 環 境 の 変 化 に 伴 い 、 地 域 の 振 興 ・ 活 性 化 に 対 す る 注 目 度 が 急 速 に 高 ま っ た こ と で あ る 。 グ ロ ー バ ル 化 の 進 展 に よ っ て 、 市 場 を め ぐ る 競 争 が 激 化 し て い る 。 結 果 と し て 、 事 業 機 会 や 雇 用 機 会 の 集 中 が 起 こ り 、 産 業 構 造 や 雇 用 環 境 の 変 化 が 国 際 競 争 に 従 っ て 激 し く な っ た が 、 こ れ は 、 多 く の 地 域 で 経 済 の 停 滞 や コ ミ ュ ニ テ ィ の 沈 滞 を 招 く も の で あ っ た 。 こ れ に 対 応 す る た め に 、 地 域 の 資 源 を 有 効 に 利 用 し て 、 利 益 を 地 域 に と ど め る よ う な 地 域 づ く り が 課 題 と な り 、 議 論 さ れ て き た 。

2005 年 10 月 に は 、 地 域 経 済 の 活 性 化 を 推 進 す る た め に 、 地 域 再 生 本 部 が 内 閣 に 設 置 さ れ 、 地 域 経 済 の 活 性 化 と 地 域 雇 用 の 創 出 を め ぐ る 政 策 を 打 ち 出 し て い る 。 そ の 地 域 再 生 本 部 に よ る「 地 域 再 生 推 進 の た め の 基 本 指 針 」( 2003)は 、地 域 経 済 は 、そ れ ぞ れ の 地 域 が 自 力 で そ の 資 源 を 活 用 し な が ら 維 持 す る こ と が 必 要 で あ る と い う こ と を 強 調 し て い る 。 そ う し た 目 的 か ら 地 域 で 行 わ れ る 諸 事 業 と し て 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス が 注 目 さ れ る よ う に な っ た 。 ま た 、 多 く の 地 方 都 市 で は 合 併 に よ り 行 政 範 囲 が 拡 大 し 、 都 市 と 農 村 の 新 し い 関 係 の 構 築 を 含 め た 中 心 市 街 地 活 性 化 を 進 め る 計 画 や 事 業 の ア イ デ ア が 求 め ら れ て い る 。 そ う し た ア イ デ ア を コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と し て 実 現 さ せ よ う と 、 民 間 の 事 業 者 や 青 年 会

12 石 田 ( 2007)

(20)

14 議 所 な ど で 議 論 さ れ る よ う に な っ た13

第 三 に 、市 民 の 自 発 性 や 自 律 性 の 向 上 に よ り 、NPO 法 人 や 市 民 活 動 団 体 を 中 心 に し た「 市 民 セ ク タ ー 」 が 、 さ ま ざ ま な 社 会 問 題 を 解 決 す る 担 い 手 と し て 期 待 を 寄 せ ら れ て い る 点 で あ る 。「 市 民 セ ク タ ー 」 の ル ー ツ の 1 つ は 、 1970 年 代 に 台 頭 し た 「 市 民 運 動 」 で あ る 。 当 時 は 日 本 の 高 度 経 済 成 長 の 陰 の 部 分 で あ る 4 大 公 害 病 の 衝 撃 が 社 会 に 大 き な 影 響 を 与 え 、 市 民 が 環 境 へ の 関 心 が 高 ま り 始 め た 時 代 で あ る 。 1980 年 代 後 半 か ら 、「 市 民 運 動 」 は 「 市 民 活 動 」 へ 転 換 し 、 環 境 ・ 福 祉 ・ ま ち づ く り 、 地 域 自 治 、 教 育 な ど 多 様 な テ ー マ で 広 が っ て い く 。 1990 年 代 に 入 る と 、 制 度 的 基 盤 や 経 済 的 基 盤 の 強 化 が 大 き く 認 識 さ れ 、「 市 民 セ ク タ ー 」 の 役 割 が 一 層 重 視 さ れ る よ う に な っ て き た 。 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス は 、 何 ら か の 共 通 す る 課 題 に つ な が っ た 個 々 人 の 、 自 発 性 や 自 律 性 、 自 立 性 を 発 揮 で き る よ う な 場 を 提 供 す る こ と が 可 能 で あ る 。 こ の こ と か ら 、 社 会 的 な イ ノ ベ ー シ ョ ン を 進 め る と い う 重 要 な 役 割 を 担 う こ と が 期 待 さ れ て い る14

第 四 に 、 少 子 高 齢 化 に よ る コ ミ ュ ニ テ ィ の 脆 弱 化 が あ げ ら れ る 。 現 在 、 日 本 で は 都 市 ・ 地 方 に 関 わ ら ず コ ミ ュ ニ テ ィ の 崩 壊 現 象 が 広 範 に 現 れ て い る 。 全 体 と し て 進 む 少 子 高 齢 化 に 伴 い 、 福 祉 の 充 実 、 子 育 て と 仕 事 の 両 立 な ど 、 地 域 生 活 に お け る 諸 問 題 が 積 み 重 な っ て き て い る15。 経 済 的 効 率 性 優 先 の 社 会 で は な く 、 地 域 で 生 活 す る 人 た ち が 安 心 し て 生 き 生 き と 暮 ら せ る よ う な 個 性 豊 か な 地 域 社 会 を 作 る こ と が 求 め ら れ て い る 。 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス は 社 会 的 排 除 の 克 服 、 社 会 格 差 の 減 少 か ら 、 地 域 再 生 に 取 り 組 み こ と を 意 味 し て い る 。

3. 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス と し て 行 う 事 例 3.1 ド イ ツ に お け る 地 域 住 民 に よ る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業

ド イ ツ に お け る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 利 活 用 は 大 体 1980 年 代 か ら 始 ま っ て い る 。 1986 年 に 起 き た チ ェ ル ノ ブ イ リ 原 発 事 故 後 、重 大 事 故 の 危 険 か ら 回 避 す る た め 、脱 原 発 政 策 は 、 1988 年 に 誕 生 し た シ ュ レ ー ダ ー 政 権 時 代 に お け る 社 会 民 主 党 と 緑 の 党 の 連 立 協 定 の 協 約 項 目 に 入 っ て い た 。 そ の 結 果 、 反 原 発 意 志 を 持 っ て い る 市 民 や 地 域 住 民 な ど も 含 む 多 様 な 主 体 に よ る 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 導 入 の 取 り 組 み を 進 ま せ た 。 ド イ ツ に お け る 電 気 の 生 産 と

13 吉 田 ( 2004)

14 中 村 ( 1997)

15 小 林 ( 2006) p.3

(21)

15

販 売 は 、 経 済 成 長 と 技 術 進 歩 の 中 で 、 原 子 力 発 電 所 を 含 む 大 型 発 電 所 を 所 有 す る 大 手 電 気 事 業 者 へ 集 中 し て き た が 、1990 年 代 半 ば か ら 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー の 利 用 が 地 球 温 暖 化 防 止 に 位 置 付 け ら れ た 。

そ し て 、2000 年 に 制 定 さ れ た「 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 法 」に よ り 、小 規 模 事 業 者 が 参 入 で き る 条 件 が 整 備 さ れ 、 ド イ ツ で は 地 域 住 民 を 中 心 と し た 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 が 急 増 し て き た 。 電 気 事 業 の 担 い 手 は 大 手 企 業 か ら 個 人 や 地 域 の 組 織 へ 取 り 戻 す 動 き が 急 速 に 展 開 し て い る 。 例 え ば 、 シ ェ ー ナ ウ ( Schoenau) 在 住 の 一 人 の 医 師 を リ ー ダ ー と す る フ ェ ア ア イ ン 「 原 発 の な い 未 来 の た め の 親 た ち の 会 」 が 、 市 民 電 力 会 社 を 設 立 し 、 ド イ ツ 全 国 か ら 寄 付 金 と 出 資 金 を 募 り 、 地 域 の 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー で 発 電 し た 電 力 を 全 国 へ 売 る よ う に な っ て い る 事 例 が あ る16

ま た ド イ ツ で は 、 エ ネ ル ギ ー 協 同 組 合 と い う も の が あ る 。 そ の 設 立 数 は 「 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 法 」 の 導 入 に 伴 っ て 、 年 々 着 実 に 増 加 し 、 2006 年 か ら 2011 年 ま で の 6 年 間 の 累 計 で 439 組 合 に 上 っ て い る17。 DGRV( 2012) に よ れ ば 、「 エ ネ ル ギ ー 協 同 組 合 は 2012 年 春 現 在 で 、 太 陽 光 発 電 に よ る 発 電 量 は 年 間 29 万 MWh で あ り 、 2011 年 の ド イ ツ に お け る 太 陽 光 発 電 電 量 19340GWh の 1.5% に あ た る 」。

ド イ ツ の 事 例 を 見 て い く と 、 様 々 な 人 々 や 組 織 が 地 域 の 中 で 地 域 の コ ミ ュ ニ テ ィ の た め に 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー 事 業 を 展 開 し て い る こ と が 分 か る 。 任 意 団 体 も あ れ ば 法 人 格 を 与 え ら れ た 非 営 利 組 織 も あ る し 、 株 式 会 社 や 有 限 会 社 あ る い は 協 同 組 合 も そ の よ う な 事 業 に 携 わ っ て い る 。 地 域 住 民 が 自 ら 地 域 の 課 題 を 取 り 上 げ 、 ビ ジ ネ ス の 手 段 を 通 じ て 解 決 し よ う と い う と こ ろ は 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ ビ ジ ネ ス の 手 法 と 類 似 し て い る 。 こ れ ら の 取 組 み は 、 地 域 住 民 の 意 識 を 強 く 反 映 す る た め 、 事 業 に よ る 収 益 を 地 域 が 抱 え て い る 課 題 に 有 効 に 使 わ れ る 。 例 え ば 、 農 山 村 の 経 済 空 洞 化 は ヨ ー ロ ッ パ 諸 国 が 抱 え て い る 1 つ の 重 要 な 課 題 で あ る 。 グ ロ ー バ ル 化 の 進 展 の 中 で 、 農 業 生 産 の 振 興 、 農 地 流 動 化 を 伴 う 経 営 規 模 の 拡 大 を 行 っ て い る 。 と こ ろ が 、 ア メ リ カ や カ ナ ダ な ど の 農 業 大 国 と 比 べ る と 、 農 業 の 経 営 面 積 が 狭 い ヨ ー ロ ッ パ 諸 国 は 生 産 性 と 競 争 力 が 低 い 。 海 外 か ら 大 量 な 農 産 物 が 市 場 に 過 剰 に 供 給 さ れ る た め 価 格 が 低 下 し 、 小 規 模 の 農 家 に と っ て 経 営 の 継 続 は 楽 で は な い 。 農 業 保 護 政 策 や 農 家 へ の 直 接 所 得 補 助 な ど 、 政 府 の 支 援 に よ っ て 所 得 格 差 を 是 正 す る と い っ て も 十 分 で は

16 石 田 ( 2008) p.22

17 石 田 ( 2013) p.68

参照

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