• 検索結果がありません。

ドイツ求職者基礎保障法(社会法典二編)の動向

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "ドイツ求職者基礎保障法(社会法典二編)の動向"

Copied!
33
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ドイツ求職者基礎保障法(社会法典二編)の動向

著者名(日) 上田 真理

雑誌名 東洋法学

巻 55

号 3

ページ 1‑32

発行年 2012‑03

URL http://id.nii.ac.jp/1060/00000848/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

目次はじめに  非正規雇用者の貧困の課題  労働市場改革の背景:中高年失業から雇用への「移行」  失業手当Ⅱを受ける労働者 職業生活後の生活保障おわりに

はじめに

  わが国では非正規雇用者の貧困が深刻な問題になっているが、ドイツでも一九九〇年代から非正規雇用が拡大し

てきただけではな

く、近年には低賃金労働も議論されてい

る。以下では、ドイツ求職者基礎保障法(社会法典二編) 2

《論   説》

ドイツ求職者基礎保障法(社会法典二編)の動向

上   田    真   理

(3)

が適用されている労働者を検討対象とし、その特徴を明らかにする。社会法典二編施行(二〇〇五年)から七年経

過した現状を確認し、わが国への示唆を得ることにしたい。

Ⅰ  非正規雇用者の貧困の課題

  わが国では二〇〇八年後半に「派遣切り」「非正規切り」によって、雇用を失った多くの労働者が失業時の生活

を保障する雇用保険の被保険者になっておらず、労働者として被用者保険の機能が果たされていないことが明らか

になった。こうした事態を受けて、雇用保険法は改正され(二〇一〇年四月)、さらに雇用保険法と生活保護法だけ

では失業による生活困窮を克服することができないことから、二〇一一年一〇月一日から求職者支援法が施行され

ている。ドイツの分析に先立ち、日本の現状を確認し、特徴を明確にしておきたい。

  日本では、第一に、若者の非正規雇用化により、労働者の最低生活の保障が課題になっている。非正規雇用者に

対して雇用保険法は適用を拡大しているにもかかわらず、任意保険化し、被用者保険の機能が果たされていな

い。 3

生活保護法も適用されていないため、勤労者世帯の貧困率が高

い。 4

  第二に、雇用保険を受けている失業者の貧困率も低くはな

い。低賃金の労働者は支給される水準も低いことだけ 5

ではなく、定年退職者以外は雇用保険法が生活を保障する機能を十分に果たさないことによ

る。加えて、自己都合 6

により退職すると、退職後すぐに失業手当を受給することができない。雇用保険法の給付制限により(三三条)、

失業認定日自体が三カ月程度後になり、その間「失業」と認定されない。

  第三に、三〇歳以上の労働者がひとたび失業すれば、長期化する傾向があ

る。 7)

  勤労者の生活は、主として雇用につくことで確保されるのに対し、雇用の一時・継続的喪失に雇用保険・被用者

2

(4)

保険法の社会保障法が担うことが想定されているため、従来、労働者の生活保障は大きな課題にならなかったが、

わが国の非正規雇用者は、二つの貧困に直面している。一つは、低賃金による貧困であり、二つは、失業による貧

困である。短期間の有期雇用により失業しやすいが、基本手当や傷病手当金の受給資格がないことが多い。いった

ん退職や病気により雇用を喪失すれば、雇用保険・被用者医療(傷病手当金)も障害年金も保障されないため、労

働者が一時的・継続的に雇用を喪失した場合の労働者に対する所得保障が欠けていること、しかも加えて、短期雇

用の非正規雇用者は職業教育の機会に乏しく、失業期間も長期化する可能性があることから、深刻である。

  わが国の労働者が直面している貧困は、一九九〇年代以降、正規雇用を縮小させる過程で、それに代替して拡大

した非正規雇用が不安定・低賃金であること、被用者保険・雇用保険法の適用から除外されていることが特徴に

なっている。失業・傷病時の所得保障制度は住民保険にはないため、非正規労働者は雇用を失うと、単身者は家族

扶養もなく、被用者保険法からも排除され、貧困に陥る。わが国ではすべての市民・住民を普遍的にカバーする皆

保険・皆年金制度の構築を強調してきたが、すでに市民のほぼ九

割を占める雇用者に対し、仕事の一時的又は継続 8

的に喪失時の従前所得保障が普遍的にカバーされていないのが現状である。二〇〇八年の経済危機は、労働者に

とって雇用保険・被用者保険法がいかに重要であるのかを明らかにした。

  ドイツでも、働く貧困層の問題が広まってい

る。しかし、被用者保険には、一部の短時間労働者(ミニジョブ) 9

を除き非正規雇用者もほぼすべてが加入していることはわが国との大きな相違点である。社会保険に加入している

短時間労働者は、一九九八年には二六・八%だったが、約一〇年後には三三・六%に増加しており、社会保険加入

労働者の三割が短時間労働者であ

る。 10

  単身の非正規雇用者が賃金だけで最低生活が確保できない状態になることもあり、それに対しては租税で最低生

3

(5)

活を保障する失業手当Ⅱがカバーしている。

  さらに、雇用保険を受給する失業者はどうであろうか。日本では、正規雇用に代替する非正規雇用を、自立する

課題を抱えている若者にも拡張してきたのと異なり、ドイツでは、二〇〇〇年以降の労働市場改革による「失業か

ら雇用への移行」政策・移行過程の中心におかれていたのは中高年失業者であった。一九九〇年代前半頃までは、

失業と年金は、労働市場の過剰な負担を避けるという同一の目的のために、一人の中高年労働者にとっては持続す

る要保障事故であった。雇用保険と年金は、緊張関係をもちながらも、長い期間保険に加入してきた中高年労働者

が労働市場から退出する際に、まず失業者として雇用保険の給付を受け、引き続き年金を受給するというように、

早期退職時の所得保障であっ

た。早期退職・早期年金生活を開始する中高年齢失業者が標準であったため、失業は 11

長い職業生活の後にやってくる年金生活に入る前に労働者が経験する事態であり、しかも失業者は雇用保険法の失

業手当を受けた後に、受給期間に定めがない失業扶助を受給することができた。

  そして、非求職者についてはフルタイム就労が可能なほど健康ではない労働者は障害年金(

Erwerbsminderungs­

renten

)も受給してき

た。障害年金受給者の九三%は六〇歳に達していないことか 12

Beschäft ­

ら、労働者の雇用能力( 13

igungsfähigkeit

)を高める措置が必要であるという見解もあっ

た。 14

  そうしたなかで、ドイツでは、失業者として所得保障をするのに代えて、「求職者」を、短時間労働・有期雇

用・派遣労働といった非正規雇用から、正規雇用へ移行するように支援することが課題になってい

く。 15

  失業者や障害者に所得を保障することだけではなく、むしろ雇用を拡大することが、人件費の抑制により国際競

争力をつけることや社会保障の支出の抑制にかなったものであり、改革が必要であるとされ、新自由主義的な考え

のもとで、労働による自己責任を掲げて転換したと解されてい

る。このことにより、中高年、外国人、女性、若 16

4

(6)

者、職業教育を受けていない人は労働市場で不利な立場に立ち、長期失業者になるか、短期雇用、積極的訓練の措

置参加、失業などを断続的に繰り返す労働者が増えてき

た。 17

  以下では、こうしたドイツの「失業」に対する保障からの転換の背景を確認する。

Ⅱ  労働市場改革の背景:中高年失業から雇用への「移行」

1   労働市場改革の意図

  (1)中高年失業者をめぐる改革:方向の転換

  一九八〇年代には、CDUのみならずSPDも、中高年失業者の労働市場への再統合が容易ではないことから雇

用保険の基本手当に該当する失業手当Ⅰの受給期間の長期化には反対していなかっ

た。これに対して、労働市場改 18

革で失業手当Ⅰの受給期間を五〇歳に達するまでは最長一年に短縮され(二〇〇四年)、さらに二〇〇七年年金調整

法(

RV ­Altersgrenzenanpassungsgesetz v.20.April 2007 BGBl.

Ⅰ , 554

)で標準の老齢年金開始年齢を六五歳から六七歳

にあげ、職業生活の延長が決定されていく。こうした受給期間の短縮に関する議論は、政府からすれば、中高年労

働者を早期年金者へ移行させようとする企業との戦いだ、とい

う。連邦政府は中高年労働者を早期年金へ移行させ 19

るのを阻止し、むしろ事業主に雇用の継続を求め、老齢年金受給開始前の労働者に対する雇用責任を負わせるか、

あるいは国家が所得保障責任を負うのか、「事業主と戦う」というわけである。

  二〇〇三年には失業者が四〇〇万人を超え、「アジェンダ二〇一〇」として労働法、社会法典の変更がなされて

いく。ドイツの非正規雇用の拡大は、労働者の核の正規雇用自体を縮小するのではなく、むしろ失業者「周辺に」

非正規雇用を拡大したものである。ドイツの非正規雇用の拡大について簡単にみておくと、非正規雇用には、派遣

5

(7)

労働、短時間労働、有期労働があげられる。

  二〇〇二年にハルツ第一部法により労働者派遣法が変更され、派遣労働者と派遣先の労働者との均等待遇原則が

導入される一方で、派遣可能期間の上限規制及び派遣期間と労働契約の期間の一致の禁止が撤廃された。

  さらに、短時間労働は、「パートタイム労働・有期労働契約法」によれば所定労働時間が短いが期間の定めのな

い労働契約を締結しており、フルタイム労働者とパートタイマーの均等待遇も実現している。他方で、僅少労働と

呼ばれる就業、すなわち月収が四〇〇ユーロ以下の就労者、または年間の就労期間が二カ月以下又は五〇労働日以

下の就労(社会法典四編八条)は、社会保険が適用されない就労であり、二〇〇三年ハルツ第二部法は、その社会

保険の適用除外就労の範囲を拡大している。

  パートタイム労働・有期労働契約法では、労働契約の期間設定には「客観的理由」が必要である(一四条一項一

文)。ただし、五二歳以上で、四ヶ月の失業又はそれに類する状況にいる中高年労働者は、例外になっている(一四

条三項)。

  そして、失業扶助は、雇用保険法の失業手当の支給期間満了後も期間に制約がなく受給できたが、二〇〇四年

一二月に廃止され、租税による最低生活保障機能を果たす社会法典二編が二〇〇五年一月に施行された。社会法典

二編は求職者に低賃金雇用につくことを受忍することを要請している(一〇条)。当初、連邦議会では、基準とな

る協約賃金が支払われない等の場合には、当該労働は期待不可能とする旨の規律を導入することが提案された

が、 20

連邦参議院はこれに同意せず、調停委員会でも就労の「期待可能性」を最低賃金から切り離した。社会法典二編に

よる「期待可能性」基準が最低賃金を規律するものではなく、受給者は低賃金セクターでの就業を受け入れること

が要請され

る。その結果として、低賃金を失業手当Ⅱという租税による公的扶助で補完することが重要な課題に 21

6

(8)

なってい

く(後述)。 22

  他方で、従来、失業者が労働行政に届け出をしないで就労する「違法な就業」、ヤミ労働(

Schwarzarbeit

)をす

ることは、失業扶助、公的扶助の受給者のもう一つの問題であった。そこで、連邦政府は、二〇〇〇年一〇月四日

に「ヤミ労働」の克

服にのりだし、二〇〇二年にはヤミ労働の克服法案がだされ 23

る。 24

  加えて、失業を理由とする生活保護受給者が増加し、かつての社会扶助主体の財政負担が多くなってい

た。そこ 25

で、連邦・自治体の負担も軽減したい、との意図から、失業扶助や社会扶助の受給者を「失業者」というよりは、

就労が期待される「求職者」として位置付け直し、社会法典二編が二〇〇五年から施行されたわけである。

  (2)中高年「失業」という要保障事故

  一九九〇年代後半までの特徴は、多くの早期退職者を、あくまでも労働者としての地位を維持しながら被用者保

険各法でカバーしてきたことにある。早期退職・早期年金は年金開始年齢前の中高年労働者の失業問題でもあ

る。 26

雇用保険だけではなく年金保険も中高年失業に対応してきたが、早期退職には批判が強まり、生涯の職業生活時間

を延長することが不可欠であると指摘されてき

た。九〇年代後半以降から、雇用保険と年金の改革が早期年金の傾 27

向をゆっくりと弱めてきた

が、失業者や障害者を社会保険加入の義務がある就労者に移行させるには大きな転換が 28

必要であると考えられ

た。 29

  こうした転換の背景には、ドイツにおける失業の要保障事故の捉え方の二つの特徴がある。一つに、失業は、年

金の要保障事故である老齢・「障害」と連続する生活状況として捉えられている。具体的には、雇用関係を終了し

た失業者に失業手当Ⅰが支給され、引き続き失業扶助が支給期間に制約がなく、年金開始まで支給されてきた。失

業者に雇用保険法により失業扶助が果たす役割は大きかった。失業手当も失業扶助も雇用保険に加入する労働者の

7

(9)

「失業」に対する従前所得保障である。また、健康上の制約のためにフルタイム労働が困難な失業者は再び雇用に

つくことが困難であるために、労働市場による事情から就労が困難であることを「障害」としてとらえられ、「障

害」年金を受ける資格を有している。

  二つに、失業は賃金を補償する所得を必要とする状態だけではなく、失業者が雇用関係を終了することにより被

用者として将来の要保障事故(病気・障害・高齢)に備える可能性・能力をも失う状態であると捉えられている。

  「失

業」時には、継続的に所得保障がなされると同時に、失業労働者は病気・老齢という要保障事故に対して医

療保険・年金についても保障されている。失業扶助の財政責任は、連邦が租税でおこなうのに加えて、失業者に対

する医療保険や年金保険の保険料負担は連邦雇用庁が負う。ドイツでは、社会保険が相互に財政面の負担をする仕

組みは、失業者に対しては一九七八年七月からのものである(

BGBl. 1977 1,1 040u. 1744

)。失業手当Ⅰの受給者に対し

ては現在もなお連邦雇用庁が、他方の失業扶助受給者に対しては二〇〇四年まで連邦が引き受けてき

た。失業者の 30

老齢への備えを失業者だけに負わさず、むしろ連邦や連邦雇用庁が労働者の従前賃金に相応する保険料を負担して

きたことは、後の高齢期における貧困回避の一つの方法と考えられる(Ⅳ2(3)参照)。

  失業という要保障事故を、ドイツでは早期退職と関連させて広く捉えてきた。それは、まさに長く働いてきた労

働者に失業から退職への移行を労働者の従前生活を基準に保障することは「連帯の要」であると解されているから

であ

る。 31

  失業又は高齢により就業関係を喪失すれば、医療・障害が将来に生じる場合に給付を受ける、労働者としての権

利もまた喪失してしまう。それを回避するため、失業者又は退職・高齢による年金生活者にとって、病気・障害に

備えて保険に加入し続けることも保障の内容として考えられている。

8

(10)

2   社会法典二編の適用対象の特徴

  (1)失業の補償事故の変容

  社会法典二編による失業手当Ⅱ受給者をみれば、比較的若い受給者に次のような特徴がある。一つは、失業の補

償事故の変容であり、二つは、働く貧困層の増加である。まず、失業の補償事故の変容をみていこう。従来、長期

の安定した雇用についてきた中高年の早期退職を、失業として捉え、雇用保険だけではなく、年金保険もまた当初

想定された高齢・障害以外に、老齢年金の早期支給を行

い、「失業に関する保障システム」が機能してきた。しか 32

し、中高年だけではなく、若い労働者が多く従事している派遣労働者に失業率が高くなっている。失業手当Ⅱ受給

者の約五分の一が派遣労働者になってい

る。派遣労働者は、失業手当Ⅱから労働市場へ統合されるとしても、雇用 33

関係の過半数はその成立から三カ月もたてば終了する。連邦雇用庁によれば、二〇一〇年に新たに成立した労働者

派遣は一一一万二六〇〇人であるが、終了したのも一〇九万一〇〇〇人にのぼる。そして、前職の雇用関係が三カ

月以上続いたのは四三%であり、過半数は雇用期間が三カ月未満しかない。派遣労働は失業率が他の雇用形態より

い。 34

  さらに、新しい雇用形態である有期雇用・派遣に比較的若い労働者が多く(図表1)、しかも同一世帯内に就業

者がいない場合に、失業手当Ⅱを必要とする可能性が高い(図表2、3)。この新たな現象については次章でとりあ

げる。  (

2)「求職者」の特徴:長期失業者、健康上の制約をかかえる「失業者」(傷病・障害者)

  社会法典二編が適用される求職者に、健康上の問題を抱える失業者があげられる。フルタイム就労ができるほど

健康状態は良くない労働者が雇用関係を喪失した場合に、「失業」者とみるのか、「障害」年金受給者として扱うの

9

(11)

図表 2  就業形態別の世帯就労状況(2008年)

(%)

世帯員の就労状況 標準労

働者

非典型 雇用全 体

パート

タイム ミニ

ジョブ 有期

雇用 派遣

就業者が他にいない 非典型雇用者が他にいる 標準労働者が他にいる その他

40.3 13.4 41.1 5.2

35.3 9.4 48.4 6.9

27.6 6.6 56.9 8.9

33.9 9.9 49.9 6.3

48.0 13.4 35.1 3.6

45.6 12.6 40.0 1.8 出典:Wingerter,Der Wandel der Erwerbsformen und seine Bedeutung für die

Einkommenssituation Erwerbstätiger, Statistisches Bundesamt(Hg.), Wirtschaft und Statistik 11/2009, S. 1092.

図表 1  就業者の雇用形態・年齢別の割合(2009年)

(%)

自営 従属労働

全体 従業員無し

標準労働 関係

非典型雇用

全体 有期 短時間 ミニジョブ 派遣

全体 女性 男性

11.0 7.5 13.9

6.1 4.9 7.0

66.0 56.7 73.9

22.2 34.4 12.0

7.9 8.7 7.2

14.1 26.8  3.4

7.4 12.6 3.0

1.8 1.2 2.3 年齢

 15­25  25­35  35­45  45­55  55­65

59.9 68.1 65.7 67.1 64.3

37.3 24.3 21.7 19.7 19.8

26.9

13.0 6.1 4.6 3.7

9.6

10.9 15.6 14.7 15.8

8.0

6.3 7.4 7.2 9.1

6.1

2.3 1.4 1.3 0.9 職業教育を

 受けていない  受けている 高校卒業 不明

54.3 68.3 66.8 64.1

35.9 22.8 14.6 21.8

12.4 7.1 7.4 8.2

23.9

15.1 7.6 13.3

16.6

7.7 2.5 7.0

2.7 2.1 0.7 / 出典:Statistisches Bundesamt,Atypische Beschäftigung.

10

(12)

かは、国際的な課題になっている。ドイツの議論から明らかになっているのは、

一つに、「失業者」であれ「障害者」であれ、労働者に対して所得保障をするこ

とは前提になっている。問題は、雇用の一時的な喪失(「失業」)と、持続的な喪

失(「障害」)を区別する基準である。この基準自体は国によって異なり、「障害

者」として年金の対象に移行すると、失業率は下がるが、「失業を隠す」ことを

許すのかが問題の二つめである。ドイツでは「失業を隠さない」厳しいルールが

設けられてい

る。社会法典二編は、健康上の問題を抱える失業者を含む多様な人 35

に適用され、稼働年齢の新たな所得保障として「一つの器」(

Sammelbeck

en

36

になっている。求職者・失業者に対して雇用保険の機能を補完するという性格だ

けではない。非求職者として非労働力化しないように、「求職者」として捉えて

いる。稼得不能者(

Erwerbsunfähigen

)とされない限り、失業者として捉える関

係にあ

る。失業か、「障害又は病気」かについて、日本ではどちらも認定しない 37

結果、就職の困難や健康上の制約により求職活動がうまくいかないまま、失業労

働者が所得保障をうけずに非求職者となっているのではないだろうか。

Ⅲ  失業手当Ⅱを受ける労働者

1   非正規雇用者の二つの貧困

  (1)低賃金

図表 3  就業形態及び世帯類型別の貧困に陥る可能性がある就業者の割合(%)

世帯類型 標準労働

関係 パート

タイム ミニジョ

ブ 有期雇用 派遣

単身世帯 単親世帯 子がいない夫婦 子が一人いる夫婦 子が二人以上の夫婦

3.0 13.5 1.4 3.1 6.6

48.7 42.6 9.6 8.6 8.6

57.8 53.5 16.6 14.7 14.1

23.4 42.0 9.5 15.6 18.9

8.6

― 17.1 23.9 出典:図表 2 と同じ

11

(13)

  労働者の貧困について本章ではみていこう。まず、二〇〇九年には、失業手当Ⅱ受給者(四九八万八〇〇〇人)

のうち失業していない受給者は五六・二%を占めていた(二七六万

人)。失業していない失業手当Ⅱ受給者には、病 38

気のため一時的に労働ができない、積極的労働市場政策措置に参加している、週一五時間以上就労している、子の

養育などにより就労が制約されている(社会法典二編一〇条)ことにより失業登録者でないものがいる一方で、低

賃金労働者がしだいに増加してい

る。働く貧困層を雇用形態別にみれば、非正規雇用のミニジョブや派遣労働者に 39

多い。その原因の一つは時給が低いこと、二つに労働時間の短いミニジョブが多いことにあり、旧西ドイツでは失

業手当Ⅱを受給している労働者の三割が時給五ユーロ未満であるという研究があ

る。連邦雇用庁によれば、 40

二〇一一年に派遣労働者の一割がパート労働者であるが、大部分はフルタイムの労働者であり、社会保険の加入義

務のある雇用についてい

る。短時間労働であるために貧困の可能性が大きいわけではなく、時給が極めて低いこと 41

による。

  しかし、低賃金労働者が常に失業手当Ⅱを受給するわけではな

い。低賃金でも、同一世帯にいる配偶者が標準労 42

働関係にあれば、要保護性は生じないからである。

  産業別にみた失業手当Ⅱ受給者については、非正規雇用のなかで被用者保険に加入していないミニジョブと社会

保険加入義務のある労働にわけて、ワーキング・プアの割合を示している研究を紹介しておこう。失業手当Ⅱを受

給する就業者は平均以上の高い割合がサービス業にみられ

る。サービス業では、社会保険加入義務のある人の三・ 43

一%、僅少労働の一四・五%が失業手当Ⅱを受給している。受給の割合が高いのは、派遣(保険加入の八・六%、

僅少労働の一九・九%)、飲食業(八・〇%、二二・二%)である。低賃金労働は二〇〇〇年頃から拡大し、この間従

属労働者の二割がそれに該当している。

12

(14)

  別の研究でも、一五歳から二四歳の若者に非正規雇用が多く、とくにミニジョブや派遣では最多グループになっ

ていることが示されてい

る(図表1)。従来、多くの非正規雇用者は雇用で生計を維持できなくとも扶養によって 44

生活が保障されているといわれてきたが、ドイツでも実際には世帯類型をみれば想定されている程ではない。非正

規雇用者の全体でみれば、世帯の三五・三%は同一世帯に就業者がいないか、九・四%は非正規雇用者が世帯内に

もう一人いるにすぎない(図表2)。正規雇用にほぼ該当する標準労働の就業者世帯との相違はそれほど顕著では

い。月収四〇〇ユーロ未満のミニジョブ(僅少労働)従事者も同一世帯に正規雇用者がいるのは半分程度にすぎ 45

ない(四九・九%)。したがって、非正規雇用は平均以上に低賃金に瀕しているだけではなく、この数年間貧困に陥

る可能性が高まってい

る。 46

  (2)短期雇用と失業

  失業手当Ⅱを受給する非正規雇用者は、短期雇用のため失業時に失業手当Ⅰの受給資格がえられないことが多

い。それは派遣労働者に顕著である(図表4)。

  短期の断続的な雇用は、雇用保険法の失業手当の受給資格に必要な保険加入期間(失業前二年間のうち保険加入期

間が一二カ月)を充たさないという不利益が生じる。

  派遣労働者は短期の雇用期間しかないために失業保険の受給資格が得られないか、賃金が低くて失業手当Ⅱを補

完する必要があることによる。労働者派遣に限られないが、失業者は、失業手当Ⅰの受給期間を満了後に失業手当

Ⅱに移行するか、そもそも失業手当Ⅰの受給資格をもたない。第一次労働市場の就業者二六万二〇〇〇人は、離職

後、直接に失業手当Ⅱを受給している。これは前年と比べて一一・五%も割合がふえてい

る。それは、失業する前 47

の雇用形態に原因がある。とくに、ホテル、レストラン部門には雇用保険法の適用除外であるミニジョブ従事者

13

(15)

(月額四〇〇ユーロ未満の仕事)が多い。

2   安定した雇用への移行は可能か

  失業手当Ⅱを受給する労働者の特徴は、不利益が重複していることである(「悪

魔の循

環」)。一つに、低賃金・短期間雇用が一時的ではなく、不安定な雇用から 48

の脱却が困難であり、不利なキャリアが続く。ある研究は、「雇用の不安定さ」

を一年後に就業者が職場を失っている可能性ではかり、派遣労働者が一年後に職

場を喪失している可能性は正規雇用者の三倍である、とい

う。そして、地位の変 49

動(

Statusmobilität

)がなく、固定化し、非正規雇用にスプリングボードとか架

橋機能が期待されたが、経験的にはそれを確認できない、

と。派遣労働がその典 50

型例であり、二〇一〇年後半に働き始めた派遣労働者の約三分の二はそれが初め

ての雇用又は失業後の雇用であり、残りの三分の一は、直近の雇用終了後にすぐ

に派遣についており、その二七%は直近の雇用もまた派遣だった、という。派遣

は標準労働への架橋機能を果たさないだけではなく、「派遣労働キャリア」の出

発になるだけである、

と。全ての就業者の約半分は雇用期間が三カ月未満しかな 51

い。継続的な標準雇用関係への架橋機能を派遣雇用は期待されたが、それは小さ 52

い。 53

  労働市場改革の実施前には、そもそも多様な雇用形態間の移行及び非正規雇用

図表 4  派遣労働者は失業後にどちらの給付を受けているのか(2008年10月から 2009年 9 月)

旧西ドイツ 旧東ドイツ

数 割合(%) 数 割合(%)

雇用保険 239580 73.5 78260 72.0

基礎保障 86160 26.5 30465 28.0

全体 325740 100 108725 100

出典:Adamy,Arbeitsmarktrisiken in der Leiharbeit,Wirtschaftsdienst 2010,S.602

14

(16)

と失業の移行を前提に、その際に不利にならないように保障することが提案されていたが、実際には移行自体が生

じにくく、非正規雇用者の現実はその提案から程遠い、という批判があ

る。雇用形態を変更すること、移行自体が 54

成立しないことが問題なのである、とい

う。 55

  派遣労働者はしばしば短期の就業期間しかないため、正規雇用者が失業時に失業手当Ⅰを受給できる割合と比べ

ると、明らかに失業手当Ⅰを受給する可能性が小さく、そのような失業時の保障がないことは、労働条件が悪くて

も新しい就業を受け入れる圧力を強めることになる。こうした傾向から「雇用形態のレールの不変性(

Pfadabhän ­

gigkeit

)」という特徴があると指摘してい

る。正規雇用への移行は困難であり、非典型雇用の諸形態と失業への移 56

行のほうが、正規雇用へ移るより頻度が高い。

  二つ目の不利益は、非正規雇用者は正規雇用者に比べて事業所での職業訓練も不利益を受けている。このような

訓練機会の不利益は、労働者が自己の経費で参加することで調整できるものではない。収入も不安定であるので継

続教育を自己責任でおこなうことはできないからである。就業の不安定さは研修の場所へのアクセスを困難にす

る。このような不利益が重複することにみれば、非正規雇用と、失業による中断を繰り返す結果、「悪魔の循環」

にひんしている。職業資格付けの制約があれば、それを克服することは困難であり、そして長期にわたり社会的リ

スクを生じさせることにな

る。 57

  三つ目の不利益は、とくに最近採用された就業者の約半分(四六%)は有期雇用であり、労働市場での不安定さ

だけではなく、私的な生活設計の領域にも計画の不安定さが拡大しているとい

う。客観的な不利益(収入や継続教 58

育)があることは、主観的な認識・感覚とともに社会的統合にも影響を与える、と。労働市場への統合が不十分で

あることが、正規雇用に比べて社会に統合されていないと感じる結果とな

る。 59

15

(17)

  以上のように「地位の固定化傾向(

Beharrungstendenzen

)」があり、それにより収入も、ほぼ三分の二の人が四

年間も低所得層にとどまってい

る。失業者が就労できるように弾力性を高めたからと言って、安定した雇用への移 60

行が可能になるわけではないことが明らかになっている。そうした雇用をつくりだした社会国家は、すべての市民

に対する普遍的な権利につき新たな課題をひきうけざるをえない。次に確認しよう。

3 「普遍的な権利」としての最低生活保障

  従来の「失業」時の保障は、中高年労働者の早期退職への対応が主であったのに対して、社会法典二編の施行

後、職業生活の前半にいる相対的に若い労働者が失業しやすい雇用についているという問題が明らかにされた。一

時的に不安定な就労に就くのではなく、安定した、一定の収入のある雇用への「移行」が容易でなく、安定した雇

用への架橋機能を非正規雇用は果たしているとは言えない。しかし、最低生活の保障はすべての市民に実現されて

いることは確認されなければならない。最低生活保障は雇用形態にかかわらず、すべての市民に保障される普遍的

権利である。それを実現することは社会国家の責任である。すでに学説でも、自由権が経済的な自由の条件を見出

させない場合には、人間の尊厳がまもられず、自由権は無内容のままになるため、自由権と自由の条件の格差を埋

めるのは社会国家原理しかない、という重要な指摘がなされてい

る。近年、裁判所も、次のように人間の尊厳に値 61

する生存の必要な最低条件の整備は社会国家の責任であることを強調している。連邦憲法裁判所二〇一〇年二月九

日判

決は、基本法二〇条一項の社会国家原理と結びついて基本法一条一項から生じる人間の尊厳に値する最低生活 62

保障を求める基本的権利は、すべての要保護者に、その身体的生存及び社会的、文化的、政治的な生活への最低限

度の参加に不可欠な実体的な前提条件を確保するものである、という。さらに、最低生活需要には「十分な医療上

16

(18)

の給付(

ausreichende medizinische Versorgung

)」を確保することが含まれることもまた判示されてい

る。 63

  他方で、従属労働に固有の長期保険である被用者年金については、失業手当Ⅱ受給者が就労していなければ被保

険者にはならない。稼働年齢の後の年金生活に移行する際に、再び高齢期の貧困が検討課題になっている。

Ⅳ  職業生活後の生活保障

1   失業手当Ⅱ受給者は高齢期も貧困か

  (1)「高齢期=貧困」の循環の切断

  第二次世界大戦後、社会保険適合法(一九四九年)により年金水準の引き上げの措置がとられたが、当時の年金

水準は低く、約三割の年金者が生活保護を受けざるをえなかっ

た。このような「高齢期=貧困」の循環を切断した 64

のが一九五七年の動態年金の導入であった。中間所得層を公的扶助受給者の対象にしない方法として被用者年金が

機能してき

た。 65

  中高年失業者にとっては失業手当Ⅱ受給者から、低年金のため生活保護(社会法典一二編四章)受給者へ移行す

るだけであれば、結果として連邦の租税による生活保護から脱却できない状態のままである。子のいない単身労働

者が生涯に平均賃金で四五年間、週四〇時間で働いた場合、現在の年金水準だとすれば年金は六二〇ユーロにしか

ならないため、現役世代で生活保護を受給していると、高齢者になっても租税による生活保護(社会法典一二編四

章)にそのまま移る可能性が否定されな

い。職業生活の貧困の問題は、長期的にみればとくに年金保険にもかか 66

わっている。職業生活の前期および中期に不安定な雇用が増加すれば、長期的には、年金額への影響を生じること

にな

る。 67

17

(19)

  現役労働者が低賃金化により、その後の高齢期にも生活保護受給者になるのであれば、多くの市民から「中間所

得層に属し、かつそこに留まる機会」を奪うことにな

る。ただし、ドイツでは日本と違って、正規雇用自体を縮小 68

させてきたわけではないので、比較的安定した雇用により被用者年金期待権を形成している可能性が小さくないこ

とは重要であり、すべての失業手当Ⅱ受給者が職業生活の最終段階に公的扶助に移行するわけではない、と複数の

研究が指摘してい

る。中高年の失業手当Ⅱ受給者のなかには、従前の平均賃金に応じた年金期待権を有しているこ 69

とがある一方で、失業手当Ⅱの受給開始年齢が若ければその分、そして受給期間が長ければ一層、高齢期の貧困の

危険が大きくなるのが新たな問題になる。

  (2)従前所得保障の機能

  ドイツの公的年金にはわが国の基礎年金がなく、被用者年金が、労使の交渉による成果としての「公正な賃金」

を基礎に、従前所得を保障している。年金の支給額は賃金水準に関連しているので、職業生活において賃金だけで

最低生活が困難な就労者の増加自体が問題になる。二〇一一年に開催されたドイツ法曹大会では、最低賃金は、最

低限度の要請としてフルタイムの公正な賃金及び家族の扶養を保障するべきものであること、さらに社会法上の移

転給付の請求を高齢期に不必要とするような金額であることが多数を占め

た。 70

  そこで、被用者に年金保険料を負担させない就労の仕方は、結局のところ、使用者が利益を享受しているので、

二〇〇三年に導入したミニジョブを廃止するべきである、という立場が多くなってい

る。失業手当Ⅱがあるからと 71

いって低賃金労働が拡大しないように、安定した労働関係を基礎にする生活を確保することは、被用者年金からも

要請されてい

る。 72

18

(20)

2   失業手当Ⅱと年金保険

  (1)年金改革による影響をうけやすい労働者

  ドイツ統一による負債、連邦の失業者生活保障の財政難により、連邦政府は、公的年金改革も実施してきた。失

業手当Ⅱ受給者に影響を与える年金改革の動向についてみておきたい。まず、年金の水準の低下である。二〇〇一

年に公的年金を含む複数の柱による年金を形成し、そして二〇〇四年年金持続可能性法(

Rentenversicherungs ­Nach ­

haltigkeisgesetz

)により、一九五七年に導入した従前所得保障機能から離れ

た(六編六八条一項、四項)。これらの 73

改革により、年金の水準は七〇%から、五三%、そして四三%に低下する予定になっている。その分、被用者年金

水準と生活保護が近づいているが、年金額が生活保護水準を下回らないためには平均賃金で二五年間以上の保険加

入が必要にな

る。 74

  さらに、年金水準の低下に加えて、年金法では、二〇〇四年改革で、受給者数と被保険者数との比率によって給

付の伸びを統制する「持続可能性係数」が導入され、二〇〇七年改定で二〇一二年から二九年間かけて、老齢年金

の受給開始年齢を六五歳から六七歳に引き上げることが予定されている(六編三五条二

文)。ドイツ労働者総同盟 75

DGB

)は年金年齢の引き上げに反対してきたが、六七歳までの雇用確保は、どんなに労働市場の状況が良い場合

でも、あるグループにはこの目的は果たされないこと、長い間低賃金労働についている又は職業履歴に穴がある場

合には、六七歳に達するまで「失業している期間」が長くなることによ

る。六七歳に引き上げることにより年金法 76

による損失を受け入れざるを得ないグループは想定されるよりも明らかに多いとさ

れ、年金額よりも低い失業手当 77

Ⅱを受給している場合に問題になる旨が示唆されている。

  (2)職業生活の高齢期所得保障への影響

19

(21)

  こうした年金改革が不利な影響を与える労働者には次のような特徴がある。すなわち、老齢年金受給にはまだ若 いが、健康などの状況から労働市場でのきちんとした(

reell

)労働の機会がないにもかかわらず、だからといって

障害年金を受給するほど健康状態が悪いわけではない、そうした労働者であ

る。「それほど健康ではないが、障害 78

年金を受けるほど制約もない中高年失業者」が年金からみた不利なグループとしているが、これは失業手当Ⅱの受

給者の一つの特徴である(Ⅱ2(2)参照)。

  二〇〇一年年金改革、二〇〇四年改革は、六七歳を「老齢」と定めた。「老齢」が延期されたということは、そ

の分職業生活が延長されること、そして、六七歳までの職業生活の後半に雇用につけない期間も延長される可能性

があることを意味している。失業から年金にスムーズに移行できない求職者にどのように雇用と所得を保障するの

か、いままでになかった問題がなげかけられてい

る。二〇一〇年に、社会保障審議会は、次のような意見をまとめ 79

ている。年金改革による職業生活の延長は、雇用につけないが、年金も失業手当Ⅰも受けられない人、つまり「求

職者」あるいは非求職者をつくりだす可能性を高める。年金受給前の高年齢にこそ、就業の機会が非常に不平等に

しか配分されていないのに、年金の受給開始年齢を引き上げると、老齢年金の開始年齢まで就労できず年金の損失

が生じる人と、職業生活に長い間残れる人の間に、「高齢者世代における二極化(

Polarisierung

)」が生じる、とい

われている。そこから、社会保障審議会は、中高年労働者の「労働状況の明確な改善」が年金引き上げの条件にな

ると指摘してい

る。そして、「労働市場の明確な改善」による年金の引き上げは、六〇歳から六四歳の年齢の少な 80

くとも五〇%が社会保険加入義務のある雇用についた場合にはじめて可能になるというのである。そして、年金の

開始年齢の引き上げが、高齢期の貧困を回避することにも適うには、社会保険加入義務のある雇用につくことであ

り、それが年金法上の期待権を形成することにもなり、支給額を上げる要因にもなるだろうと。

20

(22)

  (3)職業生活の三類型

  二〇〇七年年金調整法により、六五歳から六七歳の年金引き上

げが、二〇一二年から段階的に二〇二九年までに 81

実施される。社会保障審議会は、年金受給開始年齢の六七歳への引き上げが労働者に及ぼす影響を考察し、労働者

グループを区別してい

る。まず、六七歳年金引き上げの影響をうけない労働者をあげている。本稿では「安定した 82

労働者グループ」と呼ぶことにする。一九六四年以降に生まれた人は年金開始年齢が六七歳になるが、例外とし

て、六三歳になれば早期年金を開始できる労働者(重度障害者も例外になる)である。それは、四五年以上の保険加

入期間が、就業又は育児・介護により保険料期間又は考慮期間(

Berücksichtigungszeiten

)により充足している場合

であり、二〇一二年以降でも、減額されない額で(通常は早期の年金は〇・三%月額が減額される。)六五歳からの年

金開始が可能になる。さらに、従来よりも長く就業し、年金額をその分引き上げることができる場合にも「安定し

た労働者グループ」に含まれる。

  次に、いわば「従来型の早期退職者グループ」がある。それは六七歳まで就労できないが、退職時に五八歳以上

であり、雇用保険加入期間が四八カ月以上あれば失業手当Ⅰを二年間受給することができる(三編一二七条二項)。

とくに六五歳に退職し、初めて失業した労働者ならば、六五歳からの二年間(六七歳まで)失業手当Ⅰを受給する

ことができる。六七歳からの年金開始前に失業手当Ⅰを受給できる労働者であり、失業と老齢の要保障事故が連続

している点から「従来型」と本稿では呼ぶことにする。確かに、失業手当Ⅰの支給額は賃金の六割しかないため、

経済的には不利になる。しかし、失業という要保障事故は、賃金の喪失だけではなく、失業により他の要保障事故

である病気・障害・高齢への準備(保険料負担)ができない状況にあることも包含し、年金保険料を失業者本人に

代わり第三者(連邦、連邦雇用庁)が負担してきたので(Ⅱ1(2)参照)、その不利が緩和される。つまり、失業

21

(23)

手当Ⅰの受給期間は連邦雇用庁が失業者の従前賃金に応じた保険料を引きうける責任を負うので、年金の支給額に

実質的には不利な影響が生じない(失業手当Ⅰ受給者は被用者年金の強制被保険者の地位にあり、従前賃金の八割を基準

に算定された保険料を、連邦雇用庁がすべて負担する(六編一六六条一項二号、負担責任について一七〇条一項二b号)。

中高年に生じる要保障事故としての失業の捉え方は、現在の年金制度のなかでも労働者の従前生活保障に寄与して

いることが確認される。

  最後に、いわば「問題グループ」として、六〇歳に達した後に比較的に長く障害年金を受給している労働者、そ

してより明確に問題が生じるのは六五歳になる前に退職し、しかも従前賃金に応じた年金保険料が支払われていな

い労働者である。これはさらに三つのグループに分けられている。

  一つは、自営業者で従業員をもたない、個人事業主型の自営業者(

Solo ­Selbständige

)である。というのも、公的

年金以外の方法で保障を受ける可能性がない人がいるからであ

る。 83

  二つに、かつては就業者で年金に加入していた人が家計に移行している場合、たとえば女性に多くみられるが結

婚、育児で仕事をやめたが十分な扶養がなされない場合には、問題が生じる。とくに、健康上の制約があるとか市

場の閉鎖性により就業可能性が小さい場合には、年金額をあげることが問題になる。

  三つに、すでに失業して、失業手当Ⅰの受給期間満了前に職場を得なかったために、失業手当Ⅱを受給している

場合である。二〇一一年から失業手当Ⅱ受給者には年金保険料が支払われないため問題が生じる。とはいえ、すべ

ての失業手当Ⅱ受給者に高齢期の貧困が生じるのではなく、年金額による、という。

  (4)小括:高齢期の貧困を回避する条件

  以上の年金改革による貧困を回避する職業生活への条件をまとめておこう。一つに、労働市場改革の最後のハル

22

(24)

ツ第四部法は、雇用保険の機能を変化させたが、雇用保険と連続的な労働者生活の保障システムである年金保険か

らも、職業生活の後半における社会保険加入義務の確保が強く要請されている。労働機会の配分は高年齢に不平等

に生じるため、社会保険義務のある就労につけるように社会国家が「労働市場の明確な改善」をすることが、年金

開始年齢を引きあげる条件である、としている。

  二つに、年金改革の影響を受けやすい労働者とそうでない労働者という「格差」が、職業生活に安定した雇用に

従事していたか否かにより生じる。ドイツも働く貧困層が一部に広まっているが、雇用を中心とした労働者の生活

保障を展開してきた蓄積がある。だからこそ、多くの「安定した労働者グループ」や「従来型の早期退職者グルー

プ」に入る労働者に労働法と被用者保険法が機能しているのに対し、「問題グループ」への対応が課題になってい

る。わが国では、「安定した労働者グループ」が一九九〇年代以降、縮小しているのに加えて、早期退職者の高

齢・障害を被用者保険法のなかで捉えてこなかったので、年金改革の影響を受けにくいグループが相当に縮小して

いる。これはドイツとの大きな相違点である。

  三つに、最大の「問題グループ」は失業手当Ⅱ受給者であるが、それでも失業前までは安定した雇用関係につ

き、平均的な賃金を得ていた場合には高齢期の貧困は回避できる可能性が小さくはないことである。

おわりに

  ドイツでは、労働者が、雇用関係に入ることにより、雇用関係の相手方である使用者とともに、雇用関係の中

断・喪失に備えることを、被用者保険各法が労働法と共に整備してきた。しかし、一九九〇年代以降、とくに

二〇〇五年の労働市場改革により、自由化により、非正規雇用の低賃金化・不安定雇用が増加し、有期雇用・労働

23

(25)

者派遣に生活に困窮する労働者が大きな問題になっている。とはいえ、なおわが国と相違するドイツの特徴を見出

すこともできた。わが国でも労働者の最低生活保障の重要性が指摘される

が、ドイツでは最低生活保障は雇用関係 84

にかかわらずすべての市民に対する社会国家の義務であるのは当然である。むしろ、労働者に対する生活保障は最

低生活にとどまるものではないことから、労働市場改革により緩和した非正規雇用から正規雇用への移行が問題に

なる。たとえば、最低生活が失業手当Ⅱをもって確保されることが、賃金交渉の場面では労働者側を不利な立場に

おくとの理由から、ミニジョブの廃止が提言されている。さらには、派遣労働者の協約賃金の修正と、被用者保険

法での対応も連邦労働裁判所二〇一〇年一二月一〇日決

定を受けて、社会保障法の争点にもなっており、労働者の 85

生活保障が労働法及び被用者保険において議論されてい

る。わが国もドイツの議論をもとに労働者の生活保障の位 86

置付けを検討することから始めなければならない。この点については今後の課題としたい。

  以下、本稿で明らかになったドイツの特徴を三点指摘しておきたい。一つに、正規雇用自体がわが国のように縮

小したわけではなく、職業生活において安定した雇用につき、被用者保険による保障の対象である多くの中高年労

働者には、職業生活後の高齢期も年金生活に特段の問題が生じない、と推定されている。他方で、比較的若いうち

に失業手当Ⅱを受給している労働者に社会経済的な不利が重複し、非正規雇用がこのまま長期化すると、戦後断ち

切った年金生活の貧困が将来に新たな問題になる可能性がある。二つに、低賃金労働者及び失業者・求職者に対し

て、最低生活保障を確保することはいかなる状況にあっても社会国家が基本法二〇条一項と一条一項により人間の

尊厳を保障する責任であり、これを社会国家は放棄していないことである。また、社会国家の最低生活保障責任

は、所得だけではなく、健康権の保障、すべての市民が有する療養の給付の請求権が奪われることなく実現するこ

とも含まれることである。すべての市民に人間の尊厳に値する生活を享受する平等な機会を整備することは、社会

24

(26)

国家の責任である、ということが現代の貧困に直面しているなかで強調されているわけである。三つに、最低生活

保障は社会国家の不可欠な義務であるが、労働者には、労使交渉により公正な賃金が保障され、それを基礎にした

生活保障を機能させることが、ドイツの社会法の基本であ

る。この前提にたって、労働者の生活保障の立て直しに 87

むけた議論が開始している。

(1) ドイツの非正規雇用について、Seifert(金井幸子訳)「ドイツにおける非典型雇用――その規模、展開、問題および労働組合

の政策」労働法律旬報一七二三号(二〇一〇年)一六頁以下。

(2) Waltermann, Reformen im Niedriglohnsektor, SGb 2011,S.305ff.. ;Bosch/Weinkopf, Arbeitsverhältnisse im Dienstleistungssek­

tor, WSI­ Mitt. 2011, S .439ff..(3) 上田真理「ドイツ労働者派遣にみる失業保障の課題(一)」東洋法学五四巻二号(二〇一〇年)三九頁以下参照。

(4) 後藤道夫『ワーキングプア原論』(花伝社、二〇一一年)一二〇頁以下。

(5) 後藤道夫、前掲書、一六一頁以下。

(6) 四方理人・駒村康平「中年齢層男性の貧困リスク」JIL六一六号(二〇一一年)五二頁。

(7) 労働力調査によれば、長期失業者は二五歳から三四歳、三五歳から四四歳が最多年齢層である。世帯主の年齢が三〇歳から

五〇歳の無業や長期失業世帯の貧困が指摘されている(後藤道夫「貧困の急拡大と勤労世帯への生活保障の底抜け構造」『総合社

会保障研究』三一号(二〇〇七年)三頁、五頁以下。長期失業者が非労働者化する状況も問題である(玄田有史「二〇〇九年の失

業」JIL五九八号(二〇一〇)一四頁以下。

(8) 労働力調査によると、二〇一〇年の雇用者は五四六三万人と雇用率は八七・三%に達している。

(9) European Working Conditions Observatory, Working poor in Europe­Germany, 2010.

25

(27)

10Weinkopf u.a., Prekäre Beschäftigung, 2009, S.17.) 

11Temming, Für einen Paradigmenwechsel in der Sozialplanrechtsprechung, RdA 2008, 205, 207.) 

12Bäcker, Erwerbsminderungsrente ­ Reformnotwendigkeit und Reformoptionen, WISO, 2011, S. 11.)  13Preis, Alternde Arbeitswelt ­Welche arbeirts­ und sozialrechtlichen sich zur Anpassung der Rechtsstellung und zur Ver­)  besserung der Beschäftigungschancen älterer Arbeitnehmer?,Gutachten B zum 68. Deutschen Juristentag[DJT], 2008, S.B113.(

14Preis, ebenda. ) 

15Hartz u.a., Moderne Dienstleistungen am Arbeitsmarkt. Bericht der Kommission, 2002.) 

16Mohr, Von Welfare to Wokfare?, in:Bothfeld u.a.Hrsg.,Arbeitsmarktpolitik in der sozialen Marktwirtschaft,2009, S.49, 59.) () 17Seifert/Struck,Arbeitsmarkt und Sozialpolitik­Flexibilität benötigt Sicherheiten, in: Seifert/ StruckHrsg.,Arbeitsmarkt und ) ()

Sozialpolitik, 2009, S.53, 63. (

18BT­Drucks.11/435, S.2.)  19Mayer, Die Bezugsdauer von Arbeitslosengeld I für Ältere : auf dem juristischen Prüfstand, Soziale Sicherheit 2007, 434, ) 

S.436.(

20BT­Drucks. 15/1728, S.174.)  21Hänlein,Mindestlöhne nach dem Arbeitnehmerentsendgesetz, in: Knickrehm/RustHrsg., Arbeitsmarktpolitik in der Krise, ) ()

FS für Bieback, 2010, S.185, 201;Peters­Lange, Zumutbarkeit von Arbeit, in: Bieback u.a., Arbeitsmarktpolitik und Sozialrecht,

2011,Zu Ehren von Gagel, S.49, 61; BT­ Drucks.15/1728, S.174.労働市場に参加し、低賃金労働を受け入れることで、「ドイツにも 低賃金セクターをイギリスやアメリカのように展開することに役立つ」(BT­Drucks. 15/1523, S.70)と。

22Adamy, 1.2 Millionen können vom Arbeitseinkommen nicht leben, Soziale Sicherheit 2007,180; Dietz/Müller/ Trappmann, )  Warum Aufstocker trotz Arbeit bedürftig bleiben, IAB­Kurzbericht 2/ 2009; Spellbrink, Arbeitsmarktpolitische Stellschrauben im Sozialrecht aus Sicht der Wirtschaftswissenschaften, in: Knickrehm/Rust(Hrsg.), a.a.O., FS für Bieback, S.163, 170; Waltermann,

26

(28)

Abschied vom Nomalrbeitsverhältnis?, Gutachten B zum 68. Deutschen Juristentag, 2010, S. B16.(

23BT­Drucks. 14/422.) 

24BT­Drucks. 14/8221, S.55.)  25Nai­yi Sun, Das Verhältnis zwischen Sozialversicherung und Sozialhilfe bei der Umstrukuturierung des Sozialstaates, 2005, ) 

S.93ff.(

26Marburger, DerVorruhestand, BB 1996, S.586.)  verfestigt die Arbeitslosigkeit: kalkulierte Arbeitslosigkeit Älterer behindert Aktivierung der Arbeitsmarktpolitik.IAT­Report, 27Schlegel, Übergang vom Erwerbsleben in den Ruhestand, NZA­Beil. 2010, S. 155. Auch vgl.Knuth/Kalina,Vorruhestand) “〟

Nr. 2002­02.(

28Preis, a.a.O.,S.B105.) そこでは、二〇〇七年に老齢年金の受給開始が平均で六二・七歳であり、しだいに年齢があがっていると

指摘されている。

29Eichenhofer, Reform sozialer Sicherheit: Von der Verteilungs­ zur Teilhabegerechtigkeit, in: BlankeHrsg.,Die Reform des ) ()

Sozialstaats zwischen Freiheit und Solidarität, 2007, Eichenhofer, S.1,9,17.(

30Auch BT­Drucks. 17/3900,S.78.) 財政面について、山田誠『ドイツ型福祉国家の発展と変容』(一九九六年、ミネルヴァ書房)

三〇頁。社会法では、「従たるリスク(sekundäres Risiko)」と呼ばれている(上田真理「ドイツ労働者派遣にみる失業保障の課題

(三・完)」東洋法学五五巻二号(二〇一一年)七九頁以下)。

31Eichenhofer, Rente mit 67, DRV 2007, S.327, 336.)  32) リスクの変容を指摘するものとして、土田武史「ドイツ社会保険制度の持続可能性」週刊社会保障二四五五号(二〇〇七年)、

四四頁。

33Koller/Rudolph, Viele Jobs von kurzer Dauer, IAB­Kurzbericht 14/2011, S.6.)  34Bundesagetur für Arbeit, Zeitarbeit in Deutschland, 2011, S.19.) 

27

(29)

35Brussig, Zwischen Erwerbsaustritt und Renteneintritt, DRV 2011, S.143,156;Erlinghagen/Zink, Arbeitslos oder erwerbsun­)  fähig? Unterschiedliche Formen der Nicht­ erwerbstätigkeit in Europa und den USA, KZFSS 66(2008), 370ff.. Vgl. auch OECD,

Sickness, disability and work. Breaking the barriers, 2010.(

36Brussig/Knuth, Die Zukunft der Grundsicherung­ Individualisieren, konzentrieren, intensivieren, 2011,S.11ff.)  37Alt, Sitzungsbericht über die Verhandlungen der Abteilung Arbeits­ und Sozialrecht, DJT 2011,S. M12) は、OECD諸国では この三〇年の間、稼得能力減少の年金(Erwerbsminderungsrente)を主たる収入源とする人の数が増えたこと、雇用政策上うま

くいっていると評価されている諸国、たとえばデンマーク、オランダ、スウェーデンでは失業率は低いが、障害年金受給率が高い

ことを指摘する。

38Bundesagetur für Arbeit, Arbeitsmarkt 2009, S. 23.)  39Bäcker, a.a.O., WISO, 2011,S.19) によれば、二〇〇七年から二〇一〇年までの働いている社会法典二編の受給者数・割合は、順

に二〇〇七年から二三・一%、二六・三%、二六・九%、二〇一〇年には一四〇万四一八八人の就労している受給者がおり、稼働

能力のある要保護者の二八・三%を占めている。

40Dietz/Müller/ Trappmann, ebenda, IAB­Kurzbericht 2/ 2009.Bundesagetur für Ar­) 失業手当Ⅱを受給する就業者について、

beit, Grundsicherung für Arbeitsuchende: Erwerbstätige Arbeitslosengeld

Ⅱ ­Bezieher: Begriff, Messung, Struktur und Entwick­

lung, 2010.(

41Bundesagetur für Arbeit, Zeitarbeit in Deutschland, 2011,S.15.) 二〇一〇年六月では派遣労働者の六四万四〇〇〇人がフルタイ

ムの保険加入者である。

42Bruckmeier/Graf/Rudolph, Erwerbstätige Leistungsbezieher im SGB II: Aufstocker ­ bedürftig trotz Arbeit. IAB­Kurz­) 

bericht Nr. 22,2007; Waltermann,a.a., DJT,S.B73; Lohmann/Andress, Autonomie oder Armut? , WSI­Mitt.2011, S.178ff. (

43Bericht der Statisik der BA, Grundsicherung für Arbeitsuchende, März 2010, S.15.)  44Statistisches Bundesamt, Niedrigeinkommen und Erwerbstätigkeit, 2009, S.10.) 

28

参照

関連したドキュメント

一般社団法人日本自動車機械器具工業会 一般社団法人日本自動車機械工具協会 一般社団法人日本自動車工業会

が成立し、本年七月一日から施行の予定である。労働組合、学者等の強い反対を押し切っての成立であり、多く

三七七明治法典論争期における延期派の軌跡(中川)    セサル所以ナリ   

(1) 会社更生法(平成 14 年法律第 154 号)に基づき更生手続開始の申立がなされている者又は 民事再生法(平成 11 年法律第

  に関する対応要綱について ………8 6 障害者差別解消法施行に伴う北区の相談窓口について ……… 16 7 その他 ………

成果指標 地域生活支援部会を年2回以上開催する 実施場所 百花園宮前ロッヂ・静岡市中央福祉センター. 実施対象..

[r]

﹁空廻り﹂説 以じを集約すれば︑