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第2章 第1節

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Academic year: 2022

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(1)

第4章

講義(2時間)

ケアマネジメントの実践における倫理

介護支援専門員 専門研修課程Ⅰ

株式会社 みずほ

(2)

【修得目標】

①ケアマネジメントを実践する上での介護支援専門員としての倫理 原則について説明できる。<第1節>

②ケアマネジメントプロセスにおいて生じやすい倫理的課題とその 対応における留意点について説明できる。<第2節>

③倫理的葛藤におけるチームアプローチについて説明できる。

<第3節>

(3)

1 節 倫理原則(利用者本位、

自立支援、公平中立等)の再確認

●介護支援専門員が日常業務で直面する倫理的問題に気 づくことができ、自ら考え、時にはチームメンバーの援助を得 て、その問題に適切に対応できる力を養いましょう。

●介護支援専門員が一連のケアマネジメント業務を遂行する

(4)

そもそも・・・

1.「倫理」とは?

2.「職業倫理」とは?

3.「倫理」と「道徳(モラル)」の違い ミニワーク①

10分間、上の3つの設問について考えてみてください!

(5)

1.「倫理」とは?

「倫」:人の輪、つながりのある人間同士=仲間のこと

「理」:考えや物事の道筋のこと

社会を生きる上で、一人一人が正しい行いをする為の考え 方、規範(行動や判断の基準、手本)のこと。道徳(モラル)。

社会の中で、人(社会人、専門職、企業)としてやらなけれ ばならないこと、やってはいけないことを「倫理」と言う。

ルール(規則)を反することは倫理を反することと同様。

(6)

2.「職業倫理」とは?

職業に就いている個人や団体が自ら社会的な役割や責任 を果たすために、職業人としての行動を統制、管理する基 準・規範(基準、手本)のこと。

職能団体が定める「職業倫理」 介護支援専門員の場合 平成19年3月25日に日本介護支援専門員協会が定めた

「倫理綱領」 テキストP136

(7)

3.「倫理」と「道徳(モラル)」の違い

「道徳(モラル)」とは、善悪をわきまえて行動する為に守らなけれ ばならない規範。人の内面的に存在する正しい行動の原理。

広い意味では違いはないが、「倫理」は規則的なニュアンスがある。

身近でいえば、学校や職場でのルールは倫理に当たるが、「道徳」

はその人の心の内面的なルール。「物を盗んではだめ」、「人を傷 つけてはだめ」等言われなくても身についている事柄のこと。

簡単に言うと、倫理というのは、「これは規則で決められているから

やってはいけない」と頭でわかっている状態、道徳とは「これは規

則うんぬんではなく、人としてやってはいけない」と心で分かってい

(8)

介護支援専門員の倫理原則

倫理原則:すべての介護支援専門員に共通に適用される正しい行 いをする為の基本的な決まり・法則

①介護保険法の基本理念(法第2条)

②自立(自律)の意味を理解

③ケアマネジメント過程の倫理(アセスメント、プラン作成、モニタリング等)

④利用者主権(尊重、擁護)

⑤公平性

⑥中立性(所属法人との関係性、利用者と家族の意向の相違)

⑦倫理的自覚(倫理とは・・・再確認)

⑧秘密保持(人員及び運営に関する基準 第23条)

P132~P137

(9)

①介護保険法第2条(基本理念)の再確認

介護保険制度は。保険給付によって利用者の自立を 支援することを目的としています。

介護保険第2条第4項には「被保険者が要介護状態 となった場合においても、可能な限り、その居宅にお いて、その有する能力に応じ自立した日常生活を営む ことが出来るように配慮されなければならない。」と表 現されています。

利用者への自立支援が介護保険制度の目的の一つ

であることを再度確認しておきましょう。

(10)

②自立の意味と介護支援専門員の責任

日本語の「自立」には、自分で行動できる「自立」と自 分で判断・選択・決定し、自分の暮らしをコントロール する「自律」の二つの意味があります。

ケアマネジメントでは「自律」を特に重視しています。

利用者の自律性を尊重し、擁護し、支援することが介

護支援専門員に求められています。

(11)

「自立」とは?

『自立』と『自律』の違いとは?

ミニワーク10分

皆さんも「自立」と「自律」の違いを考えてみましょう。

(12)

③ケアマネジメント課程における倫理

1 )アセスメント

(2)ケアプランの作成

(3)モニタリング

(4)その他

(13)

④利用者主権

ケアマネジメントの過程においては、常に利用者が主人公であること、

その人自身が介護保険サービスやインフォーマルサポートを利用しな がら生活課題をどう解決していくかが最も重要です。

利用者の権利として尊重し、擁護することを利用者主権と呼びます。

高齢者ばかりでなく、障がい者、子供、患者など問題を抱えている当 事者たちが「自分のことは自分が決める」と声を上げる時代になって きました。

自立の意味を掘り下げ、専門性とは何かを問い直し、社会を組み替 える見方、考え方に注目しケアマネジメントプロセスにおいても考慮し ていきましょう。

(14)

⑤ 公平性

・公平に情報を収集し、意見を聞く

・利用者に対しての公平性

・サービス担当者に対しての公平性

(15)

⑥ 中立性

・「利用者がどのような質のサービスを受けたら 自立した生活が送れるのか」を考えること

・利用者の意向を尊重しつつサービス調整を 図る

・利用者・家族との一定の距離感

(16)

⑦介護支援専門員自身の倫理的自覚

・法令順守と倫理の違い

善い働き方、適切な行動

自らの行動・態度を振り返る

(17)

⑧秘密保持(個人情報保護)

利用者は介護支援専門員にだけ秘密を教えてく れることがあります。

それを他の人に漏らした場合、利用者が傷つい たり、不利益をこうむったりすることに結びつきや すく、信頼関係が崩れてしまうこともあります。

(テキスト P 135の Point をチェックしましょう)

(18)

⑨苦情対応

・不平不満のきっかけは何か?

・利用者・家族の反応や思いを真摯に受け 止める

・原因がどこからきているのか考慮し改善に

努める

(19)

⑩介護支援専門員の職業倫理

・介護保険法第 1 条:個人の尊厳

・同第 69 条の 34 :介護支援専門員の義務

「介護支援専門員は、その担当する要介護

者等の人格を尊重し、常に当該要介護者

等の立場に立って」

(20)

車購入費着服認める ケアマネ5200万流用疑惑

「明舞中央病院」(明石市)のケアマネジャーだった職員の男性(61)=懲戒 解雇=が高齢の姉妹の口座から約5200万円を引き出したとされる問題で、

明石署は元職員が購入した住宅や土地の契約書について、姉妹側代理人 弁護士から任意提出を受け捜査に着手した。

病院などによると、元職員は引き出した現金を元に、住宅や土地、中古車を 購入。元職員は神戸新聞社の取材に対し、中古車の購入費として100万円 を引き出したことは姉妹に無断で着服だったことを認めた。

一方で、姉妹宅から約600mの位置に購入した木造2階建ての住宅は「姉 妹の体調が悪くなれば、すぐ駆けつけるため」と自己所有が目的ではないと 説明。しかし、登記や権利書は元職員名義で、姉妹側代理人弁護士による

(21)

車購入費着服認める ケアマネ5200万流用疑惑

明石市西部の約550平方メートルの土地は540万円で購入。姉 妹宅から約6キロ離れていたが、「散歩など姉妹のリハビリの為 だった」と話した。元職員名義だったが、売却し姉妹に返還する資 金に充てたという。

同署は今後、元職員からも事情を聴き、横領にあたるのかなどを 判断するとみられる。

また元職員は報道関係者の取材に「信頼を裏切ってしまったことを 謝りたい」などと姉妹にあてた謝罪文を読み上げた。

(2010年01月06日)

(22)

第2節 倫理的課題の分析

(23)

1.倫理的課題に対する気づき 2.倫理的課題の分析

①医学的対応

②本人の選好

③QOL(生活の質)

④外的要因

3.対立しているものの関係性を整理

例えば、利用者本人と家族の考えの相違

4.判断の答え

答えは、一つだけとは限らない。一度だけとも限らない。

P138~P141

(24)

ミニワーク②

5つの過去問について各2分間考えてみて下さい。

(ミニ個人ワーク)

質問の引用文献:介護支援専門員実務研修受講試験の過去問題から出題

(25)

問題1 援助困難な事例への対応について、より適切なも のはどれか。 3 つ選べ。

(平成23年度 第14回の問題より出題)

1 援助困難な人は、複雑な問題を抱えていることが多いので、専門職だ けで支援することが重要である。

2 援助者の知識・技術の不足が、対応を困難にすることがある。

3 援助を拒否する人には、その人の自己決定権を尊重しつつも、専門職 は働きかけの努力を行う。

4 心理的な問題を抱えているクライエントに対しては、サービスの利用を 勧めるべきではない。

5 家族間の意見の食い違いで援助が困難になっている場合には、専門職

(26)

問題2 相談援助者の職業倫理について、より適切なもの はどれか。 2 つ選べ。

(平成24年度 第15回の問題より出題)

1 クライエントから相談を受けている内容が深刻であったため、その具体 的内容を自分の家族に話し、よいアドバイスを得た。

2 相談場面での情報は、相談の目的に照らし、クライエント本人がその必 要性を納得する限りにおいて集めることができる。

3 利用者宅でサービス担当者会議を行った後、同僚と近隣の喫茶店でケ アプランの変更内容について検討を続けた。

4 利用者の現住所について利用者の親戚を名乗る人から問い合わせが あったので、事業所の判断で情報を提供した。

(27)

問題3 相談援助者の職業倫理について、より適切なも のはどれか。 2 つ選べ。

(平成26年度 第17回の問題より出題)

1 近隣住民から説明を強く求められたため、クライエントの同意を得ない で、近隣住民にクライエントの状況を詳細に話した。

2 クライエントの生活歴に個人的興味があったので、クライエントに詳しく 尋ねた。

3 個人情報の扱いについてクライエントに説明し、了解を得た上で、訪問 介護事業者にクライエントの家族歴、生活歴に関する情報を提供した。

4 相談援助者が守るべき秘密の内容は、クライエントが面接場面で語っ たことだけであり、関連資料から得られるものは含まれない。

5 クライエントが感情的に取り乱したり、怒りを爆発させたりした事実を、ク

(28)

問題4 要介護者

A

さんが、長男

B

さんから「金をよこせ。」などと怒鳴られて いると、訪問介護員から居宅介護支援事業所に連絡があった。

A

さんを担

当することになった介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれ か。

2

つ選べ。 (平成26年度 第17回の問題より出題)

1 まず、近隣の家を

1

1

軒まわり、

A

さんと

B

さんとの関係に関する個人的 情報を収集した。

2 初回面接の冒頭に、「どうして

A

さんを虐待するのですか。」と同席してい る

B

さんに尋ねた。

3 状況把握をする前に、

A

さんをショートステイに避難させた。

A

さん宅を訪問して

A

さんと

B

さんの状況を把握し、事業所に戻って支援 策を検討した。

(29)

問題5 相談援助者の職業倫理について、より適切なもの はどれか。 2 つ選べ。

(平成28年度 第19回の問題より出題)

1 クライエントに対する個人的な興味に基づいて質問するべきではない。

2 事例検討の内容があまりにもつらいものであったため、自宅でその具 体的な内容を家族に話した。

3 クライエントの表情や家族の様子については、守秘義務の範囲ではな い。

4 退職後は、クライエントから相談があったことについて守秘義務はない。

5 職業倫理の違反を予防するためにも、スーパービジョンは有効である。

(30)

第2節 倫理的課題の分析

(31)

第3節 チームにおける倫理的な課題の共有とアプローチ

P143~P145

●各種会議における情報の取り扱いに関して、なぜ利用者の個人情報を 守らなければならないかについて学びましょう。

●サービス計画の検討における公平中立の意義について学びましょう。

●会議の開催者として、情報の取り扱いに関して利用者を擁護できるように なりましょう。

●会議において公平・中立性に配慮した発言ができるようになりましょう。

●倫理的な課題を利用者や家族、チームメンバーと協議できるようになりま しょう。

(32)

第3節 チームにおける倫理的な課題の共有とアプローチ

①会議主催者としての情報の取り扱い

(守秘義務、発言の平等性、価値観や利害についての配慮等)

②利用者の価値観などの背景を把握

(利用者の考え方や生き方の背景を把握し、尊重し擁護する)

③チーム間での利用者の背景や意向などを情報共有

(十把一かげらではなく、個別性を尊重して意向等を共有)

④自己決定の重要性を再確認

(一度原点に立ち返り利用者の自己決定を尊重する)

P143~P145

(33)

⑥サービス計画の検討における公平中立の意義

(ケアマネの好みや所属法人サービスへ意図的誘導はないか)

⑦公平中立なモニタリング

(34)

第4節 成年後見人制度や高齢者虐待防止法など、

高齢者の尊厳や権利擁護に必要な知識・技術

●法や制度を理解した上で、高齢者の尊厳や権利を守る力を 養いましょう。

●成年後見制度の概要を解説できるようになりましょう。

P146~P147

(35)

第4節 成年後見人制度や高齢者虐待防止法など、

高齢者の尊厳や権利擁護に必要な知識・技術

1.成年後見制度

認知症の人ばかりでなく、知的障害・精神障害を持つ人の 中には自分で判断する力が弱い人がいます。これらの

人々が不利益を受ける事がないように、家庭裁判所に申し 立てをして、その人を援助してくれる人を選任してもらう制 度が成年後見制度です。

P146~P147

(36)
(37)
(38)
(39)

Q1:申立ては, どこの家庭裁判所に すればよいのですか?

Q2:誰が,申立てをすることが できるのですか?

(40)

高齢者の尊厳や権利を守るための制度〈2〉

2.高齢者虐待防止法

(高齢者虐待の防止、高齢者の擁護者に対する支援等に関する法律 2006年施行)

≪虐待の 5 種類≫

1)身体的虐待

2)心理的虐待

3)経済的虐待

4)性的虐待

(41)

高齢者虐待防止法

1) 身体的虐待

暴力などによって身体に傷や痛みを与えるもの、行動を制限 するものがあります。

叩く、蹴る、つねる、縛る、意図的に内服薬を過剰に飲ませる などです。

2)心理的虐待

言葉や態度などによって心理的な苦痛を与えるものです。

恥をかかせる、子供のように扱う、怒鳴る、ののしる、悪口を

言うなどがあります。

(42)

高齢者虐待防止法

3)経済的虐待

本人の財産や金銭を加害者が無断で使うこと、本人が使い たい金銭を理由もなく制限することです。必要なお金を渡さ ない、お金を使わせない、本人の預貯金を勝手に使うこと。

4)性的虐待

本人の合意なしで、性的な行為をすること、強要したりする

ことです。

(43)

高齢者虐待防止法

5)ネグレクト

世話や介護を放棄してしまうことです。

空腹状態のまま放置する、脱水状態にあるのに水分を与えない、温 度・湿度など物理的に劣悪な環境に放置しておくことなどです。

(44)

高齢者の尊厳や権利を守るための制度〈2〉

①高齢者虐待の相談・通報件数 令和元年 34,057件 内、虐待と判断された件数 16,928件

②5つの虐待の区分の割合(重複の虐待もある)

身体的虐待67.1% ネグレクト19.6%

心理的虐待39.4% 性的虐待0.3% 経済的虐待17.2%

③家庭内での虐待者:息子40.2% 夫21.3%、娘17.8%

④相談者:介護支援専門員27.5%

警察 27.2% 家族・親族7.9%

(45)

高齢者の尊厳や権利を守るための制度〈2〉

養介護施設従事者等による高齢者虐待

①高齢者虐待の相談・通報件数 令和元年 2,267件

増加傾向

内、虐待と判断された件数 644件

②5つの虐待の区分の割合(重複の虐待もある)

身体的虐待60.1% ネグレクト20.0%

心理的虐待29.2% 性的虐待5.4% 経済的虐待3.9%

(46)

①虐待防止委員会の設置・開催

② 虐待の防止のための指針の整備

③ 虐待の防止のための従業者に対する

研修実施

(47)

専門研修課程Ⅰの第4章ケアマネジメントの実践における 倫理研修、お疲れ様でした。

人の思いや考え方を尊重し、寄り添ってあげることが大切 です。

専門職で考えた視点で最善のつもりで判断し進めていく場 面もあるかと思います。

できる限り利用者本人・家族の思いや考え方に専門職の知 識・技術で肉付けしていくような形で選択肢を増やしてあ げる事が重要です。

納得・満足度の高いケアができれば最高だと私は考えてい

ます。

参照

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