論 説
世 界 経 済 に お け る 三 つ の 地 域 経 済 圏 の 性 格 と 課 題
1‑NAFTA︑EU︑東アジア経済会議(EAEC)を中心にしてー
清 水 嘉 治
97
目次
一︑いま世界経済にとって何が問題なのか︑またどのように対応すべきなのか
6世界景気の主動向iー米国︑EU︑中国そして東アジアーーω世界経済の難問にどのように対応すべきなのか
二︑一九九〇年代前半の世界経済の動向と問題点
日 九八〇年代後半から九〇年代にかけての世界貿易の特徴と問題点
⇔一九九〇年代前半における海外直接投資と貿易の特徴
口世界経済におけるサービス貿易の特徴
四多国籍企業の市場拡大化
三︑世界経済における地域経済圏の性格と課題
e地域主義の台頭
O世界経済におけるNAFTAの性格と課題
ωNAFTA形成の背景
㈹NAFTAの現状と課題
ー米国・カナダ・メキシコの経済的メリットとデメリットーー
ω世界経済におけるEU(欧州連合)市場の新しい局面について
ωEU市場にとって何が問題か
a︑失業問題をどうするか
㈹EU市場の停滞と課題
〜低成長率と貿易額の低ド
㈹EU域内直接投資の増大
傾拡大EU市場の動向
ーオーストリア︑フィンランド︑スウェーデン︑ノルウェーの加盟問題〜
四︑東アジア地域経済圏の性格と課題
↓東アジア成長の構造
D世界経済の中での東アジアの高成長訓東アジア高成長の性格
㈲ 四 口(二)
東アジア相互依存関係の強化
東アジアへの直接投資の問題点
東アジア経済市場圏の軸としての域内投資の増大
東アジア地域経済圏としてのAFTA(アセアン自由貿易地域)
一 ・ い ま 世 界 経 済 に と っ て 何 が 問 題 な の か ︑ ま た ど の よ 噛つ に 対 応 す べ き な の か
e 世 界 景 気 の 主 動 向
11米国︑EU︑中国そして東アジアt
99世 界経 済 に お け る 三つ の地 域 経 済 圏 の 性 格 と課題
最近の世界経済についての論評には︑大ミい.てξの考え方がある︒そのひとつ竺九九四年八月時点で・世界経済の長期不況に対して︑や.と鼻景気の回復に弾みがついたという楽観的評価である・ふたつには・世界経済
は︑︒シア︑東欧︑アフリカ︑中南米︑中東などにおいて︑依然として停滞基調にあり・失業・貧困の亜旛環に直面
し︑世界不況は長期化するという悲観的評価である︒
後者の評価の背景をみると旧社会義国︑途占の地域は政治的に委定であり︑民族的対嘉あり・経済的回復力をもっていないとい,つ認識に基づいている︒この考え方は︑実馨済からみても当然であろう・それは・先進国の
対外経済政策のあり方とも関係している︒ここで︑この問題については︑深入りしないことにする・というのは・世
界経済の動向を把握するに当.て︑世界経済全体の﹁成長﹂が共通に上昇傾向をたどることはありえないからである・世界市場の論理か・りみても︑世界経済は︑ぎサム社会であり︑その中味は︑たえざる不均等発展にあるからで蒙・充九三年の時点の鼻経済の嚢留をみても︑アメリカの裏気回復Lに対して・EUと日本は不況にあり・東アジアは﹁好況﹂に直面したのである︒鼻経済における地域市場圏は不均等に発展する・世界経済を規定する世界
景気も好況.不況(正確には好況︑後退︑不況︑回復という循環)という循環的変動を伴うものである︒
ところで︑先述した世界経済の楽観的視点についての最近の論評をみてみよう︒
冗九四年八月時点を議に︑世界景気は上昇気運にある︒先導役の米国は堅調な拡大を保っており・アジアも中国などニケタ成長が続いている︒欧州も個人響が伸び︑景気回復の芽がでてきた・米国とアジアでは・高成長の副作用としてインフレ圧力が高まり︑ドル安の再燃などから金融資本市場に波乱も生じかねない・それを回避できれば︑世界景気は︑九四年末頃から景気拡大基調をもたらすという見解である︒
}︑.つした見解は︑かなり楽観的である︒にもかかやりず︑日本やEu(欧州連合)などの長期的構造的不況下におい
'
て・世界景気の拡大基調が広がりつつあるとい・つ見解に手放しに組みするわけにはいかないであうつ︒
例えば世界景気の拡大基調の指標を︑米国の景気の拡大に求あている︒その中︑心がn蟄受注高の増大にあり︑G
M・フォード・クライスラあ大手三社が九岸四月から六月期の決算で磐同益を更新した}﹂とをあげ︑その他製造
業等の藷が向上したこと・米国の実質成長率は同期の年率三・七%になり︑金融引き締めの影響で個人消費と住宅
投資には減速傾向がみられるものの︑九四年の成長率は︑年率二左%になるとい・つ︒物価上昇率も前髭︑一.五%
前後になり・企業稼動率は八三%台であり︑賃金も上昇し︑消農男も前年以上に増大し︑景気は安定するとい.つ.
だがドル安で金利上昇を招くと・市場は拡大しないし︑九四年に財政赤字を五〇億ドル減額させ︑九五年に九〇億
ドル減らしたとしても・今世紀中に五〇〇億ドルから二〇〇〇億ドル近く赤字が続く︒}﹂の占描をどのよ.つに削減す
るかが問われる・さらにアメリカの生産力は︑一時的に上昇しても︑製造業の国際競争力をどのよ.つに強化するかが
問われるし・呆との大幅な貿易赤審解消するために︑輸出競争力の担い手である傘の活力をどのよ.つに目パ体的
に進めるかも大きな課題である・それは政治的圧力によ喬本への蟄拡大では努︑市場原理に基づく競争の鵠
で対応すべきであろう︒そうでない限り︑円高・ドル安の基調は続くであろう︒
米国の景気拡大の基調は・先端技術肇におけるソフあ分野︑とくにベンチャ壱ジネスの国際競争力の優位性
にある・この点で呆は薯遅れている︒米国は︑この分野を通じて︑国際競争力を強化し︑輸出力の面で指導権を
発揮すべきであろう︒
世界景気拡大基調の指標としてEuの状況についてみると︑欧州の自動車販売ムロ数が九三年比でみると︑︑禧に
なったこと・ドイツのフォルクスマゲンの対米輸出が︑丁五倍に増加しているΨしとがあげりれている︒独︑仏︑
英の実質成長率が・対前年比・三∴一%上昇し︑葦ぶりの高成長である︒だが設備投資の稼動は依然として活力を
101世 界経 済 に お け る 三つ の地 域 経 済 圏 の性 格 と課題
みせていない︒失業率は依然としてδ%ムロである︒ドイッは︑旧東ドイッの再建を霧の論理で図っているが・活力を示していない︒二⁝年に向けてEuは︑屠吸収力のために産業の活性化政策を打ち出しているが・その具体化は示されていない︒EUは︑拡大EUを通して欧州市歯を目指しているが・きわめて不透明である・にもかかわ.bず︑市民の生活を量的︑質的に充実させるために産業の活性化を通じて失業者を吸収し・新しいEuを実現する
努力を評価したい︒
楽観主馨によれば︑鼻鼠鍛の拡大基調を広げた茜にアジア各国があげられている・その成長の袋的指標を示したのが中国である.中国の九四年上期の小売総額は七︑・八八億︑兀(充約↓両・八兆六・藁ハ億円)と日本の六分璽の規模にまで膨張した.同時に中国臨海部と内陸部の肇は増大している・都市部の消費水準の向上と農村部における消漿準の肇は甚だしい︒蔀の隅子者は︑都市部とその周近の所得格差は・漸次縮小しているといワつ・だが︑中国開放地域と農村の所得格差の拡大は︑深刻である︒
中国における九四年上期の消馨物価上暴は.三%︑国有企業の五〇%誓が赤字であり・労働者は・収入の不安定とインフレに対して不満である.タイ︑マレ←ア︑シンガポル︑鵠など二方で経護長を示しながら・労働者の不満もかなり増大してい(罷︒
万︑鼻経済における成長の星としての東アジア︑中国をどのように評価すべきなのかも世界経済における轟
な課題である︒
元九四年分の時占州における世界馳球気の笑基調の広がりは︑東アジア︑中国の景気上昇を除いて部分的なものであり︑米国︑Eu︑日本︑東欧︑・シアにおける失業問題は︑依然として深刻である・
口 世 界 経 済 の 難 問 に ど う 対 応 す べ き な の か
以上のように・鼻経済は二方で︑先進国の景気回復を期待し︑他方で米国での景気回復の過程でお}︑るインフ
レ懸念・西欧における企業の競争力低下の構造的体質︑失業︑倒産︑格差拡大の諸問題をどのよ.つに解決するか茱
問のまま残されている・鼻経済の構造的体質の変化は︑一九八・年代後半か・り九・年岱剛半にかけて起.ている.
それは世界経済におけるグ〒バ妾ム吉‑ジョ吉ズムの進行となって具体化された.▼しの占描の原型について︑
わたくしは﹃転機にたつ世界経蓮において展開匙.ここではその延長墾で︑世界経済におけるグローバリズム
とリージョナリズムを展開したい︒
だがここで改めて確認しておきたい︒死八〇年代の世界経済の構造とは何であったのかとい.つ点である.
世界経済の現時点の景気留は・八・年代の世界経済の構造にその深部において規定されているか.りである.その
特徴は・国際貿易の飛躍的な発展であり︑それと密接な関連性をも.た海外直接投資の増大であり︑それは商︒叩︑資
本の地球的規模での発展であり︑同時にそれは︑先進国の多国籍傘の地球的規模の拡大にあ.た.
ここであえて整理すれば・最近の世界経済についての楽観論的見地を評価したとしても︑世界経済が八︒年代の経
済 体 質 す な わ ち ・ 地 球 罷 問 題 ・ 福 祉 問 題 ︑ 先 進 諸 禺 の 多 国 籍 傘 に よ る 世 界 市 場 で の 競 争 の 激 化 ︑ 先 進 諸 国 間
の貿易拡大・先進国と中進国・先進国と途上国のそれぞれの貿易の拡大と同時に貿易摩擦の深刻化︑ウルグアイ.一.
ンドの実現化・先進国における構造的失業問題︑為替響の委定︑キにドルの基軸通貨としての役製失︑.
シア・東欧における市場経済の混乱・先進国における規制緩和と社会規制の難問︑国際的物価の格差︑地域市場禺
における所得格差の問題・途上国における多国籍企業の毒制限の問題︑中進国.途上国における人口増と失業︑貧
困.福祉問題などの蕎をどのように解決するかの構造的課題が存在している︒
II帆μ脚 畑騨1 曙 』脚
世界 経 済 にお け る 三つ の地 域 経 済 圏 の性 格 と課 題 103
▼﹂.つし藷問題は︑世界経済研究者にとってのたえざる研究課題でなければならない︒こうした課題を究明するに
当って︑わたくしの分析視角は︑人間主体︑市民主体の世界経済論でなければならないと考えている・日本経済にし
ろ︑米国経済にしろ︑Eu経済にしろ︑東アジア経済にしろ︑資本の自己増殖を目的にした市場経済であっても・人
間主体︑市民主体の経済運営をしない限り︑それは限界に直面する︒羅破壊の問題にしても・環境保全を優先し・それを配慮した企業経済は︑発展するし︑そうでない企業は︑市民︑消費者から反発をうけるであろう・地球撰の
課題は︑三世紀を目指す鼻経済にと.ての基本課題であり︑それはまさに人類の存亡の課題である・それは人間主体︑市民主体の経済運営にとっての前提条件である︒
世界景気の回復は︑各国の企業︑鹿の願望であり︑それは市場経済のもとでは︑企業・政府の経済運営のあり方とも関係している︒基本的には市民の労働に基つく所得が向上し︑生活水準︑環境水準・文化水準の向上に役立つよ,つな経済運営が大切なのである︒Ψ︑の点を無視して資本の自己増殖を画ることを優先すれば・バブルがおこり・蒔
的には︑﹁繁栄﹂をもたらしても︑中・長期的には︑破産に直面し︑資本自体の存在を消滅させる性格をもつのである︒バ︒フルをコントロルし︑市果体の︑労璽体の実態経済の運営を選択しない限り︑三世紀をめざす世界経済・
地域経済はありえないであろう︒
▼﹂.つした問題認識に吻って︑鼻経済のグロ夫リズムとリ←ヨナリズムをたえず自己点検しつつ・人間主体・
地域主体の世界経済を展開すべきではなかろうか︒
もちろんわたくしは次のことをたえず自覚している︒
兀九〇年代は︑世紀末の不透明性︑不安定性︑不確実性の時代であり︑同時に新しい鹿的秩序を模索する時代
である︒
一九八九年・九︒年に起った・シア︑東欧︑†ゴにおける激変は︑戦後の世界の政治.経済の体委変.発.わ
たくしは・それを﹁市民革命﹂であるとかいた︒それは︑旧社会義経済体制の﹁崩壊﹂と同時に新しい市民的経済
秩序・あるいは・わたくしの鹿世界の経済学で表現すれば︑それは︑たえず新しい矛盾毒りむ市民的鼻の市場
価 値 体 系 の 創 造 に あ る と 襲 .
もちろん世界経済を論理化した従来の経済学についても︑そのあり方が問われている︒従来の経済学の体系は︑国
民経済学における崖・流通・消費のあり方を︑論謂に︑数量的に分析する▼﹂とにとどま.た.もちろん︑それぞ
れの学派が・世界経済・国際経済に対する嬰珊的問題提起をした︒例えば︑世界市場論︑資本輸出論︑国際資本移動
論・国際労働価値論・技術移転論︑国際貿易の創出効果論︑政策的には︑国際通貨体制のあり方としての‑MF論︑
百由L﹁多角﹂蕪差別Lを原理とする﹁ガに体制﹂改革論︑その後の発展としての新貿易シス▼アム︑最近ではウル
グアイ体制の確立の課題︑世界環境保全システムの確立などの諸問題である︒
こうした世界経済に共通する諸問題の本性をどのように究明し︑目 体化するかの問題がある︒
わたくしは・本論で・こうし藷賭を自覚しつつ︑冗九〇年代前半の世界経済の留と問題占{を踏えた.つえで︑
改めて爆経済に檸盆馨済機問題を検討したい.とりわけ︑冗九・年代に目パ体化されたアメリカ︑カナダ︑
メキシコのNAFTAの構造と性格・さ・りに九三年±月百発効した了ストリヒト条約に基づくEUの新市場統
合の特徴・東アジアにおけるN査s・ASEANの地域経済圏の構造を検討してみたい︒
(*)アンドレ・マルシャルは・﹃ヨ占ッパ統盒(賢Φ§Φ・・き冒ρお⑪鼻)の中で︑国際経済は先進国と途上国との複雑な絡
み合いの現実であるという立場から世界経済は本来的にさまざまな国民讐Lの型口の対あ場であるという考え方を提出し 〜〜
1Q5世 界経 済 にお け る三 っ の地 域 経 済 圏 の牲 格 と課 題
た︒当然の}︑とである︒マルシャルの経鷲子の基本は薗民経済Lにあった︒人間の経済活動とは本来人間諸個人の経済震における﹁協同関係﹂を意味し︑経済の麓とは協同関係の発展なのである︒歴史的には・まず地理的に限定された狭い農・たとえば村とか町とかといった高地経済L(一.ぎ8塁§ζ・巴Φ§・邑であり・大塚久雄教授が述べた天きくとも数ヵ村程度の規模で︑多かれ少なかれ自給自足への傾向を︑小す糧の商品経済に基づく独自な再生産圏Lである・マルシャルによると︑}﹂の狭い範囲の経済地域かりより広い地域的段階∴農経済誉.①§量屠帥§嘉Φ︒‑塁国§︒邑・すなわ至国内では市町村を契凸した県域段階の農経済から国民的規模での生産︑流通︑消費の循環農開する国民経済Lである・マルシャルは︑地域の協同関係が珂衡をも︒た複禽な︑競争的である高時に相互依存的な;の麿慰係として把握している︒そ▼﹂では撃を濤の議としている︒わたくしは︑国民経済圏内における局地経済・地域経済は相互補完的であり・原則的に商.器生産︑流通︑消費の経済循撃康産し︑地域住民︑国民の〒ズに応じて自立的に経済の発展を可能にすると考える・
ところがへ国際経済は︑各国民経済の型口対立の場であると同時に︑資本にとって国境を越えて・現地での塵・流通・消費の場を覆する︒現地企業とも補完的であるよりも競争的であり︑相反的依存関係的である・ここでいう﹁地域経済圏とは・鼻経済の二体化﹂の中で︑数.国にまたが.て曹⁝︑資本︑労働︑掌ビスが畠移動し・同時に地域的に相互依存的経済関係を確立する〒︑とをい・つ.その点で︑世界経済の中で︑国境を越えて︑貿易疫資を通じて地域的に経済上の補完関係を肇し︑競争と協力関係を通じて︑地域住民の所得向上に貢献する地域的経済システムである・この点マルシャルの理論は欠落している︒し奈.て局地経薗の使い方は︑従来の学説理解では︑きわめて壼的使勢法である・したがってわたくしは地域経薗とは︑鼻経済のグロ去リズムの中で︑原則として数力国以上の国または磯が羨星産・逡・消費にわたる地域的経済循環を再護する経済圏の}︑とであると考える︒その渠軸は開かれた農的社会的市場経済にある・国民的経済の枠組を}﹂えて︑地域的︑相互補完的協力を通じて畿の経済協力関係を維持し発展させることにある・もちろん・中国については・すでに香港と広州︑ムロ湾と福建省を軸に萬経済圏を形成し︑相互補完的経済関係を維持し発展させている・華南経済圏は・東北中国経済圏︑中国沿岸経済圏︑さらに甲﹂・つした地域経済圏を中国全体の経済畿を対象とした中国経済圏という発想もある・いずれにしても︑鼻経済の中で︑雨民経済の段階か・り数力国にわたって崖︑流通︑消費の農経済の再生産構造を形成しつつある地域を農経済圏といってもよい︒あるいは︑国民経済をこえて商品︑資本︑掌ビス.ヒよ自由移動を軸とした地域市場圏とよんでもよい︒ただし︑爾内での曹⁝経済を軸とする再生産地域という局地経済圏という表現をここではとらない︒ここでは世界経済における地域市場圏を対象として考えた︒
二 ︑ 一 九 九 〇 年 代 前 半 の 世 界 経 済 の 動 向 と 問 題 点
e 一 九 八 〇 年 代 後 半 か ら 九 〇 年 代 に か け て の 世 界 貿 易 の 特 徴 と 問 題 点
この時点に限定した理由を述べる︒わたくしは︑貰経済の構造変化をもた・りしたのは︑先進国中︑心の世界貿易の
増大と直犠資の増大にあったと考えている︒とりわけそれは一九八・年代の世界経済の二体化L﹁グ.人ル﹂化
にあった・このグ︒ーバリゼイションは世界経済における生産︑流通︑分配︑消費の構造実きく変えた︒﹁世界経済
の一体化﹂を軸に・資本の国際鎮姦大し︑サ壱ス貿易の比重を増大させ︑したが.て人的交流︑企業の現地定
着肇増大し・さらに情報の国際化を促進させた︒わかり易い表現をすれば︑モノ︑カネ︑ヒト︑サービス︑情報の
国境をこえた交流を増大させたといってもよいであろう︒ここでは︑商口m︑資本︑マビスの国際化の難的箸を
検討してみることにする︒
さきにわたくしはこうした世界讐の矛盾を内包したコ体化≒グ〒バル化Lは八〇年代に急速に増大したと圭日
いた︒この点を改めて確認してみたい︒
冗八︒年代の鼻貿易の篁の特徴は︑製品貿易が拡大した占{にある.製・署易の製口は︑貿易全体の製口の中
で冗八︒年に五六%から七四%に増大した点にある︒死八・年代に︑先進諸国間の製・凹貿易の増大が竪ち︑途
上国と先進国間の製品貿易は低下している︒この点が︑先進国と途上国間の製︒盟易をめぐる格差の拡大とな.て表
面化している・先進国間におけるそれぞれの製品を輸出したり︑輸入したりする傾向は︑九︒年代になると︑直縫
資を通して現地生産化し・同時に︑現地生産した商品窺地で販売するだけでなく︑第三地域に輸出したり︑誉りに
内外価格差構造を踏えて現地の低費用価格を利用して本国に輸出し︑進出先の輸出に貢献し︑製︒盟易を拡大する.
107世 界経 済 に お け る三 っ の地 域 経 済 圏 の性 格 と課 題
第二の特徴は︑サービス
貿易の拡大にある︒数量的
にみても︑{九七〇年に約
五七〇億ドルであったサー
ビス貿易量が一九九〇年に
は︑約六〇〇〇億ドルに達
し︑二〇年間に↓○倍以上
に増大した点にある︒サー
ビス貿易の内容をみると
(第‑表)︑運輸︑通信︑金
融︑保険︑エンジニアリン
グ︑コンサルタント技術
料︑労働所得︑旅行費用な
どである︒サービス貿易の
拡大は︑商品貿易と連動
し︑人的交流を増大させて
いる︒旅行費用を︑日本の
例に限ってみると︑日本人
第1表 サ ー ビス貿 易の 内容 例
サ ー ビ ス 貿 易 一
弩鷹 鐸げる薦 運輸 その他民融 引・その舩 的取引か
旅行
』灘 綴 難 鋒 辮 鱗 繍 ρ現地での生活費(儲
運輸
輔學騨 鱗 群 鵠 欝 撫 矯 磯鍛 船・ 航空機の
そ の他 民間取 引
r翻灘 雛 騨 繋 義拝 棄 舗 圭 毒
特許権使用料等
馨鯵 耀 翻 こ基づ く特許鞭 用料等(ノ ウ ・一ウの実施料を 通信
電 信 電 話 ・ フ ァ ク シ ミ リ ・電 子 メ ー ル ・衛 星 通 信 ・放 送.ケ̲フ ル ァ レ ビ等 の 電 気 通 信 サ ー ビ ス 及 び 郵 便 サ ー ビ ス
。
1建 設 建設 工事代 金(現 地法人 によ る請負 を除 く)。
一保険 元請 け保険及 び再保 険 の保 険料及 び保険 金 の受 払。
金融 鯉 論 蝋 鷺 灘 編 瀦 ∴ オプシ・ン等金融
情 報 サ ー ビ ス デ ー タ ベ ー ス サ ー ビ ス,情ン サ ル タ 報 処 理 サ ー ビ ス,ハ ー ド ウ ェ ア ・ コ ン ト,ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 委 託 等 。
広告 広告作成費 広告媒体出稿料 展示会出展料,市 場調査費等。
㎜
そ の 他 ビ ジ ネ ス ・サ ー ビ ス
ー
鮮 縮 訴 ゑ 鋤 辮 サービス・経営 コンサルティン
フ ィ ル ム 貸 借 料 映 画 ・音 楽,テ レ ビ番 組 等 の フ ィ ル ム 貸 借 料 等 。
教育 留学 費(学 費及 び生活 費等)。
そ の他 公的取 引 政府 間及 び政府 と民 間 との取 引S在 外 公館 の経費等 。
(出 所)通 商 産 藁 省 編 『通 商 自 書 』1994年 版r19ペ ー ジ。
の海外旅行者数は・九三年時点で︑約一.60万人に達し︑貿易外収支では︑完全な赤字であるが︑貿易収支の畢
で・吸収されている・海外旅行者数を世界的順位でみると︑篁位が日本人︑第二位が米国︑第三位がEc諸国であ
る・統計的に旅行費用をみると︑一九七〇年の一八〇億ドルから九〇年竺︑九〇〇億ドルへと.6年間に約δ倍
も増大している・だがサ占ス貿易の拡大は︑国際的銀行︑証券資本の海外活動にあり︑それは︑多国籍企業の現地
での生産︑流通の支配と連動している︒この点はあとで述べる︒
へ ところで︑世界貿易の拡大は︑資本と企業の論理からみると︑かなりのメリットをもっているといわざるをえなし
だから・国境を越えて・資本は地球的規模で自己増殖をはかるのである︒まずそのメリットを吟味する︒
篁に各国の多国籍企業は︑経済の国際化を通じて︑相対比較の優位商︒叩の生産に傾斜する}︑とによ.て︑効率的
生産を可能にし・利潤極大化をめざす︒第二に︑国讐易による市場の拡大は︑関連企業の生産の拡大を誘因し︑規
模の利益による価格低下をもたらし︑現地での消諜男を増大する︒とくに企業の現地での生産にあた.て︑技術
やノゥハウの開発によって・多種︑多彩な商・嬰開発し︑販売効果をあげる}しとができる︒}﹂の点で︑先進国政府が︑
畠の消費者の利益を考慮して︑価格低下を政策的に誘導することが可能である︒だが︑関係企業と政府との警
によって貿易管理を通じて関税率を高く設定する場合もある︒そうすれば︑消費者物価は低下せず︑消費者.市民の
可処分所得増大繕びつかない︒したがって︑良・生活者の論理に立.て︑価格低下をもた・りすよ.つ︑政府は価格
管理をしなければならない︒つまり資本の本来の論理は︑消薯.市民の論理に基づいて価格低下をすべきなのであ
る
第三に・低関税率のもとでは︑輸入品が増加し︑その国の企業の生産する商︒㎝との競争力を高め︑物価を引き下げ
る効果をもたらす・さらに国際投襲による為替の操作によっても為替市場が覚乱し︑ヲ﹂の.フ・セスで例えば︑ドル む⁝
安︑里︑同などの操作を通じて物価変動にインパク巻与える︒例え皆本においては・円高差益還・兀が消響主体に
なっていない︒この点︑たえず市民の立場からウォッチングする必要がある︒
充 八 ︒ 年 代 の 鼻 経 済 を 支 .毛 い る 世 界 貿 易 の 拡 大 は ︑ 先 喬 間 の 水 平 貿 易 中 心 に み ら れ 奈 ・ 先 進 国 と 途 上 国
間の垂直貿易も拡大した︒だが東ア一ソアの貿易の拡大を除いて途ヒ国の輸出は低下し・貿易赤字に直面せざるをえない︒
世 界経 済 に お け る三 つ の 地 域経 済 圏 の性 格 と課 題 109
O﹁九九〇年代前半における海外直接投資と貿易の特徴
一九九〇年代の世界貿易においてきわめて特徴的な問題は︑海外
直接投資を通じた貿易の拡大にある︒もちろん八〇年代後半世界の
海外直接投資は︑国内総生産︑商品・サービス貿易を上回る伸びを
示した︒九〇年代に入って海外直接投資は相対的に低Fしたが︑証
券投資等の国際的な資金移動は活発で︑利益の再投資や借入れなど
により︑企業の海外生産が増大して転罷・九〇年代に入って海外直
接投資の増大は︑企業の現地生産を活発化し︑世界貿易のパフォー
マンスを変えつつある︒例えば︑海外生産の増加により︑技術貿易
や企業内貿易が伸びている︒ちなみに日本のセ要産業の企業内貿易
比率をみると(第‑図)︑電気機械においては︑一九八一年に一八%
第1図 f%)
日本の主要産業の企業内貿易比率
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化 学 … 般
揺気 輸送 精密
機械 機械 機械 機械
50403020100
(出所)通 商 産 業 省 「我 が 国 企 業 の 海 外 事 業 活 動 」
「外 資 系企 業 の動 向 」1992年 な ど。
第2図 主 要 国 ・地 域 の 財 別 貿 易 動 向 5,678
n i.
UOZ0092・
1 0セ
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20 n[\/
翻 灘 翻 濯轟 藩 無 薪 雫 器融 成6年
15ペ ー ジ 。111世 界 経 済 にお け る三 っ の地 域 経 済 圏 の性 格 と課 題
であ.奈︑九琵には四〇%を占め︑輸儀械では︑益年六%であったのが︑九犀には・四七%を占め・精密
機械では︑△年二〇%であっ奈︑九死には四六%になっている︒こうしてみると・海外生産の増加の中味は・投資先国の工業化に貢献し︑現地での製品貿易を拡大していることにある︒とくにN‑Es(鵠・台湾・香港・シンガ
ポ←ASEAN4(フィリピン︑タイ︑マレ←ア︑インドネシア︑シンガずル・ブルネイ・ここではシンガポんとブル
ネイを除く)︑中国など日本以外の東アジアは︑八〇年代から九〇年代にかけて︑米国︑日本・EUなどからの直接投資
を受け入れ︑工業化を図り︑畠貿易における響⁝輸出の割合を大幅に上昇させた(第2図﹃鶴白置平成六年版﹂五→ジ)︒}﹂の図か.bわかるさつに︑米国か・り東アジアに対する製品輸出は︑△年に約二〇〇億ドルであっ奈・九一年には︑六〇〇億ドルと三倍も増大したが︑東アジアからの対米製品輸出は・△年に約三六〇億ドルであり・九葦には︑δ二〇億ドルと約三倍の増加であり︑九葦には東アジアは対米貿易において約四〇〇億ドルの墨である︑日本の対東アジアへの製︒即貿易の輸出をみると︑△年に約三六〇億ドル︑九一年にδδ億ドルと約三
倍近くの伸びを示したのに対し︑東アジアの対日貿易(製品︑一次産品)額は︑八}年に約三六︒億ドル・九一年に七〇〇億ドルで︑対日貿易赤字は約三〇〇億ドルである︒その特徴的性格は︑東アジアからの日本への輸出において製︒署易と茨産︒㎜貿易は均衡している点にある︒Euの対東アジアへの製品輸出額は・△年に約五〇億ドル・九
一隻δ億ドルに対して︑東アジアの対Eu輸出額は︑△年約二〇〇億ドル︑九犀には七六〇億ドルと約四倍
近くに増大している︒同年︑東アジアの対EU輸出は︑約三六〇億ドルが一次産口⁝である︑
芳先進国間の地域別商・㎜(製・⁝︑一次産・㎝)をみると︑米国の智貿易は︑△年約二〇〇億ドル・九奪約四六
〇億ドルと二倍以上の増加であるが︑逆に呆の対米貿易は︑△年︑約四〇〇億ドル・九奪に約九二〇億ドルで約二.三倍の増加であり︑日本は頁して対米貿易大幅畢であり︑九死には四六〇億ドルの墨である・米国の
対Ec貿易をみると・△年に約五〇〇億ドル︑九死に九七〇億ドルで︑約二倍近くの増加であり︑ みると・Euの対米貿易は五〇億ドルの黒字で︑日本の対米黒字の約6分の一である︒ 九一年時点を
第3図 世 界 貿 易 に 占 め る 主 要 国 ・地 域 の 割 合
(1)輸 出
72年
3,885{意 ド ル
82年
1り[〜7.502{意 ド ル
92年
3兆s.50s億 ド ル
(%)
0 2040
東 日 そ 米
τ 本 の 国 晟 最
与 他 外 内
ヨ5仁7ヨ34随4灘 弧9轍21"
\ \'\ \ \
㌦'。'。'・'ド
ii嚢ii匪35 謹" lu/9
\\///
灘 多髪 多
iiiii
14... 24
・:・:・
② 輸 入
72年
3,761億 ド ル
82年
1り1三7.934乖意 ド ル
92年
3兆8,461f意 ド ル
(備 考) (資 料) (出 所)
(%)
ル
ル
ル 0
東1ド ぞ ・ 米soE㌦ ㎜
季 本 窪 国 鍵 梼
::6三 期351&14撒 〜18〜 醗21Z房
\\ \ \ \
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33獣
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15
・.・・
1.東 ア ジ ア は,NIEs,ASEAN4,中 国 と し た 。
2.世 界 全 体 の 輸 出 額 と 輸 入 額 が 一致 し な い の は,統 計 ヒの 不 突 合 に よ る 。 IMF「DOT」
前 掲 書16ペ ー ジ 。
113世 界 経 済 に お け る 三っ の 地域 経 済 圏 の性 格 と課 題
日本の対EU貿易をみると︑八一年二〇〇億ドル︑九一年に六〇〇億ドルと約三倍も増加したのに対して︑EUの
対日貿易は︑八一年五〇億ドル︑九}年二七〇億で五倍以上の増加であり︑九輩時点をとってもEuの対日貿易赤
字は︑三三〇億ドルである︒米国︑ECが日本に対して規制緩和︑内需拡大︑米国・EUの対日企業進出に対して・
進出できる条件を要求するのは当然であろう︒この点は︑世界経済における先進諸国間の貿易均衡をどうするか璽○年以上の共通した課題である︒
八〇年代かり九〇年代にかけて︑東アジアが先進国の直接投資を導入し︑工業化を図り・その製品を先進国さらに
中進国︑途上国に輸出することによって黒字を穫得し︑それを国内投資に向け︑経済成長を促進させた︒
問題を進あよう︒
世界全体の貿易額(名目︑ドル→ス)は︑冗八二年から九二年までの約δ年間に約二倍になり・地域別にみる
と︑日本以外の東アジア(N査s︑ASEAN4︑中国)の割合が︑七二年から九二年までの・δ年間で約二.六倍に
増大した(第3図︑前掲書︑一六ページ)︒
こうした世界全体の貿易額の増大は︑決して順風満帆に進んでいるわけではない︒日本と米国︑ECとの貿易摩擦
をど.つするか︑東アジアの急成長の中で︑それぞれの国内における所得格差︑貧困と失業問題・環境問題・社会資本
不足などにどのように対応するかが問われているのである︒
わたくしは︑企業のグローバルの経済活動の展開と世界貿易の構造変化をどのように受け止めるべきかを重視し
た︒
ゆ
⁝
㊨世界経済におけるサービス貿易の特徴
すでに指摘したように2九八〇年代以降世界の商品貿易︑サ占ス貿易︑直接投資︑証券投資が増大する中で︑
それぞれを比較すると・直接投資と証券投資の伸びがサ壱ス貿易の伸びを上回り︑サービス貿易は︑商︒習易の伸
びを上回っている・このサ壱ス貿易の伸びは当欽⁝のことである商︒署易︑直接投資︑証券投資の伸びと連動してい
るのである・この連動性を無視してマビス貿易はありえないというべきである︒ξ﹂ろで︑従来専門家はサ壱ス
貿易の意味牢分に説明してこなかった︒近代経済学においても︑マルクス経済学においても︑国民経済における牛
産・流通・消費のあり方を議論し︑その性格だけに終始して差︒マルクス経済学においては︑サービス労働は生産
的労働か・不生産的労働かという二元論的議込理編し︑現実の経済分析を通して解明して}︑なか.た.いまの世界
経済の﹁グロ!バル化﹂﹁一体化﹂を︑予想できなかった︒
国際的には・サ竃ビス貿易は︑旅行︑運輸︑その他公・民の取引かり成り喜︑商・⁝のみを対象とする貿易収支や
投資収益・移転収支と並んで︑経常収支の重要藩成要素である︒ζしろが︑従来は︑商・最引の製口に対して︑き
わめて少額であったため・研究の対象になりえなか.た︒ところが︑充八〇年代後半か・り九〇年代前半に︑マビ
ス貿易額が増大し・改めてその位置を検討すべきであるという要請がでてきた︒例えば︑冗九四年の﹃通商皇[﹂
は・サービス貿易の多様化を示している︒同時にサ壱ス貿易の伸びが︑商口叩(財)貿易を上回り︑その規模も︑商︒㎜
貿易の約三〇%に相当している(第2表︑前掲書︑︑一〇ページ)︒
なお同白書は・身近かな例として九三年の日本のマビス貿易における国際旅行関芒旅だ灯︑旅客運賃)の支払︑収
支の事情をあげている・その支払は原油輸入額より大きく︑国際旅行関連収支の赤字が日本の貿易収支黒字の四分の
一を相殺する(第3表)という︒たしかに九三年時点で︑日本人の海外旅行者数は約三〇〇万人で︑外国旅行をしな
115世 界 経 済 にお け る三 つ の地 域 経 済 圏 の性 格 と課 題
第2表 世 界,先 進 国,途 上 国 の 財 ・サ ー ビ ス 貿 易 の 動 向
全世界
「 先進国(受 取)
途 上国(受 取)
F一
.̲」̲̲.̲.
先 進 国 の 占 め る シ ェ ア(%)
i
貿 易 額
(10億 ドル)
年 平均伸 び率 (%)
87年 92年 87‑92年
財貿易
ヤ
2,343 3,58fi
iii
i講9。3サ ー ビ ス貿 易 589 1,016
呼.
・i…・……i…i…醸 …il…,…轍 ・::…,11 .5
運輸
旅行 その他公的取 引 その他民間取引
158 161 47 223
252 282 54 427
9.8 11.9 2.9 i3.9
隔 許鞭 用料
19 37 14.6財貿易
i,s93 2,593i;i
8.9〜
サ ー ビ ス 貿 易 470 802
iii
X1.3運輸
旅行 その他公的取引 その他民間取引
123 122 40 186
195 212 44 351
9.7 11.7 2.3 13.5
1鰭 鞭 用料
18 36 14.3財貿易
610 992 iii 10.2 サ ー ビ ス 貿 易 117 213 i三i .。̲..12.fi運輸
旅行 その他公的取引 その他民間取引
36 39 6
̲訓.̲37
58 70 8 76
10.2 12.4 s.0 15.9
隔 許蔽 用料
0 1 32.4財貿易
284 558iii
・:i・iiiiiii;ii繋iii14.4サ ー ビ ス 貿 易 48 99 ii "卜灘 15.6
運輸
旅行 その他公的取引 その他民間取引
}1
3 ].5
28 32 37
13.fi 15.0 12.3 19.9
17許 鞭 用料
0 Q 58.1財貿易
73.5 72.3サ ー ビ ス 貿 易 79.8 78.9
運輸
旅行 その他公的取引 その他民間取 引
77.5 75.7
・r
83.6
77.2 75.1 81.7 82.1
隔 許鞭 用料
99.0 97.9\
(備 考)貿 易 額 は,輸 出(受 取)額 と し た 。
(出 所)IMF,BalanceofPaymentStatistics,1993,『 通 商 自 書 』 平 成6年 ,20ペ ー ジ 。
位が日本︑第二位がドイツ︑第三位がサウジアラビアである︒
しかし日本は商品貿易で圧倒的黒字である︒米国は︑サ占ス貿易で輸出超過で︑商︒叩貿易で輸入超過である︒▼﹂
第3表 日本 の 国 際 旅 行 関 連 及 び 主 要 輸 出 入 品 目 の 規 模 の 比 較(93年) (単 イ立II『 フゴ ドノレ)
一
サ ー ビ ス 貿 易
収 支
コ45,214 130,927
コ23,293
×7,634
国際旅行関連
輪.
1 一財貿易
X20,241食料品 原 油
137,406 127,991 自動 車
半躰 等電磯 別 ̲
轍 ぜ
53,146 16,732
輸 入(支 払) 56,019101,233
4,935,917
J
3,5126,848t
‑一 嚇 講
58
22:1!1L ̲豊 劃
備 考)サ ー ビ ス貿 易 はIMFベ ー ス,財 貿 易 は通 関 統 計 べ 一 ス・
(資 料)日 本 銀 行 『国 際 収 支 統 計 月 報 』,大 蔵 省 『貿 易 統 計 』,通 商 産 業 省 『通 商 自 書 』21ペ ー ジ。
い方が希小価値があるという皮肉の指摘もある︒
九二年の国別のサービス貿易輸出額をみると︑輸出入とも
米国が世界第一位︑日本は輸出が第六位で︑輸入が第三位で
ある︒サービス貿易収支全体でみると︑米国が世界第一の黒
字国︑第二位がフランス︑第三位がスペイン︑赤字国の第一
第4表 日 米,日EU二 国 間 サ ー ビ ス貿 易 収 支 (92年)
(単{立.白 』ノJド ノレ)
陰
一 ビ ス貿 易 収 支
庵
の他 民間取 引 そ の他公 的取 引 貿易収支
・サ ー ヒ ス 貿 易 収 支
米
9,29fi
対EU
▲10, U
,004
6,900▲4,1
2,6
コ10,825;コ5,
LO58司
̲̲̲̲̲̲⊥̲̲̲̲̲̲.一
629 825
50 30: 罫
39, 29, (出 所)日 本 銀 行 「国 際 収 支 統 計 月 報 」1993年 。
117世 界経 済 に お け る 三つ の地 域 経 済 圏 の性 格 と課題
第5表 米 国 の 統 計 で 見 た 米 日,米EU二 国 間 サ ー ビ ス 貿 易 収 支(92年)
(単 位:百 万 ドル)
サ ー 亟 旅 客 運 賃 …
そ の 他 運 輸
蒋 許 権 使 駆 再1二 『…『…一}}}
雁 稟丙 …皿
廉/EU系
」
二 霜 擁
瞳1握 二 二〜
険純額 兀講け保険 再保険
ぎ
ジ ネ ス ・専 門 ・技 術 サ ー ビ ス 広 告
コ ン ピ ュ ・一 タ ・ デ ー タ 処 理 サ ー ビ ス
デ ー タ ベ ー ス ・ そ の 他 情 報 サ ー ビ ス
調 査 ・開 発 ・試 験 サ ー ビ ス 経 営 ・ コ ン サ ル テ ィ ン グ ・公
共 関 連 サ ー ビ ス
法 律 サ ー ビ ス 『
建 設 ・エ ン ジ ニ ア リ ン グ ・建
1欝 三事号 「 万 一
麟 繋寧 ヨ
対 日本 対EU
収 支
X2,575 6,0QO 4,01
蔓i塑
2,779 1,497 1,892
▲486 1,373 i,i59 aヱ .至
59 121 2,36fi
『 一一 495 A434
928 1,870
587 12fi9 129 Zap 174
▲22 1,148
1110 279
75 194
17
×22 43 32 748
48 298
受 取 支 払 収 支 受
26085135108073
9,1603,1601 ,834 5584,59
2,778
4,5435 ,806
3,544 7,71010,473
2,013 7,6959,477
i,9az 108,9509 ,Q47
111一
59711.2551430
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1,531 158 『
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[亜 董三蟹 璽Lこ ニエ=亙=璽[二 ■τ「亜 丘蒲8
(出 所)通 商 産 業 省 編 『通 商 白 書 』1994年 版,25ペ ー ジ。
79 47 117 95 152
11
藷1
98
うした両国の不均衡をどのように解消するかが今後の課題である︒冗九三年の日本の商︒㎜.マビス貿易収支畢
は・商品貿易収支黒字の約七割弱の規模であり︑米国の曹叩マビス貿易収支赤字は︑商・叩貿易収支赤字の約六割
弱に過ぎない・いずれもサ壱ス貿易の比票大きくなり︑商口㎜貿易と連動している}﹂とが明.りかである︒
さらに﹃通商白書﹄(叢六年版)によると︑九︑霧日本の対米︑対Euの各︑雨.地域間のマビス貿易収支は︑
それぞれ約冗三億ドル・約δ○億ドルの赤字となっている(第4表﹃通商白艶.﹄平成六年︑二四ページ)︒}﹂の金額は︑
対米商品貿易収支墨の約五分の二︑対Eu商品貿易収支墨の約四分の一を相殺し︑商︒叩.サービス貿易収支は︑
対米で三︒億ドルの黒字・対EUで・充四億ドルの畢とな.ている.商・叩.マビス貿易攣A口計すると︑日本
の黒字額は︑日本のサービス貿易が赤字であるから低下している︒
日本のサ壱ス貿易が赤字であることは︑商品貿易の彪大な黒字の蔀を積極的なマビス貿易に切り換えている
ことを意味する(第5表)︒
四多国籍企業の市場拡大化
世界経済のコ体化Lが進むとマビス貿易も増大する︒その背景には︑笙に企業活動の多国籍化が活発化した
事情がある・米国・EU・日本の多国籍企業は︑投資先の直接投資の規制緩和により︑本国の親会社と現地子会社と
の取引関係が活発し・企業内貿易という形能心のサ吉ス貿易を拡大させたのである.とくに技術貿易についてみると︑
企業内貿易比率が高い・例えば・米国の商品・マビス貿易における企茜取引の比楽九九.一年)をみると︑輸出
の技術貿易比率は・商品貿易比率三八%に対して八・%を占めている︒芳輸入の技術貿易比率は︑商.署易比率の
四八%に対して六八%であり(商品・マビス貿易の各比率)︑多国籍企業の海外生産を活発化させる}﹂とによ.て︑本
119世 界経 済 に お け る 三っ の 地 域経 済 圏 の 性格 と課 題
国の親会社と現地(進出先)の子会社との間のライセンス取引を増人させて転疑︒
すでに}九九〇年代に入って海外直接投資は先進国の景気後退によって減少したが︑八〇年代から九〇年代前半に
かけて漸増傾向にある︒その基本的理由は次の点にある︒第一に︑東アジア各国が資本畠化政策を選択し・先進国
のみならず中進国の企業の直接投資を積極的に導入し︑工業化を拡大し︑先進国の親企業と東アジアの受入れ国にお
ける子会社との企業内取引きだけでなく︑現地企業との合弁会社を経営し︑現地生産を促進するからである・これに関連した亨ビス貿易も拡人した︒第︑冨︑鼻経済におけるEUの進展によって︑域外国からのEU内への直接投資が拡大した}﹂とにある︒EUは百して資本自由化政策を展開し︑EU域内企業との競争関係を歓迎したからであ
る︒第三に︑為替相場の変動のもとで︑多国籍企業は︑できるだけ︑為替リスクを避けるために・自国より有利な低
生産コストの国を選択し︑積極的に海外投資活動を展開したからである︒
直接投資の担い手である多国籍企業の経済的効果を﹃通商白書﹄(護六年度版)は強調している・その中味は自由な国際資本移動によ.て資本の最適配分をもなりし︑世界全体の生産力を高め︑雇用の促進のみならず・各国の﹁経済
的厚生﹂を高めるとい・つ痕である︒だが︑多国籍企業間の競争により︑芳では︑競争で勝利する企業は・より生
産と市場を拡人する}﹂とができるが︑敗北し︑倒産した企業にとっては︑経営権を失うだけでなく・多数の失業者を
輩出する︒
v﹂.つした矛盾した側面も総体的に評価する▼しとが人切であろう︒最近では直接投資のメリットを整理して次のよう
にいう︒
直接投資受け入れ国にと.ては︑笙に他国の企業の資本投資によって雇用創出の効果をあげることができる・そ
れは︑先述した通りである.最近のアメ芳の商務省によ奮︑そのことを蓋している・冗九︒年時点で・米国
第6表 多国籍企 業 によ る雇 用創出(90年) (千人)
国一
欧粥
太平洋
1計
̲上s70s.3⊥4705.3
し ぼ
A;米 国 多 国 籍 企 業 の 海 外 子 会 社 に お け る 雇 用 者 数 。 B;非 米 国 多 国 籍 企 業 の 在 ア メ リ カ 子 会 社 の 雇 用 者 数 。
(出 所)SCB,SurveyofCurrentBusiness,1991。
の多国籍企業は︑カナダにおいて九三万人を︑欧州
において二七九万人(ドイツ五九万人︑フランス四一万
人︑英国で八四万人)を︑アジア・太平洋において一
四五万人(内日本四〇万人)︑巾東において四万八千
人︑中南米において一三三万人︑アフリカで一一万
人︑計約六七〇万人の雇用創出効果をもたらしてい
るという︒そして非米国系多国籍企業の在アメリカ
子会社の雇用者数は︑カナダの企業が七四万人︑欧
州企業が二八〇万八千入(うちドイツ企業が五一万三
千人︑フランス企業が三︑二万四千人︑英国企業が一Q.方
九千人)︑アジア・太平洋の企業が八八万人(うち日本
企業が六一万六千人)︑中東企業が二万五千人︑中南米
企業が三万奈つちメキシコ企業万‑千人)︑アフリカ企業が約万人︑非米国系多国籍企業のアメリカにある子会
社の総合計は約四七〇万五千人である(第6表)︒
こうした多国籍企業の現地での雇用創出効果をあげている点をどのように評価するかである︒市場経済における労
働力の需給関係からみて・失業者にとっては︑大きなメリ・芸あると同時に企業讐にとっても現地での企業の信
頼関係を定着する唯一の方法である︒現地の雇用吸収力をはかることは︑双方にとってメリットになるであろう︒だ
が不況に直面し・現地企業の経営悪化に直面したとき︑労働の保証はあるのであろうか︒労働権︑市民権の保証を︑
世 界経 済 に お け る 三つ の地 域経 済 圏 の性 格 と課 題 X21
現地政府は法的にどのように保証しているかが問題である︒この点が今後の課題になるであろう︒
第二に︑資本受け入れ国にとって他国の技術および経営のノゥハウの移転によって生産性の向上をはかり・自国の
企業との競争を活発化させ︑市場の活性化をもたらすことができる︒さらに受け入れ国にとって・多国籍企業と競争
し︑卜分に対抗できる自国の企業を育成し︑雇用を吸収し︑経営の発展を画ることができる︒だが受け入れ国の中小
企業にとっては︑多国籍企業と競争し︑吸収されたり︑倒産する企業もある︒
直接投資の増大に伴う多国籍企業の比重が人きくなると︑経営資源︑資本の国際移動を定着させ︑国際的な市場の
寡占化をもたらし︑企業の自由競争を疎外し︑市場の価格支配をもたらし︑弊害を増大させる︒したがって多国籍企
業を受け入れている国は︑臼国の国民経済の利益の視点から︑多国籍企業の取引慣行︑資本取引に関する規制︑法人
税制等自国の企業の利益を考慮した政策選択を必要とする︒この点︑多国籍企業の規制と国内企業への保護政策をど
のように世界貿易の﹁自由化﹂の中で選択するかである︒この点に関しては︑国連において多国籍企業規制問題とし
て取上げる必要があろう︒
R.バ朱ッ主R・‑ユ7は︑冗七四年に︑﹃地球傘の農﹄の中で・多国簗業を地球企業と名付け・地
球企業は︑経済生活の三つの基本的資源である生産技術︑金融資本︑マーケッティングに対する支配を通じて世界の
政治経済を変えつつあるという︒金融資本の支配については︑国際投機家による為替撹乱作用︑国際的株式取引をめ
ぐる株価の需給メカニズムに介入したり︑先進国の金融政策にもかなりのインパクトを与えている︒
すでに多国籍企業の行動に対しては︑一九七四年五月の第六回国連特別総会で︑途上国側が提出した﹁新国際経済
秩序宣言﹂による規制がある︒この宣言の基調は︑自国の天然資源およびすべての経済活動に対するすべての国家の
完全な恒久的主権の確立にあった︒この一環として多国籍企業の一方的活動が︑とくに途上国にあっては︑国民主権︑
第4図 100{意 ド ル) 700r
アメ リ力多国籍企 業 資産 の推 移
778283 (出 所)scB,
1991.
84858687888990研 こ
"SurveyofCurrentBusiness"
,
国民経済に対する支配を規制すべきで
あると主張している︒この宣言は︑す
でに二〇年前の宙三出であったが︑現在
でもその有効性をもっている︒その後︑
途上国は︑国連開発戦略を具体化し︑
九〇年末︑第四五回国連総会では︑﹁第
四次国連開発の一〇年のための国際開
発戦略﹂を策定し︑経済成長︑人的資源
の開発︑貧困緩和︑環境問題などを電
視し︑途上国の経済自立と発展︑貧困
の解消・環境保全を前提にして先進国の直接投資を位躍つけている︒この指摘は︑直接︑先進国の多国籍企業への規
制ではないが・間接的には途上国の経済自立のために先進国の海外直接投資のあり方を規制したものとして受け止め
てよいであろう︒
第三に受け入れ国にとって︑多国籍企業の総資産を増加させている点である(第4図)︒例えば︑アメリカの多国籍
企業の総資産の伸びを国内の親会社と海外支社に分けてみると︑八〇年代後半において親会社の総資産が年率七%増
にとどまったのに対して・海外支社でのそれは一四%増と子会社が親会社の伸びを大きく上回った︒地域別にみると
ラテン・アメリカでは同二%増の低い伸びにとどまったが︑欧州及び日本では同一八%増︑アジア.太平洋では同二
三%増と高い伸び率を示した︒また売上げの伸び率は親会祉が同七%増に対し︑海外支社は同一二%増︑雇用につい
123世 界 経 済 に お け る 一三つ の地 域 経 済 圏 の 性 格 と 課 題
第8表 世界 の対 外直 接投資(国 際収支 べ 一ス)
流 出 総 額
そ の
国国本C他
上田A
途 ジ 翌 南 の
中アA
国 ア 国 s ‑ 劃
展ア発 中そ
86〜90年
iss.o
157.5 24.7 32.1 74.4 26.3
0.1 0.s O.4
(単 位:10億 ドル)
年
90年 91年0 220.4 ・,
.5 207.4 173.1
7 27.1 29.1
1 48.0 30.7
4 99.4 90.9
.3 32.9 22.4
.5 13.Q 11.1
」 11.4 9.5
7 o.s 0.9
0 6.6 3.9
1 0.1 0.2
s 1.0 Q.8
4 o.s U.$
(注)86〜90年 は 年 平均 。
92年 は 一部BIS(国 際 決 済 銀 行)推 計 。
92年
158.0 146.6 34.8 17.2 82.5 22.412.1
11.4「
10.4
YV
n.a.
n.a.
1.O o.o
ア ジ アNIEsは 韓 国,台 湾,シ ン ガ ポ ー ル の3国 ・地 域
。 ASEANは タ イ,マ レ ー シ ア,フ ィ リ ピ ン1イ ン ドネ シ ア 。 な お,流 出 総 額 はBIS推 計 を 基 に し て 修 正 を 加 え た 値。 (資 料)日 本:国 際 収 支 統 計 月 報
米 国ISCB
中国'磁 撫 鰯AN:B・P,融 統計臓92年 の 箆 霧
1記 以 外 の 地 域BIS"AnnualReport92/93"か ら ろ 社
(出所)JETRO,『tl堺 と 日本 の海 熾 投 資 』1994鉱2一 ジ・ 三 い 綿
ては親会社が同一%増に対し︑海外支社は同二%増と海外支社が
国は︑先進国の多国籍企業に利益をもたらしているといってよい
一九八〇年代後半から九〇年代前半において世界経済の激動を
一九九二年の世界の対外直接投資の特徴は︑九〇年め一一一一〇〇億 主要因は海外直接投資の増大にあった︒
五八〇億ドルと低下した(第8表)︒それ
は米国の景気回復に基づく海外直接
投資が増大したのに対して︑他の先進
国は共通に低下した︒数字で示すとこ
うである︒米国の海外直接投資は九〇
年二七〇億から九二年三四〇億ドル
に増加したのに︑先進国は︑二〇七〇
億ドルから一四六〇億ドルに低下し
た︒だが八〇年代前半︑とくに八二︑
八三年の世界同時不況期と比べて比
率は︑依然として高く︑先進一〇ヵ国
の対外直接投資は決して低水準であ
るとはいえない︒たしかに︑日本・欧
州の対外直接投資が落ち込む中で米
国の対外直接投資が好調であったこ びを上回っている︒したがって受け入れ