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記憶と記録 : 東日本大震災・福島原子力発電所事 故の経験を引き継ぐために

著者 鈴木 智之

出版者 法政大学社会学部学会

雑誌名 社会志林

巻 66

号 3

ページ 1‑3

発行年 2019‑12

URL http://hdl.handle.net/10114/00022508

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1  2011年3月に東日本を襲った地震と津波,そして福島原子力発電所の事故から8年半の歳月が 過ぎようとしている。私たちはもちろんその出来事を忘れてしまったわけではない。しかし,その 経験を引き継ぎ,確かな議論につなげていくための枠組みは共有されていない。記憶の風化,とい う言葉は当たらないはずだが,何も見なかったかのように,再び元の道を歩もうとする動きが前面 を覆っているようにも見える。だが,「3.11」の経験は,私たちの生き方を問い直し,この社会の あり方を見直すように強く訴えかけていたはずである。震災と原発事故をいかに記録し,その記憶 をどのような形で継承し,いかなる社会の構想につなげていくべきだろうか。

 こうした問題意識に立って,2019年7月6日,法政大学市ヶ谷キャンパスS205教室において,

法政大学社会学部学会,大学院社会学研究科教授会共催による「第27回 社学コロキアム」が開 催された。基調講演,報告,指定討論者,司会者は以下の通りである。

  基調講演 壽福眞美 法政大学名誉教授

       「無知の罪と倫理的責任―なぜ持続可能なエネルギー社会を考え続けているのか―」

  報告   深谷直弘 福島大学うつくしまふくしま未来支援センター

       「東日本大震災の記憶を残す活動と原子力災害―資料調査・収集現場におけるモノ と空間の考察」

  報告   松下峻也 法政大学大学院社会学研究科博士後期課程        「記録技術としてのテレビが描く核と人間」

  討論者  山本昭宏 神戸市外国語大学   討論者  小林直毅 法政大学社会学部   司会   堀川三郎 法政大学社会学部

 本号における特集は,この「コロキアム」の報告内容,討論を踏まえ,東日本大震災と原子力災 害をいかに記録し,また記憶していくのかについて,登壇者の論考を集めたものである。「3.11」

以後の社会を,市民としてどう生きていけばよいのか。また,研究者として,その状況にどう関わ っていけばよいのか。それを考え続けるための,ひとつの契機となれば幸いである。

特集

記憶と記録

東日本大震災・福島原子力発電所事故の経験を引き継ぐために

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2

〔第27回・社学コロキアム 会場風景〕

〔報告する松下峻也氏〕

〔質問に答える深谷直弘氏〕

〔講演される壽福眞美先生〕

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3 記憶と記録

 壽福眞美先生は,本号掲載の論考を仕上げられた後,2019年7月31日に逝去されました。文字 通り,これが最後のお仕事となりました。講演に向けて,非常に厳しい病状の中でのご準備であっ たと存じます。しかし,コロキアムの場では,いつものようににこやかな笑顔で,気力にあふれた お話しぶりを見せてくださいました。先生のご遺志をしっかりと受け止めてこの先に進んでいくこ とを,私たちの務めとして胸に刻んで参ります。

 心よりご冥福をお祈り申し上げます。 (文責:鈴木智之)

〔壇上・質問に耳を傾ける小林直毅氏(左)と山本昭宏氏(右)〕

      (写真撮影:柳啓明)

参照

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