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変化する形‑ ( f o l d i ngs t r uc t ur e ) と く t r a ns f o r ma t i o n)

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(1)

長崎大学教育学部紀要‑人文科学‑ 第70

変化する形‑ ( f o l d i ngs t r uc t ur e ) と く t r a ns f o r ma t i o n)

織 田 芳 人 *

Cha nge a bl eFor m :( f ol di ngs

t

r uc t ur e)a nd( t r a ns f or ma t ion) Mi chi t oOda

1 はじめに

1985年か ら,形が変化 す る面 白さを,好 きな素材であるアル ミ・アングルを用 いて作品化 し て きた。表現形式 としては立体構成 とい うことにな る。

形が変化 す る面 白さ とい うのは,変化 していない ときの形 その ものが魅力的であることも要 因の1つであるが,形が変化 してい く途 中を想像 しに くい こともまた, その要因 となっている。

制作す る側 に立つ と,想像 しに くい,絵 に も描 きに くい となる と,実際につ くってみ るしかな い。 それが,形 の変化 を作品化 してい く上で,著者 には大 きな魅力 になっている。

素材 についていえば,著者 はアル ミ・アングルの軽 さ と加工 し易 さ, それ に直線 的光沢 に魅 力を感 じてい るし,接合 に使用 す る金属ネジの光沢 と機能性 も気 に入 っている。

形が変化 す るといって も,2種類の変化がある。1つ は,面か ら塊へ,塊か ら面への変化であ って,(foldingstmchre)シ リーズである。 もう1つは,1個の塊 を分割 して複数の小塊へ,小 塊 を結合 して1個の塊へ とい う変化であ り,(transfbm ation)シ リーズ と名付 けている

1985年制作の《bldingstructurebl》(作品I‑1)が(foldingstructure)シ リーズの最初 の作品 であ る。次 いで《foldingstructurezl

》(

1985年)(作品I‑3),《bldingstructureb2》(1987年)

(作品I‑2)と続 く。 その後,《bldingstructuretetrahedron》(1990年)(作品II‑1)か らは,形体 が開かれた ときに多面体 とな るような構造 とした。 さらに1992年 には《transformationcuboid l》(作品Ⅲ‑1)を制作 し, それを第1作 として(transformation)シ リーズを制作活動 に加 えて き た。本稿で は, これ ら2つのシ リーズにおけるコンセ プ ト,素材,構造,装置 な どについて記

してお きたい。

2 コンセプト

(foldingstructure)シ リーズは,折 り畳む (‑fold)とい う行為 を常 に可能 とす るような形体 を求めて作品化 して きた ものである。発想 の源 はpop‑upと呼ばれ る衆知の飛び出す絵本やカー

ドの面 白さである。 この面 白さ とは,変化 に対す る単純 な驚 きと快感である。

(foldingstructure)シ リーズの作 品では,折 り畳 まれ る(folded)ことによって作品全体 の量 が減少す る。逆 に,開かれ る(unfわlded)ことによって作品全体 の量が増加す る。塊か ら面への 変化, そ して,面か ら塊への変化である。

*長崎大学教育学部芸術表現講座 (美術)

(2)

5 2

作品化す るとい う以上,折 り畳 まれ る前の形体,そして折 り畳 まれた後の形体が魅力的でな ければな らない。 それ らを実現す るために,素材 として後述のアル ミ・アングルを使用 し,形 体の形成 には トラス構造 を活用 した。

次 に,折 り畳 まれ る前の形体 として, プラ トンの立体platonicBodies(正4・6・8・12・20面体) のなかか ら面数の少ない正4・6・8面体 を取 り上げて作品化 した。

さらに,正多面体ではないが,同一の多角形 を要素 とす る多面体 (polyhedron)もい くつか 取 り上げた。それ らを(foldingstructurepolyhedra)(作品I1‑1‑II‑7)と総称 している。

第2のシ リーズである(transform ation)は(foldingstructure)シ リーズを発展 させた立体構成 であるが,量の分割 とそれ らの相互関係の変化が主体 となっている。分割 された形体が面的な ものでな く,まとまった量の塊であ り, しか も,それ らが相互 に拘束 されつつ変形するために, よ り彫刻的な印象を与 えている。

3 素材と構造

3‑ 1 アルミ・ アングル

アル ミ・アングル とは, アル ミニウム合金製の等辺山形材 あるいは不等辺山形材の ことであ る。 アル ミ・アングルの魅力は軽 さ,加工 し易 さ,直線的光沢 にある。軽 いわ りには強度があ るし,腐食 に強い とい う利点 もある。主 にサ ッシュとして利用 されていて,入手 しやすい材料 である。1)著者が使用 しているのは主 として板厚1mmの等辺山形材である。ただ し,た とえば 12×12mmアングルの板厚 は0.8‑0.9mm,30×30mmアングルの板厚 は1.2‑1.3mmとい うよう に,板厚 にバ ラツキがあるので, このバ ラツキも考慮 して設計す る必要がある。

アル ミニウム とい う金属 は工業材料 として,非鉄金属の うちで最 も多 く用 い られてお り,以 下のような多 くの優れた特徴が指摘 されている。 2)

① 軽い :アル ミニウムの比重は2.70で,鉄の7.87,鋼の8.90に比べて約1/3である。 したが って軽量化 に適 した材料である。

② 強い :純 アル ミニウムは軟 らか く,強 さは大 き くないが,鋼や亜鉛,マグネシウムな どを加 えることによって, また冷間加工や時効硬化熱処理 を施す ことによって,強度 を 高 くすることがで きる。

③ 耐食性が よい :アル ミニウムは空気中で表面 に薄 くて微密な酸化皮膜 (アル ミナ)を生 成す るので,腐食性雰囲気や腐食性溶液か らの保護膜 となる。アルマイ ト処理な どの表 面処理 によって, さらに飛躍的に耐食性 を高めることができる。

④ 加工性が よい :アル ミニウムは圧延,押出,鍛造,成形 な どの塑性加工が容易である。

また,アル ミニウムにケイ素を加 えると,鋳造が大変容易 になる。

⑤ 電気伝導性が よい :純 アル ミニウムの電気伝導率は鋼の約64%で,鋼 に次いで高い。

⑥ 熱伝導性が よい :アル ミニウムの熱伝導率 は鋼の約2/3で,鉄の約3倍である。加熱す ると温 ま りやすい とともに,冷やす と急速 に冷 えやすい。

⑦ 磁性 を帯びない :アル ミニウムは非磁性で,磁場 に影響 されない。

⑧ 反射性が よい :アル ミニウムは光,熟,電波 をよ く反射す る。純度の高い ものほ ど反 射率が高 く,放射エネルギーの90%以上を反射する。

⑨ 低温 に強い :アル ミニウムは液体窒素 (‑196℃),液体酸素 (‑183℃),液化天然ガス

(3)

変化す る形‑ (foldingstructure)と(transformation)

53

LNG( ‑1 6 2 ℃)

の低温で も鉄鋼の ような脆性破壊 は起 こさず, じん性 (伸 びがあって粘 り強い こと)が大 きい とい う特性 をもっている。

⑲ 真空特性が よい :アル ミニ ウムは,真空状態でのガス放出が他 の金属 と比べ ると非常 に少ない。

⑪ 鋳造 しやすい :アル ミニウムは融点

( 6 6 0 . 4 ℃)

が低 く,溶解が容易である。 アル ミニウ ムにケイ素を加 えた合金 は,鋳型の中での流動性が よ く,充填 しやす くなる。

⑫ 接合性が よい :溶接, ロウ付 け,ハ ンダ付 けな ど種々の接合法で容易 に接合できる。

⑱ 毒性がない :アル ミニ ウムは無臭,無害で,重金属の ように人体 を害 した り,土壌 を 害 した りす ることがない。

⑭ 美 しい :アル ミニウムは銀 白色の美 しい金属である。

⑮ リサイ クル しやすい :アル ミニ ウムの材料 は,鉄鋼 な どの金属材料 と違 って,全体が 酸化 して酸化物 になって しまうことがない。

造形素材 とい う意味では,①軽 い ②強い ③耐食性が よい ④加工性が よい ⑪鋳造 しやすい

⑫接合性が よい ⑱毒性がない ⑭美 しい, といった点に注 目す る必要があるだろう。アル ミニ ウムを用 いた彫刻技法 として しば しば取 り上げられ るのは,⑪鋳造 しやすい点である。た とえ ば乗松巌 は,構成的彫刻の素材 としてアル ミニウムの鋳造法 を紹介 している 3)

著者の場合,電動装置を組み入れ るので,上述の特徴だけでな く,⑦磁性 を帯びない, とい う特徴 も,誤作動 を防 ぐ意味か ら重要である。

3‑ 2 トラス構造

トラス構造 とは,図1に示す ように, ピン接合 によって3角形 を構成す るように線材 を組んだ 構造である 4) ピン接合 とは,接合部が 自由に回転す ることが可能な接合方法をい う。 トラス 構造では,各部材 にかか る力は圧縮力あるいは引張力だけであって,曲げモーメン トがかか ら ないので,力学的に効率の よい構造 となる。 また形状の点で も空 いている部分が大 きいので, 軽量化す ることがで きる 5)

本稿で取 り上げる著者の作品は実際に動 く必要があるので,軽量化 は制作上かな り重要な課 題である。 また,オーソ ドックスな彫刻に求め られ る重量感か らは疎遠であ りたい とい う思い もあって,視覚的に軽 い印象 を与 えることが十分期待で きる トラス構造 を活用 したのである。

2

はス コッ トラン ドのフォース湾 に架か る

,1 8 9 0

年 に完成 した トラス構造の鉄道橋である。

鋼材 による トラス構造 によって

,1

スパ ン

5 2 1 m

とい う驚異的な長 さが実現 した 6)

この フォース・ブリッジは

1 8 9 0

年当時,世界一の大橋であ り,偉大 な先駆的業績の一つ とさ れたが,芸術家 ウイリアム・モ リスは 「醜悪 さのきわめつけの一例」 といって非難 した らしい。

7) ロル トによれば, 「【フォース・ブリッジを設計 した】エ ンジニアのベイカーは,構造的な誠実 さの主張において正 しかった。芸術家のモ リスは,エ ンジニアの仕事がだんだん と醜悪化 して い くとい う指摘 において間違 ってはいない」 8) とい う。

こうした論争 は,モダン・デザインの歴史が語 られ るときに常に指摘 され るものであ り,た と えば

1 9 1 4

年の ドイツ工作連盟展 における‑ルマン・ムテジウス対 アンリ・ヴァン・ド・ヴェル ドの 論争 もその1つである。論争の是非 は ともか く,立体構成 においては 「構造的な誠実 さ」が重要 なのであって,その必然的結果 として美的特性が付与 され る, とい うのが著者の立場である。

(4)

5 4

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皿 」 [+ ∩

図1 トラス構造 の例

図2 フォース ・ブ リッジ 1890 図3 ア レクサ ンダー ・コル ダー

《赤いはなび ら》1942

4 年ネティツクとしての装置 4‑ 1

動 く仕掛け一電動装置

(foldingstructurepolyhedra)以前の作品では,折 り畳む/開 くという操作を手でおこなう以外 に,形体の変化 を見せ る方法がなかった。そのため展覧会では,開かれた形(unfoldedform)の状 態で展示 していて,折 り畳 まれた形 (foldedform)は観客に想像 してもらうはかなかった。当然の ことなが ら,開かれた形のほうが,形体 に量感があって面 白いか ら,その形で展示 したのである。

(foldingstructurepolyhedra)の作品か らは,観客 に対 して形体の変化 を積極的に見せ るため に,超音波スイ ッチで作動 し始 めるプログラム制御モータを利用 した。 この装置によって,観 客 は形体の変化 を始 ま りか ら終わ りまで見 ることがで きるようになったのである。

ただ しアレクサ ンダー・コルダー9)の (モビール)(図3)の ように自然の空気の流れで動 くの ではな く,モータで動かすのだか ら,規則正 しく動 く。 まさに機械的繰 り返 しになって しまう ところだが,超音波スイ ッチの採用 によって,そ うした単調 さは回避 された。観客がある一定 距離 に近づいた とき,超音波スイ ッチによって突然,作品が動 き出すので,観客 は思わず驚い て しまう。10)さらに興味を抱いた観客 は,積極的に作品を動かそ うとす る。すなわち,無意 識的であれ意識的であれ,作品の作動開始 を観客 に委ね ることができたか らである。

超 音波 スイ ッチ とプログ ラム制御 モー タを組 み合 わせ た装 置 は, その後 に展 開 させ た (transformation)シ リーズで も採用 していて,その4作品はすべて電動で形体の変化 を見せ られ るようになっている。ただ し,そうした装置で作品を動かそ うとす るには,必然的に,形体 そ の ものに大 きな制約が生 じて もいる。

さて,「キネティック・アー トのたいていの作品は,動 くことの面 白さ,新 しい視覚体験の物 珍 しさだけで鑑賞 され ることが多 く,往 々に して中核の問題 になかなか触れて こない物足 りな さ, もどか しさがある ll)と潮江宏三は指摘す る。その中核の問題 とは 「‑,われわれの全体 的な存在,われわれ 自身 と世界 についての経験 と知識の理解 と再現」12)である。 さらに続 けて

「それが,動 きなが ら造形的なパ ターンを産み出す装置の ような中間的な,比較的観照 し易い 場合で も,当のね らいであるパ ターンには必ず形 をなさないすき間があるだけでな く,駆動装置

(5)

変化する形‑ (foldingstructure)(transformation)

55 の造形的な らざる,工業的な形態がそれに必ず付随 しているとい う不都合がある」13)とい う。

制作する立場 にある著者 としては,駆動装置が造形的でない工業的な形態であるという潮江の 批判 に対 して,いささか疑問を感 じる。駆動装置 を造形的であるように制作すべ きではないか,

また,工業的な形態 は造形 的でないのか,と。一方,駆動装置 を どの ように見せ るか,あるいは 見せ ないか,どのように組み合わせ るかな ど,確かに悩む ところで もある。河本敦夫は,「『仕掛 け』のある作品‑あるいはキネティック・アー トについて」と題 して,次のように論 じている。

「仕掛 け」や 「か らくり」のある作品について,芸術か どうか と,首 をか しげる人 は,たいて い芸術 を鍛錬 によって万難 を超 えるべ き技術 と考 えている。‑。つ ま り,仕掛 けをもって解決 す るのは邪道であるとい う観念がある。この場合,芸術 を人力の可能性の領域の中に限界づ け, そこでの鍛錬 による発展深化だけを正当なもの と認める。自然力,物質力を積極的に取 り入れ, それ との協力の上で発展 をはか ることを,む しろ,芸術か らの脱線 と見 る。‑。芸術 を人間の 内側 に閉 じこめて,内在的な技術 に支え られているもの とす るのである。‑。 しか し,機械文 明の高度 に発達 した現代 において,そうい う考 え方が維持で きるものだろうか。それは,近代 的な技術の観念 にそ ぐわない芸術観だ といえないだろうか。14)

河本敦夫 は 「芸術 は技術 とは異なるとい う反対は,無論予想 され ることであるが,しか し,技 術 に拠 らない芸術 はない」15)として,「技術 を人間の内部 に閉 じこめないで,広 く外の自然や物質 の法則の世界 と手を結び,それ らの無限に可能な関連性の中に解放することが,芸術 を底か ら近 代化す ることで もあ り,芸術の観念 その ものを革新す ることになるだろう」16)とい う。つ まると

ころ,技術 と美術 (あるいは芸術)との関係をどのように捉 えるのか,また,どのように捉 えよう とす るのか,が重要 になる。ただ し制作者の側か ら言えば,そのような関係 を突 き詰めなが ら制 作す る方法 もあるだろうが,とにか く制作 してか ら考えてみるということもあるだろうと思 う。

4‑ 2

キネティック・アー トというカテゴ リー

シ リル・パ レッ トによれば,「キネティック・アー トとは,動 きを伴 う芸術の ことである。キネ ティックはギ リシア語のキネシス (動 き),キネティコス (動 きやすさ)に由来す る」17)とい う。

シ リル・パ レットは,「キネティック・アー トの動 く作品は,運動によって空間にある形態を創 り 出す。その形が固体 に見えるか どうかは重要ではない。動 くものが空間の一定の区域の輪郭をは っきりと示 し,フォルムかイメージが運動の結果 として出現すれば充分だ」18)と述べ,ナウム・ガ ボの 《運動による構成

》(

KineticConstruction)(図4)を最初のキネティック・アー トとする。その 後継 として ラースロ・モホ リ‑ナギ19)の 《光=空間調節器》(図5)を挙 げ, さらに,空気の動 きを 利用 したアレクサ ンダー・コルダーの作品やジ ョージ・リッキーの作品 (図6)が続 くとしている。

厳密な意味でのキネティックとは,「空間での動 きを伴 う作品がある作品 自体が動 くか,観客 が動 くか,観客が作品を操作す るか どうかは問わない。ただ しこの運動 は,原則 として,作品 を成立 させ る要素の,視覚的変形 を伴 うべ きである」20)とい うのが,パ レッ トの主張である。

またロバー ト・ア トキンスは,キネティック・スカルプチュアを 「人力や風,モーターな どを 動力 に して,動 く部分 を もった彫刻 21)といい,マルセル ・デュシ ャンの作 品 《自転車の車 輪≫ (図7)を始 ま りとして,ナウム・ガボ とラースロ・モホ リ‑ナギの作品,そ してアレクサ

ンダー・コルダーの (モビール)を挙 げている。

(6)

図4 ナウム・ガボ

《運動による構成》1920

図5 ラースロ・モホリ‑ナギ

《光‑空間調節器》1922‑30

図6 ジョージ・リッキー

《上を向 く4本の線》1967

しか し一方, 「これ【キネティック・アー ト]は,従来の静的な彫刻 に対す る動 く彫刻 といった ものだが, この場合,動 く立体作品全般 を指す もので はない。 ア レクサ ンダー・カルダーのモ ビール彫刻の ように水や風 の ような 自然力で動 く造形 的な作品は,通常, キネテ ィック・アー

トに含 まない」 22)とす る考 えもある。

著者 自身 は,水や風の ような 自然力で動 く作品 もキネテ ィック・アー トと呼んでいい と考 え る。 ジ ョージ・リッキーは,彼 自身の制作活動 をキネティック・アー トの可能性の追求 と捉 えて お り,次の ように記 している。

自然 それ 自身が, その力,形,秩序 と共 に,今で は美術 に組 み入れ られ るようになった。

昔の ようにモデルやひ らめき としてではな く,作品の一部 として。論理約 ・分析的な気質 は,衝動的・感動的な気質 と同様,、表現力に富む (そ して意味深 い) ものだ。23)

5 制作論抄

5‑ 1 く f ol di ngst r uct ur e

)について

私たちが何 らかの造形 に携 われば,有形化 を目論むイメージをよ り明確 に しようとす るだ ろ う。 その ようなイメージの明確化 にあたって, ヴァリエイシ ョン群の存在が, あるいは, その ヴァリエイシ ョン群の存在 に対す る意識が,大 きな因子のひ とつだろうと私 は考 えてい る。イ メージを明確 にす るとい うことは, ヴァ リエイシ ョン群の もつ唆昧 さをで きる限 り減少 させ る ことである。 さらに言 えば, それ らヴァリエイシ ョンを形成 させ る前提 をで きるか ぎ り明確 に 知 らなければな らない。

この ように私 は,制作 を行 うための思考,あるいはその過程 を重視 してい るので,考 え易いよ うに幾何学的な形態 を用 い,また,数理的な条件 を設定 して制作 している。従 って,その結果 と して生 じて きた形態,あるいは状態 に,私はかな りの必然性 を見 るのであって,作品の見 られ方 にそれほ どこだわっていない。絶対的な何かを観者 に伝 えようと意図 しているわけではない。24)

(7)

変化す る形‑ (foldingstructure)transformation)

図7 マルセ ル ・デ ュシ ャ ン

《自転車の車輪》1951

57

5‑ 2

制作方法について

私は,で きるか ぎ り思考 に基づいて制作す ることを考 えている。思考 し続 けて, しか し, ど うして も思考で処理で きな くなった段階に来て初 めて,感覚の力を働かせたい と思 う。制作 に あたって,そのような方法論 を とるので,思考 し易い幾何学的な形態を用 いている。

むろん,頭の中であれ これ考 えることに終始 しているわけではない。 ドローイングを描いた り, マケ ッ トを作 った り, とい うことを繰 り返 しなが ら,有形化 してい くのである。 さて, どこま でその方法論 にこだわれ るだろうか。2

5

)

5‑ 3

個展のコメン ト

形が変化す る面 白さを,好 きな素材のアル ミで作品に してみました。形が変化する面 白さと い うのは,形 それ 自体が魅力的であることも重要ですが,変化 してい く途中の形がなかなか想 像で きない,絵 に描 きに くい,そういった ところにもあるように思います。

個展で見ていただ く形 の変化 は2つあ ります。1つは,面か ら塊へ,塊か ら面への変化です。

もう1つは塊の分割 と結合 とい う変化です。「変化す る形」をご覧になって楽 しんでいただけれ ば幸いです。2

6

)

6 結語

2003年10月,長崎で個展 「変化す る形一織 田芳人造形展」 27)を開 く機会 を得たので,1985年 か ら制作の中心 に してきている2つのシ リーズ(foldingstructure)と(transfom ation)の作品を 展示 した。立体10作品 (うち4作品に電動装置 を取 り付 けた)と壁面3作品を一度 に展覧で きた ことは著者 に とって初 めてであ り, これ までの制作 を振 り返 る意味で も貴重な経験 になった。

上記2つのシ リーズにおいて,素材 をアル ミ・アングル とし, しか も トラス構造 を活用す るこ とによって,作品本体 を軽量化す ることがで きた。一部の作品においては,展示効果 を上げる 意味か ら透明着色 アクリル板 を併用 したが,面材 として使用す ることで, アル ミ・アングル部 材の代替 としての構造強化 を図った。

(8)

5 8

他方,電動装置を組み込んだ架台では, その装置 に余分の負荷がかか らないようにす るため に,架台 自体の変形や振動 を防 ぐ必要があった。そのため,鉄 アングルを用 いての トラス構造 としたので,作品本体のような軽量化 はで きなかった ものの,重量の軽減 を図 りなが ら架台を 安定 させ ることがで きた。

また,動 く形 を観客 に見せ ようとす るとき,手動の場合,観客一人ひ とりに操作 を委ね るこ ともで きな くはないが,それで も限界がある。 しか し電動 にす ることによって,そうした限界 を超 えることがで きた。 さらに,超音波スイ ッチの採用 によって,作品の作動開始 を観客 に委 ね ることがで きたので,作品展示 をよ り実効のあるもの とす ることができた。

ところで,著者の作品に対 して, 「どのような感情 を表現 しているのか」 とか 「どの ような 気持 ちを伝 えたいのか」 といった質問が偶 にあるが, そうい うとき,答 えに窮す る。 それ らの 質問に即答で きるようなスタンスで制作 していないか らである。著者 は立体構成 とい う表現形 式を原点 に しているので,感情表現 あるいは社会的メッセージ とい う意識か らは自ず と遠い と

ころで制作 している。

結果的には,作品に何 らかのメッセージが付与 され るだろうし,著者がそれ らを自覚 してお けばよいのだろう。 しか し,そうしたメ ッセージを強 く意識すればす るほ ど,著者 に とっての 原 点 で あ る立体 構 成 か らは逸 れ て い くよ うに思 わ れ るの で , 素 材 (material) ・構 造

(structure)・形 (form)とい う視点を, これか らも強 く意識 しなが ら制作 していきたい。

1)著者が使用 している等辺 アル ミ・アングル材の規格 を以下に示す。

①板厚 1 mm :L1 2×1 2 mm

,

L1 5×1 5 mm

,

L1 9×1 9 mm

,

L2 5×2 5 mm

②板厚 1 . 2 mm :L3 0×3 0 mm

2 )

『アル ミニウム新時代』工業調査会

1 9 9 3

,p p . 1 3 ‑ 1 7

を参照。

3 )

乗松巌 『彫刻 と技法』近藤出版社

1 9 7 0

,p p. 1 5 4 ‑ 1 5 5

を参照。

4 )

笹川和郎 『初学者のための建築学入門』鹿島出版会

2 0 0 1

,p p . 1 0 4 ‑ 1 0 5

を参照。

5 )

西谷章 『初学者のための新 ・建築構造入門』鹿島出版会

2 0 0 0

,p p . 9 1 ‑ 9 3

を参照。

6)ベル ト ハインリッヒ編著 (宮本裕 ・小林英信訳)『橋の文化史一桁か らアーチへ』鹿島出版 会

1 9 9 1

,p p. 2 3 8 ‑ 2 3 9

を参照。

7)

L

T.C.ロル ト (高島平吾訳)『ヴィク トリアン・エ ンジニア リングー土木 と機械 の時代』鹿 島出版会

1 9 8 9

,p p. 2 3 6 ‑ 2 4 1

を参照。

8 )

同上

,p . 2 4 0

か ら引用。【 1内は著者が補 った。

9)アレクサ ンダーをアレキサ ンダー, また, コルグ‑をコールダーあるいはカルダー と表記 した文献 もあるが,本稿では引用文 を除いて,アレクサ ンダー・コルダー と表記す る。

1 0 ) 2 0 0 3

1 0

月に長崎市内のギャラリーで個展 「変化す る形一織 田芳人造形展」を開いた とき にも, 「作品の前 に立つ と突然,作品がゆっ くりと動 きだ し,思わず ビックリ。それは実 に 不思議な動 きを見せなが ら形 を変化 させていった と評 された。山下昭子 (文化部)「時は 今⑥織田芳人 さん」長崎新聞

2 0 0 3 ‑

l

l ‑ 0 2[ 1 5

面]か ら引用。

l l )

潮江宏三 「比倫 としての 『機械』の概念 をめ ぐって」神林恒道編 『現代芸術の トポロジー』

勤草書房

1 9 8 7

,p . 1 6 0

か ら引用。

(9)

変化す る形‑ (foldingstructure)と(transformation)

5 9 1 2 )

同上

,p p. 1 5 9 ‑ 1 6 0

か ら引用。

1 3 )

同上

,p. 1 6 0

か ら引用。

1 4 )

河本敦夫 『現代造形 の哲学』岩崎美術社

1 9 7 3

,p p. 8 6 1 8 7

か ら引用。

1 5 )

同上

,p . 8 8

か ら引用。

1 6 )

同上

,p p . 8 9

か ら引用。

1 7 )

シ リル・パ レッ ト「キネテ ィック・アー ト」ニ コス・スタンゴス編 (宝木範義訳)

『 2 0

世紀美術

‑ フォー ビスムか らコンセ プチュアル・アー トまで

』PARCO

出版局

1 9 8 5

,p. 2 1 6

か ら引用。

1 8 )

同上

,p. 2 1 9

か ら引用。

1 9 )

ラースロをラースローあるいはラズ ロ, また,モホ リ‑ナギをモホイエナジ と表記 した文 献 もあるが,本稿では引用文 を除いて, ラースロ・モホ リ‑ナギ と表記す る。

2 0 )

シ リル ・パ レッ ト「キネティック・アー ト」ニ コス・スタンゴス編 (宝木範義訳)

『 2 0

世紀美術

‑ フォービスムか らコンセ プチュアル・アー トまで

』PARCO

出版局

1 9 8 5

,p. 2 2 7

か ら引用。

2 1 )

ロバ ー ト・ア トキンス (杉 山・及部 ・水谷共訳)『現代美術 のキー ワー ド【アー ト・ス ピー ク】』 美術出版社

1 9 9 3

,p. 8 9

か ら引用。

2 2 )

潮江宏三 「比倫 としての 「機械」の概念 をめ ぐって」神林恒道編 『現代芸術 の トポロジー』

勃草書房

1 9 8 7

,p. 1 5 8

か ら引用。 【 】内は著者が補 った。

2 3 )

ジ ョージ ・リッキー 「自伝 的 ノー ト」 『ジ ョージ・リッキー展 (図録 )』 カサハ ラ画廊主催

1 9 7 8

9

,p. 6

か ら引用。

2 4 )

個展 (銀座 ・日辰画廊

1 9 9 0

年) リー フレッ ト所収。

2 5 )「 1 9 9 0

モダンアー ト明 日への展望」展パンフレッ ト所収。

2 6 )

KINギャラリー・ホームページ

( 2 0 0 3

年10月)掲載。

2 7 ) 2 0 0 3

1 0

1 8

〜2 9

日に長崎市 内のF

UN

ギャラリーにおいて,同ギャラリーの郷土作家支 援事業 として個展 「変化す る形一織 田芳人造形展」 を開いた。

図版出典

1

:著者作成。井戸田秀樹 ・他 『鉄骨構造一構造特性 と設計の基本 を学ぶ』学芸出版社

2 0 0 4

年,

p. 9

を参照。

2:

カー ド【

n eFo r t hBr id g ec Co l i nBa x t e r

】か ら複写。

3:H

.

H

.ア‑ナス ン 『現代美術 の歴史一絵画 ・彫刻 ・建築 ・写真』美術 出版社

1 9 9 5

,p. 5 2 4

か ら複写。 ア レクサ ンダー ・コル ダー 《赤 いはなび ら

≫1 9 4 2

ス タンデ ィング・モ ビール

( 秩)

高 さ

2 7 9 c m

4

:同上

,p. 3 2 3

か ら複写。 ナ ウム・ガ ボ 《運動 に よる構成

》1 9 2 0

金属棒 ,モー タ 高 さ

4 6 c m

5:

同上

,p. 3 2 5

か ら複写。 ラース ロ・モホ リ‑ナギ 《光‑空間調節器

》1 9 2 2 ‑ 3 0

金属, プラス ティック 高 さ

1 5 1 c m

6:

同上

,p. 5 1 6

か ら複写。 ジ ョージ・リッキー 《上 を向 く

4

本 の線

》1 9 6 7

ステ ンレス・ステ ィール 高 さ

4 8 8 c m

7:

同上

,p. 2 2 8

か ら複写。 マルセル ・デ ュシ ャン 《自転車 の車輪

≫1 9 5 1

アサ ンプラージュ (金属製車輪,木製椅子) 高 さ

1 2 8 c m

(10)

60

I foldingstructure:manual

Ⅰ‑1 fo一dingstructurebl

第35回モダンアー ト展 (東京都美術館)1985/04 サイズ :75×75×30cm/展開時75×150×105cm

「開 く」 とい う1回の行為 で形体 を成立 させ ることを試 みた ものであ る。 デザイ ン部門賞 を受賞。

ト2 foldingstructureb2

第37回モダンアー ト展 (東京都美術館)1987/04 サイズ :75×75×30cm/展開時106×106×131cm

( b

l)で は 「開 く」 とい う

1

回の行為 を前提 としたが, 本作 品 は 「開 く+開 く」 とい う2回の行為 を前提 とし た ものであ る。

Ⅰ‑3 foldingstructure zl '85モダンアー ト明 日への展望

(横浜市民ギャラリー)1985/09

サイズ :75×75×15cm/展開時75×75×197cm

螺旋状 に拡が りなが ら無限 に続 く平面上の形体 を垂直 方 向に転換 した もので あ る。協会か らの招待 に よ り出

ロロ○

(11)

変化する形‑ (foldingstructure)transformation)

5 ・I.J〜,..:さ)きと.′一、篭 毒,‑蛮.∫.寸.: 議題一..‑

61

Ⅰ‑4 foldingstructurev101‑V104 個展 (日辰 画廊 :銀座,東京)1990/02 サイズ :viol:15×15

×1

0cm

vlO2:15×30×10cm/展 開時15×30×15cm vlO3:15×45

×1

0cm/展 開時15×60×15cm vlO4:15×60×10cm/展 開時15×90×15cm

折 り畳 む とい う構造 の造形 にお け るヴ ァ リエイ シ ョン を,最 もシ ンプル な1次元形 式 で呈示 した もので, い わば コンセ プチ ュアル ・モデルで あ る。

Il5 foldingstructurev201‑V204 個展 (日辰 画廊 :銀座,東京)1991/10 サイズ :v201:15×15

×1

0cm

v202:30×30

×1

0cm/展 開時30×30×15cm v203:45×45×10cm/展 開時45×60×15cm v204:60×60

×1

0cm/展 開時60×90×15cm

(vlO1‑vlO4)が垂 直 方 向 にのみ変化 す るの に対 して, 本作 品 は水平方 向 に も変化 す る。 す なわち ヴ ァ リエイ シ ョンの

2

次元 モデルで あ る。

Ⅰ‑6 fsw4601

'95モ ダ ンアー ト明 日への展望 (横浜市民 ギ ャラ リー)1995/08

サイズ :75×75

×1

0cm/展 開時120×97.5×15cm

本 作 品 は, 折 り畳 み構 造 を もつ エ レメ ン トを5個 並 置 し, その折 り畳 む線 を直角 か ら45度 まで少 しずつ変化 させ て い る。 それ に よって,折 り畳 まれ る部分 の動 き は垂直方 向か ら水平方 向 まで変化 す る こ とにな る。 そ の意味で は,折 り畳 み構造 を前提 とした造形 にお け る ヴ ァ リエ イシ ヨンを呈示 した作 品 (v204)の延長 上 に あ る。

(12)

62

I foldjngstructurepolyhedra:electric

Ⅰ‑1 foldingstructuretetrahedron 個展 (日辰画廊 :銀座,東京)1990/02

サイズ :100×87×25cm/立体時120×104×98cm (駆動装置除 く)

立体時 に正3角形 の面4個か ら成 る正4面体 にな る。

‑2 foldingstructurecube

第41回モダンアー ト展 (東京都美術館 )1991/04 サイズ :100×150×25cm/立体時75×75×75cm

(駆動装置除 く)

立体時 に正方形 の面6個 か ら成 る正6面体 すなわち立方 体 にな る。奨励賞 を受賞。

Ⅰ‑3 foldingstructurehexahedron1 '90モダンアー ト明 日への展望

(埼玉県立近代美術館)1990/09

サイズ :87×200×30cm/立体時125×173×108cm (駆動装置除 く)

立体 時 に正3角形 の面6個 か ら成 る6面体 にな る。 アク リル板 (透明着色) を併用。

Ill4 foldingstructurehexahedron2

第40回モダンアー ト展 (東京都美術館)1990/04 サイズ :100×100×25cm/立体時118×87×83cm

(駆動装置除 く)

立体 時 に直角2等辺3角形 の面6個 か ら成 る6面体 にな る。デザイ ン部門賞受賞。

(13)

変化 す る形‑ (foldingstructure)transformation)

63

Ⅰ‑5 foldingstructureoctahedron '91モ ダ ンアー ト明 日への展望

(横浜市民 ギ ャラ リー)1991/09

サ イズ :104×90×25cm/立体時74×74×105cm (駆動装置 除 く)

立体時に正3角形の面8個か ら成 る正8面体 になる。 ア クリル板 (透明着色)を併用。

Ⅰ‑6 foldingstructureoctahedron2 2003モ ダ ンアー ト明 日への展望

(横 浜市民 ギ ャラ リー)2003/09

サイズ :85×127×30cm/立体時90×130×90cm (駆動装置除 く)

立体時 に直角

2

等 辺

3

角形 の面

8

個か ら成 る

8

面体 にな る。

Ⅰ‑7 foldingstructuredecahedron 個展 (日辰 画廊 :銀座,東京 )1991/10

サイズ :120×104×25cm/立体時112×96×80cm (駆動装置除 く)

立体時に正3角形の面10個か ら成 る10面体 になる。 ア クリル板 (透明着色)を併用。

(14)

64

Ⅲ transformation

: e l e c t r i c

Ⅱ‑1 transformationcuboid1

第42回モダンアー ト展 (東京都美術館)1992/04 サイズ :50×43×70cm/変形時116×88×83cm

(駆動装置除 く)

直方体 を

6

分割 した量 の連結で構成 されてい る。水平 面 の形 は正

3

角形 に外接 す る長方形 で あ り,エ レメ ン トとして は,正3角形柱2個 と直角3角形柱4個であ る。

Ⅲ‑2 transform 5301

第52回モダンアー ト展 (東京都美術館)2002/04 サイズ :12×25×50cm/変形時40×34×56cm

(駆動装置除 く)

直方体 を

8

等分割 した量 の連結 で構成 されてい る。エ レメン トは直角2等辺3角形柱である。

Ⅲ‑3 transform 5302

2002モダンアー ト明 日への展望 (埼玉県立近代美術館)2002/09

サイズ :50×50×50cm/変形時77×85×82t血 (駆動装置除 く)

立方体 を8等分割 して生 じる直角2等辺3角形柱 をエ レ メ ン トとす る。 その うちの6個 は ヒンジで連 結 され, 他 の

2

個 は切 り離 されて固定 されてい る。

Ⅲ‑4 transform 5303

第53回モダンアー ト展 (東京都美術館)2003/04 サイズ :50×50×43cm/変形時75×70×80cm

(駆動装置除 く)

正3角形柱 を10個合 わせ た形体 で,水平面 の形 は,正6 角形 か ら正3角形1個 を抜 いた形 で あ る。エ レメ ン トと

して は,正3角形柱2個 と,正3角形柱2個 を接合 した菱 形柱4個 か ら成 る。

(15)

変化す る形‑ (foldingstructure)と(transformation)

Ⅳ 個展 「変化する形一織田芳人造形展

KTNギ ャラ リー郷土作家支援事業 2003/10/18‑29 長崎市五 島町3‑13

65

図 4 ナウム・ ガボ 《 運動による構成 》1 9 2 0 図 5 ラースロ・ モホリ‑ナギ《光‑空間調節器》1922‑30 図 6 ジョージ・リッキー《上を向 く4本の線》19 6 7 しか し一方, 「これ【 キネティック・ アー ト] は,従来の静的な彫刻 に対す る動 く彫刻 といった ものだが, この場合,動 く立体作品全般 を指す もので はない。 ア レクサ ンダー・ カルダーのモ ビール彫刻の ように水や風 の ような 自然力で動 く造形 的な作品は,通常, キネテ ィック・アー トに含

参照

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