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学位論文題名SHADOWS OF MOVING SURFACE

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 理 学 ) 孫    偉 志

     学位論 文題名

SHADOWS OF MOVING SURFACE

(動く曲面の影)

学 位 論 文 内 容 の要 旨

  本 論 文 では 、3次元 ユ ー ク リッ ド 空 間lR3内で 、 あ る方 向 か ら光 が 、 動く 曲 面 に あた っ て い ると き 、 その 光 の 方 向と 直 交 する 平面( 壁)の 上に映る 曲面の影 の局所 的な形状 につ いて 研究し た。

  曲 面 の 影を 研 究 する ー つ の 動機 と し て映 像 理 論に お け る曲 面 の 再現 問 題 があ る 。 映 像 理 論 に お い て は 、3次 元 空 間 内 の 実 際 の 物 体 を3次 元 座 標 空 間 内 にい か に 数学 的 に 再 現 出 来 るか が ー つの 重 要 な 問題 で あ る。 今、曲 面(物 体)に、 ある方向 から光 があたっ てい る と す る と き 、 そ の 曲 面 上 の 各 点で は 照 度Jと ぃ う値 が 定 まる 。 こ のと き 、 反射 度 と 呼 ば れ る 量R(n)と の間 に はHorn image irradiance方程 式R(n)=J(Yi)Y2)が 定ま る こ とが 知 ら れ て い る。 こ の 方程 式 は 曲 面がz= u(y1,Y2)と 言 う 関数 の グ ラフ と し て かか れ て い る と き偏 微 分 方程 式 と な り、P.L.Lions,E.Roy and A.Tourinは この 偏微分方 程式に 対す る 境 界 値 問 題を 設 定 して 、 粘 性 解理 論 を 適用 す る こと に よ り、 曲 面 の再 現 問 題を 研 究 し た 。 こ の と き、 境 界 とし て は 曲 面の 影 の ふち が 対 応し て い るが 、 彼 らの 設 定 した 境 界 の 形 状 は 非 常 に単 純 な もの で あ り 、従 っ て 、一 般 に 曲面 の 影 の形 状 の 分類 を 行 うこ と が 今 後の 研究の 為に必要 となる 。

  固定 さ れ た曲 面 の 影 の局 所 的 な形 状 は 、す で に 、O.A.Platonova及び渡 辺一夫に よって 分 類 さ れ て いる 。 し かし 、 曲 面 が動 い て いる 時 、 その 影 の 形状 は 、 はる か に 複雑 に な る こ と は 容 易 に想 像 で きる 。 本 論 文で は 、 曲面 が 一 径数 に 依 存し て 動 くと き の 、影 の 局 所 的 な 形 状 の 分岐 の 分 類を 行 っ た 。こ の 研 究は 上 記 のよ う な 動機 の ほ かに 、 写 像の 特 異 点 論 の 立 場 か らも 非 常 に興 味 深 い もの と 思 われ 、 ま た、 我 々 が地 上 を 歩い て い ると き 、 日 の 光 によ っ て 映し 出 さ れ る影 は ど のよ うに変 化する かと言う 素朴な日 常的疑 問に答え るも ので もある 。

  曲面 の 影 とは 、 数 学 的に は 、Hを‑U23に埋め込 まれた コンパク ト2次元多様 体(閉曲 面)

として、ある座標軸に平行な射影7r:凪x IR2→ lR2(7r(X)Yi Y2)=(Yi Y2))による像7r(H) の こ とで あ る 。こ こ で は 、こ の 曲 面が 一径数 に依存 して動く 場合を考 える。 この場合 は、

以 下 の よ う に取 り 扱 われ る 。Emb(H,lF23)をHからLR3へ の 埋 め込 み 全 体 のな す 集 合と す る 。 こ の と き、Whitney‑Coo一位 相 を 考え る と この 集 合 はBorel空 間 と なる 。 さ らに 、 次 の集 合を考 える:

p := {e : H  x I      LF23 x 1R{e(p,t) = (it(p),t),itE Emb(H, lR3)}

こ こで 、Jは0を 含 むあ る 開 区 間と す る 。こ の 空 間ア の 元eが3次 元空 間 内 の動 く 曲 面 (一 径 数に 沿 っ て動 く 曲 面) で あ る 。この 場合、そ の影は 、動く曲 面の影 の族を一 固まりと し て3次元空間lR2x 1FZのなかで考え、射影n:lR3x皿→ lR2 x1RrI(x,Yi,伽,め=(Yi 伽,め

(2)

とeと の 合 成 の 像n。e(HxJ) の こ と と す る 。 即 ち 、 実 際 に 目 に 見 え る 影 は 、 各 tEJを 固 定 し た 切 り 口Dt noe(Hx{t})で あ る 。 本 論 文 で は 、 こ の 様 に 定 義 し た 影 の 径 数t に 沿 っ た 分 岐 の 局 所 微 分 同 相 に よ る 分 類 を あ た え た 。 こ こ で 、 分 類 の 為 の 同 値 関 係 は 以 下 の 様 に 定 義 さ れ る :(IR2x皿 ,0) の 部 分 集 合 芽(D,0) と(D´ ,0) が ¢ ― 微 分 同 相 で あ る と はある微分同相芽¢: (lR2x皿,0)→   (lR2x皿,0)で (Yi Y2,t)=(¢1(ッ1 め,t),屯(t))の 形 を し た も の が 存 在 し て , 集 合 芽 と し てcb(D)=D′ を 満 た す こ と と す る 。 こ の 同 値 関 係 に よ り 、 す べ て のteiに 対 す るDn皿2x {t} はD´nlR2x{ ¢2(t) } に 一 斉 に 微 分 同 相 と な り 、D及 び D'の 一 径 数tに 依 存 し た 分 岐 の 形 状 は 同 じ も の と 見 な す こ と が 出 来 る 。 さ ら に 、Pの 元eに 対 す る あ る 性 質Pが 「 典 型 的 」 なeに つ い て 成 立 す る と は 、 あ る 稠 密 な 部 分 集 合Qく ニ ア が 存 在 し てQに 属 す る 任 意 の 元eが 性 質Pを 持 つ こ と と す る 。 即 ち 、 あ る 性 質 が 「 典 型 的 」 と は す べ て の 元 が そ の 性 質 を 持 っ と は 限 ら な い が 、 ど ん な 元 も そ の 性 質 を 持 っ よ う な 元 で 近 似 出 来 る こ と を 意 味 し て い る 。 こ の 様 な 概 念 を 考 え る こ と に より、実際の現象に は現れない病的な部分を除外 することが出来る。

  本論文では以下の 結果を得た。

  定 理 .   「 典 型 的 」 な eEア と そ の 影noe(HxD上 の 任 意 の 点Poに 対 し て 影 の 集 合 芽 くioe(HxJ) ,Po)は 以 下 の 原 点 に お け る 集 合 芽 の ど れ か とtー 微 分 同 相 と な る : {(x,y1, Y2,t)lx=0}

{(x,Yi,Y2,t)lx2十Yi二ニ0}

{(x y1, Y2,亡)IX3十xY2十Yi二二ニ0}

{(¢I飢 伽,t)IX3十tx十エッ;十Y1二ニ0)

{(ヱ Yi Y2,え )IX3十tx ‑ xy9十Yi二ニ0} {(x,Yi 馳,t)IX4十tx2十ヱめ十Yi二ニ0}

{(x y1, Y2,t)IX2十Yi二二ニ0,又はX2十Y2ニ ニ0}

((にっYi 伽,え )IX2十t十ジ!十Y1二ニ0, 又はX2十Yi二ニ0) {(x,Yi,伽,t)IX2十t ‑ジ!‑ Yi二二二ニ0, 又はX2十飢ニニ0}

{(ヱ,飢 耽,t) IX3十tx十xY2十Yi二ニ0, 又はX2十艶二ニ0} {(x,飢,伽,え)IX3十tx ‑ xY2十Y1二ニ0,又 はX2十伽二二ニ0}

{(エ,Yi,伽jt)IX2十¢十Y2ニニ0,又はX3十xY2十Yi二ニ0} {(x,飢 耽,t)IX2十t‑伽‑0,又はX3十xY2十Yi二ニニ0)

{ (z,Yi, 伽 っt) IX2十t十 北 十 Y1 ‑0, 又 はX2十Y1二 二 ニ0, 又 はX2十 伽 二 ニ0} {(x,Yi 伽 ,t)IX2十 tー 伽 一 飢 二 ニ0, 又 はX2十Yi二 二 ニ0, 又 は X2十 め 0}   分 類 を 実 行 す る に 当 た っ て の 主 要 な 道 筋 は 、(1)部 分 多 様 体 の 局 所 方 程 式 の 分 類 、(2) 多 重 局 所 方 程 式 の 分 類 、(3) Thomの 多 重 横 断 性 定 理 の 適 用 の3つ の 部 分 か ら な る 。   3次 元 部 分 多 様 体e(llxJ) 上 の 点(Po,t0)に 対 し て 、 そ の 近 傍 び と 沈 め 込 み 芽F:び → 皿 が 存 在 し て びne(HxD= F− 1(0)が 成 立 す る こ と が 知 ら れ て い る が 、 こ のFをe(HxD の 点(Po, め ) に 於 け る 局 所 方 程 式 と 呼 ぶ 。 本 論 文 で は 、 影 の 分 類 に 於 け るt― 微 分 同 相 の 概 念 を 局 所 方 程 式 の 間 の 対 応 す る 同 値 関 係 に 翻 訳 . し 、 関 数 の 分 類 理 論 を 適 用 す る こ と に よ り 標 準 形 の 一 部 分 を 求 め た 。 ま た 、 影 の 点 は 、 曲 面 上 の 複 数 個 の 点 か ら の 射 影 の 像 に な っ て い る 場 合 も あ る の で 、 そ の 場 合 に 対 応 し て 、 多 重 局 所 方 程 式 を 考 え 、 や は り 関 数 の 分 類 理 論 を 適 用 す る こ と に よ り 、 よ り 一 般 の 標 準 形 も 求 め た 。 さ ら に 、Thomの 多 重 横 断 性 定 理 を 適 用 す る た め に 、 こ れ ら 関 数 の 標 準 形 と 考 え て い る 写 像eと が 厳 密 に 対 応 し て い る こ と を 示 し 、 ベ ク ト ル 場 の 作 る 加 群 の 代 数 的 な 性 質 を 詳 し く 調 べ 、 さ ら に ( 多 重 ) 局 所 方 程 式 の 分 類 に 対 応 す る 写 像 の 同 値 類 を 決 定 し た 。 最 後 に 、Thomの 多 重 横 断 性 定 理 を こ の 写 像 の 分 類 結 果 に 適 用 す る こ と に よ り 、 そ の 標 準 形 を 持 つ こ と がeに と っ て 「 典 型 的 」 で あ る こ と を 示 し た 。 こ れ ら の 方 法 は 個 別 に は 滑 ら か な 写 像 の 特 異 点 論 に 於 い て 、 標 準 的 な 手 法 で あ る と 言 え る が 、 従 来 こ れ ら は 別 々 の 目 的 の た め に 開 発 研 究 さ れ て き た     −39―

(3)

手法である。本論文ではそれらを有機的に統合しそれぞれを改良することにより、動く 曲面の影の分類に適用することが出来た。この過程において、従来の、Platonova や渡辺 一夫の研究とは本質的に異なる考察が必要であった。

     以上。

(4)

学 位 論 文 審 査 の要 旨

主 査   教 授   泉 屋 周 一 副 査   教 授   山 口 佳 三 副 査   教 授   諏 訪 立 雄 副 査   助 教 授   石 川 剛 郎

学 位 論 文 題 名

SHADOWS OF IVIOVING SURFACE

(動く曲面の影)

本 論文 で は 、3次元 ユ ー ク リ ッ ド空 間lR3内 で 、 あ る 方向 か ら 光 が 、 動く 曲 面 にあ たって いる と き、 そ の 光 の 方 向と 直 交 す る 平面 (壁) の上に 映る曲 面の影 の局 所的な 形状に ついて 研究 し て いる 。

曲 面の 影 を 研 究 す るー つ の 動 機 とし て 映 像 理 論に お け る 曲 面の 再 現 問 題 が ある 。映像 理論 に お い て は 、3次 元 空 間 内 の 実 際 の 物 体 を3次 元 座 標 空 間内 に い か に 数学 的 に 再 現 出 来る か が ー つの

そ の曲 に はH 式 は曲

重要 な問 題であ る。今 、曲面 (物体)に、

面 上 の 各点 では 照度Jとぃ う値が 定ま る。

ornlmagelrradlance方 程 式R(n)ニJ( 飢 面が ¢:u(恥 伽) と言う関数のグラフと

あ る 方 向 か ら光 があた って いると すると き、

こ の と き 、 反 射 度と 呼 ば れ る 量R(n)との 間 Y2) が 定ま る こと が知 られて いる。 この方 程 し て か か れ てい るとき 偏微 分方程 式とな り、

P.L.LionsE.Roy and A.Tourinは こ の 偏微 分 方 程 式 に対 する 境界値 問題 を設定 して、 粘性解 理論 を 適 用 す るこ と に よ り 、曲 面 の 再現問 題を研 究した 。ここ で、 彼らの 設定し た境界 の形 状 は非 常 に 単 純 なも の で あ り 、従 っ て 、一般 に曲面 の影の 形状の 分類 を行う ことが 今後の 研究 の 為に必 要とな る。

固定 さ れ た 曲 面の 影 の 局 所 的な 形 状 は 、 す でに 、O.A.Platonova及び渡 辺一 夫によ って分 類さ れて い る 。 し かし 、 曲 面 が 動い て い る時、 その影 の形状 は、は るか に複雑 になる ことは 容易 に 想像 で き る 。 本論 文 で は 、 曲面 が 一 径数に 依存し て動く ときの 、影 の局所 的な形 状の分 岐の 分 類を 行 っ て い る。 こ の 研 究 は上 記 の ような 動機の ほかに 、写像 の特 異点論 の立場 からも 非常 に 興味 深 い も の と思 わ れ 、 ま た、 我 々 が地上 を歩い ている とき、 日の 光によ って映 し出さ れる 影 は ど の よ う に 変 化 す る か と 言 う 素 朴 な 日 常 的 疑 問 に 答 え る も の で も あ る 。 曲面 の 影 と は 、数 学 的 に は 、Hl2:23に 埋 め 込ま れ た コ ンパ クト2次元 多様体 (閉曲 面)と し て、ある座標軸に平行な射影汀:凪x lR2→ IR2(7(z,Yi Y2)=(Yi)Y2))による像7r(H)のこと であ る 。 こ こ では 、 こ の 曲 面が 一 径 数に依 存して 動く場 合を考 える 。この 場合は 、以下 のよ う に取 り 扱 わ れ る。EmbH) 皿3) をHか ら 皿3への 埋 め 込 み全 体のな す集 合とす る。こ のとき 、 WhitneyCoo‐位 相 を 考 え ると こ の 集 合 はBorel空 間 と な る 。 さら に 、 次 の 集合 を 考 え る :

p := {e : H  x I      IR3 x 1Rle(p,t)(it(p),t),itE Emb(H, IR3)}

こ こ で 、f0を 含 む あ る 開 区 間 と す る 。こ の 空 間 ア の元e3次 元空 間 内 の 動 く曲 面 ( 一 径 数 に沿 っ て 動 く 曲 面) で あ る 。 この 場 合 、 そ の影 は 、 動 く曲面 の影の 族を一 固ま りとし て3 元空 間IR2x IRのな かで考 え、射 影n:lR3x凪→ lR2x IR II(x)Yi)Y2)t)=(弧I鴕)£)とe の 合 成 の 像IIe( ロxDの こ と と する 。 即 ち 、 実際 に 目 に 見 え る影 は 、 各terを 固 定 した 切 り 口DtII。 e(Hxt} ) で ある 。 本 論 文 では 、 こ の 様に 定義し た影 の径数Zに 沿った 分岐の 局 所微 分 同 相 に よ る分 類 に つ い て研 究して いる。 ここで 、分類 の為 の同値 関係は 以下の 様に 定 義さ れる:(IR2x10)の 部分集 合芽(D,0) と(D´ ,0)がt一微 分同相 である とはあ る微分同相 芽¢: (1R2x IR,O)→(IR2x IR,0)でQ(Yi Y2,t)=(4i(Yi)Y2,f),カ(z))の形をしたものが存 在 して ) 集 合 芽 と して ¢ (D) =D´ を 満 た すこ と と す る。 この同 値関係 によ り、す ぺてのZEJ

4 1‑

(5)

に対するDn /R2xtZ)はD´C11R2xt¢2(t))に一斉に微分同相となり、D及びD′の一径数t に依存した分岐の形状は同じものと見なすことが出来る。さらに、Pの元eに対するある性質 Pが 「典型 的」と は、す べての元eがその 性質Pを 持っと は限らないが、どんな元もその性 質アを持っような元で近似出来ることとする。この様な概念を考えることにより、実際の現 象には現れない病的な部分を除外することが出来る。

本論文では、「典型的」なeEアに対して、その影の上の任意の点のまわりの影の芽を前記の 同 値 関 係 で 分 類 を 行 い 、 そ の 結 果 、 全 部 で 九 つ の 標 準 形 を 得 て い る 。 分類の主要な道筋は、(1)部分多様体の局所方程式の分類、(2)多重局所方程式の分類、(3) Thomの 多重横断性定理の適用の3つの部分からなる。これらの方法は個別には滑らかな写像 の特異点論に於いて、標準的な手法であると言えるが、従来これらは別々の目的のために開発 研究されてきた手法である。本論文ではそれらを有機的に統合しそれぞれを改良することに より、動く曲面の影の分類に適用している。.この過程において、従来の、Platonovaや渡辺一 夫の研究とは本質的に異なる考察が必要であった。

これを要するに、著者は滑らかな写像の特異点論の応用と,して動く曲面の影の分類理論に関 して新知見を得たものであり、微分トポロジー(特異点論)及び映像理論に貢献すること大な るものがある.

よ っ て 著者 は 、 北 海道 大 学 博 士( 理 学 )の 学位を 授与さ れる資 格ある ものと 認める .

42ー

参照

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