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学位論文題名Numerical study of nonlinear energy transfer fom 1argegenerationSCaledOWntOSma11diSSipation SCaleaCrOSStheOCeanlCinternalWaVeSpeCtrum

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 理 学 ) 丹 羽 淑 博

     学位論文題名

Numerical study of nonlinear energy transfer fom   1argegenerationSCaledOWntOSma11diSSipation   SCaleaCrOSStheOCeanlCinternalWaVeSpeCtrum

( 海 洋内 部 波 スペ ク トル 内 に おけ る 励起 ス ケ ールから 散逸 ス ケ ール ま で のエ ネ ルギ ー 輸 送過 程 に関 す る 数値的研 究)

学位論文内容の要旨

  海洋大循環モデルで再現される循環のパターンが乱流混合パラメータの大きさに 鋭敏に依存することからわかるように、高精度な海洋大循環モデルを構築するため には乱流混合の的確なパラメタリゼーションが必要不可欠である。海洋の中・深層 における乱流混合を引き起こすために必要なエネルギーは、もともと大気擾乱や潮 流と海底地形の相互作用などによって励起されるラージスケールの内部波のエネル ギーが、非線形相互作用を通じて、乱流混合・散逸スケールまで海洋内部波スベク トル内をカスケードアップすることにより供給されている。したがって、海洋内部 波の励起スケールから散逸スケールまでのエネルギーの流れを明らかにすることで、

より観測しやすい内部波励起源の情報から乱流混合のパラメタリゼーションが出来 るものと考えられる。本研究では、この乱流混合のパラメタリゼーションを行うた めの基礎研究として、海洋内部波の励起スケールから散逸スケールまでのエネルギ ー輸送過程を数値実験を行うことにより調べた。

  本 研 究 では ま ず最 初 に 、Garrett&Munkの 海洋内部 波スペク トルモデ ルを初 期状態に設定してプリミティブ運動方程式を数値積分することにより、海洋深層で 観測されるものと酷似した内部波平衡スベクトルを数値モデル内で再現した。特に、

鉛直波 長約10mでス ベクトル の勾配が 変化して できるロー ルオフ領域の再現に成 功したのは、本研究が初めてである。また特に、この内部波スベクトルの高鉛直波 数・近 慣性(m〜D領域が海 洋の中・深層における乱流混合を大きくコントロール していることが明らかになった。この領域のエネルギーレベルが上昇すると内部波 場の所々に鉛直スケールの小さいシアー流構造が形成され、このシアー流に伴う臨 界層において内部波が捕捉・砕波されることにより海洋の中・深層での乱流混合が 引き起こされていると考えられる。

(2)

  次 に 、 こ う し て 再 現 さ れ た 内部 波平 衡ス ペク トル への 外力 情 報を 得る ため に、 海 洋 上 を 伝 播 す る 大 気 擾 乱 に よ る内 部波 励起 過程 につ いて の数 値 実験 を行 った 。そ の 結 果 、 大 気 擾 乱 に よ っ て 近 慣 性 波 ( 山 〜Dが 直 接 励 起 さ れる の に加 え、 鉛直 低次 モ ー ド ・ 周 波 数 の 〜 2fの 内 部 波 が 非 線 形 効 果 に よ っ て 励 起さ れ るこ とが 明ら かに な っ た 。 バ イ ス ベ ク ト ル 解 析 を 行 っ た 結 果 、 こ の 鉛 直 低 次 モー ド.m〜  2fの 内部 波 は 、 海 洋 上 層 に 励 起 さ れ る 鉛 直高 次モ ード ・近 慣性 波の 非線 形 相互 作用 を通 じて 効 率的 に励起されていることが分かった。

  こ の 大 気 擾 乱 の フ ォ ー シ ン グに 対す る内 部波 平衡 スペ クト ル の応 答を 調べ るた め に 、 第1の 数 値 実 験 で 再 現 さ れ た 内 部 波 平 衡 ス ペ ク ト ル のそ れ ぞれ 低鉛 直波 数・ 近 慣 性 領 域 お よ ぴ 低 鉛 直 波 数 ・ の 〜2fの 領 域 に ス ベ ク ト ル バ ン プ を 与 え 、 そ の 後 の ス ベ ク ト ル の 時 間 発 展 を 調 べ た。 その 結果 、近 慣性 領域 にバ ン プを 与え た場 合は ス ベ ク ト ル の 時 間 発 展 が ほ と ん ど見 られ ない のに 対し 、山 〜  2fの領 域に バン プを 与 え た 場 合 は エ ネ ル ギ ー が 高 鉛 直波 数・ 近慣 性領 域へ とカ スケ ー ドア ップ し、 この 結 果 、 内 部 波 場 に 鉛 直 ス ケ ー ル の小 さい シア ー流 が強 化さ れる こ とが 分か った 。こ の こ と は 、 大 気 擾 乱 に よ っ て 励 起さ れる 鉛直 低次 モー ド・ 山〜  2fの 内部 波が 海洋 の 中 ・ 深 層 に お け る 乱 流 混 合 の 効率 的な エネ ルギ ー供 給源 とな る こと を示 して いる 。   以 上 の 数 値 実 験 の 結 果 か ら 、内 部波 の励 起ス ケー ルか ら散 逸 スケ ール まで のエ ネ ル ギ ー 輸 送 過 程 に 関 し て 以 下 の よ う な シ ナ リ オ を 初 め て 提出 する こと がで きたfオ 寅 窃 翫 ゆl洋 と ´ 冒 の . 鉗 蓮 萵 飲 モ ー ド ・ 近 顏 讎 誼 ゆ 銘 酒 觝 次 モ ー ド ・J後 讃 甜

〜 ガ P<127T,lゆ 艪岸 駕儚 の内 廓放 ス ペク/  A.p jr/:おゲ る鉛 直 蔦ill5 r・ 近繊 箜 餌: 紡へのエネヶギーカヌケードアップ母.鉛直スクー//の//、さレ、シアー流に伴彡鱈 ゴ琴 層での内悌彼 の捕捉・犀厳毒え競握倉)。

  さ ら に 、 こ の シ ナ リ オ の 中 で 特 に 重 要 な 役 割 を 担 っ て い るo2fの 内 部 波 が 、 大 気 擾 乱 の 通 過 に 伴 っ て 現 実 の海 洋中 で励 起さ れて いる こと を 、長 期係 留系 流速 デ ータ を詳細に解析することにより確認できた。

  今 後 は 、 (1)現 実 の 風 応 力 場 を 数 値 モ デ ル に 組 み 込 む こ と に よ り 鉛 直 低 次 モ ー ド ・ り 〜2fの 内 部 波 の 時 空 間 的 分 布 を 求 め る 。(2)こ れ を 、 各 地 点 に お け る 内 部 波 平 衡 ス ペ ク ト ル に 外 カ と し て与 える こと で乱 流混 合領 域へ と カス ケー ドア ップ す る エ ネ ル ギ ー 量 を 見 積 も る 。 以上 の結 果を もと に、 海洋 の中 ・ 深層 にお ける 乱流 混 合率 のマッヒ゜ングを行っていく予定である。

(3)

学 位 論 文 審 査 の 要 旨 主 査

副 査 副 査 副 査 副 査

教授 教授 教授 助教授 助教授

金成 菊地 播磨屋 見延 日比谷

誠一 勝弘 敏生 庄士郎

紀之(東京大学理学系研究科)

    

学位論文題名

NumericalS

、,

tudy of nonlinear energy transfer from   large generation scale down to small dissipation   scale across the oceanlc internal wave spectrum     

(海洋内部波スペクトル内における励起スケールから散逸

    

スケールまでのエネルギー輸送過程に関する数値的研究)

    近 年 の 大 型 計 算 機 の め ざ ま し い 発 展 と と も に 、 高 解 像 度 の 海 洋 大 循 環 モ デ ル が さ か ん に 提 出 さ れ て い る 。 し か し な が ら 、 計 算 手 法 と し て 差 分 法 を 採 用 し て い る 限 り 、 依 然 と し て 未 解 決 の ま ま に 残 さ れ て い る の が 、 サ ブ グ リ ッ ド ス ケ ー ル の パ ラ メ タ リ ゼ ー シ ョ ン の 問 題 で あ る 。 実 際 、 数 値 モ デ ル で 再 現 さ れ る 熱 塩 海 洋 大 循 環 の パ タ ー ン や そ の 強 さ は 、 モ デ ル 内 で 仮 定 さ れ る 乱 流 拡 散 パ ラ メ ー タ の 値 、 特 に 、 内 部 重 力 波 の 砕 波 に 伴 う 等 密 度 線 を 横 切 る 方 向 の 混 合 パ ラ メ ー タ の 値 に 依 存 し て 大 き く 変 化 し て し ま う 。 現 状 で は 、 こ の 乱 流 拡 散 率 の 大 き さ ど こ ろ か オ ー ダ ー さ え も よ く わ か っ て お ら ず 、 海 洋 の 中 ・ 深 層 に お け る そ の グ ロ ー バ ル な 時 空 間 分 布 を 明 ら か に す る こ と が 、 海 洋 現 象 ひ い て は 気 候 変 動 の 予 測 に 必 要 不 可 欠 な 課 題 と な っ て い る 。

    従 来 、 乱 流 拡 散 率 の 見 積 り は 、 マ イ ク ロ ス ケ ー ル プ ロ フ ァ イ ラ ー な ど の 測 器 を 海 洋 中 で 鉛 直 方 向 に ゆ っ く り と 自 由 落 下 さ せ 、 流 速 の 鉛 直 シ ア ー を は か る こ と に よ っ て な さ れ て き た 。 し か し な が ら 、 こ の 方 法 で は 、 グ ロ ー バ ル な 乱 流 拡 散 率 の マ ッ ビ ン グ は 到 底 望 む こ と が で き な い 。 こ れ を 解 決 す る た め 、 申 請 者 は 、 乱 流 拡 散 に 使 わ れ る エ ネ ル ギ ー が 、 元 カ は 大 規 模 ス ケ ー ル に お い て 大 気 擾 乱 や 潮 流 に よ り 与 え ら れ 、 そ れ が 、 内 部 重 力 波 の 非 線 形 干 渉 を 通 じ て 、 広 い パ ラ メ ー タ 空 間 を 乱 流 ス ケ ー ル ま で カ ス ケ ー ド ア ッ プ し て く る こ と に 注 目 し て い る 。 本 論 文 は 、 こ の エ ネ ル ギ ー の 流 れ を 理 論 的 に お さ え る こ と で 、 よ り 観 測

(4)

しやすい外力場の情報から乱流拡散のグローバルな時空間分布を解明していく ための基礎研究を完成させたものである。

    

具体的には、まず、線形モード波の重ね合わせとして経験的に定義された ギャレット・ムンクの平衡スベクトルを初期状態として数値実験を行い、線形 モード波問の長時間にわたる非線形干渉を行わせることで、海洋の中・深層で 観測されるものと酷似した内部波平衡スペクトルを再現した。続いて、この内 部波スペクトルに対する外カとして、海上を伝播する大気擾乱に注目した数値 実験を行い、大気擾乱の伝播によって、海洋上層に強い近慣性流(甜〜f )が 誘起されるとともに、それらの非線形干渉によって周期m ‑  2f .鉛直低モー ドの内部重力波が生成されることを示した。実際に、これらの外カをカ学的に 再現した内部波平衡スベクトルに加えることで、この鉛直低モード.m ‑‑2f の 内部重力波が、3 波共鳴機構を通じ、海洋の中・深層における鉛直スケールの 小さな近慣性流シアーを次第に誘起していくこと、そして、この鉛直高波数の 近慣性流シアーに伴う臨界層にスケールの小さな内部重力波が吸収(臨界層吸 収)されることで、エネルギーの散逸が行われていることを初めて明らかにし た。さらに 、北太平洋の北緯27 度から33 度の深海に約1 年間係留された流速 計データを詳細に解析することにより、このエネルギーカスケードの鍵となる 鉛直低モード.m ‑‑2f の内部重力波が、冬季に活発となる中緯度低気圧の伝播 に伴って実際に励起されていることを確かめ、このエネルギーカスケードアッ プのシナリオの存在を確認した。特に、このデータ解析から、乱流拡散率は時 空間的に一定ではなくて、空間的には北太平洋の西側で大きいこと、また、冬 季の乱流拡散率は夏季のそれに比べて、オーダーが異なるくらい大きくなるこ とも示唆され、時空間的に一定の乱流拡散パラメータを用いている現在の海洋 大循環モデルへの警鐘ともいうべき結果を得ている。

    

以上のように、申請者の博士論文は、内部重力波の非線形相互干渉による エネルギーカスケードアッブに注目することによって、より把握しやすい外カ エネルギーの時空間分布、特に、大気擾乱や潮流によって励起された鉛直低モ ード.m 〜2f の内部重力波エネルギーの空間分布から、海洋の中・深層での 乱流拡散率のマッピングが可能となることを明確に示したものである。この結 果は、今まで、局所的かつ小規模スケールにとどまっていた乱流混合の分野の 研究をグローバルな観点から位置づけることに成功したものであり、海洋大循 環を始めとする今後の広い分野の海洋物理学の発展にはかりしれない貢献をし たものと考えられる。

    

よって申請者は、北海道大学博士(理学)の学位を授与されるに十分な資

格があるものと認める。

参照

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